JP3676713B2 - 経路探索装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノードとブランチとで経路を表現したグラフにおいて、始点ノードから終点ノードに至る経路を探索する経路探索装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ノードとブランチとで経路を表現したグラフにおいて、始点ノードから終点ノードに至る全経路を探索する装置として、たとえば、特開平07−015469号公報に記載されたものがある。
【0003】
この全経路探索装置は、いわゆる総当たり方式によって全経路を探索するものであり、この総当たり方式について図13を参照して説明する。
【0004】
図13において、始点ノードをA点、終点ノードをB点としたとき、まず、始点ノードAから伸びる全中継路について接続先ノードを調べ、それが終点ノードBであったならば、その経路を格納する。接続先ノードが終点ノードBでなかったならば、さらにその接続先ノードから伸びる全ての中継路について接続先ノードが終点ノードBか否かを調べていき、最終的に終点ノードBに到達すれば、その経路を格納する。
【0005】
このように、従来の装置では、全ての接続先ノードから伸びる全ての中継路について経路を調べていくことで始点ノードAから終点ノードBへの全経路を探索している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の経路探索装置は、上記のように構成されているため、ノード数やブランチ数が増加するのに伴って経路探索の組み合わせ数が増大し、経路探索に時間を要する。
【0007】
また、最短経路探索に関しては、従来より、Kurskalの算法や、ダイクストラム法などの手法がある。しかし、従来の上記手法では、目的関数の設定の仕方(マイナスの評価のブランチがある場合など)によっては、局所最適解にはまって全体的な最適経路を探索できない場合が発生するなどの問題が生じる。
【0008】
本発明は、上述の問題を解決するためになされたもので、始点ノードから終点ノードまでの経路探索を確実かつ短時間の内に行うことができる経路探索装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するために、次の構成を採用している。
すなわち、請求項1記載の発明に係る経路探索装置は、ノードとブランチとで経路を表現したグラフにおいて、予め設定された始点ノードと終点ノードに対して各ブランチが経路と成り得るか否かを示す各ブランチの感度を算出して感度を持つブランチのみを抽出するブランチ感度算出手段と、このブランチ感度算出手段で抽出されたグラフに含まれるループ構成を探索し、探索したループ構成を切断して前記グラフを放射状構成とするための切断対象となるブランチの組み合わせを作成する放射状構成作成手段と、この放射状構成作成手段により切断対象となるブランチを切断して作成された放射状構成のグラフに基づいて始点ノードから終点ノードに至る経路の候補を全て探索する全経路探索手段と、を備えることを特徴としている。
【0010】
請求項2記載の発明に係る経路探索装置は、請求項1に記載の発明の構成において、前記全経路探索手段で探索される経路の内から、ブランチの進行方向の制約を満たす経路の候補を探索する進行方向制約付経路探索手段を有することを特徴としている。
【0011】
請求項3記載の発明に係る経路探索装置は、請求項1または請求項2に記載の発明の構成において、始点ノードから終点ノードに至る途中に指定された中継点ノードを経由する経路の候補を全て探索する中継点経由経路探索手段を有することを特徴としている。
【0012】
請求項4記載の発明に係る経路探索装置は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の発明の構成において、前記全経路探索手段で探索される経路の内から、最小コストとなる経路を探索する最小コスト経路探索手段を有することを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る経路探索装置の構成を示すブロック図である。
この経路探索装置1は、ハードディスクなどで構成される探索データ格納部11と、マイクロコンピュータなどで構成される探索処理部12とからなる。
【0014】
探索データ格納部11は、ノードブランチ接続情報格納装置51を有している。このノードブランチ接続情報格納装置51には、ブランチ数、ノード数、始点ノード番号、終点ノード番号などのノードブランチ接続情報が予め格納されている。
【0015】
探索処理部12は、ノードブランチ接続情報格納装置51に格納されているノードブランチ接続情報に基づいて経路探索を行うもので、ブランチ感度算出手段61、放射状構成作成手段62、および全経路探索手段63を含む。なお、探索処理部12の探索処理結果は、図示しないディスプレイやプリンタ等の出力装置に出力されるようになっている。
