JP3673276B2 - 植物の組織培養および再生方法 - Google Patents

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Description

本発明は、植物の組織培養および再生方法に関するものである。より詳細には、植物細胞の遺伝子形質転換、それらの細胞からの全植物体の再生のための方法、およびこうして形成された植物に関するものである。特に本発明は、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)の形質転換方法に関するものであり、これにはサトウダイコン、フォダービート(fodder beet)、テーブルビート(table beet)およびフダンソウ(Swiss chard)が含まれる。
遺伝子形質転換およびそれに続く再生は今日では多数の植物種にとって大部分がルーティン事項であるが、ある種は利用しうる多数の方法の大部分による形質転換によっても依然として扱いにくい。ベータ・ブルガリスはそのような例の1つであり、ある細胞における一時発現および特定の遺伝子型についての偶発的な成功にもかかわらず、トランスジェニック植物の形成のための簡単なルーティン方法は得られていない(国際特許出願公開第91/13159号明細書;ダルイン(D’Halluin,K)ら,Biotechnology 10 309−314(1992))。より詳細には、直接的な遺伝子伝達およびそれに続く再生のための方法はまだ公表されていない。サトウダイコンのプロトプラストの扱いにくさについては十分に立証されている(リンゼー(Lindsey)ら、サトウダイコン(Beta vulgaris L.)の形質転換,Biotechnology in Agriculture and Forestry,Vol 23,Plant protoplasts and Genetic Engineering IV”Y.P.S. Bajaj編,Springer−Velag,ベルリン,1993)。インビトロでの細胞分裂に限界があり、また分化全能性コロニーは一般に低い頻度で得られるにすぎない(0.1%以下)。サトウダイコンの葉から単離されたプロトプラストは大きさおよび形態が多様であり、これは供給組織内に生理学的水準(インビボでの細胞の相対位置に起因する)および細胞遺伝学的水準(倍数性、細胞周期)の双方における高度の細胞不均質性が存在することを反映している。
従ってビートに適用しうる簡単な高頻度の形質転換法に対する要望が依然としてある。
細胞を効果的に形質転換しうるためには、特定の要件を満たさなければならない。第1に、挿入される遺伝子は、遺伝子の転写の駆動する有効な調節要素を含む構築体内に組み立てられなければならない。次に、構築体を細胞内へ輸送する方法が得られなければならない。構築体が細胞膜内に挿入された時点で、内因性染色体材料中への組込みが起こるか、または起こらないであろう。組込みの確率は特定の手段で改良しうるが、組込みは単に制御されない偶然の出来事である。最後に、植物に関しては標的細胞タイプは細胞が全植物体に再生しうるものでなければならない。
植物細胞は、硬い細胞壁の存在がその壁を通して構築体を挿入するのに対するバリヤーを与えるので、細菌または動物細胞より形質転換するのが困難である。
従って植物細胞の形質転換方法の選択は、標的植物タイプにとって好都合なものに限定されやすい(ポトリカス(Potrykus,I),Plant Breeding:Principles and Prospects,編者Haywardら,Chapman & Hall発行,ロンドン(1993))。一般論として、形質転換するのが双子葉植物は比較的容易であるのに対し、単子葉植物は極めて困難であり、それに関して成功が報告されているのは数種類の方法があるにすぎず、しかも極めて低い成功率のものである。
植物細胞を形質転換すると主張されている1方法は、顕微鏡下でDNA構築体を中空の針から標的細胞内へ注入する“マイクロインジェクション”として知られる方法である。その方法の変法は、細胞壁を針で裂き、DNAを周囲の培地に添加し、裂け目を通して細胞内へ拡散させるものである。この変法は“マイクロプリッキング(micropricking)”として知られている。これらの方法は両方ともオペレーターによる高度の操作手腕を必要とし、かつ極めて時間がかかる。公開された日本の特開平3−103183号公報は、外来遺伝子を植物の表皮組織中に生じる孔辺細胞内へマイクロインジェクションにより挿入したのち、これらの細胞を培養しうることを示している。しかし孔辺細胞の生理学的研究はそれらが異常に高い細胞内圧をもつことを示しており、孔辺細胞内へのDNAのマイクロインジェクションが実現可能であるかどうかという疑問をもつのは当然であり、またいずれにしろこの方法はマイクロインジェクションの原理的欠点、すなわちこの方法には極めて時間がかかるため一日に比較的少数の細胞に注入しうるにすぎないという欠点をもつ。この経路でトランスジェニック植物を単離したことを正確に記載したデータは提示されていない。
