JP3676571B2 - ナビゲーションシステム及び方法並びにナビゲーション用ソフトウェアを記録した記録媒体 - Google Patents

ナビゲーションシステム及び方法並びにナビゲーション用ソフトウェアを記録した記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、音声認識を使ったナビゲーションにかかわるもので、より具体的には、アンサーバックを条件に応じて変化させることで、操作の効率を改善したものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車に代表される移動体の道案内を自動的に行う電子機器として、ナビゲーションシステムが知られている。ナビゲーションシステムは、人工衛星からの電波やジャイロなどを使って、搭載している自動車(自車)の現在位置(自車位置)を計算し、液晶表示パネルなどの表示画面で、自車位置を地図上でコンピュータグラフィックス表示しながら、次にどこをどちらへ曲がればよいといった道案内をするものである。
【0003】
また、このようなナビゲーションシステムに音声認識の技術を適用し、あらかじめ決められたいろいろな語句を発話(発声)することで、ナビゲーションシステムを操作するようにした例も知られている。このような音声認識では、関連する技術もいろいろ提案されているが、典型的には、認識しようとする語句ごとの特徴を表す特徴パラメータや波形などのデータ、すなわち認識用辞書をあらかじめ用意しておく。そして、マイクロホンから入力される音声をデジタル信号に変換し、上に述べた認識用辞書とパタンマッチングすることで、発話された語句を認識する。
【0004】
そして、このような音声認識でナビゲーションシステムを制御する場合、メニューの階層構造などを辿りながら、ナビゲーションシステムからのアナウンスなどに従って順次、段階を踏んで決められた語句を発話することで、必要とする機能に到達しなければならない。
【0005】
そして、このような操作の途中の段階では、次にどのような操作をすればよいかについてのアナウンスや、何らかの処理を実行した結果についてのアナウンスなどのメッセージが、合成音声や画面上の文字列などの形で出力される。このように、ユーザが操作したのに応じてナビゲーションシステムが出力するメッセージや、そのようなメッセージを出力することをアンサーバックと呼ぶ。
【0006】
従来では、このアンサーバックの内容については、認識される語句ごとに、アンサーバックをするかしないかのどちらかが決められていて、また、個々の語句ごとに、アンサーバックの内容や、どのような動作をするかについても1種類に固定されていた。さらに、発話された語句が認識できなかったときは、どのような操作の途中かといった状況とは関係なく、「認識出来ません」などの定型的なアンサーバックを出力していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、目的とする処理をさせるために語句の発話などの操作を順次進めていくようなシステムでは、上に述べたように、発話された語句に応じて状況を問わずに同じアンサーバックが出力されると、ユーザが慣れるほどシステムからの対応がくどいことになり、ユーザインターフェースの快適さを損なうという問題があった。また、そのような同じアンサーバックを繰り返すと、アンサーバックをユーザが理解して受け入れる時間や、他の情報を表示する為の画面スペースなどを無駄遣いすることになり、操作の効率が悪くなるという問題もあった。
【0008】
つまり、ある語句を発話したのに対して、ある動作が実行されることで起きる変化が、画面上ではっきりとわかるような場合にもアンサーバックが出てしまうのはユーザにとって煩わしく、操作の快適さを損なっていた。
【0009】
しかし、一方で、そのような語句について、どのような状況でもアンサーバックを出さないようなシステムでは、逆に、次に何を発話すれば良いのか分からないような場面に遭遇することで、効率的な操作が難しくなる。
【0010】
また、1つの語句に対して、どのような状況であるかとは関係なく固定された動作をするシステムでは、動作ごとにそれぞれ互いに違った語句を割り当てなければならない。このため、ユーザが覚えなければならない語句の数が増え、使い勝手が悪くなるだけでなく、認識用辞書の容量が大きくなったり、認識精度が落ちるといった問題もあった。
【0011】
さらに、語句が認識されなかった場合のアンサーバックや動作が、状況にかかわらず固定されていると、ユーザにはただ単に語句が認識されなかったということしかわからず、その状況では次にどのような操作をすればよいのかに対するヒント等は与えられない。従来のシステムにおけるこのような対応は不親切であり、ユーザを困惑させる原因になり、もっと操作しやすいナビゲーションシステムが潜在的に求められていた。
【0012】
この発明は、上に述べたような従来技術の問題点を解決するために提案されたもので、その目的は、音声認識を使ったナビゲーションにかかわる技術において、アンサーバックの有無を変化させることで、操作の効率を改善することである。また、この発明の他の目的は、同じ語句が発話されたときでも条件に応じて違った処理をすることで操作を容易にすることである。また、この発明の他の目的は、アンサーバックの内容を条件に応じて変化させることで、操作を容易にすることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上に述べた目的を達成するため、請求項1の発明は、発話された語句を音声認識する手段と、ナビゲーションにかかわる処理を、認識された語句に応じて行う手段と、おこなった処理に応じてメッセージをアンサーバックする手段と、を備えたナビゲーションシステムにおいて、あらかじめ決められた条件に応じて、アンサーバックするかどうかを制御する制御手段を備えたことを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1の発明を方法という見方からとらえたもので、発話された語句を音声認識するステップと、ナビゲーションにかかわる処理を、認識された語句に応じて行うステップと、おこなった処理に応じてメッセージをアンサーバックするステップと、を含むナビゲーション方法において、あらかじめ決められた条件に応じて、アンサーバックするかどうかを制御する制御のステップを含むことを特徴とする。
