JP3676022B2 - 複合発電設備 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複合発電設備に関し、良好な起動・暖機ができるように工夫したものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に複合発電設備は、一つの発電システムの中にガスタービン発電機と蒸気タービン発電機とを有し、両発電機により同時に発電するシステムをいい、そのシステムにも色々な方式がある。しかし、基本的には、ガスタービン、ガスタービン発電機、ガスタービンの排ガスから熱を回収する排熱回収ボイラ、その排熱回収ボイラから発生する蒸気によって回転する蒸気タービン、蒸気タービン発電機等により、構成される。
【0003】
ガスタービンの燃料としては、ガス、油、石炭ガス等があるが、燃料ではなく、ガスの持つエネルギー、例えば、高温のボイラ排ガスをガスタービンの羽にぶつけ、ガスタービンを回転させることもできる。即ち、ガスタービンの燃焼器で燃料を燃焼させ高温ガスを作り回転翼にそのガスをぶつけるのでなく、ガスタービンの燃焼器をバイパスし高温ガスを直接ガスタービンの回転翼にぶつけ、ガスタービンを回転させることもできる。
【0004】
またLNGガス等のガス燃料はそのままガスタービンの燃料として使われるが、石炭、油等の場合はそれらをガス化した後、燃料として使われる。この時、石炭、油等の場合、それらをガス燃料とする場合もあるが、前述の通り、燃焼させ燃焼排ガスとして使用するシステムもある。
【0005】
以上の通り色々なシステムがあるが、ここでは、その一つの例を図4により、説明する。この例は、石炭ガス化複合発電設備の一つのシステム例である。このシステムは次の機器により構成される。即ち、ガスタービン6の燃料を作るガス化炉1、ガス化炉1で生成されたガスからダストを取り除く脱塵装置4、硫黄分を取り除く脱硫装置5、燃料ガスを燃焼させその高温ガスのエネルギーによりガスタービン発電機を回転させるガスタービン6、ガスタービン排ガスから熱を回収する排熱回収ボイラ7、燃焼排ガスを捨てる煙突8、排熱回収ボイラ7から発生する蒸気により発電機を回転させる蒸気タービン9等から構成される。脱塵装置4及び脱硫装置5を一括りにして、ガス精製設備と称している。
【0006】
水蒸気系について説明すると、蒸気は、蒸気タービン9の出口の復水器11で海水により冷却され水になり、その復水は低圧ポンプ12で排熱回収ボイラ7に給水される。更に高圧ポンプ13により高圧給水としてガス化炉1に給水される。ガス化炉1で発生する蒸気及び排熱回収ボイラ7で発生する蒸気は共に蒸気タービン9へ導かれる。
【0007】
この複合発電システムを起動する方法にも色々考えられるが、次にその一例を述べる。起動する時に十分に配慮されねばならない事は、生成ガス系統のガス中に含まれる水分がドレン化し、機器の内面を濡らし、機器の内面を腐食させたり、ダストが固着し、機器が正常に作動しなくなったりする事である。これを防止するため、各機器、各装置は暖機(ウォーミング)を行う。
【0008】
即ち、ガス化炉1は起動用燃料を燃焼させその燃焼ガスにより暖機し、燃焼排ガスは、ガス精製バイパス弁42、ガス精製バイパスライン41を経由して、煙突8に導かれる。ガス精製設備である脱塵装置4、脱硫装置5については、ガス精製入口弁43及びガス精製出口弁44を閉とし、暖機ガス出口弁32及び暖機ガス精製入口弁49を開とし、水分の少ない不活性ガス等を循環させる暖機ガス循環ライン33を構成し、暖機ガスを循環させることにより暖機する。即ち、加熱炉46及び暖機ガス加熱器47により暖機ガスを加熱し、暖機ガス圧縮機34により、暖機ガスを循環させ、装置を暖機する。
【0009】
この時、通常はガス化炉1で起動用燃料を燃焼させるのは、燃焼排ガス中の水分によるドレンの発生を出来るだけ少なくするため、ガス化炉の定常運転圧力に比べ、かなり低い圧力で燃焼させ、機器の温度の上昇に伴いガスの圧力を上げていく。
【0010】
また、起動燃料による機器の暖機完了後、石炭を投入し、石炭ガス化に移行するとき、発生する生成ガスが機器内に残存する酸素と反応し、異常燃焼、或いは、爆発等が発生しないようにするため、石炭ガス化移行前に機器内の雰囲気の酸素濃度を規定値以下にする必要がある。この事をO2 パージと言う。このO2 パージはガスの圧力が低い方がパージに必要な低O2 ガスの量が少なくて済むため、通常低圧の状態で行われ、その後のガス系圧力の上昇時もこの低O2 状態を保ったまま石炭投入の圧力まで昇圧される。
【0011】
低O2 ガスの生成は、燃焼させる燃料と投入する空気、または酸化剤の相対量を調節する事で行うことが出来る。又、ガス系の昇圧は起動時ガス圧力調節弁62の開度を小さくする、或いは、燃料と空気、または酸化剤とを低O2 で燃焼させつつ、増加させる事により行う事が出来る。
【0012】
又、脱塵装置4、脱硫装置5のガス精製設備の不活性ガスによる暖機循環は使用する暖機ガス圧縮機34の能力に応じ、低圧で暖機循環を開始し、不活性ガス供給ライン36からガスを注入することにより、徐々に暖機ガス循環ライン33の圧力を上げていく。暖機ガス圧縮機34は脱硫装置5が流動床型等の場合、脱硫装置5自身に設備される循環ガス圧縮機等が流用されたりする。
【0013】
なお、図において、2はガス化炉圧力容器、3はガス化炉缶水循環ポンプ、31はガスタービン入口弁、61はガス化炉出口パージガス排気弁である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ガス化炉1を起動し、燃料を点火するためにはガスタービン6を起動用燃料で起動し、ガスタービン6が持っている空気圧縮機及び図には省略してある空気昇圧機により更に昇圧し、ガス化炉1に空気を供給する必要がある。あるいはガス化炉1の装置自身に空気圧縮機を設備し、それを運転しガス化炉1に空気を供給する必要がある。ここでガス化炉1の装置自身に空気圧縮機を設備し、それを運転しガス化炉1に空気を供給する場合は、その装置の設備コストが当然必要であり、設備全体としてかなりのコスト上昇となる。したがって、ガスタービン6を起動しガスタービン6の空気圧縮機及び空気昇圧機を利用することになるが、このガスタービン6の高温排気ガスから排熱回収ボイラにより熱回収を行い、熱の有効利用をするべきである。
【0015】
ガス化炉1で起動用燃料を燃焼させ、高温ガスを作り、暖機に使用する場合には、燃料の中に含まれる硫黄分を極力少なくすべきであるが、一般に軽油程度のものが使用されるため、硫黄分が無いとはいえない。また、ガス化炉1は起動直後は冷たいため、燃焼排ガス中の水分がドレン化し、この燃焼排ガスが触れる部分が湿り、前記燃料中の硫黄分もあることから、機器内部の硫黄腐食を引き起こす。
【0016】
ガス精製設備(脱塵装置4,脱硫装置5)には、前述の通り前記ガス化炉起動、暖機時の燃焼排ガスによる水分持ち込み及びドレン発生の防止のため、加熱炉46及び暖機ガス加熱器47等を設備したりしている。
【0017】
更に、上記従来技術では、ガス系低圧から定常圧力までの制御が複雑である。即ちガス化炉1で起動用燃料を燃焼させる時、燃焼排ガス中の水分によるドレンの発生を出来るだけ少なくするため、ガス化炉1の定常運転圧力に比べ、かなり低い圧力で燃焼させ、機器の温度の上昇に伴いガスの圧力を上げていく。更にガス化移行前のO2 パージはガスの圧力が低い方がパージに必要な低O2 ガスの量が少なくてすむため、通常低圧の状態で行われる。その後のガス系圧力の上昇中、及びガス化移行前までの約1〜2時間の間もこの低O2 状態を保つように燃料、及び空気、または酸化剤を調節しつつ燃焼させ、ガス系圧力を上げていく時は、燃料、及び空気、または酸化剤等の量を増加させガス系の圧力が徐々に上昇するよう起動時ガス圧力調節弁62により、圧力を調整する必要がある。
【0018】
本発明は、上記従来技術に鑑み、操作が容易で良好な起動・暖機をすることのできる複合発電設備を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明は、
液体または固体燃料を燃焼またはガス化する燃焼炉またはガス化炉と、この燃焼炉またはガス化炉で発生させた燃焼ガスまたは生成ガスのエネルギーによって回転させ発電するガスタービン発電機と、ガスタービンの排気から熱を回収して蒸気を発生させる排熱回収ボイラとを有すると共に、前記排熱回収ボイラまたは前記燃焼炉またはガス化炉で発生した蒸気により蒸気タービンを回し発電する複合発電設備において、
前記燃焼炉またはガス化炉に、前記排熱回収ボイラにおいて加熱した給水を供給するラインと、
前記燃焼炉またはガス化炉の缶水循環系から、前記蒸気タービンの復水器に至り、燃焼炉またはガス化炉の缶水を循環させる水系起動循環ラインを有することを特徴とする。
【0020】
また本発明は、
液体または固体燃料を燃焼またはガス化する燃焼炉またはガス化炉と、この燃焼炉またはガス化炉で発生させた燃焼ガスまたは生成ガスのエネルギーによって回転させ発電するガスタービン発電機と、ガスタービンの排気から熱を回収して蒸気を発生させる排熱回収ボイラとを有すると共に、前記排熱回収ボイラまたは前記燃焼炉またはガス化炉で発生した蒸気により蒸気タービンを回し発電する複合発電設備において、
前記燃焼炉またはガス化炉と、前記燃焼炉またはガス化炉からガスタービンまでの間に設備される脱塵装置、脱硫装置等を含み、これらの機器を暖機するために設けた暖機ガス循環ラインを有し、この暖機ガス循環ラインにより、前記燃焼炉またはガス化炉からガスタービンまでの間に設備される脱塵装置、脱硫装置等を暖機することを特徴とする。
【0021】
また本発明は、
液体または固体燃料を燃焼またはガス化する燃焼炉またはガス化炉と、この燃焼炉またはガス化炉で発生させた燃焼ガスまたは生成ガスのエネルギーによって回転させ発電するガスタービン発電機と、ガスタービンの排気から熱を回収して蒸気を発生させる排熱回収ボイラとを有すると共に、前記排熱回収ボイラまたは前記燃焼炉またはガス化炉で発生した蒸気により蒸気タービンを回し発電する複合発電設備において、
