JP2582052B2 - 水性廃液の1次成形方法 - Google Patents

水性廃液の1次成形方法

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JP2582052B2 JP3198513A JP19851391A JP2582052B2 JP 2582052 B2 JP2582052 B2 JP 2582052B2 JP 3198513 A JP3198513 A JP 3198513A JP 19851391 A JP19851391 A JP 19851391A JP 2582052 B2 JP2582052 B2 JP 2582052B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、製紙廃棄物などの繊維
質廃棄物から得た水性廃液を効率よく脱水して予備的に
成形する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】板紙製造工場では、板紙原料として主に
クラフトパルプと古紙の混合物を使用し、このために板
紙製造工程で種々の製紙廃棄物が発生する。例えば、ク
ラフトパルプ製造時には大量のノット(蒸解)かすが生
じ、一方、古紙やパルプを離解する際にパルパーかすが
発生し、更に離解した古紙を適当な紙料と配合した後に
も各種のスクリーンかすやクリーナかす及び終末スラッ
ジが発生する。
【0003】 これらの製紙廃棄物において、一部のノ
ットかす及びクリーナかすは下級紙の原料とし、終末ス
ラッジは製紙プラントに再循環させ、及びチッパーダス
トなどはボイラーの燃料にしているけれども、繊維質廃
棄物の大部分は経済的且つ有効に処理する方法がなく、
しかもきわめて大量に発生するので、その処理に苦慮し
ているのが現状である。
【0004】 特に、使用済みの板紙を離解する際に生
じるパルパーかすなどの製紙廃棄物は、紙器や紙袋に付
着していたガムテープ,ビニルテープ,酢酸ビニル系接
着剤,プラスチックフィルム,綴り針,土砂などを含む
ので、埋立て処理以外に適当な処分方法がなく、この処
分方法は費用が掛るうえに公害発生の元凶であると非難
されている。
【0005】 また、繊維質廃棄物としては、官公庁や
大企業などにおいて、不用の文書を外部に持ち出されな
いようにシュレッダで細かく切り刻んだ紙類も該当し、
これは近年のOA化の促進とともに激増している。シュ
レッダで切り刻まれた紙類は、幅が数mmで長さが数十
mmにすぎず、この紙類にサイズ剤やメラミン樹脂を含
浸したり、ビニルコーティングなどを施しているので、
現状では焼却又は埋立て処分する方法が行なわれている
だけである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】繊維質廃棄物の処理方
法として、例えば特公昭56−11581号公報が存在
する。この公報に記載の方法では、この廃棄物の主成分
である繊維物質(パルプ材など)をあらかじめ解砕する
工程を有しないため、得た繊維板に実用的な機械的強度
を付与することは実際上困難である。この方法のよう
に、予備成形と熱間加圧を行なうだけでゾル状物質から
芯体を製造すると、全製造時間が非常に長くなってきわ
めて不経済になってしまう。
【0007】 また、実開昭55−116151号公報
の明細書には、製紙廃棄物を原料として用いてコンクリ
ート基礎杭用型枠材を製造することが開示されている。
この製造工程では、製紙廃棄物にアスファルト乳剤と硫
酸ばん土を加え、円網抄紙機で脱水した後に直ちに金型
内で約5分間加熱加圧するか、又は脱水用金型に流し込
んで真空脱水した後に熱圧金型で加熱圧縮成形してい
る。
【0008】 前記の方法のように、脱水直後において
含水率が約50%を超える段階で加熱加圧してしまう
と、製品である型枠材内に水分が封入されやすい。この
結果、乾燥に要する熱圧金型の加熱時間が長くなって使
用電気量が極度に増えて不経済であり、製品である型枠
材の生産効率も非常に低下し、大型の実用プラント化は
実質上不可能になる。
【0009】 本発明は、製紙工場などから大量に排出
される繊維質廃棄物の処理に関する前記の諸問題を改善
するために提案されたものである。本発明は、繊維質廃
棄物を迅速且つ大量に処理するために、繊維質廃棄物か
ら得た水性廃液を2段階で脱水し且つ成形する方法を提