【0016】
ブランチ感度算出手段61は、探索データ格納部11のノードブランチ接続情報格納装置51から生成されたノードブランチ接続情報に基づき、ノードとブランチとで経路を表現したグラフにおいて、予め設定された始点ノードと終点ノードに対して各ブランチが経路と成り得るか否かを示す各ブランチの感度を算出して感度を持つブランチのみを抽出するものである。
【0017】
また、放射状構成作成手段62は、ブランチ感度算出手段61で抽出されたグラフに含まれるループ構成を探索し、探索したループ構成を切断してグラフを放射状構成とするための切断対象となるブランチの組み合わせを作成するものである。
【0018】
さらに、全経路探索手段63は、放射状構成作成手段62により切断対象となるブランチを切断して作成された放射状構成のグラフに基づいて始点ノードから終点ノードに至る経路の候補を全て探索するものである。
【0019】
次に、上記構成を有する経路探索装置1における全経路探索処理動作について、図2に示すフローチャート、および図3ないし図7に示す説明図を参照して説明する。なお、符号Sは各処理ステップを意味する。
【0020】
まず、ブランチ感度算出手段61は、ノードブランチ接続情報格納装置51に予め格納されているノードブランチ接続情報を読み込み(S1)、予め設定された始点ノードと終点ノードに対する各ブランチが経路と成り得るか否かを示す各ブランチの感度を算出し、感度を持つブランチのみを抽出する(S2)。
【0021】
たとえば、図3に示すようなノードとブランチとで経路を表現したグラフがあるとした場合に、始点ノードを番号2のノード、終点ノードを番号6のノードとし、始点ノードを送電側と考えて電源発生地点であるスラックノードとして定義し、また、終点ノードを受電側と考えて負荷量1MWの負荷ノードとして定義したとする。このとき、各ブランチにランダムなインピーダンスを設定して潮流計算を実行すると、潮流が流れるブランチと潮流が流れないブランチとが存在することになる。図3では、潮流が流れるブランチは、番号2,3,4,5,6,7のブランチで、潮流が流れないブランチは番号1,8,9,10,11である。この内、潮流が流れないブランチは、始点ノードと終点ノードに関して無関係、すなわち感度は無くて0と考えることができる。
【0022】
このように、始点ノードと終点ノードに複数のブランチが接続している場合に、複数のブランチの内で経路の候補となるブランチは0以外の数値をもち、始点ノードと終点ノードに関して無関係なブランチは感度が0となる。そこで、感度が0のブランチは、始点ノードと終点ノードを結ぶ経路には無関係であるので、このようなブランチを切断して削除する(S3)。また、感度が0のブランチを削除することにより、接続するブランチが全て切断されていて、いずれのノードとも接続されない状態となった浮きノードについても、経路探索には無関係となるため削除する。
【0023】
こうして、図3において始点ノードと終点ノードに関して不要なノードおよびブランチを削除すると、探索対象となるノードとブランチは図4に示すようになる。したがって、経路探索を行う上で探索対象となるノード数とブランチ数とが減少されるため、経路探索処理の効率化を図ることができる。
【0024】
次に、放射状構成作成手段62は、ブランチ感度算出手段61で抽出されたグラフ(たとえば図4)についてループ構成を探索してループ構成のある部分を抽出する(S4)。この場合のループ構成の抽出は、たとえば次のアルゴリズムによって行われる。
【0025】
▲1▼ 全てのノードを最初は未チェックとする。
▲2▼ 始点ノードをチェック済みとする。
▲3▼ ある一つのブランチに着目する。
▲4▼ この着目したブランチの両端にあるノードについて、a)両端ノードのいずれか一方がチェック済みであれば、チェック済みでない方のノードをチェック済みとした後、次のブランチに着目する。b)両端ノードが何れも未チェックであれば、次のブランチに着目する。c)両端ノードが何れもチェック済みであれば、このブランチはループに所属しているため、このブランチをループ構成のブランチとして登録した後、次のブランチに着目する。
▲5▼ 上記の▲4▼の処理をチェック済みのノード数が変化しなくなるまで繰り返す。
これにより、たとえば図4におけるグラフでは、図5(a),(b)に示すように2つのループ構成1,2が抽出されることになる。
【0026】
続いて、放射状構成作成手段62は、ステップ4で抽出した各ループ構成について、各ループごとに切断するブランチを一つ選択し、グラフを非ループ構成とするための切断対象となるブランチの組み合わせを作成する(S5)。以下、非ループ構成のブランチのことを放射状構成のブランチと称する。
【0027】
