JP3679634B2 - 多層構造物の製造方法および製造装置 - Google Patents

多層構造物の製造方法および製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、構造物、多層構造物、その製造方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、立体構造物の製造方法に関しは、幾つかの方法がある。その中でも光造形方法がよく知られている。この光造形方法は、光硬化性樹脂を容器内に収容しておき、光硬化性樹脂の界面に、造形すべき立体モデルの断面形状に対応させてビーム状の光を走査して光硬化性樹脂の該当部分のみを硬化させ、その後、硬化した光硬化性樹脂を少しだけ後退させて上記処理を反復するようにして立体構造物を造形していく方法である。
【0003】
また、立体構造物を製造する他の方法として、特開平7−40445号公報に開示されている発明のように、3次元構造物の断面に対応する所定位置へ造形材料を印刷ヘッドにより吐出し硬化させ、次いでサポート材を造形材料の層上にスプレーしカプセル化し、さらにこの層の上に次の造形材料の層を印刷し、3次元構造物が完成するまでこれを繰返し、最後にサポート材を溶媒により溶解させて3次元構造物を製造する方法がある。
【0004】
また、立体構造物を製造する他の方法として、特開平8−57967号公報に開示されている発明のように、電子写真プロセスを用いて、立体形状モデルの各断面形状パターンを造形材にて平面に転写し、前記断面形状パターン以外の部分に前記造形材と物性が異なるサポート材を配置した後、前記造形材及び前記サポート材を層状に積み重ねるとともに、前記造形材のみを融着接合させることで立体構造物を製造する方法がある。
【0005】
また、立体構造物を製造する他の方法として、特開平9−216290号公報に開示されている発明のように、電子写真プロセスを用いて、シート状のフィルム上に造形材により断面形状を形成するようにしてこれらを溶着接合した後に不要な部分を取り除くことにより立体物を製造する方法がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例の光造形方法では、立体構造物の造形材に光硬化性樹脂しか用いることができず、造形材料が限定されてしまうという問題があった。また、硬化プロセスには時間がかかり、装置も高価である 。さらに、原理上造形できる形状にも制限があり、液中に孤立した形状を作成した場合には、所望の最終形状の他にサポート形状を付加して孤立形状をサポートし、最終的にサポート形状を削除して最終形状を得る必要があるなど、余分な形状の設計と加工の手間が増加してしまう問題があった。
【0007】
また、特開平7−40445号公報に開示されている方法では、造形材料に印刷ヘッドから吐出できてノズル詰まりを起こさないような物質を選択する必要があり、造形材料が限定されてしまうという問題があった。
【0008】
また、特開平8−57967号公報及び特開平9−216290号公報に開示されている方法では、造形材料に融着接合する物質を選択する必要があり、造形材料が限定されてしまうという問題があった。
【0009】
本発明では、上記例のような問題を解決するために、構造物を形成する要素体を自由に選定することが可能で、複雑な形状でも製造可能で、短時間かつ低コストな多層構造物、その製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、複数の要素体の集合からなる構造物が複数積層されてなる多層構造物を製造する製造方法であって、前記多層構造物の任意の層を構成する前記構造物の形状に応じて、前記要素体を接合するための液体を吐出ヘッドより吐出し、前記液体からなるパターン部を形成する第1工程と、前記形成されたパターン部に前記要素体を付着させることで前記構造物を形成する第2工程と、前記構造物が形成された面に空間補填粉体を散布する第3工程と、前記散布された空間補填粉体のうち、前記構造物の上部に散布された上部空間補填粉体をブレードにて除去することで、前記構造物と当該構造物の側部に存在する空間補填粉体からなる層を形成する第4工程