供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る1次成形方法では、繊維質廃棄物から
金属片や土砂などを除去した後に小片状に解砕し、所定
の濃度に定めて流動性を高めた水性廃液を用いる。本発
明方法では、水性廃液に結合剤,耐水剤などを混合する
際に、該水性廃液の流動性を高めるためにその濃度を約
2〜4重量%に定めると好ましい。
【0011】 この水性廃液に結合剤,耐水剤などを添
加してから、図1に示すように、1次成形機10の型枠
19内に注入し、第1加圧盤11を降下させて該加圧盤
及び受盤15の貫通溝13,17から予備的に脱水し、
次に平板状の第2加圧盤を用い且つ型枠19を除去して
比較的高圧で脱水して平板状に成形する。1次成形で水
性廃液を固体化させると、得た1次成形板の含水率は約
半分に低下する。
【0012】 本発明方法で得た1次成形板の含水率は
約半分に低下するが、これでも未だ含水率が高いので、
所望の加熱装置例えば赤外線装置や熱風加熱によって乾
燥する。用いる赤外線装置は、一般に暗赤外線装置であ
るけれども、遠赤外線装置などを使用できる場合もあ
る。赤外線装置を通過すると、1次成形板の含水率は約
22〜25%に低下する。
【0013】 本発明方法において、1次成形機から排
出された濾液や洗浄液をタンクを経て混合槽又は解砕槽
に戻すと好ましい。このような閉回路によって、本発明
方法における装置から排出される廃液の量を可能限り減
らし、これが公害発生の原因となることを防止する。
【0014】
【作用】本発明方法によって水性廃液を固体化させ、得
た1次成形板の含水率は約半分好ましくは約40〜45
%になり、その厚みは流入時の約40〜45%に減少す
る。この際に、1次成形板の含水率が約50%を超えて
いないので、次の水分蒸発工程において加熱時間を比較
的短くでき、使用電気量も少なくてよい。
【0015】 本発明方法では、繊維質廃棄物例えばパ
ルプや古紙を離解する際に発生するパルパーかす,各種
のスクリーンかすやクリーナかすなどを有効に処理で
き、これがシュレッダで細かく切り刻んだ紙類,使用済
みのファックス用紙やコピー用紙などのOA関係の廃棄
物であってもよい。本発明方法では、繊維質廃棄物にガ
ムテープ,ビニルテープ,酢酸ビニル系接着剤,プラス
チックフィルムなどを含んでいてもよい。
【0016】
【実施例】本発明方法を図2に基づいて工程順に説明す
る。製紙廃棄物の内で固形物の多いパルパーかす,各種
のスクリーンかすやクリーナかす1は、繊維板の品質及
び水性廃液の流動性を高めるために、まず解砕槽2に投
入して小片状(例えば約5mm以下の長さ)に解砕す
る。解砕槽2では、内容物の攪拌を行なうとともに、1
台又は2台の湿式解砕機3(例えば商品名スルーザーポ
ンプ、小松ゼノア製)を通して循環させる。解砕槽2の
底部4からは、解砕不可能な綴り針などの金属片,土砂
を除去する。
【0017】 解砕された内容物は、一般に移送ポンプ
(図示しない)を経てサイクロン5を通過し、ここで残
存する金属片や土砂などを完全に除去し、ついで該サイ
クロンから所望に応じてスクリーンやローラ脱水器(図
示しない)を経て混合槽6に投入する。解砕の必要がな
いチップ状のノットかす,各種のスラッジなどは、所望
に応じて混合槽6に直接投入してもよい。
【0018】 混合槽6では、濃度測定器7によって水
性廃液の濃度を約2〜4重量%に定めて、該水性廃液の
流動性を高めるとともに、薬品槽8から結合剤,耐水剤
などを加えて強く攪拌する。一例として、結合剤は熱硬
化性フェノール系樹脂(例えば商品名SK剤、大日本イ
ンキ化学工業社製)であり、耐水剤はパラフィン系エマ
ルジョン(例えば商品名WR+N液、大日本インキ化学
工業社製)である。
【0019】 熱硬化性フェノール系樹脂の添加量は、
水性廃液の絶乾量100重量部に対して約2〜8重量部
であり、一般に添加量が多いほど繊維板の機械的強度が
高くなるけれども、所定量を超えると機械的強度は上昇
せず且つ所定量以下では硬質繊維板として使用できなく
なる。一方、耐水剤の添加量は、水性廃液の絶乾量10
0重量部に対して約1〜3重量部であり、この範囲内が
繊維板の所定の耐水性を維持させるうえで有効である。
この場合には、更に結合剤と耐水剤の定着のために、硫
酸ばん土を適量添加して水性廃液のpH値を4.5〜5.
