JP3672761B2 - Synchronous motor drive - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、同期電動機を駆動するための同期電動機駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から各種電気機器において、同期電動機が利用されている。同期電動機は、誘導電動機と比較して、小型軽量、高効率、サーボロックが可能、負荷の大きさによらず常に同期速度で回転する等の特徴を有しており、誘導電動機用インバータのような簡便な駆動装置によって同期電動機を駆動制御可能にすることが要望されている。
【0003】
ところで、同期電動機に要求される特性の一つにトルク特性がある。一般に、発生トルクをτとすると、τ=np・Λo・ia(但し、np:極対数、Λo:界磁による電機子の磁束鎖交数、ia:電機子電流)で与えられ、このような線形の特性が制御系では重要な特性になる。インバータ駆動の同期電動機でこれを実現したものが直流(DC)ブラシレスモータである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のDCブラシレスモータにおいては、固定子と回転子の相対位置を検出するための複雑な位置センサを使用しているため、高価な上に信号線へのノイズの混入等、装置の信頼性の点でも問題があった。
また、同期電動機には、前述したトルク特性以外にも、乱調や脱調のないスムーズな運転が可能であること、円滑な始動・停止が行えること、定数の変化に対しロバストな系であること、等の安定した特性が要請される。
【0005】
本発明は、位置センサを用いないことによって廉価に構成可能にすると共に、同期電動機を安定に駆動可能な同期電動機駆動装置を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の同期電動機駆動装置は、指令値信号を出力する制御手段と、前記指令値信号に応じた駆動信号を同期電動機に出力するインバータ手段とを備え、前記制御手段は、前記同期電動機の電機子抵抗をR、電機子巻線のインダクタンスをL、インバータ手段の角周波数をω1、Iδ=Λδ/L(Λδ:電機子δ巻線の磁束鎖交数)、電機子電流のγ軸成分をiγ、電機子電流のδ軸成分をiδ、電機子電流のδ軸成分の指令値をiδ *、電流誤差(iδ *−iδ)のフィードバックゲインをKγ、Kδとして、
vγ *=Riγ+Lω1Iδ+Kγ・(iδ *−iδ)/ω1
vδ *=Riδ+Kδ・(iδ *−iδ)
の関係を満足する指令値電圧vγ *、vδ *に関連する信号を前記指令値信号として前記インバータ手段に出力することを特徴としている。
制御手段は、
vγ *=Riγ+Lω1Iδ+Kγ・(iδ *−iδ)/ω1
vδ *=Riδ+Kδ・(iδ *−iδ)
の関係を満足する電圧vγ *、vδ *に関連する信号を算出し、指令値信号としてインバータ手段に出力する。前記インバータ手段は、前記指令値信号に対応する駆動信号を同期電動機に供給する。
【0007】
また、本発明の同期電動機駆動装置は、指令値信号を出力する制御手段と、前記指令値信号に応じた駆動信号を同期電動機に出力するインバータ手段とを備え、前記制御手段は、相差角φが所定値より大きいときは前記インバータ手段の角周波数ω1を下げるように前記インバータ手段を制御すると共に、前記相差角φが所定値より小さいときは前記角周波数ω1を上げるように前記インバータ手段を制御することを特徴としている。
【0008】
このとき、前記制御手段は、インバータ装置の角周波数をωl、ω1 *=npωm *(ωm *は回転子の角速度指令値)、npは極対数、Kmはフィードバックゲイン、Tmは1次遅れ系の時定数、P=d/dtとして、下記式
ωl=ωl *−Km・{TmP/(1+TmP)}・iγ
を満足するように前記同期電動機を制御するようにしてもよい。
【0009】
また、前記制御手段は、前記同期電動機の始動に先立って、及び、前記同期電動機の停止直前に予備励磁期間を設け、前記予備励磁期間中、vγ *=0、iδ *=Iδ s(>0、予備励磁期間におけるδ巻線の電流)、ω1=0、に制御するように構成してもよい。
【0010】
さらに、前記制御手段は、(iδ *−iδ)に基づいて電機子抵抗の推定値《R》を増減させるように構成してもよい。
さらにまた、前記制御手段は、iγ及びiδに基づいて界磁の強さの推定値《Io》を増減させるように構成してもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。尚、本実施の形態においては、同期電動機を可変周波数・可変電圧(VVVF)のインバータ装置で駆動することにより、位置センサを省くと共に同期電動機を指定した角速度(インバータ角周波数ω1)で運転できるようにしており又、負荷が増減しても速度変動を抑え得るようにしている。また、トルクτ∝電流i(以下では、トルク電流iγを用いて説明する。)の特性を得るために一次磁束制御法を用いている。即ち、電機子の磁束鎖交数が所定の値になるように電圧を制御する方法を用いている。
【0012】
先ず、位置センサを使用しない(位置センサレス)で、電機子電流に比例したトルクτを得るための制御について説明する。図6に示すように、同期電動機の電機子(図6では固定子)601の巻線に角周波数ω1の平衡三相電流を流すと、角速度ω1/np(npは極対数)の回転磁界がギャップ中に形成される。
【0013】
いま、回転子602が電気角速度ωmeで時計方向に回転しているとし、このとき回転磁界の磁軸(γ軸)に対して、回転子の界磁の軸(d軸:直軸)が内部相差角δだけ遅れて回転しているとすると、同期電動機の発生トルクτは次式(1)で表わされることが知られている。
τ=np・Λo・sinδ・iγ ・・・(1)
但し、Λoは界磁による電機子の磁束鎖交数、iγは電機子電流のγ軸成分である。
式(1)より、δをπ/2(電動機動作時)または−π/2(回生制動時)に選べば、同じ電流に対して最も効率よくトルクを発生させることができることがわかる(前述したブラシレスモータにおいては、位置センサを用いて、δが前記位置になるように制御している。)。
【0014】
次に、一次磁束制御法により如何にして、トルク電流iγに比例するトルクτを得ることができるかを説明する。
図7は、同期電動機の一次磁束鎖交数(以下、一次磁束と称する。)を、回転子のd−q座標を基準にして描いた図である。ここで、q軸は、d軸より時計回りに90度回転してd軸と直交する軸である。
図7において、界磁の磁軸をd軸に選んでいるので、λd=Λo、λq=0である。γ−δ軸は電気角度角速度ω1で回転する直交座標系であり、ここではd−q軸よりも角度φだけ進んでいるとして表してある。また、電機子電流のγ軸成分をトルク電流iγとして示している。尚、相差角(γ−δ軸とd−q軸との角度)φと図6の内部相差角δの間にはφ=(δ−π/2)の関係がある。
【0015】
いま、図7に示すように、一次磁束及び電機子電流のγ軸成分、δ軸成分を各々、λ1 γ、λ1 δおよびiγ、iδとし、界磁磁束のγ軸成分、δ軸成分を各々、λ2 γ、λ2 δとし又、電機子巻線のインダクタンスをLと記すと、二対の下記式(2)
λ1 γ=Liγ+λ2 γ、λ2γ=−Λosinφ
λ1 δ=Liδ+λ2 δ、λ2δ= Λocosφ ・・・(2)
が得られる。
【0016】
前記のように定義した諸量を用いると、発生トルクτは、式(1)、(2)から、
τ=np(λ1 δiγ−λ1 γiδ)
となるので、一次磁束を一対の下記式(4)
λ1 γ=0
λ1 δ=Λδ(設定値) ・・・(4)
が成立するように制御すれば下記式(5)
τ=np・Λδ・iγ ・・・(5)
が成立し、同期機は回転速度によらずトルク電流iγに比例するトルクを発生させることができる。
【0017】
以上が一次磁束制御法の原理であるが、一次磁束を式(4)の値に安定かつ正確に制御するために、本実施の形態においては、次のようにしている。
先ず、λ1 γ/L=λγ’、λ1 δ/L=λδ’、Iδ=Λδ/L、Io=Λo/Lと定義すると、一般に、同期機の電圧方程式は一対の下記式(6)
vγ=Riγ+LPλγ’+Lω1λδ’
vδ=Riδ+LPλδ’−Lω1λγ’ ・・・(6)
で与えられる。
但し、P=d/dt(微分演算子)であり又、図7から明らかなように、
λγ’=iγ−Iosinφ
λδ’=iδ+Iocosφ
である。
【0018】
ところで、理想的な一次磁束制御(λγ’=0、λδ’=Iδ)が行われるときの電機子電流のγ軸成分及びδ軸成分をiγ *、iδ *とし、前記式において、λγ’=0、λδ’=Iδを代入し整理すると、一対の下記式(7)が得られる。
iγ *=Iosinφ
iδ *=Iδ−Iocosφ ・・・(7)
【0019】
一次磁束を上記の値に制御するには、電流をiγ=iγ *、iδ=iδ *(このとき、iγ *、iδ *は指令値電流に相当し、「*」は指令値を表す記号として使用している。)にするような制御ループを設けることにより実現できる。そのために、一対の下記式(8)で表される電圧を同期機に印加することを考える。
vγ *=Riγ+Lω1Iδ+Kγ・(iδ *−iδ)/ω1
vδ *=Riδ+Kδ・(iδ *−iδ) ・・・(8)
尚、式(8)の第1式の右辺第3項及び第2式の右辺第2項が電流フィードバックの項であり、Kγ、Kδは、電機子電流のδ軸成分の指令値電流iδ *と実際の電流iδの間の誤差(iδ *−iδ)を指令値電圧vγ *とvδ *にフィードバックする際のゲインである。また、電機子抵抗Rは、後述するように、推定値であり、温度による誤差の発生を防止するために自動補正を行う。
【0020】
ここで、式(8)による制御の安定性について考察すると、後述するように、同期機駆動用のインバータ装置が指令値電圧vγ *、vδ *通りの電圧を出力する時は、vγ=vγ *、vδ=vδ *であるから式(6)=式(8)として整理すると、下記式(9)が得られる。
【0021】
【数1】
【0022】
一方、前述したλγ’及びλδ’の関係式から、
であるから(ここで、「<>」は偏差を表す記号として使用している。)、iδ *を理想的な一次磁束制御が行われる点(<λγ’>=<λδ’>=0)の値に選ぶと、相差角φは微少であり、iγ/Io=sinφ≒φ、cosφ≒(1−φ2/2)が成立するため下記式(10)が成立し、その結果、式(9)は下記式(11)のように表現することができる。
