JP3679127B2 - 血液中の白血球の鑑別式決定のための試薬及び方法 - Google Patents
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Description
本発明は適当な電子装置による単独の全血サンプル中の2以上の白血球集団の決定を可能にする溶解試薬及び安定試薬並びに方法に関する。更に、本発明は血液中の全ヘモグロビンを測定するために有用な試薬及び方法に関連し、ここでこの試薬はシアニドを含まないものである。
発明の背景
全血サンプルからの白血球集団の分析は多種多様な病理に関する診断手順の必須且つ本質的な要素である。自動方式で白血球の主要サブ集団を分析する能力は単独の血液サンプルの迅速な診断及び数多くのサンプルの一度での迅速な処理にとって本質的である。
血液サンプルの伝統的な診断は顕微鏡スライド上への血液サンプルの塗布、それに次ぐ個々のスライドの手動式目視分析を包括する。この手法は非常に時間がかかり、そしてスライドの個々の分析の間での中断を強いられる。これらの要因はフローサイトメトリーを利用する自動式白血球分析の開発をもたらした。血液装置を利用する自動式白血球分析の利用における必須の工程は赤血球の溶解である。従って、全血サンプルにおいて使用するためのいくつかの溶解試薬が開発されている。
米国特許第4,286,963号(Ledisら)には全血中の赤血球の迅速溶血、並びに白血球のリンパ系及び骨髄球系サブ集団の自動式分析及びヘモグロビンの定量測定を達成するための溶解試薬及び方法が記載されている。この溶解試薬は緩衝化水性媒体(pH3.5〜5.0)中の少なくとも一種の第四アンモニウム界面活性剤とアリール置換化短鎖アルカノールとの混合物より成る。しかしながら、この試薬は白血球を2種類の主要サブ集団、即ち、リンパ系及び骨髄球系画分へと鑑別するその能力に限られている。
米国特許第4,485,175号(Ledisら)には自動式細胞計数装置を利用して3種のサブ集団へと白血球を鑑別するための試薬系及び方法が記載されている。この試薬系は第四アンモニウム界面活性剤を含んで成る血液希釈試薬及び溶解試薬を含む。しかしながら、この試薬系は白血球を3種のサブ集団、即ち、リンパ球、単球及び顆粒球へと鑑別する用途に限られている。
第四アンモニウム界面活性剤は強力に溶血性であり、そして上記の双方の特許の方法は白血球の溶解を引き起こしうる。従って、鑑別は白血球サブ集団の核容積に基づく。単独での、又はその他の手段と組合せたこれらの方法の適用は、細胞膜の表層マーカーの免疫化学反応の差に基づき、様々な病気状態の診断工程における更なる微細な区別を妨げてしまう。
米国特許第5,155,044号(Ledisら)は全血サンプルからの白血球の迅速な単離及び分析のための方法及び試薬系を開示しており、そしてそれは自動式血液分析器を利用して5種のサブ集団への自動鑑別を可能にする。この試薬系はギ酸(又はギ酸/酢酸混合物)、又はギ酸とサポニンとの混合物、及び水性塩クエンチ溶液を含んで成る水性溶解試薬より成る。しかしながら、この試薬系において使用されるサポニンは天然物である。天然物である結果、サポニンの資源には限りがある。更に、サポニンの品質はその起源に依存して変わりうる。
更に、酸溶解が論文の中で公知であり、そしてこの性質は米国特許第5,155,044;5,196,346;及び5,389,549号に記載の通り自動式血液分析器において利用されている。しかしながら、酸のみを利用する赤血球の溶解は長時間かかり、そして赤血球のゴースト及び残がいは、白血球計数をDC及びRF検出技術を利用して成し遂げた場合、白血球鑑別を妨害しないサイズにまで崩壊又は溶解させるのが困難である。
別の溶解試薬系は米国特許第5,116,539、同5,389,549及び同5,196,346号に記載の非イオン又はアニオンポリオキシエチレン界面活性剤を有する。
米国特許第5,196,346号(Leferrcら)にはポリオキシエチレンエーテル界面活性剤を含む酸性式溶解系が記載されている。しかしながら、この試薬系は好塩基性集団の分析に制約されて配合されており、その他の白血球は全てその前に溶解させる。
米国特許第5,116,539号(Hamaguchiら)には非イオンポリオキシエチレン界面活性剤を含む赤血球の溶解のためにデザインされた試薬系が記載されている。しかしながら、この系は全白血球計数又は好酸球計数のみを可能にする。その他の白血球集団の鑑別及び決定はこの試薬系では行うことができない。
米国特許第5,384,549号(Hamaguchiら)には非イオンポリオキシエチレン界面活性剤を含む溶解試薬系も記載されている。この特許において紹介されている溶解試薬系は酸溶解技術よりも良く白血球集団の一体性を維持するようであるが、5種の主要白血球サブ集団の完全な鑑別分析を行うのは未だ困難である。白血球サブ集団の完全分析は赤血球及び白血球の示差式溶解、並びにリンパ球及び単球集団に加えて好酸球、好中球及び好塩基球集団の同定のための3通りの決定を必要とする。更に、この系は細胞に対して非常にショック性であり、且つ細胞をほぼ自然状態で保持するのを困難にする高張溶解環境を必要とする。
