JP3675615B2 - パワーウインド装置の挟み込み検知方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パワーウインド装置の挟み込み検知方法に係わり、特に、ウインドの開閉中に何等かの物体が挟み込まれたことの検知を、正確に、かつ、高速度で行うことが可能なパワーウインド装置の挟み込み検知方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車のパワーウインド装置においては、ウインドの挟み込みの検知を行うものとして種々のものが知られており、その中の一例として、特開昭61−60981号に開示のパワーウインド装置のものがある。
【0003】
前記特開昭61−60981号に開示のパワーウインド装置は、ウインドの挟み込みの検知をするためのパラメータ値にモーター負荷電流値を利用しているものであって、ウインドの全移動範囲を複数の分割移動領域に分割し、それぞれの分割移動領域に対してウインドの挟み込みの発生の可否を表す基準電流値を予設定し、複数の分割移動領域毎に、検知したモーター負荷電流値(前者)とその分割移動領域に設定されている基準電流値(後者)とを比較し、前者が後者を大幅に超えたときにウインドの挟み込みが発生したものと判断しているものである。
【0004】
この場合、前記特開昭61−60981号に開示のパワーウインド装置は、複数の分割移動領域毎に基準電流値を設定する場合、ウインドの移動(開閉)動作時に、その分割移動領域でウインドの挾み込みが発生しなかったときに得られたモーター負荷電流のピーク値を基づいた設定を行っているものである。
【0005】
この他に、ウインドの挟み込みの検知を行うパワーウインド装置の中には、ウインドの挾み込みの検知を行うためのパラメータ値として、モーター負荷トルクを利用するものも知られている。
【0006】
しかるに、モーター負荷トルクを利用したこのパワーウインド装置は、前記特開昭61−60981号に開示のパワーウインド装置のように、ウインドの全移動範囲を複数の分割移動領域に分割し、各分割移動領域にそれぞれ適合した基準値を設定しているものではないので、正確なウインドの挾み込みの検知を行うことが難しいものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記特開昭61−60981号に開示のパワーウインド装置は、ウインドの挟み込みを検知するパラメータ値にモーター負荷電流のピーク値を利用しているので、モーターの駆動電圧、即ち、自動車に搭載されたバッテリーの出力電圧が定格出力電圧から変動すると、モーター負荷電流のピーク値が変動するようになり、また、検出されたモーター負荷電流値のピーク値に何等かの原因でノイズが重畳したしたような場合、同様に、モーター負荷電流のピーク値が変動するようになる。
【0008】
この場合、前記特開昭61−60981号に開示のパワーウインド装置は、各分割移動領域の基準値が、ウインドの移動(開閉)時に、その分割移動領域でウインドの挟み込みが発生しないときに得られたモーター負荷電流のピーク値に基づいて設定されることから、バッテリーの出力電圧が定格出力電圧から変動した時に得られたモーター負荷電流のピーク値や、検出されたモーター負荷電流のピーク値に大きなノイズが重畳したときのモーター負荷電流のピーク値は、バッテリーの出力電圧が定格出力電圧の時に得られたモーター負荷電流のピーク値や検出されたモーター負荷電流のピーク値にノイズが重畳しない時のモーター負荷電流のピーク値と異なり、設定された基準値も何等かの誤差を含んだものになる。そして、このような誤差を含んだ基準値を用いてウインドの挾み込みの検知を行った時には、ウインドの挾み込みの検知を正確に行うことができないもので、ウインドの挾み込みが生じていないにも係わらず、ウインドの挾み込みが生じたと誤判断したり、ウインドの挾み込みが生じたにも係わらず、ウインドの挾み込みが生じていないと誤判断したりするという問題を有している。
【0009】
本発明は、このような問題点を解決するもので、その主たる目的は、検出出力にノイズが重畳しても、そのノイズによって設定される基準中央値に影響を与えることがなく、ウインドの挟み込みの判断を正確に行うことが可能なパワーウインド装置の挾み込み検知方法を提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は、モーター駆動電圧が変動しても、その変動によってウインドの挟み込みの判断の確度を低下させることがないパワーウインド装置の挾み込み検知方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記主たる目的を達成するために、本発明によるパワーウインド装置の挾み込み検知方法は、ウインドを開閉する際、ウインドに加わるモーター負荷トルクを示すパラメータ値を検出し、検出したパラメータ値と予設定された基準中央値とを比較し、パラメータ値が基準中央値から相当量外れたときにウインドの挟み込みがあったものと判断し、モーター駆動部を介してモーターを駆動停止または逆転駆動させる場合に、ウインドの全移動範囲を複数の分割移動領域に分割し、各分割移動領域毎に基準中央値を設定し、その基準中央値をその分割移動領域で挟み込みを生じないときに検出された複数のモーター負荷トルクを表すパラメータ値の平均値に基づいて設定した第1の手段を具備する。
【0012】
また、前記主たる目的及び他の目的を達成するために、本発明のパワーウインド装置の挾み込み検知方法は、前記第1の手段に加えて、ウインドの挟み込みを、複数の分割移動領域毎に設定された基準中央値と複数の分割移動領域に係わりなく予設定された基準許容値との和によって判断し、その際に、基準許容値をモーターの駆動電圧の変動に対応して変更させる第2の手段を具備する。
【0013】