iδ *=Iδ−Iocosφ≒Iδ−Io+iγ 2/2Io ・・・(10)
【0023】
【数2】
【0024】
上記式(11)より、磁束制御系の特性方程式は、時間領域で表すと、
P2+Kδ/L・P+(ω1 2+Kγ/L)=0
となり、KγとKδを適切に選ぶことにより、ω1の全域(全動作領域)にわたって安定な一次磁束制御を行うことが可能になる。例えば、低速域の場合でも、実際の同期電動機ではLが極めて小さいためKγ/LやKδ/Lの値は極めて大きく、ω1が変化しても根の配置はあまり影響を受けず、安定した動作を行うことが可能になる。
以上のようにして、同期電動機の動作点が理想的な一次磁束制御の動作点からずれたときは、その影響がiδ≠iδ *として現れ、この偏差をvγ *及びvδ *にフィードバックすることにより、理想的な動作点に引き戻して安定な動作を行わせることが可能になる。
【0025】
以上述べたように、同期機に前記式(8)を満足する電圧を加えるとき、安定した一次磁束制御を行うことが可能になり、位置センサ無しで安定して、電機子電流に比例するトルクを発生させることが可能になる。尚、式(8)の指令値電圧vγ *及びvδ *は、後述するように、vu、vv、vwに座標変換され、インバータ装置を介して同期電動機に供給される。
【0026】
ところで、式(8)の電機子抵抗Rや式(10)の磁石(界磁)の強さIo(=Λ0/L)は、いずれも温度の関数である。例えば、一般の同期機では、巻線の温度が10度C上昇すると、電機子抵抗Rは約5%増加し、逆に、磁石の強さΛoは温度が上がると低下する。したがって、これらに誤差が生じると、λγ’及びλδ’にも誤差が生じてしまい、所望の安定した動作が困難になる恐れがある。そこで、以下のように、電機子抵抗R及び磁石の強さI0を自動補正することにより、安定な動作を行うようにする。
【0027】
先ず、電機子抵抗Rの自動補正法について説明すると、便宜上、電機子抵抗Rの推定値(式(8)において計算に用いる値)を《R》(「《》」は推定値を表す記号として使用している。)として式(8)のRに代入し又、定常状態を考えて式(6)及び式(8)においてP=0として、式(6)=式(8)とすると、
Riγ+Lω1<λδ’>=《R》iγ+Kγ(iδ *−iδ)/ω1
が成立する。
【0028】
ここで、(R−《R》)=△R、<λδ’>≒(iδ−iδ *)とすると次式が得られる。
ω1iγ・△R≒(Kγ+Lω1 2)(iδ *−iδ)
したがって、ω1iγ>0のときは、R>《R》ならば(iδ *−iδ)>0となる。そこで、現在の抵抗Rの値《R(kT)》がわかれば、t=kT〜(k+1)Tの間の電流誤差(iδ *−iδ)とω1iγの符号から、次の期間の抵抗Rの値が算定できることを利用して、下記式(12)を満たすように《R》を自動補正する。
【0029】
【数3】
【0030】
ここで、sgn(ω1iγ)は符号関数で、ω1iγ≧0の時は1、ω1iγ<0ならば−1の値をとる。
尚、後述するように、中央処理装置(CPU)を用いて式(12)の計算が行われるが、周期Tは前記CPUに入力されるデータのサンプリング周期を表している。また、電機子巻線の温度変化は緩慢であり、過渡状態では、《R》=Rであっても(iδ *−iδ)=0にならない場合があるので、積分ゲインKRの値は小さく選定した方がよい。
【0031】
次に、界磁の強さIo(=Λ0/L)の自動補正法について説明する。
式(8)の(iδ *−iδ)の項は積分器を通すので(式(12)参照)、定常状態ではiδ *=iδである。また、<λγ’>=iγ−Iosinφ≒0、iδ *=Iδ−Iocosφであるから、この2つの式からφを消去すると、
iγ 2+(iδ *−Iδ)2=iγ 2+(iδ−Iδ)2=Io 2
となる。
したがって、Ioの推定値《Io》を次式(13)のように補正すればよい。
【0032】
【数4】
【0033】
式(13)により、現在の値《Io(kT)》から、次の期間のIoの値が算定できる。この場合も、Ioの変化は緩やかであり、過渡状態では《Io》=Ioであっても上式の積分項が0にならないことがあるので、積分ゲインKIは小さな値に選ぶ方がよい。即ち、式(13)に示されるように、同期電動機が理想的な動作点近傍で動作する場合は、《Io》の誤差はiγとiδの関係に現れる。したがって、《Io》<Ioのときは、iγ 2+(iδ−Iδ)2>Io 2となるため、(iγ 2+(iδ−Iδ)2)=Io 2になるまで、KIを小さく選ぶことによって《Io》を少しずつ増加するように制御すればよい。
尚、式(13)では、2乗したものを積分するようにしており、積分項には正弦関数や余弦関数、あるいは平方根等が含まれていないため、CPUに大きな負担を与えずに式(13)の演算処理を行うことが可能になる。
【0034】
次に、回転速度を検出するためのセンサを用いることなく、回転速度を乱調のない安定した同期電動機の制御を行う方法について説明する。周知のように、同期機は同期速度でしか回転出来ないので、負荷の変動時等には図6の内部相差角δ(図7では相差角φ)が変動する現象、即ち、乱調が生じる。さらに、乱調が著しい場合には脱調に至り、モータは回転力を失って急停止してしまう危険がある。
【0035】
この問題を解決するためには、図7において、相差角φが所定の値(iγ=Iosinφを満足する相差角φ)よりも大きいときは、インバータ装置の角周波数ω1を現在の値よりも少し下げればよい。
dφ/dt=ωl−npωmまたはφ=∫(ωl−npωm)であるから、相差角φは漸次減少し、所定の値に移行する。逆に、相差角φが小さいときはω1を増加させればよい。
【0036】
これを具体的に説明すると、相差角φが小さい場合、前記式iγ=Iosinφにおいて、φをsinφ≒φの近似が成立する程度に小さいとすると、iγ≒Ioφとなり、iγはφに比例する。
このことから、相差角φの代わりにiγをKm倍してω1にフィードバックすることにより、インバータ装置の角周波数ωlを与える。
さらに、乱調を防止して系を安定化するため、KmTmP/(1+TmP)の項をフィードバック項として付加し、インバータ装置の角周波数ωlを、下記式(14)を満足するように与える。
【0037】
【数5】
【0038】
ここで、ω1 *=npωm *、ωm *は回転子の角速度指令値、npは極対数、Kmはフィードバックゲイン、Tmは1次遅れ系の時定数、P=d/dtである。式(14)のようにインバータ装置の角周波数ωlを与えることにより、iγが一定になる定常状態では、iγの時間微分Piγは0になるので、ω1=ω1 *となり、同期機は負荷に無関係に、指令値通りの角速度で回転する。
【0039】
また、加減速時や負荷の急変時のようにω1やiγが急激に変化する場合には、
TmP/(1+TmP)≒1
が成立する程度にTmを大きく選ぶと、式(14)は次のようになる。
ω1≒ω1 *−Kmiγ
したがって、例えば、ωl *を増加させたときは、dφ/dt>0となってφは増加するが、φに比例してiγも増加するので、ωlの増加を抑えるような負帰還が働くことになり、安定に動作させることが可能になる。よって、式(14)に基づいてω1を制御することにより、乱調のない安定な運転が可能になると共に、指令値通りの速度で同期電動機を回転させることが可能になる。
【0040】
次に、同期機の始動特性を改善するための制御法について説明する。位置センサレスの同期機駆動装置においては、停止時のφ(=φS)が判別できないため、一時的に同期電動機がωm *とは逆方向に回転することが起こり得る。
即ち、同期電動機が停止している状態では、回転子と固定子の位置関係(図6のδ又は図7のφ)を検出することができない。仮に、δ<0の状態でiγ(>0)を流すと、回転子は反時計方向に回転し、δ≒0の位置で停止する。その後ω1の上昇とともにδが漸次増加し、(これに伴ってトルクτも増加し(式(1)参照。)回転子は正規の時計方向に回転する。つまり、常に起こるとは限らないが、実用上好ましくない始動当初の逆転現象を避ける工夫が必要となる。
【0041】
同期電動機はδ=π/2(φ=0)の時、最も大きなトルクを発生する。したがって、この位置にφを設定した状態で、電流iγを流して始動を開始させるのが良い。そのために、γ巻線に対して直角の位置にあるδ巻線の電流(励磁電流)iδを活用する。
【0042】
これを詳細に説明すると、同期機の発生トルクτは、λ1 γ(=Lλγ’)、λ1 δ(=Lλδ’)に式(2)を代入して整理すると、下記式(15)のように表すことができる。
始動時の相差角φ(=φs)は任意であるから、何らかの方法によりφSを通常の動作角(φ≒0)の位置に移行させる必要がある。
【0043】
そのため、始動に先立って予備励磁期間を設けて、その期間中、
vγ *=0、iδ *=Iδ s(>0)、ω1=0
とする。ここで、IδSは、相差角φにおけるδ巻線の電流(励磁電流)である。この期間では同期電動機は次のように動作する。即ち、
λγ’=iγ−Iosinφs
npωm+dφ/dt=ω1=0
であるから、式(6)より、
vγ=Riγ+LPλγ’=(R+LP)iγ+npLIocosφs・ωm
が成立する。
【0044】
ここで、vγ=vγ *=0とし、また上式でLPiγの項は他に比べて小さい(P≒0)ので無視すると、下記式(16)が得られる。
cosφs・iγ≒−npLIocos2φs/R・ωm ・・・(16)
式(16)からわかるように、式(15)の右辺の第1項によるトルクは、常にωmと逆方向(制動力)に作用する。
【0045】
例えば、0<φs≦πの状態で予備励磁を行うものとすると、予備励磁の当初はωm=0であるから式(15)の右辺第2項のトルクだけが作用し、同期電動機は正方向(ωm>0)に回転する。この間にωmが上昇すると、iγによる制動力が働くので、同期電動機は過制動の状態でφsを0に移行させる。また、0>φs>−πの場合には、逆方向のトルクが働き、φsを0に移行させ、φSが0になった時点で予備励磁が終了する。そして、この動作が完了した時点でインバータ装置の角周波数ω1を式(14)のように与え、所望の値まで加速すればよい。
【0046】
以上のように本実施の形態においては、予備励磁を用いて同期電動機を最良の位置から始動させるようにしている。このとき、vγ=0(γ巻線を等価的に短絡状態にして置く。)にしているため、ωmに応じたiγが流れ、回転子がφS=0に向かって振動することなくスムーズに移行する。
【0047】
