JP3670750B2 - 油圧式建設機械の作業機操作装置 - Google Patents

油圧式建設機械の作業機操作装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は油圧式建設機械の作業機操作装置に係り、特に、オフセットシリンダなどのアタッチメント用アクチュエータを具備する油圧ショベル等の建設機械に用いて好適な油圧式建設機械の作業機操作装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、オフセット機構を有する小旋回油圧ショベルでは、作業機を前方に伸ばした作業姿勢から該作業機を手前に引き寄せて抱え込む小旋回姿勢に切り替える際、バケットの荷こぼれを防止しながらオフセット操作を行なう必要もあるため、両手で2本の操作レバーを操作することにより旋回、ブーム上げ、アーム引きおよびバケットの水平保持を行ない、同時に、操作ペダルの踏込み操作によりオフセット動作を行なうようになっている。
【0003】
また、最近の油圧ショベルにあっては、例えば特開平7−238574号公報に記載されているように、オフセット動作などを加速する足踏み式アクセルペダルを備え、必要に応じてこのアクセルペダルを足踏み操作によりオフセット動作などを迅速に行なうとともに、アクセルペダルの非操作状態で微操作を行なうようにしたものも提案されている。
【0004】
図5は従来の油圧ショベルの全体構成を示す側面図、図6は該油圧ショベルの運転室内の説明図である。
【0005】
図5において、1は走行体、2は運転室3を有し走行体1の上部に配置された旋回体であり、これら走行体1と旋回体2とで油圧ショベルの本体を構成している。4はオフセット式ブーム、5はブーム4の先端に回動可能に連結されたアーム、6はアーム5の先端に回動可能に連結されたバケットであり、これらブーム4、アーム5およびバケット6で作業機7を構成している。前記ブーム4は、運転室3の右側方に回動可能に連結された第1ブーム4aと、この第1ブーム4aの先端に連結部材4bを介して連結される第2ブーム4cとからなっている。8は第1ブーム4aを駆動するブームシリンダ、9は第2ブーム4cを駆動するオフセットシリンダ、10はアーム5を駆動するアームシリンダ、11はバケット6を駆動するバケットシリンダであり、第2ブーム4cはオフセットシリンダ9によって第1ブーム4aに対して横方向に平行移動する。
【0006】
図6に示すように、前記運転室3内の座席3aの近傍には、操作レバー12,13,14,15や操作ペダル16、およびアクセルペダル17などが設置されており、これらはオペレータの手足によって操作される。例えば、オペレータが運転室3内の座席3aの右前方に位置する右操作レバー12を右手で把持して前後方向に適宜操作すると、ブーム用流量制御弁(図示せず)からブームシリンダ8に供給される圧油の供給量が制御されるため、ブーム4が回動する。同様に、該右操作レバー12を横方向に適宜操作すると、バケットシリンダ11の駆動によりバケット6が回動する。同様に、座席3aの左前方に位置する左操作レバー13を左手で把持して前後方向に適宜操作すると、旋回動作が行なわれ、該左操作レバー13を横方向に適宜操作すると、アーム動作が行なわれ、座席3aの前方に位置する一対の走行レバー14,15をそれぞれ前後方向に適宜操作すると、右走行動作および左走行動作が行なわれる。また、走行レバー14の右側に位置する操作ペダル16を前後方向に適宜踏込み操作すると、オフセット用流量制御弁(図示せず)からオフセットシリンダ9に供給される圧油の供給量が制御されるため、オフセット動作が行なわれ、さらに、該操作ペダル16の近傍に位置するアクセルペダル17を踏込み操作すると、オフセットシリンダ9などの動作が加速される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の油圧ショベルの作業機操作装置では、作業中に両手で操作レバー12,13を操作しながら足で操作ペダル16やアクセルペダル17を操作する場合がある。