JP3671748B2 - 内燃機関の排気微粒子捕集装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気微粒子捕集装置に関し、特にフォークリフト等のディーゼルエンジンの排気中に含まれる微粒子(ディーゼル(黒煙)微粒子=パティキュレート)を排気通路のフィルタで捕集した上で、その捕集した微粒子をヒータ等にて定期的に燃焼させることによりフィルタの再生処理を行うようにしたいわゆるDPF(Diesel Particulate Filter)システムと称される排気微粒子捕集装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の排気微粒子捕集装置にあっては、例えば特開平8−334013号公報および特開平9−13953号公報等に示されているように、エンジンからの排気通路の途中に設けられたケーシング内に排気微粒子捕集用のフィルタとともにヒータを設け、経時変化によりフィルタに排気微粒子が捕集されると目詰まり傾向となるので、エンジン停止時に上記ヒータに通電してフィルタを加熱し、もってフィルタに付着しているカーボン等の微粒子を燃焼除去してフィルタそのものを再生することを基本としている。
【0003】
そして、フィルタで捕集された排気微粒子の燃焼除去には外気が必要不可欠であることから、ケーシングの下部には外気導入口を、同じくケーシングの上部には排気口をそれぞれ開口形成し、自然対流を利用して燃焼に必要な外気を外気導入口からケーシング内に取り込む一方、上記燃焼によって発生した高温の燃焼ガスを上方の排気口から外部に排出するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の構造では、ケーシングの下部に外気導入口を単に開口形成した構造であるため、ケーシングそのものの内周面に堆積した排気微粒子がエンジン始動時等の振動を受けて外気導入口から下方に落下して床面を汚損するおそれがあるほか、同じく上記ケーシング内周面に堆積した排気微粒子が排気ガスの圧力により外気導入口から吹き出されて極端に濃度の高い黒煙が発生することがあり、特に屋内等の閉所での荷役作業時には周囲の作業環境を悪化させる結果となって好ましくない。なお、上記の堆積した排気微粒子とは、フィルタを一旦通過した一部の排気微粒子がケーシング内周面に徐々に堆積したものをいう。
【0005】
また、上記特開平9−13953号公報に示されているように、外気導入口に開閉部材を設けて、フィルタの再生処理時以外は排気ガス圧力により上記外気導入口を積極的に閉塞することで、その外気導入口からの排気ガスの排出をある程度阻止することができたとしても、部品点数の増加によりコストアップが余儀なくされるほか、開閉部材は常時外気導入口を閉塞しているものではないため、上記のようにケーシング内周面に堆積した排気微粒子が不意に落下する現象は完全には防止することができない。
【0006】
本発明は以上のような課題に着目してなされたもので、とりわけ簡単な構成のもとで、ケーシングそのものの内周面に堆積した排気微粒子が外気導入口から下方に落下したり、あるいは外気導入口から極端に濃度の高い黒煙となって排出されるのを未然に防止できるようにした構造を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、内燃機関の排気通路の途中に設けられたケーシング内に、排気中の微粒子を捕集するためのフィルタを設けるとともに、このフィルタで捕集された微粒子を燃焼させてフィルタを再生する再生手段を設け、さらに前記ケーシングの下部には上記捕集微粒子の燃焼の際に必要とされる外気を取り込むための外気導入口を開口形成してなる内燃機関の排気微粒子捕集装置において、前記ケーシングの下部に副室を隔離形成するとともに、この副室とケーシング内空間とを連通させる内側の外気導入穴と同じく副室を外部に開口させる外側の外気導入穴とをそれぞれに形成し、これら内側の外気導入穴と外側の外気導入穴とを水平方向で相互にオフセットさせたことを特徴としている。
【0008】
