JP3676083B2 - 航空機搭載用のヒーティングカート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、航空機搭載用のヒーティングカートに関する。すなわち、航空機に搭載されて機内サービスに供される、ヒーティングカートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3は、この種従来例の説明に供し、(1)図は、ドアの閉鎖状態における要部の平断面説明図、(2)図は、面板とコーナー型材を示す断面図である。又、図4の(1)図は、ヒーティングカートの斜視図であり、(2)図は、トレイの平面図である。
これらの図面に示したように、この種ヒーティングカート1は、ドア2とキャスター3を備えた外箱4内に、通電加熱されるヒーター5を備えてなる。
すなわち、ヒーティングカート1の外箱4内には、トレイ6が、出し入れ自在に上下多段に収納されており、このトレイ6は、その上に載せられた食器内の食品(図示せず)をヒートアップするヒーター5付よりなる。このヒーター5は、同じくトレイ6側のサーモスタット7,配線8,接点端子9等や、外箱4側の略パンタグラフ構造の対応接点端子,配線(図示せず),コネクタ10等を介し、外部電源に接続可能となっている。
【0003】
そして、図3の(2)図に示したように、ドア2の面板や外箱4の天板11,床板12,側板13等の各面板は、従来より、断熱構造のパネル14製よりなると共に、骨組として配されたコーナー型材15に、組み付けられていた。
16は、コーナー型材15の断面略ロ字状の本体部であり、17は、コーナー型材15の断面略コ字状の保持部である。そして、上述した各面板のパネル14は、コーナー型材15の保持部17に対し、接着等により取り付け固定され組み付けられていた。
又、図3の(1)図に示したように、ドア2の片側の縦のコーナー型材15が、外箱4の側板13の対応する縦のコーナー型材15に、ヒンジ18を介して取り付けられていた。図中19は、ヒンジピンである。
【0004】
そして、この種従来例では、ドア2の片側の縦のコーナー型材15と、外箱4の側板13の対応する縦のコーナー型材15とは、ドア2の閉鎖状態において両者間に形成される隙間Aが、図示したように、直線状をなす形状よりなっていた。
つまりこの種従来例では、ドア2側のコーナー型材15の断面略ロ字状をなす本体部16と、外箱4側の側板13のコーナー型材15の断面略ロ字状をなす本体部16とが、ドア2の閉鎖状態においては、平断面において内外(前後)に直線状をなす縦の隙間Aを介しつつ、対峙していた。なお図中Bは、ヒーティングカート1の内部を、Cはヒーティングカートの外部を示す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような従来例にあっては、次の問題が指摘されていた。周知のごとく航空機では、高精度な各種搭載機器の誤動作防止等のため、電磁波障害(EMI)対策が重要視されており、このような航空機に搭載されるヒーティングカート1にあっても、有害電磁波がノイズとして外部Cに漏れないよう、留意する必要がある。
ところでヒーティングカート1は、内部Bに、通電加熱されるヒーター5付のトレイ6を備えてなり、トレイ6には、温度調節用のサーモスタット7,通電用の配線8,接点端子9等が配されている。
そして、最近のヒーティングカート1にあっては、消費電力が大きなヒーター5が用いられると共に、ヒーター5への通電用の接点端子9,対応接点端子等が、取扱いの便宜上、ドア2近くの位置に配設されることが多くなっている。このように最近は、ヒーティングカート1の内部Bから強力な有害電磁波が発生しやすいと共に、外部Cに向け漏れやすくなっている。
そこで、この種従来例のヒーティングカート1にあっては、最近、電磁波障害対策上不安が指摘されるに至っており、例えば、航空機の電磁波障害対策の規格を満たすことができなくなり、航空局の仕様承認試験を満足できなくなる事態も予測される。
【0006】
これらについて、更に詳述する。この種従来例のヒーティングカート1では、前述したように、まずドア2の面板や外箱4の天板11,床板12,側板13等の各面板は、断熱構造のパネル14製よりなっていた。又、ドア2側のコーナー型材15の本体部16と、外箱4側のコーナー型材15の本体部16との間に、ドア2の閉鎖状態において、内部Bと外部C間に直線状の隙間Aが形成されていた。
