JP3670228B2 - ルーフベンチレータ - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本願発明は、ルーフベンチレータに関し、特に換気用開口に雨水は勿論のこと、雨水の跳ね返りであるしずくの侵入も防止してなるルーフベンチレータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建物の屋上に換気用開口を設け、この換気用開口にルーフベンチレータを載置して建物内を換気することことは従来広く行われている。このルーフベンチレータの一例を図2に示す。
【0003】
このルーフベンチレータaは、換気用開口fの上方に位置し、平面視において該換気用開口fを完全に覆う断面陣笠状の笠板部材bと、該笠板部材bの下方に位置し、その下端部が前記換気用開口f上に載置されるとともに、その上端部に開口部c1を有する胴部材cと、前記笠板部材b及び胴部材cとの両側方に位置し、その両側方部を覆う外板部材dと、ルーフベンチレータaの上方に位置し、排気を整流し、その排出を高めるとともに、雨水が直接前記開口部c1に侵入しないようにするルーバーeと、これらの部材を固定し、ルーフベンチレータaの骨格をなす、複数本のフレームg等からなる。
【0004】
そして建物内の空気は、換気用開口fから実線の矢印で示すようにルーフベンチレータa内を流れ(図では右側だけを示しているが、左右対称に流れる。)、上部排気口hより外部に排出される。
【0005】
ところで、このようなルーフベンチレータaは、上部排気口hが直接外部に開口しているため、雨が直接ルーフベンチレータa内に侵入する。しかしながら、その中央部には、笠板部材bが胴部材cの開口部c1を覆うように配置され、更にルーバーeが外方に向かって低くなるように傾斜して配置されているため、雨水が直接前記胴部材cの開口部c1内に入り込むことはないように構成されている。
【0006】
ところが、従来の前記外板部材dは、外方に向かって低くなるように傾斜した上部傾斜部d1、垂直部d2及び内方に向かって低くなるように傾斜した下部傾斜部d3からなる多角形状のもの、或いは図示しないが前記3部分が1つの円弧状となったものとして構成されている。また前記したようにルーフベンチレータa内には、その上部排気口hから雨水が直接侵入するが、その侵入角度は、風の向きによって様々であり、図2に▲1▼、▲3▼、▲5▼で示すようなものがある。
【0007】
このような▲1▼、▲3▼、▲5▼の方向から侵入した雨水についての動向を見ると、▲1▼の方向からのものは、外板部材dの垂直部d2の内壁に斜めから所定の入射角度で衝突し、その内壁面で入射角度と同じ反射角度で反対側に反射され、胴部材c方向に向かうことになる。勿論その時の雨水の流速が小さい等のように衝突時のエネルギーが小さいと放物線を描くような形態で下方に落下することになり、その雨水の跳ね返りであるしぶきが前記胴部材cの開口部c1内に入り込む可能性は少なくなるが、強風とともに吹き込まれるように衝突時のエネルギーが大きくなると▲2▼として示したように開口部c1内に入り込むことになる。
【0008】
ルーバーeに平行に▲3▼の方向から侵入するものも、同じく外板部材dの垂直部d2の内壁に斜めから所定の入射角度で衝突するものであるが、やはり衝突時のエネルギーが大きくなると▲4▼として示したようにそのしぶきが開口部c1内に入り込むことになる。
【0009】
また、▲5▼の方向からのものは、外板部材dの下部傾斜部d3の内壁に斜めから所定の入射角度で衝突することになるが、その傾斜が内方に向かって低くなるようになっているため、やはり衝突時のエネルギーが大きくなると▲6▼として示したように開口部c1内に入り込むことになる。なお、このような雨水の跳ね返り現象は、外板部材dの形状が、前記多角形状のものを1つの円弧状としたようなものでも同様に発生する。
【0010】
