JP3670098B2 - 溶銑の脱燐脱硫法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は溶銑の脱燐脱硫法に係り,とくに,硫黄濃度30ppm以下で且つ燐濃度200ppm以下の極低硫・低燐溶銑にまで同時に脱燐脱硫する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より,鋼中硫黄濃度が20ppm以下の極低硫鋼を製造する場合,先ず溶銑段階で30ppm以下まで脱硫処理し,2次精錬工程で仕上げ脱硫処理を行うのが一般的である。その際,酸素濃度が高くて脱硫効率が低くなりがちな2次精錬工程では迅速な脱硫処理が困難であるから,溶銑段階で可能な限り低い硫黄濃度まで脱硫するのが望ましい。
【0003】
溶銑の脱硫剤としては,最も普通には,石灰系,カルシウムカーバイド,ソーダ灰等が選択されている。これらはそれぞれ得失があり,例えば石灰系は最も安価であるが,主成分が溶銑温度で固体であるから処理時間が長くなる。カルシウムカーバイドは不純物として含まれるPが有毒なフォスフィンを生成するので,環境上の問題がある。また,ソーダ灰は蒸気圧が高いので処理中に多量の白煙が発生するうえ,溶銑温度を著しく低下させる。また,後2者を用いると生成する脱硫スラグのリサイクルが困難であり,スラグ処理の点でも難がある。
【0004】
このようなことから,上記の脱硫剤に代わるものとして,マグネシウム系の脱硫剤が近年注目されている。マグネシウムは強力な脱酸・脱硫力を有するが,反応性が極めて高く且つ溶鋼温度での蒸気圧も高いので,これを単体で溶銑中に投入することは事実上困難であるから,Fe,Si,Mn,Al等の成分と合金化したMg合金として使用したり,特殊な例ではコークスにMgを含浸させたりする方法が種々提案されている。また,適切なフラックスと金属Mgを混合したものを使用することも提案されており,その添加にあたっては,これらマグネシウム系脱硫剤をキャリヤガスを用いて溶銑中にインジエクションする方法等が提案されている。
【0005】
他方,脱燐については,200ppm以下の低燐鋼を製造する場合には,溶銑の脱燐が広く行われている。その理由の一つは,溶銑脱燐では低温処理であることから,転炉での処理よりも燐の分配比が高くなり,精錬プロセスのトータルではフラックス使用量が低減できることが挙げられる。この溶銑脱燐の処理法は,大別すれば,溶銑搬送容器であるトピードカー,高炉鍋,装入鍋での処理と,転炉容器を活用した方法があるが,前者の処理は物流面からも有利な面があり,一般化されているが,その容器に起因して反応効率が左右される。例えば,高炉鍋内での脱燐は反応性が良好であるが,脱珪で発生した低塩基度スラグを完全排滓しなければならないのに対し,装入鍋での脱燐は均一混合性に優れ,良好な反応効率を示す。
【0006】
このような溶銑の脱燐には,脱燐剤として酸素源を伴った石灰系とソーダ灰系が選択されている。ソーダ灰を利用する場合には,同時脱硫が可能であるので,盛んに検討されたが,耐火物の損傷や前述の環境上の問題が付随する。そこで,同時脱硫を行う場合には,ソーダ灰の使用量を極力減少して石灰系と併用する処理などが提案されている。
【0007】
溶銑の脱硫と脱燐を同時に行う方法として,溶銑の浴内に脱硫剤と脱燐剤を別の位置からインジエクションする方法も提案されている。例えば特開平1−259112号公報には,浴中に浸漬するインジエクションランスを使用して,脱硫剤としてのCaOを浴深部にインジエクションすると同時に,この脱硫剤の浴中での浮上領域に,脱燐剤としてのCaO−酸化鉄−CaF2系フラックスをインジエクションする方法が記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記の背景のもとに,本発明は従来提案されたものよりも一層効率よく且つ操業性よく溶銑の脱硫と脱燐を同時に行うことができるような同時脱硫脱燐法の開発を課題としたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば,溶銑の浴内に脱燐剤と脱硫剤を別の位置から導入して脱燐と脱硫を同時に行う溶銑の脱燐脱硫法において,浸漬ランスを用いて脱燐剤を溶銑中にインジエクションしながら,金属Mg含有の線状の固体脱硫剤をその軸線方向に浴面から浴内に所定速度で連続的に送り出すことを特徴とする溶銑の脱燐脱硫法を提供する。