0に調整するとともに、所望に応じて薬品槽8から塗料
などを添加してもよい。
【0020】 こうして得た水性廃液は、水を分散媒と
したゾル状物質であり、例えば遠心ポンプ(図示しな
い)を経て原料タンク9に送る。原料タンク9では攪拌
を行ない、ついで水性廃液は所望に応じて計量タンク
(図示しない)を介して1次成形機10へ定量送入す
る。
【0021】 本発明方法で用いる1次成形機10は、
図1に例示するような構造を有する。1次成形機10に
おいて、上部の第1加圧盤11は前面壁12に多数の貫
通溝13を有し、該前面壁の表面に金網14を張設す
る。第1加圧盤11は、真空ポンプ(図示しない)によ
って矢印Vの方向に搾水する。また、受盤15の前面壁
16にも多数の貫通溝17を設け、該前面壁の表面に金
網18を張設するとともに、受盤15上に第1加圧盤1
1の外径にほぼ等しい内径の型枠19を配置し、貫通溝
17から落下する瀘液は矢印Fの方向に排出する。
【0022】 水性廃液は、矢印Lのように投入口20
から型枠19内に入る。型枠19内の水性廃液21は2
段階で搾水され、まず第1段階で第1加圧盤11を矢印
Dの方向に移動して、例えば面圧約5〜10Kg/cm
2で脱水する。ついで第2段階では、平板状の第2加圧
盤(図示しない)を用い且つ型枠19を除去して、面圧
約10〜30Kg/cm2の高圧で脱水して平板状に成
形する。この結果、得た1次成形板の含水率は約50%
以下好ましくは約40〜45%になり、その厚みは流入
時の約40〜45%である。
【0023】 1次成形機10により排出された瀘液
は、瀘液タンク22(図2)に送り、該瀘液タンクから
移送ポンプ(図示しない)を経て混合槽6に戻し、その
一部を排水として放出する。また、1次成形機10で用
いた洗浄水は、瀘過タンク23に送り、該瀘過タンクか
ら移送ポンプ(図示しない)を経て解砕槽2に戻す。
【0024】 得た1次成形板は、未だ含水率が高いの
で水分蒸発処理することを要し、このために加熱炉24
を通過させると好ましい。この水分蒸発法には赤外線装
置例えば暗赤外線装置を用い、この暗赤外線装置(例え
ば商品名インフラスタイン、日本碍子社製)によって2
00〜250℃に加熱乾燥する。赤外線装置の代りに、
スチーム熱源による熱風加熱で乾燥してもよいが、生産
効率や設備面積などの点で暗赤外線装置の方が優れてい
る。加熱炉24を通過すると、1次成形板の含水率は約
22〜25%に低下する。
【0025】 水分蒸発処理後の1次成形板は、更に2
次成形機25によって規定の厚みにまで2次成形する。
2次成形機25としては、例えば公知のホット多段プレ
スを用い、該プレスの熱板の温度は170〜180℃前
後、且つ面圧は約20〜30Kg/cm2に調整する。
2次成形によって、繊維板の含水率は10%以下にな
る。
【0026】 得た単層繊維板28は、順次スリッタ2
6によって耳切りを行ない、オートストッカ27に積載
して倉庫に保管する。倉庫では10〜15日間保管し、
適当に調湿してから出荷すればよい。
【0027】 図3に示すように、単層繊維板28に
は、製紙廃棄物中のガムテープ,ビニルテープ,酢酸ビ
ニル系接着剤,プラスチックフィルムなどが小片状で約
20〜30重量%残存するけれども、これらは高温の加
熱・加圧工程において大部分溶融され、融着物29とし
て繊維板28の機械的強度を高めるのに役立っている。
【0028】 この繊維板28は、各種の繊維質固形物
30を主成分として含有し、実質的にクラフト紙と類似
の性質を持っているから保温性・遮音性に優れ、且つ耐
水剤の存在によって耐水性・防湿性にも優れている。更
に、この繊維板28は、100℃の熱湯で2時間煮沸し
ても形状の変化が生じず、鋸による切断が可能で釘の保
持力も優秀であり、表面塗装を行なう場合でも化粧塗料
が良く伸びて剥離が生じない。
【0029】 この繊維板28は、一般に単層で厚さ2
〜15mmまで可能であって、実質的にJIS−A59
07に規定する硬質繊維板に相当する品質にでき、油,
樹脂などによって特殊処理を施すと曲げ強さをいっそう
大きくすることも可能である。また、主として耐圧が対
象になるパレットの桁などに使用する場合には、曲げ強
度をそれほど大きくしなくてもよいので、約50mm以
下の厚みのものまで形成することができる。
【0030】次に、本発明の更に具体的な実施例を説明