と、前記第1工程、第2工程、第3工程及び第4工程を繰り返すことで、前記構造物と当該構造物の側部に存在する空間補填粉体からなる層を複数積層させた積層物を形成する第5工程と、前記積層物から前記空間補填粉体を除去することにより前記多層構造物を形成する第6工程と、を備えることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明は、複数の要素体の集合からなる構造物が複数積層されてる多層構造物を製造する製造装置であって、前記要素体を接合するための液体吐出するための吐出ヘッドと、前記多層構造物の任意の層を構成する前記構造物の形状に応じて前記吐出ヘッドから前記液体を吐出して、前記液体からなるパターン部を形成する手段と、前記形成されたパターン部に前記要素体を付着させることで前記構造物を形成する手段と、前記構造物が形成された面に空間補填粉体を散布する手段と、前記散布された空間補填粉体のうち、前記構造物の上部に散布された空間補填粉体をブレードにて除去することにより、前記構造物と当該構造物の側部に存在する空間補填粉体からなる層を形成する手段と、前記形成された層を複数積層させて積層物を形成する手段と、前記積層物から前記空間補填粉体を除去することにより前記多層構造物を形成する手段と、を特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照して、本発明の実施形態例を詳細に説明する。なお、以下の実施形態例においては、構造物を形成する要素体には粉体を用いている。
【0019】
(実施形態例1)図1は、本発明を適用した構造物の製造方法を示す模式図である。図1に於いて、1は液体を吐出するオンデマンド型液体噴射方式の吐出ヘッドである。15は吐出ヘッド1から吐出された吐出液体であり、同図では液体が吐出ヘッド1から吐出されている状態を示している。3は粉体を拡散して下方にある穴から粉体を放出する粉体拡散チャンバである。10は構造物を製造するために用いられる粉体であり、同図ではチャンバ3から粉体を散布している状態を示している。20は吐出ヘッド1及び粉体拡散チャンバ3に対して相対的に移動する第1搬送ベルト、12は吐出液体15により第1搬送ベルト20上に形成されたパターン部、11は吐出液体が付着されていない非パターン部、13はパターン部に粉体10が付着した製造部、14は非パターン部11上に載った余剰粉体である。なお、図1では、図を見やすくするために、図中距離Hを図2の相当距離より離して記入してある。また、オンデマンド型液体吐出方式には、ピエゾ振動素子の機械的振動によりオリフィスから液滴を吐出する圧力制御方式、電気熱変換体により液体に熱を付与することで気泡を発生させ、前記気泡の発生に基づき、液体を吐出させる熱制御方式等がある。
【0020】
本実施形態例では、液体を付与するのに上記のような吐出ヘッドを用いているが、構造物の形状に応じて液体を付与できるものならば良い。
【0021】
図2は、本発明を適用した構造物を製造するための製造装置を示す模式図である。図2に於いて、2は吐出ヘッド1に液体を供給する液体タンク、4は粉体拡散チャンバ3に粉体を供給する粉体タンク、5は粉体拡散チャンバ3内で粉体を拡散させる気流を作る送風パイプ、6は粉体が付着した後の液体を乾燥させる乾燥機、21は第1搬送ベルト20を張架する第1従動ローラー、22は第1搬送ベルト20を張架して駆動する第1駆動ローラー、16は余剰粉体14を除去して完成した構造物、23は完成した構造物16を搬送する第2搬送ベルト、24は第2搬送ベルト23を張架する第2従動ローラー、25は第2搬送ベルト23を張架して駆動する第2駆動ローラー、8は余剰粉体14を回収する回収ダクト、9は粉体を回収ダクト8から粉体タンク4に還流させる粉体移送ポンプ、7は回収ダクト8と粉体タンク4をつなぐ還流パイプである。
【0022】
以下、図1及び図2を用いて、構造物の製造方法を詳細に説明する。
【0023】