前記請求項1に記載した水系起動循環ラインを有し、更に、前記請求項2に記載した前記燃焼炉またはガス化炉と、前記燃焼炉またはガス化炉からガスタービンまでの間に設備される脱塵装置、脱硫装置等を含み、これらの機器を暖機するために設けた暖機ガス循環ラインを有し、
前記燃焼炉またはガス化炉を水系起動循環ラインにより暖機すると共に、前記暖機ガス循環ラインにより、前記燃焼炉またはガス化炉からガスタービンまでの間に設備される脱塵装置、脱硫装置等を暖機することを特徴とする。
【0022】
また本発明は、
前記燃焼炉またはガス化炉の缶水循環ラインに、前記排熱回収ボイラにおいて加熱した給水を注水するライン、注水制御弁及び缶水と給水との混合部を設けたことを特徴とする。
【0023】
また本発明は、
前記燃焼炉またはガス化炉と、前記燃焼炉またはガス化炉からガスタービンまでの間に設備される脱塵装置、脱硫装置等を含み、これらの機器を暖機するために設けた暖機ガス循環ラインを有し、前記暖機ガス循環ラインに排熱回収ボイラ等の発生蒸気等により暖機ガスを加温する加熱器を設けたことを特徴とする。
【0024】
また本発明は、
液体または固体燃料を、ガス化するガス化炉と、その炉で発生させたガスのエネルギーによってガスタービンを回転させ発電するガスタービン発電機と、ガスタービンの排気から熱を回収し、蒸気を発生させる排熱回収ボイラと、その排熱回収ボイラまたは前記炉で発生した蒸気により蒸気タービンを回し発電する蒸気タービン発電機より成る複合発電設備において、
起動時に前記ガス化炉に不活性ガスを充満させ、そのガス圧力を圧縮機及び圧力調整弁により規定の運転圧近くまで昇圧、圧力調整している状態で燃料及び空気または酸化剤をほぼ同時に流し着火させる手段を有し、燃料着火後速やかに、その供給空気または酸化剤の中の酸素の量を燃料の理論空気量相当酸素量の1.25〜0.9倍に制御しガス化炉の暖機を行い、暖機完了後、燃料を増やし、ガス化に移行するガス化炉を有することを特徴とする。
【0025】
また本発明は、
液体または固体燃料を、ガス化するガス化炉と、その炉で発生させたガスのエネルギーによってガスタービンを回転させ発電するガスタービン発電機と、ガスタービンの排気から熱を回収し、蒸気を発生させる排熱回収ボイラと、その排熱回収ボイラまたは前記炉で発生した蒸気により蒸気タービンを回し発電する蒸気タービン発電機より成る複合発電設備において、
起動時に前記ガス化炉または、ガス化炉を含めガス化炉の後流設備に不活性ガスを充満させ、そのガス圧力を圧縮機及び圧力調整弁により規定の運転圧近くまで昇圧、圧力調整している高圧状態で、そのガスをガス化炉または、ガス化炉を含みガス化炉の後流設備内を循環させて暖機することを特徴とする。
【0026】
また本発明は、
前記ガス化炉に電気加熱式着火装置を有することを特徴とする。
【0027】
また本発明は、
液体または固体燃料を、ガス化するガス化炉と、その炉で発生させたガスのエネルギーによってガスタービンを回転させ発電するガスタービン発電機と、ガスタービンの排気から熱を回収し、蒸気を発生させる排熱回収ボイラと、その排熱回収ボイラまたは前記炉で発生した蒸気により蒸気タービンを回し発電する蒸気タービン発電機より成る複合発電設備において、
前記請求項7に示した高圧状態でガスをガス化炉または、ガス化炉を含めガス化炉の後流設備内を循環させる時、その設備内の圧力を調節するために、その循環ガスラインより高い圧力で循環ガスラインへ循環ガスを供給する圧力調節弁及び、その循環ガスラインから、より圧力の低い所へ圧力を抜く別の圧力調整弁とを有することを特徴とする。
【0028】
また本発明は、
液体または固体燃料を、ガス化するガス化炉と、その炉で発生させた生成ガスのエネルギーによって回転させ発電するガスタービン発電機と、ガスタービンの排気から熱を回収し、蒸気を発生させる排熱回収ボイラと、その排熱回収ボイラまたは前記炉で発生した蒸気により蒸気タービンを回し発電する複合発電設備において、
前記ガス化炉の缶水を循環させ、その缶水循環ラインの一部に火を伴わない起動用加熱器を有し、前記排熱回収ボイラで発生した蒸気を加熱源とし、前記ガス化炉を起動暖機することを特徴とする。
【0029】
また本発明は、
液体または固体燃料を、ガス化するガス化炉と、その炉で発生させた生成ガスのエネルギーによって回転させ発電するガスタービン発電機と、ガスタービンの排気から熱を回収し、蒸気を発生させる排熱回収ボイラと、その排熱回収ボイラまたは前記炉で発生した蒸気により蒸気タービンを回し発電する複合発電設備において、
前記請求項8に記載した缶水循環ライン、及び前記起動用加熱器を有し、更に、前記ガス化炉、その炉からガスタービンまでの間に設備される脱塵装置、脱硫装置等を含み、これらの機器を暖機するために設けた暖機ガス循環ラインを有し、前記ガス化炉を缶水循環ライン及び起動用加熱器により暖機すると共に、前記暖機ガス循環ラインにより、その炉からガスタービンまでの間に設備される脱塵装置、脱硫装置等を暖機することを特徴とする。
【0030】
また本発明は、
前記ガス化炉の缶水循環ラインに設けた起動用加熱器を使用した、前記排熱回収ボイラからの蒸気またはその復水を、前記蒸気タービンの復水器を含み前記排熱回収ボイラの給水ポンプの入口までの間に回収することを特徴とする。
【0031】
また本発明は、
前記燃焼炉またはガス化炉と、その炉からガスタービンまでの間に設備される脱塵装置と、脱硫装置等を含み、これらの機器を暖機するために設けた暖機ガス循環ラインを有し、前記暖機ガス循環ラインに排熱回収ボイラ等の発生蒸気等により、暖機ガスを加温する加熱器を設けたことを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態では次のような手段を採用する。
1.ガス化炉の缶水循環系から蒸気タービンの復水器に至るガス化炉の水系起動循環ラインを設ける。
2.ガスタービンの排熱回収ボイラにて高温給水を作り、この高温給水をガス化炉に供給し、ガス化炉を暖機する。ガス化炉に給水された分を前記ガス化炉の水系起動循環ラインにより、蒸気タービンの復水器に循環する。
3.ガス化炉の缶水循環ラインに、前記排熱回収ボイラにおいて加熱した給水を注水するライン、注水制御弁を設け缶水と給水とを混合させる。
4.不活性ガス等による暖機ガス循環ラインをガス化炉、脱塵装置、脱硫装置、暖機ガス循環ライン、暖機ガス圧縮機により作る。
5.前記ガス化炉の給水系、水系起動循環ラインによりガス化炉を暖機すると共に、前記不活性ガス等による暖機ガス循環を行い、暖機ガス循環ライン内にある機器、即ち、脱塵装置、脱硫装置等も暖機する。ガス化炉はこの時、暖機ガス加熱器として作用する。
【0033】
(第2の実施の形態)
以下に、機器の暖機から昇温、昇圧、点火、ガス化移行までのプラントの新しい起動方法(本発明の第2の実施の形態)の要点を図2を参照しつつ説明する。
【0034】
(1)暖機ガス循環ライン形成:ガス化炉201、脱塵装置204、脱硫装置205、暖機ガス循環ライン233、暖機ガス圧縮機234により不活性ガス等による暖機ガス循環ライン233を作り、暖機ガス圧縮機234を運転しガスを循環させる。
【0035】
(2)系統内のO2 パージ:供給側圧力調節弁264から不活性ガスを供給し、起動時圧力調節弁262から循環ライン内のO2 を含むガスをO2 濃度が規定値以下になるまで排出する。
【0036】
(3)不活性ガスによる加圧:暖機ガス循環ライン233内のO2 濃度が規定値以下になったら、供給側圧力調節弁264から不活性ガスを供給したまま、起動時ガス圧力調節弁262の開度を小さくし、または、全閉し、そのラインの圧力をガス化炉201によりガス化炉1の定常運転圧力近くまで加圧する。暖機ガス圧縮機234によりガスを循環させたまま、この定常運転圧力近くの圧力を供給側圧力調節弁264及び起動時ガス圧力調節弁262により一定に保つ。
【0037】
(4)ガス系不活性ガス高圧暖機:ガス化炉201の給水系、起動循環ライン221によりガス化炉201を暖機すると共に、前記不活性ガス等による暖機ガス循環を行い、暖機ガス循環ライン233内にある機器、即ち、脱塵装置204、脱硫装置205等も暖機する。ガス化炉201はこの時、暖機ガス加熱器として作用する。次の起動用燃料としての軽油の点火、燃焼を考慮した場合、ガス化炉の定常運転圧力が24〜26kg/cm2gの場合、約160〜180℃以上まで暖機すべきである。
【0038】
(5)暖機循環の停止:目標の温度まで暖機できたら、暖機ガス循環を停止する。
【0039】
(6)点火トーチ点火:ガス化炉201内は不活性ガスの高圧のまま、点火トーチに必要な空気を流し、点火トーチを点火する。
【0040】
(7)起動バーナ点火:起動バーナに必要な空気を流し、起動バーナを点火し、着火安定後空気または酸化剤の中の酸素の量を燃料の理論空気量相当酸素量の1.25〜0.9倍(「見掛け空気比」1.25〜0.9と言う)に制御する。この時のガス系の圧力は起動時ガス圧力調節弁262により定常運転圧力に制御する。軽油燃料による燃焼排ガスをガス精製設備が嫌う場合は、点火トーチ点火前にガス精製入口弁243及びガス精製出口弁244を閉、ガス精製バイパス弁242を開とし、ガス精製設備をバイパスする。
【0041】
(8)起動バーナによる昇温昇圧:不活性ガスによる暖機後の機器の昇温、水蒸気系の昇圧を行う(ガス系圧力は定常運転圧のまま一定)。
【0042】
(9)ガス精製設備の通ガス:ガス化炉1出口の軽油燃焼排ガスの温度が上昇して来たら、ガス精製入口弁243及びガス精製出口弁244を開、ガス精製バイパス弁242を閉とし、ガス精製設備に通ガスする。
【0043】
(10)石炭を投入着火させ、燃料量、空気または酸化剤の量を制御し、ガス化に移行する。
【0044】
次に第2の実施の形態の作用を説明する。
(1)機器内部の硫酸腐食の低減:ガス化炉201で起動用燃料を燃焼させ、高温ガスを作り、暖機に使用する場合、燃料の中に含まれる硫黄分を極力少なくすべきであるが、一般に軽油程度のものが使用されるため、硫黄分が無いとはいえない。また、ガス化炉201は起動直後は冷たいため、燃焼排ガス中の水分がドレン化し、この燃焼排ガスが触れる部分が湿り、前記燃料中の硫黄分もあることから、機器内部の硫酸腐食を引き起こす。