ポリオキシエチレン界面活性剤を利用する従来の溶解剤はもっぱら非イオン性又はアニオン性、好ましくは非イオン状のポリオキシエチレン界面活性剤を利用する。これらの界面活性剤は単種の白血球細胞集団にその用途が限られるか、又は多種白血球サブ集団決定のために用いるときは、その決定は三段フローサイトメトリー分析手順を利用して成し遂げねばならない。非イオン性ポリオキシエチレン界面活性剤はそれらが赤血球を効率的に溶解するために高張環境を必要とする点で更に制約され、このことは細胞に対して著しい外傷浸透ショックを与え、それは非常に有害であり、そして細胞をそのほぼ自然な生理的状態で分析する能力に有害な影響を及ぼす。
何種かの溶血界面活性剤が米国特許第4,158,054号(Furmingerら)に開示されている。Furmingerらは溶血界面活性剤を含む密度勾配による連続負荷ゾーン式超遠心分離を利用する方法を開示し、それにおける界面活性剤は酸化エチレンの付加物から選択されうる。
更に、血液サンプル中のヘモグロビンの測定が血液分析を行う際の別の診断手段である。歴史的には、ヘモグロビン測定はシアニドヘモグロビン(Hb)を形成及び測定することにより実施されている。しかしながら、この方法に由来する試薬廃棄物は非常に環境的な問題となる。赤血球の溶解及びHbの測定のためのいくつかの無シアニド法が開発されている。米国特許第5,250,437号(Todaら)及び米国特許第5,242,832号(Sakata)は全て赤血球の溶血及びヘモグロビンの酸化のために第四アンモニウム塩溶解系を利用する。しかしながら、白血球に対する第四アンモニウムイオンベース系の苛酷さを理由に、これらの系は3種より多くのサブ集団の組合せ白血球サブ集団鑑別及びHb決定のために、特にほぼ自然状態の白血球鑑別が所望されるとき、利用することができない。
EPO第0,325,710号(Hamaguchiら)は赤血球の溶血のためにポリエチレンベース非イオン界面活性剤を使用している。しかしながら、Hamaguchiらにより紹介されている系は白血球サブ集団の分析に関して制約された能力しかもたず、そして単独測定においては、ヘモグロビンの測定に加えて、3種のサブ集団しか鑑別できない。
発明の概要
理想的な溶解試薬系は赤血球を選択的且つ迅速に溶解し、同時に白血球を、別々の細胞サブ集団としてほぼ自然状態のリンパ球、単球、好酸球、好塩基球及び好中球の自動式分析が可能となる状態のままとするであろう。更に、この試薬系はヒト及び非ヒト動物系に利用するのに、そして正常又は病理血液サンプルのいづれかの分析のために利用するのに適するであろう。
本発明の一の目的は本明細書に記載の従来技術の欠点の一部又は全てを解消する溶解試薬の提供にある。
本発明の別の目的は赤血球を選択的に溶解する能力を有し、且つ単一分析工程において全血サンプル中の5種の白血球集団の決定を可能にする組成物の提供にある。
本発明の別の目的は赤血球溶解のための細胞溶解組成物の提供にある。
本発明の溶解試薬組成物は下記の式により表わされる長鎖エトキシル化アミン化合物
(式中、Rは12〜22個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル又はアルキニル基であり、m及びnはそれぞれ1以上であり、m+nは20〜40である)と、この試薬のpHを2.0〜3.6の範囲内に調整する酸とを含む。
本発明の別の目的は、赤血球の溶解のための溶解試薬系において、そしてそのアッセイにおいて、単一段階測定において3種以上、好ましくは4種以上、そして最も好ましくは5種以上の白血球集団の決定を可能にする当該溶解試薬組成物の利用にある。この溶解試薬系は、全血サンプル中の赤血球を選択的に溶血するのに十分であり、しかも白血球を完全なままに残しながら白血球の自動式鑑別が可能となるようにそれに改変を供するような濃度のエトキシル化長鎖アミン化合物及び酸を含む。この溶解試薬系は高張アルカリ安定化試薬を含み、それは赤血球溶解の後に、更なる溶解活性を阻害及び白血球の膨張の阻止のために加えられ、白血球をそのほぼ生理的な状態のままとする。この溶解試薬系は18〜28℃の室温において全体的に機能するという更なる利点を有する。
本発明の更なる目的は、赤血球溶解後に、3種以上、好ましくは4種以上、そして最も好ましくは5種以上の白血球サブ集団を鑑別する自動式方法の提供にある。この方法は血液サンプルを上記の溶解試薬組成物と10秒以内の短い時間混合し、次いで高張アルカリ安定化試薬を添加することを含む。細胞はD.C.容積(D.C.)、RFサイズ(RF)、不透明性、光散乱性及び蛍光測定できる血液分析器を利用して分析する。
本発明の更なる目的は白血球サブ集団の変質集団をもたらす病気の存在を決定する診断方法の提供にある。
本発明の別の目的は非ヒト動物系に適合性である溶解試薬系の提供にある。
本発明の別の目的は時間のたった血液サンプルに対して再現よく利用できる溶解試薬系の提供にある。
本発明の別の目的は、骨髄及びその他の非末梢流体サンプルの鑑別分析のために利用できる、サンプルの脂質含量に対して十分に効率的に非感受性である溶解試薬系の提供にある。
本発明の別の目的は細胞表層形態を保持し、且つDC,RF及び光散乱測定に基づく分析に加えて細胞表層マーカーの蛍光ラベリング及び免疫組織化学に基づく細胞分析を可能にする溶解試薬系の提供にある。
本発明の他の目的は血液サンプル中のヘモグロビン(Hb)の測定及び白血球決定を同時に行うのに利用できうる溶解試薬系の提供にある。
【図面の簡単な説明】
図1〜10及び15は実施例III,IV,V及びVIに記載の通りでの本発明の実施に従って得られる結果の分布図である。
