JP3670059B2 - ミシンの下糸残量検知装置 - Google Patents

ミシンの下糸残量検知装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ミシンの下糸残量検知装置、特にボビンに巻かれている下糸が無くなる前に、下糸が規定量より少なくなったことを検知棒で検出し、縫製品の縫い直しや、不良品の発生を防止するに有効なミシンの下糸残量検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ミシンでは下糸を巻いたボビンはボビンケース内に収容され、このボビンケースはミシンの針棒下部にある釜に装着されるため、通常縫製中は外部から下糸残量を目で確認することができない。そこで、ミシンの下糸が無くなる前に、下糸が少なくなったことを検知できるようにする装置が開発され、使用されており、その1つとしては、例えば実開昭63−136591号公報に開示されているものがある。
【0003】
この公報に開示されている下糸残量検知装置は、縫合が完了しているミシンが定位置に停止すると、ロータリソレノイド等の駆動手段が作動し、検知棒を移動させてその先端を釜内のボビンに巻かれた下糸外周部に接触させ、その後元の位置に復帰する往復運動をさせることにより、下糸の検知を行うようになっている。即ち、検知棒を往動させたときの移動距離が少なければ下糸の残量が多く、その移動距離が徐々に大きくなり、それが限界に達したときに、所定位置に取付けられている前進検知用磁気センサが作動し、下糸消費検知信号を発生し、下糸補充の必要性をオペレータに通知する。
【0004】
上記の如く、従来の下糸検知は、ミシンが定位置に停止した状態で、即ち主軸の回転に連動して回転する外釜を、その開口部が検知装置と一定の位置関係になったところで停止させ、その状態で該開口部から検知棒を挿入して行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来より複数組の短冊状の布を、途中で糸切り動作を行わずに連続して縫製することが行われており、この場合1組目の布の縫製が終わると、ミシンを停止させることなく次の布を供給し、続けて縫製する作業が行われるので、縫製の途中で下糸が無くなってしまうことが起こるという問題があった。
【0006】
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、ミシンが動作中でも、検知棒を釜内に導入して下糸残量を検出することができるミシンの下糸残量検知装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ミシンの下糸が巻かれたボビンが収容されている釜内に、外釜の開口部から検知棒を前進させて下糸残量を検出するミシンの下糸残量検知装置において、釜に対して所定の位置に配設され、検知棒を進退動させるリニアアクチュエータと、針を上下動させる主軸の回転速度が下糸残量を検知可能な速度状態にあることを判定する第1判定手段と、主軸の回転に連動して回転する釜が、外釜の開口部からリニアアクチュエータにより検知棒を前進可能な回転角範囲にあることを判定する第2判定手段と、第1判定手段による判定結果と第2判定手段による判定結果とが同時に成立している時に、リニアアクチュエータを駆動させて下糸残量の検知動作を制御する制御手段と、を備えた構成とすることにより、前記課題を解決したものである。
【0008】
請求項2の発明は、ミシンの下糸が巻かれたボビンが収容されている釜内に、外釜の開口部から検知棒を前進させて下糸残量を検出するミシンの下糸残量検知装置において、釜に対して所定の位置に配設され、検知棒を進退動させるリニアアクチュエータと、針を上下動させる主軸の回転速度が下糸残量を検知可能な速度状態にあることを判定する第1判定手段と、主軸の回転に連動して回転する釜が、外釜の開口部からリニアアクチュエータにより検知棒を前進可能な回転角範囲にあることを判定する第2判定手段と、第1判定手段による判定結果と第2判定手段による判定結果とが同時に成立している時に、リニアアクチュエータを駆動させて下糸残量の検知動作を制御する制御手段と、リニアアクチュエータを前進駆動させ、その可動部に固定されている検知棒を釜内に前進させた際に生じる、規定量の下糸が有るときと無いときの振動波をそれぞれ検出する手段と、を備えていると共に、前記制御手段が、リニアアクチュエータを前進駆動した際に上記振動波のいずれかが検出された時に、該リニアアクチュエータを後退駆動させる制御を行うようにしたことにより、同様に前記課題を解決したものである。
【0009】
請求項3の発明は、ミシンの下糸が巻かれたボビンが収容されている釜内に、外釜の開口部から検知棒を前進させて下糸残量を検出するミシンの下糸残量検知装置において、検知棒を進退動させる検知棒駆動手段と、回転している外釜の開口部が、検知棒を前進可能な位置にあることを検出する手段と、検知棒を釜内に前進させた際に、その先端がボビンに巻かれている下糸外周に当接したことを検出する手段とを備え、上記外釜が、釜内に検知棒を前進可能な位置にあるときに、検知棒駆動手段により検知棒を前進させ、その先端が下糸外周に当接したことが検出された時に、該検知棒を後退させる検知動作が実行されるようにしたことにより、前記課題を解決したものである。
【0010】
請求項4の発明は、ミシンの下糸が巻かれたボビンが収容されている釜内に、外釜の開口部から検知棒を前進させて下糸残量を検出するミシンの下糸残量検知装置において、検知棒を進退動させる検知棒駆動手段と、回転している外釜の開口部が、検知棒を前進可能な位置にあることを検出する手段と、検知棒を釜内に前進させた際に、その先端がボビンに巻かれている下糸外周に当接したか、又は検知棒と共に移動する可動部がストッパ部に当接したことを検出する手段とを備え、上記外釜が、釜内に検知棒を前進可能な位置にあるときに、検知棒駆動手段により検知棒を前進させ、その先端が下糸外周に当接したか、又は可動部がストッパ部に当接したことが検出された時に、該検知棒を後退させる検知動作が実行されるようにしたことにより、同様に前記課題を解決したものである。