請求項14の発明は、請求項1,8の発明を、コンピュータのソフトウェアを記録した記録媒体という見方からとらえたもので、コンピュータを使って移動体のナビゲーションをするためのナビゲーション用ソフトウェアを記録した記録媒体において、そのソフトウェアは前記コンピュータに、発話された語句を音声認識させ、ナビゲーションにかかわる処理を、認識された語句に応じて行わせ、おこなった処理に応じてメッセージをアンサーバックさせ、あらかじめ決められた条件に応じて、アンサーバックするかどうかを制御させることを特徴とする。 請求項1,8,14の発明では、同じ語句に応じた処理をするときでも、どの画面のどの状況で発話されたかや、その前にどの語句が発話されたかといった状況に応じてアンサーバックを出したり出さなかったりする。これによって、必要な情報をユーザに与えながら、画面や音声による余分なアンサーバックをなくして操作のときの煩わしさを解消し、操作の効率を改善することができる。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1記載のナビゲーションシステムにおいて、基本画面とメニュー画面とを表示する手段と、それぞれの前記語句ごとに、前記処理にかかわるメッセージと、フラグと、を格納する手段と、を備え、前記制御手段は、語句に対応するフラグがあらかじめ決められた状態の場合、その語句が前記基本画面で発話されたときは前記メッセージをアンサーバックし、その語句が前記メニュー画面で発話されたときは前記メッセージをアンサーバックしないように制御することを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項2の発明を方法という見方からとらえたもので、請求項8記載のナビゲーション方法において、基本画面を表示するステップと、メニュー画面を表示するステップと、それぞれの前記語句ごとに、前記処理にかかわるメッセージと、フラグと、をあらかじめ格納しておき、前記制御のステップは、語句に対応するフラグがあらかじめ決められた状態の場合、その語句が前記基本画面で発話されたときは前記メッセージをアンサーバックし、その語句が前記メニュー画面で発話されたときは前記メッセージをアンサーバックしないように制御することを特徴とする。
請求項2,9の発明では、自車周辺の地図表示などの基本画面から発話したときと、階層的メニューなどのメニュー画面から発話したときとで、アンサーバックの有無を変えるかどうかを、フラグによってきめ細かく制御できるので、処理の内容に応じて優れた操作効率を実現できる。
【0015】
請求項3のナビゲーションシステムは、発話された語句を音声認識する手段と、ナビゲーションにかかわる処理を、認識された語句に応じて行う手段と、同じ語句が認識された場合でも、あらかじめ決められた条件に応じて違った処理を行うように制御する制御手段を備えたことを特徴とする。
請求項10のナビゲーション方法は、請求項3の発明を方法という見方からとらえたもので、発話された語句を音声認識するステップと、ナビゲーションにかかわる処理を、認識された語句に応じて行うステップと、同じ語句が認識された場合でも、あらかじめ決められた条件に応じて違った処理を行うように制御するステップと、を含むことを特徴とする。
請求項15の発明は、請求項3,10の発明を、コンピュータのソフトウェアを記録した記録媒体という見方からとらえたもので、コンピュータを使って移動体のナビゲーションをするためのナビゲーション用ソフトウェアを記録した記録媒体において、そのソフトウェアは前記コンピュータに、発話された語句を音声認識させ、ナビゲーションにかかわる処理を、認識された語句に応じて行わせ、同じ語句が認識された場合でも、あらかじめ決められた条件に応じて違った処理を行わせることを特徴とする。
請求項3,10,15の発明では、同じ語句が認識された場合でも、どの画面のどの状況で発話されたかや、その前にどの語句が発話されたかといった状況に応じて、違った処理を行う。このため、ユーザが「この状況では、この言葉」と言うように状況毎に違った語句を覚える必要が少なくなり、より直感的に操作できるので、操作が容易になる。また、同じ語句を違った処理に使い回せるので、メニュー構成を作る上でも汎用性や柔軟性が向上する。
【0016】
請求項4の発明は、請求項3記載のナビゲーションシステムにおいて、基本画面とメニュー画面とを表示する手段を備え、前記制御手段は、ナビゲーションシステムの設定を変更するための語句が前記基本画面で発話されたときは、設定の変更と、あらかじめ決められたメッセージのアンサーバックを行い、ナビゲーションシステムの設定を変更するための語句が前記メニュー画面で発話されたときは、その設定についてどのような選択肢があるかを表す設定画面を表示させるように構成されたことを特徴とする。
請求項4の発明では、地図の表示色など設定を変更するための同じ語句でも、基本画面から直接発話したときは設定の変更とメッセージのアンサーバックを行い、一方、メニュー画面から発話したときは、その設定についてどのような選択肢があるかを表す設定画面を表示する。すなわち、基本画面から直接発話するというのは慣れた使い方であるから、設定画面で他の選択肢を示すことをせずにそのまま設定を変更し、語句を認識して変更したことを確認する意味でメッセージでユーザに知らせる。
一方、メニュー画面を辿って発話するというのは不慣れな使い方であるから、設定画面でどのような選択肢があるかを示して選択させ、その代わり、設定を変更したことやどの選択肢を選んだかは設定画面から明らかなので、メッセージは出力しない。このように、ユーザがどのくらい慣れているかに応じて違った処理をすることで、ナビゲーションシステムの設定が変更しやすくなる。
【0017】
請求項5の発明は、発話された語句を音声認識する手段と、ナビゲーションにかかわる処理を、認識された語句に応じて行う手段と、おこなった処理に応じてメッセージをアンサーバックする手段と、を備えたナビゲーションシステムにおいて、あらかじめ決められた条件に応じて、アンサーバックするメッセージの内容を変える制御手段を備えたことを特徴とする。
請求項11の発明は、請求項5の発明を方法という見方からとらえたもので、において、発話された語句を音声認識するステップと、ナビゲーションにかかわる処理を、認識された語句に応じて行うステップと、おこなった処理に応じてメッセージをアンサーバックするステップと、を含むナビゲーション方法において、あらかじめ決められた条件に応じて、アンサーバックするメッセージの内容を変えるステップを含むことを特徴とする。