図11は実施例VIIに記載のサンプルの吸収プロフィールを示す図である。
図12〜14は実施例III及びIVに記載の通りでの本発明の実施に従って得られる結果の分布図である。
発明の詳細な説明
1)溶解試薬組成物
一の態様において、本発明はエトキシル化長鎖アミン化合物及びpHの調整のための酸を含んで成る溶解試薬組成物に関する。
本発明のエトキシル化長鎖アミン化合物は親油性尾部と、枝分れした親水極性頭部とを有し、そして下記の式で表わされうる:
(式中、Rは12〜22個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル又はアルキニルであり;m及びnはそれぞれ1以上であり、そしてm+nは20〜40である。上記構造において、Rは好ましくは14〜20個の炭素原子を有し、そしてm及びnは同じ又は異なる数値でありうる。
式(I)のエトキシル化長鎖アミン化合物は例えばPorter,M.R.,Handbook of Surfactants,Chapman & Hall,NY,pp.147-150(1991)に記載の当業界公知の手順により合成できる。公知の手順により合成した場合、上記式のm及びnはほぼ同等の値となるであろう。しかしながら、m及びnは同じ値である必要はない。
親水性と親油性のバランスは本発明の溶解試薬において利用するカチオン性エトキシル化長鎖アミン化合物の溶解能力を担っていることがわかった。一般に、溶解能は、親水性ポリオキシエチレン頭部基のサイズが高まり、そして頭部基のサイズが大きくなると低まる。
全ポリオキシエチレン単位の数が40を超えると、溶解能は弱すぎてしまい、そして本明細書に開示の好適な条件を利用して赤血球を溶解することができなくなりうる。20未満のオキシエチレン単位を含むエトキシル化長鎖アミン化合物は溶解力が強すぎてしまい、白血球にダメージを与える。このダメージは5種の白血球サブ集団の獲得を阻害するであろう。適当な親水性/親油性バランスを得ることで、溶解試薬組成物は、鑑別測定の際、白血球にダメージを与えることなく赤血球を選択的に溶解できる。
溶解試薬組成物中のエトキシル化長鎖アミン化合物の濃度は、全血サンプル中の赤血球を選択的に溶血し、しかも白血球を本質的に完全なままに残すのに十分な量である必要がある。溶解試薬組成物中のエトキシル化長鎖アミンの濃度は約8g/l〜約80g/l、好ましくは12g/l〜50g/lという広い範囲で有効であることがわかった。
溶解試薬組成物中の酸の機能は二通りある。第一に、それは血液と溶解試薬との混合物において酸性媒体を生み出すことにより赤血球の溶解を補助する。本発明の条件下で、溶解反応は10秒以内、そして好ましくは7秒以内で、赤血球を十分に溶解し、且つ赤血球ゴースト及び残がいを白血球検査及び鑑別を妨害しないレベルにまで下げるように分解するように起こり得る。この選択的、且つ迅速な溶解活性は白血球を、溶解試薬に対する長時間曝露を回避することにより、ほぼ自然な状態に保つ。本開示の目的のため、ほぼ自然な状態とは細胞形態が保たれ、細胞表層マーカーの組織化学的又は蛍光ラベリングを利用して細胞サブ集団の分析が実施し得ることを意味する。
酸の第二の機能は、DC対光散乱分布及びDC対RF分布において白血球サブ集団の適正な分離ができるよう白血球に対してほんのささいな改質しか与えないことにある。
酸は溶解試薬組成物のpHを約2.0〜3.6の範囲に調整するのに十分な量で用いる。この酸は通常有効な量の有機酸であろう。好ましくは、ギ酸又はギ酸と別の有機酸もしくは無機酸との混合物が使用される。ギ酸と混合して使用すべき有機酸は例えば酢酸、クエン酸、シュウ酸、グリコール酸もしくはプロピオン酸、又は2種以上の上記の酸の混合物であってよい。ギ酸と混合してよい無機酸には、限定することなく、塩酸、硫酸及びリン酸が含まれる。
任意的に、溶解工程の効率を高めるために有効な量で1又は複数種の溶解剤をこの溶解試薬組成物の中に含ませてよい。一般に、この溶解剤はポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレンコポリマーである。適当な溶解剤には、限定することなく、BASF Corporation,Parsippany,New Jerseyにより製造されたプルロニックコポリマー、例えばPluronic F38及びPluronic 25R8が含まれる。
追加の任意的な添加剤を、その存在が溶解試薬組成物の第一機能成分と適合するような濃度で、この溶解試薬組成物の中に含ませてもよい。これらの添加剤はとりわけ当該組成物の棚寿命を延期するための酸化防止特性及び抗菌特性を有する保存剤である。酸化防止特性を有する保存剤には限定することなくEDTA及びブチルメチルフェノールが含まれる。抗菌活性を有する保存剤には限定することなくジメチロールジメチルヒンダトイン、ヨードプロピニルブチルカルバメート及びイソチオゾロン誘導体が含まれる。
エトキシル化長鎖アミン化合物は酸性環境の中でカチオン性化合物を作り出すのに用いられる。そのカチオン的性質を理由に、エトキシル化長鎖アミンは非イオン性又はアニオン性ポリオキシエチレン系界面活性剤よりも効率的に負に帯電した赤血球膜に吸着され、そして溶血を一層効率的に促進するであろう。カチオン性エトキシル化長鎖アミンと非イオン性エトキシル化アルコール、フェノール及びエステルとの固有の差が、本発明において利用する前者が、全血サンプルの優れた溶血を供する理由でありうる。
