JP3671989B2 - 給油装置用感振電源遮断装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術の分野】
本発明は、地震や自動車の衝突により給油装置が衝撃を受けたとき、給油機構や制御装置への電力の供給を遮断する給油装置用感振電源遮断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
給油所においては、地震や、自動車の衝突により給油装置に衝撃が加わった場合に備えて、例えば特開昭60-193894号公報に示されたように振動により作動する振動応動スイッチと、自己保持回路を形成するリレーとを直列に接続して電源線に並列に接続し、振動応動スイッチのオンにより給油装置への電力の供給を遮断する感振電源遮断装置が用いられている。
これによれば、振動により振動応動スイッチが作動してリレーで構成された自己保持回路がオンになり、対象器機への電力の供給を停止状態に維持できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、オフ状態に維持するためにはリレーを付勢状態に維持しておく必要があるため、地震や自動車の衝突により自己保持用のリレーが損傷した場合には、自己保持機能が失われてしまい、再び給油機構が作動して燃料油が吐出するという問題がある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは地震や自動車の衝突によりリレーに損傷を受けても確実に給油機構を停止状態に維持できる給油装置用感振電源遮断装置を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このような問題を解消するために本発明においては、1つの常閉接点と第1、第2の常開接点を備えた第1のリレーと、第1、第2、第3の常開接点を備えた第2のリレーと、振動に応動して接点を開成する振動応動スイッチとを備え、前記第1のリレーが、前記第1のリレーの第1の常開接点と前記第2のリレーの第1の常開接点を介して電源線に接続され、また、前記第2のリレーが、前記振動応動スイッチと前記第1のリレーの前記常閉接点を介して前記電源線に接続されるとともに、前記第2のリレーが前記第2のリレーの第2の常開接点を介しても前記電源線に接続され、前記第1のリレーの第2の常開接点と第2のリレーの第3の常開接点とを介して被駆動手段が前記電源線に接続されて構成されていて、前記電源線から電力が供給された時点で、前記第1のリレーの常閉接点と前記振動応動スイッチとを介して前記第2のリレーが付勢状態となり、前記第2のリレーの第3の常開接点と、前記第2のリレーの第2の常開接点及び前記第1のリレーの第2の常開接点とを介して前記被駆動手段に前記電源線から電力が供給され、同時に前記第1のリレーが前記第2のリレーの第1の常開接点を介して付勢状態に維持される。
【0005】
【作用】
感震により各リレーが破損したとしても、第1のリレーの常閉接点が開成状態に保持されているため、電源が再投入されるまで給油機構を不作動状態に維持することができる
【0006】
【発明の実施の態様】
そこで以下に本発明の詳細を図示した実施例に基づいて説明する。
図1は本発明の電源遮断装置が適用された給油装置の一実施例を示すものであって、図中符号1は、ポンプモータ2により駆動される送液ポンプで、立上管3を介して図示しない地下タンクの燃料油を流量計4に送液するものである。
【0007】
4は、流量計で、流入口には送液ポンプ1の吐出口が、また流出口にはホース5を介して給油ノズル6が接続され、ノズル6から自動車燃料タンクに給油された量に一致する流量パルス信号を流量パルス信号発信器7から出力するものである。
【0008】
8は、制御装置で、ノズルスイッチ9からの給油要求信号によりモータ制御スイッチ10に信号を出力してポンプモータ2に動力線11の電力を供給し、また給油により出力された流量パルスを積算して表示器12に給油量を表示し、さらにノズルスイッチ9からの給油停止信号によりモータ制御スイッチ10をオフにしてポンプモータ2への電力供給を断つように動作するものである。
【0009】
20は、本発明が特徴とする感震電源遮断装置で、この実施例では制御装置8を駆動するための電力を供給する電源線13に接続され、図2に示したように第1のリレー30と、第2のリレー40と、振動応動スイッチ50とから構成されている。
【0010】
第1のリレー30は、常閉接点31と2つの常開接点32、33を備え、また第2のリレーは3つの常開接点41、42、43を備えている。
【0011】
また、図3に示したように振動応動スイッチ50は、振動を検知したとき、オン状態からオフ状態に切り替わるように、上部側に位置する可動電極51と、可動電極51に対して上下関係となるように下方側に位置する固定電極52とを可動電極51の先端がたわんで固定電極52に接触できるようにその後端をケース53に片持梁状に固定し、また自身が上下方向に移動可能な球状移動体54をケース53に収容して構成されている。
【0012】
