JP3681823B2 - 登録用無線タグ及び表示ラベル並びにラベル付き無線タグの製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、商品登録処理システムに使用する登録用無線タグ及び商品登録処理システムに使用する表示ラベル並びに商品登録処理システムに使用するラベル付き無線タグの製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
スーパマーケットに代表される大型店舗では、顧客は購入したい商品を備え付けの籠に入れてPOS(販売時点情報管理)端末機が設置されている精算場所まで運び、精算場所では店員が籠から商品を1つずつ取出してキー操作又はバーコードスキャナー操作を行って登録処理を行い、籠内の商品全てについての登録処理が終了すると表示部に表示されている合計金額に基づいて顧客に対する精算処理を行いレシートを手渡すようになっている。
しかし、このように店員が籠から商品を1つずつ取出してキー操作やバーコードスキャナー操作を行うものでは、登録作業に時間が掛り、また、店員の疲労度も大きくなるという問題があった。
【0003】
この問題を解決するために、特開平6−223092号公報では、商品に商品識別コードを記憶したトランスポンダ、すなわち、無線タグを取付け、精算場所にてワゴン内の商品に対して、商品に付いている無線タグにインタロゲート、すなわち、無線タグリーダから無線による問い合わせを行って無線タグから商品識別コードを受信し、この商品識別コードに基づいて商品の価格を登録することにより、ワゴン内から商品を取り出すことなく登録作業ができるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この公報のものは、無線タグを使用することでワゴン内の商品を取出さずに登録できても無線通信のトラブルによる誤った商品価格の登録のチェックや客が故意に無線タグを別の商品の無線タグと取替えた場合のチェックができず、客との間でトラブルが発生する問題があり、また、不正行為による店の損失を防止することができなかった。
【0006】
そこで、請求項1乃至4記載の発明は、客が故意に無線タグを別の商品の無線タグと取替えるなど無線タグを商品から剥がした場合に電磁波に対する応答機能を停止できる登録用無線タグを提供する。
【0007】
また、請求項5乃至7記載の発明は、無線タグを商品に付着させる場合に無線タグと共に使用し、客が故意に無線タグを別の商品の無線タグと取替えるなど無線タグを商品から剥がした場合に無線タグの電磁波に対する応答機能を停止させることができる表示用ラベルを提供する。
【0008】
また、請求項8記載の発明は、客が故意に無線タグを別の商品の無線タグと取替えるなど無線タグを商品から剥がした場合に電磁波に対する応答機能を停止できるラベル付き無線タグを自動的に製造できるラベル付き無線タグの製造装置を提供する。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、商品にラベル等の部材を介して付着する登録用無線タグであって、各商品毎に付した商品識別コード等の商品情報を記憶する書替え可能なメモリと、外部からの無線電磁波により商品情報を受信してメモリに記憶する商品情報を書替える商品情報書替え手段と、無線電磁波による問合わせに応答してメモリに記憶してある商品情報を読出して無線電磁波で問合わせ相手に送信する電磁波応答手段と、第1の組合わせ手段を設け、この第1の組合わせ手段と部材に設けた第2の組合わせ手段との組合わせに異常が生じたとき電磁波応答手段は電磁波に応答しなくなる登録用無線タグにある。
【0015】
請求項2記載の発明は、商品に直接付着する登録用無線タグであって、各商品毎に付した商品識別コード等の商品情報を記憶する書替え可能なメモリと、外部からの無線電磁波により商品情報を受信してメモリに記憶する商品情報を書替える商品情報書替え手段と、無線電磁波による問合わせに応答してメモリに記憶してある商品情報を読出して無線電磁波で問合わせ相手に送信する電磁波応答手段と、第1の組合わせ手段を設け、この第1の組合わせ手段と商品に設けた第2の組合わせ手段との組合わせに異常が生じたとき電磁波応答手段は電磁波に応答しなくなる登録用無線タグにある。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の登録用無線タグにおいて、第1、第2の組合わせ手段をそれぞれ同一パターンからなる第1、第2の導電パターンとし、この各導電パターンが一致して重なるとき以外は電磁波応答手段は電磁波に応答しなくなることにある。
【0017】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の登録用無線タグにおいて、第1の導電パターンにこの第1の導電パターンが第2の導電パターンと一致して重なったときにこの第2の導電パターンとは重ならないダミーパターンを接続したものである。
【0018】
請求項5記載の発明は、商品に登録用無線タグを付着するときに使用する表示ラベルであって、商品情報を印刷表示した印刷表示部と、登録用無線タグを接着する第1の接着層と、商品に接着する第2の接着層と、登録用無線タグに設けた第1の組合わせ手段と組合わせて使用する第2の組合わせ手段とを備え、第1の組合わせ手段と第2の組合わせ手段との組合わせに異常が生じたとき登録用無線タグが電磁波に応答しなくなる表示ラベルにある。
【0019】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の表示ラベルにおいて、第1、第2の組合わせ手段は、導電パターンからなるものである。
【0020】
請求項7記載の発明は、商品に登録用無線タグを付着するときに使用する表示ラベルであって、商品情報を印刷表示した印刷表示部と、登録用無線タグを接着する第1の接着層と、商品に接着する第2の接着層と、登録用無線タグに設けた第1の導電パターンと組合わせて使用する第2の導電パターンと、登録用無線タグにこの無線タグを商品から剥がすような外力が加わると第2の導電パターンを切断する切断部とを備え、第1の導電パターンと第2の導電パターンとの組合わせに異常が生じたとき登録用無線タグが電磁波に応答しなくなる表示ラベルにある。
【0021】