一方、同期電動機を停止させる時は、ω1 *≒0になる時点から前記の予備励磁期間を設ける。この操作により、同期電動機をφs=0の近傍で確実に停止させることが可能になる。同期電動機はφs=0に静的に安定な動作点をもつので、次の始動時にはφs≒0からの始動が可能である。以上の操作を行うことにより、予備励磁期間に回転子が逆方向に回転する危険があるのは最初の1回だけであり、回転子が逆方向に回転することを防止できる。
【0048】
図1は本発明の実施の形態に係るブロック図で、前記各制御動作を実現するための同期電動機駆動装置のブロック図である。
図1において、演算手段としての中央処理装置(CPU)101には、角速度指令値ωm *及び設定値が入力される。前記設定値としては、電機子抵抗R、界磁の強さIo、電機子巻線のインダクタンスL、電機子磁束鎖交数のδ軸成分LIδ、極対数np、各種ゲインKγ、Kδ、Km、KR、KI、時定数Tmがある。但し、電機子抵抗R及び界磁の強さIoは温度により変化するので、ノミナル値を与えておく。また、CPU101には、座標変換手段としての座標変換器103からiγ、iδが入力される。CPU101と座標変換器103は、制御手段を構成している。
尚、前記各ゲインKγ、Kδ、Km、KR、KI及び時定数Tmは制御目標等に応じて適宜選定できるが、一例をあげると、定格出力が2kWで又、定格電圧が115V、133Hzで2,000rpmの同期電動機の場合、Kγとして1.070[V/AS]、Kδとして2.60[V/A]、Kmとして、3.60[1/AS]KRとして0.15[V/A2S]、KIとして0.03[1/AS]、Tmとして0.10[S]程度の値が使用できる。
【0049】
CPU101からは、3相の指令値電圧vu *、vv *、vw *が後述するインバータ装置102に出力されると共に、座標変換器103に対してθ1が出力される。インバータ手段としてのインバータ装置102からは、同期電動機104に対して3相の駆動信号vu、vv、vwが供給されると共に、このときのモータ電流iv、iwがセンサCTによって検出され、座標変換器103に出力される。座標変換器103は、検出電流iv、iwを座標変換して、対応する電流iγ、iδをCPU101に出力する。
【0050】
図2は、CPU101の処理を示すフローチャートである。以下、図1及び図2を用いて、本実施の形態の動作を説明する。
先ず、CPU101は、ωm *、iγ、iδを取り込み(ステップS201)、ωm *及びiγからωl *(=npωm *)を算出する(ステップS202)。ωm *及びωl *がゼロか否かを判断し(ステップS203)、ωm *及びωl *がゼロの場合(始動時の場合)には、予備励磁期間を設けて、vγ *=0、ωl=0、vδ *=Riδ+Kδ・(iδS−iδ)とし、ステップS207に移行する。
【0051】
一方、ステップS203において、ωm *及びωl *がゼロでない場合(運転時の場合)には、式(8)、(10)、(14)を用いて、ωl、iδ *、vγ *、vδ *を算出する(ステップS204)。次に、Δωl *=0か否かを判断し(ステップS205)、Δωl *=0でない場合にはステップS207に移行し、Δωl *=0のときは《R》と《I0》の自動補正を行った後ステップS207に移行する(ステップS206)。ステップS207においては、θl=∫ωldtを算出し2進値に変換して、座標変換器103に出力する。
【0052】
また、vγ *及びvδ *を座標変換してvu〜vw(同期機に印加すべき電圧)を計算し、インバータ装置102への指令値電圧vu *、vv *、vw *を求めてインバータ装置102に出力する(ステップS209)。以後、上記動作を繰り返す。
【0053】
尚、図1に示すように、座標変換器103を用いて、iu、iv、iwからiγ、iδへの座標変換を行うのは、交流の過渡現象を直流の過渡現象として取り扱うにように直流に変換するためである。これにより、式の取り扱いが格段に簡略化されるばかりでなく、制御系の取り扱いが便利になる。
また、iu、iv、iwからiγ、iδへの座標変換に、ハードウェア構成の座標変換器103を用いるようにしているが、これは、iγやiδが直流であり、インバータ装置102のPWM制御に起因する電流のリップルが容易に除去できる利点があるためである。
【0054】
以上のようにして得られた指令値電圧vu *、vv *、vw *はインバータ装置102に出力されると共に、θ1が座標変換器103に出力され、インバータ装置102からは、指令値電圧vu *、vv *、vw *に基づいて同期電動機104に3相の駆動信号vu、vv、vwが出される。これにより、同期電動機104は安定した駆動が行われる。
【0055】
次に、前記各動作を実現するために指令値通りの駆動信号を出力可能なインバータ装置の例を説明する。図3は、図1のインバータ装置102の詳細を示す回路図で、インバータ装置102の三相のうちの一相分(u相)の回路図を示している。
図3において、図示しない整流回路によって充電され、直流電源を構成するコンデンサ301には、これと並列に、トランジスタTu +及びトランジスタTu −直列接続されている。トランジスタTu +は第1スイッチング手段を構成し、トランジスタTu −は第2スイッチング手段を構成している。
【0056】
トランジスタTu +のコレクタ−エミッタ間には帰還ダイオードDu +が接続され又、トランジスタTu −のコレクタ−エミッタ間には帰還ダイオードDu −が接続されている。トランジスタTu +のエミッタとトランジスタTu −のコレクタとの接続点は負荷に接続されると共に、分圧回路を構成する抵抗R1と抵抗R2の直列回路に接続されている。
【0057】
一方、CPU101からの指令値電圧vu *は乗算回路306を介して、差分信号出力手段を構成する減算回路(加合せ点)303の正入力部に、指令値ηu *を指示するための指令値信号が入力されている。また、減算回路303の負入力部には抵抗R1と抵抗R2の接続点が接続され、これによって減算回路303の負入力部には、出力電位vuを抵抗R1及びR2で分圧した電位ηuが入力されている。
【0058】
減算回路303の出力部は、記憶手段としての積分回路304の入力部に接続されている。積分回路304の出力部はヒステリシス・コンパレータ手段としてのヒステリシス・コンパレータ回路305の入力部に接続されている。ヒステリシス・コンパレータ回路305は、積分回路304の出力電圧eを所定のしきい値電圧と比較し、比較結果に応じてHレベル又はLレベルの制御信号Sを出力する。
【0059】
ヒステリシス・コンパレータ回路305の出力部には、前記制御信号Sの立ち上がりをTdだけ遅延させるために遅延手段としての周知の遅延回路302が接続されている。遅延回路302からは、前記制御信号Sの立ち上がりをTdだけ遅延させた信号である駆動信号がトランジスタTu +、Tu −の各ベースに供給されるように構成されている。
【0060】
一方、図4は、図3に示したインバータ装置102の動作原理を説明するための図で、積分回路304の出力電圧eの時間的変化が、遅延回路302の有無によって相違する様子を対比して示している。遅延回路302を設けない場合、即ち、制御信号Sと駆動信号の変化のタイミングが一致するTd=0の場合を実線で示し、遅延回路302を設けた場合、即ち、駆動信号の立ち上がりが制御信号SよりもTdだけ遅れる場合を破線で示している。
【0061】
以下、図3及び図4を用いて、インバータ装置102の動作を説明する。
出力電位Vuは抵抗R1、R2によって分圧され、出力に関連する信号として、電位ηu(=Kvu、但し、K=R2/(R1+R2))が減算回路303の負入力部に入力される。減算回路303からは、電位ηuと指令値ηu *(=Kvu *)の差に相当する差分信号が積分回路304に供給される。前記差分信号は積分回路304によって時間積分され、次式(17)で表される出力電圧eがヒステリシス・コンパレータ回路305に出力される。
【0062】
【数6】
【0063】
前記出力電圧eは、ヒステリシス・コンパレータ回路305によって所定のしきい値と比較され、後述するように、比較結果に応じてHレベル又はLレベルの制御信号Sが出力される。前記制御信号Sは、該制御信号SがHレベルのときトランジスタTu +をオンに制御し、LレベルのときはトランジスタTu −をオンに制御するための信号である。
【0064】
遅延回路302を設けないTd=0のときは、前記制御信号Sと同一波形の駆動信号がトランジスタTu +、Tu −に供給される。従って、ヒステリシス・コンパレータ回路305の出力が変化すると直ちに出力電位vuが変化し、これに応答して積分回路304の出力電圧eが変化するため、出力電圧eは図3の実線で示すようにヒステリシス・コンパレータ回路305の第1のしきい値ΔHと第2のしきい値−△Hの間で変化する。よって、出力電圧eの1周期の時間をTとすれば、次式(18)が成立する。
【0065】
【数7】
【0066】
指令値vu *の周期は出力電圧eの周期に比し十分大きいので、次式(19)を満足する制御が実用上十分な精度で実現できる。
【0067】
【数8】
【0068】
一方、図3に示すように遅延回路302を設けた場合、前記制御信号Sの立ち上がりがTdだけ遅延された後、駆動信号としてトタンジスタTu +、Tu −に供給されるため、トランジスタTu +、Tu −は、前記制御信号SよりもTd遅れてオンすることになる。
この場合、負荷電流iuが正の時にはトランジスタTu +がTdだけ遅延してオンするので、図4の破線で示すように、この遅延分だけ出力電圧eはしきい値ΔHを越えて動作する。但し、負荷電流iuが正の場合、トランジスタTu −のオンがTdだけ遅れても、帰還ダイオードDu −が先にオンするので、出力電圧eは−ΔH以下に低下することはない。尚、負荷電流iuが負の場合は、図4を時間軸tを中心として上下反転させた図となる。
【0069】
ところで、トランジスタTu +、Tu −、帰還ダイオードDu +、Du −の電圧降下を無視すれば、出力端子の瞬時的な電位はトランジスタTu +がオンの期間ではVdで一定、トランジスタTu −またはダイオードDu −がオンの期間では0で一定である。
したがって、出力電位vuの周期T、T’の平均値Euは、
Td=0の時:Eu=(τ+/T)・Vd、
Tdを設けた時:Eu=(τ+’/T’)・Vd
となる。
【0070】