例えば、作業機7を前方に伸ばした作業姿勢から図5に示すような小旋回姿勢に切り替える際に、バケット6と運転室3とが干渉すると予測される場合、オペレータは両手で操作レバー12,13を操作することにより旋回、ブーム上げ、アーム引きおよびバケット水平保持を行なうとともに、操作ペダル16の足踏み操作により右オフセット動作を行なうことがある。しかしながら、かかる踏込み操作は、オペレータが座席3aに座ったまま片足で身体を保持しながら操作ペダル16を踏込まなければならないため、操作が不安定であるばかりでなく、オペレータの手で操作レバー12,13を扱う場合に比べると、操作感覚が劣り微操作も難しいという問題があった。また、必要に応じてアクセルペダル17を踏込み操作する場合は、前記操作ペダル16からアクセルペダル17に踏み替える必要があり、この動作が煩雑で不便であった。
【0008】
なお、アタッチメント類を駆動するアクチュエータとして、前記オフセットシリンダ9の他に、作業機の一部を横方向に移動させイングさせるスイングシリンダや、作業機を伸縮させる伸縮シリンダなどが用いられることもあり、これらスイングシリンダや伸縮シリンダなども足踏み式操作ペダルで操作するようになっているため、上記と同様の問題があった。
【0009】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、作業機に備えられるオフセット等のアタッチメント類の操作性を向上できるとともに、該アタッチメント類を用いた作業を効率的に行なえる油圧式建設機械の作業機操作装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明では、まず、作業機に備えられるオフセットなどのアタッチメント類を駆動するアクチュエータを釦式のスイッチによって手指で操作するようにし、このスイッチを他のアクチュエータを操作する操作レバーの握り部に配設することとした。この場合、スイッチの操作時に該スイッチから単にON・OFF信号のみが出力されるため、このON・OFF信号に応じて動作するアクチュエータの作動速度を調節できず、例えば、オフセットシリンダを釦式のスイッチで操作すると、作業機のバケットに土砂を満載している場合や吊荷作業をしているときでもブームのオフセット動作が全速で行なわれ、その際の起動、停止ショックで荷こぼれするなどの不具合が懸念される。
【0011】
そこで、本発明は、上記の構成に加えて、作業機にかかる荷重を検出する荷重検出手段と、釦式のスイッチによって操作されるアクチュエータ用流量制御弁の動作を制御するコントローラとを設け、オペレータが手でスイッチを押圧操作すると、このスイッチによって操作されるアクチュエータの動作速度が、荷重検出手段により検出される荷重の大きさに応じて制御されるように、コントローラによって前記アクチュエータ用流量制御弁の動作を制御するようにした。例えば、作業機にかかる荷重が所定値以下である場合には、コントローラより通常の制御信号を出力し、この通常の制御信号に基づいてアクチュエータに所定流量の作動油を供給する。一方、作業機にかかる荷重が所定値より大きい場合には、コントローラより減速時の制御信号を出力し、この減速時の制御信号に基づいてアクチュエータに供給する作動油の流量を前記所定量よりも少なくする。
【0012】
このように構成した本発明では、操作ペダルの足踏み操作を要せずに安定した姿勢を保ちながら、オペレータが手で釦式のスイッチによりオフセットなどのアタッチメント類を容易に操作できるとともに、コントローラの制御により、作業機にかかる荷重に応じてアクチュエータに供給する作動油の流量を自動的に調整し、作業機の負荷時に該アクチュエータの動作速度を通常時より減速できる。したがって、作業機に備えられるアタッチメント類の操作性を向上できるとともに、作業機の無負荷時にアタッチメント類が迅速に動作するため、アタッチメント類を用いた作業を効率的に行なうことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の油圧式建設機械の作業機操作装置では、運転室を有する本体と、この本体の前記運転室の側方に回動可能に設けられた作業機と、この作業機を構成する各部材をそれぞれ駆動する複数のアクチュエータと、これらアクチュエータに供給される作動油の流量をそれぞれ制御する複数の流量制御弁とを備えた油圧式建設機械の作業機操作装置において、前記複数のアクチュエータのうちの少なくとも1つを操作する操作レバーと、この操作レバーの握り部に配設され、この操作レバーで操作されるアクチュエータとは別のアクチュエータを操作するON・OFF切換えの釦式のスイッチと、前記作業機にかかる荷重を検出する荷重検出手段と、前記スイッチにより操作される前記別のアクチュエータの動作速度が、前記荷重検出手段により検出される荷重の大きさに応じて制御されるように、前記流量制御弁の動作を制御するコントローラとを備えた構成にしてある。