前記第1の手段によれば、複数の分割移動領域のそれぞれに新たな基準中央値を予設定する場合、ウインドがそれぞれの分割移動領域を移動する際に検出した最新の複数パラメータ値の平均値を求め、求めた複数パラメータ値の平均値を用いて新たな基準中央値を算出しているので、検出した複数パラメータ値の中の1つのパラメータ値に比較的大きなレベルのノイズが重畳しても、ノイズが重畳したパラメータ値の大レベルのノイズ成分がノイズが重畳していない他の多くのパラメータ値に実質的に分散するようになってほぼ無視できるレベルになり、ノイズが重畳したとしても新たに設定される基準中央値の誤りをなくし、常時、正確なウインドの挾み込みの検知を行うことができる。
【0014】
また、前記第2の手段によれば、前記第1の手段で得られる正確なウインドの挾み込みの検知が可能になるとともに、基準中央値に加算されてウインドの挾み込みの可否の判断基準となる基準許容値を、モーターの駆動電圧の変動に対応して変更するようにしているので、モーター駆動電圧が定格電圧から変動しても、そのモーター駆動電圧の変動の影響を相殺するように基準許容値が変動し、実質的にモーター駆動電圧の変動の影響を受けないウインドの挾み込みの検知を行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の1つの実施の形態において、パワーウインド装置の挾み込み検知方法は、駆動時にウインド駆動機構を介してウインドを開閉するモーターと、モーターを駆動するモーター駆動部と、モーターの回転に対応した2相パルスを発生するパルス発生部と、全体的な制御駆動処理を行うマイクロ制御ユニットと、ウインドの開閉を手動操作する操作スイッチとを備え、マイクロ制御ユニットは、モーター駆動部を介してウインドを開閉する際、ウインドに加わるモーター負荷トルクを示すパラメータ値を検出し、検出したパラメータ値と予設定された基準中央値とを比較し、パラメータ値が基準中央値から相当量外れたときにウインドの挟み込みがあったものと判断し、モーター駆動部を介してモーターを駆動停止または逆転駆動させるものであって、ウインドの全移動範囲を複数の分割移動領域に分割し、各分割移動領域毎に基準中央値を設定するとともに、基準中央値をその分割移動領域で挟み込みを生じないときに検出された複数のモーター負荷トルクを表すパラメータ値の平均値に基づいて設定しているものである。
【0016】
また、本発明の他の実施の形態において、パワーウインド装置の挾み込み検知方法は、前記1つの実施の形態に加え、ウインドの挟み込みを、複数の分割移動領域毎に設定された基準中央値と複数の分割移動領域に係わりなく予設定された基準許容値との和によって判断するとともに、基準許容値をモーターの駆動電圧の変動に対応して変更させているものである。
【0017】
本発明の1つの実施の形態によれば、ウインドの全移動範囲を複数の分割移動領域に分割し、それぞれの分割移動領域毎に基準中央値の設定を行い、複数の分割移動領域のそれぞれについてウインドが移動(開閉)する度ごとに新たな基準中央値を予設定するもので、この予設定を行う場合、ウインドがそれぞれの分割移動領域を移動(開閉)する際に検出した最新の複数パラメータ値からそれらパラメータ値の平均値を求め、求めた複数パラメータ値の平均値を用いて新たな基準中央値を設定するようにしているので、検出した複数パラメータ値の1つのパラメータ値に比較的大レベルのノイズが重畳したとしても、ノイズが重畳したパラメータ値の大レベルのノイズ成分がノイズが重畳していない他の多くのパラメータ値に実質的に分散されるようになって、ノイズ成分の大レベルがほぼ無視できるレベルになり、ノイズの重畳によっても新たに設定される基準中央値に誤りがなく、常時、正確なウインドの挾み込みの検知を行うことができる。
【0018】
また、本発明の他の実施の形態によれば、前記1つの実施の形態によって得られる正確なウインドの挟み込みの検知ができるとともに、基準中央値に加算されてウインドの挟み込みの判断基準となる基準許容値を、モーター駆動電圧の変動に対応して変更するようにしているので、モーターの駆動電圧が定格電圧から変動しても、そのモーター駆動電圧の変動の影響を相殺するように基準許容値が変動するようになって、実質的にモーター駆動電圧の変動の影響を受けないウインドの挟み込みの検知を行うことができる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、本発明によるパワーウインド装置の挟み込み検知方法の第1実施例が実施されるパワーウインド装置を示すブロック構成図である。
【0021】
図1に示されるように、パワーウインド装置は、スイッチ装置1と、マイクロ制御ユニット(MCU)2と、モーター駆動部3と、モーター4と、パルス発生器5と、プルアップ抵抗6と、分圧抵抗器7と、パルス伝送路8とを備える。
【0022】
また、図2(a)は、図1に図示のパワーウインド装置に用いられるパルス発生器のパルス発生原理構造図であり、図2(b)は、モーターの駆動時に、パルス発生器から発生される2相方形波パルスを示す波形図である。
【0023】
図2(a)に示されるように、パルス発生器5は、回転体51 と、ホール素子52 、53 とを備えている。
【0024】
そして、スイッチ装置1は、個別に操作される3個のスイッチ11 、12 、13 を具備する。これらのスイッチ11 乃至13 の中で、スイッチ11 は、ウインドの上昇(閉)動作を指令するものであり、スイッチ12 は、ウインドの下降(開)動作を指令するためのものであって、スイッチ11 、12 を操作しているときだけ、ウインドが指定された方向に移動し、スイッチ11 、12 の操作を停止すると、ウインドの移動も停止する。スイッチ13 は、動作の自動継続を指令するものであって、スイッチ13 とスイッチ11 とを同時操作すると、前述のようにウインドが上昇(閉)動作を始めるが、その後、スイッチ13 とスイッチ11 の操作を停止しても、ウインドの上昇(閉)動作が継続され、ウインドが窓枠の最上部に達したときに停止する。また、スイッチ13 とスイッチ12 とを同時操作すると、やはり前述のようにウインドが下降(開)動作を始めるが、その後、スイッチ13 とスイッチ12 の操作を停止しても、ウインドの下降(開)動作が継続され、ウインドが窓枠の最下部に達したときに停止する。