請求項5,11の発明では、アンサーバックされるメッセージの内容を、状況に応じた的確な内容に変えることで、ユーザは次に発話すべき内容などを容易に理解でき、操作の効率が向上する。
【0018】
請求項6の発明は、請求項5記載のナビゲーションシステムにおいて、前記語句が認識されたときに出力するためのメッセージを、それぞれの前記語句ごとに格納する手段を備えたことを特徴とする。
請求項12の発明は、請求項6の発明を方法という見方からとらえたもので、請求項11記載のナビゲーション方法において、前記語句が認識されたときに出力するためのメッセージを、それぞれの前記語句ごとにあらかじめ格納しておくことを特徴とする。
請求項6,12の発明では、語句の発話によってある一連の処理が開始されるような場合、次に何を発話すればよいのかを、その語句に応じたメッセージによってユーザに知らせることができるので、操作が容易になる。
【0019】
請求項7の発明は、請求項5又は6記載のナビゲーションシステムにおいて、前記語句が認識されたのに続いて発話された別の語句が認識できなかったときに出力するためのメッセージを、それぞれの前記語句ごとに格納する手段を備えたことを特徴とする。
請求項13の発明は、請求項7の発明を方法という見方からとらえたもので、請求項11又は12記載のナビゲーション方法において、前記語句が認識されたのに続いて発話された別の語句が認識できなかったときに出力するためのメッセージを、それぞれの前記語句ごとにあらかじめ格納しておくことを特徴とする。
請求項16の発明は、請求項7,13の発明を、コンピュータのソフトウェアを記録した記録媒体という見方からとらえたもので、コンピュータを使って移動体のナビゲーションをするためのナビゲーション用ソフトウェアを記録した記録媒体において、そのソフトウェアは前記コンピュータに、発話された語句を音声認識させ、ナビゲーションにかかわる処理を、認識された語句に応じて行わせ、おこなった処理に応じてメッセージをアンサーバックさせ、前記語句が認識されたときに出力するためのメッセージと、前記語句が認識されたのに続いて発話された別の語句が認識できなかったときに出力するためのメッセージと、をそれぞれの前記語句ごとにあらかじめ格納しておき、これらのメッセージを使って、あらかじめ決められた条件に応じて、アンサーバックするメッセージの内容を変えさせることを特徴とする。
請求項7,13,16の発明では、語句が認識できなかったときにアンサーバックされるメッセージの内容が、先行する語句に応じて変化する。すなわち、先行する語句によってある一連の処理が開始されたが、ユーザが間違った語句を発話するなどして認識されなかったような場合でも、本来は何を発話すればよいのかを、先行する語句すなわち処理の内容に応じたメッセージでユーザに知らせることができる。このため、注意事項のようなユーザへの指示を一度に羅列するように出力する必要がなくなり、使いやすいユーザインタフェースが実現される。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、この発明のナビゲーションシステムの実施の形態(以下「実施形態」という)について、図面を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明で使うそれぞれの図について、それより前で説明した図と同じ部材や同じ種類の部材については同じ符号をつけ、説明は省略する。
【0021】
また、この実施形態は、いろいろなハードウェア装置と、ソフトウェアによって制御されるコンピュータとを使って実現される。この場合、そのソフトウェアは、この明細書の記載にしたがった命令を組み合わせることで作られ、上に述べた従来技術と共通の部分には従来技術で説明した手法も使われる。また、そのソフトウェアは、プログラムコードだけでなく、プログラムコードの実行のときに使うために予め用意されたデータも含む。そして、そのソフトウェアは、ナビゲーションシステムに組み込まれたCPU、各種チップセットといった物理的な処理装置を活用することでこの発明の作用効果を実現する。
【0022】
但し、この発明を実現する具体的なハードウェアやソフトウェアの構成はいろいろ変更することができる。例えば、回路の構成やCPUの処理能力に応じて、ある機能を、LSIなどの物理的な電子回路で実現する場合も、ソフトウェアによって実現する場合も考えられる。また、ソフトウェアを使う部分についても、ソフトウェアの形式には、コンパイラ、アセンブラ、マイクロプログラムなどいろいろ考えられる。また、この発明を実現するソフトウェアを記録した記録媒体は、それ単独でもこの発明の一態様である。
【0023】
以上のように、コンピュータを使ってこの発明を実現する態様はいろいろ考えられるので、以下では、この発明や実施形態に含まれる個々の機能を実現する仮想的回路ブロックを使って、この発明と実施形態とを説明する。
【0024】
〔1.第1実施形態の構成〕
第1実施形態は、メニュー階層を辿って順次発話する操作と、メニュー階層とは関係なく、したい操作を表す語句を直接発話する操作の両方が可能なナビゲーションシステムにかかわるものである。
【0025】
すなわち、この第1実施形態では、図3に示すように、地図を表示している画面から、「メニュー」→「設定」→「画面表示」→「進行方向」→「ヘディングアップ」というように順次、階層を追って操作したときと、図4に示すように、地図を表示している画面から直接「ヘッディングアップ」と言ってショートカットしたときとで、行われる処理と、メッセージがアンサーバックされるかどうかが異なる例である。
【0026】
〔1−1.全体の構成〕
まず、図1は、この実施形態をどのようなハードウェアの上に構成することができるかの例を示す概念図である。この例は、音声認識ユニットVと、ナビゲーションユニットNとを互いに接続するもので、この実施形態の実現に使うハードウェアの一部を示すものである。
【0027】
このうち音声認識ユニットV内のROM(V1)には認識用辞書V2が記憶されている。また、ナビゲーションユニットN内にはCD−ROMドライブがあり、このCD−ROMドライブに挿入されているCD−ROM(N1)には、ナビゲーションシステムの機能を実現するアプリケーションプログラムのほか、各種データを含むデータベースN3が記録されている。また、この実施形態のナビゲーションシステムの機能を実現するためのアプリケーションプログラムN4は、CD−ROM(N1)から読み出され、フラッシュメモリN2に記録される。