しかしながら、赤血球及び白血球画分の双方と反応する溶血試薬組成物のメカニズム、並びに一の画分を別の画分と区別する能力は全体的に明瞭でない。
2)安定化試薬組成物
本発明は更に溶解試薬組成物及び高張アルカリ安定化試薬を含んで成る溶解試薬系に関する。
安定化試薬組成物は更なる溶解活性を阻止するように赤血球溶解の後に加えられる。より詳しくは、安定化試薬組成物の機能は血液混合物中の酸を中和し、且つ鑑別を含む自動式分析の目的のために白血球が保たれるように白血球の膨張を阻止することにある。
安定化試薬組成物は単純な1又は複数種の生理学的塩を含んで成る水性緩衝塩溶液である。この安定化試薬組成物において使用される1又は複数種の塩は塩化物の塩と硫酸塩との混合物でありうる。塩化物の塩は、限定することなく、安定化試薬組成物中の総重量に基づき約0.25〜4%の濃度の塩化ナトリウム又は塩化カリウムでありうる。硫酸塩は、限定することなく、安定化試薬組成物の総重量に基づき約0.25〜9%の濃度の硫酸ナトリウム及び硫酸カリウムでありうる。安定化試薬組成物は高張であり、そして約950〜1800mOsmの浸透圧を有しうる。安定化試薬組成物の浸透圧を左右する塩濃度は変えてよく、なぜなら安定化試薬組成物の容積は血液サンプル混合物の最終浸透圧が約400〜600mOsmの間となるように溶解試薬の容積に対して調整できるからである。
緩衝剤は任意の生理学的緩衝剤、例えば、限定することなく、炭酸カリウム又はナトリウム、リン酸カリウム又はナトリウム、トリス、及び四硼酸カリウム又はナトリウムであってよい。安定化試薬組成物のpHは約7〜12.5、好ましくは9〜11.5のpHである。
3)特異的なRBC溶解及び白血球鑑別のための完全溶解試薬系の説明
本発明は、赤血球を溶解するための溶解試薬組成物及び白血球の自動式鑑別分析における赤血球溶解の後に血液サンプルに添加すべき高張アルカリ安定化試薬組成物を含んで成る溶解試薬系にも関連する。
この溶解試薬系は処理済みの全血の分析において使用され、そして少なくとも2種の白血球サブ集団の鑑別において利用できうる。好ましくは、3種以上のサブ集団、そしてより好ましくは4種以上のサブ集団、そして最も好ましくは5種以上のサブ集団が鑑別され、それには好中球、リンパ球、単球、塩酸球及び好塩基球が含まれる。
この安定化試薬組成物は、血液サンプルと溶解試薬組成物とを含む血液サンプル混合物を混合された後に高張媒体を供し、従って試験サンプルの最終浸透圧は5.0〜8.5のpHにおいて約400〜600mOsm、好ましくは6.5〜7.5のpHにおいて410〜520mOsmとなる。
血液サンプル混合物に関し、白血球サブ集団の最良の分別を達成するため、生理学的に等張な環境よりも若干高張な条件が好ましい。高生理塩含有により安定化試薬組成物によって生み出される高張環境は、溶解試薬組成物に対する曝露に由来するであろう白血球の膨張を阻止し、そしてかかる膨張による細胞ダメージを阻止する。事実、安定化試薬との数秒間の接触により若干の細胞収縮が起こり、それは白血球サブ集団の間での一層精練された細胞分布を供する。
非イオン性ポリオキシエチレン界面活性剤に基づく伝統的な酸溶解系及びいくつかの溶解試薬系とは異なり、本発明では赤血球の溶解のために高張環境を必要とせず、そして溶解試薬組成物は等張条件下でさえも赤血球を溶解しうる。この溶解試薬系の好適な環境において、この溶解試薬は約100mOsm〜250mOsmと若干高張である。安定化試薬組成物の添加は試験サンプルを若干高張な環境にするが、それは白血球に対して劇的な浸透圧ストレスを及ぼさない。溶解試薬系の利用は各サブ集団内でのはるかに厳密な分布、そして従来技術の試薬及び方法の性能に比べて優れた集団分別を供する。
少なくとも4種、好ましくは5種の細胞のサブ集団の作製は、細胞のRF,DC及び光散乱総合プロフィールの差に基づく一段分析系におけるこのようなサブ集団の分析を可能にし、そして個々のサブ集団、特に個々の顆粒球サブ集団の完全決定のための白血球の示差式溶解の実施の必要性を解消する。従来の溶解試薬系は一定の分析段階において2通りのパラメーター分析のみを可能とした。即ち、5種の白血球サブ集団のプロフィールを完全に得るには、3通りの個々の決定、それに続く決定の総合分析という複雑な方法を必要とした。
更に、本発明の溶解試薬系は細胞形態を保持するため、細胞サブ集団の更なる分析が細胞表層マーカーによる白血球の組織化学的及び蛍光ラベリングを利用して実施できる。例えば、細胞表層抗原のラベリングはCD4及びCD8細胞に至るリンパ球集団の更なる鑑別を可能にする。
古い及び異常な血液サンプルの白血球は通常脆いか、又は溶解試薬に対して敏感であり、そして自動式血液分析器により分析するのが困難である。ほとんどの溶解試薬系、特に酸性式溶解系の苛酷さは、新鮮なもの以外の血液サンプルの分析のためのその利用の妨げとなり、なぜなら細胞は古いほど脆くなるからである。
白血球ダメージを阻止するためのこの系の利点は、この試薬系を採取したばかりの血液サンプルの鑑別分析に使用することを可能にするだけでなく、サンプルを採取後数時間経た血液サンプル及び異常血液サンプルの分析も可能にする。本発明における苛酷な浸透圧及び酸ショックの欠如は数時間経た血液の分析を可能にする。より詳しくは、本発明は数時間(6時間以上)経た血液サンプルに利用し得る。