本実施の形態によると、軽油点火前に不活性ガスで暖機することにより、燃焼排ガス中に含まれる水分、硫黄分による硫酸腐食を出来るだけ少なくすることが出来る。
【0045】
(2)不活性ガスを循環し暖機する場合、ガスの圧力が高い方が容積当たりのガスの熱容量が大きいため入熱量を大きく出来るのみならず、伝熱するにつれてのガスの温度の低下も少なく、加熱媒体として適している。本実施の形態はこの物性に従った合理的な考えに基づくものである。
【0046】
(3)ガス系の圧力を上昇させる際、燃料を燃焼させつつ、その排ガス中の酸素濃度を管理、制御しつつ行う複雑な制御を行わず、不活性ガスの状態でガスの供給を行う程度で昇圧出来、制御、操作が容易である。
【0047】
(4)起動用バーナのバーナチップの流量範囲或いは、流量を制御する制御弁の制御範囲を選定、または設計する際に、従来の起動法の場合は小流量・高差圧(起動直後は水蒸気系の温度が低く、蒸気の発生、蒸気の放出が無いため、燃焼量を大きく出来ない。又、燃料側は、流量制御弁入口とガス化炉内との差圧は起動時はガス側の圧力が低いため大きくなる。)から大流量・小差圧の範囲に適応せねばならず選定が困難であるのに比べ、本発明によると、一定差圧での小流量から、大流量までの範囲の選定であり、設計または選定が容易となる。
【0048】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態では次のような手段を採用する。
1.ガス化炉の缶水循環ライン内に加熱器を設け、缶水循環しつつ、加熱器によりガス化炉の暖機、即ちウォーミングアップを行う。
2.前記加熱器の熱源として、ガスタービンの排熱回収ボイラで発生した蒸気を用いる。
3.前記ガス化炉の缶水循環ラインに設けた起動用加熱器に使用した、前記排熱回収ボイラからの蒸気またはその復水を、前記蒸気タービンの復水器を含み前記排熱回収ボイラの給水ポンプの入口までの間に回収する。
4.不活性ガス等による暖機ガス循環ラインをガス化炉、脱塵装置、脱硫装置、暖機ガス循環ライン、暖機ガス圧縮機により作る。
5.前記ガス化炉の缶水循環ライン及び起動用加熱器によりガス化炉を暖機すると共に、前記不活性ガス等による暖機ガス循環を行い、暖機ガス循環ライン内にある機器、即ち、脱塵装置、脱硫装置等も暖機する。ガス化炉はこの時、暖機ガス加熱器として作用する。
【0049】
【実施例】
(第1実施例)
以下に本発明(請求項1〜5に対応する)の第1実施例を図1を参照しつつ説明する。この例は石炭ガス化複合発電設備の例であり、次のような機器で構成される。即ち、ガスタービン106の燃料を作るガス化炉(及び熱交換器)101、ガス化炉圧力容器102、ガス化炉101で生成されたガスからダストを取り除く脱塵装置104、硫黄分を取り除く脱硫装置105、燃料ガスを燃焼させその高温ガスのエネルギーによりガスタービン発電機を回転させるガスタービン106、ガスタービン排ガスから熱を回収する排熱回収ボイラ107、燃焼排ガスを捨てる煙突108、排熱回収ボイラ107から発生する蒸気により発電機を回転させる蒸気タービン109等から構成される。脱塵装置104及び脱硫装置105を一括りにして、ガス精製設備と称している。
【0050】
正常に運転している状態での水及び蒸気、空気、生成ガス等の流れを以下に説明する。ガスタービン106は、軽油等を燃焼させ起動した後、ガス化炉101に空気を供給し、ガス化炉101が起動し生成ガスを発生した後、燃料を軽油から、石炭ガスに切り替える。ガス化炉101には、図示されてない石炭供給系から燃料としての石炭が供給され、ガスタービン106から図示されてない空気系により空気が供給され、石炭ガスを発生させる。
【0051】
この時、一部の石炭は燃焼し、熱を発生するため、ガス化炉101は、水管等により構成され、水を循環させ蒸気を発生する。この例では、ガス化炉101はガス化炉缶水循環ポンプ103を有するいわゆる強制循環型のボイラとしている。ここで発生した蒸気は排熱回収ボイラ107の蒸気と共に、蒸気タービン109に導かれる。ガス化炉101で生成された石炭ガスは、脱塵装置104と、脱硫装置105により、脱塵、脱硫され、クリーンな精製ガスとしてガスタービン106に至る。
【0052】
ガスタービン106では、燃料ガスとしての精製ガスをガスタービン106の燃焼器で燃焼させ、高温ガスを作り、この高温ガスを回転翼にぶつけて軸を回転させる。ガスタービン106には、図示されていないガスタービン発電機が接続されており、ガスタービン106が回転することで発電することとなる。
【0053】
ガスタービン106の排気ガスは高温であり、熱を回収するため排熱回収ボイラ107が設備され、排熱回収ボイラ107にて発生した蒸気は、ガス化炉101で発生した蒸気と共に蒸気タービン109に導かれる。ガス化炉101から発生する蒸気と、排熱回収ボイラ107の蒸気との混合には色々の仕方があり、ガス化炉101から発生する蒸気を排熱回収ボイラ107の蒸気と混合し、更に排熱回収ボイラ107で加熱し蒸気タービン109に送る等の方法もあるが、本発明の主旨に直接関与しないので、この例では簡略して図示している。
【0054】
蒸気タービン109は図示されていない蒸気タービン発電機と接続されており、蒸気タービン109が回転することで発電することとなる。蒸気タービン109の排気蒸気を復水器111で海水により冷却し復水を作り、低圧ポンプ112により排熱回収ボイラ107に給水する。この低圧給水は排熱回収ボイラ107において加熱され高温水となる。低圧給水量にはガス化炉101への高圧給水量の分も含まれており、この高温水が高圧ポンプ113によりガス化炉101に給水される。
【0055】
本発明は、この複合発電設備を起動するときの各装置の暖機の仕方につき新しい技術(方法)を提供するものであるので、起動系統、起動暖機の仕方等について述べる。
【0056】
ガス化炉101の通常(従来)の暖機の方法の例では、ガス化炉101で起動用燃料を燃焼させガス化炉101自身を暖機すると共に、その燃焼排ガスを後流機器に流し暖機していた。この場合、燃料の中に含まれる硫黄分を極力少なくすべきであるが、一般に軽油程度のものが使用されるため、硫黄分が無いとはいえず、また、ガス化炉101は起動直後は冷たいため、燃焼排ガス中の水分がドレン化し、この燃焼排ガスが触れる部分が湿り、前記燃料中の硫黄分もあることから、機器内部の硫酸腐食を引き起こす。
【0057】
ここで、ガス化炉101の正常運転圧力は約24kg/cm2gであり、起動時のガス中の水分のドレン化、あるいは、硫酸の露点等を考慮すれば、機器は約160℃以上に暖機された後、ガス化炉101の起動燃料による点火、あるいは、ガス精製設備へのガス通気を行うべきである。
【0058】
これを達成するために、本実施例では、前記のプラント構成に加え起動時必要な次の配管ライン及び機器を以て構成している。
【0059】
即ち本実施例では、ガス化炉101の缶水循環系のガス化炉缶水循環ポンプ103の出口から蒸気タービン109の復水器111に至るガス化炉101の水系起動循環ライン121、起動循環水の流量制御のための循環量制御弁122及びこの起動循環水の復水器111入口でのフラッシングを緩和するため低圧ポンプ112の出口の低温水で起動循環水を冷却する減温ライン及び減温弁123を有する。また、高圧給水をガス化炉101の節炭器153の入口に通常通り給水するライン、または、あるいは、及び、ガス化炉缶水循環ポンプ103の出口に注水する起動高温水注水ライン150及び高温注水制御弁151を有する。
【0060】
ここで、起動循環水の復水器111の入口でのフラッシングを緩和するため低圧ポンプ112の出口の低温水で起動循環水を冷却する減温ライン及び減温弁123、あるいは、ガス化炉缶水循環ポンプ103の出口に注水する起動高温水注水ライン150、高温注水制御弁151は、基本的なこの水系の起動循環暖機と言う考え方に必ずしも必要なものでは無い。ただし、付随的に、循環暖機時に発生すると思われるフラッシングを緩和するためのものである。
【0061】
起動時のガス化炉101の缶水を暖機する時は、高圧給水は高温であり、ガス化炉101の缶水の圧力は低いため、ガス化炉起動循環用の高温給水が、高圧給水制御弁114の部分において、フラッシングが発生すると思われるので、これを極力緩和するため循環量が多いガス化炉缶水循環ポンプ103の出口に注水するものである。この起動高温注水ライン150を使用している間、節炭器入口給水止弁152を閉とするが、節炭器153の暖機は、節炭器再循環弁154を開としガス化炉101の缶水を循環させて行う。
【0062】
また、ガス系には、ガス化炉101、脱塵装置104、脱硫装置105、ガス精製出口暖機ガス出口弁132からガス化炉101の暖機ガス入口ライン135に至る暖機ガス循環ライン133、暖機ガス圧縮機134を有する。
【0063】
次にこの複合発電設備の起動暖機の仕方について述べる。まず、ガスタービン106を起動用燃料により起動し、排熱回収ボイラ107にて高温給水、及び蒸気を発生させる。蒸気は蒸気タービン109に導かれ、蒸気タービン109を起動する。高温給水を高圧ポンプ113で昇圧し、高圧給水制御弁114を通しガス化炉101に給水する。この高温給水は、節炭器153を通り、気水分離ドラムに至る。あるいは、ガス化炉缶水循環ポンプ103の出口に注水する起動高温水注水ライン150及び高温注水制御弁151を通し、缶水の循環系に高温水を給水する。
【0064】
この起動高温水の温度が暖機に必要な温度よりも低い場合は、高圧給水ラインに給水加熱器160を設け、排熱回収ボイラ107のより高温な蒸気を使用し、高温給水の温度を更に高くすることもできる。
【0065】
缶水はガス化炉缶水循環ポンプ103により、ガス化炉101を構成する水管内を循環し、各部の温度を均一化する。即ち、起動暖機時は、高温給水によりガス化炉101の水管等が暖機される。
【0066】