【0025】
MCU2は、制御・演算部9と、メモリ10と、モーター駆動電圧検出部11と、パルスエッジカウンタ12と、タイマー13とを具備する。これらの構成要素の中で、制御・演算部9は、スイッチ装置1の操作状態に対応した制御信号を発生し、この制御信号をモーター駆動部3を介してモーター4に供給し、モーター4を回転駆動させ、同時に、モーター駆動電圧検出部11やパルスエッジカウンタ12から供給されるデータやメモリ10に記憶されている記憶データに基づいて、所定のデータ処理やデータ演算等を行い、モーター駆動部3を介してモーター4の回転状態を制御する。メモリ10は、基準中央値記憶エリア101 、基準許容値記憶エリア102 、トルクデータ加算値記憶エリア103 、起動キャンセル記憶エリア14 、分割移動領域内トルクデータ数記憶エリア105 、総トルクデータ数記憶エリア106 からなる6つの記憶エリアと、第1タイムテーブル107 、第2タイムテーブル108 からなる2つのタイムテーブルを具備する。なお、これら6つの記憶エリア101 乃至106 及びこれら2つのタイムテーブル107 乃至108 への記憶内容については後述する。モーター駆動電圧検出部11は、分圧抵抗器7の分圧点に得られる車載電源(バッテリー)電圧を表す分圧電圧の検出を行う。パルスエッジウンタ12は、パルス発生器5から供給された2相方形波パルスのパルスエッジの検出を行う。
【0026】
モーター駆動部3は、制御信号反転用の2つのインバータ31 、32 と、モーターの回転を正転、逆転、停止のいずれかに切替設定する2つのリレー33 、34 と、火花発生防止用の2個のダイオード35 、36 とを具備し、MCU2から供給される制御信号の状態に応じたモーター4の回転駆動を行う。
【0027】
モーター4は、回転軸が図示されていないウインド駆動機構を介して自動車のウインドに結合されており、モーターの回転時、例えば、正方向回転時にウインドを閉じ、逆方向回転時にウインドを開く。
【0028】
パルス発生器5は、モーター4に直接装着されているもので、図2(a)に示されるように、モーター4の回転軸に取り付けられ、対向円周部分にS極及びN極が着磁された回転体51 と、この回転体51 の円周部分の近くに、モーター4の回転時に互いに90°位相を異にする2相パルスを発生するように配置されたホール素子52 、53 とを具備している。そして、モーター4が回転すると、その回転によって回転体51 も同時回転し、図2(b)に示されるように、2個のホール素子52 、53 が回転体51 の着磁部分を検出し、2個のホール素子52 、53 からそれぞれモーター4の1回転時に1周期となる、互いに1/4周期ずれた2相方形波パルスが出力される。
【0029】
プルアップ抵抗6は、スイッチ装置1の出力及びMCU2の入力と、5V電源との間に接続された3個の並列結合抵抗からなるもので、3個のスイッチ11 、12 、13 の非操作時にMCU2の入力に電源電圧(5V)を供給する。
【0030】
分圧抵抗器7は、車載電源(バッテリー)と接地間に直列接続された2個の抵抗からなり、これらの抵抗の接続点がMCU2のモーター駆動電圧検出部11に接続される。
【0031】
パルス伝送路8は、パルス発生器5の出力と5V電源との間に接続された2個のプルアップ抵抗と、同出力と接地間に接続されたコンデンサと、同期出力とMCU2のパルスエッジカウンタ12の入力との間に接続された2個の直列抵抗とからなり、パルス発生器5から出力された2相方形波パルスをパルスエッジカウンタ12に伝送する。
【0032】
モーター4が回転し、ウインドの開閉動作が行われているとき、パルス発生器5で発生された2相方形波パルスは、パルス伝送路8を介してMCU2に供給される。このとき、パルスエッジカウンタ12は、2相方形波パルスのそれぞれのパルスエッジ(立上り及び立下り)を検出し、パルスエッジが到来する度にエッジ検出信号を制御・演算部9に供給する。制御・演算部9は、エッジ検出信号の供給タイミングをタイマー13でカウントし、1つのエッジ検出信号とそれに続く1つのエッジ検出信号との到来時間間隔(以降、これをエッジ間隔データという)を測定する。なお、このエッジ間隔データは、モーター4が1/4回転する度に1つ得られるものである。
【0033】
ところで、図1に図示のパワーウインド装置においては、ウインドへの挟み込みの有無を検知するため、その検出パラメータとしてモーター負荷トルク値を用いており、基準中央値や基準許容値もモーター負荷トルクによって設定されている。また、図1に図示のパワーウインド装置は、ウインドの全移動領域(全開位置と全閉位置との間の移動領域)を、エッジ間隔データの到来毎にカウントされるカウント数に基づいて複数に分割した分割移動領域が設定されており、各分割移動領域に対して、予設定したモーター負荷トルクの基準中央値及び基準許容値が設定されている。
【0034】
図3は、図1に図示のパワーウインド装置におけるウインドの全移動領域を36の分割移動領域に分割した場合の、各分割移動領域にそれぞれ設定されたモーター負荷トルクの基準中央値及び基準許容値の一例を示す特性図であり、また、図4は、図3に示された36の分割移動領域中の1つの分割移動領域において、32のエッジ間隔データが到来する状態の一例を示す特性図である。
【0035】
図3において、縦軸はモーター負荷トルクを示し、横軸はウインドが全開位置から全閉位置に向かって移動したとき、エッジ間隔データの到来毎にカウントしたカウント数を示す。そして、下側の階段状特性(S)はモーター負荷トルクの基準中央値、上側の階段状特性(A)はモーター負荷トルクの基準許容値(正確には、基準中央値+基準許容値であるが、以下、基準許容値として説明する)であり、実線(M)はウインドへの物体の挟み込みがない場合のモーター負荷トルクの経緯曲線、一点鎖線(H)はウインドへの物体の挟み込みがあった場合のモーター負荷トルクの経緯曲線である。また、図4において、縦軸はエッジ間隔データの値を示し、横軸はウインドが開位置方向から閉位置方向に移動したとき、エッジ間隔データの到来毎にカウントしたカウント数を示し、所々にノイズが加わった場合の例を示している。
