JP3674498B2 - 水性顔料インクセット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性顔料インクセット、特には、インクジェット記録用水性顔料インクセットに関する。本発明の水性顔料インクセットによれば、特に、カラー印刷における色境界での滲みやカラーブリーディング、更にはフェザリングなどを有効に防止し、高品質の印刷画像を得ることができる。
【0002】
【従来の技術】
いわゆる普通紙と呼ばれる記録媒体に、色材として顔料を含む水性顔料インク組成物を用いてインクジェット記録方法によって印刷を行う場合には、速乾性や高発色性が要求される。そこで、これらインクジェット記録方法用の水性顔料インク組成物には、浸透剤や界面活性剤などが添加されるのが一般的である。すなわち、浸透剤の添加により浸透性を向上させ、界面活性剤の添加により濡れ性を向上させるなどして、インク特性を変化させている。
【0003】
一方、記録媒体である普通紙の方も、サイズ剤の違いや紙を構成するパルプの組成の差、あるいは製紙プロセス等の違いによって紙の表面状態がまちまちになっている。こうした紙の表面状態の差異と前記のインク特性の変化とによって、印刷された文字や画像に色滲みを誘発したり、紙を構成するパルプ繊維に沿ってインクが広がり、髭状の筋が発生する現象(フェザリング)が発生したり、2色以上のインクが重なり合った領域に、インクが相互に交じり合って境界がはっきりしなくなる現象(カラーブリーディング)を引き起こすことが一般的に知られている。
【0004】
これら色滲み、フェザリングやカラーブリーディングを防止するための手段としては、インク組成面からの様々なアプローチが提案されている。
【0005】
例えば、特開平7−145336号公報には、ポリマーを含有するアニオン性印刷液とカチオン性印刷液との反応によるブリード低減が提案されている。しかしながら、ポリマーを添加すると、添加量が少量であってもインク粘度を大幅に増加させるので、比較的低粘度域(1〜10mPa・s)のインク組成物を使用するインクジェット記録方法に応用するのは困難であり、ポリマー添加量が少ない場合にはブリード抑制効果が低いものとなり、目的を達成することができない。
【0006】
また、特開平7−150090号公報には、ヒドロキシカルボン酸塩又はヒドロキシジカルボン酸塩と特定のアニオン系界面活性剤塩との組み合わせが提案されているが、水性インク中での遊離カルボン酸の存在は吐出安定性を低下させ、インク滴の飛行曲りを招くという問題がある。
【0007】
特開平8−319442号公報には、コロイダルシリカや合成ゼオライト等の無機微粒子を添加し、インクのレオロジー特性を機能化する(具体的にはチキソトロピックにする)手法が提案されている。しかしながら、無機微粒子の添加によってインクの流動性が低下するために飛行曲りや、ノズル開口部での粒子固着による目詰まりが発生するという問題がある。なお、有機微粒子又は有機/無機ハイブリッド材料を使用した場合であっても、インク中の固形分濃度が高い場合には同様の問題を生じ易い。
【0008】
また、特開平10−6493号、特開平11−323225号、特開平11−342635号、特開平11−343440号、及び特開平11−349878号各公報には、アニオン−カチオンの静電気的相互作用を利用した手法が提案されている。しかしながら、これら各公報に記載の手法では、印字ヘッドのクリーニングを行った場合に、ノズルプレートをクリーニングブレードで擦る段階で、ノズルプレート上でアニオン−カチオンの静電気的相互作用に伴う凝集反応が発生するために、ノズルが目詰まりを起こすという問題があった。この問題を回避するためには、印字ヘッドをアニオン性インク用ヘッドとカチオン性インク用ヘッドとに分割し、クリーニング機構も各ヘッド毎に別々に用意する必要があり、装置的な負担や、コストアップを招くものであった。
【0009】
前記のようにインク組成物に添加剤を加える手法の他にも、インク組成物と反応剤とを組み合わせて使用する手法によって、色滲み、フェザリングやカラーブリーディングを防止することも提案されている。
【0010】
例えば、特開平9−239964号公報には、多価金属の配位化合物を含有する反応剤を使用する手法が提案されている。これは、多価金属イオン(カチオン)と、アニオン性官能基を有する染料とによって発生する凝集反応を利用したものである。しかしながら、この手法で反応剤として用いる多価金属イオンは、本来不安定で析出しやすい化合物であるため、これを配位化合物で錯体化することにより安定に溶解させた反応液を調製しておき、印刷時にこの反応液をインク組成物と接触させる。従って、前記反応液において配位状態が何らかの理由で破壊された場合には、前記反応液中に金属化合物が析出し、異物となって配管やノズルを閉塞することになる。
【0011】
更に、前記の反応剤を使用する手法でも、印字ヘッドを反応液用ヘッドとインク組成物用ヘッドとに分割し、クリーニング機構も別々に用意する必要があるので、装置的な負担や、コストアップを招くものであった。また、印刷を行う場合には、インク液滴に加えて反応液滴を紙などの記録媒体上に吐出するので、記録媒体に与えられる水分量が増大し、乾燥時間の増大や記録媒体の変形、すなわち皺やカールの発生等の問題も発生することが知られている。また、一般的に、反応性の高い反応を利用しても、記録媒体に与えられる水分量が過剰であれば、色滲み、フェザリングやカラーブリーディングを防止することは困難であることも知られている。
【0012】
水性顔料インク組成物セットを使用するフルカラーインクジェット記録方法において、前記のような色滲み、フェザリングやカラーブリーディングは、特に、イエローのように明度の高い色からなる背景(バックグラウンド)に、ブラックのような明度の低い色で文字などを記録する場合に、それらの境界で顕著に観察される。この場合のように、色滲み、フェザリングやカラーブリーディングが最も目立つ条件での色滲み、フェザリングやカラーブリーディングを有効に防止する手段は、従来知られていない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題は、イエローのように明度の高い色とブラックのような明度の低い色との境界においても、色滲み、フェザリングやカラーブリーディングを有効に防止し、高画質の記録物を印刷することが可能なカラーインクジェット記録装置用水性顔料インク組成物セットを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記の課題は、本発明による、