本発明法は,溶銑を収容した容器と,吹出口が溶銑内に浸漬される脱燐剤インジエクション用の浸漬ランスと,この容器内溶銑中に金属Mg含有ワイヤをその軸線方向に送り出すワイヤフイーダとからなる設備によって実施できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は本発明法を実施する設備を図解的に示したものである。本発明によれば,容器1内の溶銑2に対して脱硫と脱燐を同時処理するものであり,浸漬ランス3を用いて脱燐剤を溶銑2内にインジエクションしながら,同時に金属Mg含有の線状の固体脱硫剤(Mg含有ワイヤ)4を浴面から浴内に所定速度で連続的に送り出す。
【0011】
浸漬ランス3は耐火物で保護した管状体の先端部に吹出口5を有したものであり,図示の例ではこの吹出口5は先端近くの胴部に横向きに形成されており,したがって,浸漬ランス3を垂直に浸漬した状態では,脱燐剤は吹出口5から浴内深部において横向きにインジエクションされる。
【0012】
この脱燐剤のインジエクションは粉状の脱燐剤6をキャリヤガス7によって搬送することによって行うが,キャリヤガス7として脱燐用酸素源となる酸素ガスまたは酸素含有ガスを使用することもできる。もちろん窒素ガスやその他のキャリヤガスを使用することも可能であり,好ましくは窒素と酸素の混合ガスが使用される。
【0013】
粉状の脱燐剤6としては,プレミックスされたCaO−固体酸素(酸化鉄)−CaF2もしくはAl2O3 系フラックスが好ましく,これらの各粉体をポストミックスするものでもかまわない。その成分比としては,重量%で,CaO:35〜65%,酸化鉄:35〜65%,CaF2もしくはAl2O3 :5〜20%,その他:5%以下で,且つCaO/(CaF2もしくはAl2O3 ):1.5〜20のものである。これに限らず,従来より公知の脱燐剤も使用できるが,ソーダ灰は前記した理由により避けるのがよい。
【0014】
金属Mg含有の線状の固体脱硫剤4(以下,Mg含有ワイヤと呼ぶ)は,図1に示すように,コイル状に巻かれた状態からワイヤフイーダ9によってガイドパイプ10内に送り出され,このガイドパイプ10から垂直方向に溶銑2の浴面に供給され,そのまま浴中に連続的に送り出される。
【0015】
このMg含有ワイヤは鉄系のシース内に粉状の脱硫剤を充填したものである。換言すれば,脱硫剤がその中に充填された鉄被付きワイヤである。この鉄被(被覆材)が溶銑中に溶解して,脱硫剤が溶銑内に露出する。本発明法において,鉄被中に充填される脱硫剤の主成分は金属Mgである。具体的には,鉄被中に充填される脱硫剤は,金属Mgと石灰(CaO)とから実質的になる混合物であり,金属Mgの配合割合が30〜90mass%である。
【0016】
このMg含有ワイヤを溶銑の浴面から浴中にその軸線方向に垂直に送り出すとその送り出し速度を適切にすれば,図1に示すように,その先端部11では鉄被が溶解して脱硫剤が露出する状況が定常的に保たれ,溶銑内の或る所定の領域において脱硫剤が連続的に供給される部位がほぼ定位置に維持される。この定位置を維持するための送り出し速度は,該ワイヤの鉄被厚さ,該ワイヤの使用本数,溶銑温度,浴の攪拌状態等の因子によって異なるが,これらの因子をほぼ一定の状態で操業すれば,数回のトライアルで最適の送り出し速度を決定することができる。
【0017】