本発明の溶解試薬系は18〜28℃の室温において全体的に作用する追加の利点を供する。好酸球及び好塩基球の適正な分離のために溶解試薬系は従来30℃以上の高温で作用させていた。この高温要件は有意に一層複雑な分析装置を必要とし、なぜなら反応は恒温制御しなくてはならないからである。本発明は室温で最適に作用することによる恒温制御の必要性を解消する。
本発明の別の有利な特徴は溶解試薬系が全血サンプルの脂質含量に対して感度が低いことにあり、これは高脂質血液サンプルについての自動式鑑別分析の精度を高め、そして血漿中の脂質含量を較正するのに一般に必要とされるサンプルの前希釈を必要とさせない。
更に、この溶解試薬組成物は血液サンプルの脂質含量に対して感受性でないため、本発明の溶解試薬系は種々の脂質含量を有しうる非ヒト動物血液サンプルの鑑別分析のために利用され得る。これは獣医学的観点において、4種以上のサブ集団、好ましくは5種のサブ集団の白血球分析を実施する簡便の方法をはじめて可能にする。
更に、この溶解試薬組成物は脂質含量に対して感受性でないため、この溶解試薬系は骨髄の如き劇的に異なる脂質含量を有しうるその他の流体サンプルの鑑別分析において利用できうる。
この試薬系は、溶解試薬組成物が容器、例えばプラスチック容器の中に包装され、そして高張アルカリ安定化試薬組成物が別の容器、例えばプラスチック容器の中に包装されたキットとして販売される。この2つの容器は箱の如き第三容器の中に一緒に包装されていてよい。本発明に従ってどのようにしてこの試薬を使用するかの仕様書を好ましくは第三容器、又は2つの試薬容器いづれかもしくは双方の中にもしくはそれに一体化して含ませる。
4)赤血球の間質溶解並びに白血球サブ集団の自動式鑑別及び分析のための方法
白血球の特定のサブ集団における変化は特定の病気状態で指標でありうる。HIV感染症から完全発症AIDSへの転移の一の目印はリンパ球のレベルの著しい低下である。Fauciら、Ann.Intr.Med.,114,678(1991)。リンパ球の異常なレベル及び形態は白血病においても見られうる。単球及びリンパ球の双方の高揚したレベルは急性炎症により同定され、そして結核、肉芽腫及びらい病の如き病気に関連する。GallinらInflammation:Basic Principles and Clinical Correlations(1992)。多くの自己免疫症状、例えば自己免疫溶血貧血及び痕瘡は高いレベルの好中球を示す。Malech and Gallin,N.Engl.J.Med.,317,687(1997)。また、多くの寄生虫感染症、特に蠕虫により引き起こされるものには好酸球増加症が伴う。NobleらParasitology,The Biology of Animal Parasites(1989)。本発明は、限定することなく上記の病気が付随しうる1又は複数種の白血球サブ集団における変化の同定に関与する分析及び診断手順のために有用であろう。
血液サンプルは慣用の静脈切開術により患者から採取できる。一般に利用される抗凝血剤、例えばヘパリン、EDTA、酸性クエン酸デキストロース(ACD)及びクエン酸ナトリウムは本発明の性能に影響しない。
一緒にした後、血液サンプルを上記の溶解試薬組成物と手短く混合する。
安定化試薬組成物の添加までに血液サンプルを溶解試薬組成物に曝露しておく時間は本発明により紹介する白血球サブ集団のための鑑別方法にとって重要である。この曝露時間は10秒を超えてはならず、そして好ましくは7秒内とする。このような曝露時間は周囲温度(18〜28℃)に特異的である。溶解を行う温度の上昇は曝露時間に対応して短くする。同様に、温度を下げたら曝露時間は長くする。溶解試薬組成物との手短な曝露の後、適量の安定化試薬組成物を加え、そしてその細胞を安定化試薬組成物を添加してから約15秒以内に分析する。
上記の手順で処理した全血サンプルの白血球画分は2種以上の白血球のサブ集団に容易に鑑別できうる。好ましくは、3種以上のサブ集団、そしてより好ましくは4種以上のサブ集団、そして最も好ましくは5種以上のサブ集団に鑑別され、それには好中球、リンパ球、単球、好酸球及び好塩基球が含まれる。
白血球の4種のサブ集団、そしてより好ましくは5種のサブ集団は、サブ集団の電場のインピダンスにおいてシフトを及ぼす能力(かかるシフトは細胞容積に比例する);高周波(RF)電流を妨げる及び光を散乱させる能力に基づくDC,RF及び光散乱の総合を利用する単一段階測定系を利用して、本溶解試薬系に対する血液サンプルの曝露の後に鑑別できうる。この開示の目的のため、単一段階測定とは、リンパ球サブ集団と、好酸球、好塩基球及び好中球により成る白血球サブ集団のうちの少なくとももう一サブ集団との鑑別を得るのに、単一の血液アリコートを同一の溶解試薬組成物を利用して行うことができうることを意味する。好ましくは、この鑑別は溶解試薬組成物を添加して30秒以内、そして好ましくは20秒以内に測定する。
血液分析器による白血球の鑑別のために用いる検査方法は一般に、引用することで本明細書に組入れるRodrignezらの米国特許第5,125,737号に記載されている。
エトキシル化長鎖アミン化合物は酸性環境においてカチオン性化合物を生み出すのに使用される。そのカチオン的性質を理由に、エトキシル化長鎖アミンは非イオン性又はアニオン性ポリオキシエチレン系界面活性剤よりも一層効率的に負に帯電した赤血球膜に吸着でき、そして溶血を一層効率的に促進するものと信じられる。カチオン性エトキシル化長鎖アミンと非イオン性エトキシル化アルコール、フェノール及びエステルとの間のこの固有の違いが、本発明において利用する前者が全血サンプルの優れた溶血を供する理由と考えられうる。