周期TやT’は指令値vu *の周期に比べ極めて小さく、この間の出力電圧eの変化は直線とみなせるので、τ+/T=τ+’/T’が実用上十分な精度で成り立ち得る。即ち、Tdによる時間遅れがあっても、積分回路304がこの間における電位ηuと指令値ηu *の電圧誤差を記憶しており、次のサイクルでこれを補償するようにトランジスタTu +、Tu −のオン時間又はオフ時間を自動調整することになり、指令値vu *に対応する出力Euが得られる。従って、指令値vu *に対応するPWM波形の出力vuを得ることができる。
尚、前記の説明では、トランジスタTu +、Tu −、帰還ダイオードDu +、Du −の電圧降下や動作の時間遅れを無視して説明したが、電位ηuにはこれらが加味されるので、指令値vu *通りの出力を得ることができる。
【0071】
次に、図3に示したインバータ装置の全体的な動作を、図5のタイミング図を用いて説明する。図5には、指令値ηu *、電位ηu、積分回路304の出力電圧e、制御信号S及びトランジスタTu +、Tu −のオン・オフのタイミングを示している。尚、指令値vu *及び出力vuは、指令値ηu *、電位ηuを1/K倍した信号であり、各々、これらと同一のタイミングで変化する波形となる。また、図5は負荷電流iuが正の場合を示している。
【0072】
時刻T1において、出力電圧eがしきい値−△Hに等しくなると、ヒステリシス・コンパレータ回路305がこれを検出して、Lレベルの制御信号Sを出力する。これにより、トランジスタTu +はオフ、電位ηuは0となり又、出力電圧eは上昇を開始する。Td経過後にトランジスタTu −はオンとなる。出力電圧eがしきい値△Hに達すると、ヒステリシス・コンパレータ回路305がこれを検出して、Hレベルの制御信号Sを出力する。これにより、トランジスタTu −はオフとなる。また、出力電圧eはこの後も引き続き上昇を続ける。
【0073】
Td経過後にトランジスタTu +がオンになると、電位ηuがKVdとなり又、出力電圧eは下降を開始する。出力電圧eがしきい値−△Hに達すると、ヒステリシス・コンパレータ回路305がこれを検出して、Lレベルの制御信号Sを出力する。これにより、トランジスタTu +はオフ、電位ηuは0となり又、出力電圧eは上昇を開始する。以後、この動作を繰り返す。
【0074】
このとき、出力電圧eは式(18)で示したように、(ηu *−ηu)を時間積分したものであるから、その勾配(de/dt)は(ηu *−ηu)に比例して変化し、指令値ηu *と電位ηuの瞬時値の電位差が大きいほど急になる。従って、前記電位差が大きいほど、制御信号Sのパルス幅は狭くなり又、トランジスタTu +がオンする時間も短くなる。これに伴い、電位ηuのパルス幅も狭くなり、指令値ηu *に対応した狭いパルス幅の電位ηuが得られる。
逆に、前記電位差が小さいほど電位ηuのパルス幅は広くなり、指令値ηu *に対応した広いパルス幅の電位ηuが得られる。
【0075】
上記動作を繰り返すことによって得られる周期Tの平均値Euは、式(20)に示すように、指令値vu *(=ηu */K)に等しくなり、その結果、指令値vu *に等しいPWM波形の出力vu(=ηu/K)が得られる。
したがって、積分回路等の記憶手段を設けるという簡単な構成で、アーム短絡防止時間や素子の電圧降下等による影響を補償し、指令値通りの出力を得ることができる。
【0076】
尚、出力に関連する信号である電位ηuと指令値ηu *の電圧誤差を記憶するために積分回路304を使用したが、他の記憶手段、例えば信号をデジタル処理する場合には、RAM(Random Access Memory)等のデジタル的な記憶装置を使用し、Tdによって生じる電圧誤差を記憶させて次のサイクルで補償するようにしても良い。また、電位ηuを発生させるために抵抗R1、R2を用いて分圧するようにしたが、直列接続された複数個のコンデンサを用いて分圧する等、種々の変更が可能である。さらに、出力に関連する信号として電位ηuを使用したが、出力電位vuを前記信号として直接使用してもよい。また、スイッチング手段としてトランジスタを用いたが、IGBTやサイリスタ等の他のスイッチング素子を使用することもできる。
【0077】
以上述べたように本実施の形態によれば、位置センサレスにできるため廉価に構成することが可能になる。また、電機子電流に比例したトルクを安定して発生させることが可能になる。さらに、乱調のない安定した動作を行わせることが可能になる。また、始動及び停止を良好に行わせることが可能になる。また、電機子抵抗及び界磁の強さが変動しても自動補正することにより安定な動作を行わせることが可能になる。
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば、位置センサレスとすることができるため廉価に構成することが可能になり又、安定な駆動が可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係る動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】 本発明の実施の形態に使用するインバータ装置のブロック図である。
【図4】 本発明の実施の形態に使用するインバータ装置の動作を説明するためのタイミング図である。
【図5】 本発明の実施の形態に使用するインバータ装置の動作を説明するためのタイミング図である。
【図6】 本発明の実施の形態の動作を説明するための図である。
【図7】 本発明の実施の形態の動作を説明するための図である。
【符号の説明】
101・・・制御手段を構成するCPU
102・・・インバータ手段としてのインバータ装置
103・・・制御手段を構成する座標変換器
104・・・同期電動機[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a synchronous motor driving device for driving a synchronous motor.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, synchronous motors have been used in various electric devices. Compared to induction motors, synchronous motors are smaller and lighter, more efficient, can be servo-locked, and always rotate at a synchronous speed regardless of the size of the load. It is desired that the synchronous motor can be driven and controlled by a simple and simple driving device.
[0003]
Incidentally, torque characteristics are one of the characteristics required for a synchronous motor. Generally, when the generated torque is τ, τ = np・ Λo・ Ia(However, np: Number of pole pairs, Λo: Number of flux linkages of armature by field, ia: Armature current), and such a linear characteristic becomes an important characteristic in the control system. A direct current (DC) brushless motor is an inverter-driven synchronous motor that achieves this.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, since the conventional DC brushless motor uses a complicated position sensor for detecting the relative position of the stator and the rotor, it is expensive and the noise of the signal line is mixed. There was also a problem in terms of reliability.
In addition to the torque characteristics described above, the synchronous motor must be capable of smooth operation without turbulence or step-out, can be smoothly started and stopped, and must be robust against changes in constants. , Etc., stable characteristics are required.
[0005]
An object of the present invention is to provide a synchronous motor drive device that can be configured at low cost by not using a position sensor and that can stably drive a synchronous motor.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The synchronous motor drive device of the present invention comprises control means for outputting a command value signal and inverter means for outputting a drive signal corresponding to the command value signal to the synchronous motor, wherein the control means is an electric machine of the synchronous motor. The element resistance is R, the armature winding inductance is L, and the angular frequency of the inverter means is ω.1, Iδ= Λδ/ L (Λδ: Number of flux linkages of armature δ winding), and γ-axis component of armature current iγ, The δ-axis component of the armature current is iδ, The command value of the δ-axis component of the armature current is iδ *, Current error (iδ *-Iδ) Feedback gain of Kγ, KδAs
