JP3679802B2 - 撮像装置 - Google Patents
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Description
図1において、HDTVカメラ(以下、HDカメラと称す)1に内蔵された固体撮像素子としてのCCDにより被写体像が光電変換され、高精細な情報量の多いHD信号として出力される。このHD信号は、例えばスタジオ規格では、撮像有効画素数1920H×1035V画素でサンプリング周波数は75.3MHzである。このHD信号は2分配され、一方はHD信号をそのまま撮像モード選択回路2に入力し、もう一方をダウンコンバータ等の方式変換器3に入力する。
図3に代表的なアスペクト比変換のモードを3種類示す。
モードA:サイドパネル方式と呼ばれ、16:9のハイビジョン画像の両側を削除して、アスペクト比を4:3とするものである。従来方式のNTSC信号を希望する場合には、本モードを選択すると良い。
モードB:スクイーズ方式又はフルモードと呼ばれ、ハイビジョン画像を横方向に圧縮し、アスペクト比を4:3とするもので、変換画像は縦長となる。ワイド画面対応のNTSC信号に変換する場合には、本モードを選択すると良い。
モードC:レターボックス方式と呼ばれ、アスペクト比4:3の画面の中に16:9の画像を表示するように変換するもので、NTSC画像では上下両端では画像がなく黒となる。HDカメラで撮像した画角を活かした絵作りをしたい場合には、本モードを選択すると良い。
走査線数の変換処理は垂直内挿フィルタにおいて行われ、7サイクルを1周期とするライン順位に応じて切り替わる加重平均回路を構成している。
フィールド周波数の変換処理は走査線数変換の後、バッファメモリを用いて行われ、フレームシンクロナイザと同様の機能を持つ時間軸補正器にて実時間処理が可能である。一般に使用されているフレームシンクロナイザでは、1フレームメモリの容量で約33秒に一回フレームスキップを引き起こすが、動画で起こると不自然なとびになる。これに対し、動き適応型フィールド数変換では、フレーム差信号を用いて動き検出、シーンチェンジ検出を行い、次の4条件のいずれかが満たされた時フレームスキップを行う。
(1)静止画像であるとき
(2)シーンチェンジが発生したとき
(3)動画領域が比較的小さいとき
(4)フレームバッファメモリの残余がなくなったとき
尚、フィールド周波数はハイビジョンが60Hz、NTSC方式が59.94Hzで1000/1001の相違がある。
撮像モード選択回路2から出力された映像信号は、映像情報として圧縮回路6に入力される。この圧縮回路6は、複数の圧縮モード1、2を有しており、圧縮モード1、2に応じて圧縮率と圧縮方式とが変えられるようになっている。圧縮率は1/4,1/8,1/16,1/32等が挙げられる。圧縮方式はDCT,DPCM,アダマール変換,ADRC等が挙げられ、これらの組み合わせ、例えば、圧縮モード1をDCTとし、圧縮モード2をDPCMとすることができる。また、同一圧縮方式で圧縮率のみを選択可能としても構わない。
圧縮モード選択回路7より出力された圧縮信号は、記録処理回路8に入力され、2組のヘッド対Ha,HbとHc,Hdとに対応したチャネル別の信号に2分配し、それぞれ記録アンプ9により増幅されて、ドラム10に設けられた2組のヘッド対の磁気ヘッドHa〜Hdにてテープ11上のトラックにディジタル記録される。トラック幅は各記録モード共に同一で、圧縮モード選択回路7の選択結果に応じ、記録モードが適宜選択され、データレートに見合ったデータ記録トラックを記録テープ11上に形成する。
尚、例示していないが、上記の各信号処理をディジタルデータの状態で処理する場合には、DAC(ディジタルアナログ変換器)を通す前のディジタルデータの状態で出力しても構わない。
(1)DCT処理
(2)量子化処理
(3)符号化処理
(4)動き適応化処理
以下、順を追って(1)〜(4)について概要を説明する。
定義:空間座標の値を周波数に変換することをいう。
圧縮の前処理として8×8画素程度の画素の集まりに入力画面をブロック化する。次に、DCT係数の乗算処理を行うことで、空間データを周波数データに変換する。このDCTだけでは何らデータ量の削減にはならないが、画面内に広く分散していたデータを他の座標系でみると、データが集中配置されるように座標変換できる。つまり、画像の一般的な特性として、空間周波数の低い側により多くの情報エネルギーが集中するという傾向を利用して、DCT以降の圧縮処理を効果的に実行するという役割をこの処理ステップが果たすのである。
定義:周波数成分に変換された係数の語長をまるめることで、データ量を削減する。
