JP3681373B2 - 複合容器の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、立体形状を有する抄造容器の内面に樹脂層を備えた複合容器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
立体形状を有する抄造容器の内面に樹脂層を備えた複合容器の製造方法に関する従来技術としては、例えば、下記特許文献1に記載の技術が知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−289111号公報
【0004】
この技術は、上下一組の真空チャンバー内に容器本体を載置し、容器本体の開口部を延伸性フィルムで閉塞するとともに、両チャンバーを該延伸性フィルムで上下に画成し、下方の真空チャンバー内を真空吸引した状態下で上方の真空チャンバー内を加圧して延伸性フィルムを容器本体の内面又は外面に吸着させて樹脂層を形成するものである。
【0005】
ところで、樹脂シートから深絞り加工によって得られる樹脂層を内面に備えている従来の複合容器の製造方法は、深絞り比(容器深さ/容器開口部の口径)が2以上のものを歩留まり良く製造することが困難であった。
【0006】
従って、本発明の目的は、深絞り比の大きい形状の複合容器を歩留まり良く製造することができる複合容器の製造方法を提供することある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、立体形状を有する抄造容器の内側に樹脂層を備えた複合容器の製造方法であって、開口部を有し、内周面に格子状の通気溝が配設された成形型内に前記抄造容器を配した後、該開口部の周縁部に気密性及び弾力性を有する環状の口金部材を配し、樹脂シートを軟化させて前記開口部を塞ぐように該樹脂シートを保持した状態で、該樹脂シートにプラグを当接させながら該樹脂シートを前記成形型内に引き込み、前記抄造容器を介して前記成形型内を前記プラグが接している前記樹脂シートの面と相対的に負圧吸引し、前記樹脂シートを該抄造容器の表面に変形密着させて前記樹脂層を形成する複合容器の製造方法を提供することにより、前記目的を達成したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
【0009】
図1は、本発明の複合容器の製造方法により製造される複合容器(以下、単に容器ともいう。)の一実施形態を示すものである。図1において、符号1は容器を示している。
【0010】
図1に示すように、容器1は、抄造容器10とその表面を被覆する樹脂層11とを備えている。容器1は、口頸部12を有するとともに胴部の二箇所に括れた部分13を有している。
【0011】
容器1は、開口部の大きさ(本実施形態では内径r)が容器の最大寸法よりも小さい形状を有している。ここで、開口部の大きさは、開口部の開口形状における最大寸法をいい、容器の最大寸法とは、胴部の横断面において最も大きい寸法(本実施形態ではR)をいう。
【0012】
抄造容器10は、開口部の内径rと深さdとの比(d/r)で表される絞り比は、用途、デザイン形状、機能等に応じて適宜設定することができるが、ボトル形状のように口頸部が胴部に比べて細い容器の場合、2〜8倍、特に2〜5倍であることが好ましい。
【0013】
抄造容器10は、通気性が3〜500sec/50mlであることが好ましい。抄造容器10の通気性が低すぎると樹脂シートの変形が不十分で内面の転写性が悪くなり、成形不良となる場合がある。ここで通気性は、ヨシミツ精機(株)製B型ガーレ式デンソメータにより測定される値である。
【0014】
抄造容器10は、成形型2内を負圧吸引したときの当該吸引力によって変形しない程度の剛性があり、要求される用途、デザイン形状、機能等を勘案して必要とされる座屈強度、落下強度等も適宜設定することができる。
【0015】