更に、▲7▼で示すように、笠板部材b(ルーバーeも同じ。)上に降った雨は、外表面を伝って外端部から真下に落下することになるが、その落下した雨水は、外板部材dの下部傾斜部d3の内壁面に当たり直接開口部c1に入り込むことはなく、且つ、それらの跳ね返りを▲8▼で示す方向に指向するが、開口部c1に入り込むことのないように下部傾斜部d3の下端部を下げるとともに、胴部材cの上端部を高くしていた。しかしながら、下部傾斜部d3は、前記したようにその傾斜が内方に向かって低くなるようになっているため、大雨で笠板部材b等の外端部から落下する雨の量が多くなると、それらの跳ね返りの一部が▲9▼で示すように開口部c1内に入り込むことがあった。
【0011】
このように従来のルーフベンチレータは、雨水が直接換気用開口内に入り込むことのないように作られており、雨水の浸入はないと思われていたところ、雨量並びに風向きによっては雨水の跳ね返りが換気用開口内に入り込むことがあることが分かった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明は、外板部材等の形状を雨水の跳ね返りが換気用開口内に入り込むことがないようにすることにより、雨水が直接的、或いは間接的にも換気用開口内に侵入しないルーフベンチレータを提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本願発明は以下の構成を採用する。
【0014】
請求項1に係る発明では、笠板部材と、該笠板部材の下方に位置する胴部材と、前記笠板部材と前記胴部材との側方に位置し、それら両部材の側方を囲む外板部材と、該外板部材の下方に位置する受板部材とからなり、屋根上の換気用開口を覆って設けられるルーフベンチレータにおいて、前記外板部材及び前記受板部材の形状を、前記外板部材の形状は、上端部から下端部に行くに従って外方に広がり、前記受板部材の形状は、外方に向かって低くなるように傾斜しており、ルーフベンチレータ内に侵入し、前記外板部材或いは前記受板部材の内壁面に当たる雨水の跳ね返りが前記換気用開口内に入り込まないようにした構成。
【0015】
そしてこのような構成により、ルーフベンチレータ内に侵入する雨水が、直接換気用開口内に侵入することがなく、且つルーフベンチレータ内にあらゆる角度から侵入し、外板部材或いは受板部材の内壁面に当たる雨水であっても、その跳ね返りが換気用開口内に入り込むことはなくなる。
【0016】
請求項2に係る発明では、請求項1の構成に加え、外板部材の下端部を内方に折り返す構成。そしてこのような構成により、外板部材と受板部材との間に形成される排水口を、外板部材の下端部を内方に折り返すことによりカバーすることになるため、雨降り時に、下方から吹き上げるような風が排水口下部からルーフベンチレータ内に入り込み、排水口に溜まった雨水を換気用開口内にまで吹き上げるようなことはなくなる。また、雨が降っていない時でも、同じように下方から吹き上げるような風が排水口下部からルーフベンチレータ内に入り込むと、風切り音が発生することがあるが、そのような騒音の発生もなくなる。
【0017】
請求項3に係る発明では、請求項1または2の構成に加え、胴部材は、断面略台形である構成。即ち、従来のルーフベンチレータの胴部材は、図2に示すように円筒状であるところ、換気用開口が設けられる建物屋根近くには、梁、鉄骨等の屋根を支えるフレームが設けられており、換気用開口の面積が適正なものであっても、実際には、前記フレームがその実質的な開口面積を狭めることになる。そのため前記構成により、実質的な開口面積を広げることになるので、例え梁、鉄骨等の屋根を支えるフレームが換気用開口の下方に設けられていたとしても実質的な開口面積を充分維持することになる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態について詳述する。図1は、本願発明のルーフベンチレータを示す。このルーフベンチレータは、屋上に長く伸びる連続式のもの、伸びる長さの短いもの、或いは円形のもの等、いろいろな種類のものに適用可能であり、図ではその断面図を示す。