請求項8記載の発明は、各商品毎に付した商品識別コード等の商品情報を記憶する書替え可能なメモリ、外部からの無線電磁波により商品情報を受信してメモリに記憶する商品情報を書替える商品情報書替え手段、無線電磁波による問合わせに応答してメモリに記憶してある商品情報を読出して無線電磁波で問合わせ相手に送信する電磁波応答手段、第1の導電パターンを設けた登録用無線タグを複数収納したタグホルダと、商品情報の印刷表示部、登録用無線タグを接着する第1の接着層、商品に接着する第2の接着層、登録用無線タグに設けた第1の導電パターンと組合わせることで電磁波応答手段に電磁波に対する応答を行わせる第2の導電パターン、登録用無線タグを第1の接着層に接着させるときのマークを備えた表示ラベルを複数、第2の接着層を介して剥離可能な帯状の台紙上に配列して搬送供給するラベル搬送手段と、このラベル搬送手段が搬送する表示ラベルのマークを検出して表示ラベルの位置検出を行うラベル位置検出手段と、このラベル位置検出手段からのラベル位置検出情報に基づいてタグホルダから登録用無線タグを1つ取出して位置検出して表示ラベルの第1の接着層の上に第1の導電パターンと第2の導電パターンが一致して重なるように接着させるタグ自動接着手段と、このタグ自動接着手段により表示ラベルに接着した登録用無線タグに新たな商品情報を送信してこの無線タグの商品情報書替え手段にメモリ内の商品情報を新たな商品情報に書替えさせるタグ書替え手段と、このタグ書替え手段による登録用無線タグのメモリの書替えが終了すると、この無線タグを接着した表示ラベルの印刷表示部に書替えた商品情報と対応する商品情報を印刷するラベル印刷手段とを備えたラベル付き無線タグの製造装置にある。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1及び図2は商品登録システム全体の構成を示し、1は商品載置台である。顧客2は、登録用無線タグを付着した商品3,3,…を備え付けの籠4に入れてこの商品載置台1の商品載置部5に載せる。前記商品載置台1の中央部には商品3,3,…を籠4に入れた状態で計量する重量計6を設け、この重量計6の一方の側に無線タグリーダ7を設置し、かつこの重量計6の両側に前記無線タグリーダ7のアンテナ7aを配置している。
【0023】
店員8は、前記商品載置台1の商品載置部5に載せた籠4を重量計6の上に移動させ、登録精算装置9の操作部9aのキーを操作して読取り指令を発生させる。前記無線タグリーダ7は登録精算装置9から読取り指令が発生すると、前記アンテナ7aを介して籠4内の各商品3に付着している無線タグに対して無線電磁波により問い合わせを行い、無線タグからの応答により商品情報を受信するようになっている。そして、前記無線タグリーダ7は無線タグから商品情報を受信すると、その商品情報を前記登録精算装置9に転送する。
【0024】
前記登録精算装置9は無線タグリーダ7から商品情報を受取ると、この商品情報の商品識別コードに基づいて商品情報ファイルを検索し、該当する商品の商品名や商品価格等を読出して登録処理を行う。この場合、無線タグからの商品情報に商品の重量値があるとその重量値をメモリに加算して記憶し、また、無線タグからの商品情報に商品の重量値がなく商品情報ファイルに該当する商品の重量値があるときにはその重量値をメモリに加算して記憶する。
【0025】
前記無線タグリーダ7は籠4内の全ての商品3についての商品情報の受取りを確認すると前記登録精算装置9に読取り終了信号を転送する。前記登録精算装置9は、前記無線タグリーダ7から読取り終了信号を受取ると、前記重量計6からの重量値から予め設定した籠4の重量値を引いた重量値と前記メモリに加算記憶した各商品の合計重量値とを比較し、その差が許容範囲内にあれば表示部9bに登録が正しく終了した旨を表示するとともに各商品の合計金額を表示する。そして、店員8は、重量計6の上に載っている籠4を商品載置台1の精算部10の位置に移動させてから顧客から代金を受取り、前記登録精算装置9が発行するレシートを顧客に手渡す。また、釣りがあれば釣銭も手渡す。
【0026】
顧客2は、精算部10から籠4を受取って作業テーブル11に載せ、ここで籠4内の商品3を用意された持帰り用の袋に詰める。このとき、各商品3から無線タグを剥がしてタグ回収装置12のダク投入口12aに投入する。タグ回収装置12はダク投入口12aに投入した無線タグの数をカウントし、そのカウント値を表示部12bに表示する。そして、顧客が投入の終了を指示すると、タグ回収装置12は返却された無線タグの数に応じた返還金を支払い口12cから排出する。顧客はこれを受取って店を出ることになる。
【0027】
このように顧客が商品3から無線タグを剥がしてタグ回収装置12に投入することで、投入した無線タグの数に応じて返還金が支払い口12cから排出されるので、顧客にとって無線タグを返却することで返還金のサービスが受けられ、また、店にとっては返却された無線タグの再利用ができるので無線タグの使用コストを低下させることが可能になる。また、無線タグの返却を促進でき、無線タグの回収率を向上できる。
【0028】
また、前記重量計6からの重量値から籠4の重量値を引いた重量値と前記メモリに加算記憶した各商品の合計重量値との差が許容範囲から外れていれば前記表示部9bに不一致を表示して店員8に知らせる。これにより店員8はこの籠4内の商品3をある程度整理した後、再度前記無線タグリーダ7に読取りを行わせる。もし、2回目も不一致であれば籠4内の商品3を別途改めることになる。
【0029】
次に商品に付着する登録用無線タグの構成について述べる。
登録用無線タグ13は、図3に示すように、カード型で、平面寸法は、例えばISOカード(約86mm×54mm)の約半分で、厚さはICチップ等の回路素子を実装している部分以外は約0.6mmかそれ以下である。この登録用無線タグ13は、2枚の樹脂フィルム13a,13bの間に回路素子及び薄膜プロセスで形成した回路パターン、アンテナ、コンデンサ等を内蔵し、2枚の樹脂フィルム13a,13bは接着剤又は熱融着により貼り合わせてある。
【0030】
図4は登録用無線タグ13の内部構成を示す図で、(b) は(a) のA−A断面図である。ベース基板となる下側の樹脂フィルム13aの上に電磁波に対する応答手段である無線周波数信号を処理する高周波回路や電源回路等のアナログ回路部13c及びデジタル信号を処理するデジタル制御部、商品識別コード、商品価格データ、商品重量値データ等の商品情報を記憶するメモリ部等を設けた制御用ICチップ13dを実装している。また、前記樹脂フィルム13aの上にコンデンサ13e、送受信用アンテナ13f及び配線パターン13gを薄膜プロセスで形成している。カバーとなる上側の樹脂フィルム13bはアナログ回路部13c及び制御用ICチップ13dを実装する部分に当たる一部が成形加工されている。
【0031】
前記コンデンサ13eは、各回路部をバックアップする機能を有し、商品情報の書込みや読出し時に前記送受信用アンテナ13fを経由して送り込まれた電力の一部を蓄え、一定時間保持するようになっている。前記配線パターン13gの一部は図5に示すように、特殊な1対の櫛形導電パターン13g1 、13g2 を形成している。
【0032】
図6は表示ラベル14の構成を示す図で、ベース紙14a上の片側に店名や商品名、単価、重量等の商品情報を印刷する枠取り14bやラベル位置検出のために使用する十字マーク14cを4箇所、予め印刷したプレ印刷部141を形成するとともにベース紙14a上の別の片側に特殊な1対の櫛形導電パターン14d1 、14d2 を厚膜印刷プロセスで互いに接続して形成した無線タグ貼付け部142を形成している。前記1対の櫛形導電パターン14d1 、14d2 は、図7に示す形状で、図5に示した登録用無線タグ13の櫛形導電パターン13g1 、13g2 と同一形状、同一サイズになっている。
