JP3670815B2 - 流体圧シリンダ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は振動台の加振機用油圧シリンダ等、各種流体圧機器に使用される流体圧シリンダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図13は振動台の加振機に使用される油圧シリンダの要部断面図である。図13において1はシリンダ、25は該シリンダ1内に嵌入されたピストンである。該ピストン25は入・出力側に連結されるピストンロッド部2と油圧が作用するピストン部3とにより構成される。4は該ピストン部3に形成されたリング溝5に嵌入されるピストンリングである。
【0003】
前記ピストンリング4は自身の弾力によりその外周面4aが前記シリンダ1の内周面1aに摺接され流体(油)をシールして、ピストンリング摺動部24を構成している。
前記シリンダ1内には前記ピストン部3によって2つの油圧室が区画形成される。そして、一方側の油圧室である高圧室21及び他方側の油圧室である低圧室22には作動油圧が導入され、前記ピストン25は該高圧室21と低圧室22との圧力差によってシリンダ1内を往復動するようになっている。尚、当然ながら前記高圧室21と低圧室22は逆の配置であっても良い。
前記ピストンロッド部2の両端は軸受(不図示)により前記シリンダ1に支持されている。23はシリンダ1の中心(ピストン25の中心)である。
【0004】
図14は図13に示すような従来技術に係る油圧シリンダにおいて、高圧室21に圧力PA 、低圧室22に圧力PB の作動油が供給されているときのピストンリング4に作用する油圧の分布を示す。
【0005】
図14において、図13を参照して、ピストンリング4の高圧側の端面4cには高圧室21の高油圧PA が一様に油圧分布aのように作用し、ピストンリング4をピストン部3の反高圧室側のリング溝5の端面5aに押し付けている。そしてこの低圧側のピストンリング端面4dにはリング溝5の幅間で直線的に低圧室側圧力PB へと低下する油圧分布bが作用している。
前記ピストンリング4の内周面4bには高圧室21の油圧PA が一様に油圧分布cのように作用し、ピストンリング4の外周面4aをシリンダ1の内周面1a側へ押し付ける。シリンダ1の内周面1aとピストンリング4の外周面4aとの間には低圧室22側へ向けて直線的に低下する油圧分布dが作用している。
【0006】
かかる油圧シリンダにおいては、ピストンリング4の内周面4bに作用する油圧分布cによる押し付け力の方が外周面に作用する油圧分布dによる離反力より大きいため、ピストンリング4の外周面4aはシリンダ内周面1aに押し付けられ、かかる圧力分布が該ピストンリング外周面4aとシリンダ内周面1aとの間の高圧油のシール機能を果たしている。
一方ピストンリング4の高圧室21側端面4cに作用する油圧分布aによる押し付け力は低圧室22側端面4dの油圧分布bによる離反力より大きいため、ピストンリング4をリング溝5の端面5aに押し付け、ピストンリング内周面4b側の高圧油が低圧側へ漏れることを防止している。
従って前記ピストンリング4のシリンダ1側へ押し付ける力、並びにリング溝5の端面5aへの軸方向の押し付け力はほぼ高圧室21と低圧室22の圧力差に比例した力となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来の油圧シリンダにおいては、高圧室21と低圧室22との圧力差が大きくなると、ピストンリング4のシリンダ内周面1aへの押し付け力が大きくなるため、ピストンリング摺動部24の摩擦力が大きくなり、ピストンリング4の外周面4aが摩耗し易くなって、寿命が低下し、またシリンダ内周面1aがピストンリング4によって傷つけられ易くなる。この為、かかる油圧シリンダを高速で稼動させる場合にはピストンリング摺動部24に焼き付きの発生をみる。
また、高圧室21と低圧室22との圧力差が大きくなると、さらにピストンリング4のリング溝端面5aへの押し付け力が大きくなり、このためピストンリング端面4dとリング溝端面5a間の摩擦力が大きくなり、ピストンロッドが半径方向に動くような場合における摩擦力はピストンリング4をシリンダ1の内周面1aへ押し付ける力として作用し、摩耗や焼き付き等の損傷の発生を加速することになる。
【0008】