vγ *= Riγ+ Lω1Iδ+ Kγ・ (Iδ *-Iδ) / Ω1
vδ *= Riδ+ Kδ・ (Iδ *-Iδ)
The command value voltage that satisfies the relationshipγ *, Vδ *Is output to the inverter means as the command value signal.
The control means
vγ *= Riγ+ Lω1Iδ+ Kγ・ (Iδ *-Iδ) / Ω1
vδ *= Riδ+ Kδ・ (Iδ *-Iδ)
Voltage that satisfies the relationshipγ *, Vδ *Is calculated and output to the inverter means as a command value signal. The inverter means supplies a drive signal corresponding to the command value signal to the synchronous motor.
[0007]
Further, the synchronous motor drive device of the present invention comprises control means for outputting a command value signal and inverter means for outputting a drive signal corresponding to the command value signal to the synchronous motor, wherein the control means has a phase difference angle φ Is greater than a predetermined value, the angular frequency ω of the inverter means1The inverter means is controlled so as to reduce the angular frequency ω, and when the phase difference angle φ is smaller than a predetermined value, the angular frequency ω1The inverter means is controlled so as to increase
[0008]
At this time, the control means sets the angular frequency of the inverter device to ωl, Ω1 *= Npωm *(Ωm *Is the angular velocity command value of the rotor), npIs the number of pole pairs, KmIs the feedback gain, TmIs the time constant of the first-order lag system, P = d / dt,
ωl= Ωl *-Km・ {TmP / (1 + TmP)} ・ iγ
The synchronous motor may be controlled so as to satisfy the above.
[0009]
Further, the control means provides a pre-excitation period prior to starting the synchronous motor and immediately before the synchronous motor is stopped, and during the pre-excitation period, vγ *= 0, iδ *= Iδ s(> 0, δ winding current during pre-excitation period), ω1You may comprise so that it may control to = 0.
[0010]
Further, the control means is (iδ *-Iδ), The estimated value << R >> of the armature resistance may be increased or decreased.
Furthermore, the control means includes iγAnd iδField strength estimate << Io>> may be increased or decreased.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below. In this embodiment, the synchronous motor is driven by a variable frequency / variable voltage (VVVF) inverter device, so that the position sensor is omitted and the angular speed (inverter angular frequency ω) designated by the synchronous motor is omitted.1), And even if the load increases or decreases, the speed fluctuation can be suppressed. Further, torque τ∝current i (hereinafter, torque current iγWill be described. The primary magnetic flux control method is used to obtain the characteristics of That is, a method is used in which the voltage is controlled so that the number of flux linkages of the armature becomes a predetermined value.
[0012]
First, control for obtaining a torque τ proportional to the armature current without using a position sensor (no position sensor) will be described. As shown in FIG. 6, the angular frequency ω is applied to the winding of the armature (stator in FIG. 6) 601 of the synchronous motor.1When an equilibrium three-phase current of1/ Np(NpIs the number of pole pairs) in the gap.
[0013]
Now, the
τ = np・ Λo・ Sinδ ・ iγ ... (1)
Where ΛoIs the number of flux linkages in the armature by the field, iγIs the γ-axis component of the armature current.
From equation (1), it can be seen that if δ is selected to be π / 2 (during motor operation) or -π / 2 (during regenerative braking), torque can be generated most efficiently for the same current (described above). In a brushless motor, a position sensor is used to control δ so that it is in the above position).
[0014]
Next, the torque current i is determined by the primary magnetic flux control method.γA description will be given of whether a torque τ proportional to can be obtained.
FIG. 7 is a diagram depicting the number of primary magnetic flux linkages (hereinafter referred to as primary magnetic flux) of a synchronous motor with reference to the dq coordinates of the rotor. Here, the q-axis is an axis that rotates 90 degrees clockwise from the d-axis and is orthogonal to the d-axis.