DCTにより生成した各周波数成分毎のデータ係数の集合に適当な数値にて割り算を施し少数点以下を切り捨てる。その結果、各係数データを表現するのに要するビット数が低減でき、全体の量子化データ量が圧縮されることになる。この除数を各周波数成分毎にきめ細かく設定することで、必要な画質を保ちながら圧縮率を向上させることができる。
定義:データ発生頻度に応じた長さの符号を割り当てることを特徴とする符号化であり、以下の三つの処理から成っている。
2次元配列されている周波数係数データを1次元データ列に変換するためにDC成分から水平と垂直の高周波成分へジグザグ状に移動しながら、データの並び替え動作を行う。
同一数値(主にゼロ)の連続発生を一括して表現する符号で置き換える。例えば「ゼロが8連続している」等である。このように複数データに1つの符号を割り当てることで、符号化ビット数を削減する。また、ある位置以降のデータが全てゼロの場合には、エンドコードを割り当てる。これは、「本データをもって、当ブロック内のデータ伝送を終了する」と定義されたもので、大きなデータ削減効果を有する。
出現頻度の高い数値に、ビット数の少ない符号を割り当てることで、実質的な総符号化ビット数の削減を行う。
定義:静止画圧縮に「動きを検出し予測」する技術を付加したのが基本原理である。
以下に、テレビ放送規格の動画像情報圧縮技術の3つの要点を説明する。
フレームメモリ等の画像データのバッファにフィールドまたはフレームの整数倍の時間に相当する画像データを蓄積し、時間遅延を発生させる。このメモリの入出力端の時間差において、対応する画素のデータがどれくらいの差異を生じたかにより動きを判別する。
最も単純な例では、フィールド間の輝度データの差異を演算し、この差分値の絶対量をもって動き量とする。
この他に、相関マッチング法などの画素データの相関度の高い位置の2次元座標の移動を算出することにより、動きベクトルを検出する手法も確立されている。
画像の動きを動きベクトルから予測して、新たな画像を演算により生成する。この画面と実際の画面との差異分のみを補償データとして送信することでデータ量が削減できる。つまり、動きの少ない静止部分の多い画面や動きがゆるやかであったり、直線的であったりして予測誤差の発生の少ない動画面ほど圧縮効果が高くなる。
NTSC等のテレビ信号は、図5に示すように走査線(以下、ラインと称す)が1本毎に飛び越し配置されるインターレースという構造になっている。奇数ライン262.5本から構成される奇数フィールドと偶数ライン262.5本から構成される偶数フィールドとが一対となり、一つのフレーム画面(525ライン)が成り立っている。
以上説明したように、動きに応じて符号化処理を適宜切り替えるようにすることで、動画像全体としてより良い効率と画質とを両立した圧縮処理が実現できる。
そして、DCT(離散コサイン変換)処理回路662により直交変換が行われ、周波数成分の変換座標面に変換する。その結果、画像一般の傾向として、DC係数と低域周波数成分のAC係数のみが大きな値をもち、高周波成分のAC係数は0に近い小さな値をもつ。
入力された映像の輝度信号Yと色信号Cとは各々AD変換器81Y、81CでディジタルデータDy 、Dc に変換されて本システムに取り込まれる。
上記データDy 、Dc はデータマルチプレクサ821で多重化され、システムコントローラ5からのモード情報に応じて情報量圧縮回路822により前述した圧縮回路を用いて画像情報のデータ量を圧縮する。場合によってはYC独立に圧縮処理回路を備えても良い。次に画像データを伝送路誤りに強くする意味でシャッフル回路823によりシャッフリング処理を施す。また、画像の平面内の粗密による情報量の発生の偏りを均一化するための目的であれば、上記圧縮処理の前にシャッフリング処理工程を持ってくると、ランレングス等の可変長符号を用いた場合でも都合が良い。
ステレオ音声信号L、RはAD変換器80L、80Rに取り込まれ、圧縮手法は画像の場合と異なるが、同様の回路構成を有するオーディオデータ処理回路86により処理される。ビデオデータの記録レートが大きい場合、例えばHD信号の場合には、音声情報には圧縮処理を施さずに記録処理に移っても良い。
このようにして生成されたビデオデータVとオーディオデータAとは、伝送路(ここでは記録再生用の個々の磁気ヘッド系)の容量に見合ったデータレートになるようにデータ分配をデータ分配器83、84により行う。
上記A、V信号の他にトラッキングサーボのためにパイロット信号発生器85から出力されるパイロット信号Pと、システムコントローラ5からの情報に基づきサブコード発生器87より生成する補助データSとをデータ・マルチプレクサ88、89により記録・伝送路毎に多重化する。例えば、これが時間軸多重化処理であれば、上記パイロット信号Pはディジタル・オーディオ・テープレコーダ(以下DAT)等で周知のエリア分割ATF等の形態を取るのが適当である。