前記起動高温水注水ライン150を使用するのは、次の様な場合である。起動時のガス化炉101の缶水を暖機する時は、高圧給水は高温であり、ガス化炉101の缶水の圧力は低いため、ガス化炉起動循環用の給水が高温注水制御弁151の部分において、フラッシングが発生すると思われる。このフラッシングを極力緩和するため循環量が多いガス化炉缶水循環ポンプ103の出口に注水するものである。
【0067】
この起動高温水注水ライン150を使用している間、節炭器入口給水止弁152を閉とするが、節炭器153の暖機は節炭器再循環弁154を開としガス化炉101の缶水を循環させて行う。
【0068】
ガス化炉101に高温注水(高温給水)をすれば気水分離ドラムの水位が上昇する。この水位を一定に保つため、ガス化炉缶水循環ポンプ103の出口から蒸気タービン109の復水器111に至る水系起動循環ライン121により、缶水を復水器111に循環させる。この起動循環水は循環量制御弁122で流量制御を行うことができるようにしている。
【0069】
ここで、気水分離ドラムの水位を制御するために使用される弁は、高圧給水制御弁114、あるいは、循環量制御弁122のどちらでも構わない。また、低圧ポンプ112の出口の低温水を減温弁123を通し循環量制御弁122の後に注水し、起動循環水の復水器111の入口でのフラッシングを緩和させる。
【0070】
以下にガス化炉101から、ガスタービン106までのガス系の暖機について述べる。ガス系の暖機は、ガス化炉101、脱塵装置104、脱硫装置105、暖機ガス循環ライン133、暖機ガス圧縮機134、暖機ガス加熱器161により、ガスの循環ラインを構成し、このガスの循環ラインには、水分を含まない、あるいは、非常に少ない不活性ガス等(以下、「不活性ガス」と言う)を不活性ガス供給ライン136から封入し、暖機ガス圧縮機134により循環させる。
【0071】
ガス化炉101には、暖機ガス入口ライン135より、ガス化炉101内及びガス化炉101とガス化炉圧力容器102との中間スペースに不活性ガスを吹き込む。この不活性ガスは、ガス化炉101内及びガス化炉101とガス化炉圧力容器102との中間スペースを流れ、ガス化炉101の出口部に至る間に、高温給水により加温されているガス化炉(及び熱交換器)101により加温され、ガス化炉101の出口からその後流側の機器へと流れる。
【0072】
この暖機ガスのガス化炉101の出口部での温度が、後流機器、即ち、脱塵装置104、脱硫装置105等の暖機に必要な温度に上昇していない場合は、ガス化炉出口暖機ガス循環弁145を開、ガス精製入口弁143を閉とし、ガス化炉101単独で、暖機ガスを循環することもできる。
【0073】
暖機ガスのガス化炉101の出口部での温度が、後流機器の暖機に必要な温度に上昇した後、ガスタービン入口弁131を閉、ガス精製出口暖機ガス出口弁132を開、ガス精製入口弁143を開、ガス化炉出口暖機ガス循環弁145を閉とし、暖機ガスをガス精製設備を通して循環し暖機する。
【0074】
このように、本実施例によると、ガスタービン106の起動、排熱回収ボイラ107の起動、ガス化炉101の水系暖機循環、及び、ガス化炉101、脱塵装置104、脱硫装置105の不活性ガス暖機循環により、各装置の起動暖機を効率的に行うことができる。各装置の暖機が所定の温度まで終了した後、ガス化炉101にガスタービン106から抽気した空気、及び起動用燃料を投入し、ガス化炉101を起動していく。
【0075】
なお、本発明は、図1に示す石炭ガス化発電設備のみならず、液体または固体燃料を燃焼またはガス化する燃焼炉またはガス化炉と、この燃焼炉またはガス化炉で発生させた燃焼ガスまたは生成ガスのエネルギーによって回転させ発電するガスタービン発電機と、ガスタービンの排気から熱を回収して蒸気を発生させる排熱回収ボイラとを有すると共に、前記排熱回収ボイラまたは前記燃焼炉またはガス化炉で発生した蒸気により蒸気タービンを回し発電する複合発電設備において、適用することができることは言うまでもない。
【0076】
(第2実施例)
次に、本発明(請求項6〜9に対応する)の第2実施例を図2により、説明する。この例は石炭ガス化複合発電設備の例であり、次のような機器で構成される。ガスタービン206の燃料を作るガス化炉(及び熱交換器)201、ガス化炉圧力容器202、ガス化炉201で生成されたガスからダストを取り除く脱塵装置204、硫黄分を取り除く脱硫装置205、燃料ガスを燃焼させその高温ガスのエネルギーにより図2に省略されたガスタービン発電機を回転させるガスタービン206、ガスタービン排ガスから熱を回収する排熱回収ボイラ207、燃焼排ガスを捨てる煙突208、排熱回収ボイラ207から発生する蒸気により図2に省略された発電機を回転させる蒸気タービン209等から構成される。脱塵装置204及び脱硫装置205を一括りにして、ガス精製設備と称している。
【0077】
正常に運転している状態での水及び蒸気、空気、生成ガス等の流れを以下に説明する。ガスタービン206は、軽油等を燃焼させ起動した後、ガス化炉201に空気を供給し、ガス化炉201が起動し生成ガスを発生した後、燃料を軽油から、石炭ガスに切り替える。ガス化炉201には図2に省略された石炭供給系からガス化炉201に燃料としての石炭が供給され、ガスタービン206から抽気空気ライン215、空気昇圧機216、ガス化炉空気供給ライン217により空気が供給され、石炭ガスを発生させる。この時、一部の石炭は燃焼し、熱を発生するため、ガス化炉201は、水管等により構成され、水を循環させ蒸気を発生する。この例では、ガス化炉201はガス化炉缶水循環ポンプ203を有するいわゆる強制循環型のボイラとしている。ここで発生した蒸気は排熱回収ボイラ207の蒸気と共に、蒸気タービン209に導かれる。
【0078】
ガス化炉201で生成された石炭ガスは、脱塵装置204と、脱硫装置205により、脱塵、脱硫され、クリーンな精製ガスとしてガスタービン206に至る。ガスタービン206では、燃料ガスとしての精製ガスをガスタービン206の燃焼器で燃焼させ、高温ガスを作り、この高温ガスを回転翼にぶつけて軸を回転させる。ガスタービン206には図2に省略されたガスタービン発電機が接続されており、ガスタービン206が回転することで発電することとなる。
【0079】
ガスタービン206の排気ガスは高温であり、熱を回収するため排熱回収ボイラ207が設備され、その発生蒸気はガス化炉201で発生した蒸気と共に蒸気タービン209に導かれる。ガス化炉201から発生する蒸気と、排熱回収ボイラ207の蒸気との混合には色々の仕方があり、ガス化炉201から発生する蒸気を排熱回収ボイラ207の蒸気と混合し、更に排熱回収ボイラ207で加熱し蒸気タービン209に送る等の方法もあるが、本発明の主旨に直接関与しないので、この例では簡略し図示している。
【0080】
蒸気タービン209は図1に省略された蒸気タービン発電機と接続されており、蒸気タービン209が回転することで発電することとなる。蒸気タービン209の排気蒸気を復水器211で海水により冷却し復水を作り、低圧ポンプ212により排熱回収ボイラ207に給水する。この低圧給水は排熱回収ボイラ207において加熱され高温水となる。低圧給水量にはガス化炉201への高圧給水量の分も含まれておりこの高温水が高圧ポンプ213によりガス化炉201に給水される。
【0081】
本発明は、この複合発電設備を起動する新しい方法を提供するものであるので、起動系統、起動暖機の仕方等について述べる。
【0082】
ガス系には、ガス化炉201、脱塵装置204、脱硫装置205、ガス精製出口暖機ガス出口弁232から、ガス化炉201の暖機ガス入口ライン235に至る暖機ガス循環ライン233、暖機ガス圧縮機234を有する。
【0083】
又、水系にはガス化炉201の缶水循環系のガス化炉缶水循環ポンプ出口203から蒸気タービン209の復水器211に至るガス化炉201の起動循環ライン221、起動循環水の流量制御のための循環量制御弁222、及びこの起動循環水の復水器211の入口でのフラッシングを緩和するため、低圧ポンプ出口212の低温水で起動循環水を冷却する減温ライン及び減温弁223を有する。また、高圧給水をガス化炉201の節炭器入口253に通常通り給水するライン、または、或いは、及び、ガス化炉缶水循環ポンプ203の出口に注水する起動高温水注水ライン250、高温注水制御弁251を有する。
【0084】
次にこの複合発電設備の起動の仕方について述べる。
<暖機ガス循環ライン形成>
ガス化炉201、脱塵装置204、脱硫装置205、暖機ガス循環ライン233、暖機ガス圧縮機234により、ガスの循環ラインを構成し、暖機ガス圧縮機234を運転してガスを循環させる。
【0085】
<ガス系統内のO2 パージ>
不活性ガス供給ライン236から供給側圧力調節弁264を通し水分を含まない、或いは、非常に少ない不活性ガス等(以下、「不活性ガス」と言う)を供給し、起動時ガス圧力調節弁262から暖機ガス循環ライン233上の機器内のO2 を含むガスをO2 濃度が規定値以下になるまで排出する。
【0086】
ガス化炉201には暖機ガス入口ライン235よりガス化炉内及びガス化炉201とガス化炉圧力容器202との中間スペースに不活性ガスを吹き込む。この不活性ガスはガス化炉内及びガス化炉201とガス化炉圧力容器202との中間スペースを流れ、ガス化炉201の出口部に至るので、ガス化炉内及びガス化炉201とガス化炉圧力容器202との中間スペースをもこの不活性ガスにより、O2 パージが出来る。又、ガス精製設備のO2 パージが不要な場合は、ガス精製バイパス弁242を開、ガス精製入口弁243及びガス精製出口弁244を閉とし、ガス精製設備をバイパスしガスを循環或いは、パージすることも出来る。規定のO2 濃度はガス化炉201が生成する石炭ガスが混合しても燃焼或いは爆発しないO2 濃度として決められる値でこの例では4.2%以下としている。
【0087】
<ガス系統の不活性ガスによる加圧>
循環ガスライン上機器内のO2 濃度が規定値以下になったら、供給側圧力調節弁264から不活性ガスを供給したまま、起動時ガス圧力調節弁262の開度を小さくし、または、全閉し、その暖機ガス循環ラインの圧力をガス化炉部でガス化炉201の定常運転圧力近くまで加圧する。暖機ガス圧縮機234によりガスを循環させたまま、この定常運転圧力近くの圧力を供給側圧力調節弁264及び起動時ガス圧力調節弁262により一定に保つ。
