JP3675178B2 - 液体吐出記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録に用いられる液体を記録媒体の記録面に対して吐出し記録動作を行う記録ヘッドを備える液体吐出記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録装置においては、一般に、記録に用いられる液体としてのインクを吐出する記録ヘッドを備えている。記録ヘッドは、例えば、図5に示されるように、インクジェット記録装置における装置本体部2に支持板8を介して固定されている。記録ヘッドは、用紙Paの記録面に対してインク滴IDを吐出する複数のインク吐出口を有するインク吐出部12と、支持板8上に配されインク吐出部12における各インク吐出口に連通する各インク流路内に設けられるヒータに駆動制御信号を供給するプリント配線基板10とを含んで構成されている。
【0003】
プリント配線基板10の接続端子10Aは、駆動制御信号群を送出する装置本体部2におけるコネクタ4に接続されている。また、用紙Paの搬送方向は、紙面に対して略垂直方向に沿った方向とされる。
【0004】
インク吐出部12において各インク流路にインクを分配する共通液室に通じる一方の接続口12aは、インク通路16の一端に接続されている。また、インク吐出部12において共通液室に通じる他方の接続口12は、インク通路18の一端に接続されている。
【0005】
インク通路16および18の他端は、それぞれ、本体側ジョイント部6が係合されるヘッド側ジョイント部14に連結されている。本体側ジョイント部6は、装置本体部2からのインクが供給されるインク通路を有している。
【0006】
ヘッド側ジョイント部14は、図6の(A)に示されるように、インク通路16の他端の内周部16aが連通するフィルタ収容室16A、および、インク通路18の他端の内周部18aが連通するフィルタ収容室18Aを有している。テーパ状とされるフィルタ収容室16Aおよび18Aの小端径は、それぞれ、内周部16aおよび18aの直径と同一とされ、その大端径は、それぞれ、収容される濾過部材としてのフィルタ20および22の直径と略同一とされる。フィルタ20および22は、それぞれ、インク内の塵などの異物を捕集するものとされる。
【0007】
一方、本体側ジョイント部6は、ヘッド側ジョイント部14のフィルタ収容室16Aおよび18Aにそれぞれ対応したテーパ状のフィルタ収容室6Aおよび6Bを有している。フィルタ収容室6Aおよび6Bの小端径は、それぞれ、内周部6aおよび6bの直径と同一とされ、その大端径は、それぞれ、収容されるフィルタ20および22の直径と略同一とされる。
【0008】
かかる構成のもとで、記録ヘッドにおいては、インク吐出部12における正常な吐出動作を維持するために所謂、予備的なインク吐出を行い、流路、あるいは、インクの不吐出の原因となるインク吐出部12内の気泡を外部、あるいは装置本体側に排出する回復処理が行われる。その回復処理は、例えば、記録動作の直前、あるいは、記録動作終了後、行われる。
【0009】
回復処理においては、インクは、図5に示される矢印Kの示す方向に沿ってインク通路16、インク吐出部12、および、インク通路18を通じて装置本体2と記録ヘッドとの間において循環される。従って、インクは、図6に示される矢印Vの示す方向、即ち、インクが自重により自然落下する方向に向かってフィルタ20を通過するものとされる。
【0010】
一方、記録動作中においては、インクは、図5に示される矢印Pの示す方向に沿って、インク通路16および18を通じて双方向からインク吐出部12に供給される。これは、例えば、インク吐出口が記録媒体の全記録領域の幅にわたって多数のインク吐出口を有する記録ヘッド、所謂、フルマルチタイプの記録ヘッドにおいては、インク通路16および18、インク流路の圧力損失によるインク供給の遅れを回避するためである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように回復処理が行われて流路、あるいは、インクの不吐出の原因となるインク吐出部12内の気泡を外部、あるいは装置本体側に排出する場合、フィルタ収容室16Aおよび18A内に滞留している気泡も完全に排出されることが必要となる場合がある。それは、フィルタ収容室16Aおよび18A内に滞留している気泡は、記録動作中においてインク流量が増大した場合、徐々にインクにより運ばれてインク吐出部12内に移動する場合があるからである。