前記抄造容器10は、前記通気性及び前記剛性を有するものであれば、特にその材質に制限はないが、例えば、パルプ繊維を含む抄造成形体(パルプモールド成形体)等が挙げられる。そして所望の形状を付与でき、安価で再利用ができる観点から、パルプモールド成形体が好ましい。該成形体は、その密度(嵩密度)が0.7〜1.2g/cm3であることが好ましく、坪量が200〜800g/m2であることがより好ましい。
【0016】
抄造容器10の開口部の断面積(開口面積)A0と内表面の総面積A1との比(A1/A0)で表される面積倍率は、用途、材質、形状(デザイン)、機能等に応じて適宜設定することができるが、樹脂シートから抄造容器10の表面に樹脂層11の形成可能な範囲から3〜70、特に5〜50であることが好ましい。
【0017】
樹脂層11の最薄部の厚みtminは、用途、材質、機能等に応じて適宜設定することができるが、成形品の強度や内容物の保存性に影響するバリア性能等の点から10〜200μmであることが好ましい。
【0018】
前記樹脂層11の材質は、延伸性を有する樹脂であれば特に制限はない。該樹脂シートの材質としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアクリロニトリル等のポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル等のポリビニル系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、アイオノマー等の熱可塑性樹脂等が挙げられる。これらの樹脂シートは、単独で又は二種以上を積層させて用いることもできる。また、二層以上積層させる場合には、層の間にワックス、接着樹脂、各種機能性樹脂等の組成物を配し、防湿層、ガスバリア層、紫外線吸収層、遮光層等の各種機能を有する層を設けることもできる。
【0019】
前記樹脂シートには、上記樹脂成分に、顔料、染料、無機鉱物、紫外線吸収剤、各種機能剤等を含んだものを用いることもできる。
【0020】
前記樹脂シートの未使用時の厚み(多層構造の場合には、総厚みをいう。)t0に特に制限はないが、成形体の展開倍率と成形後の成形体の厚みの設計、成形サイクル等から樹脂シートの厚みは、0.2〜5mm、特に1〜3mmであることが好ましい。
【0021】
容器1は、収容物を収容した後、開口部の端面に蓋体を接着して封止することもでき、或いは開口部を超音波や熱でシールして封止することもできる。
【0022】
次に、本発明の複合容器の製造方法を、熱成形加工の一つである真空成形法を適用した一実施形態に基づいて説明する。
図2は、本発明の複合容器の製造方法を上記容器1の製造に適用した一実施形態を模式的に示すものである。図2において、符号1は容器、11は樹脂層、11’は樹脂シートを示している。
【0023】
図2(a)に示すように、本実施形態の製造方法では、先ず、開口部20を有する成形型2内に抄造容器10を配する一方、成形型2の上方で樹脂シート11’を枠体3で挟持して保持し、当該樹脂シート11’をその上下からヒーター(熱源)4で加熱して軟化させる。
【0024】
本実施形態の製造方法では、前記成形型2は、左右一対の割型21、22を組み合わせることにより、前記開口部20が形成され当該開口部20に通じるキャビティ23が内部に形成されるものが用いられる。
【0025】
割型21、22のキャビティ23の形成面には通気溝(図示せず)が多数配されてあり、これらの通気溝には多数の通気路210、220が開口している。通気路210、220は、キャビティ23と外部の真空系(図示せず)とに切り替えバルブ(例えば電磁弁)等(図示せず)を介して連通するように設けられている。そして通気路を通じた負圧吸引力がこれらの通気溝を通じて成形型2内に均一に及ぶ。
前記通気溝は、キャビティ23の形成面で連続的につながっており、成形時に空気の流動性の状態が大きく変化しないようであれば、通気路は一部分、例えば底部のみに設けてもよい。通気溝が部分的に独立しているような場合は、それぞれ通気溝に通気路を配し、各通気路の負圧吸引開始のタイミングを同じにすれば通気溝がつながっている場合の成形と同様とすることができる。
