JP3679956B2 - 磁気ディスク装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気ディスク装置に係り、特に、高応答小ストロークの微動アクチュエータと、低応答大ストロークの粗動アクチュエータとを協調させて高速高精度な位置決めシーク動作を実現する磁気ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気ディスク装置においては、高密度に記録された情報を高速でアクセスするために、アクチュエータによって駆動される磁気ヘッドを目的のトラックへ高速に移動させ (シーク制御)、目的のトラック中心に高精度に追従させる (フォロイング制御) ことが要求される。このためには、アクチュエータの軽量化および位置決め制御系の高帯域化が必要となるが、軽量化すると剛性が低下するためにアクチュエータの機構共振周波数を上げることには一定の限界があり、位置決め制御系の帯域はこれによって制限される。
【0003】
現在の磁気ディスク装置のトラック幅は3μm程度であり、位置決め精度は0.3μm程度である。将来の磁気ディスク装置に要求されるトラック幅は1μm以下であり、その時の位置決め精度は0.1μm以下を達成しなければならない。この位置決め精度を達成するには、制御系の帯域を現状の500Hz程度から2kHz以上に拡大する必要がある。
【0004】
従来より、磁気ディスク装置において、ボイスコイルモータで構成される粗動アクチュエータと、ピエゾ素子等で構成される微動アクチュエータとを組み合わせて磁気ヘッドを高精度に位置決めする技術が知られている。例えば、特開平4-368676号公報には、粗動アクチュエータの制御系と微動アクチュエータの制御系とを協調させて全体の制御系の高帯域化を実現する技術が開示されている。
【0005】
一方、従来より、光ディスク装置においても、粗動アクチュエータと微動アクチュエータを組み合わせて光ヘッドを高速高精度に位置決めする技術が知られている。例えば、特開平5-217191号公報には、上記特開平4-368676号公報と同様に、粗動アクチュエータの制御系と微動アクチュエータの制御系とを協調させて全体の制御系の高帯域化を実現する技術が開示されている。また、特開平2-37576号公報や特開平4-319536号公報には、粗動アクチュエータと微動アクチュエータを用いて光ヘッドを高速に移動させる制御系の技術が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術のうち特開平4-368676号公報と特開平5-217191号公報は、微動アクチュエータと粗動アクチュエータを協調させてヘッドを目標のトラック上で高精度にフォロイングさせる制御技術の問題を解決した。そこで開示されている制御系では、粗動フィードバックと微動フィードバックに印加する目標位置は一つしかない。このため、高速なヘッドの移動動作(シーク動作)を行うと、ヘッド位置信号は、目標位置に対してオーバーシュートの応答となり、高速なヘッドのシーク動作ができないことが問題であった。
【0007】
さて、微動アクチュエータの駆動範囲は限られているため(ここでは±1μmとする)、シーク動作にはいくつかのパターンが考えられる。1)微動アクチュエータの駆動範囲内での微小シーク動作、2)微動アクチュエータの駆動範囲外の数トラックから数百トラックシークまでの小シーク動作、3)数百トラックシーク以上の大シーク動作。
【0008】
従来技術のうち特開平2-37576号公報については、粗動アクチュエータに対する位置目標値と、微動アクチュエータに対する速度目標値を有し、微動・粗動アクチュエータの相対速度の低周波数成分に光ヘッドの位置の高周波数成分を重ねた速度信号に基づき速度制御系でシーク動作を行うものである。しかしながら、この技術は、上記3)の大シーク動作の問題を解決する一従来技術ではあるが、速度制御系で光ヘッドを移動させているため、上記1)の微小シーク動作や2)の小シーク動作に対しては高速で高精度な応答を得ることができない。同様な問題は、特開平4-319536号公報についても存在する。
【0009】
以上より、微動アクチュエータと粗動アクチュエータを用い高速高精度に微小シークと小シーク制御する技術については多くの課題が残されている。
【0010】
