JP3673770B2 - Icカードリーダ・ライタにおけるデータ処理方法、およびicカードリーダ・ライタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICカードからのデータの読み取り及びICカードへのデータの書き込みを行うICカードリーダ・ライタにおけるデータ処理方法、およびICカードリーダ・ライタに関する。
【0002】
【従来の技術】
ICカードは、ICカードリーダ・ライタからの電源電圧、クロック等の供給を受けることで、データの読み取り、書き込みが可能に構成されたものであるが、その電気的な規格に関しては、国際標準化機構(ISO)による国際的な標準化がなされた(ISO/IEC7816−3参照)ものがある一方で、ISOによる標準化前に国内標準規格に基づくものがあり、両規格のICカードが混在して用いられているのが現状である。
【0003】
このため、ICカードリーダ・ライタには、ICカードのそれぞれの規格専用に構成されたものと、双方の規格に対応可能に構成されたものとがある。この内、双方の規格に対応可能なものとしては、例えば、それぞれの規格のICカードにおけるクロック周波数の違いに対応すべく、ICカードリーダ・ライタ内に、2つのクロック信号発生回路を設け、ICカードの種類に応じて、いずれかのクロック信号の供給を可能に構成されたものなどがある(例えば、特開平4−38030号公報等参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば、特開平4−38030号公報に示されたように、2つのクロック信号発生回路を設けるような構成にあっては、部品点数の増大と、回路構成の複雑化を招くと共に装置の高価格化を招くという問題がある。
【0005】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、簡易な回路構成で、複数のICカードの規格に対応可能なICカードリーダ・ライタにおけるデータ処理方法、およびICカードリーダ・ライタを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のICカードリーダ・ライタにおけるデータ処理方法は、所定周波数のクロック信号をICカードへ供給し、前記ICカードとのデータ授受を可能に構成されたICカードリーダ・ライタにおけるデータ処理方法であって、前記ICカードへ前記所定周波数のクロック信号を供給後、当該ICカードから出力されるATR信号を、それぞれ別個のデータ伝送速度に設定された複数のデータ入出力ポートにおいて同時に受信するとともに、一度のATR信号の受信で正常に受信されたデータ入出力ポートのデータ伝送速度を判定し、前記ATR信号が正常に受信されたデータ入出力ポートのデータ伝送速度を、前記ICカードとICカードリーダ・ライタとのデータ授受におけるデータ伝送速度として、以後、前記複数のデータ入出力ポートの内の1つのデータ入出力ポートにおいて前記ICカードとのデータの授受を行うものである。
【0007】
また、本発明のICカードリーダ・ライタは、所定周波数のクロック信号をICカードに供給し、前記ICカードとのデータ授受を可能に構成されたICカードリーダ・ライタであって、当該ICカードリーダ・ライタは、中央処理部と、前記ICカードのデータ入出力端子に対して接触可能に配設されたデータ入出力用接触端子とを有し、前記中央処理部は、それぞれ別個のデータ伝送速度が設定され、前記ICカードとのデータの授受が可能な第1のデータ入出力ポートと第2のデータ入出力ポートとを有すると共に、当該第1及び第2のデータ入出力ポートは、共に前記データ入出力用接触端子に接続され、当該中央処理部は、前記ICカードへ前記所定周波数のクロック信号を供給後、前記データ入出力用接触端子を介して前記第1及び第2のデータ入出力ポートに入力された前記ICカードからのATR信号を同時に受信するとともに、一度のATR信号の受信で第1及び第2のデータ入出力ポートのいずれにおいて正常に受信されたかによって前記ICカードの種類を判定し、以後、前記第1及び第2のデータ入出力ポートの内、所定の1つのデータ入出力ポートのデータ伝送速度を前記判定されたICカードの種類に応じたデータ伝送速度に設定し、当該データ入出力ポートにおいて前記ICカードとのデータの授受を行うよう構成されてなるものである。
【0008】