MPX出力の2値信号に対応して記録するためのディジタル変調処理をディジタル変調回路90、91にて施す。一例を挙げると、8−10変換とNRZI等の変換処理である。
各伝送路は本実施例において2チャンネルずつの磁気ヘッド系を備えているので、ヘッド切換回路92、93にて各ヘッドHa〜Hdに対応した記録アンプ9a〜9dをドラム10の回転状況に応じてサーボ制御回路12の指示の下に選択的に適宜切換処理を実行している。
このように所定期間毎にA、P、S、Vの各信号を切り換えて順次磁気記録系へ信号供給してテープ11に記録形成したトラックパターンを図8に示す。
上記テープ11の走行を制御するサーボ、システムコントロール部分を説明する。
図1の操作パネル4から入力される指示情報への対応や、本ディジタルVTRのシステム全体の動作モード、及び各種の状態遷移を管理するのがシステムコントローラ5で、回転ドラム10やキャプスタン駆動の定常維持を主に受け持っているのが、サーボ制御回路12である。これら2つの回路を1つのマイコン・ブロック94として捉えることもできる。
ディジタル復調回路55、58の出力信号は各々信号分配回路54、57に供給され、ビデオ信号V、オーディオ信号A、トラッキングサーボ用パイロット信号P、サブコード情報S等に分離、分配される。
複数ヘッドに分散されていたビデオ信号Vが前記信号分配器54、57から出力され、データ統合回路65にて統合処理され、ビデオデータプロセス回路52にて元の映像信号に復元される。
複数ヘッドに分散されていたオーディオ信号Aが前記信号分配器54、57から出力され、データ統合回路66により統合処理され、オーディオデータプロセス回路60において元の音声信号に復元される。
情報量伸張回路602は、記録時のデータ量削減のための情報量圧縮処理とは逆の手順で情報の復元を行う。記録時に記録モードの設定を行うように成されている時には、記録モード毎に情報量の圧縮手法や圧縮率が異なる可能性があるので、上記の再生ID情報に基づきシステムコントローラ5を介して記録時のモード設定に対応した復元処理を行うようにする。
次にデータ分離回路601によりL,R各々の情報毎にDA変換器50L、50Rへ出力する。以上のようにして、記録時に入力された信号とほぼ同等の音声が再生される。
エリア分割ATF方式のトラッキング・パイロット信号が、信号分配器54、57から出力されパイロット信号検出器53に入力される。ここで、DAT同様の処理を行うとすれば、左右トラックからのオフトラック量に見合ったタイミング基準信号との時間差がエラー信号として検出される。このエラー信号はサーボ制御回路12へ供給されて、テープ送り速度等を制御するのに用いられたり、記録モードの判別の補助情報としても用いられる。
前記V、Aを主情報とすると、これに対して補助的な位置付けの容量的にも小さいデータ群をサブコードと称し、別エリアに記録再生可能にしている。特に、上記IDデータとの違いは、A、Vデータと独立して記録再生ができるようにサブコードエリアの前後にガードスペースを設けてある。これによりサブコードのアフレコが可能になっている。用途の違いとしては、上記IDデータは主データ固有の記録モード等正常な再生に不可欠な情報で、本サブコードはテープの位置検索等のアドレスコード、プログラムのインデックス記録等に適している。これらの情報はシステムコントローラ5により判定処理され、必要に応じて各部を制御する。
任意に選択された記録モードの設定に応じて、各々記録トラックパターンが異なるので、これに応じた再生が可能なようにサブコードエリアに判別ID情報を記録しておく。以下、3通りの記録トラックパターンと再生時のモード判別手順を説明する。
図11、図12を用いてSDの長時間記録モードを説明する。
図11(a)に示す回転ドラム10上に取り付けられた4つの磁気ヘッドの内HaとHbを用いて図11(b)に示すように、1画面当たり5本のトラックを形成する。毎秒150回転とした場合は、回転位相を示すドラムPGは図12の150rpsで示す矩形パルスのハイとローのタイミングに応じてヘッドHaとHbとに記録電流が供給されている。
図13、図14を用いてSDの高画質記録モードを説明する。
図13(a)に示す回転ドラム10上に取り付けられた4つの磁気ヘッドの内HaとHcとを用いて図13(b)に示すように1画面当たり10本のトラックを形成する。毎秒150回転とした場合は、回転位相を示すドラムPGは図14の150rpsで示す矩形パルスのハイとローのタイミングに応じてヘッドHaとHcとに記録電流が供給されている。
