JP3682599B2 - 原子炉内溶接構造物の表面処理方法 - Google Patents

原子炉内溶接構造物の表面処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子炉内溶接構造物の表面処理方法に係り、特に、原子力圧力容器内で炉水に接する原子炉内溶接構造物の表面を処理し、その耐粒界腐食性を改善するに好適な原子炉内溶接構造物の表面処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、原子力機器に属する原子炉圧力容器として、図5に示すものが知られている。この原子炉圧力容器には、低合金鋼の圧力容器本体1内に炉内構造物2や各種計装ノズル3、制御棒駆動機構の配管4などが取付られている。この原子炉圧力容器は、図6に示すように、低合金鋼の圧力容器本体1と、炉の内壁面を構成するステンレス鋼肉盛溶接金属5から構成されている。この圧力容器本体1の開口1aには計装ノズル配管7が挿入されている。そしてノズル配管7の先端側は、溶接の開先内に応力除去焼鈍を行なったニッケル基合金の肉盛溶接金属部6とニッケル基合金の付き合わせ溶接金属部8によって圧力容器本体1に溶着されている。
【0003】
従来技術では、溶接の開先内の溶接金属部6と付き合わせ溶接金属部8のニッケル基合金として、AWS A5.11−76規格による溶接棒ENiCrFe−1あるいはENiCrFe−3が使用されている。これらの合金組成の一例を示すと、ENiCrFe−1相当の材料はヒートA:0.041重量%C、2.46重量%Mn、72.13重量%Ni、14.73重量%Cr、8.01重量%Fe、2.33重量%Nb、0.03重量%Tiであり、ENiCrFe−3相当の材料はヒートB:0.039重量%C、6.32重量%Mn、65.89重量%Ni、15.26重量%Cr、9.54重量%Fe、1.67重量%Nb、0.54重量%Tiである。
【0004】
しかし、従来技術によるニッケル基合金ではNb含有量が少ないので、粒界腐食感受性を有するということが、図7に示す試験結果から明らかである。
【0005】
図7は、ニッケル基合金の改良ASTM G28試験、いわゆる硫酸・硫酸第2鉄腐食試験による粒界腐食試験結果を示している。図中に示した材料のうち、Type82と称するものは、AWS A5.14−76規格におけるERNiCr−3相当の材料であり、Type182とは、AWS A5.11−76規格で溶接棒ENiCrFe−1あるいはENiCrFe−3である。さらに、Type600とは、通常のニッケル基600合金のことである。図7において、粒界腐食試験結果は、材料中の炭素(C)量とニオブ量と2倍のチタン(Ti)の量の合計(Nb+2Ti)重量%の関係で示している。図中の黒塗の記号は耐粒界腐食性の判定基準0.5mm/d以上であったことを示しており、白抜きの記号は耐粒界腐食性の判定基準0.5mm/d以下であったことを示している。
【0006】
図7より明らかなように、安定化パラメータと称するN(=O.13(Nb+2Ti)/C)の値が12以上の成分領域は耐粒界腐食性が優れる領域である。この耐食性が優れるメカニズムはニッケル基合金内において、十分な量のNbは、CをNbCとして固定して安定化させることになるので、結晶粒界でCとCrとが反応してCrの欠乏偏析を形成し、いわゆる鋭敏化することがないためである。なお、耐粒界腐食性が優れる領域に一点だけ黒塗のデータがあるが、このヒートは、他のヒートのSi量に比べ、多くのSi量を含有しており、例外のヒートと考えて良い。
【0007】
このように、図7から明らかな点は、一定C量の場合、耐粒界腐食性の向上のためには、Nb量を多く含有させる必要があることを示していることである。
【0008】
また上述したAWS A5.11−76規格で溶接棒の種類がENiCrFe−1あるいはENiCrFe−3の溶接金属はほとんどが上記ヒートAおよびヒートBのように、含有Nb量が少なく、図7で安定化パラメータN(=0.13(Nb+2Ti)/C)の値が12以下の領域であり、耐粒界腐食性を有していない。したがって、炉水に接するニッケル基合金溶接部には何らかの表面処理を施す必要があると考えられる。
【0009】
表面処理方法としては、例えば、特許公報第2654235号に記載されているように、原子炉容器の溶接部に固定されたオーステナイト系ステンレス鋼中性子束モニタハウジングなどの長尺ハウジングの上記溶接部によって熱の影響を受ける範囲内の内周面の表面を直接溶融させて、ここに、デルタ・フェライト組織を析出させ、しかるのち、熱影響部にショット・ピーニングを施すものが提案されている。
【0010】