そして、それぞれ別個のデータ伝送速度に設定された複数のデータ入出力ポートを備え、1つの所定周波数のクロック信号をICカードへ一度だけ供給すれば、それによってICカードから出力されるATR信号を複数のデータ入出力ポートにおいて同時に受信できることにより、一度のATR信号の受信によってICカードの種類を判定でき、以後、そのICカードの種類に応じたデータ伝送速度によってデータの授受をできるため、複数の周波数のクロック信号を用いる必要がなく、回路構成を簡素にできるばかりか、ICカードの種類を判定するのに、一度のICカードへのクロック信号の供給とATR信号の受信とで済むことから、複数回のICカードへのクロック信号の供給とATR信号の受信とを繰り返してICカードの種類を判定するのに比べて、ICカードの種類を判定する処理にかかる時間を短くでき、ICカードへのクロック信号の供給回数を削減できてICカードの寿命低下などの影響も低減できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図4を参照しつつ説明する。
【0010】
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
【0011】
最初に、本発明の実施の形態におけるICカードリーダ・ライタSの構成について、図1を参照しつつ説明する。
【0012】
ICカードリーダ・ライタSは、本発明の実施の形態における構成のものに限らず、一般的には、コンピュータ、すなわち、より好適な例としては、いわゆるパーソナルコンピュータ(図1においては「PC」と表記)101と接続されて、パーソナルコンピュータ(以下「パソコン」と言う)101から指令に応じて後述するようにICカード102からのデータの読み取りや、ICカード102へのデータの書き込み等の動作が実行されるようになっている。
【0013】
本発明のICカードリーダSは、中央処理部(図1においては「CPU」と表記)1とレベル変換部(図1においては「L/C」と表記)2とに大別されて構成されたものとなっており、中央処理部1は、例えば、公知・周知の構成を有してなるマイクロコンピュータを用いて構成されたものが好適である。
【0014】
この中央処理部1は、データの出力及び入力が可能な複数のデータ入出力ポートを有しており、本発明の実施の形態においては、その内、第1のデータ入出力ポートPO1と第2のデータ入出力ポートPO2は、相互に接続されると共に、ICカードリーダ・ライタSのデータ入出力用接触端子3に接続されたものとなっている。
【0015】
なお、図示は省略するが、ICカード102は、ICカードリーダ・ライタS内に設けられたカード出入口へ挿入することで、上述のデータ入出力用接触端子3を始めとするICカード102との間のデータの授受のために必要な種々の端子(例えば、クロック供給端子、電源供給端子等)と、これらの種々の端子に対してICカード102に設けられた所定の接触部とが接触するようになっており、それによって、相互間の電気的な接続が行えるようになっている。
【0016】
したがって、データ入出力用接触端子3は、ICカード102がこのICカードリーダ・ライタSの所定の箇所に挿入された状態において、ICカード102のデータ入出力のためのI/O端子(データ入出力端子)と接触するものとなっている。
【0017】
一方、中央処理部1の第3のポートPO3には、レベル変換部2の一方の入出力端子(図示せず)と接続されており、このレベル変換部2の他方の入出力端子(図示せず)は、パソコン101の所定の入出力端子(図示せず)と接続されるものとなっている。
【0018】
このレベル変換部2は、パソコン101から中央処理部1へ対して出力される信号、中央処理部1からパソコン101へ対して出力される信号のそれぞれを出力先に適した信号レベルに変換するもので公知・周知の構成を有してなるものである。なお、レベル変換部2を介したパソコン101と中央処理部1とのデータの授受には、一般的には、シリアルインターフェイス規格であるRS232Cが採用されている。
【0019】
次に、かかる構成において、ICカード102とのデータの授受のために中央処理部1によって行われるICカード102の種別判定処理の手順について、図2に示されたフローチャートを参照しつつ説明する。
【0020】
まず、前提として、ICカード102は、ICカードリーダ・ライタSの所定の部位に挿入、保持されて、ICカード102に設けられた外部との電気的な接続のための複数の端子(図示せず)と、これら複数の端子に対してICカードリーダ・ライタS内に対応して設けられた複数の端子(図示せず)とが相互に接触状態とされて、両者間におけるデータの授受等の相互間における電気信号の伝送が可能な状態にあるとする。
【0021】