また、通常、前記ピストンリング4の材料としては鋳鉄材が用いられるが、この鋳鉄材からなるピストンリング4は稼動の初期には相手側のシリンダ1とのなじみが良好でないため、前記ピストンリング摺動部24には大きな摩擦力が発生し、摩耗や焼き付きを促進させる。これを回避するためには、ピストンリング4の硬化処理等の表面処理が必要となり、装置が高コストとなる。
【0009】
また、かかる油圧シリンダを振動台加振用として使用する場合には、前記のような大きな摩擦力の発生があると、加振機に要求される加速度波形を歪ませ、正しい加振試験が不可能となる。
【0010】
本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、ピストンリングの外周面、端面等のピストンリング摺動部に置ける摩擦力を製造コストの上昇を伴なうことなく低減して、高圧室と低圧室との圧力差が大きくなっても、前記ピストンリング摺動部における摩耗や焼き付きを確実に防止できる流体圧シリンダ装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するため、第1発明として、シリンダの内部に往復動自在に嵌入されたピストンによりシリンダ内を高圧室と低圧室とに区画するとともに、前記ピストンの外周に嵌装されたピストンリングの外周面を前記シリンダの内周面に摺接させることにより前記高圧室と低圧室との間の流体のシールを行なうように構成された流体圧シリンダ装置において、
前記ピストンリングは、前記シリンダの内周側に位置するピストンリングの外周面に円周方向に沿って円周溝が刻設されるとともに、前記高圧室側の端面から該円周溝に連通される軸方向の連通溝が複数個設けられたことを特徴とする流体圧シリンダ装置を提案する。
【0012】
かかる第1発明によれば、ピストンリングの外周面に円周溝及び高圧室側端面から該円周溝に連通される軸方向の連通溝を設けることにより、高圧流体が円周溝の部位まで導入されてピストンリングの外周面をシリンダ内周面から離反する方向の離反力が増大される。
したがって、かかる離反力の増大分だけピストンリングのシリンダ内周面への押し付け力が減少し、これによって、ピストンリング外周面の摩擦力が低減される。
【0013】
また、前記ピストンリング外周面の円周溝と連通溝とで囲まれた部分でも、前記押し付け力を受け持つことができるので、ピストンリング外周面全体としての接触面圧を低減させることができる。
以上によってピストンリング摺動部の異常摩耗や焼き付きの発生を防止することができる。
【0014】
また第2発明は、前記第1発明に加えて、前記ピストンリングの前記低圧室側の端面に円周方向に沿った円周溝を設けるとともに、該円周溝からピストンリングの内周面に向けて延びる半径方向の連通溝を複数個設けてなる。
【0015】
かかる第2発明によれば、高圧室側の高圧流体を前記低圧室側端面の円周溝の位置まで導入することができる。従って、この高圧流体の圧力によってピストンリングの低圧室側端面に働く離反力が増大され、この増大分だけピストンリングの前記低圧室側端面におけるリング溝への押し付け力が減少し、摩擦力が低減される。
【0016】
また第3発明はシリンダの内部に往復動自在に嵌入されたピストンによりシリンダ内を高圧室と低圧室とに区画するとともに、前記ピストンの外周に嵌装されたピストンリングの外周面を前記シリンダの内周面に摺接させることにより前記高圧室と低圧室との間の流体のシールを行なうように構成された流体圧シリンダ装置において、
前記ピストンリングは、その外周面に円周方向に沿って円周溝が刻設されるとともに、前記高圧室側の端面から該円周溝に連通される軸方向の連通溝が複数個に設けられてなり、前記ピストンリングの前記高圧室側の端面に該リングの外周面から内周面へと貫通される半径方向の連通溝を複数個設けたことを特徴とする
【0017】
かかる第3発明によれば、ピストンリングの高圧室側端面とリング溝との隙間が小さくなっても、高圧流体が前記半径方向の連通溝を通ってピストンリングの内周面に導入されて内周面をシリンダ側に押すように作用する。
これにより、ピストンリング外周面とシリンダ内周面との間の押し付け力を適正値に保持することができる。
【0018】
また第4発明は、前記第1、第2、第3発明の何れかに加えて、前記ピストンリングの外周面及び低圧側端面に固体潤滑剤をコーティングしてなる。この固体潤滑剤としてはPTFE、MoS2 等の摩擦係数の小さい軟質材料を用いる。
【0019】
かかる発明によれば、固体潤滑剤のコーティングによってピストンリングと相手部材との間の接触面における摩擦係数が低下し、ピストンリングの半径方向の挙動によるピストンリングのシリンダ内周面への押し付け力が減少し、ピストンリング摺動部の摩擦力がさらに低減される。