本発明の目的は、高応答小ストロークの微動アクチュエータと、低応答大ストロークの粗動アクチュエータとを協調させて高速で高精度な上記1)の微小シーク動作と上記2)の小シーク動作とを実現する磁気ディスク装置を供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、磁気ディスク全体にわたって動作可能なストロークをもつ粗動アクチュエータと、前記粗動アクチュエータによって移動可能でストロークが小さく限られている微動アクチュエータとを有する磁気ディスク装置において、
前記粗動アクチュエータに対する目標軌道を発生する粗動用目標軌道発生器と、
前記微動アクチュエータに対する目標軌道を発生する微動用目標軌道発生器と、
前記粗動用アクチュエータの目標軌道とヘッド位置との偏差信号に前記微動アクチュエータの変位信号を加算した信号からフィードバック信号を生成する粗動用フィードバック制御器と、前記粗動アクチュエータの目標軌道に従ってフィードフォワード信号を生成する第1のフィードフォワード制御器(粗動用フィードフォワード制御器)とを備え、前記粗動用フィードバック制御器で生成したフィードバック信号と前記第1のフィードフォワード制御器で生成したフィードフォワード信号とを加算した信号により前記粗動アクチュエータを駆動する粗動用位置制御器と、
前記微動アクチュエータの目標軌道とヘッド位置との偏差信号からフィードバック信号を生成する微動用フィードバック制御器と、前記粗動用アクチュエータの目標軌道からフィードフォワード信号を生成する第2のフィードフォワード制御器(粗動用目標軌道から微動用フィードバック制御器へのフィードフォワード制御器)とを備え、前記微動用フィードバック制御器で生成したフィードバック信号と前記第2のフィードフォワード制御器で生成したフィードフォワード信号とを加算した信号により前記微動アクチュエータを駆動する微動用位置制御器とを有するものである。
【0012】
前記微動用位置制御器に、前記微動用アクチュエータの目標軌道に従ってフィードフォワード信号を生成する第3のフィードフォワード制御器を備え、前記微動用フィードバック制御器で生成したフィードバック信号と前記第2のフィードフォワード制御器で生成したフィードフォワード信号と前記第3のフィードフォワード制御器で生成したフィードフォワード信号とを加算した信号により前記微動アクチュエータを駆動するとよい。
【0013】
前記第1のフィードフォワード制御器は前記粗動用アクチュエータの逆モデルで構成するとよい。
前記第2のフィードフォワード制御器は前記微動用アクチュエータの逆モデルにマイナスのゲインを掛けた構成にするとよい。
前記第3のフィードフォワード制御器は前記微動用アクチュエータの逆モデルで構成するとよい。
【0014】
さらに、本発明は、前記微動用フィードフォワード制御器内に、飽和要素を設けたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面により詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明に関わるディスク装置の一実施例を示すハードウエアの構成図である。
【0017】
上位コントローラ71からマイクロプロセッサ70にシークの命令が発行されると、マイクロプロセッサ内の各制御器は、粗動用アクチュエータと微動用アクチュエータを協調制御させてヘッド51を高速高精度に目標の移動距離(トラック)に位置決めさせることを行う。
【0018】
磁気ディスク58は、スピンドルモータ61により高速に一定回転し、トラックのセクタの先頭にはあらかじめ位置情報59、60が記録されている。磁気ヘッド51から得られた信号はヘッドアンプ72により増幅される。磁気ヘッド51は、ばね52によって支えられ、ばね52は、ピエゾ素子53とピエゾ素子54によって駆動され、ピエゾ素子53、54は、キャリッジ55に支持される。ピエゾ素子53が伸び、ピエゾ素子54が縮むと、ヘッドは微小移動する。逆に、ピエゾ素子54が伸び、ピエゾ素子53が縮むと、ヘッドは逆方向に微小移動する。キャリッジ55は一体となってボイスコイルモータ57により駆動される。ボイスコイルモータ57の移動にともない、キャリッジ55は、ピボット軸56を中心にディスクの外周から内周方向あるいはその逆方向に移動する。なお、以下では、ピエゾ素子53、54を微動アクチュエータ、ボイスコイルモータ57を粗動アクチュエータとして記述する。
【0019】
