JP3673588B2 - 硬質繊維ボードの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維質廃棄物である古紙やOA紙などを効率良く処理し、公害を発生することなく、建材,家具材,自動車内装材,包装材,パレット型枠などとして利用できる硬質繊維ボードを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、民間企業や官公庁から大量に廃棄される裁断済みの紙片は、一般にOA紙と称する感熱紙,カーボン紙,ラミネート紙,ロウ引き紙などが大部分であり、これに主として家庭から出る新聞紙,雑誌,包装紙などの古紙が加わる。これらの繊維廃棄物は、その一部分が板紙製造工場においてクラフトパルプと混合されて板紙原料として使用されるけれども、繊維廃棄物を混合する際には種々の前処理を必要とし、バージンパルプを添加するよりも高価になってしまう。このために、製紙会社は規定量以上の繊維廃棄物を処理することを拒否しがちである。
【0003】
これらの繊維廃棄物は日々きわめて大量に発生するので、前記の理由によって廃棄物処理を製紙会社だけに頼ることができない。また、繊維廃棄物の大部分を占めるOA紙は、感熱紙,カーボン紙,ラミネート紙,ロウ引き紙などが大部分を占め、これらの紙は表面を特殊な薬剤で処理していることにより、焼却の際に有毒ガスを発生することが多く、現状では埋立て処分が唯一の有効な処理方法である。
【0004】
繊維廃棄物の埋立処分は、埋立量の急増とともに埋立可能地が減少して実施困難になりやすく、この代替案として繊維廃棄物を海上投棄で処分すれば、海水の汚染が急激に進行して水産業界に打撃を与え、近隣諸国からの非難を受けることになる。また、埋立処分した繊維廃棄物が腐敗すると悪臭が発生するうえに、繊維廃棄物で埋立てた土地は土地の絞りが悪くて高い建造物を建設することができない。いずれにしても、繊維廃棄物の埋立処分は近々の内に実施不可能になり、その有効な代替案を案出することが所轄官庁において急務の課題になっている。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
産業廃棄物の再生方法は、既に数多く提案されているが、古紙やOA紙などの繊維廃棄物を効率良く処理できるうえに公害を発生することなく良質の硬質ボードを製造する方法は未だに存在しない。例えば、特開昭48−21762号は、産業廃棄物から繊維ボードを形成するに際して、1次成形を行なった後に2次成形を行うけれども、原料とする産業廃棄物は繊維成分と鉱物成分との混合物であり、その鉱物成分が不足する場合には特別にクレイなどを加えるから、最終成形の前に繊維ボード内部まで加熱することなく、該繊維ボードの曲げ強度も大して高くない。
【0006】
一方、特開昭55−12853号や58−183753号では製紙スラッジを原料とし、特開昭48−64205号ではパルプスラッジを原料とし、特開昭57−128300号では化学繊維,鉱物繊維,無機繊維を原料としており、これらは古紙やOA紙の離解繊維を原料とするものでもなく、前記と同様に最終成形の前に繊維ボード内部まで加熱していない。このため、ごく薄いボードを除いて非常に長い乾燥時間を要し、極端な場合にはボード内部の加熱水分が気化しても乾燥表面から脱出できず、該ボードを膨張させたり爆発したりする事態が発生する。
【0007】
本発明者は、製紙工場から大量に排出されるパルパーかす,スクリーンかすや終末スラッジなどを高能率に処理するために、既に特公平6−43680号で開示のボード製造法を提案している。このボード製造法は、前述した諸方法の欠陥を殆ど克服でき、小寸法の薄いボードを製造するようなテストプラントだけでなく、大規模な工業プラントにも十分適用可能であるが、古紙やOA紙だけまたは古紙やOA紙を多量に含む繊維廃棄物であるとそのまま適用しがたい場合もある。
【0008】
本発明は、一般家庭,民間企業や官公庁から大量に廃棄される古紙やOA紙などの繊維廃棄物について、既に提案したボード製造法が適用できるように改良したものである。したがって、本発明の目的は、古紙やOA紙などの繊維廃棄物を効率良く処理して有用な硬質繊維ボードを製造する方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る製造方法では、まず古紙,OA紙またはこの両者からなる繊維質素材を水とともに解繊する。この明細書において、OA紙とは民間企業や官公庁から廃棄される裁断済みの感熱紙,カーボン紙,ラミネート紙,ロウ引き紙など意味し、古紙とは主として家庭から出る新聞紙,雑誌,包装紙などを意味しているが、両者を厳格に峻別する必要はない。工場搬入された繊維質素材が、シュレッダで裁断されていない紙,雑誌,新聞紙のように比較的大きい場合には解繊の前に解繊可能な寸法に破砕する。解繊によって得た水性原料は、その濃度を約2〜4重量%に定めて流動性を高め、これによって次に加える添加剤と混和しやすい態様にする。