各通気路の負圧吸引開始のタイミングを変えることで、樹脂シートの変形開始位置を任意に制御することもでき、成形条件の範囲や成形体の肉厚分布を制御することもできる。
【0026】
これらの通気溝の幅は、0.3〜10mm、特に1〜3mmであることが好ましい。通気溝の幅が狭すぎると空気通過時の圧力損失が大きくなり、成形時に十分な空気通過を妨げる。広すぎると通気性部材が変形、破損して成形不良が発生するおそれがある。
また、通気溝の間隔は、3〜40mm、特に5〜20mmであることが好ましい。通気溝の間隔が狭すぎると加工工数が多くなって成形型が高価になったり、通気性部材の支持領域が少なくなって通気性部材が変形や破損するおそれがある。通気溝の間隔が広すぎると空気通過量が減少して均一な成形ができなくなる。
通気溝の深さは、0.5〜5mm、特に1〜3mm程度が望ましい。
キャビティ23の形成面に対する通気溝の総面積の割合は、15〜70%、特に25〜40%であることが好ましい。該割合が低すぎると空気通過量が減少して成形不良となる場合があり、高すぎると通気性部材の形状保持が不十分となり、通気性部材の変形、破損による成形不良が発生する。
【0027】
前記通気溝は、成形型2の内周面には縦横に格子状に設ける。また、底面部には放射状に設けたり、所定長さの円弧を所定間隔おきに同心状に設けたりすることが好ましい。
【0028】
なお、図には示していないが、成形型2は、冷却水路やヒーターを備えており、キャビティ23の形成面を通じた熱伝達によって抄造容器10の温度を制御できるように設けられている。
【0029】
本実施形態の製造方法では、成形型2の前記開口部20の周縁部に、スポンジ状で且つ環状の口金部材5が配されている。口金部材5は、後述するような気密性を確保する観点から一体成形品であることが好ましいが、複数の部品を組み合わせたものであっても良い。口金部材5には、後述のように、気密性に加えて、断熱性及び弾力性を有しているものが用いられる。
【0030】
口金部材5は、当該口金部材5を介して樹脂シート11’を成形型2の開口部20を塞ぐように配したときに密閉系を形成する気密性を有している。該密閉系を形成する上で、口金部材5は、当該口金部材5自体の気密性に加え、成形型2との間の気密性を有している。また、口金部材5が連続発泡体の場合には、その外周面に気密性を持たせる上で、スキン層を配するかまたはそれに準じた目止め処理を施すことが好ましい。
【0031】
口金部材5の断熱性は、樹脂シート11’が成形型2の開口部20を通じた熱伝達によって冷却されて硬化したり、逆に加熱されて軟化したりすることを防ぎ、樹脂シート11’の肉厚が不均一になることを防ぐ程度の断熱性を有していることが好ましい。
【0032】
口金部材5の弾力性は、10〜50度、特に15〜40度であることが好ましい。ここで、口金部材6の弾力性は、スプリング式C型(JIS K6301)により測定される。口金部材5がこのような弾力性を有していることで、樹脂シート11’を成形型2内に引き込むときの急激なシート変形を緩和したり、正圧がかかったときや負圧吸引中においても、口金部材5が柔軟に変形して成形型の開口部との間の隙間を塞ぐため、高い密閉性を保つことができる。
【0033】
口金部材5は、上記断熱性又は弾力性を有し、且つ成形型2と樹脂シート11’との気密性が確保できるものであれば、その材質に特に制限はない。口金部材5の材質としては、シリコーン系、フッ素系、EPT(エチレン・プロピレン・ターポリマー)、CR(クロロプレンラバー)、NBR(ニトリル・ブタジエン・ラバー)、NR(ナチュラル・ラバー)、UR(ウレタンラバー)等が挙げられる。口金部材5は、連続発泡体であってもよく独立発泡体であってもよい。前述のように、連続発泡体の場合には、必要な箇所に前記目止め処理を施すことで気密性を確保することができる。
【0034】