したがって、この請求項1に記載の発明では、副室と内側の外気導入穴および外側の外気導入穴とをもって形成される外気導入経路は屈曲した通路形状となり、ケーシング内空間への外気の導入をスムーズに許容する一方、ケーシングに開口形成された内側の外気導入穴から堆積した排気微粒子が落下したとしても、それはいきなり外部に落下することなく一旦副室にて受け止められるので、床面の汚損や極端に濃度の高い黒煙の発生が抑制される。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明における外側の外気導入穴が外気導入パイプをもって形成されていて、この外気導入パイプの上部が副室の内底面よりも所定量だけ内部に突出していることを特徴としている。
【0010】
したがって、この請求項2に記載の発明では、外気導入パイプが副室内部に突出していることにより実質的に堰の役目をし、結果として副室が堆積した排気微粒子を蓄える機能をもつようになり、副室はケーシング内空間への外気の導入をスムーズに許容する一方で、その副室から外部への堆積した排気微粒子の排出を確実に阻止できるようになる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明における副室の底部に排気微粒子排出用の排出口が形成されているとともに、この排出口に栓体が着脱可能に装着されていることを特徴としている。
【0012】
したがって、この請求項3に記載の発明では、定期的に栓体を外して副室に溜まった排気微粒子を排出することにより、その副室本来の機能を長期にわたって維持できることになる。
【0013】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、副室がケーシング内空間への外気の導入をスムーズに許容しつつもケーシング内周面に堆積した排気微粒子を溜める機能を有することから、ケーシング内周面に堆積した排気微粒子が直接床面等に落下することがなくなって、その汚損等を未然に防止できるほか、上記の堆積した排気微粒子が濃度の高い黒煙となって排出されるのを防止できる効果がある。
【0014】
また、請求項2に記載の発明によれば、外側の外気導入穴として機能するパイプが副室内に突出していることにより、請求項1に記載の発明と同様の効果のほかに、その副室に溜められた排気微粒子の外部への流出をより確実に阻止できる効果がある。
【0015】
さらに請求項3に記載の発明によれば、副室に設けられた栓体を適宜取り外すことにより、その副室内に溜められた排気微粒子を排出して回収できるので、請求項2に記載の発明と同様の効果に加えて、整備性が大幅に改善されて、副室本来の機能を長期にわたって維持できる効果がある。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1〜3は本発明に係る排気微粒子捕集装置の好ましい実施の形態を示す図であって、フォークリフトにおけるディーゼルエンジンの排気系に適用した場合の例を示している。なお、この排気微粒子捕集装置は、通常はラジエータ後方のカウンタウエイトの内部に配置される。
【0017】
図1,2に示すように、略楕円筒状をなすケーシング1内には、中心部に再生手段としてのヒータ2が内挿された二つのフィルタ3,4が並設されていて、このフィルタ3,4はケーシング1内空間を仕切っている隔壁5と一方の側壁6とによって両持ち支持されているほか、ケーシング1の一方の側壁6にはアウトレットチューブ7が、他方の側壁8にはインレットチューブ9がそれぞれ接続されている。そして、図示しないエンジンから排出された排気はインレットチューブ9を通してケーシング1内空間に導入された後に各フィルタ3,4を通過した上でアウトレットチューブ7から排出される。
【0018】
また、ケーシング1の胴部10のうち車載状態下で最も低い底部となるべき部分にはその開放端を後方に向けて屈曲させたエルボ状の外気導入パイプ11が接続されているほか、ケーシング1の胴部10の上部位置には同じく開放端を後方に向けて開口させた排気パイプ12が接続されていて、後述するようにヒータ2への通電によるフィルタ3,4の再生処理時には、自然対流を利用して外気導入パイプ11からケーシング1内に外気を導入する一方、再生処理に伴う高温の排気ガスを排気パイプ12からケーシング1の外部に排出するようになっている。
【0019】