ディスク58には、時刻Ts毎に位置情報を予め記録させておく。ここでは、一例として二種類の位置情報59と位置情報60を記録させた。位置情報59は、セクタの先頭を示すマーカ部、AGC(オートマティック・ゲイン・コントロール)引き込み部、トラック番号、相対位置を検出するためのバースト信号を記録する。位置情報60は、マーカ部およびバースト信号のみを記録しておく。すべてのセクタにAGCやトラック番号を記録させないことで、データ領域の拡大を図ることができる。
【0020】
位置信号復調回路73は、ヘッド位置信号Y:80を生成する。位置信号80は、粗動用制御器66と微動用制御器67に印加される。一方、上位コントローラ71からマイクロプロセッサ70に対し、シーク命令が発行されると、上位コントローラ71は、粗動用目標軌道発生器68と微動用目標発生器69に目標の移動距離(トラック番号)87を指示する.粗動用目標軌道発生器68は、粗動用制御器66に粗動用目標軌道Rv84および微動用制御器67にも粗動用目標軌道85を印加する。また、微動用目標軌道発生器69は、微動用制御器67に微動用目標軌道Rp81を印加する。すなわち、粗動制御器によって粗動アクチュエータがほぼ完全に粗動用目標軌道に追従できたとすると、微動用制御器はその粗動用目標軌道が印加されているため、粗動用アクチュエータとほぼ同じ動作の信号を遅れなく入手することが可能となる。粗動用制御器66は、粗動用操作量Uv83を演算し、D/A変換回路64に送出し、粗動用アンプ62で増幅して、ボイスコイルモータ57を駆動する。
【0021】
一方、微動用制御器67は、微動用操作量Up82を演算し、それをD/A変換回路65に送出し、微動用アンプ63で増幅して、ピエゾアクチュエータ53、54を駆動する。なお、微動アクチュエータの変位を粗動用制御器66に印加する必要があるが、ここでは微動用操作量82を用いて推定した微動アクチュエータ変位信号86を粗動用制御器66に印加する。承知のようにピエゾアクチュエータは、駆動電圧から変位までの関係はほぼゲインとして近似できるため、微動用操作量82を用いた変位信号86の推定は容易である。あるいは、他のタイプの微動アクチュエータの場合は、オブザーバ理論等を用いて、微動用操作量82より推定すればよい。マイクロプロセッサ70内の各制御器および信号線の接続の詳細は、後に図2および図3を用いて説明する。
【0022】
さて、本発明を説明する前に、図8を用いて従来技術の粗動アクチュエータと微動アクチュエータの協調制御について説明する。図8は、特開平4-368676号公報および特開平5-217191号公報にて開示された従来技術の微動・粗動アクチュエータの制御系の構成である。
【0023】
ここで、Pv4は図1におけるD/A変換回路64から粗動用アンプ62、ボイスコイルモータ57、キャリッジ55までの伝達関数である。その出力信号YV3は、粗動用アクチュエータの変位信号である。CFBV10は、粗動用アクチュエータを駆動するためのフィードバック制御器で、通常、位相進み補償と位相遅れ補償より構成される。粗動用アクチュエータ単体の開ループ特性として、クロスオーバ周波数で500Hz、位相余裕で40度程度に粗動用フィードバック制御器10を設計する。
【0024】
一方、Pp16は図1におけるD/A変換回路65から微動用アンプ63、ピエゾアクチュエータ53、54、バネ52、ヘッドまでの伝達関数である。その出力信号Yp15は、微動用アクチュエータの変位信号である。粗動用アクチュエータの変位3と微動用アクチュエータの変位15を加算2することにより、ヘッド51の位置1信号Yが得られる。我々が観測できるのは、ヘッド位置1とディスク58に予め記録された位置信号59、60の相対的な変位であるが、ここではヘッド位置信号Yが直接観測できるものとして説明する。
【0025】
ヘッド位置信号Yは、目標位置R41と比較され、偏差信号E42を生成する。偏差信号42を減少させるように微動用アクチュエータのフィードバック制御器CFBP22は、操作量UP17を演算する。微動用フィードバック制御器22は、例えば、一定値外乱を圧縮することを目的として、積分補償器などで構成する。また、微動用アクチュエータ単体の開ループ特性として、クロスオーバ周波数で2kHz,位相余裕で70度程度に微動用フィードバック制御器22を設計する。クロスオーバ周波数の設計は、ピエゾアクチュエータやバネなどの機構共振特性を考慮して設計する。機構共振が無視できない場合には、ノッチフィルタなどを挿入して、機構共振を抑圧するなどの工夫が必要となる。