分散顔料と界面活性剤とを含む水性インク組成物2種以上からなるインクセットであって、
(1)明度が最も低いインク組成物の表面張力を他のインク組成物の表面張力よりも高くし、
(2)明度が最も高いインク組成物の表面張力を他のインク組成物の表面張力よりも低くし、更に
(3a)明度が最も低いインク組成物中の分散顔料、及び明度が最も高いインク組成物中の分散顔料が、共にアニオン性分散顔料であって
(イ)明度が最も低いインク組成物がアニオン性界面活性剤を含み、明度が最も高いインク組成物が両性界面活性剤を含むか、若しくは
(ロ)明度が最も低いインク組成物が両性界面活性剤を含み、明度が最も高いインク組成物がアニオン性界面活性剤を含む
ことを特徴とする、前記のインクセットによって解消することができる。
【0015】
本発明の好ましい態様によれば、明度が最も低いインク組成物はブラックインク組成物であり、及び/又は明度が最も高いインク組成物はイエローインク組成物である。
【0016】
本発明の更に好ましい態様によれば、明度が最も低いインク組成物中の分散顔料、及び明度が最も高いインク組成物中の分散顔料が、共にアニオン性分散顔料である。
【0017】
本発明の更に好ましい態様によれば、アニオン性界面活性剤がスルホン酸基を有し、及び/又は両性界面活性剤がスルホン酸基を有する。
【0018】
本発明の更に好ましい態様によれば、明度が最も高いインク組成物及び明度が最も低いインク組成物以外の各インク組成物がノニオン性界面活性剤を含む。
【0019】
本発明の更に好ましい態様によれば、明度が最も高いインク組成物の表面張力が20mN/m以上であり、明度が最も低いインク組成物の表面張力が50mN/m以下である。
【0020】
本発明の更に好ましい態様によれば、それぞれが分散顔料と界面活性剤とを含むイエロー水性インク組成物、シアン水性インク組成物、マゼンタ水性インク組成物、及びブラック水性インク組成物からなるである。この場合の好ましい態様によれば、イエロー水性インク組成物、シアン水性インク組成物、マゼンタ水性インク組成物、及びブラック水性インク組成物の表面張力をそれぞれ、γy、γc、γm、及びγkとした場合に、以下の関係式(1)及び(2):
γk>γc>γy (1)、及び
γk>γm>γy (2)
を満足し、更に好ましい態様によれば、関係式(3)及び(4):
20mN/m≦γy (3)、及び
γk≦50mN/m (4)
を更に満足する。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明は、任意の数の色の種類のインク組成物からなるインクセットにおいて、明度が最も低いインク組成物と明度が最も高いインク組成物との間に発生する色滲みやカラーブリーディング、フェザリングなどを有効に防止するものである。従って、本発明のインクセットを構成するインク組成物の種類や数は特に限定されるものではないが、典型的な本発明によるインクセットとしては、例えば、イエロー、シアン、マゼンタ、及びブラックの4色のインクセット;イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック、ライトシアン、及びライトマゼンタの6色のインクセット;イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック、ライトシアン、ライトマゼンタ、及びダークイエローの7色のインクセット;イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、ライトブラック、ライトマゼンタ、及びライトシアンの7色のインクセット;イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック、レッド、グリーン、及びブルーの7色のインクセット;イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック、オレンジ、グリーン、及びブルーの7色のインクセット;並びにイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、オレンジ、グリーン、及びバイオレットの7色のインクセット;を挙げることができる。
【0022】
なお、本明細書において「ライトマゼンタ」及び「ライトシアン」の各インク組成物とは、一般的には、濃度変調による印刷画像の画質向上を目的に、それぞれマゼンタインク組成物、及びシアンインク組成物の色材濃度を低くしたインク組成物である。また、「ダークイエロー」のインク組成物とは、シャドー部等の暗色に対する色再現性を向上させる目的で、イエローインク組成物よりも明度・彩度の低い色材(顔料)を用いたイエローインク組成物である。そして、「レッド」、「オレンジ」、「グリーン」、「ブルー」、及び「バイオレット」の各インク組成物は、色再現範囲を向上させるために、イエロー、マゼンタ、シアンの中間色を構成する要素として使用されるインク組成物である。更に、「ライトブラック」のインク組成物はシャドー部等の暗色に対する色再現性の向上及びグレーの階調性を向上させ、粒状性の低下を目的に、ブラックインク組成物の色材(顔料)濃度を低くしたものである。
【0023】
本発明のインクセットにおいて、異なる色同士の境界での色滲みやカラーブリーディングが最も目立つ組合せは、各インクセットに含まれるインク組成物の内、明度が最も高いインク組成物と明度が最も低いインク組成物と組合せであり、それらの境界で発生する色滲みやカラーブリーディングが最も目立つ。本発明によって、こうした最も目立つ色滲みやカラーブリーディングを有効に防止することができる。
【0024】
一般に、フルカラーインクセットにおいて明度が最も低いインク組成物はブラックインク組成物である。また、イエロー、シアン、マゼンタ、及びブラックの4色のインクセットにおいては、明度が最も高いインク組成物はイエローインク組成物である。イエローと、ライトシアン及びライトマゼンタを含むインクセットにおいては、明度が最も高いインク組成物がライトシアンインク組成物やライトマゼンタインク組成物になる場合もある。
【0025】
本発明のインクセットは、そのインクセットを構成する全ての水性インク組成物が分散顔料及び界面活性剤を含有する。
【0026】