たとえば、図5に示した2つのループ構成1,2に対して、図6(a)では切断対象としてブランチ3,2の組み合わせが、図6(b)ではブランチ4,5の組み合わせが、図6(c)ではブランチ4,4の組み合わせがそれぞれ作成されている。図6では、切断対象となるブランチの組み合わせとして3つの例を示しているが、図5における2つのループ構成1,2に対する切断対象となるブランチの組み合わせは、図7に示すように9個の組み合わせがある。
【0028】
このように、放射状構成作成手段62は、グラフに含まれるループ構成を抽出した後、各ループごとに一つのブランチを切断してグラフを放射状構成とするための切断対象となるブランチの組み合わせを作成するが、このような処理を行うのは、次の理由による。
【0029】
始点ノードから終点ノードまでの一つの経路を探索することは、始点ノードから終点ノードまでを一筆書きで放射状構成を作成するこを意味する。また、グラフをこのような放射状構成とするためには、ループを構成している少なくとも1つのブランチを切断することが必要である。このため、グラフに含まれるループ構成の部分に着目し、そのループ構成のブランチを切断して非ループとなるブランチを作成することが、放射状構成を作成する上で最も効率がよいことになる。
【0030】
次に、全経路探索手段63は、放射状構成作成手段62によって切断対象となるブランチの組み合わせに従ってブランチを切断したことにより得られたグラフが放射状構成となっているか否かを判断する(S6)。ここで、グラフが放射状構成となる条件は、浮きノードがないときには、『ノード数=ブランチ数+1』の関係があるので、この関係に基づいてグラフが放射状構成となっているか否かを判断する。
【0031】
たとえば、図6(a)に示すようにループ構成1についてはブランチ3を、ループ構成2についてはブランチ2をそれぞれ切断すると、切断後のグラフは同図(a)右端に示すようになるが、このとき、ノード数3でブランチ数2となるため、グラフは放射状構成である。また、図6(b)に示すようにループ構成1についてはブランチ4を、ループ構成2についてはブランチ5をそれぞれ切断すると、切断後のグラフは同図(b)右端に示すようになるが、このとき、ノード数4でブランチ数3となるためグラフは放射状構成である。さらに、図6(c)に示すようにループ構成1についてはブランチ4を、ループ構成2についてはブランチ4をそれぞれ切断すると、切断後のグラフは同図(c)右端に示すようになるが、このとき、ループ構成1とループ構成2で切断するブランチが重複しているのでノード数4に対しブランチ数4となり、したがってグラフは放射状構成にならない。
【0032】
次いで、全経路探索手段63は、放射状構成とならない場合には、この組み合わせを無効としてステップ8に処理を移す。また、放射状構成となる場合は、続いて、終点ノードから始点ノードへ順に辿ったブランチを一つの経路として格納する(S7)。
【0033】
引き続いて、全経路探索手段63は、ループ構成を切断してグラフを放射状構成とするための切断対象となるブランチの組み合わせを全て実施したかを判定する(S8)。このとき、全ての組み合わせについて処理が終了していない場合は、ステップ5に処理を移し、全ての組み合わせについて処理が終了するまでステップ5〜ステップ8を繰り返す。このようにして、たとえば、図4のグラフにおいて、このグラフを放射状構成とするための切断対象となる全てのブランチの組み合わせ結果を示すと図7に示すようになる。
【0034】
全経路探索手段63は、上記のステップ8で全ての組み合わせについて処理が終了したならば、次に、探索した経路について重複する経路の組み合わせが存在するか否かを判定する(S9)。そして、重複する経路の組み合わせが存在する場合には、作成された放射状構成の経路について、重複する経路の組み合わせを統一する(S10)。
【0035】
たとえば、図7に示すようにして探索された9個の経路の組み合わせの内で重複した経路については、一つの経路に統一すると、以下の3通りとなる。なお、数字はブランチ番号である。
経路1:4→7
経路2:2→5→7
経路3:3→6→7
【0036】
従来の場合、全経路探索を実施する場合には、経路探索の対象となる組み合わせ数は2n(n:ブランチ数)であったのに対して、この実施の形態1のように、ループ構成のみに着目すると、経路探索の対象となる組み合わせ数は、RB1×RB2×…(RB1、RB2、…は、各ループ内のブランチ数)となる。図3に示す例の場合、従来の方法で全探索で実施したときには211=2048通りの組み合わせになるのに対して、この実施の形態1のようにループ構成のみに着目すると経路探索の対象となる組み合わせ数は、3×3=9通りの組み合わせ数となる。このように、経路探索を行う上での除外対象とするブランチをループを構成しているブランチに限定することにより、経路探索の効率化を図ることができ、全経路探索に要する時間を短縮化することが可能になる。
【0037】
実施の形態2.