【0010】
この水性原料には、大型の混合槽1(図1)において結合剤,耐水剤などの適宜の添加剤を加えて十分に混合する。水性原料と添加剤の混和が完全になされていないと、製造した硬質繊維ボードの物性にばらつきを生じるので注意し、水性原料と添加剤の混合時間は大型の混合槽1で例えば約30分間を要する。添加剤を混入した水性原料は、原料受け槽2(図1)に送られ、ボード1枚分の水性原料を計量して成形工程に送り出す。
【0011】
所定量の水性原料は、成形工程において、加圧下での1次成形および2次成形の2段階で搾水され、まず1次成形機3(図3)の型枠4内に水性原料5を注入し、加圧盤6を降下させ、例えば面圧約5〜10kg/cm2によって該加圧盤及び受盤8の貫通溝10から予備的に脱水する。次に型枠の ない2次成形機12(図4)において、平板状の加圧盤14を用いて予備脱水した素材7を加圧し、例えば面圧約10〜30kg/cm2の比較的高圧で脱水さ せて平板状に成形する。この結果、得た平板状素材の含水率と厚みはともに約半分になる。
【0012】
この平板状素材は、ベルトコンベヤ16,18(図1)によって搬送され、搬送の間に加熱加圧ロール20を通してボード化させる。このボード素材は、その含水率および厚みが約40〜45%に低下し、これでも未だ含水率が高いけれども連続的な処理が可能となる。
【0013】
得たボード素材は、さらに加熱炉22(図1)において200〜250℃に加熱し、ボード内部まで加熱して水分蒸発と乾燥処理を行う。加熱炉22には、3〜6mm厚のような比較的薄いボードを除いて赤外線装置を用い、通常の赤外線装置は暗赤外線装置であるけれども、遠赤外線装置などを使用してもよい。ボード素材が加熱炉22を通過すると、その含水率は約22〜25%に低下する。
【0014】
高温になったボードは、ホットプレス24(図1)によって効果的に加熱乾燥し、さらに硬質化を促進させる。ホットプレス24を用いる加熱・加圧により、繊維ボードの含水率は約10%以下になる。
【0015】
得た硬質繊維ボードは、仕上工程において、ダブルサイザ26,28(図1)で所定の寸法に裁断した後に、ウィケット30で冷却する。冷却した硬質繊維ボードは、バーチカル32などでその裏面ついで表面を研磨し、表面研磨ボードに防水液を噴霧した後に、遠赤外線乾燥炉などの加熱炉34において乾燥する。完成した硬質繊維ボードは、例えば100枚単位で積み上げ、倉庫で10〜15日間養生した後に出荷する。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明方法では、主として古紙,OA紙またはこの両者からなる繊維質素材を水とともに解繊する。他の繊維質素材例えばパルプなどを離解する際に発生するパルパーかす,各種のスクリーンかすやクリーナかすなどを一部添加してもよく、微細繊維のクリーナかすや終末スラッジなどを混入させることも可能であり、これらの繊維質素材にガムテープ,ビニルテープ,酢酸ビニル系接着剤,プラスチックフィルムなどを含んでいてもよい。
【0017】
本発明方法を、図1に基づいて工程順に説明する。繊維質素材の内で、シュレッダで裁断されていない紙,雑誌,新聞紙のように比較的大きいものや固形物の多いパルパーかす,各種のスクリーンかす,クリーナかすは、解繊槽36に投入する前に解繊可能な寸法に破砕する。解繊槽36では、水を加えながら内容物の攪拌を行うとともに、解繊槽36と37の間を1台又は2台の解繊ポンプによって循環させる。
【0018】
解繊された水性原料は、解繊槽37から移送ポンプを経てサイクロン38を通過させ、ここで液中に残存する金属片や土砂などを除去する。水性原料は、サイクロン38から所望に応じて竪型スクリーン39やスクリュプレス40を経て混合槽1に投入していく。
【0019】
大型の混合槽1では、水性原料の濃度を約2〜4重量%に定め、該水性原料の流動性を高めるとともに、各薬品槽41から結合剤,耐水剤などを加えて約30分間攪拌して十分に混和させる。一例として、結合剤は熱硬化性フェノール系樹脂(例えば商品名:SK剤、大日本インキ化学工業社製)であり、さらに耐水剤のパラフィン系エマルジョン(商品名:NS剤),サイズ剤(商品名:SN剤),撥水剤(商品名:TY剤)などを添加する。