かかる前提の下、中央処理部1による処理が開始されると、まず、中央処理部1によって、第1のデータ入出力ポートPO1のデータ通信速度が9600bpsに、第2のデータ入出力ポートPO2のデータ通信速度が6975bpsに、それぞれ設定されることとなる(図2のステップS102、S104参照)。
【0022】
次いで、ICカードリーダ・ライタSからICカード102へクロック信号の供給が行われることとなる(図2のステップS106参照)。ここで、このクロック信号は、本発明の実施の形態においては、ICカード102の種類に関わらず、所定の周波数のクロック信号を供給するようになっており、例えば、具体的には、3.5712MHzのクロック信号が用いられたものとなっている。
【0023】
ICカードリーダ・ライタSからICカード102に対してクロック信号が供給されると、ICカード102からは、初期応答信号として、いわゆるATR(Answer to Reset)信号が出力され、ICカードリーダ・ライタSは、このATR信号の受信状態となる(図2のステップS108参照)。このATR信号は、ICカード102のI/O端子から出力されて、ICカードリーダ・ライタSのデータ入出力用接触端子3を介して中央処理部1の第1及び第2のデータ入出力ポートPO1,PO2に入力されることとなる。
【0024】
そして、受信されたATR信号の伝送速度が如何なる速度であるかが判定されることとなる(図2のステップS110参照)。
【0025】
すなわち、ICカード102は、外部から入力されたクロック信号を分周して内部の処理に用いるよう構成されているが、この分周比として分周比1/372のものと、分周比1/512のものとの2種類が存在している。このため、ICカードリーダ・ライタには、ICカードの種類に応じて、供給するクロック信号の周波数を変えて、ICカードリーダ・ライタとICカード間のデータの伝送速度を一定とするものもあるが、本発明の実施の形態においては、上述のようなICカード102の種類に関わらず、クロック信号の周波数を一定値としている。したがって、ICカード102の種類、すなわち、分周比によってATR信号の伝送速度が異なることとなる。
【0026】
本発明の実施の形態においては、クロック信号の周波数は、3.5712MHzであるために、ICカード102が分周比1/372のものである場合には、ATR信号は、9600bpsでICカード102から送信されることとなり、また、ICカード102が分周比1/512のものである場合には、ATR信号は、6975bpsで送信されることとなる。
【0027】
一方、ICカードリーダ・ライタSにおいては、先に述べたように中央処理部1の第1のデータ入出力ポートPO1が、9600bpsでのデータの授受が可能に、また、第2のデータ入出力ポートPO2が6975bpsでのデータの授受が可能に、それぞれ設定されたものとなっているために、ICカード102からのATR信号の伝送速度と一致したいずれかのポートPO1,PO2において、ATR信号が正常に受信されることとなるため、それによって、伝送速度を判定することが可能となっている。
【0028】
したがって、第1のデータ入出力ポートPO1においてATR信号が正常に受信された場合には、伝送速度は9600bpsと判断され、ICカード102は分周比1/372のものであると認識されることとなる(図2のステップS112参照)。一方、第2のデータ入出力ポートPO2においてATR信号が正常に受信された場合には、伝送速度は6975bpsと判断され、ICカード102は分周比1/512のものであると認識されることとなる(図2のステップS114参照)。
【0029】
そして、ICカード102の分周比が認識された後は、中央処理部1の第1のデータ入出力ポートPO1が、ステップS112又はS114で認識されたデータ伝送仕様に設定されることとなる(図2のステップS116参照)。なお、伝送速度が9600bpsであると認識された場合には、第1のデータ入出力ポートPO1は、既に先のステップS102において、9600bpsでのデータ授受が可能なように設定されているために、実際には、このステップS116において設定の必要はなく、このステップS116が意味を有するのは、ICカード102の分周比が1/512であると認識された場合である。すなわち、この場合、第1のデータ入出力ポートPO1は、ICカード102と6975bpsでのデータ授受が可能なように設定されることとなる。
【0030】
そして、以後、ICカードリーダ・ライタSとICカード102間のデータの授受は、この第1のデータ入出力ポートPO1を介して行われ、必要なデータの授受が行われた後に一連の処理が終了されることとなる(図2のステップS118参照)。