【0014】
前記スイツチはON・OFFの切換えを行なうものであれば何でも良いが、押圧操作によってON・OFFの切換えを行なうプッシュスイッチが好ましい。
【0015】
また、パイロット制御回路を備えた油圧式建設機械への適用を図るため、前記アクチュエータ用流量制御弁へパイロット油を導くパイロット管路に、コントローラからの制御信号に応じて作動する電磁比例弁を介設することができる。
【0016】
また、多種多様な作業機の用途に対応するため、前記スイッチとは別に足踏み式操作ペダルを並設し、これらスイッチと足踏み式操作ペダルのいずれか一方の選択的操作により、同一のアクチュエータを操作することが好ましい。
【0017】
また、作業内容に応じてアクチュエータの微操作と通常操作とを使い分けるため、前記スイッチによって操作されるアクチュエータの動作を加速する足踏み式アクセルペダルを並設することもできる。
【0018】
また、前記スイッチによって操作されるアクチュエータは、スイングシリンダや伸縮シリンダなどのアタッチメント類を駆動するものであれば何でも良いが、小旋回油圧ショベルへの適用を図るため、作業機の一部を横方向に移動させるオフセットシリンダが好適である。
【0019】
【実施例】
実施例について図面を参照して説明すると、図1は本発明の一実施例に係る油圧式建設機械の作業機操作装置を備えた油圧ショベルの油圧回路図、図2は図1の作業機操作装置の全体構成を示すブロック図、図3は図1の作業機操作装置に備えられる操作釦の動作状態と制御用パイロット圧との相関関係を説明する特性図、図4は該油圧ショベルの運転室内の説明図であり、前述した図5、図6に対応する部分には同一符号を付してある。
【0020】
図1において、18は旋回モータ、19は右走行モータ、20は左走行モータ、21,22はそれぞれ図示しないエンジンによって駆動される油圧ポンプおよびパイロットポンプ、23,24はそれぞれ油圧ポンプ21と第1アクチュエータとしてのブームシリンダ8およびバケットシリンダ11との間に設けられ、油圧ポンプ21から吐出される作動油の流量を制御する流量制御弁、25は油圧ポンプ21と第2アクチュエータとしてのオフセットシリンダ9との間に設けられ、油圧ポンプ21から吐出される作動油の流量を制御する流量制御弁、26はそれぞれ油圧ポンプ21と他のアクチュエータ10,18〜20との間に設けられ、油圧ポンプ21から吐出される作動油の流量を制御する流量制御弁、27はブーム制御用パイロット弁、28はアーム制御用パイロット弁、29はバケット制御用パイロット弁、30はオフセット制御用パイロット弁、31は旋回制御用パイロット弁、32は右走行制御用パイロット弁、33は左走行制御用パイロット弁である。
【0021】
前記各パイロット弁27〜33は操作レバー12〜15や操作ペダル16と連動し、例えば、オペレータが右操作レバー12を右手で把持して前後方向に適宜操作すると、その操作量に応じたパイロット圧信号がブーム制御用パイロット弁27からブーム用流量制御弁23に供給され、該パイロット圧信号に基づいてブームシリンダ8に供給される圧油の供給量が制御される。同様に、該右操作レバー12を横方向に適宜操作すると、バケット制御用パイロット弁29から出力されるパイロット圧信号に基づいて、バケット用流量制御弁24からバケットシリンダ11に供給される圧油の供給量が制御される。また、左操作レバー13を左手で把持して前後方向に適宜操作すると、その操作量に応じたパイロット圧信号が旋回制御用パイロット弁31から旋回用流量制御弁26に供給され、該パイロット圧信号に基づいて旋回モータ18に供給される圧油の供給量が制御される。