【0088】
<水蒸気系起動暖機>
ガスタービン206を起動用燃料により起動し、排熱回収ボイラ207にて高温給水、及び蒸気を発生させる。蒸気は蒸気タービン209に導かれ、蒸気タービン209を起動する。高温給水を高圧ポンプ213で昇圧し、高圧給水制御弁214を通しガス化炉201に給水する。この高温給水は、節炭器253を通り、気水分離ドラムに至る。或いは、ガス化炉缶水循環ポンプ203の出口に注水する起動高温水注水ライン250及び高温注水制御弁251を通し、缶水の循環系に高温水を給水する。
【0089】
この起動高温水の温度が暖機に必要な温度よりも低い場合は、高圧給水ラインに給水加熱器260を設け、排熱回収ボイラ207のより高温な蒸気を使用し、高温給水の温度を更に高くすることも出来る。
【0090】
缶水はガス化炉缶水循環ポンプ203により、ガス化炉201を構成する水管内を循環し、各部の温度を均一化する。即ち、起動暖機時は、高温給水によりガス化炉201の水管等が暖機される。ガス化炉201の缶水の圧力が低い場合、前記起動高温水注水ライン250を使用する。この起動高温水注水ライン250を使用している間、節炭器入口給水止弁252を閉とするが、節炭器253の暖機は節炭器再循環弁254を開としガス化炉201の缶水を循環させて行う。ガス化炉201に高温注水(高温給水)をすれば気水分離ドラムの水位が上昇する。この水位を一定に保つため、ガス化炉缶水循環ポンプ203の出口から蒸気タービン209の復水器211に至る起動循環ライン221により、缶水を復水器211に循環させる。また、低圧ポンプ212の出口の低温水を減温弁223を通し循環量制御弁222の後に注水し、起動循環水の復水器211入口でのフラッシングを緩和させる。
【0091】
このようにしてガス化炉201の給水系、缶水循環ポンプ203の出口から蒸気タービン209の復水器211に至る起動循環ライン221によりガス化炉201を暖機する。
【0092】
<ガス系不活性ガス高圧暖機>
ガス化炉201、脱塵装置204、脱硫装置205、暖機ガス循環ライン233、暖機ガス圧縮機234による暖機ガス循環ライン233で、不活性ガスを高圧に保ったまま暖機ガス圧縮機234を運転してガスを循環させ、又、同時にガス化炉201の給水系、缶水循環ポンプ203の出口から蒸気タービン209の復水器211に至る起動循環ライン221によりガス化炉201を暖機する。ガス化炉201はこのとき、暖機ガス加熱器として作用する。この水蒸気系の暖機は、ガス系の暖機時間を短縮するために、ガス系のO2 パージ終了後、不活性ガスによる加圧を始める前から実施しても構わない。
【0093】
ガス化炉201の起動用燃料としての軽油の点火、燃焼を考慮した場合、ガス化炉201の定常運転圧力が24〜26kg/cm2gの場合、軽油燃焼排ガス中の水分がドレン化しないためには約160〜180℃以上まで暖機すべきである。
【0094】
この暖機ガスのガス化炉出口部での温度が後流機器、即ち、脱塵装置204、脱硫装置205等の暖機に必要な温度に上昇していない場合はガス化炉出口暖機ガス循環弁245を開、ガス精製入口弁243を閉とし、ガス化炉単独で、暖機ガスを循環することも出来る。暖機ガスのガス化炉出口部での温度が後流機器の暖機に必要な温度に上昇した後、ガスタービン入口弁231を閉、ガス精製出口暖機ガス出口弁232を開、ガス精製入口弁243を開、ガス精製バイパス弁242を閉、ガス化炉出口暖機ガス循環弁245を閉とし、暖機ガスをガス精製設備を通して循環し暖機する。
【0095】
また、ガス化炉201、脱塵装置204、脱硫装置205、暖機ガス循環ライン233、暖機ガス圧縮機234により構成される当該暖機ガス循環ライン233の暖機ガス圧縮機234から、ガス化炉201への暖機ガス入口ライン235までの間に排熱回収ボイラ207等の蒸気を利用し、暖機ガスを加温する暖機ガス加熱器265を設け、更に暖機ガスの温度を上げることも出来る。
【0096】
<ガス系暖機循環の停止>
目標の温度まで暖機できたら、暖機ガス循環を停止する。
【0097】
<点火トーチ点火>
ガス化炉201内は不活性ガスの高圧のまま、図2には省略された点火トーチに必要な空気を流し点火トーチを点火する。空気はガスタービン206から抽気され抽気空気ライン215、空気昇圧機216、ガス化炉空気供給ライン217を経由して、図2には省略された点火トーチに供給される。
【0098】
通常火を着けるためには火種が必要であり、通常の発電用ボイラ等には電気スパーク式の点火トーチが用いられるが、石炭ガス化炉においては炉内圧力が高圧のため、電気スパークを発生させるためにはおおよそ、その圧力に比例した倍数の高電圧が必要となり、難しい設備となる。本発明によれば、電気加熱式点火トーチにより、通電した一部で赤熱高温状態を作り、そこに点火トーチの燃料を流すことにより容易に着火させることが出来る。赤熱加熱される媒体としては、金属線でも良いが寿命が短いのでセラミックと金属の粉末を焼結したもの等が使用される。
【0099】
<起動バーナ点火>
点火トーチの火炎が安定した頃合をみて、図2には省略された起動バーナに必要な空気を流し、起動バーナを点火させる。空気はガスタービン206から抽気され抽気空気ライン215、空気昇圧機216、ガス化炉空気供給ライン217を経由して、図2には省略された起動バーナに供給される。起動バーナ着火安定後速やかに、空気または、酸化剤のなかの酸素量を燃料の理論空気量相当酸素量の1.25〜0.9倍(「見掛け空気比」1.25〜0.9と言う)に制御する。これは、ガス化炉201の中で生成する石炭ガスが既存の内部のガスと混合しても燃焼或いは爆発しない不活性ガスの状態を保つためである。
【0100】
制御の方法としては、ガスの性状を分析し検出する方法、即ち、ガス中のO2 濃度検出、CO濃度検出を行い、管理値内に制御する方法、或いは、燃料流量と空気流量または、酸化剤の流量とを計測し、燃料成分から理論空気量相当酸素量を演算器により演算し、この値を管理値内に制御する方法等がある。この時のガス系の圧力は起動時ガス圧力調節弁262により定常運転圧力に制御する。軽油燃料による燃焼排ガスをガス精製設備が嫌う場合は、点火トーチ点火前にガス精製入口弁243及びガス精製出口弁244を閉、ガス精製バイパス弁242を開とし、ガス精製設備をバイパスする。
【0101】
<起動バーナによる昇温昇圧>
ガス系圧力を定常運転圧力に起動時ガス圧力調節弁262で制御し、起動バーナの燃焼熱により、各機器の昇温、水蒸気系の昇温、昇圧を行う。起動バーナの燃焼としては、燃料流量は機器、または、ガス化炉の水蒸気系の昇温率により管理制御し、空気または、酸化剤の量は燃料の理論空気量相当酸素量の前記規定値により管理制御する。
【0102】
<ガス精製設備の通ガス>
ガス化炉201出口の軽油燃焼排ガスの温度が上昇してきたら、ガス精製入口弁243及びガス精製出口弁244を開、ガス精製バイパス弁242を閉とし、ガス精製設備に通ガスする。
【0103】
<石炭ガス化開始>
ガス化炉201内は生成する石炭ガスが既存の内部のガスと混合しても燃焼或いは爆発しない不活性ガスの状態を保つように起動用燃料量或いは、空気または、酸化剤の中の酸素量を起動用燃料の理論空気量相当酸素量の1.25〜0.9倍(「見掛け空気比」1.25〜0.9と言う)に制御し燃焼させているが、この状態で石炭を投入着火させ、石炭着火確認後、燃料量、空気または酸化剤の量を制御し、ガス化に移行する。即ち、空気または、酸化剤の量を起動用燃料の理論空気量の中の酸素量及び石炭投入量の理論空気量の中の酸素量の合計相当酸素量の0.9倍未満(「見掛け空気比」0.9未満)に低下させ燃焼性ガスを発生させていく。この時、空気または、酸化剤の量を保ち、石炭投入量を増し「見掛け空気比」を目標値まで低下させてもよいし、空気または、酸化剤の量を増し、石炭投入量をそれ以上増し「見掛け空気比」を目標値まで低下させても良い。
【0104】
この発生する燃焼性ガスの発熱量は投入燃料の理論空気量の中の酸素量に対する投入酸化剤の中の酸素量との比(「見掛け空気比」と言う)により、化学平衡的に定まる。即ち、前記「見掛け空気比」が低い程、生成されるガスの発熱量は高くなるが、ガス化炉201内の温度等の制約により、運転できる「見掛け空気比」には下限値が存在する。従って、目標の生成ガスの発熱量、或いは、十分なガス化炉201内の温度等を保つように前もって設定した「見掛け空気比」になるように、燃料量、或いは空気または酸化剤の量を制御する。ガス化炉1がガス化に移行した後は、石炭が主燃料であるから、起動用燃料としての軽油は投入量を徐々に減じ最終的にはゼロとする。
【0105】
<ガスタービンの燃料切替え>
ガス化炉201で発生した生成ガスはガスタービン206で燃焼させない間は、起動時ガス圧力調節弁262を経由して、フレアスタック263へ排出される。ガスタービン206側への受け入れ条件が整った後、ガスタービン206の燃料を軽油等の起動用燃料から、脱塵装置204、脱硫装置205にて脱塵、脱硫されたクリーンな、ガス精製設備出口の精製ガスに切り替える。精製ガスがガスタービン206に使用されるにつれ、起動時ガス圧力調節弁262を経由して、フレアスタック263へ排出されるガスは減少し、最終的にはゼロとする。ガスタービン206の起動用燃料の軽油等も最終的にはゼロとする。
【0106】
(第3実施例)
次に本発明(請求項10〜13に対応する)の第3実施例を図3により説明する。この例は石炭ガス化複合発電設備の例であり、次のような機器で構成される。ガスタービン306の燃料を作るガス化炉(及び熱交換器)301、ガス化炉圧力容器302、ガス化炉301で生成されたガスからダストを取り除く脱塵装置304、硫黄分を取り除く脱硫装置305、燃料ガスを燃焼させその高温ガスのエネルギーによりガスタービン発電機を回転させるガスタービン306、ガスタービン排ガスから熱を回収する排熱回収ボイラ307、燃焼排ガスを捨てる煙突308、排熱回収ボイラ307から発生する蒸気により発電機を回転させる蒸気タービン309等から構成される。脱塵装置304及び脱硫装置305を一括りにして、ガス精製設備と称している。