【0020】
熱硬化性フェノール系樹脂の添加量は、水性原料の絶乾量100重量部に対して約2〜8重量部であり、一般に添加量が多いほど繊維ボードの機械的強度が高くなるけれども、所定量を超えると機械的強度は上昇せず且つ所定量以下では硬質繊維ボードとして使用できなくなる。一方、耐水剤の添加量は、水性原料の絶乾量100重量部に対して約1〜3重量部であり、この範囲内が繊維ボードの所定の耐水性を維持させるうえで有効である。この場合には、さらに結合剤と耐水剤の定着のために、硫酸ばん土を適量添加して水性原料のpH値を4.5〜5.0に調整する。
【0021】
こうして得た水性原料は、水を分散媒としたゾル状物質であり、例えば遠心ポンプを経て原料受け槽2に送る。原料受け槽2ではさらに攪拌を行い、ついでボード1枚分の水性原料を計量して成形工程に送り出す。
【0022】
成形工程における1次成形機3は、図3に例示するような構造を有する。1次成形機3において、上部の加圧盤6は前面壁に多数の貫通溝42を有し、該前面壁の表面に金網47を張設する。加圧盤6は、真空ポンプ35(図1)によって矢印Aの方向に搾水する。また、受盤8の前面壁にも多数の貫通溝10を設け、該前面壁の表面に金網43を張設するとともに、受盤8上に加圧盤6の外径にほぼ等しい内径の型枠4を配置し、貫通溝10から落下する瀘液は矢印Bの方向に排出する。
【0023】
水性原料5は、矢印Cのように投入口44から型枠4内に入る。型枠4内の水性原料5を加圧盤6を矢印Dの方向に移動して吸引しながら加圧し、例えば面圧約5〜10kg/cm2で予備的に脱水する。予備脱水した 素材7(図4)は、コンベヤ45によって2次成形機12へ搬送する。
【0024】
2次成形機12は、図4に例示するように型枠4を有しない構造であり、加圧盤6の代りに平板状の加圧盤14を用いる以外は1次成形機3と同じ構造であり、加圧盤14を矢印Eの方向に移動して加圧する。予備脱水した素材7は、例えば面圧約10〜30kg/cm2の高圧で脱水させて平板状 に成形する。この結果、得た平板状素材の含水率と厚みはともに約半分になる。
【0025】
この平板状素材は、ベルトコンベヤ16,18によって搬送され、搬送の間に加熱加圧ロール20を通してボード化させる。このボード素材は、その含水率および厚みが約40〜45%に低下し、これでも未だ含水率が高いけれども連続的な処理が可能となる。この際に、ボード素材の含水率が約50%を超えると、次の水分蒸発工程において加熱炉を長くすることを要し、且つ使用電気量が極度に増えて不経済である。
【0026】
得たボード素材は、未だ含水率が高いので水分蒸発と乾燥処理することを要し、このために加熱炉22を通過させる。加熱炉22として暗赤外線装置を用い、この暗赤外線装置(例えば商品名:インフラスタイン、日本碍子社製)によって200〜250℃に加熱乾燥する。加熱炉22を通過すると、ボード素材の含水率は約22〜25%に低下する。
【0027】
水分蒸発処理後のボード素材は、さらにホットプレス24によって規定の厚みにまで加熱乾燥する。ホットプレス24としては、例えば公知のホット多段プレスを用い、該プレスの熱板の温度は170〜200℃前後、且つ面圧は約20〜30kg/cm2に調整する。ホットプレス24により、繊 維ボードの含水率は10%以下になる。
【0028】
得た硬質繊維ボードは、仕上工程において、順次ダブルサイザ26,28によって耳切りを行って所定の寸法に裁断した後に、ウィケット30で冷却する。冷却した硬質繊維ボードは、バーチカル32およびバーチカル&サンダ46によってその裏面ついで表面を研磨し、表面研磨ボードに噴霧器48で防水液を噴霧した後に、遠赤外線乾燥炉34において乾燥する。
【0029】
完成した硬質繊維ボードは、オートストッカ50によって例えば100枚単位でパレット上に積み上げる。100枚単位で積み上げたボードは、倉庫52で10〜15日間養生保管した後に出荷する。
【0030】
この硬質繊維ボードは、古紙やOA紙からなる繊維質素材を主成分として含有し、実質的にクラフト紙と類似の性質を持っているから保温性・遮音性および耐水性・防湿性が優れている。さらに、この硬質繊維ボードは、100℃の熱湯で2時間煮沸しても形状の変化が生じず、鋸による切断が可能で釘の保持力も優秀であり、表面塗装を行なう場合でも化粧塗料が良く伸びて剥離が生じない。