より詳しくは、図1,2のほか図3に示すように、ケーシング1の胴部10のうちその底部となるべき部分には、外側からチャンバー13を溶接等により接合することで副室14が隔離形成されているとともに、このチャンバー13には副室14内部にまで突出するようにして外気導入パイプ11が溶接等にて接合されている。そして、ケーシング1の胴部10自体には外気導入パイプ11の軸心に対し水平方向で所定量Wだけオフセットした位置に内側の外気導入穴15が形成されていて、これにより副室14は上記内側の外気導入穴15をもってそのケーシング1内空間と連通し、同時にその副室14は外側の外気導入穴として機能する外気導入パイプ11をもって外部にも連通している。
【0020】
ここで、外気導入パイプ11の上端を副室14内部にまで突出させているのは、後述するように副室14に溜まった排気微粒子が外気導入パイプ11を伝って下方に落下するのを阻止するためであるが、副室14への外気導入パイプ11の突出量が大きすぎると本来の外気導入の際の抵抗が大きくなるので、上記外気導入パイプ11の突出量Hは双方の機能を満足するような大きさに設定する。
【0021】
また、上記チャンバー13には排出穴であるドレーン穴16が開口形成されているとともに、このドレーン穴16を塞ぐようにして栓体であるねじ込み式のドレーンプラグ17が着脱可能に装着されていて、必要に応じ上記ドレーンプラグ17を取り外すことにより副室14をドレーン穴16をもって外部に開放することができるようになっている。
【0022】
したがって、本実施の形態によれば、エンジンから排出された排気ガスは従来と同様にインレットチューブ9を経てケーシング1内に導入された後、フィルタ3,4を通過する過程でその排気中に含まれる微粒子が捕集され、その排気微粒子捕集後の清浄化された排気ガスはアウトレットチューブ7を経て外部に排出される。同時に、フィルタ3,4を通過した後の一部の排気は、図3に示すように、外気導入パイプ11および排気パイプ12を経ても外部に排出されることになるものの、先に述べたように各パイプ11,12の開放端を車両後方に指向させているので、各パイプ11,12から排出された排気ガスがラジエータやエンジン側に逆流するようなことはない。
【0023】
また、排気微粒子の捕集によってフィルタ3,4自体が目詰まり傾向となった場合には、従来と同様に、エンジン停止状態であることを条件に各フィルタ3,4に内挿されたヒータ2に通電して捕集微粒子を燃焼させることにより、フィルタ3,4が再生される。この時、捕集微粒子の燃焼に必要な外気はケーシング1内での自然対流現象により図3に示すようにケーシング1下部の外気導入パイプ11から副室14および内側の外気導入穴15を通してケーシング1内に導入され、同時に燃焼によって高温となった排気ガスはケーシング1上部の排気パイプ12から外部に排出される。
【0024】
一方、上記のようなフィルタ3,4の再生処理を行ったとしても、フィルタ3,4通過後の排気の一部が常時ケーシング1の内周面に触れることから、そのフィルタ3,4の内周面での排気微粒子Qの堆積は不可避である。そして、図3に示すように、ケーシング1の内周面に堆積した排気微粒子Qは徐々にケーシング1内空間の下方へと集められ、例えばエンジン始動時等の振動を受けて内側の外気導入穴15からその下方の副室14に落下してこの副室14に集められる。この時、副室14では外気導入パイプ11の上端が所定量Hだけ突出しているとともに、内側の外気導入穴15と外気導入パイプ11とが所定量Wだけオフセットしているため、内側の外気導入穴15から落下した排気微粒子Qが外気導入パイプ11を通して直接外部に落下することがないばかりでなく、その副室14に集められた排気微粒子Qが外気導入パイプ11を乗り越えて外部に落下するようなこともない。
【0025】
すなわち、先に述べた従来の構造の場合、図3に示すところの内側の外気導入穴15が形成されているだけで、それ以外の副室14や外気導入パイプ1が設けられていない構造であることから、内側の外気導入穴15から落下する排気微粒子Qはそのまま床面等に落下することになるのに対して、本実施の形態ではそれらの排気微粒子Qの外部への落下を防止しつつ副室14にてまとめて集めることができる。
【0026】