【0031】
ところで、ICカードリーダ・ライタSとパソコン101間のデータの授受は、ICカード102の種類に関わらず、通常は、所定の伝送速度に固定されており、具体的には、本発明の実施の形態においては、9600bpsとなっている。このため、ICカード102の種類に関わらず、ICカードリーダ・ライタSとパソコン101間のデータの授受は、この所定の伝送速度で支障無く行われるように、ICカードリーダ・ライタSとパソコン101間のデータの授受の際のタイミング調整が必要となる。
【0032】
図3及び図4には、そのための処理手順が示されており、以下、同図を参照しつつ、その内容について説明する。なお、図3及び図4に示された処理手順は、パソコン101からICカードリーダ・ライタSを介してICカード102へデータ伝送が行われる場合のみならず、ICカードリーダ・ライタSを介してICカード102からパソコン101へデータ伝送が行われる場合にも基本的に共通する処理手順となっている。このため、図3及び図4においては、ICカードリーダ・ライタSを介してICカード102からパソコン101へデータ伝送が行われる場合については、その際の処理対称となる機器(パソコン又はICカード)を括弧書きで示したものとしてある。
【0033】
処理が開始されると、まず、パソコン101から1バイトのデータが受信されたか否かの判定が行われ(図3のステップS202参照)、受信されたと判定された場合(YESの場合)には、次述するステップS204の処理へ進む一方、1バイトのデータ受信は無いと判定された場合(NOの場合)には、1バイトのデータ受信有りと判定されるまでテップS202の判定処理が繰り返されることとなる。
【0034】
なお、以上は、ICカードリーダ・ライタSを介してパソコン101からICカード102へデータ伝送が行われる場合であるが、逆に、ICカードリーダ・ライタSを介してICカード102からパソコン101へデータ伝送が行われる場合には、ステップS202において括弧書きに示されているように、ICカード(ステップS202においては単に「カード」と略記)102からの1バイトのデータが受信されたか否かが判定される処理となる。
【0035】
ステップS204においては、受信された1バイトのデータが中央処理部1の図示されないバッファ用のメモリに保管されることとなる。
【0036】
次いで、処理開始からの受信されたバイト数の判定が行われることとなる(図3のステップS206参照)。すなわち、具体的には、受信バイト数nが3バイトより少ないか(n<3)、受信バイト数nが3バイトより多いか(n>3)、受信バイト数nが丁度3バイトのいずれかであるかが判定されることとなる。
【0037】
そして、受信バイト数nが3バイトより少ない(n<3)と判定された場合には、先のステップS202へ戻り、一連の処理が繰り返されることとなる。
【0038】
また、受信バイト数nが3バイトであると判定された場合には、次述するステップS208の処理へ進む一方、受信バイト数nが3バイトより多い(n>3)と判定された場合には、後述するステップS212の処理へ進むこととなる。
【0039】
ステップS208では、受信されているデータのブロック長(受信ブロック長)の取得が行われることとなる。すなわち、ICカード102と外部装置との間で授受されるデータの構成等については仕様が定められており、その中で、ICカード102と外部装置との間で授受されるデータの長さは、授受されるデータのブロック長に4を加えたものとして求められると定義されている。そして、ブロック長は、データの先頭から3バイト目の所定位置に変数LENの値として置かれるものとされている。
【0040】
このため、3バイト目が受信できたところで、この変数LENの値を取得し、受信ブロック長とするようにしている。
【0041】
そして、ステップS208に次いで、送信開始タイミングの算出が行われることとなる(図3のステップS210参照)。
【0042】
すなわち、パソコン101からICカード102へ送るためのデータを受信しつつ、その受信されたデータを、ICカードリーダ・ライタSからICカード102へ送信開始するタイミングの算出が行われることとなる。この送信開始タイミングの算出は、先のステップS208で求められた受信ブロック長と、パソコン101とICカードリーダ・ライタS間のデータ伝送速度と、ICカードリーダ・ライタSとICカード102間のデータ伝送速度とから、理論的に算出され得るものであり、その算出式自体は本発明特有のものではなく、また、煩雑な式であるのでここでの詳細な説明は省略することとする。