従来の溶解試薬系は一定の分析段階において2通りのパラメーターのみを可能にした。従って、5種の白血球サブ集団のプロフィールを完全に得るためには、同一のサンプルについての3回の個別の測定、それに次ぐ測定値の総合分析という複雑な方法を必要とした。
本方法をDC,RF及びLS測定の総合により行う分析を利用して詳細に説明してきたが、DC,RF,LS、不透明性(OP)及びそれらの組合せより成る群から選ばれる分析方式においてこの溶解試薬系を利用することは本発明の範囲に属する。かかる分析方式の結果は図からかわり、ここでDC対RFは図2に示し;そしてDC、対、LSは図1に示す。当業者に明らかな通り、少なくとも2種の白血球集団を供するであろう分析方式はDCのみでありうる。
5)ヘモグロビン決定方法
300種以上の異常なヘモグロビンが臨床症状を有する患者の検査及び臨床的に正常な集団の電気泳動的手段に基づいて発見された。多くのこのような異常は改変したヘモグロビンレベル又は酸素に結合する能力の変化したHbを有する臨床的病理をもたらす。とりわけこれらの病気は鎌状細胞貧血、α−及びβ−型サラセミア、並びにヘモグロビンMである。Stamatoyannopoulos G.ら(編)Molecular Basis of Blood Disorders(1986)。
血液サンプル中のヘモグロビンを測定する能力は診断分析の必須要素であり、そしてHbに影響する病気に対する治療法及びその他の病気ではあるがHbレベルに対して有害な副作用を有し得る病気に対する治療法に対する応答をモニターするのにも重要である。理想的には、単独自動式工程において多重診断分析を成し遂げることができるであろう。本発明はHbの決定に加えて3種以上、好ましくは4種、そしてより好ましくは5種の白血球のサブ集団の分析を可能にする。
本溶解試薬組成物はオキシヘモグロビンとしてのHbの放出を及ぼす。安定化試薬組成物の添加は540nmにて最大吸収ピークを有し、そして570nmにてショルダーを有する安定な発色団の形成を供する。この系は従来技術のHb測定の方法に勝るいくつかの利点を供する。従来の方法と異なり、本発明はHbの決定と共に、ほぼ自然状態の白血球サブ集団の鑑別及び分析を可能にする。更に、この安定化試薬組成物は10秒以内にオキシヘモグロビンを発色団に変換し、迅速な自動式分析を可能にし、そして一旦形成した発色団は20分までは安定である。
実施例I:
溶解試薬組成物
a)構造式Iのエトキシル化長鎖アミン化合物を含む溶解試薬組成物は以下の組成で配合した:
次式のカチオン性エトキシル化長鎖アミン化合物:
(式中、m+nは30の値である)を20g/lの濃度で脱イオン水に溶かした。ギ酸を用いてpHを3.2に調整した。更に、以下の保存剤を添加した:0.2g/lのEDTA、0.5g/lのProclin(Rohm & Haas Co.)及び0.05g/lの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール。
b)構造式Iのエトキシル化長鎖アミン化合物を含む溶解試薬組成物は以下の組成で配合した:
次式のカチオン性エトキシル化長鎖アミン化合物:
(ここでm+nは25の値である)を脱イオン水に18g/lの濃度で溶解した。10g/lのPluronic 25R8(BASF)を溶解剤として加え、そして1.6ml/lのギ酸をpHを3.2に調整するために使用した。
c)構造式Iのエトキシル化長鎖アミン化合物を含む溶解試薬組成物は下記の組成で配合した:
次式のカチオン性エトキシル化長鎖アミン化合物:
(ここでm+nは30の値である)を脱イオン水に20g/lの濃度で溶解した。5g/lのPluronic F38(BASF)を溶解剤として加え、そして1.6ml/lのギ酸をpHを3.2に調整するために使用した。更に、下記の保存剤を加えた:0.2g/lのEDTA、0.5g/lのProclin 300(Rohm & Haas Co.)及び0.05g/lの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール。
実施例II:
溶解安定化試薬
a)炭酸バッファー系安定化試薬
安定化試薬を上記の通りにして配合し、そしてそれは14g/lのNaOH、32g/lのNa2SO4及び6.6g/lのNa2CO3緩衝剤より成り、pHは11.0に調整されている。この試薬の浸透圧は約1080mOsmである。
b)リン酸バッファー系安定化試薬
安定化試薬を上記の通りにして配合し、そしてそれは8.3g/lのNa2HPO4、12.2g/lのNa3PO4、14.3g/lのNaCl及び31g/lのNa2SO4を含み、pHは11に調整されている。この試薬の浸透圧は約1190mOsmである。
実施例III:
PBCの溶解及び正常ヒト白血球集団の鑑別
本発明の溶解試薬系は試薬級化学品及び工業製品純度のエトキシル化長鎖アミン化合物から脱イオン水において調製した。
a)実施例1a)に記載の20gのカチオン性エトキシル化長鎖アミン化合物を1lの水の中に溶かした。このエトキシル化長鎖アミン化合物溶液のpHをギ酸により3.2に調整した。0.2gのEDTA及び0.5gのProclin 300(Rohm and Haas Co.)を酸化防止剤及び抗菌保存剤としてそれぞれ加えた。31μlの全血サンプルに560μlの溶解試薬組成物を加え、そしてこの混合物を室温(約21℃)で4秒間ゆらすことで静かに混合した。
