JP3674852B2 - 合成樹脂シートの成形方法 - Google Patents

合成樹脂シートの成形方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は合成樹脂シートの成形方法に関し、詳しくは、例えば絵柄や文字等の印刷意匠が印刷された合成樹脂シートに立体化加工を施す合成樹脂シートの成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車のメータパネル(計器盤)のように、絵柄や文字等の印刷意匠が印刷された合成樹脂シートに立体化加工(一種のしぼり加工)を施して、立体的な意匠効果をだすようにしたものがある。
このように合成樹脂シートに立体的な成形を施す方法としては、一般に真空成形法や圧空成形法が知られているが、これらの成形方法では合成樹脂シートに印刷された印刷意匠の位置や凹凸形状のばらつきが出やすいことから、自動車のメータパネル等のように文字や目盛り等の位置や凹凸形状の精度が重要な場合には、高圧成形法が用いられることが多い。
【0003】
図8乃至図11は、高圧成形法による合成樹脂シートの成形方法の一例を示したものである。
この高圧成形法では、図8に示したように、先ず、所望の凹凸形状(キャビティ表面形状)に応じた型面1aが形成された下型1に、ポリカーボネート等の熱可塑性プラスチックから成る合成樹脂シート2がセットされる。尚、合成樹脂シート2には、文字や目盛り等の印刷意匠が予め印刷されている。
【0004】
次に、図9に示したように、上型3を下降させて上下型3,1で合成樹脂シート2を挟み込み、該合成樹脂シート2をガラス転移点以下の低い温度で予熱する。
そして、図10に示したように、合成樹脂シート2と上型3との間の空間3aに、上型3の供給口5を介して高圧エアポンプ6から高圧空気(1MPa以上)が供給されると、合成樹脂シート2が下型1の型面1aに押し付けられ、該型面1aの凹凸形状に沿って成形される。
【0005】
この際、合成樹脂シート2と下型1との間の空気は、下型1の底部に穿設されたエア抜き用の穴4から金型外へ排出される。
かかる成形後、図11に示したように、上型3を上昇させて金型を開き、下型1の型面1aから成型後の合成樹脂シート2を離型することにより、高精度の凹凸形状に仕上げられた合成樹脂シート2が得られる。
【0006】
又、例えば自動車のメータパネルのように、バックライテイングして使用される合成樹脂成形品を製造する方法としては、特公平5−21051号公報等に開示された「合成樹脂成形品及びそのを製造方法」が知られている。
上記特公平5−21051号公報に開示された合成樹脂成形品の製造方法によれば、合成樹脂シートにインキ膜層を印刷し、これを金型内に装填することができる形状に加工した後、金型内表面に隣接するように装填し、しかる後、金型を閉じてから成形品成形用溶融樹脂を該金型内に射出して異質な表面層又は裏面層を有するバックライテイング可能な合成樹脂成形品を製造することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した如き従来の高圧成形法では、金型内に1MPa以上の高圧空気を供給する為の高価な高圧エアポンプが必要になると共に、専用の加工設備(高圧成形機)が必要となり、設備費が高騰するという問題がある。
【0008】
又、上記特公平5−21051号公報に開示された製造方法においては、合成樹脂シートと成形用樹脂とが一体となったバックライテイング可能な合成樹脂成形品が製品とされるため、製品の肉厚が厚くなり軽量化を妨げるとと共に、高圧成形法に比べて成形用樹脂の分だけ材料コストが高くつくという問題がある。
【0009】