【0033】
前記ベース紙14aのプレ印刷部141と無線タグ貼付け部142との境目にはミシン目状の第1の切断部14eを設けるとともに前記無線タグ貼付け部142の中央部には前記各櫛形導電パターン14d1 、14d2 の間を横切るようにミシン目状の第2の切断部14fを設けている。前記ベース紙14aの無線タグ貼付け部142の中央部には前記各櫛形導電パターン14d1 、14d2 及び第2の切断部14fを覆うように第1の接着層(図中斜線部分)14gを設けている。前記第1の切断部14eはこの表示ラベル14に一旦貼付けられた登録用無線タグ13を剥がすときにプレ印刷部141が破れずに残るようにするためのものであり、また、前記第2の切断部14fは登録用無線タグ13を剥がすときに前記各櫛形導電パターン14d1 、14d2 の接続部Pを切断させるためのものである。
【0034】
前記ベース紙14aの裏面側には全面にわたって第2の接着層14hを設け、この第2の接着層14hを介して前記ベース紙14aを両面をシリコーンコーティング処理した台紙15の上に貼ってある。
前記台紙15の上には図8に示すように、前記表示ラベル14が多数枚貼られて配列されており、これは、ベース紙14aと台紙15を貼合わせた原反材料を帯状に切断し、その後、ベース紙14aにプレ印刷部141、櫛形導電パターン14d1 、14d2 の厚膜印刷を行うとともに第1の切断部14e及び第2の切断部14fを入れ、さらに櫛形導電パターン14d1 、14d2 及び第2の切断部14fの上に第1の接着層14gを形成して構成する。
【0035】
図9は前記表示ラベル14の第1の接着層14gの上に登録用無線タグ13を接着した状態を示す図で、無線タグ13の各櫛形導電パターン13g1 、13g2 が表示ラベル14の各櫛形導電パターン14d1 、14d2 と一致して重なるようにして接着される。このとき、無線タグ13と表示ラベル14はx方向、y方向に非対称な位置関係になる。
図10は帯状の台紙15に多数の表示ラベル14が貼られ、これに無線タグ13を接着した状態を示す図である。
【0036】
次に、このようなラベル付き無線タグを製造する装置について述べる。
図11及び図12に示すように、装置本体20内に、図8に示すように帯状の台紙15に多数の表示ラベル14を貼ったものを巻いたラベル供給ロール21をロールホルダ22に装填し、このラベル供給ロール21から表示ラベル14を台紙15とともに搬送路23に沿って搬送するようになっている。
前記搬送路23は装置本体20の上に中央部に設けてあり、この搬送路23に沿ってラベル位置検出部25、タグ装着機構26、タグ書替え部27及びラベル印刷部28が配置してある。前記タグ書替え部27とラベル印刷部28は搬送路23を間にして同一の位置に対向して配置してある。また、前記装置本体20の上に制御部24も配置している。
【0037】
この装置は、先ず、制御部24からの台紙送り信号により、台紙送りローラ29を動作し、これにより台紙巻取り軸30が動作して台紙15の巻取りを行い、また、ラベル供給ロール21が回転して台紙15とともに表示ラベル14を搬送する。そして、ラベル位置検出部24がラベル上の4つの十字マーク14cを検出すると台紙送りローラ29の動作を停止して表示ラベル14の搬送を停止させる。以降、前記台紙送りローラ29は制御部24からの台紙送り信号を受ける毎に表示ラベル14を1ピッチ分ずつ送る動作を繰り返す。
【0038】
前記ラベル位置検出部24は表示ラベル14上の4つの十字マーク14cを検出するとx方向、y方向、基準方向に対する回転角度などこの表示ラベル14の正確な位置を読取り、前記タグ装着機構26に伝達する。タグ装着機構26は、ロボットアーム26aを駆動してタグホルダ31から登録用無線タグ13を1枚ずつ吸引保持により取出して表示ラベル14の所定の位置、すなわち、第1の接着層14gの上に接着させる。このとき表示ラベル14の各櫛形導電パターン14d1 、14d2 の上に無線タグ13の各櫛形導電パターン13g1 、13g2 が一致して重なるように精度よく合わせられる。
【0039】
図14は登録用無線タグ13を表示ラベル14の所定の位置に接着した状態を示す平面図で、表示ラベル14の導電パターン14d1 、14d2 と無線タグ13の導電パターン13g1 、13g2 が一致して重なると、図15に図14のB−B断面図を示すように導電パターン14d1 と導電パターン13g1 が樹脂フィルム13aを間にして対向し、また、導電パターン14d2 と導電パターン13g2 が樹脂フィルム13aを間にして対向するので、この両者はそれぞれ図16の(a) に示すようにコンデンサを構成し、かつ導電パターン14d1 、14d2 は接続しているので、等価的に図16の(b) に示すように1つのコンデンサを構成することになる。
【0040】
登録用無線タグ13を接着固定した表示ラベル14は1ピッチずつ搬送した後、前記タグ書替え部27及びラベル印刷部28が配置してある位置に到達する。表示ラベル14がこの位置に到達すると、先ず、タグ書替え部27が制御部24からの書替え信号により、アンテナ27aから書替え電磁波を発信し、登録用無線タグ13のメモリの内容を書替える。すなわち、メモリ内にすでに商品情報が入っていれば所定の商品情報に書替え、また、メモリ内に商品情報が入っていなければ所定の商品情報を書込む。そして、タグ書替え部27は書替え電磁波を発信を終了すると、次にタグ読取り電磁波を発信して書替えた商品情報の内容を読取り、書替えようとした情報との一致を確認する。もし、不一致であれば再度書替え電磁波を発信して書替えを行い、これを書替えようとした情報との一致を確認するまで所定回数だけ繰り返す。書替えようとした情報との一致を確認すると、タグ書替え部27は制御部24に書替え終了信号を送信する。
【0041】
制御部24はタグ書替え部27からの書替え終了信号を受信すると、今度はラベル印刷部28に印刷信号を送信する。ラベル印刷部28は制御部24からの印刷信号を受信すると、表示ラベル14のプレ印刷部141の枠取り14b内に所定の商品情報を印刷し、印刷が終了すると印刷終了信号を制御部24に送信する。また、タグ書替え部27による登録用無線タグ13のメモリ内容の書替え時にタグが何等かの損傷を受けていて商品情報の書替えが所定回数繰り返してもできなかったときは、タグ書替え部27は制御部24に書替え不可の信号を送信する。これにより、制御部24はラベル印刷部28にタグ異常の印刷を行う指示を送信し、ラベル印刷部28は表示ラベル14にタグ異常を表示する印刷を行う。
【0042】
印刷を終了したラベル付き無線タグTは台紙折返し部32で台紙15から一部剥離され、一部剥離されたラベル付き無線タグTは手作業又は自動貼付け装置により完全に剥離されて商品に第2の接着層14hにより接着される。例えば、手作業により剥離されて取り去られ、作業台33の上に載置してある重量計34に乗っている商品35に接着される。ラベル付き無線タグが台紙15から剥離され取り去られたことをラベルセンサ36で検出し、ラベル付き無線タグが剥離された台紙15は台紙送りローラ29を経由して台紙巻取り軸30に巻き取られる。なお、37は前記装置本体20の操作部、38はバーコードリーダである。