今日、遺伝子構築体の導入のための、特に単子葉植物細胞に対して最も有効な方法は、いわゆる“バイオリスティックス(biolistics)”法であるというのは恐らく真実であり、この方法は高密度金属粒子(通常はタングステンまたは金)を遺伝子構築体でコーティングし、ガスの爆発的放出により標的細胞培養物へ推進する。この別法はマイクロインジェクションおよびマイクロプリッキングに固有の高い的中精度を断念し、短期間で多数の細胞に“当てる”のを可能にする迅速“ペッパーポット”方式を支持してスクリーニングのための多数の推定形質転換体を与える。
バイオリスティックス法は有効であるかもしれないが高価な機械設備を必要とし、試みられた他の幾つかの方法と比較すると迅速ではあるが時間はかかる。しかしそれは確かに衝撃毎に多数の形質転換事象を達成する。この方法の問題の1つは、膨張性のガスの一撃が標的組織に及ぼす影響である。他の問題は、推進シャワーで標的の特定領域にねらいを定めることの困難さである。この後者の問題の克服を補助するために種々のマイクロターゲティング装置が設計された(レダク(Leduc)ら,Sex.Plant Reprod.,,135−143(1994);イグレシアス(Iglesias)ら,Planta,192,84−91(1994))が、今日までトランスジェニック植物は形成されていない。
植物細胞をプラスミドDNAおよびサブミクロン直径の繊維またはウィスカーと混合するのは、簡単かつ安価な代替形質転換法である。炭化ケイ素ウィスカーを用いる形質転換についての公表された報告が幾つかある。第1はブラックメキシカンスウィート(BMS)コーン懸濁細胞内でのβ−グルクロニダーゼ(gus)の一時発現につき記載している(ケプラー(Kaeppler)ら,1990)。同グループが最近、BMSおよびタバコの安定な形質転換についての彼らの結果を発表した(ケプラー(Kaeppler)ら,1992)。このコーンの系において、平均3.4のBASTA耐性BMSコロニーが細胞(300μlの充填細胞容量)の渦撹拌処理試料それぞれから、BARおよびgus−含有プラスミドを用いて回収された。これらの除草剤耐性コロニーの65%がgusを発現した(ケプラー、グ、ソマーズ、ラインズ、コックバーン(Kaeppler H.F.,Gu W.,Somers D.A.,Rines H.W.,Cockburn A.F.)(1990)“炭化ケイ素繊維仲介による植物細胞内へのDNAデリバリー”,Plant Cell Reports 9:415−418,およびケプラー、ソマーズ、ラインズ、コックバーン(Kaeppler H.F.,Somers D.A.,Rines H.W.,Cockburn A.F.)(1992)“炭化ケイ素繊維仲介による植物細胞の安定な形質転換”,Theor.Appl.Genet.84:560−566)。植物細胞、特にトウモロコシの形質転換にウィスカーを使用するのは、米国特許第5,302,523号明細書(ゼネカ・リミテッド名義)の対象である。
形質転換の成功に影響を及ぼす因子は多数ある。外因性遺伝子構築体およびその調節要素の設計および構築は、植物核の染色体DNA中への外因性配列の組込み、およびトランスジーンが細胞により発現される可能性に影響を及ぼす。外因性遺伝子構築体を植物細胞核内へ非致死的方法で導入するのに適した方法が必須である。重要なことは、全植物体を回収したい場合は、構築体が導入される細胞のタイプは適切な再生プロトコルが与えられれば再生しうるタイプのものでなければならないということである。
本発明は、再生しうる特定の細胞タイプの選択に関するものである。
本発明の目的は、特にサトウダイコンに関する植物形質転換方法を提供することであるが、これに限定されない。
本発明によれば、植物細胞を再生培地中で培養することを含む植物形成法であって、細胞が気孔細胞であることを特徴とする方法が提供される。
好ましくは気孔細胞はそれらの細胞を含有する無傷の器官内で再生されるが、細胞を最初に単離してもよい。
気孔細胞の好ましい供給源の1つは、単離された葉の表皮である。
本発明方法は特にベータ・ブルガリス種の植物、殊にサトウダイコンに適用される。
好ましくは再生法には、ホルモンを含有しない培地上でカルスを形成することが含まれる。
本発明は、遺伝材料を植物の細胞に導入し、この形質転換細胞から全植物体を再生させることを含む、植物の遺伝子形質転換法であって、細胞が気孔細胞であることを特徴とする方法をも提供する。
形質転換は気孔細胞を含有する無傷の組織につき実施することができ、好ましい組織の1つは老化した葉の組織である。
好ましい態様においては、気孔細胞は葉の表皮にあるものである。
気孔細胞を含有する組織をマセレートして細胞懸濁液を調製し、これから植物を再生することができる。
さらに、気孔細胞を再生前にプロトプラストに変換することが好ましい。