従って、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、高精度の立体化加工ができると共に、加工設備費の低減及び材料コストの低減を図ることができる良好な合成樹脂シートの成形方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、雄型に雌型が外嵌することによりキャビティ内を密封可能なインロー構造の金型装置の該キャビティ内に合成樹脂シートを装填した後、これら雄雌型を型締めすることにより圧縮されるキャビティ内の空気の圧力によって、前記合成樹脂シートを前記雄雌型の一方のキャビティ表面形状に沿って加圧成形し、その後、前記キャビティ内の圧縮空気を排出した後、他方のキャビティ表面に対応する前記キャビティ内で成形用樹脂を射出成形することによって、前記合成樹脂シートを前記成形用樹脂の熱量と成形圧力により前記一方のキャビティ表面形状に沿って押圧成形し、その後、前記一方のキャビティ表面から取り出した前記合成樹脂シートから前記成形用樹脂の成形品を剥離することを特徴とする合成樹脂シートの成形方法により達成される。
【0011】
上記構成によれば、インロー構造の雄雌型を型締めすることによりキャビティ内の空気を圧縮し、該圧縮空気の圧力により合成樹脂シートを加圧成形した後、同一の金型装置内で成形用樹脂を射出成形することによって、該成形用樹脂の熱量と射出圧力により合成樹脂シートを高精度に押圧成形できる。
そこで、高圧空気を利用した従来の高圧成形法よりも加工圧力を高くでき、圧縮空気による加圧成形後に成形用樹脂により押圧成形された前記合成樹脂シートは、押圧される一方のキャビティ表面形状の再現性が良く、高精度の凹凸形状を得ることができる。
【0012】
又、型締め時に型面が合成樹脂シートに当接することがなく、合成樹脂シートの絞り量を大きくとることができると共に、型締め時に合成樹脂シートに傷つき等の不良や歪み不良が発生するのを防止できる。
更に、上記金型装置としては、射出成形機等の汎用設備を用いることができ、1MPa以上の高圧空気を供給する高圧エアポンプ等の高価な設備が必要なくなる。
【0013】
又、金型装置のキャビティ内より取り出した合成樹脂シートから成形用樹脂の成形品を剥離し、製品として合成樹脂シートのみを用いるので、成形用樹脂の成形品分だけ肉厚を薄くして軽量化を図ることができる。更に、剥離後の成形用樹脂の成形品は、再生加工により繰り返し使用することが出来る。
【0014】
尚、好ましくは前記合成樹脂シートが非結晶性樹脂材料から成ると共に、前記成形用樹脂が結晶性樹脂材料から成る。
又、好ましくは前記成形用樹脂が、前記合成樹脂シートのシート材料の溶融温度よりも低い溶融温度の成形用樹脂材料から成る。
これらの場合、成形後の合成樹脂シートと成形用樹脂の成形品とは、溶着することがなく、容易に合成樹脂シートから成形用樹脂の成形品を剥離することができる。
【0015】
又、好ましくは前記合成樹脂シートにおける前記一方のキャビティ表面側には、予め印刷意匠が印刷されている。
この場合、印刷意匠の位置や所望の凹凸形状が高精度に仕上げられた合成樹脂シートを得ることができる。
【0016】
又、好ましくは前記雄雌型を型締めすることにより圧縮されるキャビティ内の空気が、1MPa未満の低圧に予圧される。
この場合、雄雌型を型締めすることにより圧縮されるキャビティ内の空気の圧力を簡単により高圧にすることができる。又、キャビティ内を予圧する為のエアポンプは、1MPa未満の低圧を発生すれば良いので、高圧エアポンプに比べて安価で、取り扱いも容易である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の一実施形態に係る合成樹脂シートの成形方法を詳細に説明する。
図1乃至図7は、本発明の一実施形態に係る合成樹脂シートの成形方法を説明するための金型装置の概略断面図である。尚、本実施形態における合成樹脂シート30は、絵柄や文字等の印刷意匠が予め印刷された熱可塑性プラスチックから成る合成樹脂シートである。
【0018】
本実施形態に係る合成樹脂シートの成形方法に使用する金型装置100は、図1に示したように、雄型10に雌型20が外嵌することによりキャビティ内を密封可能なインロー構造を備えている。
前記雄型10の凸部11の上面には、所望の凹凸形状に応じた型面(一方のキャビティ表面)10aが形成されている。この凸部11の上面には、印刷面が下向きと成るようにセットされた合成樹脂シート30の周縁を押える環状のシート押え部材(図示せず)が、ボルト等により固定される。
【0019】
更に、前記凸部11の外周壁には、雄型10と雌型20との開閉により摺動する凸部11と凹部21の嵌合面をシールするOリング等のシール部材12が装着されている。また、前記雄型10の底部には、前記型面10aに連通するエア抜き用の穴13が穿設されている。