【0012】
しかしながら、インクINKが、例えば、フィルタ収容室6Aおよび16Aに図6の(B)の矢印の示す方向に沿って、即ち、インクINKの自然落下の方向に沿って供給される場合、インクINK内に何等かの原因により発生した気泡Aaは、フィルタ収容室6A内に形成される渦流により滞留する場合がある。また、フィルタ収容室16A内のフィルタ20近傍にある気泡Abも渦流により移動せず滞留する場合がある。従って、滞留している気泡Aaが完全に排出されないこととなる。
【0013】
このような場合、フィルタ収容室16Aおよび18Aの断面積を小として絞ることによりインクの流速を高めることによって、気泡を排出することも考えられるが、フィルタ収容室16Aおよび18Aによる圧力損失の増大に繋がり得策とは言えない。
【0014】
また、インク通路16および18内のインク流量を増大させることも考えられるが、このような場合、図6の(C)に示されるように、流量が少ない場合に比して小さくなった気泡Adは、気泡Adの内部圧力と渦流の圧力との大小関係と、気泡Adに作用する浮力、気泡AdとインクINKとの相互の比重差とに起因してフィルタ収容室6Aとフィルタ収容室16Aとの間の相互間の移動をフィルタ20を介して繰り返す現象によって、気泡Adは、滞留することとなる。その際、フィルタ収容室16Aにおけるフィルタ20近傍にある気泡Acも渦流により滞留する場合がある。
【0015】
以上の問題点を考慮し、本発明は、記録に用いられる液体を記録媒体の記録面に対して吐出し記録動作を行う記録ヘッドを備える液体吐出記録装置であって、インク通路内に発生した気泡を、インク流路内に配される濾過部材近傍から容易に排除することができる液体吐出記録装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明に係る液体吐出記録装置は、記録に用いられる液体を吐出させる液体吐出口が配列される液体吐出部と、液体吐出部内の一方の端部側に連通し液体を導く第1の通路と、液体吐出部内の他方の端部側に連通し液体を導く第2の通路と、第1の通路に連通する第1の供給管及び第2の通路に連通する第2の供給管を有する装置本体と、を備え、液体を装置本体から第1の供給管及び第1の通路を介して液体吐出部に供給し、液体吐出部に供給した液体を第2の通路及び第2の供給管を介して装置本体へ回収する循環回復処理と、液体を装置本体から第1及び第2の供給管双方を介して液体吐出部へ供給し、液体吐出部から液体の吐出を行う記録動作処理と、を行う液体吐出記録装置において、第1及び第2の供給管、第1及び第2の通路は、それぞれ重力方向上方に延在する部分に開口端を備え、ジョイントホルダに接続されるとともに、ジョイントホルダは、第1の供給管の開口端に第1の濾過部材を備え、第1の供給管の開口端と第1の通路の開口端とを連通するとともに、第2の通路の開口端に第2の濾過部材を備え、第2の供給管の開口端と第2の通路の開口端とを連通することを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る液体吐出記録装置の一例に用いられる記録ヘッドの第1の実施例を示す。
【0018】
図1において、記録ヘッドは、例えば、インクジェット記録装置における装置本体部30に支持部材38を介して固定されている。例えば、バブルジェット式とされる記録ヘッドは、用紙Paの記録面に対してインク滴IDを吐出する複数のインク吐出口を有するインク吐出部44と、支持部材38上に配されインク吐出部44を駆動させる駆動基板42に駆動制御信号群を供給するプリント配線基板40とを含んで構成されている。
【0019】
インク吐出部44からのインク滴IDが到達する用紙Paは、図示が省略される搬送手段により、例えば、インク吐出部44に対して略平行に紙面に対して略垂直方向に沿った方向に搬送される。