図8は本発明の実施の形態2に係る経路探索装置の構成を示すブロック図であり、図1に示した実施の形態1における経路探索装置と対応する構成部分には同一の符号を付す。
【0038】
この実施の形態2の経路探索装置2において、探索データ格納部21には、ノードブランチ接続情報格納装置51に加えて、ブランチ進行方向制約格納装置52が設けられている。そして、このブランチ進行方向制約格納装置52には、始点ノードから終点ノードに至るまでに経由する各ブランチにおける時間的制約、費用的制約、方向的制約、エネルギー的制約などといったブランチ進行方向の制約条件となる情報が予め格納されている。
【0039】
また、探索処理部22には、ブランチ感度算出手段61、放射状構成作成手段62、および全経路探索手段63に加えて、進行方向制約付経路探索手段64が設けられている。この進行方向制約付経路探索手段64は、全経路探索手段63で探索される経路の内から、ブランチ進行方向制約格納装置52に格納されているブランチの進行方向の制約条件を満たす経路の候補を探索するものである。
その他の構成は実施の形態1と同様であるから、ここでは詳しい説明は省略する。
【0040】
次に、この実施の形態2の経路探索装置2における経路探索処理動作について、特に、進行方向制約付経路探索手段64の動作を主体に説明する。
【0041】
たとえば、図9に示すように、全経路探索手段63によって探索された経路の組み合わせが、次の3通りであったとする。数字はブランチ番号である。
経路1:4→7
経路2:2→5→7
経路3:3→6→7
【0042】
ここで、たとえば電力会社間の電力融通の経路について考えると、各ノードを電力会社とし、始点ノード2が送電側の電力会社、終点ノード6が受電側電力会社、各ブランチを電力会社間の連系設備とし、送電側電力会社2は、融通電力を受電側電力会社6に融通するものとする。
【0043】
このとき、経路3の途中にある電力会社(ノード)4と電力会社(ノード)5の間の連系設備(ブランチ)6が設備容量の限度超過などの理由によって電力会社4から電力会社5への融通ができない状況にあるとすると、経路3を電力融通経路として採用することができない。したがって、進行方向制約付経路探索手段64は、経路1,2のみが電力会社間の電力融通の可能な経路(つまり、進行方向の制約を満たす経路)として採用する。
【0044】
このように、この実施の形態2では、各連系設備(ブランチ)に対して融通電力上限値のように、経路の進行方向の制約となる条件を指定することによって進行方向の制約を満たす経路を探索することができる。
【0045】
実施の形態3.
図10は本発明の実施の形態3に係る経路探索装置の構成を示すブロック図であり、図1に示した実施の形態1における経路探索装置と対応する構成部分には同一の符号を付す。
【0046】
この実施の形態3の経路探索装置3において、探索データ格納部31には、ノードブランチ接続情報格納装置51に加えて、中継点指定データ格納装置53が設けられている。そして、この中継点指定データ格納装置53には、始点ノードから終点ノードに至るまでに経由すべき各中継点を指定するための情報が予め格納されている。
【0047】
また、探索処理部32には、ブランチ感度算出手段61、放射状構成作成手段62、および全経路探索手段63に加えて、中継点経由経路探索手段65が設けられている。この中継点経由経路探索手段65は、中継点指定データ格納装置53に格納されている中継点ノードに基づいて、始点ノードから終点ノードに至る途中に指定された中継点ノードを経由する経路の候補を全て探索するものである。
その他の構成は実施の形態1と同様であるから、ここでは詳しい説明は省略する。
【0048】
次に、この実施の形態3の経路探索装置3における経路探索処理動作について、特に、中継点経由経路探索手段65の動作を主体に説明する。
【0049】
たとえば、図3に示したグラフにおいて、ノードブランチ接続情報格納装置51の情報によって始点ノードはノード番号2、終点ノードはノード番号6に指定され、また、中継点指定データ格納装置53の情報によって中継点ノードとしてノード番号3が指定されているものとする。
【0050】
このとき、まず、実施の形態1の場合と同様に、ブランチ感度算出手段61、放射状構成作成手段62、および全経路探索手段63によって全経路探索を行い、検索された全経路の組み合わせが、次の3通りであったとする。数字はノード番号である。
経路1:2→3→5→6
経路2:2→5→6
経路3:2→4→5→6
【0051】
ここで、中継点経由経路探索手段65は、中継点指定データ格納装置53に格納されている中継点ノードが含まれる経路を採用し、中継点ノードが含まない経路は採用しない。したがって、図3に示したグラフの例では、
経路1:2→3→5→6(数字はノード番号)
が指定された中継点ノードが含まれる経路として得られる。
【0052】
なお、複数の中継点ノードが指定されている場合には、中継点経由経路探索手段65は上記の要領によってすべての中継点ノードが含まれる経路のみを採用する。
【0053】
実施の形態4.