【0036】
ここで、図3に示されたモーター負荷トルクの基準中央値は、ウインドへの実質的な挟み込みがないときのウインドの移動に必要とされるモーター負荷トルク値であって、実際には、ウインドの重量や、ウインド及びサッシ間の機械的な摩擦力等がモーター負荷トルクとして計測されるもので、挟み込みがないときに既に計測されたトルク値に基づいて決定され、ウインドが移動する度ごとに、それまでの基準中央値が新たな基準中央値に更新される、いわゆる学習されるものである。また、モーター負荷トルクは、後述するように、エッジ間隔データやモーター駆動電圧から算出されるものであるが、エッジ間隔データは、モーター4が1/4回転する度に1つ得られ、ウインドが全開位置から全閉位置までの範囲を移動した際、即ち、36の分割移動領域を移動した際に、それぞれの分割移動領域で32のエッジ間隔データが得られることから、全体で約1200のエッジ間隔データが得られることになる。
【0037】
また、図3に示されたモーター負荷トルクの基準許容値は、分割移動領域の存在位置に係りなく、一定値であって、一般には、規格等により決められている、ウインドに挟み込みが生じた時の挟み込み物体に印加可能な最大許容力をモータートルクに換算した値か、その値に何等かの補正を加えた値が用いられる。
【0038】
次に、図5及び図6は、図1に図示のパワーウインド装置を用いて、ウインドの挟み込み検知を行う際の概略の動作経緯を示すフローチャートである。
【0039】
図5及び図6に図示のフローチャートを用いて、図1に図示のパワーウインド装置の動作経緯について説明する。
【0040】
まず、図5及び図6に図示のフローチャートの動作の説明するのに先立って、パワーウインド装置においては、次のような動作が実行される。
【0041】
即ち、スイッチ装置1の中の1つのスイッチ、例えばスイッチ11 を操作すると、スイッチ11 に接続されたMCU2の入力が5V電位から接地電位に変化する。MPU2の制御・演算部9は、入力された接地電位に応答してモーター制御部3にモーター4を正方向回転する制御信号を供給し、モーター制御部3は、制御信号に応答して2つのリレー33 、34 を切替え、モーター4を正方向回転する。モーター4が正方向回転すると、モーター4に連結されたウインド駆動機構を介してウインドが閉じる方向に移動する。また、モーター4の回転により、モーター4に取り付けられたパルス発生器5が2相方形波パルスを発生し、発生した2相方形波パルスがパルス伝送路8を介してMCU2のパルスエッジカウンタ12に供給される。
【0042】
ここで、スイッチ11 の操作を停止すると、スイッチ11 に接続されたMCU2の入力が接地電位から5V電位に変化する。MPU2の制御・演算部9は、入力した5V電位に応答してモーター制御部3にモーター4の回転を停止する制御信号を供給し、モーター制御部3は、この制御信号に応答して2つのリレー33 、34 を切替え、モーター4への電源の供給を止め、モーター4の回転を停止させる。モーター4の回転が停止すると、モーター4に連結されたウインド駆動機構の動作が停止し、ウインドが現在の位置で停止する。また、モーター4の回転が停止すると、モーター4に取り付けられたパルス発生器5の2相方形波パルスの発生も停止し、MCU2のパルスエッジカウンタ12に2相方形波パルスが供給されなくなる。
【0043】
次に、スイッチ装置1の中の他のスイッチ、例えばスイッチ12 を操作すると、前述の場合と同様に、スイッチ12 に接続されたMCU2の入力が接地電位に変化する。MPU2の制御・演算部9は、入力された接地電位に応答してモーター制御部3にモーター4を逆方向回転する制御信号を供給し、モーター制御部3は、この制御信号に応答して2つのリレー33 、34 を切替え、モーター4を逆方向に回転する。モーター4が逆方向に回転すると、モーター4に連結された駆動機構を介してウインドを開く方向に移動させる。この場合も、モーター4が回転すると、モーター4に取り付けられたパルス発生器5が2相方形波パルスを発生し、発生した2相方形波パルスがパルス伝送路8を介してMCU2のパルスエッジカウンタ12に供給される。
【0044】
その後、スイッチ12 の操作を停止した場合、スイッチ11 とスイッチ13 とを同時操作した場合、スイッチ12 とスイッチ13 とを同時操作した場合の動作も、前述の各動作と同じ動作が行われるか、または、前述の各動作に準じた動作が行われる。
【0045】
このような動作が行われるとき、始めに、ステップS1において、MCU2の制御・演算部9は、パルスエッジカウンタ12において、パルス発生器5から供給された2相方形波パルスのパルスエッジを検出したか否かを判断する。そして、パルスエッジを検出したと判断した(Y)ときは、次のステップS2に移行し、一方、パルスエッジを未だ検出していないと判断した(N)ときは、このステップS1を繰り返し実行する。
【0046】
次に、ステップS2において、制御・演算部9は、パルスエッジカウンタ12がパルスエッジの検出を行った際に、タイマー13のカウントによって、前回パルスエッジを検出した時点と今回パルスエッジを検出した時点との時間間隔を表すエッジ間隔データを取得する。
【0047】
次いで、ステップS3において、制御・演算部9は、取得したエッジ間隔データが規定時間(例えば、3.5msec)以上のものであるか否か、即ち、正規のエッジ間隔データであるかまたはノイズであるかを判断する。そして、エッジ間隔データが規定時間以上のものであると判断した(Y)ときは、次のステップS4に移行し、エッジ間隔データが規定時間に満たない、即ち、ノイズであると判断した(N)ときは、最初のステップS1に戻り、ステップS1以降の動作が繰り返し実行される。なお、この判断において、エッジ間隔データにノイズが重畳加算されている場合は、正規のエッジ間隔データであると判断している。