【0020】
装置本体部30における用紙Paに対向する部分に配されるプリント配線基板40の接続端子40Aは、駆動制御信号群を送出する装置本体部30におけるコネクタ32に接続されている。また、プリント配線基板40は、例えば、ワイヤボンディングなどの結線Ebにより駆動基板42に電気的に接続されている。駆動基板42には、後述するインク吐出部44の各インク流路に対応して電気熱変換体であるヒータが設けられている。
【0021】
インク吐出部44は、駆動基板42上に配されている。インク吐出部44の用紙Paに対向する面には、用紙Paの搬送方向に略直交する方向に沿って複数個のインク吐出口が配列されている。インク吐出口は、例えば、用紙Paの記録領域の全幅にわたって形成されている。各インク吐出口は、各インク流路に連通している。各インク流路の一端は、各インク流路にインクを分配する共通液室に連通している。
【0022】
インク吐出部44は、その共通液室内に連通する接続口44aおよび44bを両端部にそれぞれ有している。インク吐出部44の一方の接続口44aは、インク通路48の一端に接続されている。また、インク吐出部44の他方の接続口44bは、インク通路46の一端に接続されている。
【0023】
インク通路48および46の他端は、それぞれ、装置本体部30からのインクを導くインク供給管34およびインク供給/回収管36が接続されるジョイントホルダ50に接続されている。ジョイントホルダ50の下端面は、ブラケット38Bkを介して支持部材38に支持されている。
【0024】
ジョイントホルダ50は、図2の(A)および(B)に示されるように、インク通路48の他端が接続されるポート50d、および、インク通路46の他端が接続されるポート50aを有している。ポート50dは、テーパ部50eおよび平行部50fからなる拡大部を介して連結通路52bの一端に連通している。連結通路52bは、ジョイントホルダ50の上部を形成するホルダカバー52の内壁面とジョイントホルダ50の上端面との間に形成されている。連結通路52bの他端は、後述する濾過部材収容室50hの真上まで延びている。また、連結通路52bの他端における濾過部材収容室50h近傍に対向する部分おいては、図2の(A)に示されるように、その断面積が漸増されて濾過部材収容室50hを取り囲むように形成されている。
【0025】
ホルダカバー52の下端面は、ジョイントホルダ50の上端面に対して超音波溶着されている。
【0026】
連結通路52bの他端は、濾過部材56が収容される濾過部材収容室50hを介してポート50gに連通されている。ポート50gには、インク供給管34の一端が接続されている。テーパ状とされる濾過部材収容室50hの小端径は、ポート50gの直径と同一とされる。
【0027】
濾過部材収容室50hの大端径の部分には、直径約10mm程度の濾過部材56がその平坦面をジョイントホルダ50の上端面に対して平行となるように配置されている。濾過部材56は、例えば、所定のメッシュを有する網状の部材とされる。濾過部材56の外周部は、濾過部材収容室50hの内周面に溶着されている。
【0028】
ポート50aは、濾過部材収容室50bを介して連結通路52aの一端に連通している。テーパ状とされる濾過部材収容室50bの小端径は、ポート50aの直径と同一とされる。濾過部材収容室50bの大端径の部分には、直径約10mm程度の濾過部材54がその平坦面をジョイントホルダ50の上端面に対して平行となるように配置されている。濾過部材54は、例えば、所定のメッシュを有する網状の部材とされる。濾過部材54の外周部は、濾過部材収容室50hの内周面に溶着されている。
【0029】
連結通路52aは、連結通路52bに対して略平行にホルダカバー52の内壁面とジョイントホルダ50の上端面との間に形成されている。連結通路52aの他端は、後述するポート50iの真上まで延びている。また、連結通路52aの一端における濾過部材収容室50b近傍に対向する部分おいては、図2の(A)に示されるように、その断面積が、その直径がポート50iの直径と一致するまで漸減され形成されている。
【0030】