本実施形態例では、まず第1段階として、パターン部の形成工程を行う。第1搬送ベルト20の移動に同期したタイミングで吐出ヘッド1から吐出液体15を吐出し、吐出液体15を第1搬送ベルト20上に着弾する。ここで、吐出ヘッド1の吐出口は第1搬送ベルトの移動方向と直角方向に一列に並んだ、いわゆるライン型ヘッドであり、第1搬送ベルト20の幅方向に一度に液体を吐出することが可能である。(図1参照)また、一列に並んだ吐出口のうちどの吐出口から液体を吐出するかは、ホストコンピューターに蓄えられた構造物の形状データにより、適宜選択される。一列の吐出が終了すると第1搬送ベルト20が前記一列分の距離だけ移動するため、次の一列の吐出を行うことが可能となる。このように、順次吐出を行い、第1搬送ベルト20上に製造する形状の情報信号に基づいて選択的に液体を吐出することで、吐出液体15によってパターン部12が形成される。
【0024】
次に第2段階として、パターン部に粉体を付着させる工程を行う。粉体タンク4から順次必要量の粉体10がパイプを介して粉体拡散チャンバ3に送られる途中で、図2の矢印Aから送風パイプ5に気体が送り込まれ、粉体10と気体は二層流となって粉体拡散チャンバ3内に噴出される。粉体拡散チャンバ3内に噴出された粉体10は、粉体拡散チャンバ3内で一様に拡散し、次第に重力及び気体の圧力によって下方にある穴から外部に放出される。粉体10が放出されるタイミングに同期して第1搬送ベルト20が移動するので、粉体10が第1搬送ベルト20上にほぼ一様に蒔かれる。ここで、液体により形成されたパターン部12に付着した粉体10は、粉体10同士が接合し製造部13となる。一方、非パターン部11上に蒔かれた余剰粉体14は、第1搬送ベルト20上に重力によって留まっているだけである。
【0025】
なお、粉体10同士の接合は各種形態が考えられる。その1つの形態として、吐出液体に接着剤を用いて、粉体同士を接着する形態がある。ここで、接着剤としては、アクリル系接着剤、ポリ酢酸ビニル系接着剤などがある。また、これらアクリル系接着剤、ポリ酢酸ビニル系接着剤などは液体吐出方式に適した粘度に希釈して用いることにより良好な吐出状態を保つようにすることができる。一方、この時、粉体としては、接着剤で接着可能な任意の材質を選択可能であり、例えば高分子樹脂粉体、金属粉体、ガラスビーズ、トナーなどが使用できる。これら粉体は、前記接着剤の作用により互いに接着されて固化される。
【0026】
あるいは、他の形態として、粉体を溶解性のトナー状の粉体とし、吐出液体には前記粉体を溶解させる液体を用いる形態が考えられる。例えば、粉体にポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、高分子ポリエチレングリコール(分子量3,000以上)等の水溶性高分子化合物を用い液体に水を用いる場合、粉体にポリ酢酸ビニルを用い液体にエチルアルコールを用いる場合、粉体に高分子量ポリエチレングリコールを用い液体に低分子量ポリエチレングリコールを用いる場合、粉体にポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、フェノール樹脂、その他多くの樹脂を用い液体にアセトン、メチルエチルケトンを用いる場合、等である。これらの粉体は液体により溶解し、粉体同士が互いに接合して固化される。なお、トナーの材料以外に任意の物質を添加することにより完成後の構造物に材質的特徴を持たせることも可能である。なお、本発明は以上に挙げた物質を用いることに限定されるものではないことはいうまでもない。
【0027】
その後、第1搬送ベルト20の移動に伴って、製造部13は熱線が仕組まれた乾燥機6に対向した位置へ移動され、乾燥機6により製造部13は、液体の乾燥が促進されて粉体同士の接合が強固になり、強度の高い構造物となる。
【0028】
次に、第3段階として、余剰粉体の除去工程を行う。第1搬送ベルト20と製造部13は、図2に示すように、第1搬送ベルト20の終端部(折り返し部)で第1搬送ベルトが方向を変えるので、第1搬送ベルト20と製造部13は容易に剥離する。ここで、第1搬送ベルト20には、吐出液体15と接着しないような材質(例えばフッ素を表面にコーティングしたゴムベルト等など)が使用されているので、第1搬送ベルト20と製造部13は、容易に剥離するのである。そして、固化した製造部13はそのままの方向に進行する。この時、第1搬送ベルト20上に重力によって留まっていただけの余剰粉体14は、第1搬送ベルト20と製造部13の分離に伴い、重力により落下し、回収ダクト8の中に回収される。回収された粉体は、粉体移送ポンプ9により還流パイプ7を通じて、図2に示す矢印Dの方向に粉体タンク4まで還流される。なお、図示していないが、回収ダクト8と粉体タンク4を結ぶパイプ中に、回収工程途中で混入した不純物を取り除くフィルターを設けるようにしてもよい。これで、余剰に蒔かれた粉体を回収でき、粉体を効率的に再利用できる。