前記口金部材5は、その上面部50と内周面部51との作る角部にテーパー状の面取り加工が施されている。このように面取り加工が施された口金部材5を成形型2の開口部20の周縁部に配することによって、引き込まれている樹脂シート11’が鋭角な部分と接することが防止され、樹脂シート11’を成形型2内に引き込むときの樹脂シート11’の無理な折れ込みを防ぐことができ、樹脂シート11’の破断を確実に防ぐことができる。これにより、樹脂層をより薄肉にすることができる。前記角部は、所定の曲率の曲面状に丸め加工を行ってもよい。
【0035】
口金部材5の内周面部51の下方には、抄造容器10の開口部100の開口端部が収まる凹部52が設けられており、これにより、成形型2内に抄造容器10を配し、さらに成形型2の開口部20に口金部材5を配したときに、抄造容器10の開口部の内周面と口金部材5の内周面部51とが略面一となる。口金部材5の内周面部51の下方には、このように、抄造容器10の開口端部が収まるように凹部52が設けられていることが好ましいが、口金部材5の内周部分の形態は、口金部材5に施されたテーパー又は丸め加工を施した部分に抄造容器10の開口端部が達せず且つ開口部の外周が内周面部51に接するように配置できる形態とすることもできる。
【0036】
樹脂シート11’の加熱温度は、樹脂シートの材質、厚み、面積、成形方法等に応じて適宜設定することができる。
本実施形態のように、真空成形により製造する場合には、樹脂が軟化して成形可能な温度になるまで加熱する。オレフィン系樹脂の場合には融点以上が好ましく、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂の場合にはガラス転移温度以上融点以下とすることが好ましい。真空圧空成形により製造する場合には、オレフィン系樹脂の場合でも融点以下で成形することができる。
【0037】
樹脂シート11’を挟持する前記枠体3は、その内側に成形型2が挿入可能な寸法を有している。枠体3は図示しないシリンダーユニット等の上下動機構によって上下動可能に設けられている。
【0038】
樹脂シート11’を加熱して軟化させる前記ヒーター4は、図示しない駆動機構によって進退可能に設けられている。ヒーター4の熱源に特に制限はないが、輻射熱による加熱の場合は広い面積を均一に軟化できる赤外線ヒーターが好ましい。また、樹脂シートを接触によって加熱する加熱板を用いることもできる。この場合には、加熱板に樹脂シートの溶着を防ぐような表面処理、例えば四沸化エチレン等の沸素系樹脂で表面処理を施しておくことが好ましい。
【0039】
次に、ヒーター4を成形型2の上方から退避させ、図2(b)に示すように、枠体3を降下させて軟化した樹脂シート11’で開口部20を塞ぐように樹脂シート11’を保持する。このとき、樹脂シート11’を負圧吸引するときの気密性が保たれるように前記口金部材5の外周縁部53に樹脂シート11’が密着して当該外周縁部で拘束されるまで降下させる。そしてこの状態で、その上方からプラグ6を降下させる。
【0040】
次に、図2(c)に示すように、樹脂シート11’にプラグ6を当接させながら樹脂シート11’を成形型2内に引き込む。このとき、プラグの体積分の空気が口金部材5の上方部の樹脂シートを伸ばし、プラグ6の表面に樹脂シートが接触して持ち込み効果が現れる。なお、成形型2、枠体3、プラグ6の動作は、樹脂シート11’が成形型2内に引き込まれるように行われれば良く、枠体3を降下させる代わりに、枠体3及び成形型2を上昇させることや、枠体3を移動させず、成形型2を上昇させ、プラグ6を下降させる等の方法もある。
【0041】
前記プラグ6は、所定の温度に加熱可能なようにヒーター(図示せず)を備えているものを用いることが好ましい。また、プラグ6は、樹脂シート11’が溶着しないように沸素樹脂等で表面処理を施していることが好ましい。前記樹脂シート11’を成形型2内に引き込むときに当該樹脂シート11’に当接させるプラグ6の温度は、プラグ6の寸法形状、前記樹脂シート11’の材質、厚み、引き込み速度等に応じて適宜設定することができるが、加熱された樹脂シート11’と略同じ温度とすることが好ましい。プラグ6の温度が低すぎると、シートが収縮するほか、接触している部分の樹脂シートの温度が低くなり、その部分のシートの変形が不十分となって厚肉、偏肉、穴あき等の成形不良となる場合があり、プラグの温度が高すぎると軟化しすぎ、場合によっては穴あきが起こる場合もあり、何れの場合にも成形性に支障を来す。