【0107】
正常に運転している状態での水及び蒸気、空気、生成ガス等の流れを以下に説明する。ガスタービン306は、軽油等を燃焼させ起動した後、ガス化炉301に空気を供給し、ガス化炉301が起動し生成ガスを発生した後、燃料を軽油から、石炭ガスに切り替える。ガス化炉301には図示されてない石炭供給系からガス化炉301に燃料としての石炭が供給され、ガスタービン306から図示されてない空気系により空気が供給され、石炭ガスが発生させる。この時、一部の石炭は燃焼し、熱を発生するため、ガス化炉301は、水管等により構成され、水を循環させ蒸気を発生する。この例では、ガス化炉301はガス化炉缶水循環ポンプ303を有するいわゆる強制循環型のボイラとしている。ここで発生した蒸気は排熱回収ボイラ307の蒸気と共に、蒸気タービン309に導かれる。
【0108】
ガス化炉301で生成された石炭ガスは、脱塵装置304と、脱硫装置305により、脱塵、脱硫され、クリーンな精製ガスとしてガスタービン306に至る。ガスタービン306では、燃料ガスとしての精製ガスをガスタービン306の燃焼器で燃焼させ、高温ガスを作り、この高温ガスを回転翼にぶつけて軸を回転させる。ガスタービン306には図示されていないガスタービン発電機が接続されており、ガスタービンが回転することで発電することとなる。
【0109】
ガスタービン306の排気ガスは高温であり、熱を回収するため排熱回収ボイラ307が設備され、その発生蒸気はガス化炉301で発生した蒸気と共に蒸気タービン309に導かれる。ガス化炉301から発生する蒸気と、排熱回収ボイラ307の蒸気との混合には色々の仕方があり、ガス化炉301から発生する蒸気を排熱回収ボイラ307の蒸気と混合し、更に排熱回収ボイラ307で加熱し蒸気タービン309に送る等の方法もあるが、本発明の主旨に直接関与しないので、この例では簡略し図示している。
【0110】
蒸気タービン309は図示されていない蒸気タービン発電機と接続されており、蒸気タービン309が回転することで発電することとなる。蒸気タービン309の排気蒸気を復水器311で海水により冷却し復水を作り、低圧ポンプ312により排熱回収ボイラ307に給水する。この低圧給水は排熱回収ボイラ307において加熱され高温水となる。低圧給水量にはガス化炉301への高圧給水量の分も含まれておりこの高温水が高圧ポンプ313によりガス化炉301に給水される。なお図3において353は節炭器である。
【0111】
本発明は、この複合発電設備を起動するときの各装置の暖機の仕方につき新しい方法を提供するものであるので、起動系統、起動暖機の仕方等について述べる。
【0112】
ガス化炉301の通常の暖機の方法の例では、ガス化炉301で起動用燃料を燃焼させガス化炉301自身を暖機すると共に、その燃焼排ガスを後流機器に流し暖機していた。この場合、燃料の中に含まれる硫黄分を極力少なくすべきであるが、一般に軽油程度のものが使用されるため、硫黄分が無いとはいえず、また、ガス化炉301は起動直後は冷たいため、燃焼排ガス中の水分がドレン化し、この燃焼排ガスが触れる部分が湿り、前記燃料中の硫黄分もあることから、機器内部の硫酸腐食を引き起こす。ここで、ガス化炉301の正常運転圧力は約24kg/cm2gであり、起動時のガス中の水分のドレン化、或いは、硫酸の露点等を考慮すれば、機器は約160℃以上に暖機された後、ガス化炉301の起動燃料による点火、或いは、ガス精製設備へのガス通気を行うべきである。
【0113】
これを達成するために、本実施例では、前記のプラント構成に加え缶水循環ラインに起動用加熱器315、加熱蒸気ライン316、蒸気・水回収ライン317及び起動用加熱器バイパス弁318を設ける。また、ガス系には、ガス化炉301、脱塵装置304、脱硫装置305、ガス精製出口暖機ガス出口弁332から、ガス化炉301の暖機ガス入口ライン335に至る暖機ガス循環ライン333、暖機ガス圧縮機334を有する。
【0114】
次にこの複合発電設備の起動暖機の仕方について述べる。まず、ガスタービン306を起動用燃料により起動し、排熱回収ボイラ307にて蒸気を発生させる。蒸気は蒸気タービン309に導かれ、蒸気タービン309を起動する。
【0115】
一方、ガス化炉301の缶水はガス化炉缶水循環ポンプ303により、ガス化炉301を構成する水管内及び起動用加熱器315を循環し、各部の温度を均一化する。缶水を循環し始めたら起動用加熱器315に排熱回収ボイラ307で発生した蒸気を加熱蒸気ライン316に流し、缶水を暖める。即ち、起動暖機時は、起動用加熱器315によりガス化炉301の水管等が暖機される。この使用した蒸気は、熱交換後低温の蒸気または水になるが、水または熱回収のため蒸気・水回収ライン317により蒸気タービン309の復水器311に回収される。
【0116】
起動用加熱器315の設備の仕方として、缶水循環ポンプ303の出口の母管に設置してもよいし、或いは、通常運転時の循環圧力損失を出来るだけ小さくするために缶水循環ラインのバイパスに設置し、起動用加熱器315使用時は起動用加熱器バイパス弁318を閉として使用しても構わない。この起動用加熱器315の加熱量の調節は使用する蒸気量の加減を図には示してない加熱蒸気調節弁等により、容易に行うことが出来る。
【0117】
以下にガス化炉301から、ガスタービン306までのガス系の暖機について述べる。ガス系の暖機は、ガス化炉301、脱塵装置304、脱硫装置305、暖機ガス循環ライン333、暖機ガス圧縮機334により、ガスの循環ラインを構成し、このガスの循環ラインには、水分を含まない、或いは、非常に少ない不活性ガス等(以下、「不活性ガス」と言う)を不活性ガス供給ライン336から封入し、暖機ガス圧縮機334により循環させる。ガス化炉301には暖機ガス入口ライン335よりガス化炉内及びガス化炉301とガス化炉圧力容器302との中間スペースに不活性ガスを吹き込む。この不活性ガスはガス化炉内及びガス化炉301とガス化炉圧力容器302との中間スペースを流れ、ガス化炉301の出口部に至る間に、高温給水により加温されているガス化炉301及び熱交換器により加温され、ガス化炉出口からその後流側の機器へと流れる。
【0118】
この暖機ガスのガス化炉出口部での温度が後流機器、即ち、脱塵装置304、脱硫装置305等の暖機に必要な温度に上昇していない場合はガス化炉出口暖機ガス循環弁345を開、ガス精製入口弁343を閉とし、ガス化炉単独で、暖機ガスを循環することも出来る。暖機ガスのガス化炉出口部での温度が後流機器の暖機に必要な温度に上昇した後、ガスタービン入口弁331を閉、ガス精製出口暖機ガス出口弁332を開、ガス精製入口弁343を開、ガス化炉出口暖機ガス循環弁345を閉とし、暖機ガスをガス精製設備を通して循環し暖機する。
【0119】
また、ガス化炉301、脱塵装置304、脱硫装置305、暖機ガス循環ライン333、暖機ガス圧縮機334により構成される当該暖機ガスの循環ラインの暖機ガス圧縮器334から、ガス化炉301への暖機ガス入口ライン335までの間に排熱回収ボイラ307等の蒸気を利用し、暖機ガスを加温する暖機ガス加熱器347を設け、更に暖機ガスの温度を上げることも出来る。
【0120】
この様に、本実施例によると、ガスタービン306起動、排熱回収ボイラ307起動、ガス化炉301缶水循環系の起動用加熱器による暖機循環、及び、ガス化炉301、脱塵装置304、脱硫装置305の不活性ガス暖機循環により、各装置の起動暖機を効率的に行うことが出来る。各装置の暖機が所定の温度まで終了した後、ガス化炉301にガスタービン306から抽気した空気、及び起動用燃料を投入し、ガス化炉301を起動していく。
【0121】
【発明の効果】
請求項1〜5の本発明では、液体または固体燃料を燃焼またはガス化する燃焼炉またはガス化炉と、この燃焼炉またはガス化炉で発生させた燃焼ガスまたは生成ガスのエネルギーによって回転させ発電するガスタービン発電機と、ガスタービンの排気から熱を回収して蒸気を発生させる排熱回収ボイラとを有すると共に、前記排熱回収ボイラまたは前記燃焼炉またはガス化炉で発生した蒸気により蒸気タービンを回し発電する複合発電設備において、
(1) 前記燃焼炉またはガス化炉の給水を前記排熱回収ボイラにおいて加熱・給水し、前記燃焼炉またはガス化炉から、前記蒸気タービンの復水器を含み復水器から燃焼炉またはガス化炉の給水ポンプの入口までの間に、燃焼炉またはガス化炉の缶水を循環させる水系起動循環ラインを有する構成としたり、
(2) 前記燃焼炉またはガス化炉と、前記燃焼炉またはガス化炉からガスタービンまでの間に設備される脱塵装置、脱硫装置等を含み、これらの機器を暖機するために設けた暖機ガス循環ラインを有し、この暖機ガス循環ラインにより、前記燃焼炉またはガス化炉からガスタービンまでの間に設備される脱塵装置、脱硫装置等を暖機する構成としたり、
(3) 前記水系起動循環ラインを有し、更に、前記燃焼炉またはガス化炉と、前記燃焼炉またはガス化炉からガスタービンまでの間に設備される脱塵装置、脱硫装置等を含み、これらの機器を暖機するために設けた暖機ガス循環ラインを有し、
前記燃焼炉またはガス化炉を水系起動循環ラインにより暖機すると共に、前記暖機ガス循環ラインにより、前記燃焼炉またはガス化炉からガスタービンまでの間に設備される脱塵装置、脱硫装置等を暖機する構成としたり、
(4) 前記燃焼炉またはガス化炉の缶水循環ラインに、前記排熱回収ボイラにおいて加熱した給水を注水するライン、注水制御弁及び缶水と給水との混合部を設けた構成としたり、
(5) 前記燃焼炉またはガス化炉と、前記燃焼炉またはガス化炉からガスタービンまでの間に設備される脱塵装置、脱硫装置等を含み、これらの機器を暖機するために設けた暖機ガス循環ラインを有し、前記暖機ガス循環ラインに排熱回収ボイラ等の発生蒸気等により暖機ガスを加温する加熱器を設けた構成とした。
【0122】