【0011】
即ち、請求項1の発明においては、確実に検知棒の前進・後退動作を実行できる回転速度状態になっていることを第1判定手段で判定すると共に、回転している釜が、ちょうど検知棒を釜内に前進できる回転角度の範囲にあること、即ち釜の開口部分が検知棒の前進位置に一致している範囲内にあることを第2判定手段で判定し、この第1、第2の判定手段による判定結果が同時に満たされているときにのみ、検知動作を行うようにしたので、ミシンを停止させることなく、安全にしかも確実に下糸残量を検知することができる。
【0012】
又、ミシンを停止させることなく下糸検知を行うためには、検知棒を釜内に導入できるタイミングを正確に掴むことは当然のこととして、検知棒を釜内に前進・後退させる検知動作を縫製動作を阻害しない程度の高速で実行させることが好適である。本発明においては、検知棒の進退動をリニアアクチュエータで行うようにしたので、動作は検知棒の一端が固定された可動部を前進・後退させるだけでよいことから、クランク機構等の複雑な構造は不要となり、アクチュエータ自体を小型にできると共に、検知棒を含む可動部を小型・軽量、例えば2g以下にすることができるため、高速の検知動作を行わせることができる。
【0013】
即ち、前記実開昭63−136591に開示されている従来のミシンの下糸残量検知装置は、ロータリソレノイドや、プランジャマグネットを使用し、しかも動作量を増幅するためにリンク機構を用いているため、可動部分の質量が大きく、それ故に検知棒を前進させて検知動作を行った後、復帰動作に移るまでに長時間を要することになり、その結果下糸を検知棒で押え付けている時間が長くなり、縫製動作を阻害する恐れが大きいため、釜が回転している縫製動作中に下糸残量を検知することは難しいのに対して、本発明にはこのような問題はない。
【0014】
又、上記従来の下糸残量検知装置では、前進検知用の磁気センサが、下糸が少なくなった場合のみ作動するようになっているので、下糸残量が多いときは下糸に検知棒が当接したとしても検知されないため、この場合にも、長時間検知棒で下糸を押え付けることになることから問題がある。これを解消するために、連続的に検知棒の位置を検知できるように磁気抵抗素子を配設することも考えられるが、この場合にも、検知棒を駆動すると同時に磁気抵抗素子の抵抗値の変化を監視し、その変化が所定の時間内に無いことから検知棒が下糸に接触したという判断をする必要があるため、そのための時間が必要となって、結局高速動作は難しい。
【0015】
又、請求項2の本発明においては、請求項1と同様の下糸残量検知装置において、アクチュエータを前進駆動させ、その可動部に固定されている検知棒を釜内に前進させた際に生じる、規定量の下糸が有るときと無いときの振動をそれぞれ検出できるようにし、アクチュエータを前進駆動した際に上記振動のいずれかが検出された時に、直ちに該アクチュエータを後退駆動させることができるようにしたので、検知棒を前進させて、釜内に導入して規定の下糸残量の有無を検知すると同時に、該検知棒を迅速に後退させることができることにより、リニアアクチュエータによる検知動作を確実に、しかも高速で実行することができる。
【0016】
又、請求項3の発明においては、回転している外釜の開口部が、検知棒を前進可能な位置にあることを検出し、該開口部がその前進可能な位置になったときに、検知棒を釜内に前進させると共に、その先端がボビンに巻かれている下糸外周に当接したことが検出された時に、該検知棒を後退させることができるようにしたので、ミシンが縫製動作中の場合でも、検知棒の前進量に基づいて下糸残量の検知を確実に行うことができる。
【0017】
又、請求項4の発明においては、同様に外釜が回転中に検知棒を釜内に前進可能とし、その時に発生する振動の違いにより規定量の下糸残量の有無を検出できるようにすると共に、振動音が検出された時に検知棒を後退させるようにしたので同様に、縫製動作中でも下糸残量を検出することができる。
【0018】
又、請求項5のように、請求項3又は4の下糸残量検知装置において、ミシン主軸の回転速度が、前記検知動作が可能な速度範囲にあることを判定する手段を備え、ミシン主軸の回転速度が上記速度範囲にあると判定されたときに、検知動作が実行されるようになされている場合には、検知棒駆動手段の性能に応じて確実に検知動作が可能な回転速度になったところで、該動作を行うことができるため、安全且つ正確に下糸残量を検出することができる。
【0019】
又、請求項6のように、請求項1、2、3又は4の下糸残量検知装置において、ボビンをボビンケースに収容する場合、前記検知動作を、ボビンケースの開口部と外釜の開口部とが一致しているときに実行するようになされている場合には、ボビンケースを使用する通常のミシンでも動作中に下糸残量を確実に検出することができる。
【0020】
又、請求項7のように、請求項1、2、3又は4の下糸残量検知装置において、検知棒を前進駆動するタイミングを、ミシン主軸の回転角に対応するタイミング信号に基づいて決定するようになされている場合には、主軸の回転角を、例えばロータリエンコーダで検出し、その検出位置から外釜の開口部が検知棒を前進可能な位置関係にあるかを正確に決定できるので、動作中でも確実に下糸残量を検知することができる。
【0021】
又、請求項8のように、請求項1、2、3又は4の下糸残量検知装置において、検知した下糸残量の程度を表示する検知レベル表示手段を備えている場合には、作業者が下糸残量を容易に把握することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0023】