一方,脱燐反応は,石灰系の脱燐剤を使用する場合に系の酸素ポテンシャルを上げる必要がある。このため,脱燐処理ではリンよりも酸化されやすい成分の酸化ロスが無視できない。本発明法に従って脱燐と同時に金属Mgによる脱硫を実施する場合に,マグネシウムは硫黄と同様に酸素とも親和力が大きいので,局部的に酸素ポテンシャルが高くなっている脱燐反応サイトにマグネシウムが侵入して,マグネシウムが酸化して脱硫能が低下し,また酸素ポテンシャルの低下による脱燐機能も低下することが考えられたが,浸漬ランス3の吹出口5の位置と,Mg含有ワイヤの定常的な溶解位置11とが所定の関係を有している場合には,低域までの脱硫が脱燐と同時に進行することがわかった。
【0018】
すなわち,浸漬ランス3の吹出口5の位置を脱燐反応サイト位置,また,Mg含有ワイヤの定常的な溶解位置11を脱硫反応サイト位置と呼ぶことにすると,浴面からの脱燐反応サイト位置の深さLp(mm)と浴面からの脱硫反応サイト位置の深さLs(mm)の差の絶対値|Lp−Ls|と,浴深さL(容器底部から浴面までの高さ,mm)の比,すなわち,|Lp−Ls|/Lの値が0.2〜0.72のときに,脱燐率および脱硫率とも80%以上を安定して達成できることが数多くの試験の結果わかった。
【0019】
本発明者らの実験によると,溶銑温度が1320℃での溶解速度が平均2秒であるMg含有ワイヤ4を使用した場合,脱硫反応サイト位置11の深さLs(mm)はその送り出し速度V(m/分)との間で次の(1) 式の関係がある。
脱硫反応サイト位置の深さLs(mm)
=ワイヤ送り出し速度V(m/分)×33.3 ・・(1)
【0020】
この(1) 式によれば,当該Mg含有ワイヤを使用した場合には,1320℃の溶銑温度ではLsを所定の位置に維持するための送り出し速度が決定できる。鉄被の厚みや径の異なる(すなわち溶解速度が異なる)ワイヤを使用する場合,また溶銑温度が異なる場合には,それに応じて(1) 式に対応する式が実験的に得られる。したがって,脱硫反応サイト位置11の深さLsは,使用するワイヤに応じて,また処理する溶銑に応じて,ワイヤ送り出し速度Vから計算によって求めることができ,換言すれば,Vを適正値に調整することよってLsを所望位置に制御できる。
【0021】
他方,脱燐反応サイト位置の深さLpはその吹出口5の位置が固定した浸漬ランス3を用いることによって,一定値を維持することができ,Lは処理中ほぼ一定であるから,前述のようにして求めたLpから(Lp−Ls)/Lの比が求まる。
【0022】
図5は,後記実施例と同一の条件で本発明法を実施し,LpとVを種々変化させて|Lp−Ls|/Lの値(横軸)を変化させた場合の脱硫率(実線)および脱燐率(破線)を調べた結果をプロットしたものである。図5中の各プロットの添字はワイヤ送り速度(m/分)を示している。図5から明らかなように,
(Lp−Ls)/L:0.2〜0.72
(Lp−Ls)/L:−0.72〜−0.2
のとき,すなわち,
|Lp−Ls|/L:0.2〜0.72
のときに,脱硫率≧80%,脱燐率≧80%を同時に満足することがわかる。
【0023】
その理由としては,次のように考えることができる。この比が0.2未満では脱燐反応サイトと脱硫反応サイトが近すぎて,脱燐生成物がマグネシウムにより還元され,このために脱燐反応,脱硫反応ともにその進行が抑制される。他方,この比が0.72を超える場合には,脱硫反応サイト位置11の深さLsが浅すぎるか,または脱燐反応サイト位置の深さLpが浅すぎることから,これらの反応サイトが表面近傍となり,したがって,溶銑中のS或いはPが反応サイトまでの移動が反応を律速するので,反応速度が低下する。ただし反応時間を長くすれば両反応は進行するが,効率は低下する。
【0024】
このようなことから,本発明の実施にさいしては,
0.28<Lp/L<1
0.28<Ls/L≒V×33.3/L<1
の関係が同時に満たされることが望ましい。
【0025】