ガス化炉で起動用燃料を燃焼させ、高温ガスを作り、暖機に使用する場合、燃料の中に含まれる硫黄分を極力少なくすべきであるが、一般に軽油程度のものが使用されるため、硫黄分が無いとはいえず、また、ガス化炉は起動直後は冷たいため、燃焼排ガス中の水分がドレン化し、この燃焼排ガスが触れる部分が湿り、前記燃料中の硫黄分もあることから、機器内部の硫酸腐食を引き起こす。また、このガスが流れる部分には前回の運転により、ダストが内面に付着しており、このダストがドレンで湿ると次に乾燥した時、このダストが機器の内面に固着したりする。
上記構成とした本発明によると、暖機を水分の少ない、または、水分の無い不活性ガスで行うため、ドレンの発生を極力押さえることができ、暖機完了後にガス化炉の起動用燃料を点火するため、ドレンの発生がなく、機器の内面へのダストの固着を減少させるのみならず、低温硫酸腐食を減ずる事ができる。
【0123】
従来の方法では、脱塵装置、脱硫装置の暖機を行うために熱源として加熱炉またはこれに相当する装置及び暖機ガス加熱器を設備する必要があった。石炭ガス化複号発電設備を起動するには、いずれにしろ、ガスタービンを起動し、排熱回収ボイラで蒸気を発生させ、蒸気タービンを起動すると共に、ガスタービンからの抽気空気をガス化炉に供給せねばならないが、上記構成の本発明によると、ガスタービンを起動し、排熱回収ボイラで熱回収するとき、蒸気と共に高温給水を作り、この高温給水を加熱源とし、ガス化炉自身を加熱器の代わりに使用するため、設備費を低減できるのみならず、全体装置が簡素となる。
【0124】
通常、ガス化炉が冷体のとき、ガス化炉への給水ラインを使用し温水を給水し100℃まで暖機するのは易しい。ところが、これ以上の温度の給水をしようとすると、高温給水は高圧給水制御弁部で沸騰(フラッシング)し、節炭器への正常な給水が難しくなる。
上記構成の本発明によると、缶水を循環させておき、この缶水の循環量の多いガス化炉缶水循環ポンプの出口に高温水を注水することで、高温注水制御弁部でのフラッシングを極力押さえ、缶水の温度を上昇させることができる。一部発生する蒸気の気泡は缶水の循環の途中にある気水分離ドラムにより分離され、いかにもボイラで蒸気を発生しているときと同じく、気水分離ドラムの空気抜き、及び昇温昇圧ができる。このため、暖機の目標値が100℃を越え、160℃であってもこの発明の方法で容易に暖機できる。
【0125】
請求項6〜9の本発明では、液体または固体燃料を、ガス化するガス化炉と、その炉で発生させたガスのエネルギーによってガスタービンを回転させ発電するガスタービン発電機と、ガスタービンの排気から熱を回収し、蒸気を発生させる排熱回収ボイラと、その排熱回収ボイラまたは前記炉で発生した蒸気により蒸気タービンを回し発電する蒸気タービン発電機より成る複合発電設備において、
(6) 起動時に前記ガス化炉に不活性ガスを充満させ、そのガス圧力を圧縮機及び圧力調整弁により規定の運転圧近くまで昇圧、圧力調整している状態で燃料及び空気または酸化剤をほぼ同時に流し着火させる手段を有し、燃料着火後速やかに、その供給空気または酸化剤の中の酸素の量を燃料の理論空気量相当酸素量の1.25〜0.9倍に制御しガス化炉の暖機を行い、暖機完了後、燃料を増やし、ガス化に移行するガス化炉を有する構成としたり、
(7) 起動時に前記ガス化炉または、ガス化炉を含めガス化炉の後流設備に不活性ガスを充満させ、そのガス圧力を圧縮機及び圧力調整弁により規定の運転圧近くまで昇圧、圧力調整している高圧状態で、そのガスをガス化炉または、ガス化炉を含みガス化炉の後流設備内を循環させて暖機する構成としたり、
(8) 前記ガス化炉に電気加熱式着火装置を有する構成としたり、
(9) 前記高圧状態でガスをガス化炉または、ガス化炉を含めガス化炉の後流設備内を循環させる時、その設備内の圧力を調節するために、その循環ガスラインより高い圧力で循環ガスラインへ循環ガスを供給する圧力調節弁及び、その循環ガスラインから、より圧力の低い所へ圧力を抜く別の圧力調整弁とを有する構成とした。
【0126】
上記構成の本発明によれば、次のような効果を奏する。
ガス化炉で起動用燃料を燃焼させ、高温ガスを作り、暖機に使用する場合、燃料の中に含まれる硫黄分を極力少なくすべきであるが、一般に軽油程度のものが使用されるため、硫黄分が無いとはいえず、また、ガス化炉は起動直後は冷たいため、燃焼排ガス中の水分がドレン化し、この燃焼排ガスが触れる部分が湿り、前記燃料中の硫黄分もあることから、機器内部の硫酸腐食を引き起こす。また、このガスが流れる部分には前回の運転により、ダストが内面に付着しており、このダストがドレンで湿ると次に乾燥した時、このダストが機器の内面に固着したりする。
本発明によると、暖機を水分の少ない、または、無い不活性ガスで行うため、ドレンの発生を極力押さえることができ、暖機完了後に、ガス化炉の起動用燃料を点火するため、ドレンの発生がなく、機器の内面へのダストの固着を減少させるのみならず、低温硫酸腐食を減ずる事が出来る。
【0127】
従来の方法では、ガス化炉で起動用燃料を燃焼させる時、燃焼排ガス中の水分によるドレンの発生を出来るだけ少なくするため、ガス化炉の定常運転圧力に比べ、かなり低い圧力で燃焼させ、機器の温度の上昇に伴いガスの圧力を上げていく。更にガス化移行前のO2 パージはガスの圧力が低い方がパージに必要な低O2 ガスの量が少なくてすむため、通常低圧の状態で行われる。その後のガス系圧力の上昇中、及びガス化移行前までの約1〜2時間の間もこの低O2 状態を保つように燃料、及び空気、または酸化剤を調節しつつ燃焼させ、ガス系圧力を上げていく時は、燃料、及び空気、または酸化剤等の量を増加させガス系の圧力が徐々に上昇するよう起動時ガス圧力調節弁(62)により、圧力を調整する必要がある。
本発明によると、ガス化炉内は不活性ガスの状態で不活性ガス供給ライン(36)から供給側圧力調節弁(64)を通しガスの供給を行い昇圧し、起動時ガス圧力調節弁(62)にて圧力調節する程度であり、従来のような、バーナを燃焼させつつ、その排ガスの性状を制御しつつ、昇圧するのに比べ、容易な運転制御によりガス系の昇圧ができる。
【0128】
不活性ガスを循環し暖機する場合、ガスの圧力が高い方が容積当たりのガスの熱容量が大きいため入熱量を大きく出来るのみならず、伝熱するにつれてのガスの温度の低下も少なく、加熱媒体として適している。本発明はこの物性に従った合理的な考えに基づくものである。
【0129】
起動用バーナのバーナチップの流量範囲或いは、流量を制御する制御弁の制御範囲を選定、または設計する際に、従来の起動法の場合は小流量・高差圧(起動直後は水蒸気系の温度が低く、蒸気の発生、蒸気の放出が無いため、燃焼量を大きく出来ない。又、燃料側は、流量制御弁入口とガス化炉内との差圧は起動時はガス側の圧力が低いため大きくなる。)から大流量・小差圧の範囲に適応せねばならず選定が困難であるのに比べ、本発明によると、一定差圧での小流量から、大流量までの範囲の選定であり、設計または選定が容易となる。
【0130】
請求項10〜13の本発明では液体または固体燃料を、ガス化するガス化炉と、その炉で発生させた生成ガスのエネルギーによって回転させ発電するガスタービン発電機と、ガスタービンの排気から熱を回収し、蒸気を発生させる排熱回収ボイラと、その排熱回収ボイラまたは前記炉で発生した蒸気により蒸気タービンを回し発電する複合発電設備において、
(10)前記ガス化炉の缶水を循環させ、その缶水循環ラインの一部に火を伴わない起動用加熱器を有し、前記排熱回収ボイラで発生した蒸気を加熱源とし、前記ガス化炉を起動暖機する構成としたり、
(11)前記缶水循環ライン、及び前記起動用加熱器を有し、更に、前記ガス化炉、その炉からガスタービンまでの間に設備される脱塵装置、脱硫装置等を含み、これらの機器を暖機するために設けた暖機ガス循環ラインを有し、前記ガス化炉を缶水循環ライン及び起動用加熱器により暖機すると共に、前記暖機ガス循環ラインにより、その炉からガスタービンまでの間に設備される脱塵装置、脱硫装置等を暖機する構成としたり、
(12)前記ガス化炉の缶水循環ラインに設けた起動用加熱器に使用した、前記排熱回収ボイラからの蒸気またはその復水を、前記蒸気タービンの復水器を含み前記排熱回収ボイラの給水ポンプの入口までの間に回収する構成としたり、
(13)前記焼却炉またはガス化炉と、その炉からガスタービンまでの間に設備される脱塵装置と、脱硫装置等を含み、これらの機器を暖機するために設けた暖機ガス循環ラインを有し、前記暖機ガス循環ラインに排熱回収ボイラ等の発生蒸気等により、暖機ガスを加温する加熱器を設けた構成とした。
【0131】
上記構成の本発明によれば、次のような効果を奏する。
ガス化炉で起動用燃料を燃焼させ、高温ガスを作り、暖機に使用する場合、燃料の中に含まれる硫黄分を極力少なくすべきであるが、一般に経由程度のものが使用されるため、硫黄分が無いとはいえず、また、ガス化炉は起動直後は冷たいため、燃焼排ガス中の水分がドレン化し、この燃焼排ガスが触れる部分が湿り、前記燃料中の硫黄分もあることから、機器内部の硫酸腐食を引き起こす。また、このガスが流れる部分には前回の運転により、ダストが内面に付着しており、このダストがドレンで湿ると次に乾燥した時、このダストが機器の内面に固着したりする。本発明によると、暖機を水分の少ない、または、無い不活性ガスで行うため、ドレンの発生を極力押さえることができ、暖機完了後に、ガス化炉の起動用燃料を点火するため、ドレンの発生がなく、機器の内面へのダストの固着を減少させるのみならず、低温硫酸腐食を減ずる事が出来る。
【0132】
従来の方法では、脱塵装置、脱硫装置の暖機を行うために熱源として加熱炉(46)またはこれに相当する装置及び暖機ガス加熱器(47)を設備する必要があった。石炭ガス化複合発電設備を起動するためには、いずれにしろ、ガスタービンを起動し、排熱回収ボイラで蒸気を発生させ、蒸気タービンを起動すると共に、ガスタービンからの抽気空気をガス化炉に供給せねばならないが、この発明によると、ガスタービンを起動し、排熱回収ボイラで熱回収するとき、蒸気が発生する。この蒸気を加熱源とし、ガス化炉の缶水循環系に起動用加熱器(15)を設けることにより、ガス化炉を暖機し、更にガス化炉自身を加熱器の代わりに使用しガス精製設備をも暖機するため、設備費を低減出来るのみならず、全体装置が簡素となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す構成図。