また、エンジン稼働時には、フィルタ3,4を通過した排気の一部が内側の外気導入穴15や副室14を経て外気導入パイプ11から排出されるとともに、同様に排気パイプ12からも排出されることになるが、図3に示すように上記外気導入穴15と外気導入パイプ11とのWなるオフセットのために、その内側の外気導入穴15や副室14および外気導入パイプ11を経て外部に連通する外気導入通路が曲折しているために、副室14に溜められている排気微粒子Qが排気ガス圧によって濃度の高い黒煙として吹き出されるようなこともなくなる。
【0027】
ここで、上記副室14に溜められた排気微粒子Qは適宜ドレーンプラグ17を取り外すことにより排出することができ、これによって排気微粒子捕集装置本来の機能を長期にわたって維持できることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る排気微粒子捕集装置の好ましい実施の形態を示す正面説明図。
【図2】図1の左側面説明図。
【図3】図2のA−A線に沿う断面説明図。
【符号の説明】
1…ケーシング
2…ヒータ
3,4…フィルタ
11…外気導入パイプ(外側の外気導入穴)
13…チャンバー
14…副室
15…内側の外気導入穴
17…ドレーンプラグ(栓体)
H…副室への外気導入パイプの突出量
Q…堆積した排気微粒子
W…内側の外気導入穴と外気導入パイプとのオフセット量
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気微粒子捕集装置に関し、特にフォークリフト等のディーゼルエンジンの排気中に含まれる微粒子(ディーゼル(黒煙)微粒子=パティキュレート)を排気通路のフィルタで捕集した上で、その捕集した微粒子をヒータ等にて定期的に燃焼させることによりフィルタの再生処理を行うようにしたいわゆるDPF(Diesel Particulate Filter)システムと称される排気微粒子捕集装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の排気微粒子捕集装置にあっては、例えば特開平8−334013号公報および特開平9−13953号公報等に示されているように、エンジンからの排気通路の途中に設けられたケーシング内に排気微粒子捕集用のフィルタとともにヒータを設け、経時変化によりフィルタに排気微粒子が捕集されると目詰まり傾向となるので、エンジン停止時に上記ヒータに通電してフィルタを加熱し、もってフィルタに付着しているカーボン等の微粒子を燃焼除去してフィルタそのものを再生することを基本としている。
【0003】
そして、フィルタで捕集された排気微粒子の燃焼除去には外気が必要不可欠であることから、ケーシングの下部には外気導入口を、同じくケーシングの上部には排気口をそれぞれ開口形成し、自然対流を利用して燃焼に必要な外気を外気導入口からケーシング内に取り込む一方、上記燃焼によって発生した高温の燃焼ガスを上方の排気口から外部に排出するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の構造では、ケーシングの下部に外気導入口を単に開口形成した構造であるため、ケーシングそのものの内周面に堆積した排気微粒子がエンジン始動時等の振動を受けて外気導入口から下方に落下して床面を汚損するおそれがあるほか、同じく上記ケーシング内周面に堆積した排気微粒子が排気ガスの圧力により外気導入口から吹き出されて極端に濃度の高い黒煙が発生することがあり、特に屋内等の閉所での荷役作業時には周囲の作業環境を悪化させる結果となって好ましくない。なお、上記の堆積した排気微粒子とは、フィルタを一旦通過した一部の排気微粒子がケーシング内周面に徐々に堆積したものをいう。
【0005】
また、上記特開平9−13953号公報に示されているように、外気導入口に開閉部材を設けて、フィルタの再生処理時以外は排気ガス圧力により上記外気導入口を積極的に閉塞することで、その外気導入口からの排気ガスの排出をある程度阻止することができたとしても、部品点数の増加によりコストアップが余儀なくされるほか、開閉部材は常時外気導入口を閉塞しているものではないため、上記のようにケーシング内周面に堆積した排気微粒子が不意に落下する現象は完全には防止することができない。
