JP3673031B2 - スピンドルモータのディスクラッチ構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リムーバブルHDD(ハードディスクドライブ)用のハードディスクや光ディスク等の円盤状交換媒体を駆動するスピンドルモータのロータ側に前記媒体を確実に固持するためのスピンドルモータのディスクラッチ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
ロータを支持する中心のシャフトに嵌まり込む中心孔を形成する磁性板部とその外周に設けられた記録板部とからなる円盤状交換媒体(以下、ディスクという)はスピンドルモータのロータやこれと同期して回転するターンテーブル等に載置されて回転駆動される。この場合、ディスクをロータ側と同期回転させるための固持手段が必要である。この固持手段としては各種の公知技術があるが、一例として特開平7−254215号公報が挙げられる。
【0003】
特開平7−254215号公報に開示される「スピンドルモータ」は、中心のシャフト(21)の上方側に嵌着されるターンテーブル(5)の上面にクランプマグネット(7)を固着し、ターンテーブル(5)上に搭載されて前記シャフト(21)に中心孔を挿入されて調芯されたディスクを前記クランプマグネット(7)の磁力により吸引磁力固持する固持手段を採用するものである。なお、本例以外の従来技術も大部分は磁力によりディスクを固持するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記のように、特開平7−254215号公報やその他の従来技術ではディスクはクランプマグネットの磁気吸引力のみによってロータ側に固持されるためクランプマグネットの磁力強度によりディスクの固持精度が左右される。即ち、クランプマグネットの磁力が小さい場合には、ディスクの高速回転時において固持力が不足しディスクとロータ側との間に滑りが生じる問題点がある。一方、クランプマグネットの磁力を大きくすると、ディスクを出入させるために大きな力が必要となり、ローディング機構の負荷が大となり、コスト高になると共に耐久性、信頼性が低下する問題点がある。
【0005】
本発明は、以上の事情に鑑みて創案されたものであり、クランプマグネットの磁力をそれ程大きくすることなくディスクの固持が確実に行われ、信頼性の向上が図れるスピンドルモータのディスクラッチ構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上の目的を達成するために、ロータ上にクランプマグネットを介して載置され中心のシャフトまわりに前記ロータと共に回転する磁性板部とその外周に設けられた記録板部とを有する円盤状交換媒体を前記ロータ側に前記クランプマグネットの磁力固持に加えて確実に固持するためのディスクラッチ構造であって、前記ロータのロータホルダ上に固着される半歯形状のモータ側ラッチ爪上には前記磁性板部の外周側の下面に形成されるディスク側ラッチ爪が重合されて両ラッチ爪で環状の内歯を形成し前記ロータホルダ上には前記クランプマグネットに円周方向の移動を拘束されて半径方向に沿って移動自在に支持されるスライドラッチが設けられ、該スライドラッチには前記内歯と噛合するラッチ溝が形成されると共に前記スライドラッチと前記モータ側ラッチ爪間には前記スライドラッチを前記モータ側ラッチ爪から離隔する方向に付勢するスプリングが介設され、該スプリングのバネ力は前記ロータの回転時に前記スライドラッチに作用する遠心力よりも低く目に形成されてなるスピンドルモータのディスクラッチ構造を構成するものである。
【0007】
この場合、前記スライドラッチが、前記クランプマグネットの円周方向に沿って複数個等間隔に配置されるのが望ましい。
また、前記クランプマグネットの外周部に凹状溝を設け、この凹状溝にスライドラッチを配置し、前記クランプマグネットの前記凹状溝に対応する位置に半径方向のスライド溝を該凹状溝に開口して設け、前記スライドラッチに前記スライド溝に沿って半径方向に移動するスライド杆を一体に設けるのもよい。
【0008】
さらに、前記スプリングを圧縮コイルばねから構成し、前記スライドラッチの外周部に前記スプリングの端部を保持する保持穴を形成し、該保持穴に保持された前記スプリングが前記スライドラッチと前記モータ側ラッチ爪間に圧縮状態で介設されているようにしてもよい。