また,本発明で用いるMg含有ワイヤ4は,前記のようにマグネシウムを30〜90mass%の配合割合で含むMg系脱硫剤を鉄被で包んだものであるが,このワイヤの送り出し速度を規制するにあたっては,用いるワイヤ中のMg含有量についても配慮する必要がある。本発明者らの実験によると,このワイヤを送り出すことによって,Mgの純分が送り出される速度が溶銑トン当り0.01Kg/分以上となることが必要で,これより低いと,Mgの供給不足が生じて脱硫反応の進行が遅くなり,最終到達〔S〕濃度も高い値となる。しかし,Mg純分が送り出される速度が溶銑トン当り0.3Kg/分を超えると,反応が急激になり危険を伴うようになるので避けるべきである。このようなことは,ワイヤの供給速度の決定にあたっては,金属Mgが溶銑に供給される実際の量を考慮し,Mg純分の送り出し速度が溶銑トン当り0.01〜0.3Kg/分となる範囲で調整することが望ましい。
【0026】
本発明法は,上述のように,脱燐剤のインジエクション位置とMg含有ワイヤの溶解位置とを所定の関係が維持されるように適正に選定することによって,脱燐と脱硫を同時に効率よく進行させることができるものであるが,脱燐剤のインジエクションそれ自体がMg含有ワイヤによる極低域までの脱硫反応の進行にも大きく寄与していると考えられる。すなわち,一般に脱硫剤を溶銑中に添加する場合,その脱硫反応は溶銑中のSの移動に律速されるので,低硫黄濃度領域では脱硫反応速度は急激に低下する傾向がある。その解決策としては攪拌が最も有効であるが,容器内溶銑にワイヤを供給するだけでは攪拌は望めないところ,同時に浸漬ランスから脱燐剤をインジエクションする場合には,溶銑の流動が起こるので低S領域でも効率のよい脱硫が進行するものと考えられる。
【0027】
【実施例】
〔実施例1〕
高炉溶銑90トンを断面積が5.4m2の円筒状の処理容器に装入した。浴深さLは2500mmである。図1のように,浸漬ランス3から酸素ガスをキャリヤガスとして(キャリヤガス流量:1.0Nm3/min ) 粉状の脱燐剤(基本組成はCaO:76mass%,CaF2:10mass%,その他:14mass%である)を溶銑中にインジエクションしながら,1本のMg含有ワイヤ4をワイヤフイーダ9によって連続的に溶銑中に垂直に送り出した。使用したMg含有ワイヤ4は,金属Mgを60mass%の割合で含み残部が実質的にCaOからなる脱硫剤を,厚みが0.3mmの低炭素鋼の鉄被で被覆した直径13mmのワイヤである。このワイヤは長さ1m当り脱硫剤を0.16Kg含有しており,このワイヤを35m/分で溶銑に連続的に送り出す場合,Mg純分の溶銑中への供給速度は溶銑トン当り0.037Kg/分である。
【0028】
浸漬ランス3を容器の中心から約400mm偏心した位置に垂直に設置し,その先端部胴部の吹出口5を容器の中心方向に向けた。ワイヤ4を垂直に送り出す位置を吹出口5に対向する位置であって,容器の中心から400mm偏心した位置とした。処理溶銑の温度は1320℃,初期S濃度は約250ppm,初期P濃度は約1000ppmである。この溶銑に対して,浸漬ランス3の吹出口5の位置(Lp)を浴面から2000mmの深さとし,粉状脱燐剤の吹込量を溶銑トン当り1.6Kg/分としてインジエクションしながら,該ワイヤの送り出し速度を35m/分(Mg純分の供給速度:溶銑トン当り0.037Kg/分)で供給した。表1にこれらの処理条件を総括して示した。
【0029】
この処理条件で30分間の連続処理を行った。その結果,溶銑中の到達S濃度は20ppm,到達P濃度は110ppmとなった。この処理の間に溶銑に供給されたワイヤ投入量は1050m(Mg純分では溶銑トン当り1.12Kg)であった。この処理結果を表2に総括して示した。また,この連続処理の過程で溶銑をサンプリングし,処理途中のS濃度およびP濃度を検出することにより,溶銑中のSおよびP濃度の経時変化を調べた。その結果を図2に示した。図2に見られるように,S濃度はほぼ直線的に低下し,30分で20ppmまで低下し,P濃度もほぼ直線的に低下し,30分で110ppmまで低下した。
【0030】