【0028】
また、図2は、図1に示したようなハードウェアを使って実現されるこの実施形態について、具体的な構成を示す機能ブロック図である。すなわち、この実施形態は、絶対位置・方位検出部1と、相対方位検出部2と、車速検出部3と、メインCPU及びその周辺回路4と、メモリ群Mと、出力部10と、入力部11と、CD−ROM制御部12と、FM多重受信及び処理部13と、音声認識部14と、を備えている。
【0029】
このうち、絶対位置・方位検出部1は、GPS衛星から送られてくるGPS電波を受信することで、自動車(自車)の現在位置について地表での絶対的な位置座標や方位を計算する手段である。また、相対方位検出部2は、ジャイロなどを使って自動車の相対的な方位を検出する部分である。また、車速検出部3は、自動車より得られる車速パルスを処理することで、車の速度を計算する部分である。
【0030】
また、CD−ROM制御部12は、ナビゲーションシステム用のプログラムや道路地図データなど各種の情報をCD−ROMから読み出す部分である。また、FM多重受信及び処理部13は、複数のアンテナを受信状態に応じて切り換えることで、ラジオのFM放送を受信する部分である。また、音声認識部14は、認識しようとする語句ごとの特徴を表す特徴パラメータや波形のデータ、すなわち認識用辞書141(図1の認識用辞書V2にあたる)を備えた音声認識ユニットであり、マイクロホンから入力される音声をデジタル信号に変換し、認識用辞書141とパタンマッチングすることで、発話された語句を認識する手段である。
【0031】
〔1−2.メインCPU及びその周辺回路の役割〕
また、メインCPU及びその周辺回路4は、ナビゲーションシステム全体を制御する制御回路の役割を果たす部分であり、上に述べたソフトウェアの作用によって、処理部41と、アンサーバック部42と、表示制御部43と、制御部44と、の役割を果たす。
【0032】
このうち、処理部41は、ナビゲーションにかかわる処理を、音声認識部14によって認識された語句に応じて行う手段である。また、アンサーバック部42は、処理部41がおこなった処理に応じて、出力部10に設けられた表示画面や音声合成回路などからメッセージをアンサーバックする手段である。
【0033】
また、表示制御部43は、出力部10に設けられた表示画面にどのような内容を表示するか制御する部分であり、そのよな表示画面に、自車周辺の地図を表示している基本画面と、階層的なメニューのいろいろな段階を表示するメニュー画面とを表示する手段である。
【0034】
また、制御部44は、次のような3つの役割を持っている。このうち第1の役割は、あらかじめ決められた条件に応じて、アンサーバックするかどうかを制御することである。ここで、CD−ROM制御部12によってアクセスされるデータベースN3には、それぞれの前記語句ごとに対応したレコードがあり、個々のレコードには、その語句に対応した処理で使うメッセージと、フラグと、が格納されている。
【0035】
そして、制御部44は、具体的には、上に述べたフラグがあらかじめ決められた状態、すなわち値をとっている場合、アンサーバック部42に対して、次のような制御を行う。すなわち、制御部44は、そのフラグに対応する語句が、表示制御部46によって表示される基本画面で発話されたときは上に述べたメッセージをアンサーバックさせ、その語句が、表示制御部46によって表示されるメニュー画面で発話されたときは前記メッセージをアンサーバックさせないように制御を行う。また、制御部44が持っている第2の役割は、同じ語句が認識された場合でも、あらかじめ決められた条件に応じて違った処理を行うように処理部41を制御することである。
【0036】
すなわち、制御部44は、これら第1と第2の役割を合わせて、処理部41とアンサーバック部42とに対して、次のような制御を行うように構成されている。つまり、制御部44は、ナビゲーションシステムの設定を変更するための「ヘッディングアップ」のような語句が前記基本画面で発話されたときは、設定の変更と、あらかじめ決められたメッセージのアンサーバックを行わせる。一方、制御部44は、ナビゲーションシステムの設定を変更するための語句が前記メニュー画面で発話されたときは、その設定についてどのような選択肢があるかを表す設定画面を表示させる。
【0037】
また、制御部44の持つ第3の役割は、あらかじめ決められた条件に応じて、アンサーバックするメッセージの内容を変えることである。すなわち、データベースN3の語句ごとのレコードに格納されているメッセージは、具体的には文字列からなる次の2種類のメッセージである。1つは、その語句が認識されたときに出力するためのメッセージであり、もう1つは、その語句が認識されたのに続いて発話された別の語句が認識できなかったときに出力するための第2のメッセージであり、この第2のメッセージをNOTメッセージと呼ぶ。
【0038】
例えば、「ホテル」という語句に対応するレコードには、「ホテルの名称を言ってください」といった第1のメッセージと、「正式名称で指示していますか?」といったNOTメッセージを記録しておくことが考えられる。
【0039】
なお、処理部41は、上に述べたほかに、計算された自車位置を利用して、自動車の現在位置をコンピュータグラフィックスの地図上で表示したり、ユーザの指示に応じて道案内を行ったりといったナビゲーションの各種処理を行うように構成されていて、また、I/O制御回路やドライバなどを含む図示しないユーザインタフェースを使って、いろいろな情報の入出力を行うように構成されている。また、メインCPU及びその周辺回路4は、このような各種処理を行う際、メモリ群Mと、出力部10と、入力部11とを利用する。
【0040】
〔1−3.その他の構成〕
すなわち、メモリ群Mは、この実施形態のナビゲーションシステムが動作するのに必要な各種のメモリ、すなわち、BIOSやブートアッププログラムなどを格納しているROM5、ワークエリアなどに使うDRAM6、登録ファイル等の情報を記録する不揮発性メモリとしてのSRAM7、ビデオ表示などに使うVRAM8を含んでいる。
【0041】
また、出力部10は、地図や操作メニューなど各種の情報を液晶表示パネルや音声合成装置などを使って出力するための部分であり、入力部11は、ユーザが命令や目的地などさまざまな情報を入力するための部分である。