本発明のインクセットを構成する各水性インク組成物は、分散顔料として、アニオン性分散顔料又はカチオン性分散顔料を含む。本発明のインクセットにおいては、明度が最も低いインク組成物(例えば、ブラックインク組成物)中の分散顔料、及び明度が最も高いインク組成物(例えば、イエローインク組成物)中の分散顔料が、共にアニオン性分散顔料であるか、あるいは共にカチオン性分散顔料であることができる。明度が最も低いインク組成物(例えば、ブラックインク組成物)中の分散顔料、及び明度が最も高いインク組成物(例えば、イエローインク組成物)中の分散顔料が、共にアニオン性分散顔料であることが好ましい。
【0027】
本明細書において、「アニオン性分散顔料」とは、顔料粒子が水中で分散安定化した状態のゼータ電位(ζ電位)が負である分散顔料を意味する。また、「カチオン性分散顔料」とは、顔料粒子が水中で分散安定化した状態のゼータ電位が正である分散顔料を意味する。なお、ゼータ電位とは、界面動電位とも称される電位である。すなわち、顔料粒子(固体)とインク液相(液体)との固−液界面には電気2重層が形成され、顔料粒子(固体)とインク液相(液体)とが相対運動を行う際には、顔料粒子表面の近辺に存在する固定相(又は吸着相)が顔料粒子と一緒に動くので、このときの界面動電現象を支配するのは固定相とインク液相(液体)内部の電位差であり、この電位差をゼータ電位と称している。
【0028】
本発明では顔料として、特に制限されることはなく、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。無機顔料としては、例えば、酸化チタン及び酸化鉄に加え、コンタクト法、ファーネス法、又はサーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。また、有機顔料としては、例えば、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、又はキレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、又はキノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、又は酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、又はアニリンブラックなどを使用することができる。前記の顔料を1種又は2種以上組合せて用いることができる。
【0029】
また、本発明では、アニオン性分散顔料として、表面をスルホン酸化処理した顔料(すなわち、スルホン酸化顔料)を用いることもできる。スルホン酸化顔料としては、具体的には、例えば、特開平11−246806号公報に記載のスルホン酸化顔料を用いることができる。
【0030】
本発明のインクセットを構成する各水性インク組成物に含まれる分散顔料粒子の平均粒径は特に限定されるものではないが、好ましくは50〜500nmの範囲であり、より好ましくは100〜200nmの範囲である。平均粒径が500nmを超えると、吐出不良となることがある。なお、本明細書において「平均粒径」とは、レーザードップラー方式の粒度分布計(Microtrac UPA;リーズ&ノースロップ社製)を用いて平均粒径を測定した場合の50%平均粒径の数値である。
【0031】
本発明のインクセットを構成する各水性インク組成物において、顔料濃度は特に限定されるものではないが、水性インク組成物の全重量に対して、好ましくは0.1〜15重量%、より好ましくは2〜10重量%である。顔料濃度が0.1重量%未満になると色濃度不足となることがあり、15重量%を超えると、吐出不良となったり、保存安定性が低下することがある。
【0032】
本発明のインクセットを構成する各水性インク組成物においては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又はノニオン系界面活性剤として、公知の任意のアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又はノニオン系界面活性剤を用いることができる。
【0033】
アニオン系界面活性剤としては、例えば、脂肪酸塩、ポリオキシエチレン付加アルキルエーテル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、モノアルキルリン酸塩、又はアルケニルコハク酸塩などを用いることができる。アニオン系界面活性剤としては、スルホン酸基を含むアニオン系界面活性剤、例えば、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、又はジアルキルスルホコハク酸塩を用いるのが好ましい。
【0034】
カチオン系界面活性剤としては、例えば、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、又はジヘキサデシルジメチルアンモニウムブロミドなどを用いることができる。
【0035】
両性界面活性剤としては、例えば、アルキルカルボキシベタイン、アルキルスルホベタイン、1−(3−スルホプロピル)ピリジニウムベタイン、アミドアミノ酸塩、又はレシチンなどを用いることができる。両性界面活性剤としても、スルホン基を含む両性界面活性剤、例えば、アルキルスルホベタイン、又は1−(3−スルホプロピル)ピリジニウムベタインを用いるのが好ましい。
【0036】
また、ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、高級アルコールポリオキシエチレン付加物、ポリオキシエチレンジアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、セルロース誘導体(例えば、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース)、ソルビタンアルキルエステル、アセチレングリコール〔例えば、オレフィンY;並びにサーフィノール82、104、440、465、及び485(いずれもAir Products and Chemicals,Inc.製)〕などを用いることができる。
【0037】
本発明の水性顔料インクセットを構成する各水性顔料インク組成物において、各インク組成物に含有される界面活性剤量は特に限定されるものではないが、好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.05〜2重量%の範囲である。界面活性剤の含有量が0.01重量%未満になると界面活性効果が十分に得られず、5重量%を超えると結晶の析出、液晶の形成、あるいは顔料の安定性低下などによる吐出不良の原因となる場合が認められる。
【0038】