そこで、例えばサーモスタット7の通電オン・オフ時等においては、過大な電流が流れ電圧が大きく上下しスパーク発生の危険もあるが、このような場合に、サーモスタット7,ヒーター5,配線8,接点端子9等から発生した有害電磁波が、パネル14製の各面板や直線状の隙間Aを通過し、ノイズとして外部Cに漏れる可能性が大きかった。
特に、このような有害電磁波は直進性があるので、ドア2の閉鎖状態において内部Bと外部C間に形成された直線状の隙間Aから、ノイズとなって漏れ出しやすい、という指摘があった。このように、この種従来例のヒーティングカート1にあっては、電磁波障害対策上不安が指摘されていた。
【0007】
本発明は、このような実情に鑑み、上記従来例の課題を解決すべくなされたものであって、まず、ドアや外箱の各面板について、シート状の金属板が全面的に張り付けられ、全面状に導電性を備えると共に、導電性の取付材を用いて、金属製のコーナー型材に組み付けた構造を採用し、かつ、ヒンジを介して取り付けられたドア側のコーナー型材と外箱側のコーナー型材について、ドアの閉鎖状態において折れ線状の隙間が形成される構造としたことにより、第1に、電磁波障害(EMI)対策に優れ、第2に、しかもこれが簡単容易に実現される、航空機搭載用のヒーティングカートを提案することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決する本発明の技術的手段は、次のとおりである。すなわち、この航空機搭載用のヒーティングカートは、ドアとキャスターを備えた外箱内に、通電加熱されるヒーターを備えてなり、航空機に搭載されて機内サービスに供される。
そして、該ドアおよび該外箱の各面板は、全面状に導電性を備えてなると共に、骨組として配された金属製のコーナー型材に組み付けられている。
かつ、該ドアの片側の縦の該コーナー型材が、該外箱の対応する縦の該コーナー型材に、ヒンジを介して取り付けられている。これと共に、該ドアの片側の縦の該コーナー型材と該外箱の対応する縦の該コーナー型材とは、該ドアの閉鎖状態において両者間に形成される隙間が、折れ線状をなす形状よりなること、を特徴とする。
【0009】
そして、この航空機搭載用のヒーティングカートは、更に、次のような構成よりなる。
すなわち、該外箱内には、トレイが出し入れ自在に上下多段に収納されており、該トレイは、その上に載せられた食器内の食品をヒートアップする該ヒーター付よりなり、該ヒーターは、サーモスタット,配線,接点端子,コネクタ等を介し、外部電源に接続可能となっている。
そして、該ドアおよび該外箱の各面板は、シート状の金属板が、断熱構造のパネルに全面的に張り付けられてなると共に、シート状の該金属板が、縦,横,前後等の該コーナー型材に、導電性のリベットやスクリュー等の取付材を用いて、取り付け固定されていること、を特徴とする。
【0010】
本発明は、このようになっているので、次のようになる。このヒーティングカートでは、ドアや外箱の各面板について、金属板をパネルに張り付けてなることにより、全面状に導電性を備えてなると共に、この金属板を、導電性の取付材にて金属製のコーナー型材に取り付け固定してなる。又、ヒンジを介して取り付けられたドア側のコーナー型材と外箱側のコーナー型材については、ドアの閉鎖状態において、折れ線状の隙間が形成される。
もって、このヒーティングカートでは、ドアや外箱が、このような金属板や金属製のコーナー型材等にて、一体的・全体的・包括的な導電性を備えてなり、電磁シールド構造が形成されている。又、ドアの閉鎖状態において、金属製のコーナー型材間に形成される隙間は、折れ線状をなし、直進性を備えた有害電磁波に対する電磁シールド構造が形成されている。
そこで、例えばサーモスタットの通電オン・オフ時等において、発生した有害電磁波は、このような電磁シールド構造にて、減衰,吸収,除去,遮断され、ノイズとして外部に漏れることは防止される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下本発明を、図面に基づいて詳細に説明する。図1,図2は、本発明の実施の形態の説明に供する。