【0042】
〔2.第1実施形態の作用〕
上に述べたように構成された第1実施形態は、次のように作用する。
〔2−1.認識用辞書の内容〕
まず、認識用辞書141にはメニューの各階層で使う語句のデータを全て含ませておき、自車周辺の地図を表示しているような基本画面においても、メニューの階層を辿って操作しているときも、常に全ての語句が認識可能な状態にしておく。
【0043】
これはつまり、画面にメニューが表示されていないときに、メニューのある部分で使う語句を発話しても認識されるということであり、同じように、メニューの階層のある部分が表示されているとき、もっとメインメニュー側で別の方向に分岐しなければ表示されないような、別の部分で使う語句を発話しても認識されるということである。
【0044】
〔2−2.語句の認識〕
そして、ユーザからの発話があると、音声認識部14は認識用辞書141を使って発話された語句を認識し、その語句の番号をメインCPU及びその周辺回路4に渡す。ここで、メインCPU及びその周辺回路4の動作は、ナビゲーションシステムの機能を実現するアプリケーションプログラムによって実現される。
【0045】
〔2−3.アプリケーションプログラムによる処理〕
すなわち、これらアプリケーションプログラムでは、語句番号として何番を受け取ったかに応じた処理をあらかじめプログラミングされていて、その動きを実行する。この場合、語句の番号ごとに、どのような動作をプログラミングしておくかは、基本的には、番号と1対1に対応させておく。
【0046】
例えば、メニュー階層のある部分で「システム」という語句を発話できるメニューがあり、その語句を発話すると1つ下の階層のメニューが表示されるとする。このような場合、この「システム」という語句が上に述べた部分のメニュー階層で発話されたときも、それ以外の例えば自車周辺の地図を表示している状態で発話されたときも、いずれも上に述べた同じ「1つ下の階層のメニュー」が表示されるようにしておく。
【0047】
〔2−4.発話による操作の例〕
但し、メニュー階層の最下層の語句は、具体的な操作を行うものであるから、地図上から直接言われたか、またはメニュー上の他の言葉の次に言われたかによって動きを変える様にプログラミングしておく。
【0048】
例えば、図3(a)〜(f)は、メニュー階層にしたがって、決められた語句を順次発話することで「ヘッディングアップ」という操作に辿り着く流れを示す概念図であり、「進行方向」を発話することで表示された設定画面(e)では、「ヘッディングアップ」の他に「ノースアップ」という選択肢があることが表示されている。
【0049】
一方、図4(a),(b)は、自車周辺の道路地図を表示している基本画面から、直接「ヘッディングアップ」と発話するだけで、「ヘッディングアップ」という操作を容易に行う例を示すもので、この例では「ヘッディングアップ」と発話した後の画面(b)では、上に述べた他の選択肢は表示されず、進行方向をヘッディングアップにした旨のメッセージが表示されている。
【0050】
なお、データベースN3には、アプリケーションプログラムが与えられた語句の番号に対応する処理を実行するときに必要な情報、例えば画面上に出力するメッセージなどを語句の番号ごとに対応させて、上に述べたように格納してあるので、アプリケーションプログラムは、CD−ROM制御部12を使ってこのデータを適宜、読み込みながら語句に応じた処理を実行する。
【0051】
ここで、図5は、認識用辞書141を使って認識された語句の番号が、上に述べたアプリケーションプログラムによって処理される例を示す概念図である。この例では、認識用辞書141を使って認識された「ガメンヒョウジ」という語句は8番、「ヘッディングアップ」という語句は19番という語句の番号でアプリケーションプログラムに渡される。
【0052】
このように、認識された語句の語句コードが音声認識部14からメインCPU及びその周辺回路4に渡されると、メインCPU及びその周辺回路4の制御部は、あらかじめ決められた条件にしたがって、アンサーバックをするかどうか、また、どのような処理をするか、について、アンサーバック部42や処理部41を制御する。
【0053】
具体的には、19番の「ヘッディングアップ」については、図5に示すように、基本画面で発話されたときは、設定の変更と、あらかじめ決められたメッセージのアンサーバックが行われる。一方、同じ語句がメニュー画面で発話されたときは、その設定についてどのような選択肢があるかを表す設定画面を表示させる。
【0054】
このように、同じ「ヘッディングアップ」という語句を発話した場合でも、地図(基本画面)上から直接発話されたかどうかに応じて違った画面が表示されることになるが、このような場合に使う「進行方向をヘッディングアップにしました。」といったメッセージなどの情報は、語句の番号ごとに対応させて、データベースN3に格納されているのを読み出したものである。
【0055】
〔2−5.フラグによる制御〕
また、データベースN3では、上に述べたように、メニュー画面から発話された場合と、基本画面から直接発話された場合とでアンサーバックの有無を変えるものについては、語句ごとのレコードのなかで、あらかじめ決められた特定の値をフラグに設定しておく。そして、アプリケーションプログラムは、このフラグの値が上に述べた特定の値になっている語句については、メニュー画面から発話されたときはアンサーバックしないが、基本画面から直接発生された場合はアンサーバックする、という具合にアンサーバックの有無を変化させる。
【0056】
〔3.第1実施形態の効果〕
以上のように、第1実施形態では、同じ語句に応じた処理をするときでも、制御部44の働きによって、どの画面のどの状況で発話されたかや、その前にどの語句が発話されたかといった状況に応じて、アンサーバック部42がアンサーバックを出したり出さなかったりする。これによって、必要な情報をユーザに与えながら、画面や音声による余分なアンサーバックをなくして操作のときの煩わしさを解消し、操作の効率を改善することができる。
【0057】
特に、第1実施形態では、自車周辺の地図表示などの基本画面から発話したときと、階層的メニューなどのメニュー画面から発話したときとで、アンサーバックの有無を変えるかどうかを、データベースN3に格納したフラグによって、制御部44がきめ細かく制御できるので、処理の内容に応じて優れた操作効率を実現できる。