まず、本発明の第1実施形態を説明する当り、ミシン動作中の下糸残量の検知動作を可能とする小型・軽量で、且つ高速動作が可能であり、下糸を傷付けることなく、正確にその残量を検出することができるリニアアクチュエータをハード本体とする下糸残量検知装置について詳細に説明する。なお、このリニアアクチュエータをハード本体とする下糸残量検知装置は、特願平6−167068号で本出願人が既に提案している。
【0024】
図1(A)、(B)及び(C)は、それぞれこの下糸残量検知装置(リニアアクチュエータ)の平面図、B−B断面図及び正面図である。又、図2は、この検知装置を一部破断して示した斜示図である。図中、符号1は検知棒軸受であり、2A、2Bは後述するコイル5Bが移動できるスパン内で、ほぼ均一な磁界を与える永久磁石であり、3A、3Bは永久磁石2A、2Bそれぞれの内側に存在する空間、4は永久磁石2A、2Bに平行な鉄心であり、永久磁石2A及び2Bは両者共この鉄心4に同じ磁極面を向けている。
【0025】
符号5は、鉄心4上を自由に滑動することができるコイル組立体で、このコイル組立体5はコイルボビン5Aと、通電時にリニア直流モータの動作原理に基づき直線的な推力を得るためのコイル5Bより構成されている。符号6A、6Bは上記コイル組立体5を図1(A)の右端に付勢する復帰ばね(一点鎖線で示した)、7は後端が上記コイル組立体5に固定され、その先端が該コイル組立体5の移動時に釜の開口部を通してその内部にあるボビンに巻かれている下糸の外周部に当接するように移動する検知棒である。
【0026】
符号8は抵抗変化や圧電素子又は電気容量の変化等を利用して圧力を検知する圧力センサであり、9は後退端を規定するヨーク10Aに固定され、コイル組立体5の移動を案内する役割を果たす下部案内棒である。
【0027】
上記ヨーク10Aは鉄心4の長さ方向側面に接し、ヨーク10Bは永久磁石の第2磁極面側とヨーク10Aの側端面に接しており、これらは永久磁石から出て永久磁石に戻る磁束の通路となるだけでなく、下糸残量検知装置の枠体を構成している。
【0028】
上記下糸検知装置においては、上述した永久磁石2A、2B、空隙3A、3B、鉄心4、コイル組立体5及びヨーク10A、10Bは、リニアモータを構成している。この検知装置は、図3に符号Aで示すように、ミシン内部で、下糸11が巻かれているボビン12が収容されている釜14に近接する位置に取付けられ、釜14が停止しているときに、下糸検知を行う場合、図3(A)に示す検知動作開始前の状態から、コイル組立体5のコイルに所定方向に電流を流すことにより、該組立体5を前進させると、検知棒7が同図(B)又は(C)のように釜14内に挿入され、下糸11の検知が行われる。その際、図3(B)のように下糸11が十分に残っているときには、検知棒7の先端が下糸11の外周部に衝突し、小さい振動波が生じるが、同図(C)のように規定の長さ以下になると下糸の巻径が小さくなるため検知棒7の先端が届かなくなり、その結果コイル組立体5自体が前方のヨーク(枠体前端部)10Aに衝突し、機械的な強い衝撃音(振動波)が発生する。このように、検知棒7を前進動作させたときの振動波の強弱により、下糸の有無を検出することができる。
【0029】
そこで、上記下糸検知装置では、図4に、ミシン本体の取付部材13に取付けられている状態を示すように、ヨーク10Bの外側に振動波検出素子(圧電素子等からなる超音波センサ)15が取付けられ、該振動波検出素子15で検出される振動波を、図5の回路図に示した基準電圧の異なる2種類のコンパレータを使用して識別し、下糸の検知を行っている。
【0030】
即ち、図5の上段に示した基準電圧100mVに設定したコンパレータと、下段に示した基準電圧600mVに設定したコンパレータの一方の入力端子に、超音波センサ15からの検出信号が入力されるようになっている。これらコンパレータの出力は、それぞれ別個のモノステーブル・マルチバイブレータ(ワンショット)LM555の入力に接続され、ワンショットの出力を図示しない判定回路で識別する。
【0031】
図6は、可動部(コイル組立体)5が超音波センサ15から上記振動波識別回路に入力されたときに得られる、基準電圧が異なる2つのコンパレータと、2つのワンショットの出力波形を示し、この図から検知棒が前進して下糸11に当たったときと、コイル組立体5が復帰して後ろの壁(枠体後端部)に当たったときには、基準電圧100ミリVに設定した側のワンショットのみがパルスを出力する。
【0032】
一方、規定より下糸が少なくなったときは、強く付勢されたコイル組立体5が前進して前の壁に当たったときには振動波が最大値700ミリVに達するため、基準電圧を100ミリVに設定した側のワンショット及び基準電圧600ミリVに設定した側のワンショットの両方が出力パルスを送出する。従って、上で詳述した本出願人が既に提案している下糸残量検知装置は、上記2つのワンショット回路の出力の有無と、コイル組立体の前進・復帰動作制御とを組合せることにより、下糸の有無及び可動部の前進・後退が正しく実行されたか否かを、単一の超音波センサ15で確実に識別することができる。
【0033】
以上、本実施形態の下糸残量検知装置の主なハード構成と、その基本動作原理を説明したが、以下に本実施形態の下糸残量検知装置の特徴について詳述する。
【0034】
図7は、本実施形態の下糸残量検知装置を構成する振動検出部とリニアアクチュエータの駆動制御部の要部を示す回路図、図8は、リニアアクチュエータと下糸を巻いたボビンを収容する釜との位置関係を示した概略断面図である。
【0035】
本実施形態の下糸残量検知装置は、ミシンの主制御装置(図示せず)において、第1条件として、針を上下動させる主軸の回転速度が下糸残量を検知可能な低速状態にあることを判定する第1判定手段と、第2条件として、主軸の回転に連動して回転する釜が、その開口部からリニアアクチュエータにより検知棒を導入可能な回転角範囲にあることを判定する第2判定手段とが組み込まれており、これら両判定手段による判定結果である上記第1条件と第2条件とが同時に成立している時にのみ、以下のようにリニアアクチュエータを駆動させて下糸残量の検知動作を制御するようになっている。