〔比較例1〕
ワイヤ4の送り出し速度を60m/分(Mg純分の供給速度:溶銑トン当り0.067Kg/分)とした以外は,実施例1と同様の溶銑に同じ処理を行った。その結果,溶銑中の到達S濃度は150ppm,到達P濃度は238ppmとなった。この処理の間に溶銑に供給されたワイヤ投入量は1800m(Mg純分では溶銑トン当り1.92Kg)であった。本例の処理条件と処理結果を表1および表2に併記すると共に,図3に実施例1と同様にして求めたSおよびP濃度の経時変化を示した。
【0031】
〔比較例2〕
浸漬ランス3の吹出口5の位置(Lp)を浴面から2200mmとし,ワイヤの送り出し速度を6m/分(Mg純分の供給速度:溶銑トン当り0.0064Kg/分)とした以外は,実施例1と同様の溶銑に同じ処理を行った。その結果,溶銑中の到達S濃度は238ppm,到達P濃度は200ppmとなった。この処理の間に溶銑に供給されたワイヤ投入量は180m(Mg純分では溶銑トン当り1.92Kg)であった。本例の処理条件と処理結果を表1および表2に併記すると共に,図4に実施例1と同様にして求めたSおよびP濃度の経時変化を示した。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によれば,低域濃度までの溶銑の脱硫は脱燐が長大な時間を要することなく効率よく実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明法を実施する設備の例を示す略断面図である。
【図2】本発明法(実施例1)を実施した場合の溶銑中のSおよびP濃度の経時変化図である。
【図3】本文記載の比較例1を実施した場合の溶銑中のSおよびP濃度の経時変化図である。
【図4】本文記載の比較例2を実施した場合の溶銑中のSおよびP濃度の経時変化図である。
【図5】|Lp−Ls|/Lの値(横軸)を変化させた場合の脱硫率(実線)および脱燐率(破線)を調べた結果をプロットした図である。ただし,Lpは浴面から脱燐反応サイト位置の深さ(mm),Lsは浴面からの脱硫反応サイト位置の深さ(mm),Lは浴深さ(mm)を表す。
【符号の説明】
1 容器
2 溶銑
3 浸漬ランス
4 線状のMg含有固体脱硫剤(Mg含有ワイヤ)
5 浸漬ランスの吹出口
6 粉状の脱燐剤
7 キャリヤガス
9 ワイヤフイーダ
10 ガイドパイプ
11 Mg含有ワイヤの定常的な溶解位置(脱硫反応サイト位置)
Claims (5)
- 溶銑の浴内に脱燐剤と脱硫剤を別の位置から導入して脱燐と脱硫を同時に行う溶銑の脱燐脱硫法において,浸漬ランスを用いて脱燐剤を溶銑中にインジエクションしながら,金属Mg含有の線状の固体脱硫剤をその軸線方向に浴面から浴内に所定速度で連続的に送り出すことを特徴とする溶銑の脱燐脱硫法。
- 固体脱硫剤が鉄系シース内に充填されることにより,この鉄系シースを被覆材としたワイヤに構成され,該シース内に充填されている脱硫剤が金属MgとCaOとからなり,該脱硫剤中の金属Mgの配合割合が30〜90mass%である請求項1に記載の脱燐脱硫法。
- 溶銑中に連続供給される金属Mg純分の送り出し速度が,溶銑トン当り0.01〜0.3Kg/分である請求項1または2に記載の脱燐脱硫法。
- 溶銑中に脱燐剤を横向きにインジエクションする浴面からの深さ位置Lp(mm)と,溶銑中に連続的に送り込まれる金属Mg含有の線状の固体脱硫剤が定常的に溶解する浴面からの深さ位置Ls(mm)と,浴深さL(mm)との間で,
|Lp−Ls|/L:0.2〜0.72,
0.28<Lp/L<1,
0.28<Ls/L<1
の関係が同時に満足するように溶銑を処理する請求項1,2または3に記載の脱燐脱硫法。 - 金属Mg含有の線状の固体脱硫剤の送り出し速度をV(m/分)としたとき,
Ls=V×33.3
によってLsを評価する請求項4に記載の脱燐脱硫法。
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