【0031】
この硬質繊維ボードは、一般に単層で厚さ2〜22mmまで可能であって、実質的にJIS−A5907に相当する品質であり、JIS−A5907について、表面の平滑性による区分では片面平滑性硬質繊維板に相当し、特殊処理の有無による区分では無処理硬質繊維板に相当し、曲げ強さによる区分では200kgf/cm2以上のものに相当し、難燃性による区分では普通 硬質繊維板に相当する。また、主として耐圧が対象になるパレット型枠の桁などに使用する場合には、曲げ強度をそれほど大きくしなくてもよいので、約50mm以下の厚みのものまで形成することができる。
【0032】
【実施例】
次に、本発明のさらに具体的な実施例を説明する。
実施例1
厚さ5mmの繊維ボードを試験的に製造するために、裁断済みの感熱紙,カーボン紙,ラミネート紙,ロウ引き紙などのOA紙と古紙を用いる。このOA紙と古紙を水とともに解繊槽36へ投入し、解繊槽36,37において約10分間解繊する。この水性原料を混合槽1に入れ、その濃度を約2〜4重量%に定めるとともに、熱硬化性フェノール系樹脂(商品名:SK剤),TY剤,SN剤などを添加して30分間攪拌して十分に混和させる。
【0033】
成形工程において、所定量の水性原料を1次成形機3に相当する加圧プレスの型枠(横275×縦275×高さ300mm)内へ注入し、加圧盤6によって面圧10kg/cm2で約30秒間加圧する。ついで2次成形 機12に相当する加圧プレスにおいて、平板状の加圧盤によって面圧20kg/cm2で約30秒間加圧する。得た平板状素材をベルトコンベヤで搬送し、搬送 の間に2個の加熱加圧ロールを通してボード化させ、その含水率および厚みは46〜48%に低下する。
【0034】
この平板状素材は、暗赤外線装置(商品名:インフラスタイン)の加熱炉22を通過させる。次にホットプレスによって規定の厚みにまで加熱乾燥する。このホットプレスは熱源がスチームで、熱板温度が180℃であり、面圧30kg/cm2で約7分間熱加圧する。最終製品は含水率8%前後で あり、その寸法は厚さ5.3×横271×縦271mmである。また、厚さ9.2×横271×縦271mmの繊維ボードを、前記とほぼ同様に処理することによって製造する。
【0035】
これらの硬質繊維ボードの物性をJIS−A5907(硬質繊維板)およびJIS−B1131(木ネジ保持力),A1321(難燃材)に準じて測定すると、下記表1の数値を得る。
【0036】
【表1】
Figure 0003673588
【0037】
実施例1で製造した硬質繊維ボードは、前記表1の通り、JIS規格以上の数値を有する。
【0038】
実施例2
厚さ5.5mmの繊維ボードを図2に示す装置によって月産50000枚製造 するために、前日にトラックやダンプカーで搬入された感熱紙,カーボン紙,ラミネート紙,ロウ引き紙などのOA紙と古紙を月当り550トン(絶乾重量)用いる。未裁断のOA紙と古紙はあらかじめ破砕しておく。
【0039】
裁断済みのOA紙と古紙を解繊槽36において水を加えながら攪拌し、解繊槽36と37の間を2台の解繊ポンプによって循環させ、得た水性原料約1000kg/時を実容積30m3の混合槽1に投入する。薬品槽4 1から熱硬化性フェノール系樹脂(商品名:SK剤),TY剤,SN剤などを添加し、pH4.5〜5.0に調整する。
【0040】
混合済みの水性原料の水分は97%である。この水性原料を混合槽1で30分間攪拌し、ついで実容積30mm3の原料受け槽2に送って 攪拌を続け、ボード1枚分の水性原料を計量して成形工程に送り出す。
【0041】
1次成形機3は油圧加圧方式のダブルワイヤプレス(出力120トン)、2次成形機12は同方式の高圧プレス(出力350トン)(山本鉄工所製)であり、型枠4の形状は高さ300×横940×縦1850mmである。水性原料は、1次成形機3において含水率70%、2次成形機12において含水率55%になり、最後に加熱加圧ロール20を通過すると含水率が約48%に低下する。
【0042】
得たボード素材は、暗赤外線装置(商品名:インフラスタイン)を用いた加熱炉22で水分蒸発と乾燥処理を行う。加熱炉22によってボード素材は内部まで加熱され、その含水率は約42%まで低下する。
【0043】
ホットプレス24は、出力800トンで段数が10段階であるホット多段プレスであり、面圧45kg/cm2,熱板温度180℃でサイ クル20回/時で成形すると、含水率10%以下である厚さ5.5×横930× 縦1840mmの硬質繊維ボードとなる。
【0044】