一方、図示しない油圧プレス等により上下駆動される可動型である前記雌型20における凹部21の一側部には、エア供給穴22が穿設されており、該エア供給穴22に接続された供給管23には、開閉バルブ24を介して図示しないエアポンプから1MPa未満の比較的低圧(例えば、0.7MPa程度)の圧縮空気を供給することができる。
【0020】
前記型面10aの凹部に対応する凸部21aを有する雌型20の凹部21の底部(他方のキャビティ表面)には、ゲート26及びエア排出穴27がそれぞれ貫通して設けられている。
前記ゲート26は、図示しない射出成形機のノズルに連通しており、溶融した成形用樹脂31を雄雌型10,20により形成されるキャビティ内に射出する。
一方、前記エア排出穴27に接続された供給管28には、開閉バルブ29を介して図示しない吸引ポンプが接続されており、キャビティ内の空気を排出することができる。
【0021】
また、本実施形態における合成樹脂シート30の材料としては、ポリカーボネート、ABS樹脂、アクリル樹脂等の非結晶性樹脂材料が用いられると共に、ゲート22からキャビティ内に射出される成形用樹脂31の材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、及びこれらの複合材等の結晶性樹脂材料が用いられる。
【0022】
更に、上記成形用樹脂31の成形条件(射出速度及び溶融温度等)や、前記凹部21の形状及び容積等は、該成形用樹脂31の熱量や合成樹脂シート30の成形性等を考慮して適宜設定される。又、前記合成樹脂シート30の材料によっては、合成樹脂シート30をガラス転移点以下の低い温度で予熱することもある。
【0023】
次に、上述した金型装置100を用いて所望の凹凸形状に加圧成形する合成樹脂シートの成形方法を説明する。
先ず、図1に示したように、前記雄型10の凸部11の上面に合成樹脂シート30を装填し、周縁を図示しないシート押え部材により押えてセットする。このとき、開閉バルブ24,29はいずれも閉じられている。
【0024】
次に、図2に示したように、前記雌型20を下降させ、該雌型20の凹部21を前記雄型10の凸部11に外嵌することによりキャビティ25内を密封状態とする。この状態で開閉バルブ24を開いて、図3に示したようにキャビティ25内に圧縮空気を供給し、キャビティ25内を1MPa未満の比較的低圧に予圧する。
【0025】
そして、前記開閉バルブ24を閉じた後、図4に示したように、前記雌型20を更に下降させて雄雌型10,20を型締めすることにより、前記キャビティ25内の空気を圧縮し、該圧縮空気の圧力により前記合成樹脂シート30を前記雄型10の型面10aに押し付け、該型面10aに沿って加圧成形する。
この際、前記合成樹脂シート30と前記型面10aとの間の空間14内の空気は、雄型10の底部に穿設されたエア抜き用の穴13から金型外へ排出される。又、前記合成樹脂シート30をガラス転移点以下の低い温度で適宜予熱しても良い。
【0026】
次に、前記開閉バルブ29を開いて、前記キャビティ25内の圧縮空気をエア排出穴27に接続された供給管28から金型外へ排出した後、図5に示したように、該キャビティ25内に、前記ゲート26から溶融した成形用樹脂31を射出(射出圧力:300〜800kg/cm2)することによって、前記合成樹脂シート30を前記成形用樹脂31の熱量と射出圧力により前記雄型10の型面10aに押し付け、該型面10aに沿って押圧成形する。
かかる押圧成形時においては、溶融した成形用樹脂31の熱量により合成樹脂シート30の残留応力が分散されて該合成樹脂シート30の反りや変形が少なくなる。
【0027】
次に、図6に示したように、前記雌型20を上昇させて雄雌型10,20を型開きした後、図7に示すように前記雄型10の型面10aから成形後の合成樹脂シート30と成形品40とを離型した後、前記合成樹脂シート30から前記成形品40を剥離することにより、印刷意匠の位置や凹凸形状が高精度に仕上げられた合成樹脂シート30が得られる。
【0028】