この方法をニッケル基合金に適用する場合を考えてみると、ニッケル基合金では、表面を溶融させても、冶金的条件から、フェライト組織は現われず、特有の効果が現われないことになる。
【0011】
また、別の表面処理方法としては、例えば、特許公報第2672613号に記載されているように、原子炉圧力容器内の炉水中に設置されたオーステナイト・ステンレス鋼の原子炉内構造物及び機器の溶接部の表面を炉水中でレーザにより、溶融する溶融工程と、この溶融された溶接部の表面を炉水により、急冷する急冷工程とに従って処理するものが提案されている。しかし、この方法を用いても、ニッケル基合金では、溶接金属のように、Nbを含有しない場合や、Nb含有量が少ない場合には、溶融工程と急冷工程だけでは、耐粒界腐食性を改善することはできない。この理由は、ニッケル基合金はオーステナイト系ステンレス鋼に比べ、Cの固溶度が非常に小さく、水冷による冷却でも鋭敏化を防ぐことは困難であるからである。
【0012】
さらに、別の表面処理方法として、特開平3−63128号公報に記載されているように、ステンレス鋼母材の表面に、Cr:15−50重量%、Ni:5−30重量%、Fe:40−60重量%、Mo:1−4重量%の組成のクラッド層を形成するものが提案されている。この方法によれば、耐食性を向上させることができる。しかし、この技術は、ステンレス鋼を対象としており、Nbに着目してクラッド形成をすることについては配慮されてはいない。したがって、上記の技術を用いても、ニッケル基合金に対しては、あまり耐粒界腐食性の向上を図ることは期待できない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来技術では、Cの固溶度が小さいニッケル基合金では、Nb含有量が少ないと、耐粒界腐食特性の確保のためには、十分でないということについては配慮されておらず、これを改善しょうとする表面処理技術もオーステナイト系ステンレス鋼に対してのみであり、ニッケル基合金に対する処理方法については配慮されていない。
【0014】
本発明の目的は、ニッケル基合金の耐粒界腐食特性を改善することができる原子炉内溶接構造物の表面処理方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、原子炉圧力容器の開口に挿入された溶接対象を前記圧力容器の内壁面にニッケル基合金で溶接し、この溶接によって圧力容器内に形成された溶接構造物の表面を処理するに際して、
前記溶接構造物の表面にNbを供給し、前記溶接構造物の表面層金属と前記供給したNbに熱エネルギーを与えて両者を溶融融合して合金化することを特徴とする原子炉内溶接構造物の表面処理方法を採用したものである。
【0016】
前記原子炉内溶接構造物の表面処理方法を採用するに際しては、以下の要素を付加することができる。
【0017】
(1)前記溶接構造物の表面層金属と前記供給したNbに熱エネルギーを与えるに際して、アーク放電による熱エネルギーまたはレーザ光による熱エネルギーを利用すること。
【0018】
(2)前記溶接構造物の表面にNbを供給するに際して、金属Nbの粉末と揮発性溶媒の混濁体を前記溶接構造物の表面に塗布すること。
【0019】
(3)前記溶接構造物の表面に供給するNbはNb:4〜20重量%、Cr:15〜35重量%、Ni:60重量%以上を含有する合金である。
【0020】
前記した手段によれば、溶接構造物の表面にNbを供給し、溶接構造物の表面層金属と供給したNbに熱エネルギーを与えて両者を溶融融合して合金化するようにしたため、ニッケル基合金の耐粒界腐食特性を改善することができるとともに、圧力容器の炉水中に配置されるニッケル基合金製原子炉内溶接構造物の腐食による損傷を未然に防止でき、原子力プラントの稼動率を維持することができる。
【0021】
具体的には、図4に示すように、原子炉内溶接構造物を構成するニッケル基合金の表面層の組成がA点の粒界腐食感受性域にあった場合、このA点の組成の表面層にNb原子をアーク放電またはレーザを利用して溶融すると、B点における表面層のNb含有量が増える。すると、Nbはニッケル基合金内に存在するCと反応し、このCをNbCの高温で安定な炭化物として固定し、材料を安定化させる。したがって、その後、材料表面の溶融層の冷却過程において、結晶粒界でCとCrとが反応してクロム炭化物が形成されないので、Cr欠乏現象、すなわち鋭敏化を生じず、耐粒界腐食性が低下することはない。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態を示す原子炉内溶接構造部の表面処理方法のうち塗布工程を説明するための図である。図1において、原子炉圧力容器20は、低合金鋼の容器本体22を備えており、この本体22の内壁面(炉水を臨む面)にはステンレス鋼肉盛溶接金属24が溶着されている。