JP3681876B2 - フィルム容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は容器体の大部分をフィルムによって形成したフィルム容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
液体噴出器等の本品に液体等を補充するための合成樹脂材製の詰替え容器は強度や剛性を高めるため比較的厚肉にされているが、できるだけ薄肉にして材料削減を図る方が省資源化に資することとなり環境対策上からも望ましい。
また、容器への内容物の充填は出荷先で行われるが、容器は剛性を有するため変形不能で充填前においても充填後と同一の形態を有し、このため出荷時において嵩張り輸送効率が悪いものとなっていた。そこで、近時、液体等の内容物補充用の詰替え容器として一部では袋が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、袋には次のような欠点がある。
▲1▼袋は剛性が小さく、かつ、口頸部を有しないため液体等の内容物の充填が容易ではなく、このため充填速度が遅い。
▲2▼剛性が小さいことから内容物が減少すると倒れるおそれがある。
▲3▼剛性が小さいことから持ちにくく、このため本品への内容物の補充時における取扱いが難しい。
▲4▼剛性が小さく、口頸部を有しないことからキャップを使用することができず、このため倒れた場合に袋から内容物がこぼれでる。
▲5▼袋は形態が定まっており、形状選択の幅が小さいためデザインが一種類に限られる。
▲6▼ある程度の剛性をもたせるためには合成樹脂材にアルミニウム薄板を積層させなければならずコスト高である。
▲7▼アルミニウム薄板を積層した袋は破れにくく廃棄に不便である。
【0004】
請求項1記載のフィルム容器は、フィルム筒を用いることによって材料削減を図ると共に、フィルム筒を剛性を有するスケルトン部材へ嵌合させることにより全体として剛性をもたせ、これによって内容物の充填速度を向上させると共に、取扱いを容易にし、さらに、容器底部の閉塞を容器本体とは別体のシール部材で行うことにより、出荷先での底部閉塞を可能とし、出荷時は底壁なしの完成前の状態を利用することにより容器のスタッキングを可能とするものである。
【0005】
請求項2記載のフィルム容器は、剛性を有するスケルトン部材に口頸部を形成することにより、フィルム筒を用いるにもかかわらずキャップ装着可能にして任意回数の閉栓を可能とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の手段として、フランジ状頂壁2のフランジ孔内縁から口頸部3を起立して該口頸部を閉塞させると共に、フランジ状頂壁外周縁下面から複数の縦枠4を斜め外方へ垂設し、該縦枠下端を第1周枠5へ、縦枠4の上下方向中間部を第2周枠6へ、それぞれ接続させた合成樹脂材製のスケルトン部材1と、
上記スケルトン部材1外面へ嵌合させた周壁11を加熱によって上記フランジ状頂壁2、縦枠4及び第1、第2周枠5、6のそれぞれの外面へ溶着させたフィルム筒10と、
上記第1周枠5下面を閉塞させたプラスチック薄板21を加熱によって第1周枠5へ溶着させたシール部材20とを有する。
【0007】
第2の手段として、上記第1の手段が有する解決課題を有するほか、上記口頸部3を、口頸部外面へ嵌合させたキャップ7、又はプルリング8を有する合成樹脂材製の肉薄閉塞壁で閉塞させた。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。図1に基づいて説明するが適宜他図を参照する。
1はスケルトン部材で、図2にも示すようにフランジ状頂壁2のフランジ孔内縁から口頸部3を起立して該口頸部を後述の手段で閉塞させると共に、フランジ状頂壁2外周縁下面から複数の、図示例では4本の縦枠4を周方向に等間隔をおいて斜め外方へ垂設する。そして、該縦枠下端を円形状の第1周枠5へ接続させる。該第1周枠は基枠5aと該基枠上面から起立する嵌合短筒5bとから形成され、縦枠4下端を嵌合短筒5b上端へ接続させる。さらに、縦枠4の上下方向中間部を円形状の第2周枠6へ接続させる。
【0009】
上記口頸部3を閉塞させる手段として請求項2記載のようにキャップ手段とプルリング手段との2通りがある。キャップ7を使用する場合は、図2に示すように口頸部3外面に雄ねじを形成し、これにキャップ7をねじ込む。他方、プルリング8を使用する場合は、図5に示すように口頸部3下面を肉薄閉塞壁で閉塞し、該肉薄閉塞壁からプルリング8を突設する。
上記構成からなるスケルトン部材1は、キャップ7を除き合成樹脂材を用いてインサート成形により一体成形する。
【0010】
10はフィルム筒で、図3にも示すようにスケルトン部材1外面へ嵌合させた截頭円錐形状の周壁11下端をさらに嵌合短筒5b外面へ嵌合させ、かつ、加熱によって周壁11をフランジ状頂壁2、縦枠4、嵌合短筒5b及び第2周枠6のそれぞれの外面へ溶着させる。12は周壁11の継目を形成する母線方向の接続フィルムである。
【0011】
20はシール部材で、図7にも示すように基枠5a下面を閉塞させたプラスチック薄板21を加熱によって基枠5a下面へ溶着させる。
【0012】
次に上記構成に係るフィルム容器の製造方法について説明する。
合成樹脂材を用いたインサート成形によりスケルトン部材1を形成する。一方、フィルムを截頭円錐形状にして接続用フィルム12で継目部分を接続することによりフィルム筒10を形成する。このフィルム筒10を、図4及び図5に示すようにスケルトン部材1外面へ嵌合させると共に、周壁11下端を嵌合短筒5b外面へ嵌合させた後、周壁11をフランジ状頂壁2、縦枠4、嵌合短筒5b及び第2周枠6のそれぞれの外面へ加熱により溶着させる。なお、口頸部3の閉塞手段がキャップの場合はキャップ7を口頸部3へねじ込む。
【0013】