【0036】
又、本実施形態では、図7に示したコンパレータ・ワンショット回路16Aは、動作時の振動波検出回路で、前記図5の上段に示したコンパレータの設定基準電圧が100mVに設定してある回路に相当し、コンパレータ・ワンショット回路16Bは、下糸無し時の振動波検出回路で、同じく図5の下段に示したコンパレータの基準電圧が600mVに設定してある回路に相当する。
【0037】
本実施形態の下糸残量検知装置は、上記図7に示すように、超音波センサ(振動波検出手段)15から入力される検出信号のレベルを、100mVの基準レベルと比較し、その基準レベルを越えている場合には、ワンショット信号を出力するコンパレータ・ワンショット回路16Aと、600mVの基準レベルと比較し、その基準レベルを越えている場合には、ワンショット信号を出力するコンパレータ・ワンショット回路16Bと、これらワンショット回路16A、16Bからの信号入力等に基づいて後述する各種の制御信号を生成するプログラマブルコントローラ(CTL)17と、該コントローラ17からの制御信号に基づいて制御されるアクチュエータドライバ18と、該ドライバ18により制御駆動されるリニアアクチュエータ19(前記図3等で符号Aで示したものに当る)を主要部として備えており、又、上記プログラマブルコントローラ17にはスタートとリセットを指示するスタートスイッチ20が取付けられている。
【0038】
本実施形態は、いわゆる水平釜ミシンに適用された下糸残量検知装置であり、上記リニアアクチュエータ19は、釜に対して図8に示すような位置に配置されている。即ち、図中21は、釜軸台であり、該釜軸台21に支持されている軸を中心に外釜14は矢印方向に回転するように軸支され、その斜め右上方向に超音波センサ15が付設されたリニアアクチュエータ19が配設されている。又、図中、斜線部22は、外釜14の上糸釜越部、23は縫製時に上糸を引掛ける剣先部である。
【0039】
本実施形態では、スペースの関係上、リニアアクチュエータ19は図8のような配置位置となる。又、通常ミシンでは主軸が1回転する間に外釜14が2回転するようになっている。そのため、外釜14の剣先部23と、上糸釜越部22を避けて検知棒を下糸釜内に前進できるのは、ミシンの上軸(主軸)の回転角度で165°〜255°と345°〜75°の間で、それぞれ90°である。この角度範囲は、図8においてはリニアアクチュエータによる検知棒7の前進位置Aが外釜14の内部に挿入できるB〜Cの180°の範囲内にあることに相当し、時間的には上軸の回転数が300rpmの時であれば、50m秒の期間に相当する。本実施形態で使用するリニアアクチュエータ19は、検知棒7を含む可動部分の質量が2g以下と小さいこともあって、駆動開始から復帰までに18m秒以下で作動するため、前記回転数300rpmのミシンの回転中にも下糸残量を確実に検知できるようになっている。
【0040】
なお、実際には、回転角範囲が前記165°〜255°では上糸が釜を潜り抜けている期間に含まれるため、この間にアクチュエータを作動させると上糸が検知棒7に引掛ってしまうため、ここでは主軸が345°〜75°の角度範囲にあるときにアクチュエータ19を作動させることになる。但し、この期間は、下糸が繰り出されている期間にあたるため、通常のソレノイドでは下糸への当接時間が長く縫製に問題を生じるが、本実施形態では作動部分質量を小さくし、検知棒が下糸に当接した時の振動波を捕らえて直ちに後退させるようにしたことから、縫い品質に影響を与えることなく、ミシンの回転中でも下糸残量を検知することができるようになっている。
【0041】
本実施形態においては、前記CTL17のタイマを使ってリニアアクチュエータ19の駆動と下糸検知動作の正異常の検出をも行うようになっており、これを図9〜図12のタイムチャートを用いて(1)アクチュエータの前進と後退の駆動出力の発生、及び下糸が有るときの正常動作の判定、(2)下糸無しの判定、(3)後退動作異常の判定、(4)前進動作異常の判定のそれぞれに使用される制御信号の生成について説明する。
【0042】
本実施形態の検知装置では、下糸が規定量より少ないときにコイル組立体5が前の壁(ヨーク10A、前端部)に当たる寸前にアクチュエータドライバ18に出力される前進信号がオフとなるように設定されている。
【0043】
ミシン本体の制御装置から、主軸の回転速度が下糸検知可能な低速状態、例えば300rpmになった時に、スタート信号が入力され、スタートスイッチ20がオンになる。スタートスイッチ20がオンになると、CTL17の入力リレー0001がオンとなり、プログラムがスタートする。
【0044】
このように、ミシンの主軸回転数(回転速度)が規定回転数以下となると、主軸回転角度が345°〜75°の間だけ回転角信号(検出可能信号)が、ミシン本体の制御回路からプログラマブルコントローラ17の入力リレー0001に出力される。この回転角信号は、通常1回出力すればよいが、規定回転数以下の回転状態が長く続くようであれば、更に何回か出力してもかまわない。ミシンの主軸回転数が規定回転数以上となり、再び規定回転数以下となったときに、回転角信号を出力するという動作が繰り返される。
【0045】
図9において、回転角信号が出力され、プログラマブルコントローラ17の入力リレー0001がオンになると、前進駆動タイマT000がスタートする。このタイマT000がオンになると、前進終了タイマT001、後退駆動タイマT002、後退終了タイマT003、衝突待ちタイマT004及びリセットタイマT005が、この順で順次スタートするようにプログラムされている。
【0046】