する。 実施例1 厚さ2.5mmの繊維板を試験的に製造するために、板
紙製造工程で生じたパルパーかす5Kg(絶乾量、以下
同じ)及びヤンソンスクリーンかす5Kgを用いる。こ
れらは水340リットルを含む解砕槽へ投入し、解砕機
(商品名スルーザーポンプ)で約10分間解砕すると、
長さ約5mmの小片状になる。この水性廃液を混合槽に
入れ、熱硬化性フェノール系樹脂(商品名SK剤)を絶
乾量5重量%添加して10分間攪拌し、ついでパラフィ
ン系エマルジョン(商品名WR+N液)を添加して5分
間攪拌してから、硫酸ばん土を絶乾量の3重量%添加し
て攪拌する。
【0031】 得た水性廃液68リットルを、1次成形
機である加圧プレスの型枠(横975×縦975×高さ
200mm)に送入し、面圧5Kg/cm2で約25秒
間ついで面圧15Kg/cm2で約25秒間加圧する。
得た1次成形板は、厚さ3.9mm,重さ3.7Kg,含
水率45%である。
【0032】 この1次成形板は、暗赤外線装置(商品
名インフラスタイン)の加熱炉を通過させ、水分1.1
リットルを蒸発させる時の使用電気量は1KW/分であ
る。次に2次成形を行ない、2次成形機のホットプレス
は熱源がスチームで、熱板温度が180℃であり、面圧
20Kg/cm2で約2分間熱加圧する。最終製品は含
水率8%前後であり、その寸法は横975×縦975×
厚さ2.5±0.5mmである。
【0033】 この繊維板の物性を、JIS−A590
5〜A5907に従って測定すると下記の通りである。
【0034】
【表1】 注)試験項目の含水率までは、No.1からNo.3の平均値である。
【0035】 JIS−A5907に規定する硬質繊維
板S200では、規準が比重0.8以上,含水率5〜1
3%,曲げ強さ200Kg/cm2以上,吸水率30%
以下であることを要し、この実施例の繊維板はすべての
規準に合格している。
【0036】実施例2 厚さ12mmの繊維板を試験的に製造するために、実施
例1と同様の製造装置を用い、且つ実施例1で得た水性
廃液300リットルを加圧プレスの型枠に送入する。加
圧プレスでは、面圧10Kg/cm2で約30秒間つい
で面圧20Kg/cm2で約30秒間加圧すると、厚さ
16mm,重さ15Kg,含水率45%の1次成形板と
なる。
【0037】 この1次成形板は、加熱炉を通して水分
5リットルを使用電気量4.5KW/分で蒸発させ、次
にホットプレスによって面圧20Kg/cm2で約10
分間熱加圧すると、最終製品の含水率は8%前後にな
る。
【0038】 得た繊維板は、JIS−A5907の規
準にすべて合格する。
【0039】実施例3 厚さ3mmの繊維板を月産100000枚製造するため
に、月当りパルパーかす70トン(絶乾重量、以下同
じ),ノットかす75トン,終末スラッジ240トン,
調整スラッジ18トンを用いる。パルパーかすだけは、
あらかじめ解砕槽において1m3/分の割合で解砕す
る。
【0040】 これらの原料760Kg/時を実容積2
2m3の混合槽に投入し、薬品槽から熱硬化性フェノー
ル系樹脂(商品名SK剤)(月間使用量20トン)つい
でパラフィン系エマルジョン(商品名WR+N液)(月
間使用量10トン)を添加し、更に硫酸ばん土を加えて
水性廃液をpH4.5〜5.0に調整する。
【0041】 得た水性廃液の水分は96.5%であ
る。この水性廃液は、実容積22mm3の原料タンクに
送って攪拌し、更に計量タンクで1枚分113Kgを計
量する。
【0042】 1次成形機としては、油圧加圧方式のダ
ブルワイヤ及び高圧プレス(第1段階出力120トン、
第2段階出力350トン)(山本鉄工所製)を用い、型
枠の形状は横920×縦1830×高さ68mmであ
り、第1段階の面圧7Kg/cm2で水性廃液の含水率
が60%、そして第2段階の面圧20Kg/cm2で含
水率が45%に低下する。
【0043】 得た1次成形板は重さ10Kg/枚,厚
さ4.4mmであり、生産能率は4〜10m/分であ
る。この1次成形板は、50KWの暗赤外線装置(商品
名インフラスタイン)を用いた加熱炉で水分蒸発処理を
行ない、該炉の使用電気量は260KW/時,処理能力
190枚/時である。この加熱炉によって、1次成形板
の水分蒸発量は1.5リットル/枚であり、その厚みは
4.0mmになる。
【0044】 2次成形機としては、出力350トンで
段数が10段階であるホット多段プレス(山本鉄工所