溶解反応は14g/lのNaCl、32g/lのNa2SO4及び6.6g/lのNa2CO3、pHは11.0を含む230μlの水性安定化試薬組成物により遅延させた。血液混合物を静かに混合し、そして安定化試薬を添加して15秒後に鑑別分析の用意ができた。最終血液混合物は中性pH(約7)及び約445mOsmの浸透圧の高張条件に保たれる。三次元鑑別分析をフォーカスフロー技術及びシース流体としてISOTON(登録商標)IIIを利用するDC,RF及び光散乱測定によりCOULTER(登録商標)STKS血液分析器で行った。得られる分布図を図1及び図2に示す。4種の白血球のサブ集団がDC、対、回転光散乱(RLS)分布で同定及び定量できた(図1)。図2はDC、対、不透明性(RFとDCの関数)の分布図において分離した白血球サブ集団を示す。白血球の第5番目のサブ集団、好塩基球、DC、対、不透明性分布図におけるその他の重複サブ集団を追い出す(gating)ことにより単離される。この単離した好塩基球集団は図3に示す分布図に示されている。
他方、溶解反応の阻止及び白血球の安定化のために実施例IIの如きリン酸バッファー系安定化試薬を利用することにより、白血球サブ集団の良好な鑑別が得られる。図14はリンパ球、単球、好中球及び好酸球を含む4種の白血球サブ集団を示す。
b)実施例1b)の溶解試薬組成物と共に上記の手順を利用することで、赤血球の選択的溶解及び白血球サブ集団の鑑別分析を実施した。図15はこの分析より得られたDC、対、光散乱分布図により見られる4種の白血球サブ集団を示す。第5番目の白血球サブ集団、好塩基球は上記の獲得データーを追い出すことにより得られる。
c)実施例1c)の溶解試薬組成物と共に上記の手順を利用することで、赤血球の選択的溶解及び白血球サブ集団の鑑別分析を実施した。図16はこの分析より得られたDC、対、光散乱分布図を示す。この分布図はリンパ球、単球、好中球及び好酸球を含む4種の白血球サブ集団を示す。好塩基球は上記の獲得データーを追い出すことにより得られうる。
実施例IV:
RBCの溶解及び異常ヒト白血球集団の鑑別
a)実施例IIIの手順を、実施例IIIと同じ試薬を用い、活性鎌状細胞患者由来の血液の白血球鑑別について繰り返した。活性鎌状細胞血液はいくつかの商業的高張酸性溶解試薬によっては溶解するのが難しいことが一般に知られ、そしてその結果白血球サブ集団の集団分離がしにくい。このようなケースでは、自動式血液分析器では誤まった鑑別報告が作製される。図4に示す通り、異常な白血球鑑別による病理の存在を示唆する明瞭な集団分離が本発明の試薬系を利用することにより活性鎌状細胞血液サンプルについて得られ、本発明が異常血液分析に利用できうることも示す。
b)実施例IIIの手順を急性リンパ球白血球を有する患者由来の血液の白血球鑑別のために繰り返した。図12においてわかる通り、溶解試薬系を利用する血液サンプルの分析及び自動式血液分析は異常なリンパ球の存在を示唆する。
c)実施例IIIの手順及び試薬を利用し、乳癌と診断された患者の血液サンプル中の未熟な顆粒球の指標であるバンドの存在が保持されていることが示された(図13)。
実施例V:
RBCの溶解及び非ヒト動物白血球集団の鑑別
いく種かの獣医学的全血サンプルを実施例IIIに記載のものと同一の溶解試薬組成物及び安定化試薬組成物並びに方法を利用して分析したが、但し溶解反応時間は種間で2〜7秒の間で変え、そして安定化試薬組成物相互作用時間は6〜20秒の間で変えた。溶解反応時間及び安定化試薬相互作用時間は所定の種に対して行った種々の実験間で統一した。得られるDC、対、光散乱分布図を図5〜9において下記の手順で示す;図5:イヌ全血サンプル;図6:サル全血サンプル;図7:ヤギ全血サンプル;図8:ウマ全血サンプル;そして図9:モルモット全血サンプル。
分布図により示される通り、各種は、対応のサブ集団分布の観点でそれ自体の特徴は有するものの、種内でのリンパ球、単球、好中球及び好酸球を含む白血球サブ集団は互いと明確に相違した。異なる種間で、溶解反応時間及び試薬容積は最良の鑑別結果を得るために変えてよいが、かかる変更は自動式血液分析器により容易に成し遂げることができる。
本発明ははじめて、自動方法を利用する獣医学的全血サンプルについての4種以上の白血球のサブ集団、即ち、リンパ球、単球、好中球及び好酸球を鑑別する能力を可能にする。
実施例VI:
RBCの溶解及び古い血液サンプル由来のヒト白血球集団の鑑別
新鮮な血液サンプルについての鑑別との直接対比を行うため、実施例IIIの手順を一緒にしてから数時間経た全血サンプルの白血球鑑別のために同じ溶解及び安定化試薬を利用して繰り返した。このサンプルを約21℃の室温にて保存した。図10に明確に示す通り、新鮮な血液(図10A)及び27時間経過した血液サンプル(図10B)に関して類似の白血球サブ集団プロフィールが得られ、本発明が血液サンプルを採取してから数時間経過後に白血球鑑別及び分析に利用できることが実証された。自動式白血球鑑別のための延長した全血寿命は、本発明の試薬系による白血球に対する安定化作用の結果である。
実施例VII:
正常血液サンプルのHb決定