又、前進駆動タイマT000がオン、前進終了タイマT001がオフ、前進チェック用の内部リレー1102がオフのANDで出力リレー0500がオンとなり、この出力リレー0500がオンとなった時にリニアアクチュエータ19でコイル組立体の前進が始まる。そして、検知棒7の先端が下糸に当接すると、前記コンパレータ・ワンショット回路16Aから動作信号が出力される。この信号がコントローラ17に入力されることにより、入力リレー0002がオンとなると、内部リレー1102がオンに保持される。そして、上記の如くタイマT000がオン、タイマT001がオフ、内部リレー1102がオフのANDで出力リレー0500がオンとなるから、内部リレー1102がオンになると、出力リレー0500がオフとなって、前進駆動が中断される。
【0047】
前進動作エラーでワンショット回路16Aからの動作パルス信号が出力されない場合には、タイマT000がオンになった時からタイマT001がオンになるまでの間だけ、出力リレー0500がオンとなり、次に、後退開始タイマT002がオンになるまでは、駆動を中断する。これは、アクチュエータドライバーがバイポーラ駆動方式のため、ドライバー回路が一時的にショート状態となるのを防止するための時間である。
【0048】
タイマT002がオンになったときからタイマT003がオンになるまでの間、後退動作用の出力リレー0501がオンとなり、コイル組立体の後退駆動が行われる。
【0049】
コイル組立体が後退して後部筐体に衝突すると、前記ワンショット回路16Aからの動作信号が再び出力され、入力リレー0002がオンとなる。これにより、後退チェック用の内部リレー1103がオンとなっている状態が保持される。なお、この内部リレー1102又は内部リレー1103がオフで、且つタイマT004がオンになっていることにより、動作異常信号用の内部リレー1105がオン状態を保持するようになっている。従って、正常動作の場合は、この内部リレー1105がオフのままで動作異常信号用の出力リレー0503はオンにならず、動作エラー信号は出力されず制御を終了して初期状態に戻る。
【0050】
本実施形態においては、上記のようにCTL17により、リニアアクチュエータを前進駆動させ、検知棒7を釜内に前進させた際に生じる、規定量の下糸が有るときの振動が検出された時に、直ちに該リニアアクチュエータを後退駆動させる制御を行うようになされているため、下糸残量の検知動作を高速に実行できるようになっている。そして、次の下糸無しの場合も同様の制御が行われる。
【0051】
図10は、下糸無しのときに生成される信号を示し、コンパレータ・ワンショット回路16Bからパルス信号が出力されてCTL17の入力リレー0002がオンになると、CTL17の内部リレー1100がオン状態に保持され、その結果出力リレー0502がオンとなり下糸無しの信号を出力し、その表示がされる。
【0052】
図11は、後退動作エラーのときに生成される信号を示し、上述した如く、入力リレー0002に2回目のパルスがタイマT002オンからT004オンまでの間に入力されないと、内部リレー1103が保持されず、後退異常信号用の内部リレー1105が保持状態となり、出力リレー0503をオンさせて動作エラー信号を出力し、その表示がされる。
【0053】
図12は、前進動作エラーのときに生成される信号を示し、入力リレー0002はパルス信号が入力されないため、内部リレー1102及び1103等に保持されない。従って内部リレー1105が保持状態となり、出力リレー0503をオンさせて動作エラー信号を出力する。
【0054】
図13は、以上詳述した図9〜図12のタイムチャートに示した制御信号により実行される駆動動作と、判定動作とを時間の流れに従ってまとめて示したフローチャートであり、ステップS1〜S11の順に動作が実行され、ミシンの動作中に下糸残量の有無と、前進・後退の動作異常の検出が行われる。
【0055】
即ち、ミシンの主制御装置により検知動作が可能な低速回転状態になったと判定され、下糸検知動作のスタート信号が入力リレー0001に入力され、スタートを開始した後、上記主制御装置から、検知棒を前進可能な回転角の範囲にあるという回転角信号が入力されると(ステップS1)、前進駆動タイマT000がオンになる(ステップS2)。この前進駆動タイマがオンになると、前進信号が出力リレー0500から出力され、前記タイマがオンの間でもワンショット回路16Aから動作パルス信号(振動検出信号)が入力リレー0002に入力されると強制的に前進駆動をオフにする(ステップS3、S4)。前進駆動タイマがオンの間中、前進信号を出力しても動作信号が出力されないときは(ステップS3)、前進エラー、即ち動作エラー信号を出力して表示する(ステップS5、S6)。
【0056】
前記ステップS4で前進駆動タイマをオフにした後、後退駆動タイマT002をオンにすると(ステップS7)、該タイマがオンの間、後退信号が出力されるが、動作信号が入力され、入力リレー0002がオンとなると正常動作が完了となる(ステップS8)。ステップS8で動作信号が入力されなければ後退エラー、即ち動作エラーを出力する(ステップS9、S6)。又、ステップS2で前進駆動タイマがオンの間に大きな振動波を検出し、ワンショット回路16Bから信号が入力されると、糸無し信号用入力リレー0003がオンとなり、下糸無し信号を出力し(ステップS10、S11)、下糸エラーを出力して表示する(ステップS11)。
【0057】
以上詳述した如く、本実施形態においては、縫製動作に影響を及ぼさないミシンの回転速度のときで、且つ主軸の回転角が外釜の開口部が検知棒を前進可能な範囲にあるときに、下糸残量の検知動作を行うと共に、可動部が前進を阻まれたときに発する振動波を捕らえたら、直ちに前進駆動をオフにして後退させるようにしたので、ミシンを停止させることなく下糸残量を確実に検知することができる。
【0058】
図14は、本発明に係る第2実施形態の下糸残量検知装置の概略構成を示すブロック図であり、図15は検知部と釜との関係を示した断面図で、図16はその正面図である。
【0059】