好ましい態様においては、遺伝材料は抗生物質に対する耐性を示さない選択性マーカー遺伝子を含むDNA構築体であり、形質転換された組織を適切な選択試薬に暴露する。
形質転換は、孔辺細胞を含有する細胞集団または孔辺細胞濃度の高い細胞集団につき実施される。
形質転換は細胞懸濁液につき実施することができる。
気孔細胞を、形質転換の前または後に細胞壁の酵素消化によりプロトプラストに変換してもよい。
好ましい形質転換法の1つは、気孔細胞の懸濁液を顕微鏡的繊維材料と混合し、これを遺伝材料の存在下で撹拌することを含む。
葉、幹および特定の生殖組織、たとえばやく(anther)(ケンドラ(Kendra G.),Phyton,,83−96(1952))の表皮層内に、孔辺細胞として知られる特定のタイプの特殊化した細胞が生じる。また葉が老化するのに伴って、他の細胞タイプは孔辺細胞より早く死ぬ傾向がある(ツァイガーおよびシュワルツ(Zeiger E.,Schwartz A.),Science 218,680−682(1982)))。従って老化した葉は特に生存孔辺細胞に富む供給源である。孔辺細胞は葉の細孔、すなわち気孔の開口を制御する(総説については“Stomatal Function”,著者ツァイガー(Zeiger)ら,1987を参照されたい)。孔辺細胞の単離法(たとえばクルゼ(Kruse)ら,Plant Physiology,90:1382−1386(1989)を参照されたい)、およびそれらをプロトプラストに変換する方法(たとえばモーソン(Mawson,B,T,),Plant Cell Environment 16:207−214(1993)を参照されたい)があるが、これらの方法は生理学的研究に用いるために開発され、一般に植物ソラマメ(Vicia faba)を用いる(モーソン(Mawson,B,T,),Planta,191:293−301(1993);タルボットおよびツァイガー(Talbott,Zeiger),Plant Physiology,102:1163−1169(1993))。孔辺細胞は、他の葉細胞より比較的厚く、硬く、かつ高いペクチン含量をもつ壁を備えた、小さな、独特の形状をもつ細胞である。気孔は2個の孔辺細胞間に形成される。2種類の基本的形状、すなわち長円形およびイネ科形(graminaceous form)がある。“気孔(stoma、stomata)”という語は一般に気孔のみでなく、気孔複合体を形成する孔辺細胞および隣接細胞をも表すために用いられる(ウェイヤーズおよびメイダー(Wayers,Meider),“Methods in Stomatal Research”,p.3,Longmans,ロンドン,1990)。本出願においては、本発明者らは気孔複合体の形成に関与するいずれの細胞をも意味するために、“孔辺細胞”という語を用いる。
孔辺細胞は培養においては分裂し得ないと長い間信じられていた(トラン・サン・ファン(Tran Thanh Van,K.),“形態形成の制御、すなわち何が細胞群を形成するか”,Advances in Biological Engineering,Vol 18,Plant Cell Cultures II,編者A.Feichter,発行者Springer−Verlag,ベルリン,p.151−171(1980))が、最近の報文は少なくとも1種、ニコチアナ・グラウカ(Nicotiana glauca)についてはそうでなく(カップルズ(Cupples,W)ら,;Plant,Cell and Environment(1991),14,691−697)、タバコ孔辺細胞プロトプラストから全植物体を再生しうることを示した(サーガル(Sahgal,P)ら,;Plant Science 97,199−208(1994))。タバコは植物科学においてモデル植物として広く用いられており、それをモデル系として有用にするその特性の1つは、ほとんどすべての細胞タイプから再生するそれの性向である。従ってタバコ孔辺細胞が全植物体に再生する能力は全く意外というわけではなく、またタバコがこの能力を備えているという事実は必ずしも他の種が同じ特性をもつことを示すものではない。
文献中にサトウダイコンの表皮細胞からのカルス形成に関する2つの短い記載があり(コトウスカおよびロゴジンスカ(Kotowska,Rogozinska),Bull.of the Polish Acad.Sc.32,11−12(1984);コトウスカ(Kotowska),Beitr.Biol.Pflanz.,67,209−223(1992))、葉柄の表皮上における不定の芽生についての幾つかの報告がある(たとえばハームズ(Harms)ら,Plant Cell Tissue Organ Culture,,93−102(1983);シュナイダーおよびグンター(Schneider,Gunther),Biochem.Physiol.Pflanzen,182,485−490(1987))。いずれの場合も孔辺細胞が分裂およびカルス形成しうることを示す証拠は提供されなかった。