本発明の水性顔料インクセットを構成する各水性顔料インク組成物は、湿潤剤、乾燥速度調整剤、及び/又は安定化剤として、水溶性有機溶媒を含有することができる。各インク組成物に添加される水溶性有機溶媒の含有量は、インク組成物の全重量に対して、好ましくは0.5〜40重量%程度であり、より好ましくは2〜30重量%である。
【0039】
前記の水溶性有機溶媒としては、通常の水性顔料インク組成物に配合される水溶性有機溶媒を用いることができ、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、若しくはトリメチロールプロパンなどの多価アルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチエレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、若しくはトリエチレングリコールモノブチルエーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテル類;あるいは、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、又はトリエタノールアミンを挙げることができる。
【0040】
本発明のインクセットにおいて、
(3a)明度が最も低いインク組成物(例えば、ブラックインク組成物)中の分散顔料、及び明度が最も高いインク組成物(例えば、イエローインク組成物)中の分散顔料が、共にアニオン性分散顔料である場合には、前記のとおり、
(イ)明度が最も低いインク組成物(例えば、ブラックインク組成物)がアニオン性界面活性剤を含み、明度が最も高いインク組成物(例えば、イエローインク組成物)が両性界面活性剤を含むか、若しくは
(ロ)明度が最も低いインク組成物(例えば、ブラックインク組成物)が両性界面活性剤を含み、明度が最も高いインク組成物(例えば、イエローインク組成物)がアニオン性界面活性剤を含む。
【0041】
また、本発明のインクセットにおいて、
(3b)明度が最も低いインク組成物(例えば、ブラックインク組成物)中の分散顔料、及び明度が最も高いインク組成物(例えば、イエローインク組成物)中の分散顔料が、共にカチオン性分散顔料である場合には、前記のとおり、
(イ)明度が最も低いインク組成物(例えば、ブラックインク組成物)がカチオン性界面活性剤を含み、明度が最も高いインク組成物(例えば、イエローインク組成物)が両性界面活性剤を含むか、若しくは
(ロ)明度が最も低いインク組成物(例えば、ブラックインク組成物)が両性界面活性剤を含み、明度が最も高いインク組成物(例えば、イエローインク組成物)がカチオン性界面活性剤を含む。
【0042】
本発明の好ましい態様のインクセットにおいては、明度が最も低いインク組成物がブラックインク組成物であり、明度が最も高いインク組成物がイエローインク組成物である。
【0043】
本発明のインクセットが、明度が最も低いインク組成物(例えば、ブラックインク組成物)及び明度が最も高いインク組成物(例えば、イエローインク組成物)と、それらの中間の明度を有する1種又はそれ以上インク組成物(例えば、シアン水性インク組成物及びマゼンタ水性インク組成物)とからなる場合の好ましい態様においては、明度が最も低いインク組成物(例えば、ブラックインク組成物)中の分散顔料及び明度が最も高いインク組成物(例えば、イエローインク組成物)中の分散顔料、並びにそれらの中間の明度を有するインク組成物(例えば、シアン水性インク組成物及びマゼンタ水性インク組成物)中の分散顔料が、共にアニオン性分散顔料であり、
(イ)明度が最も低いインク組成物(例えば、ブラックインク組成物)がアニオン性界面活性剤を含み、明度が最も高いインク組成物(例えば、イエローインク組成物)が両性界面活性剤を含み、それらの中間の明度を有するインク組成物(例えば、シアン水性インク組成物及びマゼンタ水性インク組成物)がノニオン性界面活性剤を含むか、若しくは
(ロ)明度が最も低いインク組成物(例えば、ブラックインク組成物)が両性界面活性剤を含み、明度が最も高いインク組成物(例えば、イエローインク組成物)がアニオン性界面活性剤を含み、それらの中間の明度を有するインク組成物(例えば、シアン水性インク組成物及びマゼンタ水性インク組成物)がノニオン性界面活性剤を含む。
【0044】
また、本発明のインクセットが、明度が最も低いインク組成物(例えば、ブラックインク組成物)及び明度が最も高いインク組成物(例えば、イエローインク組成物)と、それらの中間の明度を有する1種又はそれ以上のインク組成物(例えば、シアン水性インク組成物及びマゼンタ水性インク組成物)とからなる場合の別の好ましい態様においては、明度が最も低いインク組成物(例えば、ブラックインク組成物)中の分散顔料及び明度が最も高いインク組成物(例えば、イエローインク組成物)中の分散顔料、並びにそれらの中間の明度を有するインク組成物(例えば、シアン水性インク組成物及びマゼンタ水性インク組成物)中の分散顔料が、共にカチオン性分散顔料であり、
(イ)明度が最も低いインク組成物(例えば、ブラックインク組成物)がカチオン性界面活性剤を含み、明度が最も高いインク組成物(例えば、イエローインク組成物)が両性界面活性剤を含み、それらの中間の明度を有するインク組成物(例えば、シアン水性インク組成物及びマゼンタ水性インク組成物)がノニオン性界面活性剤を含むか、若しくは
(ロ)明度が最も低いインク組成物(例えば、ブラックインク組成物)が両性界面活性剤を含み、明度が最も高いインク組成物(例えば、イエローインク組成物)がカチオン性界面活性剤を含み、それらの中間の明度を有するインク組成物(例えば、シアン水性インク組成物及びマゼンタ水性インク組成物)がノニオン性界面活性剤を含む。
【0045】
前記のように中間的明度を有するインク組成物(例えば、シアン水性インク組成物及びマゼンタ水性インク組成物)にノニオン性界面活性剤を含有させると、表面張力の設計面で好ましい。これは、ノニオン系界面活性剤は化学的に合成されたものが数多く販売されているので、様々な特性を有するものを容易に入手することができ、加えて分子設計が容易であること(例えば、ポリオキシエチレン鎖を有するノニオン系界面活性剤では、ポリオキシエチレンの長さを変化させることで特性を段階的に変化させることが可能である)等の理由による。
【0046】