【0043】
そして、ステップS206において、受信バイト数nが3バイトより多いと判定されたか、又は、ステップS210の処理が行われた後に、送信開始タイミングとなったか否かが判定され(図3のステップS212参照)、未だ送信開始タイミングではないと判定された場合(NOの場合)には、後述するステップS214へ進むこととなる。一方、ステップS212において、送信開始タイミングとなったと判定された場合(YESの場合)には、ICカードリーダ・ライタSからICカード102(又はICカード102からICカードリーダ・ライタSを介してパソコン101)へ対するデータの送信が開始されることとなる(図3のステップS220参照)。
【0044】
このICカード102(又はパソコン)へ対するデータ送信は、サブルーチンとしての送信タスクが起動されて実行されるもので、図4には、そのサブルーチン処理の手順が示されており、以下、同図を参照しつつその処理手順について説明する。
【0045】
処理が開始されると、ICカードリーダ・ライタSからICカード102へのデータ伝送速度がICカード102のデータ伝送速度に設定される(図4のステップ222参照)。具体的には、中央処理部1の第1のデータ入出力ポートPO1におけるデータ伝送速度が、ICカード102の伝送速度と同じに設定されることとなる。
【0046】
なお、ICカードリーダ・ライタSを介してICカード102からパソコン101へのデータ伝送の場合には、中央処理部1の第3のポートPO3におけるデータ伝送速度がパソコン101のデータ伝送速度に設定されることとなる。
【0047】
そして、第1のデータ入出力ポートPO1からICカード102(又は第3のポートPO3からパソコン101)へ最初の1バイトのデータ送信が行われ(図4のステップS224参照)、その後、送信終了か否か、換言すれば、送信すべきデータが全て送信されたか否かが判断されることとなる(図4のステップS226参照)。このステップS226において、送信終了と判定された場合(YESの場合)には、この一連のサブルーチン処理を終えて図3のルーチン処理へ戻る一方、送信は未だ終了していないと判定された場合(NOの場合)には、先のステップS224の処理へ戻り、それ以後の処理が送信されるべきデータが全てなくなるまで繰り返されることとなる。
【0048】
ここで、再び図3に示された処理手順の説明に戻る。上述のようにしてデータ送信(図3のステップS220参照)が終了した後、又は、ステップS212において、送信開始タイミングではないと判定された後には、データ受信が終了したか否かが判定され(図3のステップS214参照)、未だ全てのデータの受信が終了していないと判定された場合(YESの場合)には、先のステップS202へ戻り一連の処理が繰り返されることとなる。一方、ステップS214において、全てのデータの受信が終了したと判定された場合(YESの場合)には、一連の処理が終了されることとなる。
【0049】
上述したように、本発明の実施の形態においては、ICカードリーダ・ライトにおけるデータの受信は、1バイトずつ行われ、一時的にバッファメモリ(図示せず)に保管される一方、ICカード102又はパソコン101へのデータの送信においては、データの受信状況を考慮しつつ、データの途切れがないように、換言すれば、キャラクタ間隔が所定の規格値以下となるように送信開始タイミングが設定されてデータ送信が行われるようになっている。
【0050】
なお、上述した構成例においては、中央処理部1の第1のデータ入出力ポートPO1のデータ伝送速度を9600bpsに、第2のデータ入出力ポートPO2のデータ伝送速度を6975bpsに、それぞれ設定するようにしたが、これを逆にしても良いことは勿論である。また、クロック信号の周波数を3.5712MHzとしたが、ICカードの規格値内であればこの値に限定される必要はないことは勿論である。
【0051】