【0043】
図13は、タグ書替え部27及びラベル印刷部28の配置部からラベル付き無線タグTを剥離する台紙折返し部32までの拡大図で、台紙折返し部32は、タグ書替えとラベル印刷を行うR位置にあるラベル付き無線タグT1 の送り方向の先端位置Sより距離L1 だけ先にあり、次の台紙送り動作ではラベル付き無線タグT1 の一部が台紙15に着いている状態で停止するので、ラベル付き無線タグTを剥離する作業が容易となり、商品35へのラベル付き無線タグTの貼り付け作業がまた、容易になる。また、R位置にあるラベル付き無線タグT1 の先端位置Sから台紙折返し部32までの距離L1 をラベル付き無線タグTの送り方向の長さL2 よりも充分に小さくしているので、ラベル付き無線タグTを貼り付ける対象商品が切替わる時にR位置と台紙折返し部32との間に印刷をしてしまって無駄となるようなラベル付き無線タグTは1枚も発生しない。また、タグ書替え部27とラベル印刷部28を同一の位置に配置し、最初にタグ書替え部27により無線タグ13の商品情報の書替えを行い、正しく書替えができた後に書替えた商品情報に基づいてラベル印刷部28により表示ラベル14に印刷を行うようにしているので、この点においてもラベル付き無線タグTの無駄の発生を未然に防止できる。
【0044】
前記登録用無線タグ13のメモリに記憶する商品情報としては商品の種類によって異なり、商品群A〜Cの3つのグループに分類できる。
商品群Aの商品は、工場で大量生産される商品などでこの商品には通常ソースコードと呼ばれる印刷されたバーコードが付いている。この商品は同じ商品であれば1つ1つの重量のバラツキは極めて小さく、また、経時変化も極めて少ない。この商品群Aの商品は、同じ商品であれば同一価格、同一重量となっているので、この商品の価格や重量値などの商品情報を別途設けた商品情報ファイルに格納しておけば、この商品群Aの商品に付着させる無線タグ13のメモリに記憶させる情報としては商品識別コードのみでよい。
【0045】
また、商品群Bの商品は、単位重量当たりの価格を設定して販売する商品で、一般的には店舗内、又はその近郊の配送センター等で包装、計量、値付けされる商品である。この商品は商品識別コードが同一でも個々の重量値は異なる場合が多い。従って、この商品に付着させる無線タグ13のメモリに記憶させる情報としては商品識別コード、商品価格及び商品の重量値が必要となる。
また、商品群Cの商品は、定額販売する商品で、一般的には店舗内、又はその近郊の配送センター等で包装、値付けされる商品である。この商品は商品識別コード、価格が同一であっても重量にはバラツキがある。従って、この商品群Cの商品に付着させる無線タグ13のメモリに記憶させる情報としては商品識別コードと商品の重量値が必要となる。
【0046】
例えば、商品群Aの商品に付着するラベル付き無線タグTの登録用無線タグ13のメモリの書替え及び表示ラベル14への商品情報の印刷は、対象となる商品35の商品識別コードを前記操作部37からキー入力するか、又は商品35に印刷されているソースコードをバーコードスキャナー38で読み取って、制御部24に転送する。制御部24は内蔵している商品情報ファイルからその商品識別コードに対応した商品情報を読出す。この商品群Aの商品の場合、制御部24からタグ書替え部27には商品識別コードのみが転送され、ラベル印刷部28には商品名、価格が転送され、これにより無線タグ13の商品情報の書替え及び表示ラベル14への印刷が行われる。こうして製造したラベル付き無線タグTは台紙折返し部32に搬送された後取り去られて作業台33上の商品35に付着される。この商品の場合は重量値が決まっているので重量計34は不要である。
【0047】
また、この商品群Aの商品の場合、同一商品について多数個まとめてラベル付き無線タグTの付着が行われるが、この場合は操作部37で商品の個数をプリセットして商品識別コードの入力操作を行う。これにより、ラベルセンサ36が台紙折返し部32でラベル付き無線タグTが取り去られたことを検出する毎に前記タグ装着機構26による無線タグ13の装着、前記タグ書替え部27による無線タグ13への商品情報の書替え、前記ラベル印刷部28による表示ラベル14への商品情報の印刷を1回行い、これをプリセットされた個数分繰り返すことになる。
【0048】
また、商品群Bの商品に付着するラベル付き無線タグTの登録用無線タグ13のメモリの書替え及び表示ラベル14への商品情報の印刷は、対象となる商品35の商品識別コードを前記操作部37からキー入力して制御部24に転送する。この商品群Bの商品は、単位重量当たりの価格を設定して販売する商品なので、作業台33の上に重量計34を載置することになる。予め包装した商品35を重量計34に載せて計量を行うと、この重量計34から重量値データを制御部24に伝送する。
【0049】
制御部24は内蔵している商品情報ファイルからその商品識別コードに対応した商品情報を読出す。この場合は、商品情報ファイルから商品名と単位重量当たりの価格を読出す。そして、この単位重量当たりの価格と重量計34からの重量値データとから商品の価格を求める。この商品群Bの商品の場合は、制御部24からタグ書替え部27には商品識別コード、商品重量及び商品価格が転送され、ラベル印刷部28には商品名、単位重量当たりの価格、商品重量、商品価格及び必要に応じて商品を構成する原材料、製造年月日、賞味期限等の情報が転送され、これにより無線タグ13の商品情報の書替え及び表示ラベル14への印刷が行われる。こうして製造されたラベル付き無線タグTは台紙折返し部32に搬送された後取り去られて作業台33の重量計34上の商品35に付着される。
【0050】
また、商品群Cの商品に付着するラベル付き無線タグTの登録用無線タグ13のメモリの書替え及び表示ラベル14への商品情報の印刷は、対象となる商品35の商品識別コードを前記操作部37からキー入力して制御部24に転送する。この商品群Cの商品は、略同一重量に揃えて同一価格で販売する商品であるが、重量にバラツキがあるので商品群Bの場合と同様、重量計34で計量を行うことになる。すなわち、予め包装した商品35を重量計34に載せて計量を行うと、この重量計34から重量値データを制御部24に伝送する。
【0051】
制御部24は内蔵している商品情報ファイルからその商品識別コードに対応した商品情報を読出す。この場合は、商品情報ファイルから商品名と商品価格を読出す。この商品群Cの商品の場合は、制御部24からタグ書替え部27には商品識別コード及び商品重量が転送され、ラベル印刷部28には商品名、商品重量、商品価格及び必要に応じて商品を構成する原材料、製造年月日、賞味期限等の情報が転送され、これにより無線タグ13の商品情報の書替え及び表示ラベル14への印刷が行われる。こうして製造されたラベル付き無線タグTは台紙折返し部32に搬送された後取り去られて作業台33の重量計34上の商品35に付着される。