【0042】
プラグ6の形状は、製造する容器の形状に応じて適宜選択することができるが、樹脂シートの穴あき防止の点から先端に曲面加工が施されているものを用いることが好ましい。また、成形品の肉厚分布を均等にする手段として、外周面の全体又は前方部に所定角度のテーパー面を有して先細る形状のものを用いることもできる。
【0043】
樹脂シート11’を成形型2内に引き込む場合には、抄造容器10は、成形型2を通じて予め所定の温度に制御しておく。成形体を確実に分離する場合は、抄造容器10を接触する樹脂の軟化温度より低くしておくことが好ましい。
【0044】
次に、図2(d)に示すように、抄造容器10を介し、前記成形型2内を通気路210、220を通じて負圧吸引して抄造容器10の表面に樹脂シート11’を変形密着させ、樹脂シート11’に抄造容器10の内面形状を転写して立体形状の樹脂層11を成形する。
【0045】
通気路210、220を通じた負圧吸引の吸引力は、通常は、0.1MPa〜0.04MPaであることが好ましい。弱すぎると樹脂シートの変形が不十分で成形不良となる場合がある。
【0046】
次に、抄造容器10を介した負圧吸引を停止し、プラグ6を成形型2内から退避させる。そして、枠体3を口金部材5より上方に上昇させた後、当該枠体3による樹脂シート11’の挟持を解き、口金部材5を成形型2から取り出してさらに樹脂シート11’の上方から抜き取る。
【0047】
次に、成形型2を開いて内側に樹脂シート11’が配された複合容器1を取り出す。得られた複合容器1は樹脂シートの不要な部分や抄造容器のバリなどをトリミング等の後処理を施すことができる。
【0048】
以上説明したように、絞りが深く、口頸部12や胴部にくびれ13を有しているにも係わらず、抄造容器10の表面に樹脂シート11’がしわなく密着した複合容器を歩留まり良く製造することができる。
【0049】
本発明は、前記実施形態に制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。
【0050】
本発明は、前記実施形態のように、プラグアシストによる真空成形法によって行うことが好ましいが、プラグアシストによる圧空成形や真空圧空成形によって行うこともできる。
【0051】
本発明により製造された複合容器は、その収容物の性状に特に制限はなく、固体、液体、気体の何れの性状を有する収容物も収容することができる。具体的な収容物としては、例えば、アイスクリーム、豆腐、プリン、ゼリー等の飲食品の他、各種医薬品、マヨネーズ、ドレッシング、味噌等の各種調味料、液体・粉末化粧料、液体・粉末洗剤、柔軟剤、糊剤等が挙げられる。
【0052】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
【0053】
下記成形型内に下記抄造容器を配して該抄造容器を80℃に加熱する一方、成形型の上方に下記枠体で下記樹脂シートを挟持して保持し、その上下から赤外線ヒーターで180℃に加熱して該樹脂シートを軟化させた。
【0054】
次に、前記樹脂シートに120℃に調節した下記プラグを当接させて前記成形型内に引き込んだ後、該成形型内を下記条件で負圧吸引した。なお、負圧吸引は底面部の通気路を通じてのみ行った。そして、該抄造容器の表面に樹脂シートを変形密着させ、抄造容器の内面形状に対応した樹脂層を形成した。
【0055】
その後負圧吸引を停止し、プラグを上昇させて退避させ、枠体を口金部材より上方に上昇させた後、当該枠体による樹脂シートの挟持を解き、口金部材を成形型から取り出してさらに樹脂シートから抜き取った。そして、成形型を開いて内面に樹脂層を備えた複合容器を取り出し、所定位置でシートを切断して口部を形成し、図1に示すボトル形状の複合容器1を得た。そして、得られた複合容器の樹脂層について面積倍率、厚みを調べた。