【0019】
符号1は、ルーフベンチレータであり、このルーフベンチレータ1は、断面陣笠状の笠板部材2、該笠板部材2の下方に位置する胴部材3、前記笠板部材2及び胴部材3との側方に位置し、その側方部を覆う外板部材4、この外板部材4の底部を形成する外板部材4とは別体の受板部材5,ルーフベンチレータ1の上方に位置するルーバー6、これら部材を固定し、ルーフベンチレータ1の骨格をなす複数本のフレーム7等からなり、建物の屋根8に形成される換気用開口11上を覆うように取り付けられる。
【0020】
建物内の空気は、換気用開口11から実線の矢印で示すようにルーフベンチレータ1内を流れ(図では右側だけを示しているが、左右対称に流れる。)、上部開口9より外部に排出されることになる。
【0021】
建物の屋根には、木造建築のへの字形状の切妻屋根や、コンクリート建築の水平形状の陸屋根というようにいろいろあるが、本願発明のルーフベンチレータ1を木造建築等のようなへの字形状の切妻屋根に適用する場合は、その頂面を跨ぐように取り付け、コンクリート建築の水平形状の陸屋根に適用する場合は、立上げ枠を設け、その立上げ枠上に取り付けることになる。以下においては、コンクリート建築の水平形状の陸屋根に適用する場合について説明する。即ち、建物の屋根8の適当な位置にルーフベンチレータ1に対応した換気用開口11を設けるとともに、該換気用開口11の上端外周部にルーフベンチレータ1取り付け用の立上げ枠8aを屋根8と一体或いは別体のものとして形成しておく。
【0022】
ルーフベンチレータ1は、前記したようにいろいろな部材からなるが、その骨格を形成するフレーム7が全体の形状を決めている。フレーム7は、鉄材或いはアルミ材等からなり、図にも示すように予め決められた形状に組み立てられ、その外周上に前記した各部材が取り付けられルーフベンチレータ1を形成している。そしてこのルーフベンチレータ1の下部フレーム7aを前記立上げ枠8aにボルト等の取付手段によって強固に取り付ける。
【0023】
ルーフベンチレータ1の各部材について説明すると、笠板部材2は、断面陣笠状の鋼板製等の部材からなり、屋根8に形成される換気用開口11上に位置するようにフレーム7に取り付けられ、雨水が直接換気用開口11内に入らないようにした屋根に相当するものである。なお、笠板部材2の材質をガラス板等とすることにより、採光兼用とすることもできる。
【0024】
胴部材3は、上部の折り返し部3a、胴部3b及び下部の水切部3cからなる断面台形状の鋼板製等の部材であり、フレーム7に取り付けられる。上部折り返し部3aは、外方に折り返されており、大雨時に、受板部材5の内壁面を傾斜に逆らって雨水が内方向に逆流したとしても該折り返し部3aによって遮ることができる。下部の水切部3cは、断面略クランク形状を呈し、その底壁面で換気用開口11を形成する立上げ枠8aの上面を覆うようにフレーム7に取り付けられ、該胴部材3の外表面を流れる雨水が換気用開口11内に入らないようにしている。
【0025】
また、前記胴部3bは、断面末広がりの台形状からなり、その上部に開口幅W1からなる有効開口10を、その下部に開口幅W1より大きい開口幅W2からなる換気用開口11を形成している。上部の有効開口10は、ルーフベンチレータ1が許容する換気量を達成する大きさを有する。即ち、有効開口10がルーフベンチレータ1の能力を決めている。そのため、換気用開口11の大きさは、有効開口10と同じもの、別言すれば、図2に示すような胴部材3が円筒状のものでも構わないはずのところ、台形状のものを用いている理由は、屋根には、屋根を支えるための梁等が配設されており、図1では屋根の下に何も図示されていないが、換気用空気の流れを妨げる梁等の障害物が介在している蓋然性が高く、このような場合でも、換気用開口11の幅W2を有効開口幅W1より大きくしておくことにより、ルーフベンチレータ1で換気される量が規定の量を下回ることはなく、常に適正の換気が行われる。なお、換気用開口11の下方に、換気用空気の流れを妨げる梁等の障害物が介在していなければ、図2に示すように胴部材3が円筒状のものでも良い。