同様に、該左操作レバー13を横方向に適宜操作すると、アーム制御用パイロット弁28から出力されるパイロット圧信号に基づいて、アーム用流量制御弁26からアームシリンダ10に供給される圧油の供給量が制御される。また、一対の走行レバー14,15をそれぞれ前後方向に適宜操作すると、その操作量に応じたパイロット圧信号が右走行制御用パイロット弁32、左走行制御用パイロット弁33から各走行用流量制御弁26に供給され、該パイロット圧信号に基づいて右走行モータ19、左走行モータ20に供給される圧油の供給量が制御される。
【0022】
また、操作ペダル16を前後方向に適宜踏込み操作すると、その操作量に応じたパイロット圧信号がオフセット制御用パイロット弁30からオフセット用流量制御弁25に供給され、該パイロット圧信号に基づいてオフセットシリンダ9に供給される圧油の供給量が制御される。さらに、該操作ペダル16の近傍に位置するアクセルペダル17を踏込み操作すると、オフセットシリンダ9などの動作が加速される。
【0023】
図2に示すように、本実施例に係る作業機操作装置は、オフセットシリンダ9を相反する2つの方向、すなわち伸長方向と縮小方向とにそれぞれ操作する一対の操作釦34a,34bと、作業機7にかかる荷重を検出する荷重検出手段としての圧力センサ35と、これら一対の操作釦34a,34bおよび圧力センサ35が接続されるコントローラ36と、このコントローラ36から出力される制御信号に応じて開閉する電磁比例弁37,38とを備えている。前記圧力センサ35はブーム用流量制御弁23とブームシリンダ8のボトム側油室8aとの間に設けられ、該ボトム側油室8a内の圧力を検出するようになっている。また、前記操作釦34a,34bはON・OFF動作を行なうプッシュスイッチであり、これら操作釦34a,34bは図4に示すように右操作レバー12の握り部12aに設けられている。
【0024】
また、前記コントローラ36は、一対の操作釦34a,34bおよび圧力センサ35からの出力信号を入力する入力部39と、該圧力センサ35からの出力信号に基づいてブームシリンダ8のボトム側油室8a内の圧力を算出し、すなわち、作業機7にかかる荷重を算出して予め設定される荷重より大きいか否かを判定する演算部40と、この演算部40の算出結果に基づいて流量制御弁25の動作を制御する制御信号を出力する出力部41とを含んでいる。図1に示すように、この出力部41に電気的に接続される右オフセット用電磁比例弁37は、入口側がパイロット圧供給管路42に接続され、出口側が右オフセットパイロット管路43にシャトル弁44を介して接続されている。また、左オフセット用電磁比例弁38は、入口側がパイロット圧供給管路42に接続され、出口側が左オフセットパイロット管路45に他のシャトル弁46を介して接続されている。さらに、前記コントローラ36には、ブーム上げ用電磁比例減圧弁47、アーム引き用電磁比例減圧弁48、アーム押し電磁比例弁49、および左オフセット用電磁比例減圧弁50も電気的に接続されている。
【0025】
また、本実施例では、前記操作釦34a,34bとは別にオフセットシリンダ9を操作する足踏み式操作ペダル16が並設されるとともに、この足踏み式操作ペダル16の近傍に前記オフセットシリンダ9などの動作を加速する足踏み式アクセルペダル17も並設されている。
【0026】
このように構成された実施例では、オペレータが右操作レバー12を右手で把持して前後あるいは左右方向に適宜操作すると、その操作量に応じてブームシリンダ8あるいはバケットシリンダ11が動作する。また、右手指で右側の操作釦34aを押圧操作することにより、該操作釦34aからの右オフセット操作信号がコントローラ36の入力部39に入力されるとともに、圧力センサ35からの荷重信号が入力され、該コントローラ36では算出部40がブームシリンダ8のボトム側油室8a内の圧力を算出して作業機7にかかる荷重が予め設定される荷重より大きいか否かを判定し、例えば、算出した荷重が所定値以下である場合、出力部41より通常の制御信号を出力する。