本実施形態の下糸残量検知装置は、図14に示すように、検知棒31と検知棒駆動装置32とからなる検知部33を備え、後述する検知動作により釜34の内部に検知棒31を前進させ、そのときの検知棒31の前進量を前進量検出部35で検出し、その検出結果から下糸残量算出部36で上記釜34に収容されているボビン37に巻かれている下糸の残量を検出するようになっている。
【0060】
又、上記検知部33は、主制御装置38により検知動作が制御されるようになっており、この主制御装置38には、回転している外釜の開口部が、検知棒31を前進可能な位置関係にあることを検出する開口部位置検出部38A、検知棒31を釜内に前進した際に、その先端がボビンに巻かれている下糸外周に当接したことを検出する検知棒当接検出部38B、ミシン主軸の回転速度が、前記検知動作が可能な速範囲にあることを判定する主軸回転速度判定部38Cとが内蔵されている。
【0061】
まず、図15、図16を参照して、上記検知部33及び該検知部33と釜34との関係について詳述する。
【0062】
上記検知部33は、ミシン本体の固定板40に取り付けられ、該検知部33はガイド42に図中上下方向に案内される検知棒31と、該検知棒31をアーム44を介して前進・後退駆動するロータリソレノイド(検知棒駆動手段)46とを備えており、該アーム44の先端には検知棒31が固定された検知棒ホルダ47が回動自在に接続されている。又、この検知棒31の中央部には先端に永久磁石48が固定された磁石ホルダ50が取り付けられ、この磁石ホルダ50と検知棒ホルダ47との間には、検知棒31を間にして2本のバネ52が架設されている。又、図16から判るように、上記永久磁石48は、ホール素子53に対向して設けられ、該ホール素子53の発生電圧は検知棒31の移動量に応じて変化するので、その発生電圧に基づいて検知棒31の前進量を検出できる。
【0063】
又、図15の上段には、上記検知部33により下糸残量が検出されるボビンが収容された釜34を示してあり、この釜34はミシン主軸の回転に伴う針の上下動に同期して回転可能な外釜54と、該外釜54の内側に静止状態で保持されている内釜56とを備えている。又、この内釜56の内側には、側面に開口部58が形成されたボビンケース60が着脱可能に装着され、該ボビンケース60には下糸61が巻かれたボビン37が着脱と回転が可能な状態で収容されるようになっている。
【0064】
本実施形態においては、後に詳述するように、ロータリソレノイド46により検知棒31を前進駆動させた場合にそれが釜内に前進可能なように、前記図15に2点鎖線で示した検知棒31の前進位置に、外釜54に形成されている外釜開口部62及び上記ボビンケース60の開口部58が一致するタイミングを検出し、このタイミングの時にのみ上記検知部33を駆動して検知棒31により下糸残量の検出を行うようになっている。
【0065】
この検知動作を説明すると、ボビンケースの開口部58及び外釜開口部62が図15に示すような位置関係になったら、ロータリソレノイド46を励磁してアーム44を左廻りに回動し、検知棒ホルダ47を上方に移動させることにより、バネ52を介して磁石ホルダ50及びそれに固定された検知棒31を矢印で示した上方に移動させる。
【0066】
その結果、検知棒31は上記2点鎖線で示したように、2つの開口部58、62を通して釜内に前進し、検知棒31の先端はボビン37に巻回された下糸61に当接する。従って、このときの検知棒31の位置をホール素子53により検出すれば、下糸61の残量を求めることができる。又、検知棒ホルダ47と磁石ホルダ50との間にバネ52が介在しているので、検知棒31が下糸61の外周に当接する際の衝撃を緩和することができるようになっている。
【0067】
上記のように検知棒31が下糸61の外周に当接した後、ロータリソレノイド46を消磁すると、内蔵されているバネ(図示せず)の作用によってアーム44が元の位置に復帰するため、検知棒31も元の位置に移動して検知棒ガイド42の内側に収まって1回の検知動作は終了する。
【0068】
図17、本実施形態の下糸残量検知装置が適用されるミシンの全体構成の概略を示したブロック図である。
【0069】
前記図14に示したように、検知部33は主制御装置38に信号の送受信が可能な状態で接続されている。そして、この主制御装置38は、外部機器との信号の入出力を行うI/Oポート64、各種演算処理が行われるCPU(中央演算処理装置)66、前記開口部位置検出部38A、検知棒当接検出部38B、主軸回転速度判定部38Cで実行される処理に用いられるプログラムや、後述する下糸残量検知処理に用いられる各種プログラムが記憶されたROM(リードオンリーメモリ)68、各種データが一時的に記憶されるRAM(ランダムアクセスメモリ)70を備え、上記I/Oポート64とCPU66、ROM68、RAM70は、バスラインで電気的に接続され、信号の送受信が行われるようになっている電子制御回路である。
【0070】
上記主制御装置38は、ミシン全体の動作を制御する働きをし、I/Oポート64からはミシンヘッド72の主軸を回転するモータ74を駆動するための駆動回路76に制御信号を出力し、又、該I/Oポート64には、ミシンの縫製動作を起動するためのペダル78からのオンオフ信号や、ロータリエンコーダ80により検出さたミシンヘッド42の主軸の回転角が入力されるようになっている。そして、前記検知部33に対しては、主制御装置38からロータリソレノイド46の駆動回路82に対して制御信号が出力され、ホール素子53からは検出電圧が、増幅回路84で増幅され、A/D変換器86で直流電圧に変換された後、同制御装置38に入力されるようになっている。
【0071】
又、このミシンは、表示パネル90(具体的な構造の図示は省略する)を備えており、該表示パネル90には検出した下糸残量の程度を表示する検出レベル表示器91が設けられており、上記主制御装置38は、この表示パネル90との間でも信号の送受信が行われるようになっている。
【0072】