【0026】
前記外板部材4は、やはり鋼板製等からなり、笠板部材2及び胴部材3との両側方に位置し、その両側方部を覆うようにフレーム7に取付配置される。該外板部材4は、左右対称であるとともに、その片側断面形状は、外方に向かって低くなるように傾斜した上部傾斜部4a、同じく外方に向かって低くなるように傾斜した中間傾斜部4b、及び同じく外方に向かって低くなるように傾斜した下部傾斜部4cからなる多角形状からなり、その全体断面形状は、上下開放の略台形状からなる。そして上部傾斜部4aの上端部には、上部開口9が設けられるとともに、下部傾斜部4cの下端は、内方に折曲され、折り曲げ部4dを形成している。
【0027】
なお、外板部材の断面形状は、本願発明の作用効果を有する限りにおいては、その上端部から下端部に行くに従って外方に広がっている形状であれば、前記したような多角形状は勿論のこと、3つの部分である上部傾斜部4a、中間傾斜部4b及び下部傾斜部4cが1つの円弧状となったもの等であっても良い。更に、下部傾斜部4cは、下方に位置するため、該下部傾斜部4cに直接振り込む雨水の跳ね返りが、換気用開口11内に入らない限りにおいては、ほぼ垂直であっても良い。また、上部傾斜部4aの上端部に形成される上部開口9には、必要に応じて防鳥網を設置することができる。
【0028】
前記受板部材5は、鋼板製等からなり、胴部材3と外板部材4との間に介在されるとともに、外板部材4の底部を形成する形態でフレーム7に取り付けられる。また、該受板部材5は、外方に向かって低くなるように傾斜している断面略ハ字状をなし、その下端部と外板部材4の折り曲げ部4dとの間に排水口13を形成し、更にその上端部と前記胴部材3の胴部3b外表面との間にも排水口14を形成している。前記外板部材4の折り曲げ部4dは、排水口13の下側を覆うように内方に張り出しており、該排水口13から排出される雨水は、図の黒塗りの矢印で示すように内方側に排出される。そのため、白抜きの矢印のように強風が吹いても、その風は、折り曲げ部4dで遮られるため、その風が直接排水口13より内部に吹き込むことはなく、例えば排水口13近傍に雨水があった場合、その雨水が風で吹き上げられ、有効開口10内に入るという弊害、並びに排水口13近傍に雨水がない場合に風切り音が発生するという弊害を防止することができる。
【0029】
なお、受板部材5上端部と胴部材3との間に形成される排水口14は、受板部材5の上端部に形成されているため、小雨の時には、雨水を排出することはないが、大雨時には、排水口13で排水できない分を黒塗りの矢印で示すように排出することになる。また、前記では、受板部材5は外板部材4と別体のものとして説明したが、両者は一体のものであっても良い。その場合には、前記折り曲げ部4dは切り起こし片の形態で形成することができる。
【0030】
実施の形態として示したルーフベンチレータ1は、屋内の空気を効率的に排出するため、外板部材4の上端部と笠板部材2の外周端部との間に充分な間隔を形成しており、これを平面視すると、上部開口9から直接受板部材5の内壁面が見えるようになっている。このよう形態であると多くの雨水が直接受板部材5の内壁面に降りこみ、跳ね返り量が多くなりその一部が有効開口10内に入り易くなるため、平面視で受板部材5の内壁面が見えないように外板部材4の上端部と笠板部材2の外周端部との間にルーバー6を配置している。このルーバー6は、整流機能も有し、鋼板製等で、上部開口9の位置から外方に向かって低くなるように傾斜して設けられ、外板部材4の上部傾斜部4aとほぼ平行で、且つほぼ同じ長さからなる。
【0031】