そして図1は、ドアの閉鎖状態における要部の平断面説明図である。図2の(1)図は、面板とコーナー型材の断面図、図2の(2)図は、面板の断面図である。
【0012】
まず図4により、ヒーティングカート1について概説する。ヒーティングカート1は、ドア2とキャスター3を備えた外箱4内に、通電加熱されるヒーター5を備えてなり、航空機に搭載されて機内サービスに供される。
すなわちヒーティングカート1は、航空機の機内において、乗員が座席の乗客に対し、食事の提供サービス等のサービスを提供する際に、使用される。そしてヒーティングカート1は、外箱4が、長方形の天板11,床板12,略正方形の左右の側板13等にて箱状をなし、縦長長方形の前後のドア2を備えてなると共に、床板12の四隅下にキャスター3が付設されており、手で押して移動される。
外箱4内には、トレイ6が出し入れ自在に上下多段に収納されており、トレイ6は、その上に載せられた食器内の食品をヒートアップするヒーター5付よりなり、ヒーター5は、サーモスタット7,配線8,接点端子9,コネクタ10等を介し、外部電源に接続可能となっている。
【0013】
このようなヒーティングカート1について、更に詳述する。ヒーティングカート1の左右の側板13の内面には、ガイドレール(図示せず)が、左右で高さレベルを揃え左右で対向しつつ、上下多段に固設されている。
このような左右のガイドレール間には、それぞれ図4の(2)図に示した板状のトレイ6が、出し入れ自在な棚として保持されており、このトレイ6上に、食品やその食器等が載せられる。そして、トレイ6のヒーターパッド20部分には、面状のヒーター5が内装されており、もってヒーター5が通電加熱されることにより、その上に載せられた食器そして食品等を、加熱調理するようになっている。
【0014】
又、トレイ6の側部には接点端子9が付設されており、この接点端子9は、配線8やサーモスタット7を介しヒーター5に接続されると共に、前述したガイドレールに対向して設けられた略パンタグラフ構造の対応接点端子に、接続されるようになっている。なおサーモスタット7は、ヒーター5への通電を適宜断続し、もってヒーター5の通電加熱状態を調節する。
そこで、各トレイ6のヒーター5は、このような配線8,接点端子9,対応接点端子,更には側板13内を通された配線等を介し(これらの図示は省略)、コネクタ10に接続されている。
コネクタ10は、ヒーティングカート1の天板11の前後端部付近に付設され、もって、ヒーティングカート1のフロント側・前側やリア側・後側(そのいずれか又は双方)に、位置している。
【0015】
そしてヒーティングカート1は、例えば航空機の機内に設けられたギャレーのコンパートメント(図示は省略)に、収納可能となっている。このコンパートメントは、前面がヒーティングカート1の出し入れ口として開放された略箱状をなし、その天井のフロント側・入口側やリア側・奥側(そのいずれか又は双方)に、電源側コネクタが付設されている。
そこで、ヒーティングカート1がコンパートメントに収納され、電源側コネクタにコネクタ10が接続されることにより、ヒーティングカート1内の各トレイ6のヒーター5に対し、電力が供給される。そして、ヒーター5が通電加熱されることにより、ヒーターパッド20上の食品等が、加熱調理されるようになっている。
勿論、このようなヒーター5による加熱調理に際し、ヒーティングカート1のドア2は閉鎖されている。ヒーティングカート1は、概略このようになっている。
【0016】
以下、図1,図2により、本発明について説明する。まず、このヒーティングカート1において、ドア2および外箱4の各面板は、全面状に導電性を備えてなると共に、骨組として配された金属製のコーナー型材15,21に組み付けられている。
すなわち、ドア2および外箱4の各面板は、まず、シート状の金属板22が、断熱構造のパネル14に全面的に張り付けられた構成よりなると共に、このシート状の金属板22が、縦,横,前後等のコーナー型材15,21に、導電性のリベット23やスクリュー等の取付材24を用いて、取り付け固定されている。
【0017】
これらについて、更に詳述する。まず、図2の(2)図に示したように、ドア2の面板や外箱4の天板11,床板12,面側板13等の各面板は、断熱構造の板状のパネル14の内面に、シート状の金属板22が全面的に張り付けられた構成よりなる。