或いは、前記スプリングをコイル部及び腕部を含むねじりコイルばねから構成し、該スプリングのコイル部を前記スライドラッチと前記モータ側ラッチ爪との一方に支持し、該スプリングの腕部の先端側を前記スライドラッチと前記モータ側ラッチ爪との他方に当接するのもよい。
【0009】
また、前記スライドラッチを、非磁性板のプレス加工により形成し、該スライドラッチの前記内歯に対向する円弧状外周部を2つ以上に分岐し、該円弧状外周部の分岐された一方及び他方のそれぞれの先端縁を互いに軸方向反対向きに斜めに折り曲げ、前記一方及び他方の先端縁を前記内歯に軸方向外側から係合するようにしてもよい。
特に、前記スライドラッチの円弧状外周部を3つに分岐し、該円弧状外周部の分岐された中央部と円周方向両端部とのそれぞれの先端縁を互いに軸方向反対向きに斜めに折り曲げるとなおよい。
【0010】
ディスクをロータ上のクランプマグネット上に搭載すると、ロータのロータホルダ上に固着されている半歯形状モータ側ラッチ爪上にディスク側に形成されているディスク側ラッチ爪が重合される。この両ラッチ爪は重合状態で環状の内歯を形成する。一方、ロータホルダ上には前記クランプマグネットに円周方向の移動を拘束され半径方向に移動自在に支持されるスライドラッチが搭載され、このスライドラッチに形成されるラッチ溝が前記内歯と噛合する形状のものからなる。ロータの回転によりクランプマグネットにより磁気吸着されたディスクが回転すると共に、前記スライドラッチが遠心力により外方に移動し、そのラッチ溝が前記内歯に噛合する。スライドラッチはクランプマグネット側に円周方向の移動を拘束されて支持されるためラッチ溝と内歯との噛合によりディスクはスライドラッチを介してクランプマグネット側に固持され、磁気吸着力に加えて固持力が増加する。これによりディスクはロータ側に確実、且つ安定支持される。一方、ロータの停止時にはスプリング反力がスライドラッチに作用するためラッチ溝と内歯との噛合が解消される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のスピンドルモータのディスクラッチ構造の実施の形態を図面を参照して詳述する。まず、第1の実施の形態を図1〜図3を用いて説明する。図1は本発明のディスクラッチ構造を設けたスピンドルモータの全体構造を示す軸断面図であり、図2はディスクラッチ構造まわりの構造を示すための平面図であり、図3は本発明の作用を説明する部分断面図である。
【0012】
図1に示すように、不動側のブラケット27にはその中央に軸受円筒部28が設けられ、この外周にステータ24が固持される。軸受円筒部28内に嵌着された上方軸受22および下方軸受23にはシャフト21が回転自在に枢支される。ロータ14の磁性体の椀状ロータホルダ15はボス19を介しシャフト21に嵌着される。ロータホルダ15の内面にはステータ24と相対向してロータマグネット18が固着される。ブラケット27の下面には、ステータ24のコイル線端部が接続されるFPC26が装着され、軸受円筒部28の下面開口及びFPC26の接続部分がラベル26により被装されている。
【0013】
ロータホルダ15の上面には図1,図2に示すように円盤状のクランプマグネット16がシャフト21と同心円状に載置され、接着剤等によりロータホルダ15に固定されている。このクランプマグネット16上にはディスク11の磁性板部12が、その中心孔20をシャフト21に挿入し中心支持された状態で搭載され、クランプマグネット16に磁気吸着されロータ14側に固定される。磁性板部12の外周には記録板部13が固定される。
【0014】
ロータホルダ15の上面の外周側には固定具2が固定される。固定具2はリング状部材からなり、ロータホルダ15の上面外周部3箇所に圧入固定された固持具17の外側に嵌合することによりロータホルダ15と同心に配置される。固定具2の内周側には半歯形状の断面のモータ側ラッチ爪3が形成される。一方、ディスク11の磁性板部12の外周部下面には半歯形状の断面のディスク側ラッチ爪4が形成される。なお、ディスク側ラッチ爪4はモータ側ラッチ爪3とほぼ対称な形状のものからなり、両者を上下に重合すると全歯形状の断面形状を有する環状の内歯10が形成される。即ち、固定具2上にディスク11の磁性板部12を搭載すると固定具2のモータ側ラッチ爪3の上に磁性板部12のディスク側ラッチ爪4が丁度重合するように両者は配置され、両ラッチ爪3,4の重合により前記のように内歯10が形成される。