この表示パネル90には、上記表示器検出レベル91の他に、その検出レベルを設定・変更する際等に使用する設定操作キー94、下糸残量が設定レベルを下回ったときに警報音を発生するブザー92、同じく残量が設定レベルを下回ったときに点灯する下糸警告ランプ93、ブザー92を停止するリセットキー95、及び検知棒31の先端が、下糸が無いときのボビン37の糸巻き面に当接したときのホール素子53の発生電圧を記憶させる0%設定キー96、及びボビン37に下糸を最大に巻いたときの発生電圧を記憶させる100%設定キー97がそれぞれ設けられている。
【0073】
本実施形態においては、まず縫製を開始する前に、下糸61が巻回されていない空のボビン37を釜34内に装着し、外釜54が停止している状態で0%設定キー96を操作して検知部33を駆動することにより、検知棒31と開口部58及び外釜開口部62とが図15に示した一致した状態のときのホール素子53の発生電圧をRAM70に記憶する。図18は、ロータリソレノイド46を励磁して、検知棒31を釜34内に挿入したときのホール素子53の発生電圧を示し、検知棒31の前進量に応じてほぼ直線的に変化することが示されている。即ち、図中aは、ロータリソレノイド46が励磁される前の検知棒31の待機位置に、dは検知棒31の先端がボビン37の糸巻き面に当接する0%位置にあたり、Va、Vdはそれぞれの位置での発生電圧を表わしている。
【0074】
上記0%設定が終了した後、下糸32が最大に巻かれたボビンを釜34内に装着し、前記100%設定キーを操作して100%位置でのホール素子53の出力電圧を同様にRAM70に記憶する。この100%位置は図18のbにあたり、そのときの発生電圧はVbである。以上のように求めた0%と100%の各位置での電圧Vb、Vdは、前記検出レベル表示器91の表示のために行う演算処理に使用する。
【0075】
又、前記設定操作キー90を使用して、下糸残量が規定量に達したことを判定するための判定電圧を設定する。この判定電圧は、図18中でcの位置のVcにあたり、検出時のホール素子53の発生電圧がこのVcに達すると、ブザー92を発生し、下糸警告ランプ93を点灯させるようになっている。
【0076】
以上の準備操作を行った後、前記ペダル78を踏んで縫製を開始すると、図19のフローチャートに従って検知動作が実行される。
【0077】
まず、ペダルが踏まれてペダル信号がONの状態にある時に、ミシンの回転数(速度)が所定の回転数以下になったことを判定する(ステップS20、S21)。この判定は、前記主軸回転速度判定部38Cにおいて、駆動装置の性能等を考慮して予め設定してある基準回転数と、ロータリエンコーダ80から入力される回転角信号から求められる実回転数(回転速度)と比較して行われる。
【0078】
上記ステップS21でミシン回転数が基準以下にあると判定されたときは、ボビンケースの開口部58と外釜開口部62とが検知棒31の前進可能位置に達したことを検出する(ステップS22)。この位置検出は、前記検知棒当接検出部38Bにより、ロータリエンコーダ80から入力されるミシン主軸の回転角信号(タイミング信号)が、予め設定してある基準値に達したことから検出できるようになっている。
【0079】
上記ステップS21、S22により、2つの条件が満足されたときは、ロータリソレノイド46を励磁し(ステップS23)、検知棒31をボビンケースの開口部58と一致している外釜開口部62から導入し、そのときのホール素子53の実際の発生電圧Vrを微小周期で読み込み(ステップS24)、それをRAM70に記憶させると共に、検知棒31の先端が下糸の外周に当接したことを検出する(ステップS25)。
【0080】
この検出は、前記検知棒当接検出部38Bにおいて実行され、微小周期毎に順次読み込まれるホール素子53の発生電圧の単位時間当たりの変化を算出し、その変化量が予め設定してある基準値を下回ったことから検出される。
【0081】
上記ステップS25で検知棒31の先端が下糸の外周に当接したことが検出されると、直ちにロータリソレノイド46は消磁され、該検知棒31は元の待機位置に戻る。
【0082】
次いで、下糸当接時に読み込まれたホール素子53の発生電圧Vrと、基準電圧Vcとを比較し(ステップS27)、Vr≧Vcのときは、ブザー92を起動させ、下糸警告ランプ93を点灯させる(ステップS28)。上記ステップS27でVr<Vcのときは、前記ステップS20に戻って以上の操作を繰り返す。
【0083】
以上詳述した如く、本実施形態によれば、ミシン主軸の回転数が測定可能な低速で、且つ検知棒を釜34内に前進可能な回転角の範囲(ボビンケースの開口部58、外釜開口部62が検知棒31の前進可能位置に一致した状態)に釜34が到達したことを条件に、検知部33により検知動作を開始させ、且つ検知棒31の先端が下糸の外周に当接すると同時に該検知棒31を後退させて元の位置に復帰させるようにしたので、可動部を極めて軽量にできるリニアアクチュエータを使用する前記第1実施形態の場合程の高速時には適用できないが、同様に縫製動作中、即ち釜34が回転しているときでも下糸残量の検知を行うことが可能となる。
【0084】
又、本実施形態によれば、作業者が意識することなく定期的に下糸残量を検出することができるため、途中で糸切れ状態になることを確実に防止することができる。
【0085】
図20は、本発明に係る第3実施形態の下糸残量検知装置が備えている検知部を示す前記図15に相当する断面図である。
【0086】
本実施形態の検知部33は、検知棒31を案内するためのガイド42の先端部に超音波センサ98が付設され、且つガイド42の内側先端部に、規定量以下の下糸残量になると検知棒31の先端が下糸に当接するより前に、磁石ホルダ50が当接するストッパ99が設けられている以外は、実質的に前記第2実施形態の検知部33と同一である。
【0087】