【0048】
続く、ステップS4において、制御・演算部9は、モーター駆動電圧検出部11において分圧抵抗器7で検出した分圧電圧をモーター駆動電圧Eとして取得する。
【0049】
続いて、ステップS5において、制御・演算部9は、取得したモーター駆動電圧Eとエッジ間隔データPwとを用いて演算を行い、モーター負荷トルクTcを算出する。モーター負荷トルクTcの算出は、次式(1)に基づいて算出する。即ち、
【0050】
【数1】
【0051】
この場合、第1タイムテーブル107 には、式(1)の前半項{kt・(E/Rm)−Tm}、即ち、モーター駆動電圧Eの依存項を示す計算結果がそれぞれのモーター駆動電圧Eの値に対応して記憶されており、また、第2タイムテーブル108 には、式(1)の後半項{(ke・kt)/(Rm・Pw)}、即ち、エッジ間隔データPwの依存項を示す計算結果がそれぞれのエッジ間隔データPwの値に対応して記憶されているもので、制御・演算部9は、モーター負荷トルクTcを算出する際に、その時点に計測したモーター駆動電圧E及びエッジ間隔データPwから、それらの値に対応したモーター駆動電圧Eの依存項を示す計算結果を第1タイムテーブル107 から読み出し、エッジ間隔データPwの依存項を示す計算結果を第2タイムテーブル108 から読み出し、読み出した計算結果を用いてモーター負荷トルクTcの算出を行う。
【0052】
次に、ステップS6において、制御・演算部9は、モーター4の起動時の動作が終了したか否か、即ち、起動時キャンセルが終了したか否かを判断する。そして、起動時の動作が終了したと判断した(Y)ときは、次のステップS7に移行し、一方、起動時の動作が未だ終了していないと判断した(N)ときは、最初のステップS1に戻り、ステップS1以降の動作が繰り返し実行される。
【0053】
ここで、モーター4の起動時の動作が終了したか否かを判断する理由は、モーター4の起動時に、モーター4の内部トルクが極大の状態から定常状態に変化する段階があることから、このとき計測されたモータートルク値に基づいて挟み込みを判断してしまうと、大きなモーター負荷トルク値の計測によって、ウインドに挟み込みが生じたものとの誤判断を生じる結果になるためであり、また、この大きなモータートルク値を基準中央値の更新のために用いると、新たな基準中央値が実態に合わない誤った値に設定されることがあるためである。
【0054】
このため、モーター4の起動時の動作が終了していないと判断した場合は、後述するように、基準中央値を更新するためのモータートルク値の平均化処理を行わない。この場合、モーター4の起動時の動作が終了したか否かの判断は、最初のパルスエッジを検出してから所定回数のパルスエッジを検出するまでの期間に基づいて行われるもので、モーター4の起動時の動作が終了していない場合、メモリ10の起動キャンセル記憶エリア104 にその旨が記憶され、記憶回数が所定回数に達した後はクリアされる手順とされている。
【0055】
次いで、ステップS7において、制御・演算部9は、ステップS5において算出したモーター負荷トルクTcを基準中央値と比較する。この比較においては、メモリ10における、全分割移動領域について予設定された基準中央値を記憶している基準中央値記憶エリア101 、分割移動領域に係わりなしに一定の基準値許容差を記憶している基準許容値記憶エリア102 が用いて行われる。
【0056】
次いで、ステップS8において、制御・演算部9は、現在計測中の分割移動領域で算出されたモーター負荷トルクTcが、当該分割移動領域に予設定された基準中央値に基準許容値を加えた値(許容基準値)の範囲内であるか否かを判断する。そして、モーター負荷トルクTcが許容基準値の範囲内であると判断した(Y)ときは、次のステップS9に移行し、一方、モーター負荷トルクTcが許容基準値の範囲内を超えていると判断した(N)ときは、他のステップS17に移行する。
【0057】
続く、ステップS9において、制御・演算部9は、現在計測中の1つの分割移動領域において算出した全てのモーター負荷トルクTcを加算し、トルクデータ加算値記憶エリア103 に記憶する。
【0058】
続いて、ステップS10において、制御・演算部9は、現在計測中の1つの分割移動領域において得られた全てのモーター負荷トルクTcの数をカウントし、分割移動領域内トルクデータ数記憶エリア105 に記憶する。
【0059】
次に、ステップS11において、制御・演算部9は、ウインドの全開位置から現在計測中の1つの分割移動領域までに得られた全てのモーター負荷トルクTcの数をカウントし、総トルクデータ数記憶エリア106 に記憶する。
【0060】
次いで、ステップS12において、制御・演算部9は、総トルクデータ数記憶エリア106 に記憶されている総トルクデータ数からウインドの現在の分割移動領域の判断をする。
【0061】
続く、ステップS13において、制御・演算部9は、ステップS12の判断に基づいて、ウインドの現在の分割移動領域が1つの分割移動領域から次の分割移動領域に移動したか否かを判断する。そして、ウインドの分割移動領域が次の分割移動領域に移動したと判断した(Y)ときは、次のステップS14に移行し、一方、ウインドの分割移動領域が未だ次の分割移動領域に移動していないと判断した(N)ときは、最初のステップS1に戻り、ステップS1以降の動作が繰り返し実行される。
【0062】