本発明のインクセットにおいては、界面活性剤を添加した場合の分散安定性、及び印刷した場合の発色性の面から、ブラックインク組成物及びイエローインク組成物中の分散顔料が、共にアニオン性分散顔料であることが好ましい。本発明のインクセットに含まれる全インク組成物中の分散顔料が、全てアニオン性分散顔料であることが、コストやプロセス面、印刷した場合のインクの発色性、更には印刷物の光学濃度等の点からも好ましい。なお、アニオン性分散顔料インクセット中に1色でもカチオン性分散顔料を用いたインク組成物を加えると、クリーニングプロセスなどの際に、印字ヘッドのノズルプレート上でアニオン−カチオンの静電気的相互作用による凝集反応が発生し、凝集物の付着による印字不良、すなわち飛行曲りやノズルの閉塞が発生してしまうため、印字ヘッドをそれぞれアニオン性インク用ヘッドとカチオン性インク用ヘッドとに分割し、クリーニング機構もヘッド毎に別々に用意する必要があるなどの不都合が発生する。
【0047】
本発明のインクセットにおいては、使用するアニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が、それぞれスルホン酸基を有することが印字安定性や保存安定性の面から好ましい。
【0048】
本発明の水性顔料インクセットを構成する各水性顔料インク組成物において、個々のインク組成物の表面張力の値は特に限定されるものではないが、好ましくは20〜50mN/mの範囲、より好ましくは25〜40mN/mの範囲である。表面張力が20mN/m未満になると吐出不良の原因となり、50mN/mを超えると記録媒体に対する浸透性が不足するため、画像品質の低下が発生する場合がある。
【0049】
本発明のインクセットにおいては、前記のとおり、
(1)明度が最も低いインク組成物(例えば、ブラックインク組成物)の表面張力を他のインク組成物の表面張力よりも高くし、
(2)明度が最も高いインク組成物(例えば、イエローインク組成物)の表面張力を他のインク組成物の表面張力よりも低くする。
【0050】
明度が最も低いインク組成物(例えば、ブラックインク組成物)の表面張力を他のインク組成物の表面張力よりも高くする理由は、後述する。
【0051】
明度が最も高いインク組成物(例えば、イエローインク組成物)の表面張力を他のインク組成物の表面張力よりも低くすると、イエローインクに対して他のカラーインクが進入し難くなる。
【0052】
従って、本発明の好ましいインクセットにおいては、明度が最も高いインク組成物(例えば、イエローインク組成物)の表面張力でも20mN/m以上となり、明度が最も低いインク組成物(例えば、ブラックインク組成物)の表面張力でも50mN/m以下となる。
【0053】
また、本発明のインクセットが、例えば、イエロー、シアン、マゼンタ、及びブラックの4色のインク組成物からなる場合には、イエロー水性インク組成物、シアン水性インク組成物、マゼンタ水性インク組成物、及びブラック水性インク組成物の表面張力をそれぞれ、γy、γc、γm、及びγkとした場合に、以下の関係式(1)及び(2):
γk>γc>γy (1)、及び
γk>γm>γy (2)
を満足する。
【0054】
本発明の水性顔料インクセットを構成する各水性顔料インク組成物において、各インク組成物の粘度は特に限定されるものではないが、好ましくは2〜10mPa・s、より好ましくは3〜7mPa・sの範囲である。インク粘度が2mPa・s未満になると印字品質や印字安定性の低下が発生する場合があり、10mPa・sを超えるとインク吐出が困難になることがある。
【0055】
本発明のインクセットは、種々のカラー印刷に用いることができる。例えば、インクジェット記録方式に用いるのが好ましく、ピエゾ素子の駆動圧力を利用するインクジェット記録方式に用いるのがより好ましい。更に、印刷実行時にのみインクの吐出を行うオンデマンドインクジェット記録方式に用いるのが特に好ましい。
【0056】
【作用】
本発明によるインクセットを用いると、紙などの吸液性記録媒体に印刷を行った場合に、色滲み、フェザリングやカラーブリーディングを起こさない高品質画像を得ることができる。特に、ブラックが他の色に浸入するタイプの印刷において、色滲み、カラーブリード、及びフェザリングのない画像を印刷することが可能である。
【0057】
このような優れた効果が生ずる理由は、現在のところ明確ではないが、以下のように推論することが可能である。もっとも、本発明は、以下の推論に限定されるものではない。なお、以下の推論は、本発明によるカラーインクセットにおいて、明度が最も低いブラックインク組成物中の分散顔料と、明度が最も高いイエローインク組成物中の分散顔料とが、共にアニオン性分散顔料であり、ブラックインク組成物が両性界面活性剤を含み、イエローインク組成物がアニオン性界面活性剤を含む場合を例として説明する。
【0058】
まず、本発明によるインクセットでは、ブラックインクの表面張力が最も高くなるように設計してあるので、ブラックインクは紙の繊維上に最も濡れ広がりにくい。従って、本発明によるインクセットを用いて記録媒体上に印刷を行った場合には、ブラックインクと他のカラーインクとが接触する領域において、ブラックインクは他の色に浸透しにくいものとなっている。しかしながら、この表面張力による作用だけでは、時間の経過や周辺環境(すなわち、温度や湿度)の影響を受けて、浸透が進行してしまう場合がある。特にブラックインクは明度が低いため、他の色に浸入した場合には目立ってしまう傾向があるので、表面張力による作用に加えて、色滲み、カラーブリード、及びフェザリングの防止機構を更に設けることが望まれる。
【0059】
そこで本発明においては、ブラックインク中に両性界面活性剤を添加し、イエローインク中にアニオン系界面活性剤を添加する。ブラックインク中の両性界面活性剤が、イエローインク中のアニオン系界面活性剤と会合すると増粘作用を引き起こす。この増粘作用は、それぞれのインクが接触する界面で、両性界面活性剤の極性基の一つであるカチオン性官能基と、アニオン系界面活性剤の親水性基であるアニオン性官能基とが静電気的相互作用で会合して粘度増加を引き起こすことから起きる。この増粘作用により、色材である顔料粒子は移動を抑制され、その結果として、色滲み、カラーブリード、及びフェザリングが防止される。更に加えて、印刷後の時間の経過に伴い、インク中の水分が蒸発したり、拡散したりするので、粘度増加が進行する。従って、顔料粒子の移動は更に抑制され、そして乾燥が十分に進むと顔料粒子は紙に対して吸着され固着する。従って、印刷後の環境変化(即ち湿度の増加)が起こっても、色材は移動することがなく、滲みやカラーブリード、フェザリングの発生がなくなる。
【0060】