パネル14としては、例えば、ハニカム構造のサンドイッチパネルが用いられ、その材質としては、繊維強化プラスチック(FRP),アラミド紙,合成紙,その他が選択使用される。そこでパネル14は、断熱性や軽量性に優れているものの、導電性は備えていない。
金属板22は、例えばアルミ合金製その他の軽金属製のものが用いられ、パネル14の内面全面に接着等により張り付けられる。
【0018】
ドア2の面板や外箱4の天板11,床板12,両側板13等の各面板は、このように、パネル14に金属板22が張り付けられた構成よりなると共に、更に、縦・上下,横・左右,前後等に骨組として配されたコーナー型材15,21に対し、不動に組み付けられている。
コーナー型材15,21は、アルミ合金製その他の軽金属製よりなる。そしてまず、後で詳述するコーナー型材21を除くコーナー型材15は、図2の(1)図に示したように、断面略ロ字状の本体部16と断面略コ字状の保持部17とが、一体成形されてなる。
すなわち、コーナー型材15の本体部16は、角柱状の中空部が存した断面略ロ字状をなし、このような本体部16の一面に断面略コ字状の保持部17が一体成形されており、保持部17は、対向する1対の保持片を備えている。
【0019】
このような本体部16と保持部17よりなるコーナー型材15が、外箱4については、後述のコーナー型材21を除く縦,更には横,前後の骨組を形成しており、ドア2については、後述のコーナー型材21を除く縦,更には両横の骨組みを形成している。
そして、このような各コーナー型材15の保持部17に対し、ドア2の金属板22付パネル14製の面板端部や、外箱4の天板11,床板12,両側板13の金属板22付パネル14製の面板端部が、それぞれ嵌挿され取り付け固定されている。
この取り付け固定には、接着剤やリベット23等が用いられるが、その際、前述により面板の内面側を形成する金属板22は、導電性の取付材24を用いて取り付け固定される。
この導電性の取付材24として、図示例では導電性・金属製のリベット23が用いられているが、更に、導電性・金属製のスクリューや導電性接着剤等も、リベット23に代え又はリベット23と共に使用可能である。コーナー型材15に対し各面板が、このように取り付け固定され組み付けられる。コーナー型材15は、このようになっている。
【0020】
次に、コーナー型材21について述べる。図1に示したように、このヒーティングカート1において、ドア2の片側(右側)の縦のコーナー型材21は、外箱4の側板13の対応する縦の右側のコーナー型材21に対し、ヒンジ18を介して取り付けられている。
そして、このドア2の片側の縦のコーナー型材21と、外箱4の対応する縦のコーナー型材21とは、ドア2の閉鎖状態において両者間に形成される隙間Dが、折れ線状をなす形状よりなる。
【0021】
このようなコーナー型材21について、更に詳述する。このコーナー型材21は、断面略コ字状の保持部17と、外部C側の突部25と、内部B側の段部26とが、一体成形されてなる。
すなわち、この縦のコーナー型材21の保持部17は、前述したコーナー型材15に準じ、対向する1対の縦の保持片を備え平断面略コ字状をなす。
そして、コーナー型材21の突部25は、このような平断面略コ字状の保持部17の基面側のエリアについて、これを縦に左右に2分した外側、つまりヒーティングカート1の外部C側に縦に突設されており、円柱状の中空部を備えてなる。これに対し、保持部17の基面側のエリアを縦に左右に2分した内側、つまりヒーティングカート1の内部B側は、このような突部25は存せず、そのまま空間を形成する段部26となっている。
【0022】
ドア2の片側の縦のコーナー型材21と、外箱4の側板13の対応する縦のコーナー型材21とは、このように構成されており、それぞれ、保持部17,突部25,段部26等を備えてなる。
そして、このコーナー型材21の保持部17には、前述したコーナー型材15に準じ、それぞれ、ドア2の金属板22付パネル14製の面板の右端部や、外箱4の側板13の金属板22付パネル14製の前端部が、嵌挿され取り付け固定されている。この取り付け固定も、前述したコーナー型材15に準じ、面板の金属板22については、導電性のリベット23等の取付材24を用いて行われている。