このようにして商品群A、B、Cの各商品に対するラベル付き無線タグTの付着作業が行われ、これらの商品は店舗内の商品陳列棚に並べられることになる。
【0052】
図17は、図1及び図2に示した商品登録システムの要部回路ブロック図で、前記登録精算装置9は、制御部本体を構成するマイクロプロセッサ41を設け、このマイクロプロセッサ41により、前記重量計6、無線タグリーダ7、操作部9a、表示部9b、レシート用プリンタ42、ジャーナル用プリンタ43、販売する全ての商品の商品情報を格納した商品情報ファイル44、商品を販売した顧客の情報を格納する顧客別ファイル45及び上位機器であるホストコンピュータとデータの送受信を行うホストインターフェース46をそれぞれ制御するようになっている。前記無線タグリーダ7は送受信及び認識処理部7bと前記アンテナ7aからなる。
【0053】
図18は、図4に示した登録用無線タグ13の回路ブロック図で、アナログ処理部51、デジタル処理部52及びメモリ53を設け、アナログ処理部51は整流器54、電源回路55、変調器56、復調器57で構成している。この無線タグ13はアンテナ13fで受信した電磁波電力を整流器54で整流した後電源回路55に供給して充電し、この電源回路55からデジタル処理部52、メモリ53、変調器56及び復調器57にそれぞれ電力を供給するようになっている。また、この無線タグ13は商品情報の書替えのときはアンテナ13fで受信した信号を復調器57で復調した後デジタル処理部52に供給し、このデジタル処理部52でメモリ53を制御してこのメモリ53の商品情報を書き替える制御を行い、書替えが終了する書替え終了信号を変調器56で変調した後アンテナ13fから電磁波として放射するようになっている。また、この無線タグ13は商品情報の読出しのときはアンテナ13fで受信した信号を復調器57で復調した後デジタル処理部52に供給し、このデジタル処理部52でメモリ53を制御してこのメモリ53から商品情報を読出し、読出した商品情報を変調器56で変調した後アンテナ13fから電磁波として放射するようになっている。
【0054】
図19は、前記復調器57の具体的構成を示す回路ブロック図である。この復調器57はPLL(phase looked loop )方式の復調器で、PDET(phase detector)571、VCO(variable capacitance oscillator )572及びLPF(loop filter )573で構成している。そして、アンテナ13fで受信した周波数変調された信号をPDET571でVCO572からの基本発信周波数に基づいて復調し、LPF573からデジタル信号として出力するようになっている。
【0055】
図20は前記VCO572の具体的回路構成を示し、コンデンサC1 、C2 の直列回路とコイルL、コンデンサC3 の直列回路との並列回路を設け、前記コンデンサC2 にNPN形トランジスタTr を並列に接続し、前記コンデンサC3 にコンデンサC4 と可変容量ダイオードCV との直列回路を並列に接続している。そして、前記コンデンサC2 とコイルLとの接続点をコンデンサC5 を介して出力端子OUTに接続し、前記コンデンサC4 と可変容量ダイオードCV との接続点を帰還入力端子VT に接続している。このVCO572は帰還入力端子VT に前記LPF573からの差信号電圧を帰還し、これにより可変容量ダイオードCV の静電容量を変化させ、出力端子OUTからの出力信号の周波数及び位相が入力信号にロックするように制御する。そして、このVCO572のコンデンサC3 は前記登録用無線タグ13の1対の導電パターン13g1 、13g2 と前記表示ラベル14の1対の導電パターン14d1 、14d2 との重ね合わせにより構成している。すなわち、図16に示したように、導電パターン13g1 と導電パターン14d1 との容量分と導電パターン13g2 と導電パターン14d2 との容量分とでコンデンサC3 を形成することになる。
【0056】
従って、登録用無線タグ13の1対の櫛形導電パターン13g1 、13g2 と表示ラベル14の1対の櫛形導電パターン14d1 、14d2 との重ね合わせが正確に一致していなければコンデンサC3 の容量が大きく変化し、これによりVCO572の発振周波数が制御範囲を越えてしまい、これによりPLLがロックレンジから外れ無線タグ13は無線タグリーダ7からの読取りを指示する電磁波に応答しなくなる。このため、表示ラベル14から登録用無線タグ13のみを剥がして交換しても無線タグ13の1対の櫛形導電パターン13g1 、13g2 と表示ラベル14の1対の櫛形導電パターン14d1 、14d2 との正確な重ね合わせができないので、このような場合に無線タグ13の機能を停止させることができる。
【0057】
また、商品から表示ラベル14が付いた状態で無線タグ13を剥がして交換しようとした場合は、第2の切断部14fが簡単に破れて1対の櫛形導電パターン14d1 、14d2 を電気的に分断するので、導電パターン13g1 と導電パターン14d1 との重ね合わせによる容量分と導電パターン13g2 と導電パターン14d2 との重ね合わせによる容量分との直列回路が分断される。これによりコンデンサC3 の容量が大きく変化する。従って、この場合もVCO572の発振周波数が制御範囲を越えてしまい、これによりPLLがロックレンジから外れ無線タグ13は無線タグリーダ7からの読取りを指示する電磁波に応答しなくなる。
【0058】
前記登録精算装置9の商品情報ファイル44は、図21に示すように、商品識別コード、商品名、商品価格及び商品重量値の格納エリアを設け、前述した商品群Aの各商品については「49」などの国コードから始まる商品識別コードとともにこの商品識別コードに対応して商品名、商品価格及び商品重量値をそれぞれ格納している。また、前述した商品群Bの各商品についてはインストアマーキングを示す例えば「02」から始まる商品識別コードとともにこの商品識別コードに対応して商品名のみをそれぞれ格納している。また、前述した商品群Cの各商品についてはインストアマーキングを示す例えば「20」から始まる商品識別コードとともにこの商品識別コードに対応して商品名と商品価格をそれぞれ格納している。
【0059】
前記登録用無線タグ13のメモリ部53は、図22に示すように、商品識別コード、商品価格及び商品重量値の格納エリアを設け、前述した商品群Aの各商品については(a) に示すように商品識別コードのみを格納し、また、前述した商品群Bの各商品については(b) に示すように商品識別コード、商品価格、商品重量値を格納し、また、前述した商品群Cの各商品については(c) に示すように商品識別コードと商品重量値を格納している。
【0060】
前記登録精算装置9のマイクロプロセッサ41は、図23に示す登録処理を行うようにプログラム設定されている。