ケース53の底面に形成されたテーパ部55は、上方が拡開されていて球状移動体54を可動電極51の所定の位置に当接させて可動電極51を固定電極52に常時弾接させてオン状態を維持し、また振動を受けた場合には球状移動体54がテーパ部55を乗り越えて図中点線により示したように可動電極51をその弾性により固定電極52から離間させてオフとなる。
【0013】
第1のリレー30は、自身の第1の常開接点32と、第2のリレー40の第1の常開接点41の2系統を介して電源線13に接続されていて、起動後も自己保持可能になっている。また第2のリレー40は、振動応動スイッチ50と直列接続された上で、第1のリレー30の常閉接点31と、自身の第2の常開接点42の2系統を介して電源線13に接続されている。そして第1のリレー30の第2の常開接点33、第2のリレー40の第2の常開接点42と、第2のリレー40の第3の常開接点43とを介して電源線13が制御装置8に接続されている。
【0014】
この実施例において、事務所等に設置されているメインスイッチSWが投入されると、第1のリレー30の常閉接点31、振動応動スイッチ50を介して第2のリレー40が付勢され、第2のリレー40の全ての接点41、42、43が閉成する。
【0015】
この第2のリレー40の付勢により接点41を介して第1のリレー30に電力が供給されてこれの常閉接点31が開成してしまうものの、第1のリレー30は、接点32を介して自己保持状態を維持する。同時に第2のリレー40は、自身の常開接点42を介して電源線13から電力の供給を受けて自己保持状態を維持する。
【0016】
したがって、制御装置8は、第2のリレー40の接点43、及び第1のリレー30の接点33と第2のリレー40の接点42を介して電源線13から電力の供給を受けることができる(図4)。
【0017】
一方、地震や自動車の衝突により振動応動スイッチ50が作動して可動電極51が固定電極52から離れてオフになると、第2のリレー40が消勢されてその全ての接点が開成する。一方、第1のリレー30は、自身の接点32を介して電源線13から電力の供給を受けていて付勢状態を維持するから、接点31が開成状態を維持して振動応動スイッチ50のオンに関りなく、第2のリレー40は付勢されず、接点43が開成状態を維持して、制御装置8への電力が遮断された状態に維持される(図5)。
【0018】
いうまでもなく、地震等により電力の供給が断たれた場合には第1のリレー30も消勢して接点31が閉成することになるが、商用電力の供給が断たれているから、リレー30、40の状態に関わりなく、制御装置8の電力の供給が不可能となる。
【0019】
他方、安全が確認された段階で、メインスイッチSWをオフにしてから再び投入し直すと、前述と同様に第1のリレー30の常閉接点31を介して第2のリレー40が付勢され、以後同様の工程を経て制御装置8に電力が供給される(図4)。
【0020】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、感震によりリレーが破損しても給油機構を不作動状態に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感震型電源遮断装置を用いた給油装置の一実施例を示す図である。
【図2】感震式電源遮断装置の一実施例を、メインスイッチオフの状態で示す図である。
【図3】同上装置の振動応動スイッチの一実施例を示す図である。
【図4】メインスイッチがオン時で、かつ正常時の状態を示す図である。
【図5】メインスイッチがオン時における感震時の状態を示す図である。
【符号の説明】
2 モータ
11 動力線
13 電源線
20 感震電源遮断装置
30 第1のリレー
40 第2のリレー
50 振動応動スイッチ
SW メインスイッチ
Claims (1)
- 1つの常閉接点と第1、第2の常開接点を備えた第1のリレーと、第1、第2、第3の常開接点を備えた第2のリレーと、振動に応動して接点を開成する振動応動スイッチとを備え、
前記第1のリレーが、前記第1のリレーの第1の常開接点と前記第2のリレーの第1の常開接点を介して電源線に接続され、
また、前記第2のリレーが、前記振動応動スイッチと前記第1のリレーの前記常閉接点を介して前記電源線に接続されるとともに、前記第2のリレーが前記第2のリレーの第2の常開接点を介しても前記電源線に接続され、
前記第1のリレーの第2の常開接点と第2のリレーの第3の常開接点とを介して被駆動手段が前記電源線に接続されて構成されていて、
前記電源線から電力が供給された時点で、前記第1のリレーの常閉接点と前記振動応動スイッチとを介して前記第2のリレーが付勢状態となり、前記第2のリレーの第3の常開接点と、前記第2のリレーの第2の常開接点及び前記第1のリレーの第2の常開接点とを介して前記被駆動手段に前記電源線から電力が供給され、同時に前記第1のリレーが前記第2のリレーの第1の常開接点を介して付勢状態に維持される給油装置用感振電源遮断装置。
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