本発明の1態様においては、葉の組織またはその表皮層をマセレートし、消化して孔辺細胞を含有する培養物を調製し、細胞壁を消化してプロトプラストを形成し、プロトプラストを適宜な方法で遺伝子形質転換し、形質転換体を選択し、形質転換体から植物を再生させる。
他の態様においては、無傷の葉組織を外因性DNA構築体でコーティングされた微粒子により衝撃することによって、葉の細胞をin situ形質転換する。次いで衝撃された組織をマセレートし、他の細胞タイプよりはるかに弾性である孔辺細胞を回収し、それから全植物体を再生する。
さらに他の態様においては、葉の組織をマセレートし、孔辺細胞に富む細胞集団をそれから調製する。次いでこの富化した細胞集団につき形質転換を実施し、それから全植物体を再生する。形質転換の前に孔辺細胞をプロトプラストに変換してもよい。他の方法においては、表皮片を手で剥ぎ取り、それからカルスを形成させることができる。
孔辺細胞を体細胞ハイブリダイゼーション、サイブリッド形成(クレンス(Krens)ら,Theor.Appl.Genet.,79,390−396(1990))または形質転換に用いるのに特に適切なものにしているのは、他の細胞タイプと比較して孔辺細胞の顕著な弾性、ならびに孔辺細胞およびそれらのプロトプラストの予想外の分化全能性である。しかしその弾性は普通は細胞内へのDNAの導入に対する潜在的バリヤーとして見られるであろう。本発明により、孔辺細胞を実際に形質転換しうること、および形質転換された細胞を次いで再生しうることが立証され、こうしてトランスジェニック植物を形成するために有効な方法が提供された。
本発明の重要な1観点は、従来は許容し得ないほど低い頻度でしか形質転換し得なかった種であるビート(Beta vulgaris)(リンゼー(Lindsey)ら、サトウダイコンの形質転換,Biotechnology in Agriculture and Forestry,Vol 23,“Plant protoplasts and Genetic Engineering IV”Y.P.S. Bajaj編,Springer−Velag,ベルリン,1993)の形質転換に本発明を利用しうることである。
本発明方法は下記工程のうち幾つかを伴う:形質転換、表皮の単離、孔辺細胞の単離、孔辺細胞からのプロトプラストの調製、形質転換体の選択、および形質転換体からの全植物体の再生。ただしこれらの工程を実施する順序を変更し、またある工程を省略することができ、それぞれの変法は一定の利点をもつ。
1.無傷の葉組織を形質転換したのち、この材料またはそれから単離した表皮層をマセレートして細胞懸濁液を調製し、次いで必要な場合には音波処理する。これらの処理の作用は、孔辺細胞以外の細胞タイプを優先的に破壊することである。孔辺細胞の濃度はそれらがこのような物理的応力に対して比較的抵抗性であるため高められ、次いでそれらを懸濁液から浮遊または濾過により回収し、そして全植物体を再生することができる。
2.方法1においては、挿入されるDNA構築体は選択性マーカー遺伝子を含むことができ、比較的一般的なものは抗生物質、たとえばカナマイシンもしくはハイグロマイシン、または除草剤の1つ、たとえばBASTAに対する耐性である。次いで葉に選択圧を負荷し、生存細胞のみを懸濁液中へ導通し、または全葉組織の懸濁液に選択試薬を添加した場合には、回収された生存孔辺細胞は形質転換細胞のみからなり、別個の選択工程の必要性がない。
しかし構築体は抗生物質耐性を示す遺伝子を全く含有しないことが好ましい。従って植物細胞に対する選択性マーカーは除草剤ビアラホスであることが好ましい。細菌段階での構築体調製物の選択は、好ましくはビール酵母(Saccharomyces cerevisiae)IGPD遺伝子(イミダゾールグリセロールホスフェートデヒドラターゼ)を使用する。これはヒスチジン生合成を欠如する大腸菌(E.coli)の突然変異体hisB株を機能的に相補し、最小培地におけるそれらの増殖を回復させることができる。組換え選択のためにこのよう栄養要求性相補系を使用することにより、大腸菌を植物細胞内へ導入する前に大腸菌内でのプラスミドの操作のために、細菌性の抗生物質耐性マーカー、たとえばベータ−ラクタマーゼをプラスミド中へ導入する必要性が排除される。
3.孔辺細胞の懸濁液を1の記載に従って調製することができ、この懸濁細胞につき形質転換を実施する。繊維性材料、たとえば炭化ケイ素ウィスカーと共に渦撹拌するのがこの場合簡便な方法である。形質転換は前記のように孔辺細胞濃縮物の富化の前または後に行うことができ、方法2をさらに採用することができる。
4.孔辺細胞懸濁液または富化した懸濁液を前記に従って調製し、細胞を形質転換の前に酵素消化によりプロトプラストに変換することができる。最後にプロトプラストから植物を再生することができる。プロトプラストを形質転換の標的として用いることにより、無傷の孔辺細胞に対しては効果がない可能性のある、特定の既知の形質転換技術を利用することができる。