続いて、ステップS14において、制御・演算部9は、前記1つの分割移動領域で算出されたモーター負荷トルクTcの値から、この1つの分割移動領域における新たな基準中央値を設定する。この新たな基準中央値の設定は、この1つの分割移動領域で得られたそれぞれのエッジ間隔データに基づいて算出されたモーター負荷トルクTcの値の平均値が用いられるもので、例えば、図4に示されるように、1つのエッジ間隔データ(パルスカウント数75)がノイズだけであった場合ステップS3のデータが不採用になり、このノイズはモーター負荷トルクTcの値の平均値の算出に用いられることがなく、また、1つのエッジ間隔データ(パルスカウント数84)にノイズが重畳されて大きな値になっていたとしても、その大きな値に基づいて算出されたモーター負荷トルクTcの値と他の多くのモーター負荷トルクTcの値とが平均化されるので、ノイズが重畳した大きなエッジ間隔データの値が存在しても、新たな基準中央値が誤った値に導かれることはない。
【0063】
次に、ステップS15において、制御・演算部9は、ステップS14において新たに設定した基準中央値を、メモリ10内の基準中央値記憶エリア101 にそれまでの基準中央値に代えて書き込む。
【0064】
続く、ステップS16において、制御・演算部9は、モーター負荷トルクTcの値の平均値を求めるために用いたメモリ10内の平均化処理エリア、つまりトルクデータ加算値記憶エリア103 及び分割移動領域内トルクデータ数記憶エリア105 を初期化する。この初期化が行われると、最初のステップS1に戻り、再び、ステップS1以降の動作が繰り返し実行される。
【0065】
このようなフローチャートにおける繰り返しの動作は、スイッチ11 またはスイッチ12 等の操作によってモーター4の駆動が停止され、ウインドの移動が停止するまで行われるか、または、後述するステップS17において、ウインドの挟み込みが検知され、それによりモーター4の駆動が停止され、ウインドの移動が停止するようなるかもしくはモーター4が反対方向へ回転駆動され、ウインドの移動が逆方向になるようになるまで行われる。
【0066】
また、ステップS17において、制御・演算部9は、モーター制御部3に制御信号を供給して、2つのリレー33 、34 を切替え、モーター4の回転を停止させてウインドの移動を停止させるか、または、モーター4の回転をそれまでの回転方向と逆の方向に回転させてウインドの移動をそれまでの方向と逆の方向に移動させ、ウインドに挟み込まれた物体を損傷から保護するように動作する。
【0067】
なお、このフローチャートにおいて、ステップS2乃至ステップS6は、エッジ間隔データの取得を行うデータ取得の動作過程であり、ステップS7及びステップS8は、ウインドへの物体の挟み込みを判断する挟み込み判断の動作過程であり、ステップS9乃至ステップS16は、モーター負荷トルクの基準値中央値を更新する基準値中央値更新の動作過程であり、ステップS17はモーターの駆動停止または駆動反転させるモーター駆動停止の動作過程である。
【0068】
この場合、図1に図示のパワーウインド装置において、図5及び図6に示されたフローチャートに従った動作が実行され、その際にウインドが全開位置から全閉位置まで移動し、その移動時にウインドの挟み込みを生じなかった場合は、モーター負荷トルクとして図4の実線(M)に示すような特性が得られるもので、全分割移動領域においてモーター負荷トルクは、それぞれの分割移動領域に設定された基準中央値に基準許容値を加えた値を超えることがない。
【0069】
これに対して、ウインドが中間位置から全閉位置方向に移動し、その移動時にウインドの挟み込みを生じた場合は、モーター負荷トルクとして図4の一点鎖線(H)に示すような特性が得られるもので、挟み込みを生じた分割移動領域におけるモーター負荷トルクは、その分割移動領域に設定された基準中央値に基準許容値を加算した値を超えるようになる。
【0070】
このように、第1実施例におけるパワーウインド装置の挟み込み検知方法によれば、複数の分割移動領域のそれぞれに新たな基準中央値を予設定する場合、ウインドがそれぞれの分割移動領域を移動(開閉)する際に検出した最新の複数パラメータ値の平均値を求め、求めた複数パラメータ値の平均値を用いて新たな基準中央値を算出するようにしている。このため、検出した複数パラメータ値の中の1つのパラメータ値に比較的大きなレベルのノイズが重畳していたとしても、ノイズが重畳したパラメータ値の大レベルのノイズ成分がノイズが重畳していない他の多くのパラメータ値に実質的に分散されるようになってほぼ無視できるレベルに低下するようになり、ノイズが重畳したとしても新たに設定される基準中央値の誤りをなくして、常時、正確なウインドの挾み込みの検知が行える。
【0071】
また、第1実施例におけるパワーウインド装置の挟み込み検知方法によれば、モーター負荷トルクTcを算出する場合、メモリ10の中の第1タイムテーブル107 に記憶されている、モーター負荷トルクTcを表す式(1)におけるそれぞれのモーター駆動電圧Eの値に対応したモーター駆動電圧Eの依存項の計算結果、及び、第2タイムテーブル108 に記憶されている、同じ式(1)におけるそれぞれのエッジ間隔データPwの値に対応したエッジ間隔データPwの依存項の計算結果を用いて算出するようにしているので、エッジ間隔データPw及びモーター駆動電圧Eが得られた時点時点におけるモーター負荷トルクTcを算出を極めて高速度で行うことができ、モーター負荷トルクTcの算出に時間遅れが生じることはない。
【0072】
これまでに説明した第1実施例は、モーター4の駆動電圧、即ち、車載用バッテリーの出力電圧が定格電圧から変動した場合の影響を考慮したものではないが、モーター4の駆動電圧の定格電圧から変動した場合、モーター4の駆動が停止してからモーター4の回転が停止するまでの時間、即ち、モーター4の慣性による回転停止時間が変動するので、モーター4の駆動電圧が変動した場合にウインドの挟み込みの検知の判断に若干の影響を及ぼすことになる。
【0073】
ここで、図10は、モーター駆動電圧が変動した場合のモーター駆動停止後の慣性によるモーター回転状態の一例を示す特性図である。
【0074】
図10において、縦軸はモーター駆動停止後の慣性によるモーター回転状態、横軸はモーター駆動電圧であって、定格電圧12Vに対してモーター駆動電圧が10.0Vから15.5Vの範囲内で変動した際のモーター駆動停止後の慣性によるモーター回転量を示すものである。