出荷に際しては、上記の如くして底壁なしのフィルム容器を形成した後、図6に示すように1つのフィルム容器底面開口から2つめの他のフィルム容器10を口頸部3を上方にして嵌合させる。次いで、2つめのフィルム容器10の底面開口から3つめのフィルム容器10を口頸部3を上方にして嵌合させる。このように底壁なしのフィルム容器10を順次嵌合させることにより積み重ねて多数のフィルム容器10をスタッキングさせる。かくして、出荷に際しフィルム容器をスタッキングさせることができるためスペース効率を向上させることができる。
【0014】
出荷先においてフィルム容器10に液体等の内容物の充填を行うが、この充填は図7に示すように底壁なしフィルム容器10を倒立させ、容器底面開口に図示しない充填装置の吐出口を臨ませることにより行う。内容物充填後、シール部材20を基枠5a下面へ加熱により溶着させてフィルム容器底面を閉塞させる。完成後のフィルム容器10を示すのが図1である。
【0015】
【発明の効果】
請求項1記載のフィルム容器は次のような効果を奏する。
▲1▼材料使用量が少ないフィルム筒を使用するため、材料削減が可能になって省資源化が図れ、併せて容器の軽量化をも実現しうる。
▲2▼容器底部の閉塞は容器体とは別体のシール部材で行うため、しかも、溶着手段としては容易な熱溶着を利用するものであるため、簡易な設備で底部閉塞が可能であり、従って、出荷先での底部閉塞が可能となり、このため出荷時は底壁なしの完成前の状態を利用してフィルム容器のスタッキングを可能とすることにより出荷時の輸送効率を向上させることができる。
【0016】
▲3▼フィルム筒はスケルトン部材に対して一部が熱溶着されているに過ぎず、従って、スケルトン部材から離脱させるのが容易であり、しかも、容易に破くことができるため廃棄が容易である。
▲4▼フィルム容器はスタッキング可能であるにもかかわらず、内容物収納空間が保持されており、従って、内容物の充填速度を速くすることができる。
【0017】
▲5▼フィルム筒は剛性を有するスケルトン部材によって支持されており、従って、内容物が減少しても倒れることがない。
▲6▼スケルトン部材は剛性を有することから持ちやすく、従って、詰替え時における取扱いが容易である。
▲7▼スケルトン部材は剛性を有することから種々の形態をとることができ、従って、デザイン上の選択の自由度が増大する。
▲8▼剛性を高めるために金属を使用する必要がなく、従って、低コストを実現することができる。
【0018】
請求項2記載のフィルム容器は、剛性が比較的大きいスケルトン部材に口頸部を形成するため、剛性が小さいフィルム筒を用いるにもかかわらずキャップを使用することが可能であり、従って、閉栓が容易であると共に、任意回数の閉栓が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフィルム容器を示す斜視図。
【図2】同じく、スケルトン部材の斜視図。
【図3】同じく、フィルム筒とキャップの斜視図。
【図4】同じく、キャップ利用のスケルトン部材へフィルム筒を嵌合させた状態を示す斜視図。
【図5】同じく、プルリング利用のスケルトン部材へフィルム筒を嵌合させた状態を示す斜視図。
【図6】同じく、完成前の底壁なしのフィルム容器スタッキング状態を示す斜視図。
【図7】同じく、シール部材の溶着時の状態を示すフィルム容器の斜視図。
【符号の説明】
1 スケルトン部材
2 フランジ状頂壁
3 口頸部
4 縦枠
5 第1周枠
6 第2周枠
7 キャップ
8 プルリング
10 フィルム筒
11 周壁
20 シール部材
Claims (2)
- フランジ状頂壁2のフランジ孔内縁から口頸部3を起立して該口頸部を閉塞させると共に、フランジ状頂壁外周縁下面から複数の縦枠4を斜め外方へ垂設し、該縦枠下端を第1周枠5へ、縦枠4の上下方向中間部を第2周枠6へ、それぞれ接続させた合成樹脂材製のスケルトン部材1と、
上記スケルトン部材1外面へ嵌合させた周壁11を加熱によって上記フランジ状頂壁2、縦枠4及び第1、第2周枠5、6のそれぞれの外面へ溶着させたフィルム筒10と、
上記第1周枠5下面を閉塞させたプラスチック薄板21を加熱によって第1周枠5へ溶着させたシール部材20とを有する、
ことを特徴とするフィルム容器。 - 上記口頸部3を、口頸部外面へ嵌合させたキャップ7、又はプルリング8を有する合成樹脂材製の肉薄閉塞壁で閉塞させた、
ことを特徴とする請求項1記載のフィルム容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31641397A JP3681876B2 (ja) | 1997-10-31 | 1997-10-31 | フィルム容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP31641397A JP3681876B2 (ja) | 1997-10-31 | 1997-10-31 | フィルム容器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11130065A JPH11130065A (ja) | 1999-05-18 |
JP3681876B2 true JP3681876B2 (ja) | 2005-08-10 |
Family
ID=18076803
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31641397A Expired - Fee Related JP3681876B2 (ja) | 1997-10-31 | 1997-10-31 | フィルム容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3681876B2 (ja) |
-
1997
- 1997-10-31 JP JP31641397A patent/JP3681876B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH11130065A (ja) | 1999-05-18 |
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