そして本体22の開口26内には溶接対象の計装ノズル配管28が挿入されている。このノズル配管28の先端側は溶接の開先内においてニッケル基合金の肉盛溶接金属部30を設けたあと、応力除去後焼鈍を行ない、しかる後に、ニッケル基合金の付き合わせ溶接金属部32を形成してノズル配管28に溶着されている。溶接の開先内における肉盛溶接金属部30と付き合わせ溶接金属部32のニッケル基合金としては、AWS A5.11−76規格で溶接棒の種類ENiCrFe−1が使用されている。この合金組成を示すと、0.041重量%C、2.46重量%Mn、72.13重量%Ni、14.73重量%Cr、8.01重量%Fe、2.33重量%Nb、0.03重量%Tiである。
【0023】
ノズル配管28が開口26の先端側(内壁面)に肉盛溶接金属部30と付き合わせ溶接金属部32によって溶着されて原子炉内に溶接構造物が形成されたあとは、Nb粉末と揮発性溶媒の混濁体の塗布工程において、Nb粉末と揮発性溶媒の混濁体34がスプレー36から噴射される。スプレー36はノズル配管28中に挿入されており、スプレーノズル36の端部はノズル回転駆動装置38に接続され、ノズル回転駆動装置38はNb粉末塗布制御装置40とノズル回転駆動制御装置42に接続されている。そしてスプレーノズル36は、ノズル回転駆動装置38の駆動にしたがって、混濁体34を肉盛溶接金属部30と突き合わせ溶接金属部32に向けて噴射し、これら原子炉内溶接構造物の表面にNb粉末と揮発性溶媒の混濁体34を塗布する。これら溶接構造物の表面に混濁体34が塗布されると、これら溶接構造物の表面にはNb粉末塗布層44が形成される。このNb粉末の平均粒径は0.5μm以下であり、Nb粉末塗布層44の厚さは少なくとも5μm以上が適当である。
【0024】
Nb粉末と揮発性溶媒の混濁体34の塗布工程において、Nbを0.5μm以下の粒径の小さい粉末にするのは、溶接の開先内の肉盛溶接金属部30および突き合わせ溶接金属部32のニッケル基合金の表面層の溶融部分にNbを溶解しやすくするためと、スプレー方式によってNbを搬送しやすくするためである。
【0025】
次に、本発明における溶融工程の第1実施形態を図2にしたがって説明する。本実施形態は、ノズル配管28内にレーザ制御駆動管46を挿入し、この駆動管46の一端をレーザ機構部駆動装置48に接続し、他端をアーム50に接続し、駆動装置48にレーザ発信機52、機構部駆動制御装置54を接続し、アーム50の先端側にレンズ・ミラー格納部56を接続し、レンズミラー格納部56から溶接構造物に向けてレーザ光58を照射するようにしたものである。
【0026】
すなわち、本実施形態においては、図1に示す塗布工程の後、Nb粉末塗布層44に向けてレーザ光58を照射し、Nb粉末塗布層44をレーザ光58の熱エネルギーによって溶融させる溶融工程が行なわれる。レーザ光58の熱エネルギーによってNb粉末塗布層44が溶融されると、この表面には表面溶融処理層60が形成される。
【0027】
本実施形態におけるレーザ発信機52によるレーザはYAGレーザであり、レーザ発信機52から出力されるレーザはレーザ機構部駆動装置48、レーザ制御駆動管46、アーム50、レンズ・ミラー格納部56に伝送され、レンズ・ミラー格納部56からNb粉末塗布層44に向けてレーザ光58が照射される。なおレーザ光はグラスファイバによって伝送される。また、YAGレーザ照射の条件は、出力:0.45kW、パルス周波数:30Hz、レーザ照射速度:1mm/s、シールドガス:アルゴンである。
【0028】
本実施形態においては、Nb粉末塗布層44の表面層にレーザ光58を照射してNbを溶融させると、溶接構造物表面層のNb含有量が増加し、Nbはニッケル基合金内に存在するCと反応し、CをNbCとして固定し、材料を安定化させる。したがって、その後の材料表面溶融層の冷却過程において、結晶粒界でCとCrが反応してCr炭化物が形成されないので、Cr欠乏現象、すなわち鋭敏化を生じず、耐粒界腐食性が低下することはない。
【0029】
したがって、本実施形態によれば、圧力容器の炉水中に配置されるニッケル基合金製原子炉内溶接構造物の腐食による損傷を未然に防止でき、原子力プラントの稼動率を維持することができる。
【0030】
次に、本発明における溶融工程の他の実施形態を図3にしたがって説明する。
【0031】