【0006】
本発明は以上のような課題に着目してなされたもので、とりわけ簡単な構成のもとで、ケーシングそのものの内周面に堆積した排気微粒子が外気導入口から下方に落下したり、あるいは外気導入口から極端に濃度の高い黒煙となって排出されるのを未然に防止できるようにした構造を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、内燃機関の排気通路の途中に設けられたケーシング内に、排気中の微粒子を捕集するためのフィルタを設けるとともに、このフィルタで捕集された微粒子を燃焼させてフィルタを再生する再生手段を設け、さらに前記ケーシングの下部には上記捕集微粒子の燃焼の際に必要とされる外気を取り込むための外気導入口を開口形成してなる内燃機関の排気微粒子捕集装置において、前記ケーシングの下部に副室を隔離形成するとともに、この副室とケーシング内空間とを連通させる内側の外気導入穴と同じく副室を外部に開口させる外側の外気導入穴とをそれぞれに形成し、これら内側の外気導入穴と外側の外気導入穴とを水平方向で相互にオフセットさせたことを特徴としている。
【0008】
したがって、この請求項1に記載の発明では、副室と内側の外気導入穴および外側の外気導入穴とをもって形成される外気導入経路は屈曲した通路形状となり、ケーシング内空間への外気の導入をスムーズに許容する一方、ケーシングに開口形成された内側の外気導入穴から堆積した排気微粒子が落下したとしても、それはいきなり外部に落下することなく一旦副室にて受け止められるので、床面の汚損や極端に濃度の高い黒煙の発生が抑制される。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明における外側の外気導入穴が外気導入パイプをもって形成されていて、この外気導入パイプの上部が副室の内底面よりも所定量だけ内部に突出していることを特徴としている。
【0010】
したがって、この請求項2に記載の発明では、外気導入パイプが副室内部に突出していることにより実質的に堰の役目をし、結果として副室が堆積した排気微粒子を蓄える機能をもつようになり、副室はケーシング内空間への外気の導入をスムーズに許容する一方で、その副室から外部への堆積した排気微粒子の排出を確実に阻止できるようになる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明における副室の底部に排気微粒子排出用の排出口が形成されているとともに、この排出口に栓体が着脱可能に装着されていることを特徴としている。
【0012】
したがって、この請求項3に記載の発明では、定期的に栓体を外して副室に溜まった排気微粒子を排出することにより、その副室本来の機能を長期にわたって維持できることになる。
【0013】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、副室がケーシング内空間への外気の導入をスムーズに許容しつつもケーシング内周面に堆積した排気微粒子を溜める機能を有することから、ケーシング内周面に堆積した排気微粒子が直接床面等に落下することがなくなって、その汚損等を未然に防止できるほか、上記の堆積した排気微粒子が濃度の高い黒煙となって排出されるのを防止できる効果がある。
【0014】
また、請求項2に記載の発明によれば、外側の外気導入穴として機能するパイプが副室内に突出していることにより、請求項1に記載の発明と同様の効果のほかに、その副室に溜められた排気微粒子の外部への流出をより確実に阻止できる効果がある。
【0015】
さらに請求項3に記載の発明によれば、副室に設けられた栓体を適宜取り外すことにより、その副室内に溜められた排気微粒子を排出して回収できるので、請求項2に記載の発明と同様の効果に加えて、整備性が大幅に改善されて、副室本来の機能を長期にわたって維持できる効果がある。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1〜3は本発明に係る排気微粒子捕集装置の好ましい実施の形態を示す図であって、フォークリフトにおけるディーゼルエンジンの排気系に適用した場合の例を示している。なお、この排気微粒子捕集装置は、通常はラジエータ後方のカウンタウエイトの内部に配置される。