これに伴って、右オフセット用電磁比例弁37が全開するため、図3の破線P1で示すように、右オフセット用電磁比例弁37を通るパイロット圧の圧力はFULLレベルまで上昇し、該パイロット圧がシャトル弁44および右オフセットパイロット管路43を介してオフセット用流量制御弁25に供給される。その結果、流量制御弁25が図1の右方向の移動端まで移動するため、オフセットシリンダ9が通常時の速度で伸長して右オフセット動作が行なわれる。一方、算出した荷重が所定値より大きい場合、出力部41より減速時の制御信号を出力し、この減速時の制御信号に基づいて右オフセット用電磁比例弁37が半開するため、図3の実線P2で示すように、右オフセット用電磁比例弁37を通るパイロット圧の圧力は中間レベルまで上昇し、該パイロット圧がシャトル弁44および右オフセットパイロット管路43を介してオフセット用流量制御弁25に供給される。その結果、流量制御弁25が図1の右方向の中間位置まで移動するため、流量制御弁25からオフセットシリンダ9に供給される作動油の流量を前記所定量よりも少なくなり、オフセットシリンダ9が伸長して右オフセット動作が減速時の速度で行なわれる。なお、右手指で左側の操作釦34bを押圧操作した場合も同様である。
【0027】
また、オフセット用操作ペダル16を踏込んで右オフセット操作を行なった場合、その操作量に応じたパイロット圧信号がオフセット制御用パイロット弁30からシャトル弁44、右オフセットパイロット管路43を介してオフセット用流量制御弁25に供給され、該パイロット圧信号に基づいてオフセットシリンダ9に供給される圧油の供給量が制御される。同様に、操作ペダル16で左オフセット操作を行なった場合、その操作量に応じたパイロット圧信号がオフセット制御用パイロット弁30からシャトル弁46、左オフセットパイロット管路45を介してオフセット用流量制御弁25に供給され、該パイロット圧信号に基づいてオフセットシリンダ9に供給される圧油の供給量が制御される。
【0028】
上記実施例では、オフセット操作の際、操作ペダル16の足踏み操作は必ずしも必要でなく、右操作レバー12の握り部12aに配設した操作釦34a,34bの押圧操作で済むため、座席3aに座ったオペレータは両足で身体を支えながら安定した姿勢でオフセット動作を容易に操作できるとともに、コントローラ36の制御により、作業機7にかかる荷重に応じてオフセットシリンダ9に供給する作動油の流量を自動的に調整し、作業機7の負荷時にはオフセットシリンダ9の動作速度を通常時より減速できる。したがって、バケット6から荷がこぼれることがなくて済むとともに、吊荷の微操作が容易となり、オフセットなどのアタッチメント類の操作性を向上できる。また、バケット6の空荷状態ではブーム4のオフセット動作が迅速となり、ブーム4のオフセット作業を効率的に行なうことができる。
【0029】
また、上記実施例では、アクセルペダル17を踏込み操作しながらオフセット操作を行なう場合、手で操作釦34a,34bを押圧操作できるので、オフセット用操作ペダル16とアクセルペダル17との踏み替える動作を要せずに済み、この点からも操作性を向上できる。さらにまた、オフセットシリンダ9などの動作を加速するアクセルペダル17を並設したため、作業内容に応じて該オフセットシリンダ9の微操作と通常操作とを使い分けることができる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、作業機に備えられるオフセットなどのアタッチメント類の操作時に操作ペダルの足踏み操作を要せずに済み、オペレータは安定した姿勢を保ちながら操作レバーを把持する手で釦式のスイッチを容易に操作できるとともに、作業機にかかる荷重に応じてアクチュエータに供給する作動油の流量が自動的に調整されるため、作業機の負荷時にアクチュエータの動作速度を通常時より減速できる。したがって、作業機に備えられるアタッチメント類の操作性を向上できるとともに、作業機の無負荷時にアタッチメント類が迅速に動作するため、アタッチメント類を用いた作業を効率的に行なうことができる。
【0031】
また、前記スイッチによって操作されるアクチュエータ用流量制御弁へパイロット油を導くパイロット管路に、コントローラからの制御信号に応じて作動する電磁比例弁を介設することにより、パイロット制御回路を備えた油圧式建設機械への適用を図れる。