【0026】
さて、従来技術の特徴は、微動アクチュエータの変位15を粗動アクチュエータへの偏差信号42に加算11していることである。目標位置41に対し、現在のヘッド位置1がずれた場合、ストロークが限られているが高応答の微動アクチュエータはヘッドを目標位置41にすばやく位置決めすることを行う。しかし、このままでは、微動アクチュエータは可動範囲の中心から大きくずれた位置にいることになる。このため、その変位15を粗動用フィードバック制御器10にフィードバック信号26して加算11することで、粗動用フィードバック制御器10は微動アクチュエータにより、偏差信号が零となった後でも引き続き微動アクチュエータの変位量を減少させるようにフィードバック動作が行われる。
【0027】
これに伴って、微動用フィードバック制御器22も動作するので、ヘッド位置1を目標位置41に保ったまま、微動アクチュエータの変位15が減少し、やがて零、すなわち可動範囲の中心位置に微動アクチュエータを保持できる。ディスク上に記録されたデータへの読み書きは、微動アクチュエータが目標位置に到達した時点で実行可能である。なお、実際には、微動アクチュエータの変位15は検出することができないので、微動用フィードバック制御器の操作量17を用いて推定した信号を粗動用フィードバック制御器へのフィードバック信号26として用いればよい。
【0028】
ヘッド位置信号1は、粗動アクチュエータの変位YV3と微動アクチュエータの変位YP15とを加算した信号であることから、次式が成り立つ。
【0029】
【数1】
Figure 0003679956
【0030】
目標位置R41から粗動用アクチュエータの変位3までの伝達関数は、
【0031】
【数2】
Figure 0003679956
【0032】
となる。さらに、目標位置41からヘッド位置1までの伝達関数は、
【0033】
【数3】
Figure 0003679956
【0034】
となる。
【0035】
先に述べたように、上記従来技術は、ヘッドを目標位置に位置決めし、かつ可動範囲が限られている微動アクチュエータを可動範囲の中心位置に定常的に位置決めすることが可能であるため、目標位置の中心に追従するフォロイング動作時には有効に働く。しかし、上位コントローラ71から発行された目標位置41への移動命令に対するシーク動作時には応答にオーバシュートが発生し、せっかくの高応答の微動アクチュエータで移動したにもかかわらず、データの読み出し、書き込みの時間を十分に短縮することができない。
【0036】
目標位置は、図8の目標位置43のごとく一定値の目標位置が発生される。図9に、この時の微動アクチュエータの位置15と粗動アクチュエータの位置3とそられを加算した検出可能な実際のヘッド位置1の応答波形を示す。ここで、微動アクチュエータの可動範囲は±1μmとする。目標位置41として、1μmの移動を行う。まず、高応答の微動アクチュエータが移動を開始し、その応答を打ち消すように粗動アクチュエータが移動し、ヘッド位置1が目的の1μmにオーバーシュートをして、約0.8msで到達していることが分かる。先に説明したように、最終的に(2ms以降)微動アクチュエータの変位15は零に収束する。このように従来技術では、シーク動作時にオーバシュートが発生し、高速なヘッドの移動ができないことが問題である。
【0037】
以下では、この問題を解決するいくつかの本発明の一実施例について詳細に述べる。
【0038】
図2および図3は、図1の構成をより詳細に記述したブロック線図である。図2に本第一の発明と本第二の発明の構成を示す。本第一の発明は実線で記載しており、本第二の発明はさらに点線で構成されたブロック21および加算点18を加えた構成である。
【0039】
従来技術では、図8に示す通り、目標位置41は、一つしかなく、それを粗動アクチュエータと微動アクチュエータの制御系に印加していた。一方、第一の発明では、粗動アクチュエータに対する目標軌道RV14と微動アクチュエータに対する目標軌道Rp25を二つ設けそれぞれ独立に設定したものである。図8の構成に、各々独立な目標軌道14と25を加えると、図2となる(但し、ブロック9とブロック21はないものとする)。それぞれの目標軌道は、ヘッド位置1と比較され13、24、ぞれぞれ、粗動用偏差信号EV12と微動用偏差信号EP23を生成する。このとき、数2に対応する目標軌道14から粗動アクチュエータの変位3までの伝達関数は、次式となる。