先ずS1にて、重量計6により商品3の入った籠4の重量を計量する。そして、操作部9aのキー入力による読取り指令の発生に待機する。この状態で読取り指令発生のためのキー操作が行われ、読取り指令が発生すると、S2にて、無線タグリーダ7を駆動し、籠4内の各商品3に付着しているラベル付き無線タグに電磁波による問合わせを行い、任意の無線タグから商品識別コードを受信する。このとき商品が商品群Aの商品であれば無線タグのメモリ部53に格納されているのは商品識別コードのみなので商品識別コードのみ受信する。また、商品群Bの商品であれば無線タグのメモリ部53には商品識別コード、商品価格、商品重量値が格納されているので、商品識別コードの他、商品価格、商品重量値も受信する。また、商品群Cの商品であれば無線タグのメモリ部53には商品識別コード、商品重量値が格納されているので、商品識別コードの他、商品重量値も受信する。
【0061】
続いてS3にて、受信した商品識別コードにより商品情報ファイル44を検索し、該当する商品の商品名、商品価格、商品重量値等を読出す。このとき商品が商品群Aの商品であれば無線タグからの受信は商品識別コードのみであり、従って、商品情報ファイル44からは商品名、商品価格、商品重量値を読出す。また、商品群Bの商品であれば無線タグからの受信は商品識別コード、商品価格、商品重量値であり、従って、商品情報ファイル44からは商品名のみを読出す。また、商品群Cの商品であれば無線タグからの受信は商品識別コードと商品重量値であり、従って、商品情報ファイル44からは商品名と商品価格を読出す。
【0062】
続いてS4にて、該当する商品の商品名、商品価格、商品重量値を顧客別ファイル45に登録する。そして、S2〜S4の処理を全ての無線タグに対する問合わせが終了するまで繰返す。
【0063】
この処理において、籠4内には多数の商品3が収容されているので、無線タグリーダ7からの問合わせに対して各商品の無線タグが同時に応答すると衝突が発生する。そこで、図24に示すように、無線タグリーダ7からの問合わせ信号に対して各無線タグA〜Cからの応答信号が衝突しないように各無線タグA〜C間で異なる遅延時間をかけて応答信号を発生させている。すなわち、各商品の無線タグは無線タグリーダ7からの問合わせ信号に対して応答信号をランダムにずらす遅延時間を発生する。無線タグリーダ7はいずれかの無線タグからの応答信号を受信すると問合わせ信号の発生を一瞬停止してこの信号を変化させることにより該当する無線タグに商品情報を読み取ったことを知らせる。問合わせ信号の変化を受信した該当無線タグは問合わせ信号に対する応答の繰返しを停止しディセーブル状態となる。こうして無線タグリーダ7は各商品3の無線タグから商品情報を順次読取っていく。そして、無線タグの遅延時間の最大値以上の期間、どの無線タグからも応答がないと判断すると、無線タグリーダ7は全ての無線タグが応答を終了しディセーブル状態になっていると判断し、問合わせ信号の発生を停止する。
【0064】
全ての無線タグに対する問合わせが終了すると、重量計6から取込んだ重量値から予め設定されている籠4の重さを減算して籠4に入っている商品のみの重量値を求める。一方、顧客別ファイル45に登録した全商品の重量値を加算した合計重量値を得る。そして、商品のみの重量値と登録した全商品の合計重量値を比較し、差が許容範囲に入っているか否かをチェックする。
【0065】
差が許容範囲に入っていれば、登録した商品に誤りがないとして、S5にて登録した商品の合計金額を表示部9bに表示させる。続いて、S6にて、登録した商品の商品名、商品価格及び合計金額をレシート用プリンタ42を駆動してレシート用紙に印字し、また、ジャーナル用プリンタ43を駆動してジャーナル紙に印字する。これにより店員は顧客から支払いを受けるとともにレシートを手渡す。そして、最後にS7にて、顧客別ファイル45に登録した1顧客分の商品の商品識別コード、商品価格及び合計金額をホストインターフェース46からホストコンピュータへ送信する。
【0066】
また、商品のみの重量値と登録した全商品の合計重量値との差が許容範囲から外れていれば、S8にて、不一致を知らせるメッセージを表示部9bに表示させる。これにより店員は何等かのトラブルが生じたとして籠4内の商品3を位置変えなどして再度無線タグリーダ7に読取らせる操作を行う。
【0067】
このように、籠4内の全ての商品3について登録が終了したときに籠4内の全ての商品3の重量値と登録した各商品の重量値を加算して求めた合計重量値とを比較して登録した商品内容と実際に籠に入っている商品とが一致しているか否かをチェックしているので、無線タグリーダ7の読取りに誤動作が発生したとしてもそれを検出して再度読取りを行わせることができ、また、無線タグを取外したり、折り曲げたりなどしてタグの機能を故意に殺すなどの不正行為があったときにも有効となる。
なお、籠内の商品の位置変えを行って再度読取らせても不一致が解消されなかったときには籠内の商品を1つずつ取出して手動で登録することになる。
【0068】
ところで、各商品の中で商品群B及びCに属する商品の中には、生鮮商品などが含まれ、閉店近くになると値引き販売することがある。これに対処するために図25に示すように値引き無線タグ61を用意する。すなわち、この値引き無線タグ61は、内部にメモリ部を設けて値引き金額情報を格納するとともに表面61aに値引き金額を印刷し、底部に接着層61bを形成している。勿論、この値引き無線タグ61も登録用無線タグ13と同様の回路を備えている。この値引き無線タグ61は1対の櫛形導電パターンを厚膜印刷プロセスでベース紙の上に形成するとともにこの1対の櫛形導電パターンを横切るようにミシン目状の切断部を設けたラベルの上に貼付け、このラベルを使用して商品に貼付けることになる。
【0069】
店員は、閉店近くになると値引き販売する商品3に、図26に示すように、値引き無線タグ61を登録用無線タグ13とは別に貼り付ける。
この値引き無線タグ61を貼り付けた商品3については無線タグリーダ7は登録用無線タグ13から商品情報を読出すとともに値引き無線タグ61から値引き金額情報を読出す。そして、値引き金額については登録精算装置9の顧客別ファイル45内に別途メモリを設けて加算し、読取りを終了して表示部9bに合計金額を表示するときに合計金額から値引き合計金額を引いて値引き後の合計金額を求めて表示することになる。また、レシートやジャーナルには元の合計金額、値引き合計金額、値引き後の合計金額を文字等で区別して印刷することになる。なお、値引きについては無線タグを使用せずにラベルにバーコード等で値引き金額を貼り、これを店員がハンディタイプのスキャナーで読取って値引き金額を登録精算装置9に取り込ませるようにしてもよい。
【0070】
(第2の実施の形態)
これは、商品の重量値を全て登録用無線タグ13に持たせたもので、登録精算装置9の商品情報ファイル44は、図27に示すように、「49」などの国コードから始まる商品識別コードをもつ商品群Aの各商品も、「02」から始まる商品識別コードをもつ商品群Bの各商品も、「20」から始まる商品識別コードをもつ商品群Cの各商品も、すべて商品重量値を格納していない。
これに代わり、登録用無線タグ13のメモリ部53は図28の(a) 〜(c) に示すように商品群Aの各商品も、商品群Bの各商品も、商品群Cの各商品も、すべて商品重量値を設定している。