図15、図16に用いてHDの高精細画質記録モードを説明する。
図15(a)に示す回転ドラム10上に取り付けられた4つの磁気ヘッドHa〜Hdの全てを用い図15(b)に示すように1画面当たり20本のトラックを形成する。毎秒150回転とした場合は、回転位相を示すドラムPGは図16の150rpsで示す矩形パルスのハイとローのタイミングに応じて、ヘッドHa〜Hdに記録電流が供給されている。
操作パネル200で「記録」及び「SD」を選択し、システムコントローラ201を経てスイッチ206の端子を(1)又は(2)に接続させる。そして、HD入力信号はダウンコンバータ203によりダウンコンバート変換され、SD(例えばNTSC)信号とする。さらに、スイッチ202の端子を(1)に接続するようにシステムコントローラ201で制御し、SD信号を記録系209を通じてテープ210に記録する。この時のモニタはSDモニタ204を使用する。
操作パネル200で「記録」及び「HD」を選択し、システムコントローラ201を経てスイッチ202の端子を(2)に接続させ、スルーでHDを記録する。この時のモニタはHDモニタ205又はSDモニタ204のどちらか一方を選択することができる。
SDモニタ204を使用する場合は、上記と同ようにスイッチ206の端子を(1)又は(2)に接続させ、ダウンコンバータ203でSDに変換し、スイッチ207の端子(1)、(2)、(4)のいずれか1つを選択して接続すればSDモニタが可能となる。カメラ一体型VTRを以上のような構成とすることにより小型化が計れる。
操作パネル200で「再生」及び「SD」を選択し、システムコントローラ201を経てスイッチ207の端子を(3)に接続させる。再生SD信号は、テープ210、再生系211を通じて、SDモニタ204で再生出力される。また、HDモニタ205で出力させる場合は、アップコンバータ208でHD信号に変換し、スイッチ206の端子を(3)に接続させればよい。
操作パネル200で「再生」及び「HD」を選択し、システムコントローラ201を経てスイッチ206の端子を(4)に接続させる。再生HD信号は、スルーでHDモニタ205で再生出力される。一方、SDモニタ204に再生出力させる場合は、上記と同ようにスイッチ206の端子(4)に接続させ、ダウンコンバータ203によってSD変換し、スイッチ207の端子(1)に接続させれば、SDモニタが可能となる。表3はスイッチ202、206、207のSD、HDに対応する端子(1)〜(4)の接続を示す。
2 撮像モード選択回路
3 方式変換器
5 システムコントローラ
6 圧縮回路
8 記録処理回路
11 磁気テープ
Ha〜Hd ヘッド
202、206、207 スイッチ
203 ダウンコンバータ
209 記録系
211 再生系
Claims (5)
- HD方式に対応した映像信号又はNTSC方式に対応した映像信号を出力する撮像手段と、
音声信号を入力する音声入力手段と、
前記映像信号をA/D変換してデジタル化するデジタル変換手段と、
離散コサイン変換、量子化および符号化処理を組み合わせて前記映像信号を圧縮する圧縮手段と、
撮像された映像信号を表示する表示手段と、
前記映像信号に対応した撮像モードを予め使用者の指示により選択設定可能な選択設定手段と、
前記圧縮手段により圧縮された映像信号及び前記音声信号を記録媒体にデジタル記録する記録手段と、
前記選択設定手段の設定に従って、前記撮像手段から出力する映像信号を前記圧縮手段の圧縮処理と前記記録手段の記録動作とに関連付けて記録媒体に記録する制御手段とを備えたことを特徴とする撮像装置。 - 前記撮像手段はHD方式に対応した映像信号を出力する撮像素子と、出力された映像信号をNTSC方式に対応した映像信号に変換する信号変換手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 前記圧縮手段は、量子化の設定を変更して映像信号の圧縮率を変更する圧縮率選択手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 前記制御手段は、前記選択設定手段の設定に従って、前記音声信号の圧縮処理または非圧縮処理が関連付けられることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 前記記録手段は、更に前記映像信号に対する映像識別データと、前記音声信号に対する音声識別データとを記録することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
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