連結通路52aの他端は、平行部50kおよびテーパ部50jからなる拡大部を介してポート50iに連通されている。ポート50iには、インク供給/回収管36の一端が接続されている。
【0031】
従って、ポート50g、連結通路52b、ポート50d、および、インク通路48により、第1の通路が形成されることとなる。また、ポート50i、連結通路52a、ポート50a、および、インク通路46により、第2の通路が形成されることとなる。また、インク供給管34およびインク供給/回収管36は、第1の通路および第2の通路のうちの第1の通路側に配置されている。
【0032】
かかる構成のもとで、インク吐出部44において記録動作が行われる場合、装置本体30からのインクは、図2の(B)の矢印Pの示す方向に沿って、それぞれ、インク供給管34、および、インク供給/回収管36を通じて供給される。これにより、インクは、インク通路48およびインク通路46の双方の通路を通じてインク吐出部44の接続口44aおよび44bに供給されることとなる。
【0033】
また、インク吐出部44におけるインクの予備吐出による回復処理が行われる場合、装置本体30からのインクは、図2の(B)の矢印Kの示す方向に沿って、インク供給管34を通じて供給される。インク供給管34を通じて供給されたインクは、連結通路52b、インク通路48を通じてインク吐出部44に供給される。また、インク吐出部44に供給されたインクの一部は、外部にインク吐出口を介して排出されるとともに、インク吐出部44に供給されたインクの他の部分は、インク通路46、連結通路52aを通じて
インク供給/回収管36を通じて回収されることとなる。
【0034】
その際、濾過部材収容室50h、および、50bにおいては、例えば、図3に示されるように、インクINKが、図1の矢印Vの示すインクINKに作用される重力の方向に対向する方向から濾過部材56に対して通過されることとなるのでインクINK中に発生した気泡Af、および、Aeは、気泡AfおよびAeとインクINKとの比重差、および、気泡AfおよびAeに作用される浮力によって上昇する方向とインクINKの流れとが一致することとなる。従って、インクINK中の気泡AfおよびAeは、濾過部材収容室50hに滞留することなく、濾過部材56から容易に離脱されインクINKによって移動せしめられることとなる。本願の発明者による検証によれば、インクINKの流量が2.5(cc/s)以上となる場合、インクINK中の気泡AfおよびAeは、濾過部材収容室50hおよび50bから容易に移送されることが確認された。
【0035】
図4は、本発明に係る液体吐出記録装置の一例に用いられる記録ヘッドの第2の実施例を示す。
【0036】
図1に示される例では、4つのポート50g、50i、50d、および、50aを有するジョイントホルダ50が設けられてインク供給管34およびインク供給/回収管36が隣接して接続される構成であるが、図4においては、ジョイントホルダ68および72が、それぞれ、インク吐出部44の接続口44aおよび44b側に設けられる構成とされる。これにより、インク供給配管のレイアウト設計上における自由度が図1に示される例に比して増すこととなる。
【0037】
なお、図4に示される例においては、図1に示される例において同一とされる構成要素については同一の符号を付して示し、その重複説明を省略する。
【0038】
ジョイントホルダ68は、支持部材38にブラケット38Dkを介してインク吐出部44の接続口44a側に固定されている。また、ジョイントホルダ72は、支持部材38にブラケット38Ckを介してインク吐出部44の接続口44b側に固定されている。
【0039】
インク吐出部44の接続口44aには、インク通路62の一端が接続されている。インク通路62の他端は、ジョイントホルダ68のポート68eに接続されている。また、インク吐出部44の接続口44bには、インク通路64の一端が接続されている。インク通路62に相対向して配されるインク通路64の他端は、ジョイントホルダ68のポート72aに接続されている。
【0040】