【0015】
一方、図2に示すように、クランプマグネット16の外周側には等間隔に複数(図示では3箇所)の凹状溝6が形成される。この各溝6にはロータホルダ15上に搭載されたスライドラッチ1がそれぞれ半径方向に沿って移動自在に支持される。更に詳細に説明すると、クランプマグネット16の下面の各溝6に対応する部分には該各溝6に連通するガイド溝8が半径方向に沿って形成され、スライドラッチ1に突出形成されたスライド杆7がガイド溝8に挿入され円周方向の移動を拘束されると共に半径方向に沿って移動自在に支持される。以上の構造により、スライドラッチ1はクランプマグネット16側に円周方向の移動を拘束され半径方向に沿って移動自在に支持される。
【0016】
スライドラッチ1はメタルインジェクションにより形成される。即ち金属粉と樹脂との混合体を所望形状に成形しこれを焼結して形成される。スライドラッチ1の外方側は、内歯10とほぼ同じ極率の円弧状に形成され、スライドラッチ1の前記内歯10と相対向する位置にはラッチ溝5が凹設される。このラッチ溝5は内歯10と噛合する歯形状のものからなる。内歯10とラッチ溝5とはスピンドルモータの停止時には所定の間隔を距て離隔して配置される。即ち、スライドラッチ1の円弧状外周部の中央下部には外周方向に開口したばね保持穴29が設けられ、この保持穴29と固定具2との間には所定の自由長さバネ力を有する圧縮コイルばねからなるスプリング9が介在され、スライドラッチ1を半径方向内側に常時付勢し、スライドラッチ1と内歯10とをスピンドルモータの停止時において前記の間隔を保持するようにしている。
【0017】
スプリング9の自由長およびバネ力は、スピンドルモータが回転した際にスライドラッチ1に生ずる遠心力と関連して予め設定される。即ち、スピンドルモータが回転し、ある程度の回転数になった場合にスライドラッチ1に生ずる遠心力によりスライドラッチ1が半径方向外側に移動し、ラッチ溝5と内歯10が噛合するように設定する。なお、どの程度の回転数になった場合にラッチ溝5と内歯10とが噛合するかは適宜設定される。
【0018】
次に、本発明のスピンドルモータのディスクラッチ構造の作用を説明する。前記したように、ディスク11をロータ14上に搭載するとディスク11はシャフト21により調芯され、且つクランプマグネット16により磁力固定される。この際、図1に示すように、固定具2のモータ側ラッチ爪3上に磁性板部12のディスク側ラッチ爪4が重合し内歯10が形成される。なお、スライドラッチ1は内歯10と所定間隔だけ離れた位置にラッチ溝5を配置してクランプマグネット16に保持される。ステータ24に通電されてロータ14が回転すると、スライドラッチ1が遠心力の作用を受けてスプリング9のバネ力に抗して半径方向の外方に移動し、図3に示すように、ある回転数においてラッチ溝5が内歯10と噛合する。
【0019】
固定具2はロータホルダ15に固定されディスク11もクランプマグネット16を介してロータホルダ15に固定されるためスライドラッチ1と内歯10は噛合状態で同時回転されるが、スライドラッチ1の遠心力が内歯10側に作用するため、スライドラッチ1のラッチ溝5と内歯10との間に滑りが生じようとしても遠心力に基づく両者間の摩擦力が滑り力に抵抗する。そのため、ラッチ溝と内歯10との間には相対滑りが生じにくく、ディスク11はロータ14側に固持される。即ち、クランプマグネット16による磁力固持力に加えてスライドラッチ1の内歯10との噛合による摩擦力が作用し、結果としてディスク11は従来技術のクランプマグネットのみによるものより強固に固持される。一方、ロータ14の回転数が低下すると、スライドラッチ1の遠心力が低下し、スプリング9のバネ反力が打ち勝ち、スライドラッチ1と内歯10との噛合が解除され、両者は離れる。然し乍ら、ロータ14の低速回転時にはディスク11はクランプマグネット16の磁力により十分に固持されるためスライドラッチ1と内歯10との噛合が解除されても問題はない。
【0020】
本例では、図2に示すようにスライドラッチ1をクランプマグネット16の円周方向に沿って3箇所等間隔に配置したため、スライドラッチ1による内歯10への押圧力がほぼ均等に作用し、バランスのとれたディスク固持が行われる。勿論、スライドラッチ1の数は3箇に限定するものではない。また、スライドラッチ1のラッチ溝5と内歯10との間の摩擦力を更に増大させるため、両者又は一方側の噛み合い面に介在物を介在させて固持力を高めてもよく、耐久性向上のための硬度上げ等の手段を採用してもよい。