【0058】
具体的には、第1実施形態では、地図の表示色など設定を変更するための同じ語句でも、制御部44の働きによって、基本画面から直接発話したときは設定の変更とメッセージのアンサーバックを行い、一方、メニュー画面から発話したときは、その設定についてどのような選択肢があるかを表す設定画面を表示する。すなわち、基本画面から直接発話するというのは慣れた使い方であるから、設定画面で他の選択肢を示すことをせずにそのまま設定を変更し、語句を認識して変更したことを確認する意味でメッセージでユーザに知らせる。
【0059】
一方、メニュー画面を辿って発話するというのは不慣れな使い方であるから、設定画面でどのような選択肢があるかを示して選択させ、その代わり、設定を変更したことやどの選択肢を選んだかは設定画面から明らかなので、メッセージは出力しない。このように、ユーザがどのくらい慣れているかに応じて違った処理をすることで、ナビゲーションシステムの設定が変更しやすくなる。
【0060】
〔4.第2実施形態〕
第2実施形態は、上に示した第1実施形態とだいたい同じように構成されたナビゲーションシステムにおいて、同じ語句が認識された場合でも、条件に応じて違った処理をする例である。
【0061】
すなわち、第2実施形態では、同じ語句で現わすことができるメニュー項目や処理などがあるとき、音声認識部14の認識辞書内には、1つの語句のデータだけ保有しておき、その語句が認識されて語句コードがメインCPU及びその周辺回路4に渡されると、制御部44が、その時点でどの画面が表示されているか、画面がどのような状態か、前回(最後に)認識された語句は何かといった条件に応じて、処理部41としてプログラミングされている違った動作を使い分けるようにしたものである。
【0062】
〔4−1.スクロール中の場合〕
ここで、図6は、このように同じ語句が発話されても、条件に応じて違った処理を行う一例を示すフローチャートである。すなわち、音声認識部14が同じ「モクテキチ」(目的地)という語句を認識した場合でも(ステップ11)、メニュー画面ではなく地図が表示されている画面で(ステップ12)、しかも、現在の自車位置以外のどこか別の場所までスクロール(移動)させてその場所を地図表示しているときに認識された場合は(ステップ13)、制御部44が処理部41を制御することで、その時表示しているその場所を目的地として走行経路を設定する処理が行われる(ステップ14)。
【0063】
〔4−2.スクロール中でない場合〕
一方、地図の表示ではなく(ステップ12)、例えば階層的なメニューのどこかが表示されているときや、現在の自車位置からスクロールしていないときに(ステップ13)同じ「モクテキ」という語句が認識された場合は、階層的なメニューのうち、その語句に対応する部分が表示される(ステップ15)。
【0064】
〔4−3.第2実施形態の効果〕
以上のように、第1実施形態及び第2実施形態では、同じ語句が認識された場合でも、どの画面のどの状況で発話されたかや、その前にどの語句が発話されたかといった状況に応じて、違った処理を行う。このため、ユーザが「この状況では、この言葉」と言うように状況毎に違った語句を覚える必要が少なくなり、より直感的に操作できるので、操作が容易になる。また、同じ語句を違った処理に使い回せるので、メニュー構成を作る上でも汎用性や柔軟性が向上する。
【0065】
〔5.第3実施形態〕
また、第3実施形態は、第1及び第2実施形態とだいたい同じように構成されたナビゲーションシステムにおいて、発話された語句が認識できないという同じ状況に対して、その前に認識された語句がどれであったかという条件によって違ったメッセージがアンサーバックされる例である。
【0066】
ここでは、ホテル、遊園地、ファミリーレストラン(ファミレス)などいろいろな施設のデータがデータベースN3に登録されていて、「ホテル」という先行する発話が認識されていくつかのホテルが一覧表示され、ユーザは続いてホテルの名称を発話することでそのなかの1つを選ぶものとする。
【0067】
〔5−1.レコードの選択〕
図7は、このような場合の処理手順を示すフローチャートである。すなわち、音声認識部14が「ホテル」という語句を認識すると(ステップ21)、メインCPU及びその周辺回路4とその上で動作しているナビゲーションシステムのアプリケーションプログラムは、認識結果として語句コードを受け取る。
【0068】
そして、制御部44は、この語句コードに対応した処理として、例えばデータベースN3からいくつかのホテルのデータを取り出すといった処理をすると同時に、データベースN3上でその語句に対応したレコードを選択する(ステップ22)。データベースN3上のレコードとしては、ユーザがどの語句を発話してどの種類の施設が選ばれるかに対応して、ホテルのレコードのほかに、遊園地、ファミレス(ファミリーレストラン)、コンビニエンスストア、ガソリンスタンドといったいろいろなレコードがありうる。
【0069】
ここでは、制御部44は、このように選択される「ホテル」に対応したレコードRXを選択する(ステップ22)。このような選択は、認識された語句コードに基づいてデータベースN3から該当するレコードを取り出すことによって行うことができる。
【0070】
〔5−2.メッセージの出力と発話〕
そしてアンサーバック部42は、このレコードRXに含まれているメッセージM1すなわち「ホテルの名称を言ってください」を画面に文字表示したり音声合成によって出力、すなわちアンサーバックする(ステップ23)。
【0071】
ユーザは、このアンサーバックによって、ホテルの名称を発話すればよいということがわかるので、ホテルの名称を表す語句を発話する。そして、音声認識部14がその認識を試み(ステップ24)、語句が認識されると(ステップ25)、認識されたホテル周辺の地図を処理部41が、表示制御部46を経て出力部10の表示画面に表示する(ステップ26)。
【0072】
〔5−3.認識されなかったときの処理〕
一方、ユーザが誤った語句を発話すると、音声認識部14の認識用辞書141内には、発話された語句に一致するものがないため、音声認識部14からは、認識できなかったことを示すコードが送られてくる。この場合、制御部44による制御にしたがって、アンサーバック部42は、選択されているレコードRXに含まれているメッセージM2すなわち「正式名称で指示していますか?」というNOTメッセージを出力する(ステップ27)。