なお、従来の技術では、顔料粒子との直接的なアニオン−カチオンの凝集反応を利用していたので、印字ヘッドを、カチオン性ブラックインク用ヘッドとアニオン性イエローインク用ヘッドとにそれぞれ別々に隔離して配置し、印刷前にブラックインクとイエローインクとがノズルプレート上において接触して凝集反応を開始して、印字ヘッドの目詰まりの原因とならないようにする必要があった。これに対して、本発明のインクセットによれば、印字ヘッドをブラックインク用ヘッドとイエローインク用ヘッドとにそれぞれ別々に隔離して配置する必要はない。
【0061】
なぜなら、従来技術では、溶媒中において静電気的な反発力により分散安定性を保っている顔料粒子に対し、水中で負帯電(アニオン性)又は正帯電(カチオン性)の電荷を有する顔料粒子と、顔料粒子とは逆の極性の電荷を有する化合物とを反応させることにより、顔料粒子の電荷が静電気的に中性になる反応を利用することで、顔料粒子を凝集させるメカニズムを利用している。これに対し、本発明のインクセットでは、1分子中にアニオン性官能基とカチオン性官能基との両方を有する両性界面活性剤をブラックインク組成物中に含有する。一般的には、或る化合物の分子中のアニオン性官能基とカチオン性官能基が同数であれば、この化合物は静電気的に中性であるとみなせる。このような静電気的に中性な化合物(例えば、両性界面活性剤)は、水中で負帯電(アニオン性)又は正帯電(カチオン性)の電荷を有する顔料粒子表面の電荷密度を上昇させる効果はあっても、顔料粒子を凝集させる機能は示さない。
【0062】
本発明によるインクセットを用いて印刷を行った際に、両性界面活性剤を含む水性顔料インク組成物(例えば、ブラックインク組成物)とアニオン系界面活性剤を含む水性顔料インク組成物(例えば、イエローインク組成物)とが印刷境界面において接触した場合、両性界面活性剤の極性基の一つであるカチオン性官能基とアニオン系界面活性剤の親水性基であるアニオン性官能基とが静電気的相互作用で分子会合し、顔料粒子を巻き込みながら緩やかなネットワーク構造を形成する。この現象は、粘度増加として観察される。この粘度増加は、アニオン−カチオンの静電気的な中和反応とは異なり、急速な凝集反応ではないので、何らかの原因で印字ヘッド上でブラックインク組成物とイエローインク組成物とが接触して混合された場合でも、ノズルの詰まりや凝集物の付着による飛行曲りを引き起こすことはなく、通常のクリーニング操作で容易に混合物を除去可能である。これらの点は、本発明者の実験で確認されている。すなわち、本発明における分子会合による増粘反応は、インク液中の水分量が減少した場合にのみ大きな効果を発揮するものであり、水分の蒸発や拡散による乾燥が進行しなければ、印刷プロセスに何ら不都合をもたらすことはない。
【0063】
以上のように、本発明のインクセットにおいては、例えば、イエローのように明度の高い色からなる背景(バックグラウンド)に、ブラックのような明度の低い色で文字などを記録する場合でも、イエローとブラックの境界ではインク組成物の増粘により色滲みやカラーブリーディングが抑制される。更に、明度が最も低いインク組成物(例えば、ブラックインク組成物)の表面張力を他のインク組成物の表面張力よりも高くして、記録媒体への浸透速度を遅らせることにより、前記の色滲みやカラーブリーディングが抑制される。
【0064】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。以下の実施例及び比較例で、wt%は重量%である。
【0065】
<実施例1>
(1)インク組成物の調製手順
下記の組成からなる4種のインク組成物を調製した。調製は下記の手順で行った。すなわち、顔料と分散剤と水とを混合して、サンドミル(安川製作所製)中で、ガラスビーズ〔直径=1.7mm;混合物の1.5倍量(重量)〕とともに2時間分散させた。その後、ガラスビーズを取り除くことにより、顔料分散液を得た。
【0066】
次いで、下記配合成分における顔料及び分散剤以外の配合成分を混合してインク溶媒とし、上記の顔料分散液を撹拌しながらインク溶媒を徐々に滴下して、常温で20分間撹拌した。その後、5μmのメンブランフィルターで濾過して、インクジェット記録用インク組成物とした。
(2)ブラック顔料インク組成物の組成
カーボンブラックMA−7(色材;三菱化学社製) 5wt%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1wt%
グリセリン 10wt%
ドデシルジメチル(3−スルホプロピル)アンモニウム
(両性界面活性剤;Sigma−Aldrich lnc.製) 1wt%
イオン交換水 残量
(3)カラーインクセットの組成
(3a)シアン顔料インクの組成
C.I.ピグメントシアン15:3(色材) 2wt%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1wt%
ジエチレングリコール 10wt%
サーフィノール465(ノニオン系界面活性剤;Air Product
and Chemicals,Inc.製) 1wt%
イオン交換水 残量
(3b)マゼンタ顔料インクの組成
C.I.ピグメントレッド122(色材) 3wt%
スチレンーアクリル酸共重合体(分散剤) 1wt%
グリセリン 5wt%
ジエチレングリコール 5wt%
サーフィノール465(ノニオン系界面活性剤;Air Product
and Chemicals,Inc.製) 1wt%
イオン交換水 残量
(3c)イエロー顔料インクの組成
C.I.ピグメントイエロー74(色材) 3.5wt%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1wt%
グリセリン 8wt%
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム
(アニオン系界面活性剤;ナカライテスク製) 3wt%
イオン交換水 残量
(4)各インク組成物の物性
(4a)表面張力
実施例1のインクセットを構成する各インク組成物の表面張力は、表面張力計(自動表面張力計CBVP−Z型;協和界面科学製)によって測定した。
(4b)インク粘度
実施例1のインクセットを構成する各インク組成物のインク粘度は、振動式粘度計(VM−100;山一電機製)によって測定した。
(4c)平均粒径
実施例1のインクセットを構成する各インク組成物に含まれる顔料の平均粒径は、レーザードップラー方式の粒度分布計(Microtrac UPA;リーズ&ノースロップ社製)を用いて平均粒径を測定した場合の50%平均粒径(単位=nm)である。
【0067】
実施例1のインクセットを構成する各インク組成物の物性測定の結果を以下の表1に示す。
【0068】
【表1】