【0056】
<成形型>
材質:アルミニウム
通気溝深さ:1.5mm
通気溝幅:2mm
通気溝面積率:30%
通気溝の形態:胴部及び口頸部は格子状(格子間隔10〜15mm)、底面部は放射状(隣接する溝の角度30度)
口金部材:シリコーンスポンジ(弾力性:硬度30度)
口金部材寸法形状:内径40mm、外径60mm、高さ10mm、テーパー角45度
【0057】
<プラグ>
材質:アルミニウム(沸素樹脂で表面処理)
寸法形状:φ15mm、先端の球面の半径(SR7.5)
【0058】
<抄造容器>
材質:パルプモールド成形体(パルプ繊維配合:バージンパルプ100%
面積倍率:内表面積/開口面積=330cm2/12.6cm2=26.2
通気性:350sec/50ml
嵩密度:1.03g/cm3
坪量:480g/m2
【0059】
<枠体>
寸法形状:φ70mm
【0060】
<樹脂シート>
材質:ポリエチレン
厚さ:2mm
寸法:75×75mm
【0061】
<吸引条件>
吸引圧:0.08MPa
【0062】
得られた複合容器は、樹脂シートが抄造容器の内面に殆どしわがなく密着していた。樹脂層の最薄部肉厚は、55μmであった。また、内面樹脂層を分離して各点で肉厚を測定し、算出される面積倍率は、1.4〜36倍であった。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、深絞り比の大きい形状の複合容器を歩留まり良く製造することができる複合容器の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合容器の製造方法により製造される複合容器の一実施形態を模式的に示す半断面図である。
【図2】本発明の複合容器の製造方法の一実施形態を模式的に示す部分断面図であり、(a)成形型内に抄造容器を配する一方で樹脂シートを加熱している状態を示す図、(b)は樹脂シートで成形型の開口部を覆った状態を示す図、(c)はプラグアシストによって樹脂シートを成形型内に引き込んでいる状態を示す図、(d)は抄造容器の表面に樹脂シートを変形密着させている状態を示す図である。
【符号の説明】
1 複合容器
10 抄造容器
11 樹脂層
11’ 樹脂シート
12 口頸部
13 くびれ部
2 成形型
20 開口部
21、22 割型
23 キャビティ
3 枠体
4 ヒーター
5 口金部材
6 プラグ

Claims (7)

  1. 立体形状を有する抄造容器の内側に樹脂層を備えた複合容器の製造方法であって、
    開口部を有し、内周面に格子状の通気溝が配設された成形型内に前記抄造容器を配した後、該開口部の周縁部に気密性及び弾力性を有する環状の口金部材を配し、樹脂シートを軟化させて前記開口部を塞ぐように該樹脂シートを保持した状態で、該樹脂シートにプラグを当接させながら該樹脂シートを前記成形型内に引き込み、前記抄造容器を介して前記成形型内を前記プラグが接している前記樹脂シートの面と相対的に負圧吸引し、前記樹脂シートを該抄造容器の表面に変形密着させて前記樹脂層を形成する複合容器の製造方法。
  2. 前記口金部材がさらに断熱性を有している請求項1記載の複合容器の製造方法。
  3. 前記口金部材の内周面部の下方に、前記抄造容器の開口部が収まる凹部を設けておく請求項1又は2に記載の複合容器の製造方法。
  4. 前記抄造容器を予め所定の温度に制御しておく請求項1〜3の何れかに記載の複合容器の製造方法。
  5. 成形後における前記樹脂シートの面積倍率が3〜70である請求項1〜4の何れかに記載の複合容器の製造方法。
  6. 前記抄造容器の口径と深さとの比が2〜8である請求項1〜5の何れかに記載の複合容器の製造方法。
  7. 前記開口部の大きさが前記抄造容器の最大寸法より小さい形状を有している請求項1〜5の何れかに記載の複合容器の製造方法。
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