ジョイントホルダ68の上部を形成するホルダカバー70の下端面は、ジョイントホルダ68の上端面に対して超音波溶着されている。また、ジョイントホルダ72の上部を形成するホルダカバー74の下端面も、ジョイントホルダ72の上端面に対して超音波溶着されている。
【0041】
ジョイントホルダ68のポート68eは、テーパ部68dを介してホルダカバー70の内壁面とジョイントホルダ68の上端面との間に形成される連結通路70aの一端に連通している。連結通路70aの他端は、ジョイントホルダ68の濾過部材収容室68bに対向している。
【0042】
テーパ状とされる濾過部材収容室68bの小端径は、インク供給管60の一端が接続されるポート68aの直径と同一とされる。濾過部材収容室68bの大端径の部分には、直径約10mm程度の濾過部材76がその平坦面をジョイントホルダ68の上端面に対して平行となるように配置されている。濾過部材76は、例えば、所定のメッシュを有する網状の部材とされる。濾過部材76の外周部は、濾過部材収容室68bの内周面に溶着されている。
【0043】
一方、ジョイントホルダ72のポート72aは、濾過部材収容室72bを介してホルダカバー74の内壁面とジョイントホルダ72の上端面との間に形成される連結通路74aの一端に連通している。連結通路74aの他端は、ジョイントホルダ68のテーパ部72dを介してポート72eに連通している。ポート72eには、インク供給/回収管66の一端が接続されている。
【0044】
テーパ状とされる濾過部材収容室72bの小端径は、インク通路64の一端が接続されるポート72aの直径と同一とされる。濾過部材収容室72bの大端径の部分には、直径約10mm程度の濾過部材78がその平坦面をジョイントホルダ72の上端面に対して平行となるように配置されている。濾過部材78は、例えば、所定のメッシュを有する網状の部材とされる。濾過部材78の外周部は、濾過部材収容室72bの内周面に溶着されている。
【0045】
かかる構成のもとで、インク吐出部44において記録動作が行われる場合、装置本体30からのインクは、図4の矢印Pの示す方向に沿って、それぞれ、インク供給管60、および、インク供給/回収管66を通じて双方向から供給される。これにより、インクは、インク通路62およびインク通路64の双方の通路を通じてインク吐出部44の接続口44aおよび44bに供給されることとなる。
【0046】
また、インク吐出部44におけるインクの予備吐出による回復処理が行われる場合、装置本体30からのインクは、図4の矢印Kの示す方向に沿って、インク供給管60を通じて供給される。インク供給管60を通じて供給されたインクは、連結通路70a、インク通路62を通じてインク吐出部44に供給される。また、インク吐出部44に供給されたインクの一部は、外部にインク吐出口を介して排出されるとともに、インク吐出部44に供給されたインクの他の部分は、インク通路64、連結通路74a、インク供給/回収管66を通じて回収されることとなる。
【0047】
その際、濾過部材収容室68b、および、72bにおいては、インクINKが、図4の矢印Vの示すインクINKに作用される重力の方向に対向する方向から濾過部材76および78をそれぞれ通過することとなるのでインクINK中に発生した気泡は、気泡とインクINKとの比重差、および、気泡に作用される浮力によって上昇する方向とインクINKの流れとが一致することとなる。従って、インクINK中の気泡は、濾過部材収容室68bおよび72bに滞留することなく、濾過部材76および78から容易に離脱されインクINKによって移動せしめられることとなる。
【0061】
上述の例においては、記録ヘッドは、インク吐出部からインクを吐出するものとされるが、かかる例に限られることなく、例えば、記録においてインクを不溶化させる処理液が吐出されるものであってもよいことは勿論である。
【0062】
インク染料を不溶化する処理液は、一例として以下のようにして得ることができる。
【0063】
すなわち、下記の成分を混合溶解した後、さらにポアサイズが0.22μmのメンブレンフィルタ(商品名:フロロポアフィルタ、住友電気工業株式会社製)にて加圧濾過した後、NaOHでpHを4.8に調整し、処理液A1を得ることができる。
【0064】
また、上記処理液と混合し不溶化するインクの好適な例として以下のものを挙げることができる。