【0023】
又、このドア2側のコーナー型材21と、外箱4側のコーナー型材21とは、ヒンジ18を介して取り付けられている。
すなわち、ドア2側のコーナー型材21の突部25と、外箱4側のコーナー型材21の突部25間には、例えば上,中,下の3箇所について(図4の(1)図を参照)、ヒンジ18が介装されている。そして、各ヒンジ18のヒンジピン19が、突部25の中空部に縦に挿通されている。
そこでドア2は、ヒンジピン19を中心に、外箱4に対し回動可能,開閉可能に組み付けられている。
【0024】
そしてドア2の閉鎖状態において、ヒンジ18を介して取り付けられたドア2側の縦のコーナー型材21と、外箱4側の縦のコーナー型材21とは、平断面折れ線状の隙間Dを形成する。
すなわち図示例では、ドア2の閉鎖状態において、まず、ドア2側のコーナー型材21の突部25は、外箱4側のコーナー型材21の突部25の前側に、横・左右方向の隙間Dを存しつつ対向位置すべく設定される。
これと共に、ドア2側のコーナー型材21の段部26にて形成された空間に、外箱4側のコーナー型材21の突部25が臨んで対向位置すべく設定され、両者間には前後方面の若干の隙間Dが形成される。
更に、ドア2側のコーナー型材21の段部26に連接した保持部17が、外箱4側のコーナー型材21の段部26にて形成された空間に臨んで対向位置すべく設定され、両者間には横・左右方向の隙間Dが形成される。
【0025】
このように、図示例のヒーティングカート1では、ドア2の閉鎖状態において、ヒンジ18を介して取り付けられたドア2側のコーナー型材21と、外箱4側のコーナー型材21とは、横・左右方向の隙間Dと、前後方向の若干の隙間Dと、更に横・左右方向の隙間Dとを介して、対峙している。そして、このような3個の縦の隙間Dは、連続して形成されており、結局、平断面において折れ線状,略クランク状をなす。
【0026】
なお第1に、このように折れ線状の隙間Dが形成されるが、この隙間Dは、ドア2の閉鎖状態において、必ずしも常時形成されている必要はなく、場合によっては、一部が当接することも考えられる。
つまり、上述したように対峙したドア2側のコーナー型材21の一部と、外箱4側のコーナー型材21の一部とが、当接,接触するケースも可能であり、ここに言う隙間Dの意味は、このように広く解釈される。
なお第2に、図示例では上述した形状,設定により、ドア2の閉鎖状態において、ヒンジ18を介して取り付けられたドア2側のコーナー型材21と、外箱4側のコーナー型材21との間に、折れ線状の隙間Dが形成される。
しかしながら本発明は、このような図示例の形状,設定に限定されるものではなく、その他の形状,設定により、ドア2の閉鎖状態において折れ線状の隙間Dを、ドア2側のコーナー型材21と外箱4側のコーナー型材21との間に形成することも可能である。コーナー型材21は、このようになっている。
【0027】
本発明は、以上説明したように構成されている。そこで以下のようになる。この航空機用のヒーティングカート1では、まず、図2等に示したように、ドア2の面板や外箱4の天板11,床板12,側板13等の各面板について、電気的導体たる金属板22を、パネル14に全面的に張り付けてなると共に、この金属板22を導電性の取付材24にて、電気的導体たる金属製のコーナー型材15,21に取り付け固定してなる。
このように、このヒーティングカート1では各面板が、全面状に導電性を備えると共に、導電性の取付材24にて金属製の骨組たるコーナー型材15,21に組み付けられている。
更に図1に示したように、ヒンジ18を介して取り付けられた、ドア2側の金属製のコーナー型材21と、外箱4の側板13側の金属製のコーナー型材21について、ドア2の閉鎖状態において、折れ線状の隙間Dが形成されるようになっている。
【0028】
このように、このヒーティングカート1では、ドア2や外箱4が、金属板22,金属製のコーナー型材15,21,導電性の取付材24等にて、一体的・全体的・包括的な電気的導体となり導電性を備えてなることにより、電磁シールド構造が形成されている。