【0073】
これによって、ユーザは、正しい語句を発話するためのヒントを与えられることになり、正式名称と思われる語句を発話してみるといった効率的な操作を試みることができる。
【0074】
〔5−4.メッセージの他の例〕
もちろん、レコードに含まれるメッセージは、どのような種類の施設が選ばれるかに応じて違ったものを用意しておけばよく、例えば、「オンリョウチョウセイ」(音量調整)という語句が発話されることで音量調整が行われる画面では、発話された語句が認識できないとき、「音量大とか、音量OFFとか言ってください」などのNOTメッセージをアンサーバックすればよい。また、「ホテル」に対応するNOTメッセージの別の例として、「頭に「ホテル」がつきませんか?」なども考えられる。
【0075】
なお、これらメッセージM1やM2のように、選択されたレコードに含まれるメッセージの他に、検索にかかわる画面で共通の定型メッセージを用意しておいてもよく、選択されたレコードに含まれるメッセージと、そのような定型的なメッセージを交互に出力すれば、ユーザにもっと多くのヒントを与えることになり、ユーザインタフェースが一層優れたものとなる。
【0076】
〔5−5.第3実施形態の効果〕
以上のように、第3実施形態では、アンサーバックされるメッセージの内容が、データベースN3や制御部44の働きによって、状況に応じた的確な内容に変わるので、ユーザは次に発話すべき内容などを容易に理解でき、操作の効率が向上する。
【0077】
特に、第3実施形態では、語句の発話によってある一連の処理が開始されるような場合、次に何を発話すればよいのかを、その語句に応じたメッセージによってユーザに知らせることができるので、操作が容易になる。
【0078】
具体的には、第3実施形態では、語句が認識できなかったときにアンサーバックされるメッセージの内容が、先行する語句に応じて変化する。すなわち、先行する語句によってある一連の処理が開始されたが、ユーザが間違った語句を発話するなどして認識されなかったような場合でも、本来は何を発話すればよいのかを、先行する語句すなわち処理の内容に応じたメッセージでユーザに知らせることができる。このため、注意事項のようなユーザへの指示を一度に羅列するように出力する必要がなくなり、使いやすいユーザインタフェースが実現される。
【0079】
特に、第1〜第3実施形態に具体例を示したようなそれぞれの発明を併用すれば、同じ語句を発話した場合でも、その語句に基づく処理の内容、その語句に対するアンサーバックの内容、語句が認識できなかったときのアンサーバックの内容が変化することになる。
【0080】
このため、音声認識を使ったユーザインタフェースについて、ユーザをナビゲーションシステムが分かり易く誘導して困惑を減らせるだけでなく、初心者にはやさしく、慣れたユーザには効率的で煩わしさのないユーザインタフェースを実現できる。これにより、まるで人間と話しているような感覚でナビゲーションシステムを操作でき、わかりやすいユーザインターフェースを実現することができる。
【0081】
〔6.他の実施の形態〕
なお、この発明は上に述べた実施形態に限定されるものではなく、次に例示するような他の実施の形態も含むものである。例えば、この発明のナビゲーションシステムは、自動車に搭載するいわゆるカーナビゲーションシステムだけでなく、二輪車など他の種類の移動体に使うこともできる。
【0082】
また、上に述べた実施形態では、NOTメッセージを、1つの語句について1つずつデータベースN3内に格納したが、データベースの形式は自由である。また、1つの語句あたり2つ以上のNOTメッセージを用意しておき、語句を認識できない状態がつづいた場合にはそれらを順次表示させていくこともできる。さらに、メッセージやNOTメッセージをデータベースで保有せず、アプリケーションプログラムで保有するようにしてもよい。
【0083】
また、音声認識の具体的なアルゴリズム、認識する語句、アンサーバックの内容、基本画面やメニュー画面の内容、フラグの形式、アンサーバックをするかどうかやその内容を変えるための条件の内容などは、実施形態で挙げた例には限定されず、自由に決めることができる。
【0084】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、アンサーバックを条件に応じて変化させることで、操作の効率を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態のハードウェア構成を示すブロック図。
【図2】この発明の第1実施形態の具体的な構成を示す機能ブロック図。
【図3】この発明の第1実施形態において、階層的に構成されたメニュー画面を辿って語句を順次発話するときの操作手順を示す概念図。
【図4】この発明の第1実施形態において、地図を表示している基本画面から、メニュー階層の最下層の語句を直接発話するときの操作手順を示す概念図。
【図5】この発明の第1実施形態において、認識された語句の番号に応じた処理が行われることを示す概念図。
【図6】この発明の第2実施形態における処理手順の例を示すフローチャート。
【図7】この発明の第3実施形態における処理手順の例を示すフローチャート。
【符号の説明】
V…音声認識ユニット
V1…ROM
V2…認識用辞書
N…ナビゲーションユニット
N1…CD−ROM
N2…フラッシュメモリ
N3…データベース
N4…アプリケーションプログラム
1…絶対位置・方位検出部
2…相対方位検出部
3…車速検出部
4…メインCPU及びその周辺回路
M…メモリ群
5…ROM
6…DRAM
7…SRAM
8…VRAM
10…出力部
11…入力部
12…CD−ROM制御部
13…FM多重受信及び処理部
14…音声認識部
141…認識用辞書
41…処理部
42…アンサーバック部
43…表示制御部
44…制御部

Claims (16)

  1. 発話された語句を音声認識する手段と、
    ナビゲーションにかかわる処理を、認識された語句に応じて行う手段と、
    おこなった処理に応じてメッセージをアンサーバックする手段と、
    を備えたナビゲーションシステムにおいて、
    あらかじめ決められた条件に応じて、アンサーバックするかどうかを制御する制御手段を備えたことを特徴とするナビゲーションシステム。
  2. 基本画面とメニュー画面とを表示する手段と、