【0065】
すなわち、下記の成分を混合し、さらにポアサイズが0.22μmのメンブレンフィルタ(商品名:フロロポアフィルタ、住友電気工業株式会社製)にて加圧濾過してイエロー,マゼンタ,シアン,ブラックのインクY1,M1,C1,K1を得ることができる。
【0066】
Y1
C.I.ダイレクトイエロー142 2部
チオジグリコール 10部
商品名;アセチレノールEH 0.05部
(川研ファインケミカル株式会社製)
水 残部
M1
染料をC.I.アシッドレッド289;2.5部に代えた以外はY1と同じ組成
C1
染料をC.I.アシッドブルー9;2.5部に代えた以外はY1と同じ組成
K1
染料をC.I.フードブラック2;3部に代えた以外はY1と同じ組成
以上示したそれぞれ処理液(液体組成物)とインクとの混合において、本発明では、上述した処理液とインクが被プリント材上あるいは被プリント材に浸透した位置で混合する結果、反応の第1段階として処理液中に含まれているカチオン性物質の内、低分子量の成分またはカチオン性オリゴマーとインクに使用しているアニオン性基を有する水溶性染料とがイオン的相互作用により会合を起こし、瞬間的に溶液相から分離を起こす。
【0067】
次に、反応の第2段階として、上述した染料と低分子カチオン性物質またはカチオン性オリゴマーとの会合体が処理液中に含まれる高分子成分により吸着されるために、会合で生じた染料の凝集体のサイズがさらに大きくなり、被プリント材の繊維間の隙間に入り込みにくくなり、その結果として固液分離した液体部分のみが記録紙中にしみこむことにより、プリント品位と定着性との両立が達成される。同時に上述したようなメカニズムにより生成したカチオン物質の低分子成分またはカチオン性オリゴマーとアニオン性染料で形成される凝集体は粘性が大きくなり、液媒体の動きとともに移動することがないので、フルカラーの画像形成時のように隣接したインクドットが異色のインクで形成されていたとしても互いに混じり合うようなことはなく、ブリーデイングも起こらない。また、上記凝集体は本質的に水不溶性であり形成された画像の耐水性は完全なものとなる。また、ポリマーの遮蔽効果により形成された画像の耐光堅牢性も向上するという効果も有する。
【0068】
本明細書において使用される「不溶化」または「凝集」の用語は、前記第1段階のみの現象または、第1段階と第2段階の両方を含んだ現象を意味する。
【0069】
また、本発明の実施にあたっては、従来技術のように分子量の大きいカチオン性高分子物質や多価の金属塩を使用する必要がないか、あるいは使用する必要があっても本発明の効果をさらに向上させるために補助的に使用するだけで良いので、その使用量を最小限に抑えることができる。その結果として、従来のカチオン性高分子物質や多価金属塩を使用して耐水化効果を得ようとした場合の問題点であった染料の発色性の低下がなくなるということを本発明の別の効果として挙げることができる。
【0070】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る液体吐出記録装置によれば、第1及び第2の供給管、第1及び第2の通路は、それぞれ重力方向上方に延在する部分に開口端を備え、ジョイントホルダに接続されるとともに、ジョイントホルダは、第1の供給管の開口端に第1の濾過部材を備え、第1の供給管の開口端と第1の通路の開口端とを連通するとともに、第2の通路の開口端に第2の濾過部材を備え、第2の供給管の開口端と第2の通路の開口端とを連通するのでインク通路内に発生した気泡を、インク流路内に配される濾過部材近傍から容易に排除することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る液体吐出記録装置に用いられる記録ヘッドの第1の実施例を、それが適用されたインクジェット記録装置の一部とともに示す断面図である。
【図2】 (A)は、図1に示される要部を拡大して示す平面図であり、(B)は、(A)に示される部分における断面図である。
【図3】 図1に示される例における動作説明に供される断面図である。