【0029】
余剰粉体の除去工程が終了すると、図示しない駆動手段により駆動される第2駆動ローラー25によって図2の矢印E方向に動く第2搬送ベルト23(第1搬送ベルト20とほぼ等速度)は、完成した構造物16を搬送し、余剰粉体と完全に分離させる。以上により、構造物の製造は終了する。
【0030】
図3に、図1の製造方法及び図2の製造装置によって製造された構造物の完成形の模式図を示す。本実施形態例では、格子状の構造物を製造したが、1層の平面形状であればどんな形状でも本実施形態例の方法で製造することが可能である。例えば、フィルター等が製造できる。また、本実施形態例では、第1搬送ベルト20上で直接製造しているが、第1搬送ベルト20上に他の任意の媒体を載せその媒体上に製造するようにしてもよい。さらに、1つの構造物を製造する際に、材質的特徴を持たせるために、粉体は2種類以上を同時に用いても良い。例えば、金粉と銀粉を同時に用いたり、高分子樹脂粉体と金属粉を同時に用いたりすることなどができるが、これに限定されるものではないということは言うまでもない。
【0031】
上記のように、本実施形態例では、液体を構造物の形状に応じて吐出させ、パターン部を形成し、その後パターン部に粉体を付着させて構造物を製造したので、構造物を形成する粉体に、任意の粉体を選択することが可能であり、粉体の特性を生かした構造物を製造することが可能である。また、1層の平面形状であれば、どんな形状でも製造することが可能である。さらには、短時間かつ低コストで構造物を製造することが可能である。
【0032】
(実施形態例2)本実施形態例は、実施形態例1で説明した構造物の製造方法を利用し3次元形状の多層構造物を製造する方法である。
【0033】
図4は、本発明を適用した多層構造物の製造方法の一例を示す模式図である。図4において、26は製造した構造物を移動させる吸着アーム、27は構造物同士を接着させる接着液を噴霧する接着液噴霧装置である。また、1〜25は実施形態例1で説明した図1及び図2と同様であるので説明を省略する。
【0034】
以下、図4を用いて、多層構造物の製造方法を詳細に説明する。実施形態例1の方法によって構造物16が完成した後、完成した構造物16を吸着アーム26により吸着し、同図矢印Fの方向のサポート台31上に構造物16を移動する。その後、移動された構造物の上面に接着液噴霧装置27から接着液を噴霧する。次いで、次層となる構造物16を、接着液が噴霧された平面形状構造物16aの上に積層する。これで、下層と上層が接着され、積層される。これを順次繰り返し、構造物を積層することのより多層構造物を製造するのである。この時、積層に際しては、下層と上層との位置を正確に重ねあわせていく必要があるが、それは図示しないCCD等を利用した画像認識による位置決め手段や、吸着アーム26の移動量を管理した開ループの位置決め手段などにより、正確に位置決めして重ねあわせることが可能である。また、構造物16が連続した一体形状でない場合、つまり所定の層の製造部が複数に分かれている場合は、吸着アーム26の1回の移動では全部移動できないため、移動操作を複数回繰り返して、この層の製造部の移動を完了させる。
【0035】
上記のように、本実施形態例では、液体を構造物の形状に応じて、液体吐出方式で吐出させ、パターン部を形成し、その後パターン部に粉体を付着させて構造物を形成し、その構造物を積層することで多層構造物を製造したので、構造物を形成する要素体に任意の粉体を選択することが可能であり、粉体の特性を生かした多層構造物を製造することが可能である。また、3次元形状でも簡単に造形することが可能である。さらには、鋳型を作らずに3次元形状物を製造できるので、短時間かつ低コストで多層構造物を製造することが可能である。