【0021】
次に、本発明の第2の実施の形態を図4〜図6を用いて説明する。これらの図面において前記と同一符号のものは同一もしくは相当するものを示すものとし、詳細は省略する。第2の実施の形態では、第1の実施の形態に比べ、クランプマグネット16に対するスライドラッチ1のスライドガイド構造及びスライドラッチ1を半径方向内側に付勢するスプリング31が相違する。
【0022】
即ち、図5に詳細に示すように、ロータホルダ15の上面に固着されたクランプマグネット16には周方向等間隔の位置に3個の凹状溝6が形成され、この各溝6にスライドラッチ1が配置されるが、クランプマグネット16の各凹状溝6に対応する部分に該凹状溝6に開口して形成された半径方向のガイド溝8’は、クランプマグネット16の内周面にまで貫通するよう長く形成されている。一方、スライドラッチ1の内周側に突出形成されたスライド杆7’は、このガイド溝8’に応じて長く形成され、スライド杆7’のガイド溝8’への挿入寸法が第1の実施の形態に比し長くなっていることにより、スライドラッチ1が半径方向により安定してガイドされると共に、円周方向の移動やがたつきが確実に抑制される。スライド杆7’には樹脂フィルム等からなる保護カバー32が被装されている。これはスライド杆7’の移動を円滑に行うためであり、またクランプマグネット16及びスライドラッチ1の摺動面より金属粉が流出しないようにするためである。
【0023】
また、スライドラッチ1を半径方向内側に付勢するスプリング31は、図6に示すように、ダブルトーションタイプのねじりコイルばねからなり、2つのコイル部31a,31bとこの両者を連結する中腹部31cと両コイル部31a,31bの自由端側に設けられた腕部31d,31eとを備えており、両腕部31d,31eのそれぞれの先端は折曲により立ち上げられている。ここで、ロータホルダ15の上面に固定具17を同心状に配置するために設けた3個の固定具17は図4より明らかなようにクランプマグネット16の各凹状溝6間の中央に位置するようになっており(予め固定具17が位置付けられその後にクランプマグネット16が配置される)、各スプリング31がその中腹部31cを各固定具17に保持することにより取り付けられ、各スプリング31の腕部31d,31eの先端が隣り合うスライドラッチ1の半径方向外周面に弾接する。これにより3個のスライドラッチ1は3個のスプリング31により半径方向内側に付勢されている。
【0024】
このような構成の第2の実施の形態にあっては、前記第1の実施の形態に比べ、スライドラッチ1のスライド杆7’を可能な範囲で長く形成しているため、スライドラッチ1のより安定したガイドが実現する。その上、スプリング31をねじりコイルばねより構成し、固定具2とクランプマグネット16との狭い空間に配置できるようにしているため、第1の実施の形態の場合のような圧縮コイルばねのための保持穴を設ける必要がなく、スライドラッチ1の構造が簡単になり、その製造が容易になる利点がある。
【0025】
次に、本発明の第3の実施の形態を示した図7〜図9について説明する。これらの図面において前記と同一符号のものは同一もしくは相当するものを示すものとし、詳細は省略する。第3の実施の形態では、第2の実施の形態に比べ、スライドラッチ33が相違する。
【0026】
即ち、ロータホルダ15上のクランプマグネット16の3個の凹状溝6に半径方向に移動自在に配置されたスライドラッチ33は、例えば非磁性ステンレス鋼板をプレス加工することにより構成されている。図9に示すように、スライドラッチ33は、本体部33aと、この本体部33aの半径方向外周部つまり固定具2のモータ側ラッチ爪3に対向する円弧状外周部に2つの切り込み33b,33cにより分岐形成された中央係合片33d及び側部係合片33e,33fと、本体部33aより円弧状外周部との反対側に突設されたスライド杆33gとよりなり、スライド杆33gには保護カバー32が被装され、クランプマグネット16のガイド溝8’に摺動自在に配置されている。
【0027】