得た硬質繊維ボードは、仕上工程において、順次ダブルサイザ26,28によって耳切りを行って所定の寸法に裁断した後に、ウィケット30で冷却する。冷却した硬質繊維ボードは、バーチカル32およびバーチカル&サンダ46によってその裏面ついで表面を研磨し、両面研磨ボードに噴霧器48で防水液を噴霧した後に、熱風乾燥炉34において乾燥すると、厚さ5.5× 横910×縦1820mmの硬質繊維ボードを得る。
【0045】
この硬質繊維ボードは、オートストッカ50によって100枚単位でパレット上に積載し、倉庫52に保管して15日間養生後に出荷する。硬質繊維ボードは、密度0.8g/cm3以上、含水率8〜10%、吸水率20%以下であり、曲げ強度200kg/cm2以上であってJIS−A5907の 規準にすべて合格する。
【0046】
【発明の効果】
本発明方法を実施すると、民間企業や官公庁から大量に廃棄される感熱紙,カーボン紙,ラミネート紙,ロウ引き紙などOA紙、さらに家庭から出る新聞紙,雑誌,包装紙などの古紙などの繊維質廃棄物を迅速且つ大量に処理できるので、省資源になるうえに公害の発生防止にも多大に寄与できる。本発明方法は、大量に発生する繊維質廃棄物を有効に処理し、これらを埋立てるか又は海上投棄することによる深刻な土壌や海水の汚染を回避するとともに、適当な埋立て場所の減少による投棄費用の高騰も未然に阻止できる。
【0047】
本発明方法で得た硬質繊維ボードは、建材,家具材,自動車内装材,包装材,パレット型枠,高速道路の遮音壁などに使用できる。この硬質繊維ボードは、日本標準規格A5907に規定する硬質繊維ボードに相当する品質を有するので実用性が高く、従来は埋立てや焼却処理費用が必要な繊維質廃棄物を原料として用いるために安価である。本発明方法を利用すると、輸入木材を殆ど必要としなくなることにより、緑の環境破壊及び地球の気温上昇という世界規模の重大問題を提起している樹木の大量伐採を防ぎ、諸外国において現在厳しい制限を受けている木材の輸出を回避する点において、本願発明方法は将来においても非常に有益である。
【0048】
本発明方法では、古紙,OA紙またはこの両者からなる繊維質素材を用い、水性原料の1次成形と2次成形に加えて加熱加圧ロールを通すことにより、該水性原料の固体化で得たボード素材の含水率を約半分に低下させ、ここまでの処理を連続的に行っている。このボード素材は、加熱炉においてボード内部まで加熱した後にホットプレスでさらに硬質化を促進させ、仕上工程において冷却後に両面を研磨し、さらに防水液を噴霧して乾燥するから、全て連続工程で作業能率が優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明方法に係る硬質繊維ボードの製造工程を例示するフローシートである。
【図2】 本発明方法で用いる硬質繊維ボードの製造装置を例示する概略平面図である。
【図3】 本発明方法で用いる1次成形機の要部を示す概略断面図である。
【図4】 本発明方法で用いる2次成形機の要部を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 混合槽
2 原料受け槽
3 1次成形機
12 2次成形機
20 加熱加圧ロール
22 加熱炉
24 ホットプレス

Claims (3)

  1. 古紙,OA紙またはこの両者からなる繊維質素材を水とともに解繊してから脱水し、ついで適宜の添加剤を加えて十分に混合してからボード1枚分の水性原料を計量して成形工程に送り、成形工程において加圧下での1次成形と2次成形および加熱加圧ロールを通してボード化し、さらに加熱炉においてボード内部まで加熱した後に、高温になったボードをホットプレスによってさらに硬質化を促進させる硬質繊維ボードの製造方法。
  2. 比較的大きい繊維質素材を解繊の前に解繊可能な寸法に破砕する請求項1の方法。
  3. 古紙,OA紙またはこの両者からなる繊維質素材を水とともに解繊してから脱水し、ついで結合剤である熱硬化性フェノール系樹脂、耐水剤のパラフィン系エマルジョンおよびサイズ剤、撥水剤を加えて十分に混合してからボード1枚分の水性原料を計量して成形工程に送り、成形工程において水性原料をボード化し、さらに加熱炉においてボード内部まで加熱した後に、高温になったボードをホットプレスによってさらに硬質化を促進させて仕上工程に送り、仕上工程においてボードを冷却してから表面を研磨する硬質繊維ボードの製造方法。
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