In FIG. 7, since the magnetic axis of the field is selected as the d-axis, λd= Λo, Λq= 0. γ-δ axis is electrical angular angular velocity ω1In this case, the coordinate system is shown as being advanced by an angle φ from the dq axis. Further, the γ-axis component of the armature current is expressed as the torque current i.γAs shown. Note that there is a relationship of φ = (δ−π / 2) between the phase difference angle (angle between the γ-δ axis and the dq axis) φ and the internal phase difference angle δ in FIG.
[0015]
Now, as shown in FIG. 7, the γ-axis component and δ-axis component of the primary magnetic flux and the armature current are respectively expressed as λ1 γ, Λ1 δAnd iγ, IδΓ-axis component and δ-axis component of the field magnetic flux2 γ, Λ2 δIf the inductance of the armature winding is denoted by L, two pairs of the following formulas (2)
λ1 γ= Liγ+ Λ2 γ, Λ2γ= -Λosinφ
λ1 δ= Liδ+ Λ2 δ, Λ2δ= Λocosφ (2)
Is obtained.
[0016]
Using the quantities defined as described above, the generated torque τ can be calculated from the equations (1) and (2):
τ = np(Λ1 δiγ−λ1 γiδ)
Therefore, the primary magnetic flux is expressed as a pair of the following formulas (4)
λ1 γ= 0
λ1 δ= Λδ(Set value) (4)
If the control is performed to satisfy the following equation (5)
τ = np・ Λδ・ Iγ ... (5)
Is established, and the synchronous machine has a torque current i regardless of the rotational speed.γTorque proportional to can be generated.
[0017]
The above is the principle of the primary magnetic flux control method. In this embodiment, the primary magnetic flux is controlled as follows in order to stably and accurately control the primary magnetic flux to the value of equation (4).
First, λ1 γ/ L = λγ’, Λ1 δ/ L = λδ’、 Iδ= Λδ/ L, Io= ΛoIn general, the voltage equation of a synchronous machine is a pair of the following formulas (6)
vγ= Riγ+ LPλγ'+ Lω1λδ’
vδ= Riδ+ LPλδ'-Lω1λγ′ (6)
Given in.
However, P = d / dt (differential operator) and, as is clear from FIG.
λγ'= Iγ-Iosinφ
λδ'= Iδ+ Iocosφ
It is.
[0018]
By the way, ideal primary magnetic flux control (λγ′ = 0, λδ'= Iδ) Is the i-axis component and δ-axis component of the armature current iγ *, Iδ *And in the above equation, λγ′ = 0, λδ'= IδSubstituting and rearranging gives a pair of the following formulas (7).
iγ *= Iosinφ
iδ *= Iδ-Iocosφ (7)
[0019]
To control the primary flux to the above value, the current is iγ= Iγ *, Iδ= Iδ *(At this time, iγ *, Iδ *Corresponds to the command value current, and “*” is used as a symbol representing the command value. This can be realized by providing a control loop such as For this purpose, consider applying a pair of voltages represented by the following formula (8) to the synchronous machine.
vγ *= Riγ+ Lω1Iδ+ Kγ・ (Iδ *-Iδ) / Ω1
vδ *= Riδ+ Kδ・ (Iδ *-Iδ(8)
It should be noted that the third term on the right side of the first equation of the equation (8) and the second term on the right side of the second equation are current feedback terms, and Kγ, KδIs the command value current i of the δ-axis component of the armature currentδ *And the actual current iδError between (iδ *-Iδ) Command value voltage vγ *And vδ *It is a gain when feeding back. Further, the armature resistance R is an estimated value, as will be described later, and is automatically corrected to prevent an error due to temperature.
[0020]
Here, considering the stability of the control according to the equation (8), as will be described later, the inverter device for driving the synchronous machine has a command value voltage vγ *, Vδ *When outputting the street voltage, vγ= Vγ *, Vδ= Vδ *Therefore, the following formula (9) is obtained by arranging the formula (6) = the formula (8).
[0021]
[Expression 1]
[0022]
On the other hand, λ mentioned aboveγ′ And λδFrom the relational expression '
(Here, “<>” is used as a symbol representing deviation), and i.δ *The point where ideal primary magnetic flux control is performed (<λγ'> = <Λδ′> = 0), the phase difference angle φ is very small, iγ/ Io= Sinφ≈φ, cosφ≈ (1-φ2/ 2) holds, the following formula (10) holds, and as a result, the formula (9) can be expressed as the following formula (11).
iδ *= Iδ-Iocosφ≈Iδ-Io+ Iγ 2/ 2Io (10)
[0023]
[Expression 2]
[0024]
From the above equation (11), when the characteristic equation of the magnetic flux control system is expressed in the time domain,
P2+ Kδ/ L ・ P + (ω1 2+ Kγ/ L) = 0
And KγAnd KδBy choosing appropriately, ω1It is possible to perform stable primary magnetic flux control over the entire region (the entire operation region). For example, even in the low speed range, L is extremely small in an actual synchronous motor, so Kγ/ L and Kδ/ L is very large, ω1Even if changes, the arrangement of the roots is not affected so much and stable operation can be performed.
As described above, when the operating point of the synchronous motor deviates from the ideal operating point of the primary magnetic flux control, the effect is i.δ≠ iδ *And this deviation is expressed as vγ *And vδ *Thus, it becomes possible to return to the ideal operating point and perform a stable operation.
[0025]
As described above, when a voltage satisfying the above equation (8) is applied to the synchronous machine, stable primary magnetic flux control can be performed, and torque proportional to the armature current is stable without a position sensor. Can be generated. The command value voltage v in equation (8)γ *And vδ *Is v, as will be described later.u, Vv, VwThe coordinates are converted to the above and supplied to the synchronous motor through the inverter device.
[0026]
By the way, the armature resistance R of the formula (8) and the strength I of the magnet (field) of the formula (10).o(= Λ0/ L) is a function of temperature. For example, in a general synchronous machine, when the temperature of the winding increases by 10 ° C., the armature resistance R increases by about 5%, and conversely, the strength of the magnet ΛoDecreases with increasing temperature. Therefore, if an error occurs in these, λγ′ And λδAlso, an error may occur in ', which may make it difficult to perform a desired stable operation. Therefore, armature resistance R and magnet strength I are as follows:0Is automatically corrected to perform stable operation.
[0027]
First, an automatic correction method for the armature resistance R will be described. For convenience, an estimated value of the armature resistance R (value used for calculation in the equation (8)) is << R >> ("<< >>" is a symbol representing the estimated value). Substituting into R in equation (8) as P) in equation (6) and equation (8), P = 0, and equation (6) = equation (8)
Riγ+ Lω1<Λδ′ > = 《R》 iγ+ Kγ(Iδ *-Iδ) / Ω1
Is established.
[0028]
Where (R − << R >>) = ΔR, <λδ′> ≒ (iδ-Iδ *), The following equation is obtained.
ω1iγ・ △ R ≒ (Kγ+ Lω1 2) (Iδ *-Iδ)
Therefore, ω1iγWhen> 0, if R> << R >> (iδ *-Iδ)> 0. Therefore, if the current value of the resistance R << R (kT) >> is known, the current error (i) between t = kT and (k + 1) Tδ *-Iδ) And ω1iγBy using the fact that the value of the resistance R in the next period can be calculated from the sign of <R>, << R >> is automatically corrected so as to satisfy the following expression (12).
[0029]
[Equation 3]
[0030]
Where sgn (ω1iγ) Is the sign function, ω1iγ1 when ≧ 0, ω1iγIf <0, it takes a value of -1.
As will be described later, the calculation of Expression (12) is performed using a central processing unit (CPU), and the period T represents a sampling period of data input to the CPU. Further, the temperature change of the armature winding is slow, and in the transient state, even if << R >> = R (iδ *-Iδ) = 0, so there is a case where integral gain KRIt is better to select a smaller value.
[0031]
Next, field strength Io(= Λ0/ L) automatic correction method will be described.
(I in equation (8)δ *-Iδ) Term is passed through the integrator (see equation (12)), i.δ *= IδIt is. Also, <λγ'> = Iγ-Iosinφ≈0, iδ *= Iδ-IoSince it is cosφ, if φ is deleted from these two equations,
iγ 2+ (Iδ *-Iδ)2= Iγ 2+ (Iδ-Iδ)2= Io 2
It becomes.
Therefore, IoEstimated value of << IoCan be corrected as in the following equation (13).