本実施形態は、容器本体22の開口26内にステンレス鋼ハウジング管62を挿入し、ハウジング管62の管の途中を、圧力容器20の内壁面を構成するニッケル基合金の肉盛溶接金属部64にニッケル基合金の突き合わせ溶接金属部66で溶着するとともに、ハウジング管62のうち炉水に接する面にスタッブ管68を装着し、スタッブ管68の両端側をハウジング管62の外周側にニッケル基金属の突き合わせ溶接金属部66とニッケル基合金の突き合わせ溶接金属部70によって溶着する。この場合、各ニッケル基溶接金属部64、66の表面層はTIG・トーチ72によるアーク放電74により溶かされる。このTIGトーチ72に供給されるワイヤはNb:4〜20重量%、Cr:15〜30重量%、Ni:60重量%以上を含有する合金である。このNbを高めた合金を突き合わせ溶接金属部66、70の表面層に少量溶かし込む。このときのTIG溶接条件は、平均電流:50A、アーク電圧:12V、溶接速度:50mm/MIN、シールドガス:Arである。
【0032】
ワイヤのNb合金の含有Nb量を多くしたのは、ニッケル基溶接金属の表面層で組成の希釈があっても、十分なNb量の表面層にするためである。すなわちCrおよびNi量はニッケル基溶接金属の表面層で組成に合わせるためである。
【0033】
本実施形態においては、Nb粉末塗布層44の表面層のNbをアーク放電74により溶融させると、溶接構造物表面層のNb含有量が増加し、Nbはニッケル基合金内に存在するCと反応し、CをNbCとして固定し、材料を安定化させる。したがって、その後の材料表面溶融層の冷却過程において、結晶粒界でCとCrが反応してCr炭化物が形成されないので、Cr欠乏現象、すなわち鋭敏化を生じず、耐粒界腐食性が低下することはない。
【0034】
したがって、本実施形態によれば、圧力容器の炉水中に配置されるニッケル基合金製原子炉内溶接構造物の腐食による損傷を未然に防止でき、原子力プラントの稼動率を維持することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、溶接構造物の表面にNbを供給し、溶接構造物の表面層金属と供給したNbに熱エネルギーを与えて両者を溶融融合して合金化するようにしたため、ニッケル基合金の耐粒界腐食特性を改善することができるとともに、圧力容器の炉水中に配置されるニッケル基合金製原子炉内溶接構造物の腐食による損傷を未然に防止でき、原子力プラントの稼動率を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すNb粉末の塗布工程を説明するための図である。
【図2】本発明の一実施形態におけるレーザによる溶融工程を説明するための図である。
【図3】本発明の他の実施形態におけるアーク放電による溶融工程を説明するための図である。
【図4】ニッケル基合金表面層におけるNbの組成の変化を説明するための特性図である。
【図5】従来の原子炉圧力容器の断面図である。
【図6】従来の計装ノズルの溶接部の要部断面図である。
【図7】ニッケル基合金の改良ASTM G28試験による粒界腐食試験結果を示す特性図である。
【符号の説明】
20 原子炉圧力容器
22 容器本体
24 ステンレス鋼肉盛溶接金属部
26 開口
28 ノズル配管
30 ニッケル基合金の肉盛溶接金属部
32 ニッケル基合金の突き合わせ溶接金属部
34 混濁体
36 スプレーノズル
38 ノズル回転駆動装置
40 Nb粉末塗布制御装置
42 ノズル回転駆動制御装置
44 Nb粉末塗布層
46 レーザ制御駆動管
48 レーザ機構部駆動装置
50 アーム
52 レーザ発信機
54 レーザ機構部駆動制御装置
56 レンズ・ミラー格納部
58 レーザ光
60 表面溶融処理層

Claims (4)

  1. 原子炉圧力容器の開口に挿入された溶接対象を前記圧力容器の内壁面にニッケル基合金で溶接し、この溶接によって圧力容器内に形成された溶接構造物の表面を処理するに際して、
    前記溶接構造物の表面にNbを供給し、前記溶接構造物の表面層金属と前記供給したNbに熱エネルギーを与えて両者を溶融融合して合金化することを特徴とする原子炉内溶接構造物の表面処理方法。
  2. 前記溶接構造物の表面層金属と前記供給したNbに熱エネルギーを与えるに際して、アーク放電による熱エネルギーまたはレーザ光による熱エネルギーを利用することを特徴とする請求項1に記載の原子炉内溶接構造物の表面処理方法。
  3. 前記溶接構造物の表面にNbを供給するに際して、金属Nbの粉末と揮発性溶媒の混濁体を前記溶接構造物の表面に塗布することを特徴とする請求項1または2に記載の原子炉内溶接構造物の表面処理方法。
  4. 前記溶接構造物の表面に供給するNbはNb:4〜20重量%、Cr:15〜35重量%、Ni:60重量%以上を含有する合金であることを特徴とする請求項1、2または3に記載の原子炉内溶接構造物の表面処理方法。
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