5.最も簡単な態様は、機械的手段または手動で得られた無傷の葉または単離した表皮を形質転換し、次いで選択圧下に再生することによるものである。孔辺細胞以外の細胞タイプが再生しうることは知られていないので、これらは再生せずに単に増殖し、形質転換孔辺細胞が再生するであろう。部分的に老化した葉(主として生存孔辺細胞のみを含有する)が特に適切である。
外因性DNA構築体を導入するためのこの方法は本発明に特に適切というわけではない:それは簡便なのである。しかし本発明者らは既知のポリエチレングリコール(PEG)仲介によるプロトプラスト形質転換法を用い、次いで選択および再生することにより、トランスジェニック植物の形成に成功した。
本発明を以下の実施例において具体例により説明する。これらの実施例において用いる種々の培地を下記の表1に示す。
Figure 0003673276
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実施例1
植物材料および増殖条件
[ホール(Hall)ら,Plant Cell Reports,12:339−342(1993)およびペダーセン(Pedersen)ら,Plant Science 95,89−97(1993)に従う]。
ベータ・ブルガリスの無菌の苗条(shoot)培養物を下記により得た:種子をH2SO4中で50分間インキュベートすることにより滅菌したのち、それらを水道水中で十分にすすいだ。次いで種子を55℃の脱イオン水に15分間装入したのち、それらを5%次亜塩素酸ナトリウム中で30分間インキュベートした。次いで無菌水道水中でさらに3回(5、10および15分間)すすぐことにより、殺菌溶液を除去した。
水寒天(水道水中の1.5%寒天)上で明るい所において22℃で発芽させた。
無菌の実生をさらに培地A上で4週間培養したのち、分裂組織を同じ培地上での継代培養のために取り出した。
苗条を3週間毎に継代培養し、その時点で分裂組織を取り出して新鮮な培地に乗せた。培養物はすべて明るい所で(1日16時間、3000ルクス)22℃においてインキュベートされた。
実施例2
葉のプロトプラストの単離
[クレンス(Krens)ら,Theoretical and Applied Genetics,79,390−396(1990)に従う]。
無菌的に増殖させた3週齢のベータ・ブルガリスの苗条の培養物の葉から、下記によりプロトプラストを単離した:苗条の培養物から葉を取り、約1.5g(乾燥重量)を9cmのペトリ皿内で10mlの培地Bにおいて細断した。
培地Bを除去したのち、消化酵素を含有する15mlの培地Cに葉片を再懸濁した。
暗所において回転振盪機(45r.p.m.、振幅11mm)上で一夜(約16時間)、25℃においてインキュベーションを行った。
粗製プロトプラスト混合物をピペットで10回、緩和に吸入排出したのち、プロトプラスト懸濁液をナイロン篩(297および55μmメッシュ)で重力濾過することにより採取した。
プロトプラスト懸濁液を12mlの遠心管2本に装入したのち、プロトプラストを55gで5分間遠心分離することによりペレットとして採取した。
上清を廃棄し、プロトプラストを洗浄し、そして10mlの培地D中で2回遠心分離した。
最後にプロトプラストを10mlの培地Eに再懸濁し、その上に1mlの培地Fを慎重に乗せ、前記に従って遠心分離した。
上部1mlの培地Fの層からプロトプラストを採取し、血球計数器により集団密度を測定した。
すべてのプロトプラスト培養物を25℃において暗所でインキュベートした。
実施例3
プロトプラスト包埋
[ホール(Hall)ら,Plant Cell Reports,12:339−342(1993)に従う]。
培養前にプロトプラストを下記に従って固定化した:目的とするコロニー形成密度(通常は30,000−125,000/皿)を得るための既知数のプロトプラストを全容量500μlの培地Fに再懸濁した。
500μlの培地Gと十分に混合したのち、10mlの培地Hを入れた6cmのペトリ皿上に懸濁液を薄い層として広げた。
室温で2時間のインキュベーション後に、アルギン酸カルシウムは凝固して薄いディスクとなり、次いでこれを取り出し、空のペトリ皿に移した。
実施例4
固定化した細胞の固定および細胞ファインダー用の培養物の調製
個々の細胞の位置決定および再判定を補助するために、培養物を下記に従って調製した:24.5×40mmのカバーガラスをアルコール中で殺菌し、火炎処理した。
1滴(約50μl)の培地Iをカバーガラスの表面全体に広げ、完全に乾固させた。
アルギン酸カルシウムディクスの中心領域(10×25mm)を鋭利な小刀で取り出した。
1滴の培地Gをカバーガラスに乗せ、その上に切り取ったアルギン酸カルシウムディスク片を乗せた。
アルギナートディスクの端の周りに、アルギナートおよびアガロース被覆カバーガラスの両方と接触するように、リング状の培地I(35℃)を配置した。
最後に2滴の培地Iを用いて、カバーガラスに金製の電子顕微鏡検体グリッド2個を、一方は上中心に、他方は底の右側に固定した。