    それぞれの前記語句ごとに、前記処理にかかわるメッセージと、フラグと、を格納する手段と、を備え、
    前記制御手段は、語句に対応するフラグがあらかじめ決められた状態の場合、その語句が前記基本画面で発話されたときは前記メッセージをアンサーバックし、その語句が前記メニュー画面で発話されたときは前記メッセージをアンサーバックしないように制御することを特徴とする請求項1記載のナビゲーションシステム。
  3. 発話された語句を音声認識する手段と、
    ナビゲーションにかかわる処理を、認識された語句に応じて行う手段と、
    同じ語句が認識された場合でも、あらかじめ決められた条件に応じて違った処理を行うように制御する制御手段を備えたことを特徴とするナビゲーションシステム。
  4. 基本画面とメニュー画面とを表示する手段を備え、
    前記制御手段は、
    ナビゲーションシステムの設定を変更するための語句が前記基本画面で発話されたときは、設定の変更と、あらかじめ決められたメッセージのアンサーバックを行わせ、
    ナビゲーションシステムの設定を変更するための語句が前記メニュー画面で発話されたときは、その設定についてどのような選択肢があるかを表す設定画面を表示させるように構成されたことを特徴とする請求項3記載のナビゲーションシステム。
  5. 発話された語句を音声認識する手段と、
    ナビゲーションにかかわる処理を、認識された語句に応じて行う手段と、
    おこなった処理に応じてメッセージをアンサーバックする手段と、
    を備えたナビゲーションシステムにおいて、
    あらかじめ決められた条件に応じて、アンサーバックするメッセージの内容を変える制御手段を備えたことを特徴とするナビゲーションシステム。
  6. 前記語句が認識されたときに出力するためのメッセージを、それぞれの前記語句ごとに格納する手段を備えたことを特徴とする請求項5記載のナビゲーションシステム。
  7. 前記語句が認識されたのに続いて発話された別の語句が認識できなかったときに出力するためのメッセージを、それぞれの前記語句ごとに格納する手段を備えたことを特徴とする請求項5又は6記載のナビゲーションシステム。
  8. 発話された語句を音声認識するステップと、
    ナビゲーションにかかわる処理を、認識された語句に応じて行うステップと、
    おこなった処理に応じてメッセージをアンサーバックするステップと、
    を含むナビゲーション方法において、
    あらかじめ決められた条件に応じて、アンサーバックするかどうかを制御する制御のステップを含むことを特徴とするナビゲーション方法。
  9. 基本画面を表示するステップと、
    メニュー画面を表示するステップと、
    それぞれの前記語句ごとに、前記処理にかかわるメッセージと、フラグと、をあらかじめ格納しておき、
    前記制御のステップは、語句に対応するフラグがあらかじめ決められた状態の場合、その語句が前記基本画面で発話されたときは前記メッセージをアンサーバックし、その語句が前記メニュー画面で発話されたときは前記メッセージをアンサーバックしないように制御することを特徴とする請求項8記載のナビゲーション方法。
  10. 発話された語句を音声認識するステップと、
    ナビゲーションにかかわる処理を、認識された語句に応じて行うステップと、
    同じ語句が認識された場合でも、あらかじめ決められた条件に応じて違った処理を行うように制御するステップと、
    を含むことを特徴とするナビゲーション方法。
  11. 発話された語句を音声認識するステップと、
    ナビゲーションにかかわる処理を、認識された語句に応じて行うステップと、
    おこなった処理に応じてメッセージをアンサーバックするステップと、
    を含むナビゲーション方法において、
    あらかじめ決められた条件に応じて、アンサーバックするメッセージの内容を変えるステップを含むことを特徴とするナビゲーション方法。
  12. 前記語句が認識されたときに出力するためのメッセージを、それぞれの前記語句ごとにあらかじめ格納しておくことを特徴とする請求項11記載のナビゲーション方法。
  13. 前記語句が認識されたのに続いて発話された別の語句が認識できなかったときに出力するためのメッセージを、それぞれの前記語句ごとにあらかじめ格納しておくことを特徴とする請求項11又は12記載のナビゲーション方法。
  14. コンピュータを使って移動体のナビゲーションをするためのナビゲーション用ソフトウェアを記録した記録媒体において、
    そのソフトウェアは前記コンピュータに、
    発話された語句を音声認識させ、
    ナビゲーションにかかわる処理を、認識された語句に応じて行わせ、
    おこなった処理に応じてメッセージをアンサーバックさせ、
    あらかじめ決められた条件に応じて、アンサーバックするかどうかを制御させることを特徴とするナビゲーション用ソフトウェアを記録した記録媒体。
  15. コンピュータを使って移動体のナビゲーションをするためのナビゲーション用ソフトウェアを記録した記録媒体において、
    そのソフトウェアは前記コンピュータに、
    発話された語句を音声認識させ、
    ナビゲーションにかかわる処理を、認識された語句に応じて行わせ、
    同じ語句が認識された場合でも、あらかじめ決められた条件に応じて違った処理を行わせることを特徴とするナビゲーション用ソフトウェアを記録した記録媒体。
  16. コンピュータを使って移動体のナビゲーションをするためのナビゲーション用ソフトウェアを記録した記録媒体において、
    そのソフトウェアは前記コンピュータに、
    発話された語句を音声認識させ、
    ナビゲーションにかかわる処理を、認識された語句に応じて行わせ、
    おこなった処理に応じてメッセージをアンサーバックさせ、
    前記語句が認識されたときに出力するためのメッセージと、前記語句が認識されたのに続いて発話された別の語句が認識できなかったときに出力するためのメッセージと、をそれぞれの前記語句ごとにあらかじめ格納しておき、
    これらのメッセージを使って、あらかじめ決められた条件に応じて、アンサーバックするメッセージの内容を変えさせることを特徴とするナビゲーション用ソフトウェアを記録した記録媒体。
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