【0036】
(実施形態例3)本実施形態例は、図7に示すような形状をも製造することが可能な、3次元形状の多層構造物の製造方法である。
【0037】
図5は、本発明を適用した所望の3次元形状の多層構造物の製造装置の一例を示す模式図である。
【0038】
図5において、30は造形中の多層構造物、31は上下方向に動くサポート台、32は後述する第1及び第2のユニットの水平方向の移動をガイドするガイド軸、33は余剰粉体14を回収する静電ドラム、34は静電ドラム33に吸着した粉体を回収する回収ダクト、35は空間補填粉体を放出する空間補填粉体拡散チャンバ、36は余分な空間補填粉体を除去して必要な空間補填粉体を平滑化する空間補填粉体ブレード、37は多層構造物30の高さを正確に調整するために圧延を行う圧延ローラーである。
【0039】
ここで、図5の装置全体を説明する。この装置は、矢印A方向にステップ的に移動するサポート台31と、ガイド軸32に沿って移動する2つのユニット部と、を有する装置である。前記2つのユニット部のうち、第1ユニット部は吐出ヘッド1と粉体拡散チャンバ3と静電ドラム33と回収ダクト34及びこれに付随する図示しない機構を有しており、矢印B方向に往復動作する。また、第2ユニット部は空間補填粉体拡散チャンバ35と空間補填粉体ブレード36と圧延ローラー37及びこれに付随する図示しない機構を有しており、矢印C方向に往復動作する。以上が本装置の機構である。
【0040】
図6は、図5の方法によって形成される3次元形状の1層の構造物の製造方法の示す模式図である。図6において、12,13,14は実施形態例1で説明した図1及び図2と同様であるので説明を省略する。40は空間補填粉体である。
【0041】
以下、図5及び図6を用いて、所望の3次元形状の多層構造物の製造方法を詳細に説明する。
【0042】
まず、1層の構造物の製造工程であるが、これは主に製造部を形成する製造部形成工程と非製造部に空間補填粉体を補填する補填工程からなる。
【0043】
製造部形成工程は、実施形態例1の製造部13の製造とほぼ同様の工程である。まず、矢印B方向への第1ユニットの移動に同期するタイミングで、サポート台31上に液体を情報信号に応じて吐出ヘッド1より吐出し、パターン部12を形成する(図6(a))。なお、この時の情報信号は、あらかじめホストコンピューターにより、3次元形状データを各層毎の2次元形状にデータに変換したものである。そして、吐出ヘッド1と同時に移動している粉体拡散チャンバ3から粉体10を散布し、製造部13と余剰粉体14が存在する状態にする(図6(b))。次に、高電圧を印可した静電ドラム33を余剰粉体14に近接させ、静電気力により余剰粉体14を静電ドラム33に吸着させ、除去する。静電ドラム33に吸着された粉体は、回収ダクト34に設けられたブレードにより掻き取られて回収される。回収された粉体は、再利用することができる。また、本装置では実施形態例1で説明した装置に設けられている乾燥機6を設置していないが、設置するようにしても良い。以上で、余剰粉体14を除去した製造部13だけの状態となる(図6(c))。
【0044】
補填工程は、第1ユニットにやや遅れて追従し、C方向へ移動する第2ユニットによって行われる。粉体拡散チャンバ3と同様な構造を持った空間補填粉体拡散チャンバ35から空間補填粉体40を、製造部13が形成された層一面に散布する(図6(d))。このままでは、製造部13上に散布された空間補填粉体40は不要であるので、第2ユニットの空間補填粉体ブレード36で不要な空間補填粉体を掻き落として除去する(図6(e))。以上により、非製造部にのみ空間補填粉体40が充填されるので、各層は製造部13とサポート粉体40により構成されることとなる。なお、空間補填粉体には、後述する除去工程で容易に除去できる材質、あるいは吐出液体と接着性が無いような材質を選択することが望ましい。すなわち、パラフィン、澱粉、炭素、ポリビニルブチラル、ナフタリン、等である。
【0045】