アガロースが凝固したのち、4mlの培地Jを入れた6cmのペトリ皿にアセンブリー全体を移した。
アルギナートディスクの残りを同様にこの培地に移したのち、皿をパラフィルム(Parafilm、商標)でシールした。
実施例5
細胞の位置決定および再判定
ステッパーモーター駆動式顕微鏡載物台を備えたツァイスICM 405倒立顕微鏡を用いた。専用コンピュータープログラムを用いて顕微鏡鏡載物台の動きを制御し、かつシステムを目盛り定めし、ペトリ皿内の個々の細胞の位置を1μmの精度まで記録することができた。固定された基準点にある2個のEMグリッドの中心の位置を利用して、目的とする大きさおよび形態の細胞の位置を決定し、記録した。後日、再度目盛り定めするためにEMグリッドの位置をコンピューターに再入力したのち、半自動的にこれらの細胞の位置を再判定することが可能であった。
実施例6
サトウダイコンの葉のプロトプラスト調製物における細胞分裂に関与する細胞タイプ
分裂して生存可能なカルスを形成する能力をもつプロトプラストの2つの小集団が、ビートの葉の消化物中に同定された。しかしこれらのカルスは形態学的に異なり、1タイプのみが分化全能性である。
再生可能なタイプのカルスは極めて軟質で脆く、水分が多く、このためそれは容易に離散することを特色とする。このタイプのカルスの再性能は条件および遺伝子型に応じて異なるが、その最高は30%であった。このカルスタイプの前駆体として同定されたプロトプラストは、極めて明瞭に識別される形態をもち、比較的小さく、重量オスモル濃度510mOs/kgの培地中で1日培養したのち測定して、直径15−27(モード23)μmである。これらの細胞は、少数の異常に大きなデンプン粒(通常5−14個/細胞であり、8または9個/細胞が極めて一般的である)を除いて、可視細胞質成分をほとんど含有しない。これらのデンプン粒は細胞容積の約50%を占める場合がある。これらの細胞の分裂は比較的緩慢に、平板培養の5−10日後に起こり、種々の大きさおよび形状の多数のデンプン粒に富む細胞質を含む小型の細胞からなるルーズな構造のカルスが形成される。明瞭な液胞は見られない。
他のタイプのカルスは極めて硬く、密であり、通常は球形のコロニーを形成する。それは分化全能性であるとは思われない。このタイプのカルスは、直径20−30(モード27)μmであること、および多数の小型の不均一な大きさおよび形状をもつデンプン粒を含有する細胞質に富むことを特色とするプロトプラストタイプに由来することが見出された。一般にこれらの細胞は(平板培養の1日後に見て)既に細胞の中心に位置した核を備えていた。これらの細胞は早期に(通常は3日以内に)分裂し、急速に分裂して、顆粒性細胞質を含み、ただし明瞭に見える液胞を含む細胞からなる丸い小型のコロニーを形成する。
形態学的特性に基づいて、かつ部分的な表皮消化に従って、再生可能なカルスを生じる最初の細胞タイプは孔辺細胞に由来することが確認された。第2のタイプは維管束からの形成層組織に由来すると考えられる。葉肉プロトプラストは決して分裂しない。
実施例7
表皮の単離および再生
剥ぎ取り方法
葉(インビトロ材料および温室材料)の下側表皮(lower epidermal side)を、弯曲した小刀を用いて手で剥ぎ取ることにより表皮ストリップを得た。これは空のペトリ皿内で、またはワットマン濾紙上で、または液体培地中で行うことができる(それは分裂期に実際に影響を及ぼすものではなく、主として1枚の葉から最大ストリップを得るための個人的な好みに基づく)。剥ぎ取り角度も、残留する葉肉細胞数も、細胞の培養または孔辺細胞が分裂する能力には影響を及ぼさない。
剥ぎ取り直後にストリップを培地に装入する。ストリップのいずれの側が培地と接触するかは問題でない。より重要なことは、培養当たりのストリップの濃度である:単離工程後に液体表面が少なくとも約95%はストリップで覆われていなければならない。培養中にストリップが捩れ、らせん状になり、場合により沈むであろうが、それは細胞分裂に影響を及ぼさない。
表皮ストリップは、上記の条件が満たされる限りペトリ皿(直径5および20cm)内およびミクロウェル内で培養された。ストリップは28℃において暗所で培養された。
分裂を数種類の培地中で観察した:K8p、MS、PGoおよびBUL。しかし最良はPGo培地であり、これは白色の脆いカルスを95%以上の培養物において形成した。最も重要なことは、この培地がホルモンを含有しないという事実であった。ホルモン(BAP、NAA、2,4−D)を含有する培地は分裂頻度を改良しない。しかし2,4−Dが培地中に存在すると(0.2−2mg/lの濃度で)、高濃度の硬質タイプのカルスが観察される。このカルスは再生することができず、白色の脆いカルスの形成を部分的に妨害するので、硬質カルスが全く−またはごく稀にしか−出現しないPGo培地を用いるのが最良である。