【0020】
さらに、第5発明は、シリンダの内部に往復動自在に嵌入されたピストンによりシリンダ内を高圧室と低圧室とに区画するとともに、前記ピストンの外周に嵌装されたピストンリングの外周面を前記シリンダの内周面に摺接させることにより前記高圧室と低圧室との間の流体のシールを行なうように構成された流体圧シリンダ装置において、
前記ピストンリングは、その外周面に円周方向に沿って円周溝が刻設されるとともに、前記高圧室側若しくは低圧室側の端面から該円周溝に連通される軸方向の連通溝が複数個設けられてなり、更に前記ピストンリングを偶数個設けその半数ずつを、前記高圧室側若しくは低圧室側端面に刻設された前記軸方向の連通溝が互いに反対向きになるように配置したことを特徴とする
【0021】
かかる発明によれば、高圧室側に組み込んだピストンリングが高圧流体のシール作用を行ない、またこれとは逆に低圧室が高圧となった場合は低圧室側に組み込んだピストンリングがシール作用を行なうので、高圧室あるいは低圧室の何れの圧力が高くなっても前記のような摩擦力が低減された状態で以って確実にシール作用を行なうことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を例示的に詳しく説明する。但しこの実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0023】
図1は、本発明の第1実施形態に係る油圧シリンダの要部拡大縦断面図である。
図1において、1はシリンダ、25は該シリンダ1内に嵌入されたピストンである。該ピストン25は入・出力側に連結されるピストンロッド部2と油圧が作用するピストン部3とにより構成される。
前記ピストン部3の外周にはピストン25の軸方向に2個のリング溝5、5が並設され、各リング溝5、5内にはピストンリング4、4が嵌入されている。
【0024】
前記ピストンリング4、4は自身の弾力によりその外周面4a、4aが前記シリンダ1の内周面1aに摺接され、流体(油)をシールして、ピストンリング摺動部24、24を構成している。
前記シリンダ1内には前記ピストン部3によって2つの油圧室が区画形成され、一方側の油圧室である高圧室21及び他方側の油圧室である低圧室22には作動油圧が導入されている。そして、前記ピストン25は該高圧室21と低圧室22との圧力差によってシリンダ1内を往復動するようになっている。尚、当然ながら前記高圧室21と低圧室22とは逆の配置であっても良い。
前記ピストンロッド部2の両端は、軸受(不図示)により前記シリンダ1に支持されている。23はシリンダ1の中心(ピストン25の中心)である。
以上の基本的な構成は図13に示す従来技術と同様である。
【0025】
本発明の実施形態においては、図13に示す前記ピストンリングを改良している。
図2〜図3は上記ピストンリング4、4の第1実施形態を示し、図2はピストンリングの左斜め上方からの斜視図、図3は右斜め上方からの斜視図である。
【0026】
図2〜図3において、4はピストンリングであり、該リング4の外周面4a上には円周方向に沿って円周溝10が刻設されている。また前記外周面4a上には、該円周溝10と直角方向に複数の連通溝11が刻設されている。
該連通溝11はピストンリング4の円周方向に所定の間隔及び複数個設けられ、一端が前記円周溝10に連通されている。
12は前記リング4の高圧側端面4cに刻設された連通溝で、上記連通溝11と同数設けられ、上端が該連通溝11に連通され、下端は内周面4bに開放されている。
【0027】
一方、図3に示すように、前記ピストンリング4の低圧側端面4dには該リングの円周方向に沿って円周溝13が刻設されている。そして該円周溝13の下方には、連通溝14が設けられている。該連通溝14はその上端が該円周溝13に開口されるとともに、下端が内周面4bに開放され、円周方向に所定間隔を存して設けられている。
【0028】
図4はこの実施形態において、高圧側端面4cにおける連通溝12の形態及び外周面4aにおける円周溝10の形態を示す、ピストンリング4の正面図である。図4に示すように、円周溝10はピストンリング4の合い口30での油の漏洩を防止するため、該合い口30には設けず、該合い口30の両側の連通溝12、12間を除く全周に亘って貫設されている。また、複数の連通溝12は円周方向に所定の間隔(等間隔、不等間隔何れでも可)で以って設けられ、外周面4aの連通溝11(図2参照)を介して円周溝10と連通されている。