この際、前記合成樹脂シート30は、ポリカーボネート、ABS樹脂、アクリル樹脂等の非結晶性樹脂材料から成ると共に、前記成形品40は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、及びこれらの複合材等の結晶性樹脂材料が用いられるので、成形後のこれら合成樹脂シート30と成形品40とは、溶着することがなく、容易に合成樹脂シート30から成形用樹脂の成形品40を剥離することができる。
【0029】
即ち、本実施形態の金型装置100を用いた合成樹脂シートの成形方法によれば、インロー構造の雄雌型10,20を型締めすることによりキャビティ25内の空気を圧縮し、該圧縮空気の圧力により合成樹脂シート30を加圧成形した後、同一の金型装置内で成形用樹脂31を射出成形することによって、該成形用樹脂31の熱量と射出圧力により合成樹脂シート30を高精度に押圧成形できる。
【0030】
そこで、図8乃至図11に示したような従来の高圧空気を利用した高圧成形法よりも加工圧力を高くでき、圧縮空気による加圧成形後に成形用樹脂31により押圧成形された前記合成樹脂シート30は、押圧される前記型面10aの表面形状の再現性(最小曲げR=シート厚Rまで可能)が良く、高精度の凹凸形状を得ることができる。
【0031】
又、型締め時に雌型20の凸部21aが合成樹脂シート30に当接することがなく、合成樹脂シート30の絞り量を大きくとることができると共に、型締め時に合成樹脂シート30に傷つき等の不良や歪み不良が発生するのを防止できる。更に、上記金型装置100としては、射出成形機等の汎用設備を用いることができ、1MPa以上の高圧空気を供給する高圧エアポンプ等の高価な設備が必要なくなる。
【0032】
又、上記金型装置100内より取り出した合成樹脂シート30から成形用樹脂31の成形品40を剥離し、製品として合成樹脂シート30のみを用いるので、前記成形品40分だけ肉厚を薄くして軽量化を図ることができる。更に、剥離後の成形用樹脂の成形品40は、再生加工により繰り返し使用することが出来る。
【0033】
従って、上述した合成樹脂シートの成形方法によれば、高圧の圧縮空気と成形用樹脂31によって合成樹脂シート30に対し大きい絞り量で高精度の立体化加工を安定して行えると共に、汎用設備を用いて加工設備費の低減を図ることができる。
【0034】
尚、本発明に係る合成樹脂シートの成形方法における雄雌型の構成や合成樹脂シートの種類は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の形態を採りうることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態では、印刷面を有する合成樹脂シート30の成形方法を例に採ったが、印刷面を有していない合成樹脂シートにも本発明を適用できることは勿論である。
【0035】
又、上記実施形態の金型装置100では、駆動ストロークの比較的短い雌型20に対応すべく、雄雌型10,20を型締めしてキャビティ25内の空気を圧縮する前に、エアポンプによりキャビティ25内に比較的低圧の空気を供給して予圧しているが、可動型の駆動ストロークが十分とれる金型装置では、予圧を行わずに型締めするだけでキャビティ25内の空気を圧縮するようにしてもよい。
【0036】
又、上記実施形態では、成形後に合成樹脂シート30と成形品40とが溶着することがないように、合成樹脂シート30を非結晶性樹脂材料とし、成形用樹脂31を結晶性樹脂材料としたが、これに代えて、例えば合成樹脂シート30をポリカーボネート等の高温溶融樹脂材料とし、成形用樹脂31を前記ポリカーボネート等よりも低い溶融温度のABS樹脂やAS樹脂等の低温溶融樹脂材料とすることにより、成形後に合成樹脂シート30と成形品40とが溶着しないように構成してもよい。
【0037】
【発明の効果】
以上、上述した本発明の合成樹脂シートの成形方法によれば、インロー構造の雄雌型を型締めすることによりキャビティ内の空気を圧縮し、該圧縮空気の圧力により合成樹脂シートを加圧成形した後、同一の金型装置内で成形用樹脂を射出成形することによって、該成形用樹脂の熱量と射出圧力により合成樹脂シートを高精度に押圧成形できる。
そこで、高圧空気を利用した従来の高圧成形法よりも加工圧力を高くでき、圧縮空気による加圧成形後に成形用樹脂により押圧成形された前記合成樹脂シートは、押圧される一方のキャビティ表面形状の再現性が良く、高精度の凹凸形状を得ることができる。