【0040】
【数4】
Figure 0003679956
【0041】
また、式3に対応するそれぞれの目標軌道からヘッド位置1までの伝達関数は、
【0042】
【数5】
Figure 0003679956
【0043】
となる。
【0044】
ここで、図9の粗動アクチュエータのオーバシュートの応答をなくすために、粗動用目標軌道14を用いた粗動用フィードフォーワード制御器CFFV9を構成し、フィードフォワード信号8粗動用フィードバック制御器のフィードバック信号7加算6する。このとき、粗動用アクチュエータへの目標軌道は応答波形28に示すように、なめらかな目標軌道を与えるものとする。粗動用フィードフォーワード制御器は粗動用アクチュエータ4の逆モデルで制御系を構成する。これらのフィードフォワード制御系の設計は、公知技術を用いて設計できる。一方、微動アクチュエータに対する目標軌道Rp25は、図9と同様に一定値信号27を印加する。このとき、数4に対応する目標軌道14から粗動アクチュエータの変位3までの伝達関数は次式となる。
【0045】
【数6】
Figure 0003679956
【0046】
これは、粗動アクチュエータの変位3は、目標軌道14に従って移動できることを意味する。
【0047】
一方、式5に対応するぞれぞれの目標軌道からヘッド位置1までの伝達関数は、
【0048】
【数7】
Figure 0003679956
【0049】
となる。
【0050】
このときの応答波形を図4に示す。上記通りに、粗動用アクチュエータの変位はオーバーシートなく、離散信号で示した目標軌道14に追従できていることが分かる。微動アクチュエータの応答も、図9と比較して粗動アクチュエータのオーバーシュートを打ち消すための無駄な動きがなくなっていることが分かる。
【0051】
ところで、この第1の発明では、ヘッド位置信号1には、依然としてオーバーシュートが残っている。そこで、第2の発明では、図2において、粗動用目標軌道14から微動用フィードバック制御器へのフィードフォワード制御器CFFVP21を設け、フィードフォワード信号20を微動フィードバック制御器のフィードバック信号19と加算18する構成とする。
【0052】
そして、この粗動用目標軌道から微動用フィードバック制御器へのフィードフォワード制御器21を、微動用アクチュエータの逆ダイナミックスにマイナスのゲインを掛けたものとして設計する。微動用アクチュエータがピエゾアクチュエータの場合には、単純に逆ゲインとなる。微動アクチュエータが駆動電圧に対し、ヒステリシスの特性を持つ場合には、予めこのヒステリシス特性を測定し、テーブルに記憶させる。移動の方向に応じてこのテーブルから、逆ゲインを読み出すことでヒステリシス特性を補償することができる。また、チャージアンプ等を用いることで、ピエゾアクチュエータのヒステリシス特性を補償することができる。以上により、粗動用目標軌道14から粗動アクチュエータの変位3までの伝達関数は、数6と同様に、
【0053】
【数8】
Figure 0003679956
【0054】
となるが、数7に対応するそれぞれの目標軌道からヘッド位置1までの伝達関数は、
【0055】
【数9】
Figure 0003679956
【0056】
となる。
【0057】
粗動用目標軌道14は遅れなく粗動アクチュエータの変位3を再現することができるため、ヘッド位置1から粗動アクチュエータの変位3の影響をフィードフォワード補償器21を用いることで打消すことが可能となる。このことは、ヘッド位置1は、粗動用目標軌道14の影響を受けないことを意味する。粗動用アクチュエータの変位3は粗動用目標軌道14にしたがって動作するため、本第二の発明により、ヘッド位置1は粗動用アクチュエータの動作に干渉されることなく移動可能となる。
【0058】
このときの応答波形を図5に示す。ヘッド位置1の応答は、オーバーシュートがなく、約0.25msで目標位置に移動を完了していることが分かる。
【0059】
図3に本第三の発明に基づいたシーク制御系の構成を示す。本第二の発明に対し、微動用フィードフォーワード制御器30を新たに設ける。この微動用フィードフォワード信号31を微動用フィードバック信号19と粗動用目標軌道からのフィードフォワード信号20に加算18する。微動用フィードフォワード制御器30の設計は、微動アクチュエータ16の逆ダイナミックスとして設計する。さらに、微動用目標軌道Rp:25を時間に対し滑らかな軌道32に設定する。以上により、粗動用目標軌道14から粗動アクチュエータの変位3までの伝達関数は、数6と同様に、