【0029】
図5はこの実施形態において、低圧側端面4dにおける円周溝13及び連通溝14の形態を示すピストンリング4の正面図である。図5に示すように、円周溝13は合い口30からの油の漏洩を防止するため該合い口30には設けず、該合い口30の両側の連通溝14、14間を除く全周に亘って刻設されている。また複数の連通溝14は円周方向に所定ピッチで等間隔あるいは不等間隔で設けられ、上端が前記円周溝13に接続され、下端が内周面4bに開放されている。
【0030】
図6〜図7は前記ピストンリング4の第2実施形態を示す。
この実施形態においては、外周面4aに前記第1実施形態(図2〜図3)と同様な円周溝10及び複数の連通溝11を設けるとともに、低圧側端面4dにも前記第1実施形態と同様な円周溝13及び複数の連通溝14を設けている反面、高圧側端面4cには上記のような溝を設けてはいない。
尚、この実施形態での外周面4a及び低圧側端面4dにおける各溝の円周方向の形態は、図4及び図5と同様である。
【0031】
図8〜図9は本発明の第3実施形態を示す。
この実施形態においては、ピストンリング4の外周面4aのみに前記第1実施形態と同様な円周溝10及び連通溝11を設け、高圧側端面4c及び低圧側端面4dには前記のような溝は設けていない。
尚、この実施形態での外周面4aにおける各溝の円周方向の形態は図4と同様である。
【0032】
図10は本発明の第4実施形態に係るピストンリング4を示す。
この実施形態では、前記第1〜第3実施形態のピストンリング4において、シリンダ1の内周面1aと摺接する外周面4a及びピストン部3のリング溝5の側面5aに押し付けられる低圧側端面4dに、PTFEあるいはMoS2 等の固体潤滑剤コーティングを施している。20はそのコーティング層である。
【0033】
図1に示す油圧シリンダは、前記第1〜第4実施形態に係るピストンリング4、4を2列、ピストン25に組み込んでいる。
かかる組み込み時において、高圧室21側のピストンリング4は高圧側端面4cが高圧室21側になるようにするとともに、低圧室22側のピストンリング4はこれとは対称な形状に形成して、高圧側端面4cが低圧室22側になるように組み込む。
【0034】
図11に示す油圧シリンダは、前記第1〜第4実施形態に係るピストンリング4を4列、ピストン25に組み込んでいる。
かかる組み込み時において、高圧室21側の2列のピストンリング4は高圧側端面4cが高圧室21側になるようにするとともに、低圧室22側の2列のピストンリング4はこれらとは対称な形状に形成して、高圧側端面4cが低圧室22側になるように組み込む。
【0035】
次に図12を参照して前記第1〜第4実施形態にかかるピストンリングを使用した図1に示す油圧シリンダの作用について説明する。
図12は、前記第1〜第4実施形態のピストンリング4を図1に示す油圧シリンダに使用したときの、該ピストンリング4に作用する圧力分布を示す。
【0036】
本発明の実施形態においては、ピストンリング4の外周面4aに円周溝10および連通溝11を設けているので、高圧室21内の高圧油を連通溝11を介して円周溝10の位置まで導入することができる。これによって、図14に示す従来技術における外周面4aの油圧分布dを図12に示す油圧分布d1 のように増大させることができ、この増大された油圧分布d1 による離反力を増大させることができる。従って、かかる離反力の増大により、ピストンリング4のシリンダ内周面1aへの押し付け力を減少させることができる。また、前記油圧分布d1 による離反力の大きさはピストンリング外周面4aの円周溝10の幅方向位置を変えることにより調整することができる。
【0037】
また、かかる実施形態(第3形態を除く)においては、ピストンリング4の低圧側端面4dに円周溝13および連通溝14を設けたので、高圧室21内の高圧油をリング溝5及び連通溝14を経て、円周溝13の位置まで導入することができる。これによって図14に示す従来技術における低圧側端面4dの油圧分布bを図12に示す油圧分布b1 のように増大させることができ、この増大された油圧分布b1 による離反力を増大させることができる。従って、かかる離反力の増大により、ピストンリング4のリング溝5の端面5aへの押し付け力を減少させることができる。
また、前記離反力の大きさは低圧側端面4dの円周溝13の位置を変えることにより調整することができる。
【0038】