なお、図においてルーバー6は、左右に1個ずつ配置したものを示しているが、必要に応じて複数設けても良い。また、外板部材4の上端部を内方に延ばす等により、平面視で上部開口9から受板部材5の内壁面が直接見えない形態であれば、ルーバー6を設けなくても良い。
【0032】
建物内の汚れた空気や熱気は、換気用開口11よりルーフベンチレータ1内を実線の矢印のように流れて外部に排出されることになる(図では右側だけを示しているが、左右対称に流れる。)が、連続式ルーフベンチレータ(図1の断面形状のものが、図1の垂直方向に長く連続して形成されるもの。)では、空気の流れがルーフベンチレータ内で乱流状態になり、排気効率が低下するため、空気の流れと平行に排気誘導板12を設けている。この排気誘導板12は、枚数も含め必要に応じて設けられるが、必要がなければ設けなくても良い。
【0033】
このような形態による雨水の流れについて説明する。前記したようにルーフベンチレータ1の上部開口9近傍にはルーバー6を設けているので、雨水が直接受板部材5の内壁面に当たることはないため、ルーフベンチレータ1内に降り込む雨は、風とともに斜めから吹き込むものと、笠板部材2及びルーバー6上に降り、それらの外表面を伝って外端部から真下に落下するものになる。
【0034】
まず、風とともに斜めから吹き込むものについてみると、図1で▲1▼、▲3▼、▲5▼、▲7▼で示すようなものがある。▲1▼で示すように笠板部材2とほぼ平行な方向からのものは、外板部材4の外方に向かって低くなるように傾斜した中間傾斜部4bの内壁に斜めから所定の入射角度で衝突し、その内壁面で入射角度と同じ反射角度で反対側に反射され、▲2▼で示すように受板部材5の方向に向かうことになる。そのため、雨水の跳ね返りが有効開口10内に入ることはない。
【0035】
▲3▼で示すように笠板部材2とルーバー6との間からのものは、外板部材4の外方に向かって低くなるように傾斜した下部傾斜部4cの内壁に斜めから所定の入射角度で衝突し、その内壁面で入射角度と同じ反射角度で反対側に反射され、▲4▼で示すように受板部材5の方向に向かうことになる。そのため、雨水の跳ね返りが有効開口10内に入ることはない。
【0036】
▲5▼で示すように同じく笠板部材2とルーバー6との間からのものは、外方に向かって低くなるように傾斜した受板部材5の内壁に斜めから所定の入射角度で衝突し、その内壁面で入射角度と同じ反射角度で反対側に反射され、▲6▼で示すように有効開口10と反対の方向に向かうことになる。そのため、雨水の跳ね返りが有効開口10内に入ることはない。
【0037】
▲7▼で示すように外板部材4の上部傾斜部4aとルーバー6との間からのものは、▲1▼のものと同様に外板部材4の外方に向かって低くなるように傾斜した中間傾斜部4bの内壁に斜めから所定の入射角度で衝突し、その内壁面で入射角度と同じ反射角度で反対側に反射され、▲8▼で示すように受板部材5の方向に向かうことになる。そのため、雨水の跳ね返りが有効開口10内に入ることはない。
【0038】
次いで、笠板部材2及びルーバー6上に降り、それらの外表面を伝って外端部から真下に落下するものについてみると、図1でA、Cで示すようなものがある。Aで示すように笠板部材2の外表面を伝って外端部から真下に落下するものは、外方に向かって低くなるように傾斜した受板部材5の内壁に斜めから所定の入射角度で衝突し、その内壁面で入射角度と同じ反射角度で反対側に反射され、Bで示すように有効開口10と反対の方向に向かうことになる。そのため、落下する雨水の跳ね返りが有効開口10内に入ることはない。
【0039】
Cで示すようにルーバー6の外表面を伝って外端部から真下に落下するものは、同じく外方に向かって低くなるように傾斜した受板部材5の内壁に斜めから所定の入射角度で衝突し、その内壁面で入射角度と同じ反射角度で反対側に反射され、Dで示すように有効開口10と反対の方向に向かうことになる。そのため、落下する雨水の跳ね返りが有効開口10内に入ることはない。
【0040】