【図2】本発明の第2実施例を示す構成図。
【図3】本発明の第3実施例を示す構成図。
【図4】従来技術を示す構成図。
【符号の説明】
101,201,301 ガス化炉
102,202,302 ガス化炉圧力容器
103,203,303 ガス化炉缶水循環ポンプ
104,204,304 脱塵装置
105,205,305 脱硫装置
106,206,306 ガスタービン
107,207,307 排熱回収ボイラ
108,208,308 煙突
109,209,309 蒸気タービン
111,211,311 復水器
112,212,312 低圧ポンプ
113,213,313 高圧ポンプ
114,214 高圧給水制御弁
215 抽気空気ライン
315 起動用加熱器
216 空気昇圧機
316 加熱蒸気ライン
217 ガス化炉空気供給ライン
317 蒸気・水回収ライン
318 起動用加熱器バイパス弁
121,221 水系起動循環ライン
122,222 循環量制御弁
123,223 減圧弁
131,231,331 ガスタービン入口弁
132,232,332 ガス精製出口暖機ガス出口弁
133,233,333 暖機ガス循環ライン
134,234,334 暖機ガス圧縮機
135,235,335 暖機ガス入口ライン
136,236,336 不活性ガス供給ライン
241 ガス精製バイパスライン
242 ガス精製バイパス弁
143,243,343 ガス精製入口弁
244 ガス精製出口弁
145,245,345 ガス化炉出口暖機ガス循環弁
347 暖機ガス加熱器
150,250 起動高温水注水ライン
151,251 高温注水制御弁
152,252 節炭器入口給水止弁
153,253,353 節炭器
154,254 節炭器再循環弁
160,260 給水加熱器
161 暖機ガス加熱器
261 起動時ガス圧力調節弁
263 フレアスタック
264 供給側圧力調節弁
265 暖機ガス加熱器

Claims (13)

  1. 液体または固体燃料を燃焼またはガス化する燃焼炉またはガス化炉と、この燃焼炉またはガス化炉で発生させた燃焼ガスまたは生成ガスのエネルギーによって回転させ発電するガスタービン発電機と、ガスタービンの排気から熱を回収して蒸気を発生させる排熱回収ボイラとを有すると共に、前記排熱回収ボイラまたは前記燃焼炉またはガス化炉で発生した蒸気により蒸気タービンを回し発電する複合発電設備において、
    前記燃焼炉またはガス化炉に、前記排熱回収ボイラにおいて加熱した給水を供給するラインと、
    前記燃焼炉またはガス化炉の缶水循環系から、前記蒸気タービンの復水器に至り、燃焼炉またはガス化炉の缶水を循環させる水系起動循環ラインを有することを特徴とする複合発電設備。
  2. 液体または固体燃料を燃焼またはガス化する燃焼炉またはガス化炉と、この燃焼炉またはガス化炉で発生させた燃焼ガスまたは生成ガスのエネルギーによって回転させ発電するガスタービン発電機と、ガスタービンの排気から熱を回収して蒸気を発生させる排熱回収ボイラとを有すると共に、前記排熱回収ボイラまたは前記燃焼炉またはガス化炉で発生した蒸気により蒸気タービンを回し発電する複合発電設備において、
    前記燃焼炉またはガス化炉と、前記燃焼炉またはガス化炉からガスタービンまでの間に設備される脱塵装置、脱硫装置等を含み、これらの機器を暖機するために設けた暖機ガス循環ラインを有し、この暖機ガス循環ラインにより、前記燃焼炉またはガス化炉からガスタービンまでの間に設備される脱塵装置、脱硫装置等を暖機することを特徴とする複合発電設備。
  3. 液体または固体燃料を燃焼またはガス化する燃焼炉またはガス化炉と、この燃焼炉またはガス化炉で発生させた燃焼ガスまたは生成ガスのエネルギーによって回転させ発電するガスタービン発電機と、ガスタービンの排気から熱を回収して蒸気を発生させる排熱回収ボイラとを有すると共に、前記排熱回収ボイラまたは前記燃焼炉またはガス化炉で発生した蒸気により蒸気タービンを回し発電する複合発電設備において、
    前記請求項1に記載した水系起動循環ラインを有し、更に、前記請求項2に記載した前記燃焼炉またはガス化炉と、前記燃焼炉またはガス化炉からガスタービンまでの間に設備される脱塵装置、脱硫装置等を含み、これらの機器を暖機するために設けた暖機ガス循環ラインを有し、
    前記燃焼炉またはガス化炉を水系起動循環ラインにより暖機すると共に、前記暖機ガス循環ラインにより、前記燃焼炉またはガス化炉からガスタービンまでの間に設備される脱塵装置、脱硫装置等を暖機することを特徴とする複合発電設備。
  4. 前記燃焼炉またはガス化炉の缶水循環ラインに、前記排熱回収ボイラにおいて加熱した給水を注水するライン、注水制御弁及び缶水と給水との混合部を設けたことを特徴とする前記請求項1または請求項2の複合発電設備。
  5. 前記燃焼炉またはガス化炉と、前記燃焼炉またはガス化炉からガスタービンまでの間に設備される脱塵装置、脱硫装置等を含み、これらの機器を暖機するために設けた暖機ガス循環ラインを有し、前記暖機ガス循環ラインに排熱回収ボイラ等の発生蒸気等により暖機ガスを加温する加熱器を設けたことを特徴とする前記請求項1または請求項2の複合発電設備。
  6. 液体または固体燃料を、ガス化するガス化炉と、その炉で発生させたガスのエネルギーによってガスタービンを回転させ発電するガスタービン発電機と、ガスタービンの排気から熱を回収し、蒸気を発生させる排熱回収ボイラと、その排熱回収ボイラまたは前記炉で発生した蒸気により蒸気タービンを回し発電する蒸気タービン発電機より成る複合発電設備において、
    起動時に前記ガス化炉に不活性ガスを充満させ、そのガス圧力を圧縮機及び圧力調整弁により規定の運転圧近くまで昇圧、圧力調整している状態で燃料及び空気または酸化剤をほぼ同時に流し着火させる手段を有し、燃料着火後速やかに、その供給空気または酸化剤の中の酸素の量を燃料の理論空気量相当酸素量の1.25〜0.9倍に制御しガス化炉の暖機を行い、暖機完了後、燃料を増やし、ガス化に移行するガス化炉を有することを特徴とする複合発電設備。
  7. 液体または固体燃料を、ガス化するガス化炉と、その炉で発生させたガスのエネルギーによってガスタービンを回転させ発電するガスタービン発電機と、ガスタービンの排気から熱を回収し、蒸気を発生させる排熱回収ボイラと、その排熱回収ボイラまたは前記炉で発生した蒸気により蒸気タービンを回し発電する蒸気タービン発電機より成る複合発電設備において、
    起動時に前記ガス化炉または、ガス化炉を含めガス化炉の後流設備に不活性ガスを充満させ、そのガス圧力を圧縮機及び圧力調整弁により規定の運転圧近くまで昇圧、圧力調整している高圧状態で、そのガスをガス化炉または、ガス化炉を含みガス化炉の後流設備内を循環させて暖機することを特徴とする前記請求項6に記載した複合発電設備。
  8. 前記ガス化炉に電気加熱式着火装置を有することを特徴とする請求項6もしくは請求項7に記載した複合発電設備。
  9. 液体または固体燃料を、ガス化するガス化炉と、その炉で発生させたガスのエネルギーによってガスタービンを回転させ発電するガスタービン発電機と、ガスタービンの排気から熱を回収し、蒸気を発生させる排熱回収ボイラと、その排熱回収ボイラまたは前記炉で発生した蒸気により蒸気タービンを回し発電する蒸気タービン発電機より成る複合発電設備において、
    前記請求項7に示した高圧状態でガスをガス化炉または、ガス化炉を含めガス化炉の後流設備内を循環させる時、その設備内の圧力を調節するために、その循環ガスラインより高い圧力で循環ガスラインへ循環ガスを供給する圧力調節弁及び、その循環ガスラインから、より圧力の低い所へ圧力を抜く別の圧力調整弁とを有することを特徴とする複合発電設備。
  10. 液体または固体燃料を、ガス化するガス化炉と、その炉で発生させた生成ガスのエネルギーによって回転させ発電するガスタービン発電機と、ガスタービンの排気から熱を回収し、蒸気を発生させる排熱回収ボイラと、その排熱回収ボイラまたは前記炉で発生した蒸気により蒸気タービンを回し発電する複合発電設備において、
    前記ガス化炉の缶水を循環させ、その缶水循環ラインの一部に火を伴わない起動用加熱器を有し、前記排熱回収ボイラで発生した蒸気を加熱源とし、前記ガス化炉を起動暖機することを特徴とする複合発電設備。
  11. 液体または固体燃料を、ガス化するガス化炉と、その炉で発生させた生成ガスのエネルギーによって回転させ発電するガスタービン発電機と、ガスタービンの排気から熱を回収し、蒸気を発生させる排熱回収ボイラと、その排熱回収ボイラまたは前記炉で発生した蒸気により蒸気タービンを回し発電する複合発電設備において、
    前記請求項8に記載した缶水循環ライン、及び前記起動用加熱器を有し、更に、前記ガス化炉、その炉からガスタービンまでの間に設備される脱塵装置、脱硫装置等を含み、これらの機器を暖機するために設けた暖機ガス循環ラインを有し、前記ガス化炉を缶水循環ライン及び起動用加熱器により暖機すると共に、前記暖機ガス循環ラインにより、その炉からガスタービンまでの間に設備される脱塵装置、脱硫装置等を暖機することを特徴とする複合発電設備。
  12. 前記ガス化炉の缶水循環ラインに設けた起動用加熱器に使用した、前記排熱回収ボイラからの蒸気またはその復水を、前記蒸気タービンの復水器を含み前記排熱回収ボイラの給水ポンプの入口までの間に回収することを特徴とする請求項8または請求項9の複合発電設備。
  13. 前記燃焼炉またはガス化炉と、その炉からガスタービンまでの間に設備される脱塵装置と、脱硫装置等を含み、これらの機器を暖機するために設けた暖機ガス循環ラインを有し、前記暖機ガス循環ラインに排熱回収ボイラ等の発生蒸気等により、暖機ガスを加温する加熱器を設けた前記請求項8または請求項9の複合発電設備。
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