【0075】
図10に図示の特性曲線に示されるように、モーター駆動電圧が定格電圧12Vである場合、モーター駆動停止後の慣性によるモーターの回転量は約1/4回転であるが、モーター駆動電圧が定格電圧12Vより低下して10.0V以下にになると、モーター駆動停止後の慣性によるモーターの回転量はほぼ0になり、一方、モーター駆動電圧が定格電圧12Vより増大して14.0Vに近くなると、モーター駆動停止後の慣性によるモーターの回転量は約1/2回転になり、さらにモーター駆動電圧が定格電圧12Vより増大して15.5Vに近くなると、モーター駆動停止後の慣性によるモーターの回転量は約3/4回転になる。
【0076】
そこで、本発明の第2実施例は、このようなモーター駆動電圧の変動の影響を考慮し、モーター駆動電圧の変動に応じて基準許容値を適宜変動させるようにして、ウインドの挟み込みの検知の判断がモーター駆動電圧の変動の影響を受けないようにしたものである。
【0077】
図7は、本発明によるパワーウインド装置の挟み込み検知方法の第2実施例が実施されるパワーウインド装置を示すブロック構成図である。
【0078】
図7において、図1に図示された構成要素と同じ構成要素については同じ符号を付けている。
【0079】
また、図8は、図7に図示のパワーウインド装置において、MCU2のメモリ10の駆動電圧依存基準許容値記憶エリア109 に記憶されるモーター駆動電圧に対する基準許容値の一例を示す特性図である。
【0080】
図8において、縦軸は基準許容量、横軸はモーター駆動電圧であって、モーター駆動電圧が9.0Vから16.0Vの範囲内で変動した場合の基準許容量の設定値の変化状態を示すものである。
【0081】
そして、図7に図示の第2実施例に用いられるパワーウインド装置(以下、これを第2実施例装置という)と、図1に図示の第1実施例に用いられるパワーウインド装置(以下、これを第1実施例装置という)との構成の違いは、MCU2のメモリ10の構成として、図7に図示されるように、第2実施例装置が第1実施例装置に設けられた基準許容値記憶エリア102 に代えて、モーター駆動電圧に依存して変動する基準許容量を記憶する駆動電圧依存基準許容値記憶エリア109 を具備している点だけであって、その他、第2実施例装置と第1実施例装置との間に構成の違いはない。このため、第2実施例装置の構成については、これ以上の説明は省略する。
【0082】
次に、図9は、図7に図示のパワーウインド装置を用いて、ウインドの挟み込みの検知を行う際の概略の動作経緯を示すフローチャートであって、第1実施例装置と比べて、第2実施例装置に特有の動作が行われる動作経緯部分だけを抽出して示したものである。
【0083】
図9において、図5に示された各ステップと同じ動作が行われる各ステップについては同じ記号を付けている。
【0084】
まず、ステップS1からステップS6までの動作は、図5に図示のステップS1からステップS6までの動作と同じである。
【0085】
次に、ステップS6’において、制御・演算部9は、モーター駆動電圧検出部11でモーター駆動電圧を検出し、その検出結果に対応した駆動電圧依存基準許容値を駆動電圧依存基準許容値記憶エリア109 から読み出し取得する。
【0086】
次いで、ステップS7において、制御・演算部9は、ステップS5において算出したモーター負荷トルクTcを基準中央値と比較する。この比較においては、メモリ10内の基準中央値記憶エリア101 に記憶されている基準中央値の読み出し取得、駆動電圧依存基準許容値記憶エリア109 に記憶されている駆動電圧依存基準許容値の読み出し取得によって行われる。
【0087】
続いて、ステップS8において、制御・演算部9は、現在計測中の分割移動領域で算出されたモーター負荷トルクTcが、当該分割移動領域に予設定されている、読み出し取得した基準中央値に読み出し取得した基準許容値駆動電圧依存を加算した値の範囲内であるか否かを判断する。そして、モーター負荷トルクTcが加算した値の範囲内であると判断した(Y)ときは、次のステップS9に移行し、一方、モーター負荷トルクTcが加算した値の範囲内を超えていると判断した(N)ときは、他のステップS17に移行する。
【0088】
その後、ステップS9以降の動作及びステップS17の動作は、図5及び図6に図示のステップS9以降及びステップS17の各動作と同じである。
【0089】
このように、パワーウインド装置の挟み込みの検知方法の第2実施例は、第1実施例で達成できる正確なウインドの挾み込みの検知が可能になるだけでなく、基準中央値に加算されてウインドの挾み込みの可否の判断基準となる基準許容値を、モーターの駆動電圧の変動に対応して変更する駆動電圧依存基準許容値を用いているので、モーター駆動電圧が定格電圧から変動しても、そのモーター駆動電圧の変動の影響を相殺するように駆動電圧依存基準許容値が変動し、実質的にモーター駆動電圧の変動の影響を受けないウインドの挾み込みの検知を行うことができる。
【0090】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載の発明によれば、複数の分割移動領域のそれぞれに新たな基準中央値を予設定する場合、ウインドがそれぞれの分割移動領域を移動(開閉)する際に検出した最新の複数パラメータ値の平均値を求め、求めた複数パラメータ値の平均値を用いて新たな基準中央値を算出しているので、検出した複数パラメータ値の中の1つのパラメータ値に比較的大きなレベルのノイズが重畳しても、ノイズが重畳したパラメータ値の大レベルのノイズ成分がノイズが重畳していない他の多くのパラメータ値に実質的に分散するようになってほぼ無視できるレベルになり、ノイズが重畳したとしても新たに設定される基準中央値の誤りをなくし、常時、正確なウインドの挾み込みの検知を行うことができるという効果がある。
【0091】