又、ドア2の閉鎖状態において、ドア2側と外箱4側の金属製のコーナー型材21間に形成される隙間Dは、折れ線状をなし、直進性を備えた有害電磁波に対する電磁シールド構造が形成されている。さてそこで、この航空機搭載用のヒーティングカート1にあっては、次の第1,第2のようになる。
【0029】
第1に、例えば図4の(1)図に示したサーモスタット7の通電オン・オフ時等においては、過大な電流が流れ電圧が大きく上下し、スパーク発生の危険も生じる。
しかしながら、このような場合において、サーモスタット7,ヒーター5,配線8,接点端子9,その他から発生した内部Bの有害電磁波は、このような電磁シールド構造にて、減衰,吸収,除去,遮断され、ノイズとして外部Cに漏れることは防止される。このように、このヒーティングカート1は、高い電磁波遮へい性能を有してなる。
【0030】
すなわち、ヒーティングカート1の内部Bにおいて、電気的な抵抗体たる金属板22や金属製のコーナー型材15,21に入射した有害電磁波は、そのエネルギーが電流に変換された後、熱エネルギーに変換され、もって減衰,吸収,除去,遮断され、外部Cに放出されることは回避される。
又、有害電磁波は、電波の特性たる直進性を備えてなる。これに対し、ドア2の閉鎖状態において、ドア2側と外箱4側の金属製のコーナー型材21間には、直線状ではなく折れ線状の隙間Dが形成される。
そこで、ヒーティングカート1の内部Bで発生した有害電磁波は、このように折れ線状の隙間Dにて直進性が妨げられ、金属製のコーナー型材21にて屈曲されることにより、前述に準じ減衰,吸収,除去,遮断され、外部Cに放出されることは回避される。
【0031】
第2に、このヒーティングカート1は、ドア2や外箱4の各面板について、例えば、金属板22をパネル14に張り付けた構成よりなると共に、このような金属板22を、導電性のリベット23等の取付材24にて金属製の骨組たるコーナー型材15,21に、取り付け固定してなる。このように、このヒーティングカート1のドア2や外箱4は、この種従来例のものに金属板22等を追加しただけの簡単な構成よりなると共に、全面状に導電性を備えてなる。
又このヒーティングカート1では、ヒンジ18を介して取り付けられた、ドア2側のコーナー型材21と外箱4側のコーナー型材21について、図示例では保持部17と共に突部25と段部26を形成するという、簡単な構成により、ドア2の閉鎖状態において折れ線状の隙間Dが形成される。更に、このような図示例によらずとも、折れ線状の隙間Dの形成は、簡単な構成により実現可能である。
【0032】
なお、図示例のヒーティングカート1(図4の(1)図を参照)は、前後にドア2を備えたタイプよりなり、両ドア2について、前述した電磁シールド構造のコーナー型材21が採用されていたが、このような図示例によらず、前側のみにドア2を備え、外箱4の背側には背面板が設けられたタイプのヒーティングカート1にも、勿論、本発明は適用可能である。
この前側のみにドア2を備えたタイプのヒーティングカート1にあっては、前側のドア2について、前述した電磁シールド構造のコーナー型材21が採用されると共に、外箱4の背面板については、他の天板11,床板12,側板13等と同様、金属板22や導電性の取付材24を用いた電磁シールド構造が採用される。
【0033】
【発明の効果】
本発明に係る航空機搭載用のヒーティングカートは、以上説明したように、まず、ドアや外箱の各面板について、シート状の金属板が全面的に張り付けられ、全面状に導電性を備えると共に、導電性の取付材を用いて、金属製のコーナー型材に組み付けた構造を採用し、かつ、ヒンジを介して取り付けられたドア側のコーナー型材と外箱側のコーナー型材について、ドアの閉鎖状態において折れ線状の隙間が形成される構造としたことにより、次の効果を発揮する。
【0034】
第1に、電磁波障害(EMI)対策に優れている。すなわち、この航空機搭載用のヒーティングカートでは、各面板が全面状に導電性を備えると共に金属製のコーナー型材に組み付けられること、を内容とする電磁シールド構造を採用すると共に、ヒンジを介して取り付けられたドア側の金属製のコーナー型材と外箱側の金属製のコーナー型材とが、ドアの閉鎖状態で折れ線状の隙間を形成すること、を内容とする電磁シールド構造を採用してなる。