また、本実施形態例では、1層の高さを正確に管理するために、圧延ローラー37により高さの管理を行っている。第2ユニットに設けられた圧延ローラー37が第2ユニットの移動速度に合わせて回転していく。サポート台31とガイド軸32は平行に設置されているので、圧延ローラー37により各層の高さは一定になる。これにより、多層構造物の製造精度を向上させることができる。以上で、1層の構造物の造形が終了する。
【0046】
上記のように、サポート台31上に1つの層を造形したら、図5矢印A方向にサポート台31が1層分移動する。その後、第1ユニット及び第2ユニットがそれぞれ図5矢印B、Cと反対方向に移動して、初期位置に戻る。
【0047】
次に、既に造形された多層構造物30aの上に構造物30bを積層していく工程であるが、積層していく層30bの作成方法は前述の1層目の製造方法と全く同じである。この時、吐出ヘッド1から吐出する液体は、製造部13との間には接着性を持つが空間補填粉体40との間には接着性を持たないような材質の液体を選定してあるので、新たに積層する構造物30bの製造部と既に造形された多層構造物30aの製造部とは接着され、新たに積層する構造物30bの製造部と既に造形された多層構造物30aの空間補填粉体40とは接着されず、積層が行われる。このように、サポート台のステップ移動と積層が繰り返され、図7(a)に示すような多層構造物30が製造される。
【0048】
図7に示すような多層構造物を製造する際に、空間補填材の材質によっては、空間補填材が崩れてしまう恐れがある。このような恐れがあるときは、空間補填材の外側に製造部13で枠を作れば良い。そうすることで、この枠により空間補填材は崩れずに積層されていく。
【0049】
最後に、多層構造物30から空間補填粉体40を除去する工程を行う。図7(a)に示す製造部13の周囲にある空間補填粉体40部分は、空間補填粉体同士が接着されていないので、加振等で容易に除去可能である。また、製造部13に囲まれて容易に空間補填粉体40が除去できない部分に関しては、加熱や燃焼や高周波印可あるいは化学反応などにより、空間補填粉体40を溶出あるいは昇華させるなどして除去することができる。空間補填粉体の除去工程が終了すると、図7(b)に示すような3次元構造物のみが残り、所望の3次元形状の多層構造物の製造が完了する。なお、本実施形態例においては、非製造部の充填に粉体を用いているが、これには限らず、流動性の固体で充填しても良い。例えば、ペースト状の固体を充填しても良いし、熱により容易に液化する固体を液体状態で付与し、直後に冷却して固化させてから充填しても良い。また、実施形態例1及び実施形態例2の場合と同様に、構造物を製造する際に、材質的特徴を持たせるために、複数の粉体を用いても良い。複数の粉体を用いるには、吐出ヘッドと粉体拡散チャンバを増設することで可能となる。
【0050】
上記のように、本実施形態例では、どんな形状をした3次元構造物でも製造することができる。また、構造物を形成する要素体に任意の粉体を選択することが可能であるので、粉体の特性を生かした多層構造物を製造することが可能である。さらには、立体物の試作品の製造などに利用でき、従来よりも短時間かつ低コストで多層構造物を製造することが可能である。
【0051】
【発明の効果】
以上の記載から、本発明によれば、構造物を形成する要素体には制限がなく、任意の要素体を使用することが可能であるので、要素体の特性を生かした機能を持つ多層構造物を造形することが可能である。また、どんな形状の構造物でも造形することが可能である。さらには、試作品等を製造する際に、わざわざ鋳型を作成する必要がないので、従来よりも短時間かつ低コストで多層構造物を造形することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる実施形態例1の構造物の造形方法を示す模式図である。
【図2】本発明に係わる実施形態例1の構造物の造形装置を示す模式図である。
【図3】本発明に係わる実施形態例1によって製造された構造物の完成物を示す模式図である。
【図4】本発明に係わる実施形態例2の多層構造物の造形装置を示す模式図である。
【図5】本発明に係わる実施形態例3の多層構造物の造形装置を示す模式図である。
【図6】本発明に係わる実施形態例3の多層構造物の造形方法を示す模式図である。
【図7】本発明に係わる実施形態例3によって製造された多層構造物の完成物を示す模式図である。