30以上の異なるサトウダイコン遺伝子タイプを試験し、すべてが白色の脆いカルスを少なくとも1回は形成した。白色の脆いカルスの形成は材料の種類(インビトロクローン、実生、温室材料)によるのではなく、またこの材料が増殖した培地(MS、MS/2、PGo+BAP)も孔辺細胞が分裂する能力には影響を及ぼさない。
表皮ストリップを暗所で28℃において4−5週間培養する。得られた白色の脆いカルスをPGo+BAP(1mg/l)培地に移し、さらに同一条件で3−4週間培養する。次いでこのカルスを同一培地、またはPGo+BAP(1mg/l)+NAA(0.2mg/l)、または同一の2種類のホルモンを含むMS上で20−22℃において16−8時間の明暗サイクルにより継代培養する。2−3週間後に最初の再生体を回収することができる。後者の2培地において最大数の再生体が見られた。
Figure 0003673276
実施例8
表皮の単離−ブレンディング法
手による剥ぎ取りは極めて冗長であり、時間がかかるが、ブレンディング法(プロトプラスト単離プロトコルに用いられるもの)は大量の表皮小片を生成する。ただしブレンダーは選択性がより低く、かつ多量の小さな葉組織屑(および主として硬質タイプのカルスを形成する細胞)をも生成する。
PGo培地においては白色タイプのカルスが数例認められたが、それは表皮片を用いた場合より一貫性が少ない。他方、BUL培地はより適切であると思われる。
プロトプラストの単離に際してはアァイコル(Ficoll)の存在下でブレンディングを行う。泡立ちを避け、かつ単離時間を短縮するために、ブレンディングに際しては同様に直接に培地(PGoおよびBUL)を用いて作業した。やはりBULが最良ではあったが、PGoを用いても良好な結果が得られた。
ブレンディング法により調製された表皮ストリップを実施例3に記載したと同様に培養した。
実施例9
孔辺細胞プロトプラストの単離および培養
クレンス(Krens)ら,Plant Physiology,90:1382−1386(1989)の方法により得られた表皮片を、培地Dに溶解した2%セルラーゼおよび3%マセロザイムの溶液中で一夜消化した。ただし異なる遺伝子型にはわずかに異なる酵素混合物が必要である。実施例2に記載した洗浄および精製プロトコルののち、孔辺細胞が高度に富化されたプロトプラスト集団を得た。これらの方法により、最高80−90%の孔辺細胞プロトプラストを含む集団が得られた。次いでプロトプラストを実施例5に詳述したようにアルギン酸カルシウムに包埋し、パラフィルムでシールした6cmのペトリ皿内で4mlの培地J中において培養した。培養物を暗所で28℃においてインキュベートした。これらの培養において孔辺細胞コロニー形成率25−50%がルーティンに得られた。
実施例10
PEG−仲介によるプロトプラストの遺伝子形質転換
この例において導入されたDNAは、β−グルクロニダーゼ(GUS)リポーター遺伝子、および選択性マーカー遺伝子として、サトウダイコンが普通は感受性である除草剤ビアラホス(Bialaphos)すなわちホスフィノスリシンに対する耐性を示す配列を含む、プラスミドpPG5からのものであった。
用いた方法はクレンス(Krens)ら,Nature,296:72−74(1982)が記載したものであり、下記の特定のパラメーターを用いた。PEGの最適濃度は20%であったが、これより低い濃度も安定な形質転換体を形成した。PEGのタイプは特に重要ではないことが認められた。試験したすべてのDNA濃度で安定な形質転換体が見られたが、50μg/500,000プロトプラストを最適濃度として選んだ。インキュベーション期間は10−40分であった。
下記の表1は得られた結果のうち若干を例示する。
Figure 0003673276
上記の例すべてにおいて、PEG濃度は13.3%であり、DNA(pPG5)の使用量は50μgであった。
形質転換後に、ビアラホスを0.25mg/リットルの濃度で含有するアルギナート培地にプロトプラストを移し、4週間培養した。この時点までに形質転換した孔辺細胞カルスは明瞭に識別され、単離し、再生培地に移すことができた。
実施例11
葉の組織の遺伝子形質転換
この例において導入したDNAは、β−グルクロニダーゼ(GUS)リポーター遺伝子、および選択性マーカー遺伝子として、サトウダイコンが普通は感受性である除草剤ビアラホスすなわちホスフィノスリシンに対する耐性を示す配列を含む、プラスミドpPG5からのものであった。
2種類のサトウダイコン遺伝子型(BOA113およびBUM2と表示)の無菌的に増殖させた植物から葉を切り取り、背軸面を上にして、0.6%寒天で凝固させたデグリーフおよびヤコブスの培地上で平板培養した。5枚の葉のうち3枚をそれぞれ9cmのペトリ皿に用いた。
金粒子(直径1.6μm)を、除草剤ホスフィノスリシン(ビアラホス、BASTA)に対する耐性を与えるホスフィノスリシンアセチルスランスフェラーゼをコードする遺伝子(選択性マーカーとして)およびβ−グルクロニダーゼ(gus)をコードする遺伝子1コピー(検出用マーカー遺伝子)を含むプラスミドでコーティングした。粒子を塩化カルシウム/スペルミジン沈殿法によりコーティングし、100%エタノールに再懸濁した。10μlアリコートをデュポンのバイオリスティックPDS1000/He遺伝子銃の個々のマクロキャリヤー上にピペット分注し、シリカゲル結晶で乾燥させた。