なお、その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0071】
このような構成においては、全ての商品について登録精算装置9の無線タグリーダ7から商品3に付着している無線タグ13に問い合わせを行うことで無線タグ13から商品識別コードとともに商品の重量値を受信し、この受信した商品重量値の加算合計値と重量計6で計量した重量値とを比較することになる。
なお、この実施の形態においても前述した第1の実施の形態と同様の作用効果が得られるものである。
【0072】
(第3の実施の形態)
これは、店名や商品名、単価、重量等の商品情報を印刷するプレ印刷部を形成した表示ラベル14に代えて登録用無線タグ13を商品に付着させる目的のみで使用するラベルを使用したものである。
すなわち、図29に示すように、このラベル71は、ベース紙71aの上に特殊な1対の櫛形導電パターン71b1 、71b2 を厚膜印刷プロセスで互いに接続して形成するとともにこの各櫛形導電パターン71b1 、71b2 の間を横切るようにミシン目状の切断部71cを設けている。そして、各櫛形導電パターン71b1 、71b2 及び切断部71cを覆うように第1の接着層(図中斜線部分)71dを設けている。前記ベース紙71aの裏面側には全面にわたって第2の接着層71eを設け、この第2の接着層71eを介してベース紙71aを両面をシリコーンコーティング処理した台紙72の上に貼ってある。
【0073】
この実施の形態においても台紙72は帯状のもので、この台紙72の上には図30に示すように、前記ラベル71が多数枚貼られ、ラベル付き無線タグの製造装置ではロール状に巻かれてラベル供給ロールとして装填される。そして、図31に示すように、商品3に対しては、このラベル付き無線タグ73とともに別途店名や商品名、単価、重量等の商品情報を印刷した表示ラベル74が貼られることになる。
【0074】
なお、その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
このように店名や商品名、単価、重量等の商品情報を印刷した表示ラベルに代えて無線タグ13を商品に付着させる目的のみのラベルを使用しても前述した第1の実施の形態と同様の作用効果が得られるものである。
【0075】
(第4の実施の形態)
これは、登録用無線タグ13として櫛形導電パターンに導電性のダミーパターンを接続した登録用無線タグを使用したもので、その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
すなわち、図32に示すように、1対の導電パターン13g1 、13g2 の外側にダミーパターン13h1 、13h2 を形成している。具体的には、図33に示すように特殊な1対の櫛形導電パターン13g1 、13g2 の外側にこの導電パターン13g1 、13g2 にそれぞれ接続したダミーパターン13h1 、13h2 を形成している。
【0076】
このような構成においては、表示ラベル14の櫛形導電パターン14d1 、14d2 と登録用無線タグ13の櫛形導電パターン13g1 、13g2 とを正確に一致させることが困難であることから、表示ラベル14の櫛形導電パターン14d1 、14d2 が位置する部位全体に導電体フィルムを貼付けるような不正行為が行われると、無線タグ13の櫛形導電パターン13g1 、13g2 は導電体フィルムと対向するので表示ラベル14の櫛形導電パターン14d1 、14d2 と一致して配置した状態と同じ状態となる。しかし、このときダミーパターン13h1 、13h2 も導電体フィルムと対向することになる。
【0077】
本来、無線タグ13の櫛形導電パターン13g1 、13g2 を表示ラベル14の櫛形導電パターン14d1 、14d2 と一致させて重ねた場合はダミーパターン13h1 、13h2 と対向する導電パターンはない。すなわち、ダミーパターン13h1 、13h2 は容量分としては何等寄与しない。しかし、導電体フィルムが故意に貼られたときはダミーパターン13h1 、13h2 も導電体フィルムに対向するので容量分として寄与することになる。
【0078】
このため、図20に示す回路内のコンデンサC3 の容量が本来の容量よりも大幅に増大する。従って、VCO572の発振周波数が制御範囲を越えてしまい、これによりPLLがロックレンジから外れ無線タグ13は無線タグリーダ7からの読取りを指示する電磁波に応答しなくなる。
このように、ダミーパターン13h1 、13h2 を設けることで表示ラベル14の櫛形導電パターン14d1 、14d2 が位置する部位全体に導電体フィルムが貼付けられるような不正行為が行われたとしてもその表示ラベルを貼った商品の登録は行われないので、結果として合計重量値のチェックによって重量値の不一致が検出されることになる。これにより、不正行為があったことを知ることが可能になる。
【0080】
【発明の効果】
以上、請求項1乃至4記載の発明によれば、客が故意に無線タグを別の商品の無線タグと取替えるなど無線タグを商品から剥がした場合に電磁波に対する応答機能を停止できる登録用無線タグを提供できる。
【0081】
また、請求項5乃至7記載の発明によれば、無線タグを商品に付着させる場合に無線タグと共に使用し、客が故意に無線タグを別の商品の無線タグと取替えるなど無線タグを商品から剥がした場合に無線タグの電磁波に対する応答機能を停止させることができる表示用ラベルを提供できる。
【0082】
また、請求項8記載の発明によれば、客が故意に無線タグを別の商品の無線タグと取替えるなど無線タグを商品から剥がした場合に電磁波に対する応答機能を停止できるラベル付き無線タグを自動的に製造できるラベル付き無線タグの製造装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における商品登録システム全体の構成を示す図。
【図2】図1を作業テーブル側から見た側面図。
【図3】同実施の形態における登録用無線タグの外観を示す図で、(a) は平面図、(b) は側面図。
【図4】同実施の形態における登録用無線タグの内部構成を示す図で、(a) は平面図、(b) は(a) のA−A断面図。
【図5】同実施の形態における登録用無線タグの櫛形導電パターンを示す図。
【図6】同実施の形態における表示ラベルの外観を示す図で、(a) は平面図、(b) は側面図。
【図7】同実施の形態における表示ラベルの櫛形導電パターンを示す図。
【図8】同実施の形態において台紙に多数の表示ラベルを貼った状態を示す図。
【図9】同実施の形態において表示ラベルに登録用無線タグを接着したラベル付き無線タグを示す平面図。
【図10】同実施の形態において台紙貼った多数の表示ラベルに登録用無線タグを接着した状態を示す図。
【図11】同実施の形態におけるラベル付き無線タグ製造装置を示す平面図。
【図12】図11のラベル付き無線タグ製造装置の内部構成を示す図。