また第1、第4実施形態のように、ピストンリング4の高圧側端面4cに連通溝12を設ければ、たとえピストンリング4とリング溝5の隙間が殆ど0になっても、高圧油を連通溝12を経由してピストンリング4の内周面に導入することができ、図12に示された油圧分布を崩すことなく維持でき、一定の油圧力でピストンリング外周面4aをシリンダ内周面1aに押し付けることができる。
【0039】
また第1実施形態のように、高圧側端面4cに連通溝12を設ければ、図1に示すように、低圧室22側のピストンリング4の内周面4bの油圧は低圧室22の圧力と同一となる。これにより、低圧室22側に設置されたピストンリング4の外周面4aにおける油圧による押し付け力は0となり、シール作用を期待していない低圧室22側のピストンリング4の摩擦力は極めて小さくなる。
【0040】
また、第4実施形態においてはピストンリング端面4dにPTFEあるいはMoS2 等の固体潤滑剤をコーティングしたので、これによって摩擦面の摩擦係数が低下し、ピストンリング端面4dの半径方向の移動によるピストンリング外周面4aへの押し付け力が減少する。またピストンリング外周面4aに前記同様なコーティングを施すことにより軸方向の摩擦力は減少する。
【0041】
シリンダ内周面1a及びピストンリング外周面4aには工作精度上微小隙間が生じる場合があるが、第4実施形態においては、ピストンリング外周面4aに軟質の固体潤滑剤をコーティングしているので、直ちに相手側のシリンダ内周面1aの形状になじみ、かかる微小隙間量を減少させることができる。
【0042】
前記第1〜第4実施形態に係るピストンリング4を、図1に示すように、2個(あるいは4本以上の偶数個)装備した油圧シリンダにおいては、高圧室21側のピストンリング4が油圧のシール作用を行ない、またこれと逆に低圧室22が高圧となった場合には、前記ピストンリング4とは対称に組み付けたピストンリング4がシール作用を行なう。この何れの場合も前記と同様、低摩擦力での作用となる。
【0043】
尚、前記油圧シリンダに代えて、空気圧シリンダとして適用してもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上記載のごとく本発明によれば、ピストンリングの外周面に円周溝及び高圧室側端面から該円周溝の連通される複数の軸方向の連通溝を設けたので、高圧流体が前記円周溝の部位まで導入されてピストンリングの外周面をシリンダ内周面から離反する方向の離反力が増大され、かかる離反力の増大分だけ、ピストンリングのシリンダ内周面への押し付け力が減少せしめられる。これによって、ピストンリング外周面の摩擦力が低減される。
【0045】
また、前記ピストンリング外周面の円周溝と連通溝とで囲まれた部分でも、前位押し付け力を受け持つことができるので、ピストンリング外周面全体として接触面圧を低減させることができる。
以上によって、ピストンリング摺動部の異常摩耗や焼き付きの発生を防止することができる。
【0046】
また請求項2の発明によれば、高圧室側の高圧流体を前記低圧室側端面の円周溝の位置まで導入することができ、この高圧流体の圧力によってピストンリングの低圧室側端面に働く離反力が増大される。かかる増大分だけピストンリングの前記低圧室側端面における押し付け力が減少し摩擦力が低減される。
【0047】
また請求項3の発明によれば、ピストンリングの高圧室側端面とリング溝との隙間が小さくなっても、高圧流体が前記半径方向に連通溝を通ってピストンリングの内周面に導入されて内周面をシリンダ側に押すように作用する。
これにより、ピストンリング外周面とシリンダ内周面との間の押し付け力を適正値に保持することができる。
【0048】
また請求項4の発明によれば、固体潤滑剤のコーティングによってピストンリングと相手部材との間の接触面における摩擦係数が低下し、ピストンリングの半径方向の挙動によるピストンリングのシリンダ内周面への押し付け力が減少し、ピストンリング摺動部の摩擦力がさらに低減される。
【0049】
さらに請求項5の発明によれば、高圧室側及び低圧室側に夫々反対向きに組み込んだピストンリングが、何れの方向からの流体であってもシール作用を確実に行なうので、高圧室あるいは低圧室の何れの圧力が高くなっても前記のような摩擦力が低減された状態で以って確実にシール作用を行なうことができる。
【0050】