【0017】
図1,2に示すように、略楕円筒状をなすケーシング1内には、中心部に再生手段としてのヒータ2が内挿された二つのフィルタ3,4が並設されていて、このフィルタ3,4はケーシング1内空間を仕切っている隔壁5と一方の側壁6とによって両持ち支持されているほか、ケーシング1の一方の側壁6にはアウトレットチューブ7が、他方の側壁8にはインレットチューブ9がそれぞれ接続されている。そして、図示しないエンジンから排出された排気はインレットチューブ9を通してケーシング1内空間に導入された後に各フィルタ3,4を通過した上でアウトレットチューブ7から排出される。
【0018】
また、ケーシング1の胴部10のうち車載状態下で最も低い底部となるべき部分にはその開放端を後方に向けて屈曲させたエルボ状の外気導入パイプ11が接続されているほか、ケーシング1の胴部10の上部位置には同じく開放端を後方に向けて開口させた排気パイプ12が接続されていて、後述するようにヒータ2への通電によるフィルタ3,4の再生処理時には、自然対流を利用して外気導入パイプ11からケーシング1内に外気を導入する一方、再生処理に伴う高温の排気ガスを排気パイプ12からケーシング1の外部に排出するようになっている。
【0019】
より詳しくは、図1,2のほか図3に示すように、ケーシング1の胴部10のうちその底部となるべき部分には、外側からチャンバー13を溶接等により接合することで副室14が隔離形成されているとともに、このチャンバー13には副室14内部にまで突出するようにして外気導入パイプ11が溶接等にて接合されている。そして、ケーシング1の胴部10自体には外気導入パイプ11の軸心に対し水平方向で所定量Wだけオフセットした位置に内側の外気導入穴15が形成されていて、これにより副室14は上記内側の外気導入穴15をもってそのケーシング1内空間と連通し、同時にその副室14は外側の外気導入穴として機能する外気導入パイプ11をもって外部にも連通している。
【0020】
ここで、外気導入パイプ11の上端を副室14内部にまで突出させているのは、後述するように副室14に溜まった排気微粒子が外気導入パイプ11を伝って下方に落下するのを阻止するためであるが、副室14への外気導入パイプ11の突出量が大きすぎると本来の外気導入の際の抵抗が大きくなるので、上記外気導入パイプ11の突出量Hは双方の機能を満足するような大きさに設定する。
【0021】
また、上記チャンバー13には排出穴であるドレーン穴16が開口形成されているとともに、このドレーン穴16を塞ぐようにして栓体であるねじ込み式のドレーンプラグ17が着脱可能に装着されていて、必要に応じ上記ドレーンプラグ17を取り外すことにより副室14をドレーン穴16をもって外部に開放することができるようになっている。
【0022】
したがって、本実施の形態によれば、エンジンから排出された排気ガスは従来と同様にインレットチューブ9を経てケーシング1内に導入された後、フィルタ3,4を通過する過程でその排気中に含まれる微粒子が捕集され、その排気微粒子捕集後の清浄化された排気ガスはアウトレットチューブ7を経て外部に排出される。同時に、フィルタ3,4を通過した後の一部の排気は、図3に示すように、外気導入パイプ11および排気パイプ12を経ても外部に排出されることになるものの、先に述べたように各パイプ11,12の開放端を車両後方に指向させているので、各パイプ11,12から排出された排気ガスがラジエータやエンジン側に逆流するようなことはない。
【0023】
また、排気微粒子の捕集によってフィルタ3,4自体が目詰まり傾向となった場合には、従来と同様に、エンジン停止状態であることを条件に各フィルタ3,4に内挿されたヒータ2に通電して捕集微粒子を燃焼させることにより、フィルタ3,4が再生される。この時、捕集微粒子の燃焼に必要な外気はケーシング1内での自然対流現象により図3に示すようにケーシング1下部の外気導入パイプ11から副室14および内側の外気導入穴15を通してケーシング1内に導入され、同時に燃焼によって高温となった排気ガスはケーシング1上部の排気パイプ12から外部に排出される。
【0024】