スライドラッチ33の円弧状外周部はプレス加工時に立ち上げ(折り曲げ)形成され、その中央部の中央係合片33dはその先端縁がさらに上向き斜めに折り曲げられ、当該先端縁の下面にディスク側ラッチ爪4の上面にほぼ平行な上側係合面33d’が形成されている。また、円弧状外周部の両側部に位置する側部係合片33e,33fはその先端縁が下向き斜めに折り曲げられ、当該先端縁のそれぞれの上面にモータ側ラッチ爪3の下面にほぼ平行な下側係合面33e’,33f’が形成されている。これらの係合片33d〜33fの係合面33d’〜33f’は、周方向投影的に内歯10と噛合するラッチ溝5’を形成する。
【0028】
このようなスライドラッチ33は、ロータホルダ15上のクランプマグネット16における各凹状溝6にそのスライド杆33gをガイド溝8’に挿入させて半径方向に移動自在に配置され、固定具2の内周における各凹状溝6間に配置されたダブルトーションタイプねじりコイルばねからなるスプリング31の隣り合う腕部31d,31eの先端がスライドラッチ33の中央係合片33dの立ち上げ部分に弾接し、スライドラッチ33が半径方向内方に付勢されている。
【0029】
従って、ディスク11をロータ14上に搭載し、ディスク11の磁性板部12をクランプマグネット16により磁気吸引してモータ側ラッチ爪3上にディスク側ラッチ爪4を重合させ内歯10を形成させた状態で、ロータ14を回転させると、スライドラッチ33が遠心力の作用を受け、スプリング31のばね力に抗して半径方向外方に移動する。そして、スライドラッチ33の中央係合片33dの上側係合面33d’が内歯10の上面に係合し、側部係合片33e,33fの下側係合面33e’,33f’が内歯10の下面に係合し、恰も内歯10にラッチ溝5’が噛合したようになり、ディスク11をロータ14上に確実に固持することが可能になる。
【0030】
このような実施の形態においては、スライドラッチ33を鋼板のプレス加工により形成することができるため、その製造が極めて容易になり、しかも金属粉を用いたメタルインジェクションでスライドラッチを構成する場合に比べ、スライドラッチからの摩耗粉の流出の心配がなく、信頼性の向上が図れる。
【0031】
なお、スライドラッチは、前述の他に鍛造で形成することもできる。
【0032】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載のスピンドルモータのディスクラッチ構造によれば、ディスクはクランプマグネットによる磁気固持力に加えてスライドラッチと内歯との噛合による摩擦抵抗力が作用するためロータの高回転時においてもディスクとロータ側との間に滑りが発生せず、ディスクの読み取り,書き込み精度等の信頼性の向上が図れると共に、ディスクのローディング機構の負荷を軽減でき、装置側のコスト,耐久性,信頼性の問題を解消できる。
本発明の請求項2に記載のスピンドルモータのディスクラッチ構造によれば、スライドラッチがクランプマグネットの円周に沿って複数個均等に配列されるためスライドラッチによる固持力がディスク側に均等に作用し、安定性,信頼性の向上が図れ、且つ耐久性の向上が図れる。
【0033】
本発明の請求項3記載のスピンドルモータのディスクラッチ構造によれば、クランプマグネットの凹状溝にスライドラッチを配置し、またクランプマグネットのスライド溝にスライドラッチのスライド杆を移動自在に配置するため、簡単な構造でスライドラッチの円周方向の移動の拘束と半径方向の移動の案内を実現できる。
【0034】
本発明の請求項4記載のスピンドルモータのディスクラッチ構造によれば、スプリングを圧縮コイルばねから構成してその一部をスライドラッチの保持穴に保持するため、スライドラッチのばね付勢構造が比較的簡単になる。
本発明の請求項5記載のスピンドルモータのディスクラッチ構造によれば、スプリングをねじりコイルばねにより構成するため、スプリングをモータ側ラッチ爪とクランプマグネットとの間の限られた空間に収まりよく収容でき、スペース効率が高まる。
【0035】
本発明の請求項6記載のスピンドルモータのディスクラッチ構造によれば、スライドラッチを非磁性板のプレス加工により形成するため、部品コストが大幅に低下し、特に、本発明の請求項5記載のスピンドルモータのディスクラッチ構造によれば、プレス加工によるスライドラッチの円弧状外周部を3つに分岐してその中央部と両側部との内歯に対する係合方向を互いに逆向きにしているため、スライドラッチの内歯との噛合時に軸方向の変位力が作用することはなく、この噛合状態が安定し、ディスクの固持状態が良好になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のディスクラッチ構造の第1の実施の形態を示すスピンドルモータの全体構造の軸断面図。