図11は本発明の実施の形態4に係る経路探索装置の構成を示すブロック図であり、図1に示した実施の形態1における経路探索装置と対応する構成部分には同一の符号を付す。
【0054】
この実施の形態4の経路探索装置4において、探索データ格納部41には、ノードブランチ接続情報格納装置51に加えて、ブランチコストデータ格納装置54が設けられている。そして、このブランチコストデータ格納装置54には、各ブランチのコスト情報が予め格納されている。
【0055】
また、探索処理部42には、ブランチ感度算出手段61、放射状構成作成手段62、および全経路探索手段63に加えて、最小コスト経路探索手段66が設けられている。この最小コスト経路探索手段66は、ブランチコストデータ格納装置54に格納されている情報に基づいて、全経路探索手段63で探索される経路の内から、最小コストとなる経路を探索するものである。
その他の構成は実施の形態1と同様であるから、ここでは詳しい説明は省略する。
【0056】
次に、この実施の形態4の経路探索装置4における経路探索処理動作について、特に、最小コスト経路探索手段66の動作を主体に説明する。
【0057】
たとえば、図12に示すように、全経路探索手段63によって探索された経路の組み合わせが、次の3通りであったとする。数字はブランチ番号である。
経路1:4→7
経路2:2→5→7
経路3:3→6→7
【0058】
ここで、たとえば最も送電ロスが少ない電力会社間の融通経路を決定することを考えると、始点ノード2を送電側電力会社、終点ノード6を受電側電力会社としたとき、最小コスト経路探索手段66は、全経路探索手段63によって探索された全経路について送電ロスの計算を行う。
【0059】
この場合の送電ロスの計算は、各電力会社の受給口に対して送電設備などのインピーダンスより決まる損失率を用いて行うことができる。たとえば、図12において、電力会社(ノード)2から電力会社(ノード)3に送電するときの損失率は3%、電力会社(ノード)3から電力会社(ノード)5に送電するときの損失率は2%のようになっている。
【0060】
このとき、送電側電力会社から受電側電力会社への経路は前述のように経路1:4→7、経路2:2→5→7、経路3:3→6→7であり、送電会社から1MWの融通電力が送電されるとすると、各経路による受電会社までの送電ロスは以下のように算出される。
【0061】
経路1の送電ロス:
1−(1−0.06)×(1−0.01)×1MW=0.0694MW
経路2の送電ロス:
1−(1−0.03)×(1−0.02)×(1−0.01)×1MW=0.0589MW
経路3の送電ロス:
1−(1−0.04)×(1−0.04)×(1−0.01)×1MW=0.0876MW
したがって、最小コスト経路探索手段66は、最小送電ロスの経路として経路2を選択する。
【0062】
なお、上記の実施の形態2〜4では、進行方向制約付経路探索手段64、中継点経由経路探索手段65、最小コスト経路探索手段66をそれぞれ単独に設けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、必要に応じてこれらの各手段64,65,66を適宜組み合わせた構成とすることが可能である。
【0063】
また、上記の実施の形態1〜4では、ノード・ブランチで表現されるグラフとして送電経路を一例にとって説明したが、本発明はこのような送電経路に限定されるものではなく、経路を経由して通過する人、物、金銭、エネルギー、通信、情報などの各種の分野について本発明を適用することができる。たとえば、カーナビゲーションの最短経路探索として、出発地と目的地の最短時間の経路を探索することができる。この場合の進行方向制約条件としては、一方通行や混雑経路回避などの制約がある。また、ネットワークの通信経路探索として、ネットワーク回線故障時の迂回経路を探索することができる。この場合の進行方向制約条件としては、ルータのルーティングやトラフィックなどの制約がある。
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、次の効果を奏する。
請求項1記載に係る発明の経路探索装置は、従来の手法に比べて始点ノードから終点ノードまでの経路探索の組み合わせ数を減少させることができるため、始点ノードから終点ノードに至るまでの全経路探索を短時間の内に効率良く行うことができる。