【0038】
又、型締め時に型面が合成樹脂シートに当接することがなく、合成樹脂シートの絞り量を大きくとることができると共に、型締め時に合成樹脂シートに傷つき等の不良や歪み不良が発生するのを防止できる。
更に、上記金型装置としては、射出成形機等の汎用設備を用いることができ、1MPa以上の高圧空気を供給する高圧エアポンプ等の高価な設備が必要なくなる。
【0039】
又、前記金型装置のキャビティ内より取り出した合成樹脂シートから成形用樹脂の成形品を剥離し、製品として合成樹脂シートのみを用いるので、成形用樹脂の成形品分だけ肉厚を薄くして軽量化を図ることができる。更に、剥離後の成形用樹脂の成形品は、再生加工により繰り返し使用することが出来る。
従って、高精度の立体化加工ができると共に、加工設備費の低減及び材料コストの低減を図ることができる良好な合成樹脂シートの成形方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る合成樹脂成形品の製造方法を説明するための金型装置の概略断面図である。
【図2】図1に示した金型装置のの雌型を下降させた状態を示す。
【図3】図2に示した金型装置のキャビティ内に低圧空気を供給した状態を示す。
【図4】図3に示した金型装置の雄雌型を型締めした状態を示す。
【図5】図4に示した金型装置のキャビティ内の圧縮空気を排出した後、該キャビティ内に溶融した成形用樹脂を射出した状態を示す。
【図6】図5に示した金型装置の雄雌型を型開きした状態を示す。
【図7】図6に示した雄型から成形後の合成樹脂シートを離型すると共に、該合成樹脂シートから成形用樹脂の成形品を剥離した状態を示す。
【図8】従来の高圧成形法による合成樹脂シートの成形方法を説明するための成形型の概略断面図であり、下型に合成樹脂シートをセットした状態を示す。
【図9】図8に示した成形型を型締めした状態を示す。
【図10】図9に示した合成樹脂シートと上型との間の空間に高圧空気を供給した状態を示す。
【図11】図10に示した成形型を型開きして成形後の合成樹脂シートを離型した状態を示す。
【符号の説明】
10 雄型
10a 型面(一方のキャビティ表面)
20 雌型
21a 凸部(他方のキャビティ表面)
25 キャビティ
27 エア排出穴
30 合成樹脂シート
31 成形用樹脂
100 金型装置

Claims (5)

  1. 雄型に雌型が外嵌することによりキャビティ内を密封可能なインロー構造の金型装置の該キャビティ内に合成樹脂シートを装填した後、これら雄雌型を型締めすることにより圧縮されるキャビティ内の空気の圧力によって、前記合成樹脂シートを前記雄雌型の一方のキャビティ表面形状に沿って加圧成形し、その後、前記キャビティ内の圧縮空気を排出した後、他方のキャビティ表面に対応する前記キャビティ内で成形用樹脂を射出成形することによって、前記合成樹脂シートを前記成形用樹脂の熱量と成形圧力により前記一方のキャビティ表面形状に沿って押圧成形し、その後、前記一方のキャビティ表面から取り出した前記合成樹脂シートから前記成形用樹脂の成形品を剥離することを特徴とする合成樹脂シートの成形方法。
  2. 前記合成樹脂シートが非結晶性樹脂材料から成ると共に、前記成形用樹脂が結晶性樹脂材料から成ることを特徴とする請求項1に記載の合成樹脂シートの成形方法。
  3. 前記成形用樹脂が、前記合成樹脂シートのシート材料の溶融温度よりも低い溶融温度の成形用樹脂材料から成ることを特徴とする請求項1に記載の合成樹脂シートの成形方法。
  4. 前記合成樹脂シートにおける前記一方のキャビティ表面側には、予め印刷意匠が印刷されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の合成樹脂シートの成形方法。
  5. 前記雄雌型を型締めすることにより圧縮されるキャビティ内の空気が、1MPa未満の低圧に予圧されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の合成樹脂シートの成形方法。
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