Figure 0003674498
【0069】
<実施例2>
(1)インク組成物の調製手順
前記実施例1(1)に記載の手順により、下記の組成からなるブラック顔料インク組成物を調製した。
(2)ブラック顔料インク組成物の組成
カーボンブラックMA−7(色材;三菱化学社製) 5wt%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1wt%
グリセリン 10w%
オクチルジメチル(3−スルホプロピル)アンモニウム
(両性界面活性剤;Sigma−Aldrich Inc.製) 1wt%
イオン交換水 残量
(3)カラーインクセットの組成
前記実施例1(3a)、(3b)、及び(3c)に記載の組成と同じ組成のシアン顔料インク、マゼンタ顔料インク、及びイエロー顔料インクを調製した。
(4)各インク組成物の物性
ブラック顔料インク組成物の表面張力、インク粘度、及び平均粒径を、前記実施例1(4a)、(4b)、及び(4c)に記載の方法と同じ方法で測定した。
実施例2のインクセットを構成する各インク組成物の物性を以下の表2に示す。なお、シアン顔料インク、マゼンタ顔料インク、及びイエロー顔料インクの物性は、前記表1に記載の物性を再掲する。
【0070】
【表2】
Figure 0003674498
【0071】
<実施例3>
(1)インク組成物の調製手順
前記実施例1(1)に記載の手順により、下記の組成からなるイエロー顔料インク組成物を調製した。
(2)イエロー顔料インクの組成
C.I.ピグメントイエロー74(色材) 3.5wt%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1wt%
グリセリン 8wt%
ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム
(アニオン系界面活性剤;Fluka Chemika製) 3wt%
イオン交換水 残量
(3)他のインクセットの組成
前記実施例1(2)、(3a)、及び(3b)に記載の組成と同じ組成のブラック顔料インク、シアン顔料インク、及びマゼンタ顔料インクを調製した。
(4)各インク組成物の物性
イエロー顔料インク組成物の表面張力、インク粘度、及び平均粒径を、前記実施例1(4a)、(4b)、及び(4c)に記載の方法と同じ方法で測定した。
実施例3のインクセットを構成する各インク組成物の物性を以下の表3に示す。なお、ブラック顔料インク、シアン顔料インク、及びマゼンタ顔料インクの物性は、前記表1に記載の物性を再掲する。
【0072】
【表3】
Figure 0003674498
【0073】
<比較例1>
(1)インク組成物の調製手順
前記実施例1(1)に記載の手順により、下記の組成からなるブラック顔料インク組成物を調製した。
(2)ブラック顔料インク組成物の組成
カーボンブラックMA−7(色材;三菱化学社製) 5wt%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1wt%
グリセリン 10wt%
サーフィノール465(ノニオン系界面活性剤;Air Product
and Chemicals,Inc.製) 1wt%
イオン交換水 残量
(3)ブラック顔料インク組成物の物性
ブラック顔料インク組成物の表面張力、インク粘度、及び平均粒径を、前記実施例1(4a)、(4b)、及び(4c)に記載の方法と同じ方法で測定した。結果を以下の表4に示す。なお、本比較例1のインクセットは、ブラック顔料インク組成物として本比較例1で調製したブラック顔料インク組成物を用い、それ以外のインク組成物は、実施例1に記載のインク組成物から構成される。
【0074】
【表4】
Figure 0003674498
【0075】
<比較例2>
(1)インク組成物の調製手順
前記実施例1(1)に記載の手順により、下記の組成からなるイエロー顔料インク組成物を調製した。
(2)イエロー顔料インク組成物の組成
C.I.ピグメントイエロー74(色材) 3.5wt%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1wt%
グリセリン 8wt%
サーフィノール465(ノニオン系界面活性剤;Air Product
and Chemicals,Inc.製) 1wt%
イオン交換水 残量
(3)イエロー顔料インク組成物の物性
イエロー顔料インク組成物の表面張力、インク粘度、及び平均粒径を、前記実施例1(4a)、(4b)、及び(4c)に記載の方法と同じ方法で測定した。結果を以下の表5に示す。なお、比較例2のインクセットは、イエロー顔料インク組成物として本比較例2で調製したイエロー顔料インク組成物を用い、それ以外のインク組成物は、実施例1に記載のインク組成物から構成される。
【0076】
【表5】
Figure 0003674498
【0077】
<比較例3>
(1)インク組成物の調製手順
下記の染料をインク溶媒に加え、常温で20分間撹拌して溶解した。そして、5μmのメンブランフィルターで濾過して、インクジェット記録用インク組成物とした。
(2)ブラック染料インク組成物の組成
Project Fast Black 2
(色材;AVECIA社製) 3.5wt%
グリセリン 10wt%
サーフィノール465(ノニオン系界面活性剤;Air Product
and Chemicals,Inc.製) 1wt%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7wt%
イオン交換水 残量
(3)ブラック染料インク組成物の物性
ブラック染料インク組成物の表面張力、インク粘度、及び平均粒径を、前記実施例1(4a)、(4b)、及び(4c)に記載の方法と同じ方法で測定した。結果を以下の表6に示す。なお、比較例3のインクセットは、ブラックインク組成物として本比較例3で調製したブラック染料インク組成物を用い、それ以外のインク組成物は、実施例1に記載のインク組成物から構成される。
【0078】
【表6】
Figure 0003674498
【0079】
<比較例4>
(1)インク組成物の調製手順
前記実施例1(1)に記載の手順により、下記の組成からなる2種のインク組成物を調製した。
(2)ブラック顔料インク組成物の組成
カーボンブラックMA−7(色材;三菱化学社製) 5wt%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1wt%
グリセリン 10wt%
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム
(アニオン系界面活性剤、ナカライテスク製) 3wt%
イオン交換水 残量
(3)イエロー顔料インク組成物の組成
C.I.ピグメントイエロー74(色材) 3.5wt%
スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1wt%
グリセリン 8wt%
ドデシルジメチル(3−スルホプロピル)アンモニウム
(両性界面活性剤;Sigma−Aldrich lnc.製) 1wt%
イオン交換水 残量
(3)顔料インク組成物の物性
ブラック顔料インク組成物及びイエロー顔料インク組成物の表面張力、インク粘度、及び平均粒径を、前記実施例1(4a)、(4b)、及び(4c)に記載の方法と同じ方法で測定した。結果を以下の表7に示す。なお、比較例4のインクセットは、ブラックインク組成物及びイエローインク組成物として本比較例4で調製したブラック顔料インク組成物及びイエロー顔料インク組成物を用い、それ以外のインク組成物は、実施例1に記載のインク組成物から構成される。表7において、シアン顔料インク、及びマゼンタ顔料インクの物性は、前記表1に記載の物性を再掲する。
【0080】
【表7】
Figure 0003674498
【0081】
<評価試験>
(1)印刷方法
前記実施例1〜3及び比較例1〜4で調製した各インクセットを用い、インクジェットプリンタ(セイコーエプソン株式会社製インクジェットプリンタEM−900C)により、常温・常圧下にて、記録媒体としての普通紙に印刷した。
【0082】
印刷終了後、その印刷物を自然乾燥してからイエローとブラックとが重なって印字される領域について、以下に記載の評価を実施した。
(2)記録媒体
記録媒体としては、以下の3種の普通紙を用いた。
記録媒体1:普通紙
Xerox P(ゼロックス(株)製)
記録媒体2:普通紙
Xerox 4024(ゼロックス(株)製)
記録媒体3:普通紙
上質普通紙(セイコーエプソン(株)製;型番KA4250NP)
(3)評価項目1:印刷後の色滲み評価
印刷物について、印刷直後の滲みを、目視によって以下の4段階の基準により評価した。
A:滲みのない、良好な画像が得られた。
B:滲みがわずかに生じた。
C:ヒゲ状の滲みが発生していた。
D:色の境界がはっきりしない程、滲みが起こった。
(4)評価項目2:印刷後のカラーブリード評価
印刷物について、色境界での不均一な色の混じりを、目視によって以下の4段階の基準により評価した。
A:色混じりのない、良好な画像が得られた。
B:色混じりがわずかに生じた。
C:色混じりの発生が認められた。
D:色の境界がはっきりしない程、色混じりが起こった。
(5)評価項目3:印刷後のフェザリング評価
印刷物について、ヒゲ状の滲み出しの有無を目視によって以下の4段階の基準により評価した。
A:ヒゲ状の滲み出しない、良好な画像が得られた。
B:ヒゲ状の滲み出しがわずかに生じた。
C:ヒゲ状の滲み出しの発生が認められた。
−:滲み、カラーブリードの影響で評価できなかった。
(6)結果
評価結果を以下の表8に示す。
【0083】
【表8】
Figure 0003674498
【0084】
【発明の効果】
本発明によるインクセットを用いると、紙などの吸液性記録媒体に印刷を行った場合に、色滲み、フェザリングやカラーブリーディングを起こさない高品質画像を得ることができる。

Claims (11)

  1. 分散顔料と界面活性剤とを含む水性インク組成物2種以上からなるインクセットであって、
    (1)明度が最も低いインク組成物の表面張力を他のインク組成物の表面張力よりも高くし、
    (2)明度が最も高いインク組成物の表面張力を他のインク組成物の表面張力よりも低くし、更に
    (3a)明度が最も低いインク組成物中の分散顔料、及び明度が最も高いインク組成物中の分散顔料が、共にアニオン性分散顔料であって
    (イ)明度が最も低いインク組成物がアニオン性界面活性剤を含み、明度が最も高いインク組成物が両性界面活性剤を含むか、若しくは
    (ロ)明度が最も低いインク組成物が両性界面活性剤を含み、明度が最も高いインク組成物がアニオン性界面活性剤を含む
    ことを特徴とする、前記のインクセット。
  2. 明度が最も低いインク組成物がブラックインク組成物である請求項1に記載のインクセット。
  3. 明度が最も高いインク組成物がイエローインク組成物である請求項1又は2に記載のインクセット。
  4. 明度が最も低いインク組成物中の分散顔料、及び明度が最も高いインク組成物中の分散顔料が、共にアニオン性分散顔料である請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクセット。
  5. アニオン性界面活性剤がスルホン酸基を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクセット。
  6. 両性界面活性剤がスルホン酸基を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクセット。
  7. 明度が最も高いインク組成物及び明度が最も低いインク組成物以外の各インク組成物がノニオン性界面活性剤を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクセット。
  8. 明度が最も高いインク組成物の表面張力が20mN/m以上であり、明度が最も低いインク組成物の表面張力が50mN/m以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクセット。
  9. それぞれが分散顔料と界面活性剤とを含むイエロー水性インク組成物、シアン水性インク組成物、マゼンタ水性インク組成物、及びブラック水性インク組成物からなる請求項1〜8のいずれか一項に記載のインクセット。
  10. イエロー水性インク組成物、シアン水性インク組成物、マゼンタ水性インク組成物、及びブラック水性インク組成物の表面張力をそれぞれ、γy、γc、γm、及びγkとした場合に、以下の関係式(1)及び(2):
    γk>γc>γy (1)、及び
    γk>γm>γy (2)
    を満足する、請求項9に記載のインクセット。
  11. 関係式(3)及び(4):
    20mN/m≦γy (3)、及び
    γk≦50mN/m (4)
    を更に満足する、請求項10に記載のインクセット。
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