このように本願発明は、請求項に記載の構成を採用することにより、ルーフベンチレータ1内に降り込む雨、即ち、風とともに斜めから吹き込むもの、或いは笠板部材2及びルーバー6上に降り、それらの外表面を伝って外端部から真下に落下するもののいずれにおいてもその跳ね返りが、有効開口10を介して建物内に侵入することをなくすることができる。そしてルーフベンチレータ1内に降り込んだ雨水のすべては、排水口13及び排水口14より外部に排出される。
【0041】
本願発明は、上記各実施の態様の構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜設計変更可能であることは勿論である。
【0042】
【発明の効果】
請求項1に係る発明では、外板部材の形状を、上端部から下端部に行くに従って外方に広げたり、或いは受板部材の形状を、外方に向かって低くなるように傾斜することにより、ルーフベンチレータ内にあらゆる角度から侵入した雨水が、換気用開口内に入り込むことはなくなり、木材が雨水に塗れて腐ったり、或いは鉄骨が雨水に塗れて腐食したりする弊害を防止することができる。
【0043】
請求項2に係る発明では、外板部材の下端部を内方に折り返すことにより、請求項1に係る発明の効果に加え、雨降り時に、下方から吹き上げるような風が排水口下部から直接ルーフベンチレータ内に入り込むことがなくなるため、排水口に溜まった雨水が換気用開口内にまで吹き上げられる弊害を防止することができる。また、雨が降っていない時でも、同じように下方から吹き上げるような風が排水口下部からルーフベンチレータ内に入り込むと、風切り音が発生することがあるが、そのような騒音の発生も防止することができる。
【0044】
請求項3に係る発明では、胴部材を断面略台形にすることにより、請求項1または2に係る発明の効果に加え、例え換気用開口の下方に、梁、鉄骨等の屋根を支えるフレームが設けられていても実質的な開口面積を充分維持することができるため、常にその能力に見合った換気効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明のルーフベンチレータの断面図。
【図2】従来のルーフベンチレータの断面図。
【符号の説明】
1…ルーフベンチレータ
2…笠板部材
3…胴部材
3a…折り返し部
3b…胴部
3c…水切部
4…外板部材
4a…上部傾斜部
4b…中間傾斜部
4c…下部傾斜部
4d…折り返し部
5…受板部材
5a…折り返し部
6…ルーバー
7…フレーム
7a…下部フレーム
8…屋根
8a…立上げ枠
9…上部開口
10…有効開口
11…換気用開口
12…排気誘導板
13,14…排水口
W1…有効開口幅
W2…換気用開口幅
Claims (3)
- 笠板部材と、該笠板部材の下方に位置する胴部材と、前記笠板部材と前記胴部材との側方に位置し、それら両部材の側方を囲む外板部材と、該外板部材の下方に位置する受板部材とからなり、屋根上の換気用開口を覆って設けられるルーフベンチレータにおいて、前記外板部材及び前記受板部材の形状を、前記外板部材の形状は、上端部から下端部に行くに従って外方に広がり、前記受板部材の形状は、外方に向かって低くなるように傾斜しており、ルーフベンチレータ内に侵入し、前記外板部材或いは前記受板部材の内壁面に当たる雨水の跳ね返りが前記換気用開口内に入り込まないようにしたことを特徴とするルーフベンチレータ。
- 前記外板部材の下端部は、内方に折り返していることを特徴とする請求項1記載のルーフベンチレータ。
- 前記胴部材は、断面略台形であることを特徴とする請求項1または2記載のルーフベンチレータ。
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- 2001-08-30 JP JP2001260785A patent/JP3670228B2/ja not_active Expired - Lifetime
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