本発明は以上のような効果を有するので、本発明を振動台の加振機用油圧シリンダに適用すれば、前記のような摩擦力の低減効果によって、加振機の出力である加速度を高精度で制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るピストンリングを組み付けた油圧シリンダの要部縦断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るピストンリングの左上方からの斜視図である。
【図3】上記第1実施形態に係るピストンリングの右上方からの斜視図である。
【図4】上記第1実施形態におけるピストンリングの高圧側端面の正面図である。
【図5】上記第1実施形態におけるピストンリングの低圧側端面の正面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係るピストンリングの左上方からの斜視図である。
【図7】上記第2実施形態における右上方からの斜視図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係るピストンリングの左上方からの斜視図である。
【図9】上記第3実施形態に置ける右上方からの斜視図である。
【図10】本発明の第4実施形態に係るピストンリングの横断面図である。
【図11】本発明の実施形態に係るピストンリングを4列組み込んでなる油圧シリンダの要部断面図である。
【図12】本発明の実施形態に係るピストンリングの作用圧力線図である。
【図13】従来技術に係る油圧シリンダの要部断面図である。
【図14】従来技術に係るピストンリングの作用圧力線図である。
【符号の説明】
1 シリンダ
1a 内周面(シリンダ)
2 ピストンロッド部
3 ピストン部
4 ピストンリング
4a ピストンリングの外周面
4b 内周面
4c 高圧側端面
4d 低圧側端面
5 リング溝
10、13 円周溝
11、12、14 連通溝
21 高圧室
22 低圧室
25 ピストン

Claims (5)

  1. シリンダの内部に往復動自在に嵌入されたピストンによりシリンダ内を高圧室と低圧室とに区画するとともに、前記ピストンの外周に嵌装されたピストンリングの外周面を前記シリンダの内周面に摺接させることにより前記高圧室と低圧室との間の流体のシールを行なうように構成された流体圧シリンダ装置において、
    前記ピストンリングは、前記シリンダの内周側に位置するピストンリングの外周面に円周方向に沿って円周溝が刻設されるとともに、前記高圧室側の端面から該円周溝に連通される軸方向の連通溝が複数個に設けられたことを特徴とする流体圧シリンダ装置。
  2. 前記ピストンリングの前記低圧室側の端面に円周方向に沿った円周溝を設けるとともに、該円周溝からピストンリングの内周面に向けて延びる半径方向の連通溝を複数個設けてなる請求項1記載の流体圧シリンダ装置。
  3. シリンダの内部に往復動自在に嵌入されたピストンによりシリンダ内を高圧室と低圧室とに区画するとともに、前記ピストンの外周に嵌装されたピストンリングの外周面を前記シリンダの内周面に摺接させることにより前記高圧室と低圧室との間の流体のシールを行なうように構成された流体圧シリンダ装置において、
    前記ピストンリングは、その外周面に円周方向に沿って円周溝が刻設されるとともに、前記高圧室側の端面から該円周溝に連通される軸方向の連通溝が複数個設けられてなり、前記ピストンリングの前記高圧室側の端面に該リングの外周面から内周面へと貫通される半径方向の連通溝を複数個設けたことを特徴とする流体圧シリンダ装置。
  4. 前記ピストンリングは外周面及び低圧側端面に固体潤滑剤をコーティングしてなる請求項1乃至3の何れか1つに記載の流体圧シリンダ装置。
  5. シリンダの内部に往復動自在に嵌入されたピストンによりシリンダ内を高圧室と低圧室とに区画するとともに、前記ピストンの外周に嵌装されたピストンリングの外周面を前記シリンダの内周面に摺接させることにより前記高圧室と低圧室との間の流体のシールを行なうように構成された流体圧シリンダ装置において、
    前記ピストンリングは、その外周面に円周方向に沿って円周溝が刻設されるとともに、前記高圧室側若しくは低圧室側の端面から該円周溝に連通される軸方向の連通溝が複数個設けられてなり、更に前記ピストンリングを偶数個設け、その半数ずつを、前記高圧室側若しくは低圧室側端面に刻設された前記軸方向の連通溝が互いに反対向きになるように配置したことを特徴とする流体圧シリンダ装置。
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