【0060】
【数10】
Figure 0003679956
【0061】
となるが、数9に対応する目標軌道からヘッド位置1までの伝達関数は、
【0062】
【数11】
Figure 0003679956
【0063】
となり、ヘッド位置1は、微動用目標軌道25に追従して動作することが分かる。本第三の発明により、ヘッド位置1は、粗動アクチュエータのシーク動作の影響を受けることなく、あらかじめ定めた微動用目標軌道に従ってシーク動作を高速に行うことができる。
【0064】
このときの応答波形を図6に示す。微動用目標軌道25には、余弦波の滑らかな軌道を与えている。0.2msで目標位置に収束するように軌道を与えたため、0.2msでヘッド位置1は目標軌道に到達し、この時点で、データの書き込み動作等を実行することができる。任意に、目標軌道を設計することができるため、例えば、微動アクチュエータの機構共振を、ゆすりにくい目標軌道を設計することが可能となる。微動アクチュエータの高応答の立ち上がりで、ヘッド位置1は応答し、ヘッド位置が目標位置に到達した以降は、粗動用アクチュエータの位置3を打ち消すように微動用アクチュエータは再びストローク中心に向かってアンダーシュートの応答なく移動していることが分かる。
【0065】
さて、微動アクチュエータの可動範囲は、±1μmと限られているため、ヘッド位置を1μmよりも移動させようとすると図3のままの構成では、ヘッド位置1にオーバーシュートが生じてしまう。本発明では、これを図3の微動用フィードフォワード制御器30に微動アクチュエータと同様の±1μmのリミッタ補償器を設けた。また、微動用フィードバック制御器22の積分要素には、公知技術のアンチワインドアップ補償を設け、微動アクチュエータのリミッタに対する補償を行うこともできる。これは、積分器が飽和に達したら、その方向の積分を停止する手法である。逆に未飽和領域に戻る方向の積分は継続する。
【0066】
図7は、このときの応答波形である。図3に示す構成において目標移動距離を2μmとした。ただし、微動アクチュエータは1μmで応答は制限される。また、微動用フィードフォワード制御器30には±1μmのリミッタを設けた。この応答は、微動アクチュエータの応答が飽和するまで、ほぼヘッド位置1の動作を微動アクチュエータで立ち上がらせ、微動アクチュエータが飽和している間、粗動アクチュエータの動作で目標位置近傍まで移動する、目標位置と粗動アクチュエータ位置との偏差が1μmに到達した後は、粗動アクチュエータの動きを打ち消すように微動アクチュエータは動作する。このため、ヘッド位置1は、目標位置にとどまることができる。この手法により、微動アクチュエータのストロークが限られた場合においても、ヘッドの移動の開始と終了時に微動アクチュエータを働かせることができるため、高速なヘッドの移動が可能となる。
【0067】
なお、上述した実施例では、磁気ディスク装置を取り上げたが、本発明は、他の記憶媒体、例えば、光ディスクやDVD-RAMを用いる場合にも同様に実現が可能である。
【0068】
また、上述した実施例では、いくつかの数値を具体化して説明したが、本発明は、数値による制限は受けない。
【0069】
さらに、本発明においては、粗動アクチュエータの応答3を模擬するために、粗動アクチュエータの目標軌道14の信号をフィードフォワード補償器21を用いて微動アクチュエータにフィードフォワードしていたが、粗動アクチュエータの応答の作成は、通常のオブザーバ等を用いて推定しても同様に実現が可能である。
【0070】
【発明の効果】
本発明では、高応答小ストロークの微動アクチュエータと、低応答大ストロークの粗動アクチュエータとを協調させて高速高精度な位置決めシーク動作を実現するディスク装置を提供した。本発明によると、微動アクチュエータの駆動範囲内での微小シーク動作の高速化、微動アクチュエータの駆動範囲外の数トラックから数百トラックシークまでの小シーク動作の高速化が可能となるため、データの転送速度の高速化や、ヘッド切り換え時のシーク動作の高速化に特に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のディスク装置のハードウエアの構成図。