【図2】図1の平面図。
【図3】図1におけるモータ回転時の作用を説明するための拡大部分軸断面図。
【図4】本発明のディスクラッチ構造の第2の実施の形態を示すスピンドルモータの全体構造の平面図。
【図5】図4における主要構成部を示す拡大部分軸断面図。
【図6】図4におけるスプリングを示し、(A)は平面図、(B)は側面図。
【図7】本発明のディスクラッチ構造の第3の実施の形態を示すスピンドルモータの全体構造平面図。
【図8】図7における主要構成部を示す拡大部分軸断面図。
【図9】図7におけるスライドラッチを示し、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は切断側面図。
【符号の説明】
1、33 スライドラッチ
2 固定具
3 モータ側ラッチ爪
4 ディスク側ラッチ爪
5 ラッチ溝
6 凹状溝
7、7’ スライド杆
8、8’ ガイド溝
9、31 スプリング
10 内歯
11 円盤状交換媒体(ディスク)
12 磁性板部
13 記録板部
14 ロータ
15 ロータホルダ
16 クランプマグネット
21 シャフト

Claims (7)

  1. ロータ上にクランプマグネットを介して載置され中心のシャフトまわりに前記ロータと共に回転する磁性板部とその外周に設けられた記録板部とを有する円盤状交換媒体を前記ロータ側に前記クランプマグネットの磁力固持に加えて確実に固持するためのディスクラッチ構造であって、前記ロータのロータホルダ上に固着される半歯形状モータ側ラッチ爪上には前記磁性板部の外周側の下面に形成されるディスク側ラッチ爪が重合されて両ラッチ爪で環状の内歯を形成し、前記ロータホルダ上には前記クランプマグネットに円周方向の移動を拘束されて半径方向に沿って移動自在に支持されるスライドラッチが設けられ、該スライドラッチには前記内歯と噛合するラッチ溝が形成されると共に前記スライドラッチと前記モータ側ラッチ爪間には前記スライドラッチを前記モータ側ラッチ爪から離隔する方向に付勢するスプリングが介設され、該スプリングのバネ力は前記ロータの回転時に前記スライドラッチに作用する遠心力よりも低く目に形成されることを特徴とするスピンドルモータのディスクラッチ構造。
  2. 前記スライドラッチが、前記クランプマグネットの円周方向に沿って複数個等間隔に配置される請求項1記載のスピンドルモータのディスクラッチ構造。
  3. 前記クランプマグネットの外周部には凹状溝が設けられ、該凹状溝にスライドラッチが配置され、前記クランプマグネットの前記凹状溝に対応する位置に半径方向のスライド溝が該凹状溝に開口して設けられ、前記スライドラッチに前記スライド溝に沿って半径方向に移動するスライド杆が一体に設けられている請求項1記載のスピンドルモータのディスクラッチ構造。
  4. 前記スプリングは圧縮コイルばねからなり、前記スライドラッチの外周部には前記スプリングの端部を保持する保持穴が形成され、該保持穴に保持された前記スプリングが前記スライドラッチと前記モータ側ラッチ爪間に圧縮状態で介設されている請求項1記載のスピンドルモータのディスクラッチ構造。
  5. 前記スプリングは、コイル部及び腕部を含むねじりコイルばねからなり、該スプリングのコイル部が前記スライドラッチと前記モータ側ラッチ爪との一方に支持され、該スプリングの腕部の先端側が前記スライドラッチと前記モータ側ラッチ爪との他方に当接している請求項1に記載のスピンドルモータのディスクラッチ構造。
  6. 前記スライドラッチは、非磁性板のプレス加工により形成され、該スライドラッチの前記内歯に対向する円弧状外周部は2つ以上に分岐され、該円弧状外周部の分岐された一方及び他方のそれぞれの先端縁は互いに軸方向反対向きに斜めに折り曲げられ、前記一方及び他方の先端縁が前記内歯に軸方向外側から係合する請求項1記載のスピンドルモータのディスクラッチ構造。
  7. 前記スライドラッチの円弧状外周部は3つに分岐され、該円弧状外周部の分岐された中央部と円周方向両端部とのそれぞれの先端縁が互いに軸方向反対向きに斜めに折り曲げられている請求項6記載のスピンドルモータのディスクラッチ構造。
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