そこで、例えばサーモスタットの通電オン・オフ時等においては、過大な電流が流れ電圧が大きく上下し、スパーク発生の危険も生じるが、このような場合に、サーモスタット,ヒーター,配線,接点端子等から発生した有害電磁波は、このような電磁シールド構造にて減衰,吸収,除去,遮断され、前述したこの種従来例のようにノイズとして外部に漏れることは、確実に防止されるようになる。
【0035】
最近のヒーティングカートにあっては、大きな消費電力のヒーターが用いられると共に、ヒーターへの接点端子等がドア近くの位置に配設されることも多いが、本発明の電磁シールド構造によると、高い電磁波遮へい性能が得られ、これらに十分に対応可能である。
このように、本発明のヒーティングカートは、電磁波障害対策に優れており、航空機の電磁波障害対策の規格を十分に満たすことができ、航空局の仕様承認試験を確実に満足することができる。
【0036】
第2に、しかもこれは、簡単容易に実現される。すなわち、この航空機搭載用のヒーティングカートでは、まず、ドアや外箱の各面板について、金属板をパネルに張り付けると共に、導電性の取付材にてコーナー型材に取り付け固定してなる。もって、全面状に導電性を備えると共に、コーナー型材に組み付けられた構造よりなり、その構成は簡単である。
又、ヒンジを介して取り付けられた、ドア側のコーナー型材と外箱側のコーナー型材について、ドアの閉鎖状態において折れ線状の隙間が形成されるようにした構造よりなり、その構成は簡単である。
このように、本発明のヒーティングカートでは、簡単な構成により、容易に上述した第1の点が実現される。
このように、この種従来例に存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る航空機搭載用のヒーティングカートについて、発明の実施の形態の説明に供し、ドアの閉鎖状態における要部の平断面説明図である。
【図2】同発明の実施の形態の説明に供する断面図であり、(1)図は、面板とコーナー型材とを示し、(2)図は、面板を示す。
【図3】従来例の説明に供し、(1)図は、ドアの閉鎖状態における要部の平断面説明図、(2)図は、面板とコーナー型材を示す断面図である。
【図4】(1)図は、ヒーティングカートの斜視図であり、(2)図は、トレイの平面図である。
【符号の説明】
1 ヒーティングカート
2 ドア
3 キャスター
4 外箱
6 トレイ
7 サーモスタット
8 配線
10 コネクタ
14 パネル
15 コーナー型材
18 ヒンジ
21 コーナー型材
22 金属板
23 リベット
24 取付材
D 隙間
Claims (1)
- ドアとキャスターを備えた外箱内に通電加熱されるヒーターを備えてなり、航空機に搭載されて機内サービスに供されるヒーティングカートにおいて、
該ドアおよび該外箱の各面板は、全面状に導電性を備えてなると共に、骨組として配された金属製のコーナー型材に組み付けられており、
かつ、該ドアの片側の縦の該コーナー型材が、該外箱の対応する縦の該コーナー型材に、ヒンジを介して取り付けられると共に、該ドアの片側の縦の該コーナー型材と該外箱の対応する縦の該コーナー型材とは、該ドアの閉鎖状態において両者間に形成される隙間が、折れ線状をなす形状よりなり、
該外箱内には、トレイが出し入れ自在に上下多段に収納されており、該トレイは、その上に載せられた食器内の食品をヒートアップする該ヒーター付よりなり、該ヒーターは、サーモスタット,配線,接点端子,コネクタ等を介し、外部電源に接続可能となっており、
かつ、該ドアおよび該外箱の各面板は、シート状の金属板が、断熱構造のパネルに全面的に張り付けられてなると共に、シート状の該金属板が、縦,横,前後等の該コーナー型材に、導電性のリベットやスクリュー等の取付材を用いて、取り付け固定されていること、を特徴とする、航空機搭載用のヒーティングカート。
Priority Applications (1)
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JP18570598A JP3676083B2 (ja) | 1998-06-16 | 1998-06-16 | 航空機搭載用のヒーティングカート |
Applications Claiming Priority (1)
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