一方、上記のようなフィルタ3,4の再生処理を行ったとしても、フィルタ3,4通過後の排気の一部が常時ケーシング1の内周面に触れることから、そのフィルタ3,4の内周面での排気微粒子Qの堆積は不可避である。そして、図3に示すように、ケーシング1の内周面に堆積した排気微粒子Qは徐々にケーシング1内空間の下方へと集められ、例えばエンジン始動時等の振動を受けて内側の外気導入穴15からその下方の副室14に落下してこの副室14に集められる。この時、副室14では外気導入パイプ11の上端が所定量Hだけ突出しているとともに、内側の外気導入穴15と外気導入パイプ11とが所定量Wだけオフセットしているため、内側の外気導入穴15から落下した排気微粒子Qが外気導入パイプ11を通して直接外部に落下することがないばかりでなく、その副室14に集められた排気微粒子Qが外気導入パイプ11を乗り越えて外部に落下するようなこともない。
【0025】
すなわち、先に述べた従来の構造の場合、図3に示すところの内側の外気導入穴15が形成されているだけで、それ以外の副室14や外気導入パイプ1が設けられていない構造であることから、内側の外気導入穴15から落下する排気微粒子Qはそのまま床面等に落下することになるのに対して、本実施の形態ではそれらの排気微粒子Qの外部への落下を防止しつつ副室14にてまとめて集めることができる。
【0026】
また、エンジン稼働時には、フィルタ3,4を通過した排気の一部が内側の外気導入穴15や副室14を経て外気導入パイプ11から排出されるとともに、同様に排気パイプ12からも排出されることになるが、図3に示すように上記外気導入穴15と外気導入パイプ11とのWなるオフセットのために、その内側の外気導入穴15や副室14および外気導入パイプ11を経て外部に連通する外気導入通路が曲折しているために、副室14に溜められている排気微粒子Qが排気ガス圧によって濃度の高い黒煙として吹き出されるようなこともなくなる。
【0027】
ここで、上記副室14に溜められた排気微粒子Qは適宜ドレーンプラグ17を取り外すことにより排出することができ、これによって排気微粒子捕集装置本来の機能を長期にわたって維持できることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る排気微粒子捕集装置の好ましい実施の形態を示す正面説明図。
【図2】図1の左側面説明図。
【図3】図2のA−A線に沿う断面説明図。
【符号の説明】
1…ケーシング
2…ヒータ
3,4…フィルタ
11…外気導入パイプ(外側の外気導入穴)
13…チャンバー
14…副室
15…内側の外気導入穴
17…ドレーンプラグ(栓体)
H…副室への外気導入パイプの突出量
Q…堆積した排気微粒子
W…内側の外気導入穴と外気導入パイプとのオフセット量
Claims (3)
- 内燃機関の排気通路の途中に設けられたケーシング内に、排気中の微粒子を捕集するためのフィルタを設けるとともに、このフィルタで捕集された微粒子を燃焼させてフィルタを再生する再生手段を設け、さらに前記ケーシングの下部には上記捕集微粒子の燃焼の際に必要とされる外気を取り込むための外気導入口を開口形成してなる内燃機関の排気微粒子捕集装置において、
前記ケーシングの下部に副室を隔離形成するとともに、この副室とケーシング内空間とを連通させる内側の外気導入穴と同じく副室を外部に開口させる外側の外気導入穴とをそれぞれに形成し、これら内側の外気導入穴と外側の外気導入穴とを水平方向で相互にオフセットさせたことを特徴とする内燃機関の排気微粒子捕集装置。 - 前記外側の外気導入穴が外気導入パイプをもって形成されていて、この外気導入パイプの上部が副室の内底面よりも所定量だけ内部に突出していることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気微粒子捕集装置。
- 前記副室の底部に排気微粒子排出用の排出口が形成されているとともに、この排出口に栓体が着脱可能に装着されていることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の排気微粒子捕集装置。
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