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明における正確なウインドの挟み込みの検知を行うことができる他に、基準中央値に加算されてウインドの挟み込みの可否の判断基準となる基準許容値を、モーターの駆動電圧の変動に対応して変更する駆動電圧依存基準許容値を用いているので、モーター駆動電圧が定格電圧から変動しても、そのモーター駆動電圧の変動の影響を相殺するように駆動電圧依存基準許容値が変動し、実質的にモーター駆動電圧の変動の影響を受けないウインドの挟み込みを検知できるという効果がある。
さらに、請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明における正確なウインドの挟み込みの検知を行うことができる他に、パルスのエッジ間隔データに基づいてパラメータ値を算出するとともに、エッジ間隔データが規定時間以上のものであるか否かを判断し、規定時間以下のものであればノイズであると判断し、規定時間以上のものであれば正規のエッジ間隔データであると判断してパラメータ値の算出に利用しているので、ノイズがモーター負荷トルクの平均値の算出に影響を与えることがなく、ノイズが正規のエッジ間隔データに重畳していても、エッジ間隔データが平均化されることによりその影響を大きく受けることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるパワーウインド装置の挟み込み検知方法の第1実施例が実施されるパワーウインド装置を示すブロック構成図である。
【図2】図1に図示のパワーウインド装置に用いられるパルス発生器のパルス発生原理構造図及びパルス発生器から発生される2相方形波パルスを示す波形図である。
【図3】図1に図示のパワーウインド装置におけるウインドの全移動領域を複数の分割移動領域に分割した場合、各分割移動領域に設定されたモーター負荷トルクの基準中央値及び基準許容値の一例を示す特性図である。
【図4】図3に示された複数の分割移動領域中の1つの分割移動領域において、複数のエッジ間隔データが到来する状態の一例を示す特性図である。
【図5】図1に図示のパワーウインド装置を用いて、ウインドの挟み込み検知を行う際の概略の動作経緯を示すフローチャートの前半部である。
【図6】図1に図示のパワーウインド装置を用いて、ウインドの挟み込み検知を行う際の概略の動作経緯を示すフローチャートの後半部である。
【図7】本発明によるパワーウインド装置の挟み込み検知方法の第2実施例が実施されるパワーウインド装置を示すブロック構成図である。
【図8】図7に図示のパワーウインド装置において駆動電圧依存基準許容値記憶エリアに記憶されるモーター駆動電圧に対する基準許容値の一例を示す特性図である。
【図9】図7に図示のパワーウインド装置を用いてウインドの挟み込みの検知を行う際の概略の動作経緯を示すフローチャートである。
【図10】モーター駆動電圧が変動した場合のモーター駆動停止後の慣性によるモーター回転状態の一例を示す特性図である。
【符号の説明】
1 スイッチ装置
11 、12 、13 スイッチ
2 マイクロ制御ユニット(MCU)
3 モーター駆動部
31 、32 インバータ
33 、34 リレー
35 、36 ダイオード
4 モーター
5 パルス発生器
51 回転体
52 、53 ホール素子
6 プルアップ抵抗
7 分圧抵抗器
8 パルス伝送路
9 制御・演算部
10 メモリ
101 基準中央値記憶エリア
102 基準許容値記憶エリア
103 トルクデータ加算値記憶エリア
104 起動キャンセル記憶エリア
105 分割移動領域内トルクデータ数記憶エリア
106 総トルクデータ数記憶エリア
107 第1タイムテーブル
108 第2タイムテーブル
109 駆動電圧依存基準許容値記憶エリア
11 モーター駆動電圧検出部
12 パルスエッジカウンタ
13 タイマー
Claims (3)
- 駆動時にウインド駆動機構を介してウインドを開閉するモーターと、前記モーターを駆動するモーター駆動部と、前記モーターの回転に対応したパルスを発生するパルス発生部と、全体的な制御駆動処理を行うマイクロ制御ユニットと、前記ウインドの開閉を手動操作する操作スイッチとを備え、前記マイクロ制御ユニットは、前記モーター駆動部を介して前記ウインドを開閉する際、前記ウインドに加わるモーター負荷トルクを示すパラメータ値を検出し、前記検出したパラメータ値と予設定された基準中央値とを比較し、前記パラメータ値が前記基準中央値から相当量外れたときにウインドの挟み込みがあったものと判断し、前記モーター駆動部を介して前記モーターを駆動停止または逆転駆動させるパワーウインド装置の挟み込み検知方法であって、ウインドの全移動範囲を複数の分割移動領域に分割し、前記各分割移動領域毎に前記基準中央値を設定するとともに、前記基準中央値をその分割移動領域で挟み込みを生じないときに検出された複数のモーター負荷トルクを表すパラメータ値の平均値に基づいて設定していることを特徴とするパワーウインド装置の挟み込み検知方法。
- 前記ウインドの挟み込みは、前記複数の分割移動領域毎に設定された前記基準中央値と前記複数の分割移動領域に係わりなく予設定された基準許容値との和によって判断するとともに、前記基準許容値は、前記モーターの駆動電圧の変動に対応して変更させていることを特徴とする請求項1に記載のパワーウインド装置の挟み込み検知方法。
- 前記マイクロ制御ユニットは、前記パルス発生部から発生されるパルスのエッジ間隔データに基づいてパラメータ値を算出するとともに、前記エッジ間隔データが規定時間以上のものであるか否かを判断し、規定時間以下のものであればノイズであると判断し、規定時間以上のものであれば正規のエッジ間隔データであると判断してパラメータ値の算出に利用することを特徴とする請求項1に記載のパワーウインド装置の挟み込み検知方法。
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