【0065】
請求項2記載に係る発明の経路探索装置は、請求項1記載の発明の効果に加えて、始点ノードから終点ノードの間の経路に進行方向の制約がある場合にも、この条件を満たす経路の候補を全て探索することができる。
【0066】
請求項3記載に係る発明の経路探索装置は、請求項1または請求項2記載の発明の効果に加えて、始点ノードから終点ノードの間の経路に所定の中継点を経由すべき制約がある場合にも、この条件を満たす経路の候補を全て探索することができる。
【0067】
請求項4記載の発明に係る経路探索装置は、請求項1ないし請求項3記載のいずれかの発明の効果に加えて、始点ノードから終点ノードに至るまでに最小コストが必要であるという制約がある場合にも、この最小コストの条件を満たす経路の候補を全て探索することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る経路探索装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 図1の経路探索装置における全経路探索処理動作の説明に供するフローチャートである。
【図3】 経路探索処理対象となるグラフの一例を示す説明図である。
【図4】 ブランチ感度算出手段によりブランチ感度を算出する場合の一例を示す説明図である。
【図5】 放射状構成作成手段によりループ構成を抽出する場合の一例を示す説明図である。
【図6】 放射状構成作成手段により放射状構成を作成する場合の一例を示す説明図である。
【図7】 全経路探索手段による全経路探索結果の一例を表にして示す説明図である。
【図8】 本発明の実施の形態2に係る経路探索装置の構成を示すブロック図である。
【図9】 進行方向制約付経路探索手段により進行方向制約を満たす経路を探索する場合の一例を示す説明図である。
【図10】 本発明の実施の形態3に係る経路探索装置の構成を示すブロック図である。
【図11】 本発明の実施の形態4に係る経路探索装置の構成を示すブロック図である。
【図12】 最小コスト経路探索手段により最小コスト(最小送電ロス)の経路を探索する場合の一例を示す説明図である。
【図13】 従来の全経路探索装置による全経路探索処理対象となるグラフの一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1,2,3,4 経路探索装置、11,21,31,41 探索データ格納部、12,22,32,42 探索処理部、61 ブランチ感度算出手段、62 放射状構成作成手段、63 全経路探索手段、64 進行方向制約付経路探索手段、65 中継点経由経路探索手段、66 最小コスト経路探索手段。
Claims (4)
- ノードとブランチとで経路を表現したグラフにおいて、予め設定された始点ノードと終点ノードに対して各ブランチが経路と成り得るか否かを示す各ブランチの感度を算出して感度を持つブランチのみを抽出するブランチ感度算出手段と、このブランチ感度算出手段で抽出されたグラフに含まれるループ構成を探索し、探索したループ構成を切断して前記グラフを放射状構成とするための切断対象となるブランチの組み合わせを作成する放射状構成作成手段と、この放射状構成作成手段により切断対象となるブランチを切断して作成された放射状構成のグラフに基づいて始点ノードから終点ノードに至る経路の候補を全て探索する全経路探索手段とを備えたことを特徴とする経路探索装置。
- 前記全経路探索手段で探索される経路の内から、ブランチの進行方向の制約を満たす経路の候補を探索する進行方向制約付経路探索手段を有することを特徴とする請求項1に記載の経路探索装置。
- 始点ノードから終点ノードに至る途中に指定された中継点ノードを経由する経路の候補を全て探索する中継点経由経路探索手段を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の経路探索装置。
- 前記全経路探索手段で探索される経路の内から、最小コストとなる経路を探索する最小コスト経路探索手段を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の経路探索装置。
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