JP3682198B2 - デジタル放送受信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、映像信号、音声信号及びデータ信号、あるいは各々個別の信号、あるいは各々の組み合わせによる信号と、それに付随する情報信号を誤り訂正符号を付加して符号化変調し伝送するデジタル放送システムに用いられ、伝送経路を経て受信装置に入力した信号を用いて、デジタル信号を受信するのに適したアンテナ位置を決定するためにシグナルレベルの表示を改良することを可能にするデジタル放送受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に放送受信装置では、放送受信時にアンテナを最適な方向に合せる必要がある。
【0003】
従来のアナログ方式の放送受信装置では、受信装置の選局部に位置するAGC(Automatic Gain Control)手段の電圧より信号強度を算出し、算出した信号強度をシグナルレベルとして表示することにより、その値がピークを示す方向を目安に電界強度の高い位置としてアンテナの方向を調整している。
【0004】
しかしながら、デジタル方式の受信装置では、このAGC手段の電圧から算出された信号強度をピークとするようにアンテナの方向を決定しても、確かに電界強度としては高い方向に調整されながらも、例えば多重路からの信号をアンテナより受信している場合などには逆にデジタル信号としての復調に適さない方向に調整される場合がある、という問題が生じる。
【0005】
この問題の解決には、デジタル信号の伝送誤りを検出し、誤り率を用いて復調手段を制御しながらシグナルレベルを表示するという提案がなされている(特開平9−326967号公報参照)。
【0006】
加えて、デジタル信号の伝送誤りを検出し誤り率から信号品位に変換後の値と、入力電界強度値またはAGC電圧に基づいた入力レベル値の2つをシグナル表示するという提案がなされている(特開平10−28065公報参照)。
【0007】
さらに、デジタル符号化復調手段における復号化及び誤り訂正処理により伝送誤りを評価するには、デジタル信号のビットエラーレートを用いた誤り率を用いる以外に、TS(Transport Stream:トランスポート・ストリーム)パケット化されたパケット単位でのデジタル信号の良否を数計測しエラーパケット数信号として評価する方法が考えられる。しかしながら、この評価方法では、AGC手段からの信号によるシグナルレベルの表示によれば短い時間間隔をもって評価可能なのに比べて、エラーパケット数信号によるシグナルレベルの表示には十分に長い時間間隔(例えば数秒)を必要とするため、アンテナの方向調整時にはアンテナを特定位置に保持し続けなければならない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、上記の問題を考慮して、復調手段への制御を行うことなく、AGC信号とエラーパケット信号を評価することにより、2シグナル表示を見ながら方向調整すると言う煩雑性を解消し、1つのシグナルレベルとして表示した上で、そのシグナル表示のピーク値が示す方向をデジタル信号としての復調に適した方向として、アンテナの方向をタイムリーに決定できるデジタル放送受信装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によるデジタル放送受信装置は、伝送された信号をアンテナを介して受信する選局手段と、前記選局手段で選局された信号が処理されて得られるベースバンド復調信号からトランスポート・ストリーム・パケット信号を得るデジタル符号化復調手段とを備えており、選局手段を制御するためのAGC信号βと、デジタル符号化復調手段からデジタル符号化と誤り訂正により復調され且つパケット化された信号の良否を計測するエラーパケット数αの信号との2つの信号を用いて、AGC信号βについては下記式(1)の関数g(β)として、エラーパケット数αについては下記表(1)に示される関数f(α)として、前記伝送された信号の受信状態を評価する評価手段と、前記評価手段による評価結果を1つのシグナルレベルとして表示する表示手段とを備えることを特徴としている。
【表1】
式(1) g(β)=β/(βmax−βmin)×定数
【0010】
このデジタル放送受信装置において、評価手段はAGC信号βについての関数g(β)とエラーパケット数αについての関数f(α)とを下記式(2)で表される評価関数H(γ)によって評価し、表示手段は評価関数H(γ)の一次元配置を1つのシグナルレベルとして表示することができる。
式(2) H(γ)=H(f(α),g(β))=f(α)×定数+g(β)
【0011】
更に、このデジタル放送受信装置において、評価手段はAGC信号βについての関数g(β)とエラーパケット数信号αについての関数f(α)とを別々に評価し、それぞれの評価結果を表示手段に伝え、表示手段において各評価結果を用いて成る相関を持つ二次元配置を1つのシグナルレベルとして表示することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明によるデジタル放送受信装置の実施形態を、図面を用いて説明する。図1は、本デジタル放送受信装置の一実施例を示すブロック図である。図2は中間周波信号を経ない場合の実施例を示すブロック図である。図3はシグナルレベル化の段階で相関を持つ表示位置に表示する場合の実施例を示すブロック図である。
【0013】