【図13】図11のラベル付き無線タグ製造装置の部分拡大図。
【図14】同実施の形態において表示ラベルに登録用無線タグを正確な位置に接着した状態を示す平面図。
【図15】図14のB−B断面図。
【図16】同実施の形態において表示ラベルに登録用無線タグを接着したときの等価回路図。
【図17】同実施の形態における商品登録システムの要部回路ブロック図。
【図18】同実施の形態における登録用無線タグの回路ブロック図。
【図19】図18における復調器の回路ブロック図。
【図20】図19におけるVCOの回路構成図。
【図21】同実施の形態における登録精算装置の商品情報ファイルの構成を示す図。
【図22】同実施の形態における登録用無線タグのメモリ部の構成を示す図。
【図23】同実施の形態における登録精算装置のマイクロプロセッサの要部処理を示す流れ図。
【図24】同実施の形態における無線タグリーダと登録用無線タグとの間の問合わせ信号及び応答信号のタイミングを示す図。
【図25】同実施の形態における値引き無線タグの外観を示す図で、(a) は平面図、(b) は側面図。
【図26】同実施の形態においてラベル付き無線タグと値引き無線タグを商品に付着させた状態を示す図。
【図27】本発明の第2の実施の形態における登録精算装置の商品情報ファイルの構成を示す図。
【図28】同実施の形態における登録用無線タグのメモリ部の構成を示す図。
【図29】本発明の第3の実施の形態におけるラベルの外観を示す図で、(a) は平面図、(b) は側面図。
【図30】同実施の形態において台紙に多数のラベルを貼った状態を示す図。
【図31】同実施の形態において商品に表示ラベルとラベル付き無線タグを貼った状態を示す図。
【図32】本発明の第4の実施の形態における登録用無線タグの内部構成を示す図。
【図33】同実施の形態における櫛形導電パターンとダミーパターンを示す図。
【符号の説明】
3…商品
5…商品載置部
6…重量計
7…無線タグリーダ
9…登録精算装置
13…登録用無線タグ
14…表示ラベル
13g1 、13g2 …登録用無線タグの櫛形導電パターン
14d1 、14d2 …表示ラベルの櫛形導電パターン
41…マイクロプロセッサ
44…商品情報ファイル
45…顧客別ファイル
53…登録用無線タグのメモリ部
Claims (8)
- 商品にラベル等の部材を介して付着する登録用無線タグであって、各商品毎に付した商品識別コード等の商品情報を記憶する書替え可能なメモリと、外部からの無線電磁波により商品情報を受信して前記メモリに記憶する商品情報を書替える商品情報書替え手段と、無線電磁波による問合わせに応答して前記メモリに記憶してある商品情報を読出して無線電磁波で問合わせ相手に送信する電磁波応答手段と、第1の組合わせ手段を設け、前記第1の組合わせ手段と前記部材に設けた第2の組合わせ手段との組合わせに異常が生じたとき前記電磁波応答手段は電磁波に応答しなくなることを特徴とする登録用無線タグ。
- 商品に直接付着する登録用無線タグであって、各商品毎に付した商品識別コード等の商品情報を記憶する書替え可能なメモリと、外部からの無線電磁波により商品情報を受信して前記メモリに記憶する商品情報を書替える商品情報書替え手段と、無線電磁波による問合わせに応答して前記メモリに記憶してある商品情報を読出して無線電磁波で問合わせ相手に送信する電磁波応答手段と、第1の組合わせ手段を設け、この第1の組合わせ手段と商品に設けた第2の組合わせ手段との組合わせに異常が生じたとき前記電磁波応答手段は電磁波に応答しなくなることを特徴とする登録用無線タグ。
- 第1、第2の組合わせ手段をそれぞれ同一パターンからなる第1、第2の導電パターンとし、この各導電パターンが一致して重なるとき以外は電磁波応答手段は電磁波に応答しなくなることを特徴とする請求項1又は2記載の登録用無線タグ。
- 第1の導電パターンにこの第1の導電パターンが第2の導電パターンと一致して重なったときにこの第2の導電パターンとは重ならないダミーパターンを接続したことを特徴とする請求項3記載の登録用無線タグ。
- 商品に登録用無線タグを付着するときに使用する表示ラベルであって、商品情報を印刷表示した印刷表示部と、前記登録用無線タグを接着する第1の接着層と、前記商品に接着する第2の接着層と、前記登録用無線タグに設けた第1の組合わせ手段と組合わせて使用する第2の組合わせ手段とを備え、前記第1の組合わせ手段と第2の組合わせ手段との組合わせに異常が生じたとき前記登録用無線タグが電磁波に応答しなくなることを特徴とする表示ラベル。
- 第1、第2の組合わせ手段は、導電パターンからなることを特徴とする請求項5記載の表示ラベル。
- 商品に登録用無線タグを付着するときに使用する表示ラベルであって、商品情報を印刷表示した印刷表示部と、前記登録用無線タグを接着する第1の接着層と、前記商品に接着する第2の接着層と、前記登録用無線タグに設けた第1の導電パターンと組合わせて使用する第2の導電パターンと、前記登録用無線タグにこの無線タグを商品から剥がすような外力が加わると前記第2の導電パターンを切断する切断部とを備え、前記第1の導電パターンと第2の導電パターンとの組合わせに異常が生じたとき前記登録用無線タグが電磁波に応答しなくなることを特徴とする表示ラベル。
- 各商品毎に付した商品識別コード等の商品情報を記憶する書替え可能なメモリ、外部からの無線電磁波により商品情報を受信して前記メモリに記憶する商品情報を書替える商品情報書替え手段、無線電磁波による問合わせに応答して前記メモリに記憶してある商品情報を読出して無線電磁波で問合わせ相手に送信する電磁波応答手段、第1の導電パターンを設けた登録用無線タグを複数収納したタグホルダと、商品情報の印刷表示部、前記登録用無線タグを接着する第1の接着層、商品に接着する第2の接着層、前記登録用無線タグに設けた第1の導電パターンと組合わせることで前記電磁波応答手段に電磁波に対する応答を行わせる第2の導電パターン、前記登録用無線タグを前記第1の接着層に接着させるときのマークを備えた表示ラベルを複数、前記第2の接着層を介して剥離可能な帯状の台紙上に配列して搬送供給するラベル搬送手段と、このラベル搬送手段が搬送する表示ラベルのマークを検出して表示ラベルの位置検出を行うラベル位置検出手段と、このラベル位置検出手段からのラベル位置検出情報に基づいて前記タグホルダから登録用無線タグを1つ取出して位置検出して表示ラベルの第1の接着層の上に第1の導電パターンと第2の導電パターンが一致して重なるように接着させるタグ自動接着手段と、このタグ自動接着手段により表示ラベルに接着した登録用無線タグに新たな商品情報を送信してこの無線タグの商品情報書替え手段にメモリ内の商品情報を新たな商品情報に書替えさせるタグ書替え手段と、このタグ書替え手段による登録用無線タグのメモリの書替えが終了すると、この無線タグを接着した表示ラベルの印刷表示部に書替えた商品情報と対応する商品情報を印刷するラベル印刷手段とを備えたことを特徴とするラベル付き無線タグの製造装置。
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