[0032]
[Expression 4]
[0033]
From equation (13), the current value << IoFrom (kT) >>, the value of Io for the next period can be calculated. Again, IoChanges slowly, and in the transient state << Io>> IoEven so, the integral term in the above equation may not become zero, so the integral gain KIIt is better to choose a smaller value. That is, as shown in Equation (13), when the synchronous motor operates near the ideal operating point, << IoThe error ofγAnd iδAppear in the relationship. Therefore, << Io》 <IoIγ 2+ (Iδ-Iδ)2> Io 2(Iγ 2+ (Iδ-Iδ)2) = Io 2K untilIBy selecting a smaller value, << Io>> may be controlled to increase little by little.
In equation (13), the squared product is integrated, and the integral term does not include a sine function, cosine function, square root, or the like. 13) can be performed.
[0034]
Next, a description will be given of a method for controlling the synchronous motor without causing the rotation speed to be unstable without using a sensor for detecting the rotation speed. As is well known, since the synchronous machine can only rotate at the synchronous speed, a phenomenon in which the internal phase difference angle δ in FIG. 6 (the phase difference angle φ in FIG. 7) varies, that is, turbulence occurs when the load varies. Furthermore, when the turbulence is remarkable, the step-out occurs, and the motor loses the rotational force and there is a risk of sudden stop.
[0035]
In order to solve this problem, in FIG. 7, the phase difference angle φ is a predetermined value (iγ= Iois greater than the phase difference angle φ that satisfies sin φ), the angular frequency ω of the inverter device1Should be slightly lower than the current value.
dφ / dt = ωl-NpωmOr φ = ∫ (ωl-Npωm), The phase difference angle φ gradually decreases and shifts to a predetermined value. Conversely, when the phase difference angle φ is small, ω1Can be increased.
[0036]
Specifically, when the phase difference angle φ is small, the equation iγ= IoIn sin φ, if φ is small enough to satisfy the approximation of sin φ≈φ, iγ≒ Ioφ and iγIs proportional to φ.
From this, i is substituted for the phase difference angle φ.γKmMultiplied by ω1Is fed back to the angular frequency ω of the inverter devicelgive.
Furthermore, in order to prevent turbulence and stabilize the system, KmTmP / (1 + TmThe term of P) is added as a feedback term, and the angular frequency ω of the inverter devicelIs given so as to satisfy the following formula (14).
[0037]
[Equation 5]
[0038]
Where ω1 *= Npωm *, Ωm *Is the rotor angular velocity command value, npIs the number of pole pairs, KmIs the feedback gain, TmIs the time constant of the first-order lag system, P = d / dt. The angular frequency ω of the inverter device as shown in equation (14)lIγIn a steady state where is constant, iγTime derivative PiγBecomes 0, so ω1= Ω1 *Thus, the synchronous machine rotates at an angular velocity according to the command value regardless of the load.
[0039]
Also, when accelerating / decelerating or when the load changes suddenly,1Or iγIf changes rapidly,
TmP / (1 + TmP) ≒ 1
T to the extent thatm(14) becomes as follows when it chooses large.
ω1≒ ω1 *-Kmiγ
Thus, for example, ωl *When d is increased, φ increases as dφ / dt> 0, but i increases in proportion to φ.γAlso increases, so ωlNegative feedback that suppresses the increase of the power works, and it becomes possible to operate stably. Therefore, ω based on equation (14)1By controlling the above, stable operation without turbulence can be achieved, and the synchronous motor can be rotated at a speed according to the command value.
[0040]
Next, a control method for improving the starting characteristics of the synchronous machine will be described. In a synchronous machine drive device without a position sensor, φ at the time of stop (= φS) Cannot be discriminated, so the synchronous motor is temporarilym *It is possible to rotate in the opposite direction.
That is, when the synchronous motor is stopped, the positional relationship between the rotor and the stator (δ in FIG. 6 or φ in FIG. 7) cannot be detected. Suppose that δ <0 and iγWhen (> 0) is applied, the rotor rotates counterclockwise and stops at a position where δ≈0. Then ω1Δ gradually increases with the rise of the torque, and the torque τ also increases with this (see Equation (1)). The rotor rotates in the normal clockwise direction, that is, it does not always occur, but in practical use. It is necessary to devise a technique for avoiding an undesirable reverse phenomenon at the start.
[0041]
The synchronous motor generates the largest torque when δ = π / 2 (φ = 0). Therefore, with the φ set at this position, the current iγIt is better to start the engine by running Therefore, the current (excitation current) i of the δ winding at a position perpendicular to the γ winding isδTake advantage of.
[0042]
Explaining this in detail, the generated torque τ of the synchronous machine is λ1 γ(= Lλγ’), Λ1 δ(= LλδBy substituting the expression (2) into '), it can be expressed as the following expression (15).
Phase difference angle at start-up φ (= φs) Is optional.SMust be shifted to the position of the normal operating angle (φ≈0).
[0043]
Therefore, a pre-excitation period is provided prior to starting, and during that period,
vγ *= 0, iδ *= Iδ s(> 0), ω1= 0
And Where IδSIs the current (excitation current) of the δ winding at the phase difference angle φ. During this period, the synchronous motor operates as follows. That is,
λγ'= Iγ-Iosinφs
npωm+ Dφ / dt = ω1= 0
Therefore, from equation (6),
vγ= Riγ+ LPλγ'= (R + LP) iγ+ NpLIocosφs・ Ωm
Is established.
[0044]
Where vγ= Vγ *= 0 and LPi in the above equationγSince this term is smaller than the others (P≈0) and is ignored, the following equation (16) is obtained.
cosφs・ Iγ≒ -npLIocos2φs/ R ・ ωm ... (16)
As can be seen from equation (16), the torque according to the first term on the right side of equation (15) is always ω.mActing in the opposite direction (braking force).
[0045]
For example, 0 <φsAssuming that pre-excitation is performed in the condition of ≦ π, at the beginning of pre-excitation, ωm= 0, only the torque of the second term on the right side of the equation (15) acts, and the synchronous motor is in the positive direction (ωmRotate to> 0). During this time ωmRises, iγBecause the braking force due to works, the synchronous motorsTo 0. 0> φsIn the case of> −π, reverse torque works and φsIs shifted to 0, φSPreexcitation ends when becomes zero. And when this operation is completed, the angular frequency ω of the inverter device1Is given as shown in Equation (14) and accelerated to a desired value.
[0046]
As described above, in the present embodiment, the synchronous motor is started from the best position using pre-excitation. At this time, vγ= 0 (y winding is equivalently short-circuited), so ωmI depending onγFlows and the rotor is φSSmooth transition without vibration toward = 0.
[0047]
On the other hand, when stopping the synchronous motor,1 *The pre-excitation period is provided from the time when ≈0. By this operation, the synchronous motorsIt becomes possible to stop reliably in the vicinity of = 0. Synchronous motor is φs= 0 because it has a statically stable operating point,sStarting from ≈0 is possible. By performing the above operation, there is a risk that the rotor rotates in the reverse direction during the pre-excitation period only once, and the rotor can be prevented from rotating in the reverse direction.
[0048]
FIG. 1 is a block diagram according to an embodiment of the present invention, and is a block diagram of a synchronous motor driving device for realizing each control operation.
In FIG. 1, a central processing unit (CPU) 101 serving as a calculation unit has an angular velocity command value ω.m *And a set value is input. The set values include armature resistance R and field strength I.o, Inductance L of armature winding, δ-axis component LI of armature flux linkage numberδ, Pole pair number npVarious gains Kγ, Kδ, Km, KR, KI, Time constant TmThere is. However, armature resistance R and field strength IoSince changes with temperature, give a nominal value. Also, the
Each gain Kγ, Kδ, Km, KR, KIAnd time constant TmCan be appropriately selected according to the control target, etc. For example, in the case of a synchronous motor with a rated output of 2 kW and a rated voltage of 115 V, 133 Hz and 2,000 rpm, Kγ1.070 [V / AS], Kδ2.60 [V / A], KmAs 3.60 [1 / AS] KR0.15 [V / A as2S], KI0.03 [1 / AS], TmA value of about 0.10 [S] can be used.
[0049]
From the
[0050]
FIG. 2 is a flowchart showing the processing of the
First, the
[0051]
On the other hand, in step S203, ωm *And ωl *Is not zero (during operation), using equations (8), (10), and (14),l, Iδ *, Vγ *, Vδ *Is calculated (step S204). Next, Δωl *= 0 or not (step S205), Δωl *If not = 0, the process proceeds to step S207, and Δωl *When = 0, << R >> and << I0After the automatic correction of >>, the process proceeds to step S207 (step S206). In step S207, θl= ∫ωldt is calculated, converted into a binary value, and output to the coordinate converter 103.