【0032】
また、前記スイッチとは別に足踏み式操作ペダルを並設すると、これらスイッチと足踏み式操作ペダルのいずれか一方の選択的操作によりアタッチメント類を操作できるので、多種多様な作業機の用途に対応することができる。
【0033】
また、前記スイッチによって操作されるアクチュエータを加速する足踏み式アクセルペダルを並設すると、この足踏み式アクセルペダルの選択的操作によりアタッチメント類の動作速度を選択できるため、作業内容に応じて微操作と高速操作とを使い分けることができる。
【0034】
また、前記スイッチによって操作されるアクチュエータがオフセットシリンダである場合、このスイッチの操作によって作業機の一部を横方向に移動させることができ、オフセットシリンダを有する小旋回油圧ショベルへの適用が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る油圧式建設機械の作業機操作装置を備えた油圧ショベルの油圧回路図である。
【図2】図1の作業機操作装置の全体構成を示すブロック図である。
【図3】図1の作業機操作装置に備えられる操作釦の動作状態と制御用パイロット圧との相関関係を説明する特性図である。
【図4】該油圧ショベルの運転室内の説明図である。
【図5】従来の油圧ショベルの全体構成を示す側面図である。
【図6】該油圧ショベルの運転室内の説明図である。
【符号の説明】
3a 座席
8 ブームシリンダ
9 オフセットシリンダ
11 バケットシリンダ
12 操作レバー
12a 握り部
16 足踏み式操作ペダル
17 足踏み式アクセルペダル
23〜26 流量制御弁
34a,34b 操作釦
35 圧力スイッチ
36 コントローラ
37,38 電磁比例弁
39 入力部
40 演算部
41 出力部
43 右オフセットパイロット管路
44 シャトル弁
45 左オフセットパイロット管路
46 シャトル弁

Claims (5)

  1. 運転室を有する本体と、この本体の前記運転室の側方に回動可能に設けられた作業機と、この作業機を構成する各部材をそれぞれ駆動する複数のアクチュエータと、これらアクチュエータに供給される作動油の流量をそれぞれ制御する複数の流量制御弁とを備えた油圧式建設機械の作業機操作装置において、
    前記複数のアクチュエータのうちの少なくとも1つを操作する操作レバーと、
    この操作レバーの握り部に配設され、この操作レバーで操作されるアクチュエータとは別のアクチュエータを操作するON・OFF切換えの釦式のスイッチと、
    前記作業機にかかる荷重を検出する荷重検出手段と、
    前記スイッチにより操作される前記別のアクチュエータの動作速度が、前記荷重検出手段により検出される荷重の大きさに応じて制御されるように、前記流量制御弁の動作を制御するコントローラとを備えたことを特徴とする油圧式建設機械の作業機操作装置。
  2. 請求項1の記載において、前記スイッチによって操作されるアクチュエータ用流量制御弁へパイロット油を導くパイロット管路に、前記コントローラからの制御信号に応じて作動する電磁比例弁を介設したことを特徴とする油圧式建設機械の作業機操作装置。
  3. 請求項1または2の記載において、前記スイッチとは別に足踏み式操作ペダルを並設し、これらスイッチと足踏み式操作ペダルのいずれか一方の選択的操作により、同一のアクチュエータを操作するようにしたことを特徴とする油圧式建設機械の作業機操作装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかの記載において、前記スイッチによって操作されるアクチュエータの動作を加速する足踏み式アクセルペダルを並設したことを特徴とする油圧式建設機械の作業機操作装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかの記載において、前記スイッチによって操作されるアクチュエータがオフセットシリンダであることを特徴とする油圧式建設機械の作業機操作装置。
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