【符号の説明】
1 吐出ヘッド
2 液体タンク
3 粉体拡散チャンバ
4 粉体タンク
5 送風パイプ
6 乾燥機
7 還流パイプ
8 回収ダクト
9 粉体移送ポンプ
10 粉体
11 非パターン部
12 パターン部
13 製造部
14 余剰粉体
15 吐出液体
16 完成した構造物
20 第1搬送ベルト
21 第1従動ローラー
22 第1駆動ローラー
23 第2搬送ベルト
24 第2従動ローラー
25 第2駆動ローラー
26 吸着アーム
27 接着液噴霧装置
30 多層構造物
31 サポート台
32 ガイド軸
33 静電ドラム
34 回収ダクト
35 空間補填粉体拡散チャンバ
36 空間補填粉体ブレード
37 圧延ローラー
40 空間補填粉体

Claims (7)

  1. 複数の要素体の集合からなる構造物が複数積層されてなる多層構造物を製造する製造方法であって、
    前記多層構造物の任意の層を構成する前記構造物の形状に応じて、前記要素体を接合するための液体を吐出ヘッドより吐出し、前記液体からなるパターン部を形成する第1工程と、
    前記形成されたパターン部に前記要素体を付着させることで前記構造物を形成する第2工程と、
    前記構造物が形成された面に空間補填粉体を散布する第3工程と、
    前記散布された空間補填粉体のうち、前記構造物の上部に散布された上部空間補填粉体をブレードにて除去することで、前記構造物と当該構造物の側部に存在する空間補填粉体からなる層を形成する第4工程と、
    前記第1工程、第2工程、第3工程及び第4工程を繰り返すことで、前記構造物と当該構造物の側部に存在する空間補填粉体からなる層を複数積層させた積層物を形成する第5工程と、
    前記積層物から前記空間補填粉体を除去することにより前記多層構造物を形成する第6工程と、
    を備えることを特徴とする多層構造物の製造方法。
  2. 前記空間補填粉体は、前記液体により接着されない物性を有することを特徴とする請求項1に記載の多層構造物の製造方法。
  3. 前記パターン部に付着しなかった余剰な要素体を除去する工程を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の多層構造物の製造方法。
  4. 前記構造物と当該構造物の側部に存在する空間補填粉体からなる層の形成後、前記層を1層毎に加圧することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の多層構造物の製造方法。
  5. 前記空間補填粉体は、パラフィン、澱粉、炭素、ポリビニルブチラルまたはナフタリンであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の多層構造物の製造方法。
  6. 前記要素体は、高分子樹脂粉体、金属粉体、金属箔、ガラスビーズ及びトナーからなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の多層構造物の製造方法。
  7. 複数の要素体の集合からなる構造物が複数積層されてる多層構造物を製造する製造装置であって、
    前記要素体を接合するための液体を吐出するための吐出ヘッドと、
    前記多層構造物の任意の層を構成する前記構造物の形状に応じて前記吐出ヘッドから前記液体を吐出して、前記液体からなるパターン部を形成する手段と、
    前記形成されたパターン部に前記要素体を付着させることで前記構造物を形成する手段と、
    前記構造物が形成された面に空間補填粉体を散布する手段と、
    前記散布された空間補填粉体のうち、前記構造物の上部に散布された空間補填粉体をブレードにて除去することにより、前記構造物と当該構造物の側部に存在する空間補填粉体からなる層を形成する手段と、
    前記形成された層を複数積層させて積層物を形成する手段と、
    前記積層物から前記空間補填粉体を除去することにより前記多層構造物を形成する手段と、
    を有することを特徴とする多層構造物の製造装置。
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