製)を用い、面圧20Kg/cm2,熱板温度170℃
でサイクル20回/時で2次成形すると、横930×縦
1840×厚さ3mmの繊維板となる。次にスリッタで
8秒/枚の速度で耳切りを行ない、横910×縦182
0×厚さ3mmの繊維板を得る。この繊維板は、積載枚
数420枚のオートストッカに積載して、倉庫に保管す
る。
【0045】 得た繊維板は、JIS−A5907の規
準にすべて合格する。
【0046】
【発明の効果】本発明方法により、繊維質廃棄物の水性
廃液を固体化し、得た1次成形板の含水率は約半分に低
下する。これによって、次の水分蒸発工程において加熱
時間を短くすることが可能になり、該加熱炉の使用電気
量も少なくなるので経済的である。また、結果として最
終製品である単層繊維板の生産効率が高くなり、大型の
実用プラント化も可能になる。
【0047】 最終製品の単層繊維板は、自動車内装
材,建築資材,パレット,高速道路の遮音壁,建具,家
具などに使用できる。日本標準規格(JIS)A590
7に規定する硬質繊維板に相当する品質を有することが
可能であり、実用性の高いものである。この単層繊維板
は、従来はむしろ埋立てや焼却処理費用が必要な繊維質
廃棄物を原料として用いるためにきわめて安価である。
【0048】 本発明方法を実施すると、再利用できな
いか又は再利用が相当に不経済な繊維質廃棄物を迅速且
つ大量に処理できるので、省資源効果を生じ且つ公害の
発生防止にも寄与できる。本発明方法により、大量の繊
維質廃棄物を有効に処理することができ、これらを埋立
てるか又は海上投棄することによる深刻な土壌や海水の
汚染を回避するとともに、適当な埋立て場所の減少によ
る投棄費用の高騰も実質的に阻止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明方法で用いる1次成形機の要部を示す
概略断面図である。
【図2】 本発明方法を含む単層繊維板の製造工程を例
示するフローシートである。
【図3】 図2の製造工程によって製造した単層繊維板
の斜視図である。
【符号の説明】
2 解砕槽 6 混合槽 10 1次成形機 11 第1加圧盤 19 型枠 28 単層繊維板
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−165100(JP,A) 特開 昭48−64205(JP,A) 特開 昭58−183753(JP,A) 特開 昭56−128400(JP,A) 特開 昭57−199896(JP,A) 特開 昭57−128300(JP,A) 特開 昭55−12853(JP,A) 特開 昭48−21762(JP,A) 特公 昭51−42201(JP,B2) 特公 昭56−11581(JP,B2) 特表 昭58−501825(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維質廃棄物から金属片や土砂などを除
    去した後に小片状に解砕し、所定の濃度に定めて流動性
    を高めた水性廃液を用い、これに結合剤,耐水剤などを
    添加してから1次成形機の型枠内に注入し、第1加圧盤
    を降下させて該加圧盤及び受盤の貫通溝から予備的に脱
    水し、次に平板状の第2加圧盤を用い且つ型枠を除去し
    て比較的高圧で脱水して平板状に成形する水性廃液の1
    次成形方法。
  2. 【請求項2】 1次成形機から排出された濾液や洗浄液
    をタンクを経て混合槽又は解砕槽に戻す請求項1記載の
    方法。
  3. 【請求項3】 繊維質廃棄物から金属片や土砂などを除
    去した後に小片状に解砕し、所定の濃度に定めて流動性
    を高めた水性廃液を用い、これに添加剤を加えてから1
    次成形機の型枠内に注入し、第1加圧盤を降下させて該
    加圧盤及び受盤の貫通溝から予備的に脱水し、次に平板
    状の第2加圧盤を用い且つ型枠を除去して比較的高圧で
    脱水し、更に所望の加熱装置によって水分蒸発処理を行
    なって含水率を低下させて平板状に成形する水性廃液の
    1次成形方法。
  4. 【請求項4】 1次成形機から排出された濾液や洗浄液
    をタンクを経て混合槽又は解砕槽に戻す請求項記載の
    方法。
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