【図2】本第一の発明と本第二の発明の構成を示す図。
【図3】本第三の発明の構成を示す図。
【図4】本第一の発明による応答波形。
【図5】本第二の発明による応答波形。
【図6】本第三の発明による応答波形。
【図7】本第三の発明による微動アクチュエータが飽和した時の応答波形。
【図8】従来技術の構成を示す図。
【図9】従来技術による応答波形。
【符号の説明】
1…ヘッド位置、3…粗動アクチュエータの変位、4…粗動アクチュエータの伝達関数、9…粗動用フィードフォワード補償器、10…粗動用フィードバック制御器、14…粗動用目標軌道、15…微動アクチュエータの変位、21…粗動用目標軌道から微動アクチュエータへのフィードフォワード補償器、22…微動用フィードバック補償器、25…微動用目標軌道、30…微動用フィードフォワード補償器、51…ヘッド、53,54…ピエゾアクチュエータ、57…ボイスコイルモータ、58…ディスク、66…微動アクチュエータ用位置制御器、67…粗動アクチュエータ用位置制御器、68…微動用目標軌道発生器、69…粗動用目標軌道発生器、70…マイクロプロセッサ、71…上位コントローラ、80…位置信号。

Claims (6)

  1. 磁気ディスク全体にわたって動作可能なストロークをもつ粗動アクチュエータと、前記粗動アクチュエータによって移動可能でストロークが小さく限られている微動アクチュエータとを有する磁気ディスク装置において、
    前記粗動アクチュエータに対する目標軌道を発生する粗動用目標軌道発生器と、
    前記微動アクチュエータに対する目標軌道を発生する微動用目標軌道発生器と、
    前記粗動用アクチュエータの目標軌道とヘッド位置との偏差信号に前記微動アクチュエータの変位信号を加算した信号からフィードバック信号を生成する粗動用フィードバック制御器と、前記粗動アクチュエータの目標軌道に従ってフィードフォワード信号を生成する第1のフィードフォワード制御器とを備え、前記粗動用フィードバック制御器で生成したフィードバック信号と前記第1のフィードフォワード制御器で生成したフィードフォワード信号とを加算した信号により前記粗動アクチュエータを駆動する粗動用位置制御器と、
    前記微動アクチュエータの目標軌道とヘッド位置との偏差信号からフィードバック信号を生成する微動用フィードバック制御器と、前記粗動用アクチュエータの目標軌道からフィードフォワード信号を生成する第2のフィードフォワード制御器とを備え、前記微動用フィードバック制御器で生成したフィードバック信号と前記第2のフィードフォワード制御器で生成したフィードフォワード信号とを加算した信号により前記微動アクチュエータを駆動する微動用位置制御器を有することを特徴とする磁気ディスク装置。
  2. 請求項1に記載の磁気ディスク装置において、前記微動用位置制御器は、前記微動用アクチュエータの目標軌道に従ってフィードフォワード信号を生成する第3のフィードフォワード制御器を備え、前記微動用フィードバック制御器で生成したフィードバック信号と前記第2のフィードフォワード制御器で生成したフィードフォワード信号と前記第3のフィードフォワード制御器で生成したフィードフォワード信号とを加算した信号により前記微動アクチュエータを駆動することを特徴とする磁気ディスク装置。
  3. 請求項1又は2に記載の磁気ディスク装置において、前記第1のフィードフォワード制御器は前記粗動用アクチュエータの逆モデルで構成したことを特徴とする磁気ディスク装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の磁気ディスク装置において、前記第2のフィードフォワード制御器は前記微動用アクチュエータの逆ダイナミックスにマイナスのゲインを掛けた構成であることを特徴とする磁気ディスク装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の磁気ディスク装置において、前記第3のフィードフォワード制御器は前記微動用アクチュエータの逆ダイナミックスで構成したことを特徴とする磁気ディスク装置。
  6. 請求項2に記載の磁気ディスク装置において、前記第3のフィードフォワード制御器内に、飽和要素を設けたことを特徴とする磁気ディスク装置。
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