実施例IIIの溶解試薬系を全血サンプル中のHbの決定に用いた。14μlの全血を1224μlの溶解試薬組成物と混合し、そして5〜8秒静かに混合した。498μlの安定化試薬組成物を加え、そして10秒後、得られる発色団の吸収プロフィールを測定した。図11に示す通り、発色団は540nmにて最大吸収ピーク、そして570nmにてショルダーを有する。発色団は安定化試薬の添加後10秒以内に形成され、そして20分以上安定であった。
実施例VIII:
蛍光による全血白血球の鑑別
実施例IIIの溶解試薬系を細胞表層マーカーの蛍光ラベリングと一緒に利用した。血液サンプルを水性色素溶液と10:1の比で数分間染色した。28μlの染色血液サンプルを血液分析器に、実施例IIIに記載の標準の5要素鑑別分析と同じ試薬容量及び反応時間で吸い込ませた。主要集団、即ち、リンパ球、単球、好中球及び好酸球は明確に分離できうる。これはこの溶解試薬系による細胞表層形態の保持を実証するのみならず、鑑別式に同定されうる5種の白血球サブ集団のいづれかの上の細胞表層マーカーの変異に基づく更なる診断能力をも可能にする。
実施例IX:
非血液流体サンプルの選択的溶解及び鑑別分析
14μlの非末梢流体サンプルの骨髄に、約1200μlの実施例Iの溶解試薬組成物を加え、そしてその混合物を手動式に又は自動式に約2〜7秒間室温(約21℃)でゆらすことにより静かに混合する。溶解反応は490μlの実施例IIの安定化試薬組成物の添加により遅延するであろう。サンプル混合物を静かに数秒混合し、そして安定化試薬組成物を添加して7〜18秒後に鑑別分析の用意が整う。鑑別分析は実施例IIIに記載の血液分析器で行う。白血球サブ集団は実施例IIIにおいて説明した分布図を利用して同定及び定量する。
Claims (23)
- Rが14〜20個の炭素原子を有するアルキル基である、請求項1記載の溶解試薬組成物。
- 前記溶解試薬組成物中の前記化合物が8g/l〜80g/lの濃度である、請求項1記載の溶解試薬組成物。
- pHを調整するために使用する前記酸が有機酸を含んで成る、請求項1記載の溶解試薬組成物。
- 前記高張アルカリ安定化試薬組成物が塩化物の塩、硫酸塩及び緩衝剤を含んで成る、請求項5記載の溶解試薬系。
- 前記安定化試薬組成物のpHを7〜12.5のpHに調整する緩衝剤が添加されていることを特徴とする、請求項5記載の溶解試薬系。
- 血液細胞サンプル中の赤血球の間質溶解のための方法であって、血液サンプルを請求項1記載の溶解試薬組成物に、赤血球が溶解するのに十分な時間曝露させることを含んで成る、方法。
- 高張アルカリ安定化試薬組成物の添加により血液細胞サンプル中の白血球の溶解を阻止することを特徴とする、請求項8記載の方法。
- 血液細胞サンプル中の赤血球の間質溶解及び白血球サブ集団の分析のための方法であって:
a.血液サンプルを赤血球が溶解するのに十分な時間請求項1記載の溶解試薬組成物に曝露する;そして
b.前記溶解試薬組成物の溶解作用を阻止するために高張アルカリ安定化試薬組成物を添加する;そして
c.血液細胞サンプル中に含まれる白血球サブ集団を分析する;
ことを含んで成る方法。 - 前記安定化試薬組成物が白血球サブ集団を5.0〜8.5のpHにおいて及び400〜600mOsmの浸透圧の高張媒体において安定化させる、請求項10記載の方法。
- 血液細胞サンプル中の赤血球の間質溶解及び白血球サブ集団の分析のための方法であって:
a.血液サンプルを請求項1記載の溶解試薬組成物に10秒以内曝露する;
b.前記曝露した血液サンプルに安定化試薬組成物を添加する、ここでこの安定化試薬組成物は更なる溶解作用を阻止し、そして溶血した血液サンプルの白血球を安定化する;そして
c.自動式分析器を利用してリンパ球、単球、好塩基球、好中球及び好酸球から成る白血球サブ集団のうちの少なくとも2種を鑑別する;
ことを含んで成る方法。 - 前記少なくとも2種の白血球サブ集団の鑑別を単一段階測定において実施する、請求項12記載の方法。
- 少なくとも5種の白血球サブ集団を得る、請求項12記載の方法。
- 前記血液サンプルの起源が非ヒト動物である、請求項12記載の方法。
- 前記血液サンプルが6時間以上経たものである、請求項12記載の方法。
- 前記高張安定化試薬組成物が塩化物の塩、硫酸塩及び緩衝剤を含んで成る、請求項12記載の方法。
- 緩衝剤が添加されていることを特徴とし、前記安定化試薬のpHがこの緩衝剤によりpH7〜12.5に調整されている、請求項12記載の方法。
- 血液サンプル中の白血球の4種以上のサブ集団の鑑別のための方法であって:
a.請求項1記載の溶解試薬で処理した血液サンプルを分析して4種以上の白血球サブ集団を得る、ここでこの分析は
(1)D.C.容積、
(2)RFサイズ、
(3)不透明性、
(4)光散乱及び
(5)蛍光
から成る群のうちの2つから選ばれる;
b.かかる分析結果を装置において記録する;
ことを含んで成る方法。 - 分析方法の一つがD.C.容積である、請求項19記載の方法。
- 血液サンプル中のHbの決定のための方法であって、請求項5記載の溶解試薬系による赤血球の間質溶解及び約540nmでの光吸収の測定を含んで成る方法。
- 流体サンプル中の細胞集団の鑑別分析のための方法であって、請求項5記載の溶解試薬系による細胞のサブ集団の選択的溶血及び残留細胞集団の分析を含んで成る方法。
- 前記流体サンプルがヒト由来の非末梢流体である、請求項22記載の方法。
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