さらに、本発明の実施の形態においては、ICカード102の種類が2種類であるとして説明したが、3種類以上であっても、中央処理部1のデータ入出力ポートをそれに対応して設けるようにし、それぞれにデータ伝送速度を設定するようにすれば本発明の実施の形態同様の動作を得ることができることは勿論のことである。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、それぞれ別個のデータ伝送速度に設定された複数のデータ入出力ポートを備え、1つの所定周波数のクロック信号をICカードへ一度だけ供給すれば、それによってICカードから出力されるATR信号を複数のデータ入出力ポートにおいて同時に受信できることにより、一度のATR信号の受信によってICカードの種類を判定でき、以後、そのICカードの種類に応じたデータ伝送速度によってデータの授受をできるため、複数の周波数のクロック信号を用いる必要がなく、回路構成を簡素にできるばかりか、ICカードの種類を判定するのに、一度のICカードへのクロック信号の供給とATR信号の受信とで済むことから、複数回のICカードへのクロック信号の供給とATR信号の受信とを繰り返してICカードの種類を判定するのに比べて、ICカードの種類を判定する処理にかかる時間を短くでき、ICカードへのクロック信号の供給回数を削減できてICカードの寿命低下などの影響も低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態におけるICカードリーダ・ライタの構成を示す構成図である。
【図2】 図1に示されたICカードリーダ・ライタの中央処理部によって実行されるICカード種別判定処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】 図1に示されたICカードリーダ・ライタの中央処理部によって実行されるデータ送受信処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】 図3に示された送信タスク処理の手順を示すサブルーチンフローチャートである。
【符号の説明】
1 中央処理部
3 データ入出力用接触端子
101 パーソナルコンピュータ
102 ICカード
PO1 第1のデータ入出力ポート
PO2 第2のデータ入出力ポート
S ICカードリーダ・ライタ
Claims (4)
- 所定周波数のクロック信号をICカードへ供給し、前記ICカードとのデータ授受を可能に構成されたICカードリーダ・ライタにおけるデータ処理方法であって、
前記ICカードへ前記所定周波数のクロック信号を供給後、当該ICカードから出力されるATR信号を、それぞれ別個のデータ伝送速度に設定された複数のデータ入出力ポートにおいて同時に受信するとともに、一度のATR信号の受信で正常に受信されたデータ入出力ポートのデータ伝送速度を判定し、
前記ATR信号が正常に受信されたデータ入出力ポートのデータ伝送速度を、前記ICカードとICカードリーダ・ライタとのデータ授受におけるデータ伝送速度として、以後、前記複数のデータ入出力ポートの内の1つのデータ入出力ポートにおいて前記ICカードとのデータの授受を行う
ことを特徴とするICカードリーダ・ライタにおけるデータ処理方法。 - 所定周波数のクロック信号をICカードに供給し、前記ICカードとのデータ授受を可能に構成されたICカードリーダ・ライタであって、
当該ICカードリーダ・ライタは、中央処理部と、前記ICカードのデータ入出力端子に対して接触可能に配設されたデータ入出力用接触端子とを有し、
前記中央処理部は、
それぞれ別個のデータ伝送速度が設定され、前記ICカードとのデータの授受が可能な第1のデータ入出力ポートと第2のデータ入出力ポートとを有すると共に、当該第1及び第2のデータ入出力ポートは、共に前記データ入出力用接触端子に接続され、
当該中央処理部は、前記ICカードへ前記所定周波数のクロック信号を供給後、前記データ入出力用接触端子を介して前記第1及び第2のデータ入出力ポートに入力された前記ICカードからのATR信号を同時に受信するとともに、一度のATR信号の受信で第1及び第2のデータ入出力ポートのいずれにおいて正常に受信されたかによって前記ICカードの種類を判定し、
以後、前記第1及び第2のデータ入出力ポートの内、所定の1つのデータ入出力ポートのデータ伝送速度を前記判定されたICカードの種類に応じたデータ伝送速度に設定し、当該データ入出力ポートにおいて前記ICカードとのデータの授受を行うよう構成されてなる
ことを特徴とするICカードリーダ・ライタ。 - ICカードの種類は、分周比が1/372のICカードと、分周比が1/512のICカードであって、
クロック信号の周波数は、前記分周比が1/372のICカードからのATR信号の伝送速度が9600bpsとなる値である
ことを特徴とする請求項2記載のICカードリーダ・ライタ。 - 第1及び第2のデータ入出力ポートのデータ伝送速度は、いずれか一方が9600bpsに、他方が6975bpsに、それぞれ設定される
ことを特徴とする請求項3記載のICカードリーダ・ライタ。
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