用いた衝撃パラメーターは下記のとおりであった:ラプチャーディスクとマクロキャリヤーのギャップ約1.6mm(1/16インチ)、マクロキャリヤー移動距離6mm、ラプチャーディスク圧力約690−7580kPa(100−1100psi)、ターゲット距離5、8または12cm、およびターゲットチャンバー内の部分真空711mm(28インチ)Hg。
衝撃後に葉を23℃で2日間培養したのち、gus遺伝子発現の組織化学的位置測定のために5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−グルクロニド(X−Gluc)で染色した。染色後に葉を95%エタノール中で65℃において20分間脱色した。gus発現を示す細胞を“呈色ユニット(colour−forming unit)”(CFU)と命名した。両方の遺伝子型につき全表皮CFU中の孔辺細胞CFUの頻度は20−40%であった。
実施例12
カルス培養および再生
21日後に、その時点で見えるミクロカルスを含むアルギナート片を、20mlの培地Kを入れた9cmのペトリ皿に移した。培養を暗所で前記に従って行った。
直径約1−2mmの大きさに達する脆くて水分の多いタイプのカルスを別個につまみ取り、20のグループで新鮮な培地K上において培養した。この階段でPCR分析および組織化学的GUSアッセイの両方により、形質転換体の存在が確認された。
2週間の間隔ですべてのカルスを新鮮な培地に継代培養した。
再生体が個々のカルスの最初の8週間の培養に際して出現した。最初の苗条が見えて、約2mmの大きさに達した時点で、皿を25℃、15時間の昼間長さの明るい所(3000ルクス)へ移した。
長さ約4mmの小植物体を、15mlの培地Kを入れた別個の培養試験管に移し、前記に従って明るい所でさらに継代培養した。
実施例13
発根および土壌への移植
小植物体が4葉期に達した時点で(普通は5−6週間後、1つの継代培養は3週間後)、15mlの培地Lを入れた培養試験管にそれらを移し、前記に従ってさらに培養した。
少なくとも1本の根が長さ1cmに達した時点で小植物体を培養試験管から取り出し、流れる水道水下で洗浄して寒天片をすべて除去し、温室内の9cmの鉢中の土壌に移植した。
小植物体を透明なプラスチックカップで覆って湿潤環境を7日間与えたのち、それらは保護せずに生育することができた。

Claims (12)

  1. 単離されたベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)の気孔細胞を再生培地中で培養し、このようにして培養した細胞からベータ・ブルガリス植物を再生することを含む、植物の形成方法。
  2. 植物がサトウダイコンである、請求項1に記載の方法。
  3. 再生がホルモンを含有しない培地上でのカルスの形式を含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 遺伝材料を単離されたベータ・ブルガリス植物の気孔孔辺細胞またはベータ・ブルガリス植物の孔辺細胞濃度の高い細胞集団に導入し、この形質転換細胞または形質転換細胞集団から全植物体を再生させることを含む、ベータ・ブルガリス植物の遺伝子形質転換方法。
  5. 細胞または細胞集団が老化した葉の中に含有される、請求項4に記載の方法。
  6. 形質転換した細胞または細胞集団をマセレートして細胞懸濁液を調製し、これから植物を再生する、請求項4または5に記載の方法。
  7. 気孔細胞を再生前にプロトプラストに変換する、請求項4−6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 遺伝材料が抗生物質に対する耐性を示さない選択性マーカー遺伝子を含むDNA構築体であり、かつ形質転換された細胞または細胞集団を適切な選択試薬に暴露する、請求項4−7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 形質転換を、孔辺細胞濃度の高い細胞集団につき実施する、請求項8に記載の方法。
  10. 気孔細胞を形質転換の前または後に細胞壁の酵素消化によりプロトプラストに変換する、請求項4−9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 形質転換法が、気孔細胞の懸濁液を微細繊維材料と混合し、これを遺伝材料の存在下で撹拌することを含む、請求項4−10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 導入された遺伝材料が抗生物質耐性を示す遺伝子を含まないDNA構築体である、請求項11に記載の方法。
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