【図4】 本発明に係る液体吐出記録装置に用いられる記録ヘッドの第2の実施例を、それが適用されたインクジェット記録装置の一部とともに示す断面図である。
【図5】 従来の記録ヘッドの要部を、インクジェット記録装置の一部とともに示す構成図である。
【図6】 (A)、(B)、および、(C)は、図5に示される例における動作説明に供される部分断面図である。
【符号の説明】
44 インク吐出部
46,48,62,64 インク通路
50h,50b,68b,72b 濾過部材収容室
54,56,76,78,100 濾過部材
Claims (8)
- 記録に用いられる液体を吐出させる液体吐出口が配列される液体吐出部と、該液体吐出部内の一方の端部側に連通し該液体を導く第1の通路と、前記液体吐出部内の他方の端部側に連通し前記液体を導く第2の通路と、前記第1の通路に連通する第1の供給管及び前記第2の通路に連通する第2の供給管を有する装置本体と、を備え、液体を前記装置本体から前記第1の供給管及び前記第1の通路を介して前記液体吐出部に供給し、該液体吐出部に供給した液体を前記第2の通路及び前記第2の供給管を介して前記装置本体へ回収する循環回復処理と、液体を前記装置本体から前記第1及び第2の供給管双方を介して前記液体吐出部へ供給し、前記液体吐出部から液体の吐出を行う記録動作処理と、を行う液体吐出記録装置において、
前記第1及び第2の供給管、前記第1及び第2の通路は、それぞれ重力方向上方に延在する部分に開口端を備え、ジョイントホルダに接続されるとともに、
該ジョイントホルダは、前記第1の供給管の開口端に第1の濾過部材を備え、前記第1の供給管の開口端と前記第1の通路の開口端とを連通するとともに、前記第2の通路の開口端に第2の濾過部材を備え、前記第2の供給管の開口端と前記第2の通路の開口端とを連通することを特徴とする液体吐出記録装置。 - 記録に用いられる液体を吐出させる液体吐出口が配列される液体吐出部と、該液体吐出部内の一方の端部側に連通し該液体を導く第1の通路と、前記液体吐出部内の他方の端部側に連通し前記液体を導く第2の通路と、前記第1の通路に連通する第1の供給管及び前記第2の通路に連通する第2の供給管を有する装置本体と、を備え、液体を前記装置本体から前記第1の供給管及び前記第1の通路を介して前記液体吐出部に供給し、該液体吐出部に供給した液体を前記第2の通路及び前記第2の供給管を介して前記装置本体へ回収する循環回復処理と、液体を前記装置本体から前記第1及び第2の供給管双方を介して前記液体吐出部へ供給し、前記液体吐出部から液体の吐出を行う記録動作処理と、を行う液体吐出記録装置において、
前記第1及び第2の供給管、前記第1及び第2の通路は、それぞれ重力方向上方に延在する部分に開口端を備え、
前記第1の供給管の開口端と前記第1の通路の開口端とを接続し、前記第1の供給管の開口端に第1の濾過部材を備える第1のジョイントホルダと、
前記第2の供給管の開口端と前記第2の通路の開口端とを接続し、前記第2の通路の開口端に第2の濾過部材を備える第2のジョイントホルダと、を備える液体吐出記録装置。 - 前記液体吐出部は、記録媒体における記録領域の全幅にわたって前記液体吐出口が複数配列されていることを特徴とする請求項1または請求項2いずれか1項に記載の液体吐出記録装置。
- 前記第1の濾過部材は、前記第1の供給管内における拡大部に配されることを特徴とする請求項1または請求項2いずれか1項に記載の液体吐出記録装置。
- 前記第2の濾過部材は、前記第2の通路内における拡大部に配されることを特徴とする請求項1または請求項2いずれか1項に記載の液体吐出記録装置。
- 前記液体は、記録に用いられるインクであることを特徴とする請求項1または請求項2いずれか1項に記載の液体吐出記録装置。
- 前記液体は、記録に用いられるインクを不溶化する処理液であることを特徴とする請求項1または請求項2いずれか1項に記載の液体吐出記録装置。
- 前記液体吐出部は、液体が選択的に電気熱変換体により加熱されることによって吐出動作を行うことを特徴とする請求項1または請求項2いずれか1項に記載の液体吐出記録装置。
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