[0052]
And vγ *And vδ *Vu~ Vw(Voltage to be applied to the synchronous machine) is calculated and the command value voltage v to the
[0053]
In addition, as shown in FIG.u, Iv, IwTo iγ, IδThe reason for performing the coordinate conversion to is to convert the AC transient to DC so as to treat it as a DC transient. This not only greatly simplifies the handling of the equations, but also makes the handling of the control system convenient.
Iu, Iv, IwTo iγ, IδThe coordinate converter 103 having a hardware configuration is used for the coordinate conversion to i.γOr iδThis is because there is an advantage that current ripple caused by PWM control of the
[0054]
The command value voltage v obtained as described above.u *, Vv *, Vw *Is output to the
[0055]
Next, an example of an inverter device capable of outputting a drive signal according to a command value in order to realize each operation will be described. FIG. 3 is a circuit diagram showing details of the
In FIG. 3, a capacitor 301 that is charged by a rectifier circuit (not shown) and constitutes a DC power supply is connected in parallel with a transistor Tu +And transistor Tu −They are connected in series. Transistor Tu +Constitutes the first switching means, the transistor Tu −Constitutes second switching means.
[0056]
Transistor Tu +Feedback diode D between the collector and emitteru +Is also connected to the transistor Tu −Feedback diode D between the collector and emitteru −Is connected. Transistor Tu +Emitter and transistor Tu −Is connected to the load, and the resistor R constituting the voltage dividing circuit is connected to the load.1And resistance R2Connected to the series circuit.
[0057]
On the other hand, the command value voltage v from the
[0058]
An output unit of the subtracting
[0059]
The output of the
[0060]
On the other hand, FIG. 4 is a diagram for explaining the operating principle of the
[0061]
Hereinafter, the operation of the
Output potential VuIs resistance R1, R2As a signal related to the output,u(= KvuHowever, K = R2/ (R1+ R2)) Is input to the negative input section of the
[0062]
[Formula 6]
[0063]
The output voltage e is compared with a predetermined threshold value by a
[0064]
T without
[0065]
[Expression 7]
[0066]
Command value vu *Is sufficiently larger than the period of the output voltage e, so that the control satisfying the following expression (19) can be realized with sufficient practical accuracy.
[0067]
[Equation 8]
[0068]
On the other hand, when the
In this case, the load current iuWhen T is positive, transistor Tu +Is TdThe output voltage e operates beyond the threshold value ΔH by this delay as shown by the broken line in FIG. However, the load current iuIs positive, transistor Tu −Is on TdThe feedback diode Du −Is turned on first, the output voltage e does not drop below -ΔH. The load current iu4 is a diagram obtained by vertically inverting FIG. 4 about the time axis t.
[0069]
By the way, transistor Tu +, Tu −, Feedback diode Du +, Du −If the voltage drop of the output terminal is ignored, the instantaneous potential of the output terminal is the transistor Tu +When V is on, VdConstant at transistor Tu −Or diode Du −Is constant at 0 during the on-period.
Therefore, the output potential vuAverage value E of periods T and T 'uIs
Td= 0: Eu= (Τ + / T) · Vd,
TdE: Eu= (Τ + '/ T') · Vd
It becomes.
[0070]
The period T or T ′ is the command value vu *Since the change of the output voltage e during this period can be regarded as a straight line, τ + / T = τ + '/ T' can be established with sufficient accuracy in practice. That is, TdEven if there is a time delay due touAnd command value ηu *The transistor T is stored so that it is compensated for in the next cycle.u +, Tu −Will automatically adjust the ON time or OFF time of the command value vu *An output Eu corresponding to is obtained. Therefore, the command value vu *Output of PWM waveform corresponding touCan be obtained.
In the above description, the transistor Tu +, Tu −, Feedback diode Du +, Du −I have neglected the voltage drop and the time delay of operation, but the potential ηuSince these are taken into account, the command value vu *A street output can be obtained.
[0071]
Next, the overall operation of the inverter device shown in FIG. 3 will be described with reference to the timing chart of FIG. FIG. 5 shows the command value ηu *, Potential ηu, Output voltage e of
[0072]
Time T1When the output voltage e becomes equal to the threshold value -ΔH, the
[0073]
TdTransistor Tu +Is turned on, the potential ηuIs KVdAlso, the output voltage e starts to fall. When the output voltage e reaches the threshold value -ΔH, the
[0074]
At this time, the output voltage e is expressed as (ηu *−ηu) Is time-integrated, and its gradient (de / dt) is (ηu *−ηu) In proportion to the command value ηu *And potential ηuThe larger the instantaneous potential difference, the steeper. Accordingly, the greater the potential difference, the narrower the pulse width of the control signal S and the transistor Tu +The time that is turned on also becomes shorter. Accordingly, the potential ηuThe pulse width of theu *Narrow pulse width potential corresponding touIs obtained.
Conversely, the smaller the potential difference is, the more the potential ηuThe pulse width of theu *Wide pulse width potential η corresponding touIs obtained.
[0075]
Average value E of period T obtained by repeating the above operationuIs the command value v as shown in equation (20).u *(= Ηu */ K), resulting in a command value vu *PWM waveform output equal tou(= Ηu/ K) is obtained.
Therefore, with a simple configuration in which a storage unit such as an integration circuit is provided, it is possible to compensate for the influence due to the arm short circuit prevention time, the voltage drop of the element, and the like, and to obtain an output according to the command value.
[0076]
Note that the potential η which is a signal related to the outputuAnd command value ηu *The
[0077]
As described above, according to the present embodiment, since the position sensor can be eliminated, it can be configured at low cost. Further, it becomes possible to stably generate a torque proportional to the armature current. Furthermore, it is possible to perform a stable operation without any turbulence. In addition, it is possible to start and stop well. In addition, even if the armature resistance and the field strength fluctuate, it is possible to perform a stable operation by automatically correcting.
[0078]
【The invention's effect】
According to the present invention, since it can be made positionless, it can be configured at low cost, and stable driving can be achieved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a block diagram according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a flowchart for explaining an operation according to the embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a block diagram of an inverter device used in the embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a timing chart for explaining the operation of the inverter device used in the embodiment of the present invention.
FIG. 5 is a timing chart for explaining the operation of the inverter device used in the embodiment of the present invention.
FIG. 6 is a diagram for explaining the operation of the embodiment of the present invention.
FIG. 7 is a diagram for explaining the operation of the embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
101... CPU constituting control means
102: Inverter device as inverter means
103 ... Coordinate converter constituting the control means
104 ... Synchronous motor
Claims (5)
vγ *=Riγ+Lω1Iδ+Kγ・(iδ *−iδ)/ω1
vδ *=Riδ+Kδ・(iδ *−iδ)
の関係を満足する指令値電圧vγ *、vδ *に関連する信号を前記指令値信号として前記インバータ手段に出力することを特徴とする同期電動機駆動装置。Control means for outputting a command value signal, and inverter means for outputting a drive signal corresponding to the command value signal to a synchronous motor, wherein the control means has an armature resistance of the synchronous motor as R, an armature winding Of the inverter means, the angular frequency of the inverter means ω 1 , I δ = Λ δ / L (Λ δ : δ-axis component of the flux linkage of the armature due to the field), and the γ-axis component of the armature current i γ , the δ-axis component of the armature current is i δ , the command value of the δ-axis component of the armature current is i δ * , and the feedback gain of the current error (i δ * −i δ ) is K γ , K δ .
v γ * = Ri γ + Lω 1 I δ + K γ · (i δ * −i δ ) / ω 1
v δ * = Ri δ + K δ · (i δ * −i δ )
A synchronous motor drive device characterized in that a signal related to the command value voltages v γ * and v δ * satisfying the relationship is output to the inverter means as the command value signal.
ωl=ωl *−Km・{TmP/(1+TmP)}・iγ Wherein, when the phase difference angle φ is larger than a predetermined value by controlling the inverter means to decrease the angular frequency omega 1 of the inverter unit, when the phase difference angle φ is smaller than a predetermined value the angular frequency omega 1 The inverter means is controlled so as to increase the angular frequency, and the angular frequency of the inverter device is set to ω l , ω 1 * = n p ω m * (ω m * is the angular velocity command value of the rotor), n p is the number of pole pairs, K 2. The synchronous motor drive device according to claim 1, wherein m is a feedback gain, Tm is a time constant of a first-order lag system, and P = d / dt, and the synchronous motor is controlled to satisfy the following formula. .
ω l = ω l * −K m · {T m P / (1 + T m P)} · i γ
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