図1に示すデジタル放送受信装置は、伝送された信号をアンテナを介して受信し、中間周波信号からベースバンド変調信号を得る選局手段1と、ベースバンド変調信号からベースバンド復調信号を得るベースバンド復調手段2と、ベースバンド復調信号からTS(Transport Stream)パケット信号を得るデジタル符号化復調手段3と、ベースバンド復調手段2からベースバンド変調信号に基づいて得られ選局手段1をAGC(Automatic Gain Control)するAGC信号、及びデジタル符号化復調手段3からデジタル符号化と誤り訂正により復調されパケット化された信号の良否を計測したエラーパケット数信号の2つの信号を用いてアンテナ位置を評価する評価手段4と、1シグナルレベル信号として伝えられた評価結果を表示する表示手段5とから構成されている。
【0014】
ベースバンド復調手段2から得られる選局手段1をAGCするAGC信号を評価手段4に入力し、加えて、デジタル符号化復調手段3から得られるエラーパケット数信号を評価手段4に入力した上で、おのおのの信号に対し特性を考慮し重み付けを行う。
【0015】
エラーパケット数αに対する重み付けは、次の表1に基づいて行う。
【0016】
【表1】
【0017】
AGC信号βに対する重み付けは、次の数式(1)に基づいて行う。
【0018】
g(β)=β/(βmax−βmin)×定数 ・・・(1)
シグナルレベル信号γの評価は、次の数式(2)に基づいて行う。
【0019】
H(γ)=H(f(α),g(β))=f(α)×定数+g(β) ・・・(2)
そして、重み付けした各々の信号を評価手段4によって1シグナルに変換し出力する。
【0020】
図4に示すように、表示手段5は1シグナルレベルとして表示を行う。
【0021】
図3のシステムでは、信号評価手段4によって、おのおのの信号に対し特性を考慮し重み付けを行ったのち、それぞれのシグナルレベル信号として出力する。
【0022】
図5に示すように、表示手段5はそれぞれのシグナルレベル信号を表示する際、相関位置に表示を配することにより、片方のシグナルレベル信号の変化(エラーパケットシグナルレベル)によって表示位置を移動し、有効となった表示位置にもう片方(AGCシグナルレベル)を視覚的に1シグナルとして表示する。
【0023】
【発明の効果】
本発明によるデジタル放送受信装置においては、評価手段が選局手段1をAGCするAGC信号とエラーパケット数信号との2つのシグナルを評価し、表示手段が1シグナルレベル信号として表示することにより、1シグナルレベルのピーク値をもって最適なアンテナ位置に調整を可能とすることができる。
【0024】
このデジタル放送受信装置において、評価手段H(γ)はAGC信号βについては上記関数g(β)として、またエラーパケット数αについては上記関数f(α)を用いて評価し、表示手段は評価結果の一次元配置を1つのシグナルレベルとして表示した場合には、一次元配置によって最も長くなったピーク値をもって最適なアンテナ位置に調整することができる。更に、このデジタル放送受信装置において、評価手段はAGC信号とエラーパケット数信号との2つのシグナルを別々に評価し、それぞれの評価結果を2シグナルレベル信号として表示手段に伝え、表示手段において各評価結果を用いて成る相関を持つ二次元配置を視覚的に1つのシグナルレベルとして表示し、そのピーク値をもって最適なアンテナ位置に調整を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態におけるブロック構成図である。
【図2】 同実施形態のAGC信号取得における変形例を示すブロック構成図である。
【図3】 同実施形態のシグナルレベル表示手段における変形例を示すブロック構成図である。
【図4】 1シグナルレベル信号を用いる場合の表示例を示す図である。
【図5】 2シグナルレベル信号を用いる場合の相関表示例を示す図である。
【符号の説明】
0…アンテナ
1…チューナ回路
2…ベースバンド復調回路
3…デジタル符号化復調回路
4…マイクロコンピュータ
5…表示装置
Claims (3)
- 伝送された信号をアンテナを介して受信する選局手段と、前記選局手段で選局された信号が処理されて得られるベースバンド復調信号からトランスポート・ストリーム・パケット信号を得るデジタル符号化復調手段とを備えたデジタル放送受信装置において、
前記選局手段を制御するためのAGC信号βと、前記デジタル符号化復調手段からデジタル符号化と誤り訂正により復調され且つパケット化された信号の良否を計測するエラーパケット数αの信号との2つの信号を用いて、前記AGC信号βについては下記式(1)の関数g(β)として、前記エラーパケット数αについては下記表(1)に示される関数f(α)として、前記伝送された信号の受信状態を評価する評価手段と、前記評価手段による評価結果を1つのシグナルレベルとして表示する表示手段とを備えることを特徴とするデジタル放送受信装置。
- 前記評価手段は前記AGC信号βについての関数g(β)と前記エラーパケット数αについての関数f(α)とを下記式(2)で表される評価関数H(γ)によって評価し、前記表示手段は前記線形和の一次元配置を前記1つのシグナルレベルとして表示することを特徴とする請求項1に記載のデジタル放送受信装置。
式(2) H(γ)=H(f(α),g(β))=f(α)×定数+g(β) - 前記評価手段は前記AGC信号βについての関数g(β)と前記エラーパケット数信号αについての関数f(α)とを別々に評価し、それぞれの前記評価結果を前記表示手段に伝え、前記表示手段において前記各評価結果を用いて成る相関を持つ二次元配置を前記1つのシグナルレベルとして表示することを特徴とする請求項1に記載のデジタル放送受信装置。
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