又、本実施形態では、前記主制御装置38に上記超音波センサ98からの検出信号が入力されるようになっており、この信号に基づいて、前記検知棒当接検出部38Bでは検知棒31の先端が下糸に当接したことを検出し、又、下糸残量が規定量以下になったことの判断も行われるようになっている。
【0088】
即ち、下糸残量が規定以上のときは、検知棒31の先端が下糸の外周に当接するため、周期が長い小さい振動が発生し、規定を下回ると磁石ホルダ50がストッパ99に当接するため、周期が短い大きな振動が発生する。従って、超音波センサ98で検出された超音波信号が、主制御装置38に入力されると同時に、検知棒31を後退駆動させると共に、入力された超音波信号の振幅の大きさや周期の違いから、周波数解析を、例えばFFT(高速フーリエ変換)で行い、得られる周波数特性から、検出された振動がいずれに起因するものかを判定することにより、下糸残量の有無を検出することができる。
【0089】
従って、本実施形態では、前記図19のフローチャートのステップS25を「振動が検出されたか」に置き換え、ステップS27を「ストッパに当接した振動か」に置き換えることにより、前記第2実施形態の場合と同様に、縫製中に下糸残量を確実に検出することができる。なお、本実施形態のステップS27では、図19の場合の「Vr≧Vc」の判定を同時に実行するようにしてもよい。
【0090】
以上、本発明について具体的に説明したが、本発明は、前記実施形態に示したものに限られるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0091】
前記第1実施形態の場合、例えば、第1条件としてのミシン主軸の低速回転速度は、前記実施形態に示したものに限定されず、リニアアクチュエータの性能に応じて任意の速度に設定することができる。
【0092】
又、第2条件としての主軸回転角の範囲も、ミシンの種類等に応じて変更できることはいうまでもない。
【0093】
又、超音波センサとしては、前述した圧電素子からなるものが、小型で耐油性に優れているために好ましいが、これに限定されず、縫製の通常作業時に発生する振動波と区別できる、例えば200〜250KHzを検出できるセンサであれば特に制限されない。
【0094】
又、検知棒を前進後退動作させるリニアアクチュエータの具体的な構造は、前述したものに限定されない。
【0095】
又、前記第2又は第3実施形態の場合、例えば、検知棒駆動手段としては、前記実施形態に示したものに限定されず、他のロータリソレノイドを利用した駆動装置であっても、あるいは他の原理に基づく駆動装置であってもよい。
【0096】
又、前記実施形態では、ボビンケースを使用するミシンについて説明したが、これを使用しないミシンであってもよいことは言うまでもない。
【0097】
又、縫製動作中に行う下糸残量の検出は、自動的に行う場合に限らず、作業者が検出用ボタンを押す等の手動操作により適宜実行できるようにしてもよい。
【0098】
【発明の効果】
以上説明したとおり、請求項1の発明によれば、ミシンを停止させることなく、検知棒の先端をボビンに巻かれている糸の外周部に当接させて下糸の残量を正確に検知することができる。
【0099】
又、請求項2の発明によれば、リニアアクチュエータを確実に高速動作させることができるため、ミシンを停止させることなく、下糸残量を正確に検出することができる。
【0100】
請求項3又は4の発明によれば、ミシンが縫製動作中でも、検知棒を釜内に前進させて、下糸残量を検出することができる。
【0101】
請求項5の発明によれば、検知棒駆動手段の性能に応じて確実に検知動作が可能な回転速度になったところで、該動作を行うことができるため、正確に且つ安全に下糸残量を検出することができる。
【0102】
請求項6の発明によれば、ボビンケースを使用する通常のミシンでも、動作中に下糸残量を確実に検出することができる。
【0103】
請求項7の発明によれば、主軸の回転角を検出し、その検出値から外釜の開口部が検知棒を前進可能な位置にあるかを正確に決定できるので、動作中でも確実に下糸残量を検出することができる。
【0104】
請求項8の発明によれば、作業者が下糸残量を容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の下糸残量検知装置の概略構成を示す平面図、断面図及び正面図
【図2】第1実施形態の下糸残量検知装置を一部破断して示す斜示図
【図3】第1実施形態の下糸残量検知装置と釜内に収容されているボビンケースとの関係を示す概略断面図
【図4】第1実施形態の下糸検知装置に超音波センサが取付けられている様子を示す正面図
【図5】第1実施形態の下糸残量検知装置に組込まれている振動波識別用回路を示す回路図
【図6】前記振動波識別用回路で検出された振動波形を示す線図
【図7】第1実施形態の下糸残量検知装置に組込まれている検知部と駆動制御部の要部を示す回路図
【図8】リニアアクチュエータと下糸ボビンを収容する釜の位置関係を示す概略断面図
【図9】前進動作、後退動作の駆動信号の生成と、下糸が有る場合の正常動作を説明するタイムチャート
【図10】下糸無しの判定の制御信号の生成を説明するタイムチャート
【図11】後退動作エラー時の制御信号の生成を説明するタイムチャート
【図12】前進動作エラー時の制御信号の生成を説明するタイムチャート
【図13】第1実施形態による下糸残量検知動作の流れを示すフローチャート
【図14】第2実施形態の下糸残量検知装置の概略構成を示すブロック図
【図15】第2実施形態の下糸残量検知装置が有する検知部と釜とを示す断面図
【図16】上第2実施形態の糸残量検知装置が有する検知部と釜とを示す正面図
【図17】第2実施形態の下糸残量検知装置が適用されるミシン全体の概略構成を示すブロック図
【図18】ホール素子による下糸残量の検出原理を説明するための線図
【図19】第2実施形態の作用を示すフローチャート
【図20】第3実施形態の下糸残量検知装置が有する検知部を示す断面図
【符号の説明】
1…検知棒軸受
2A、2B…永久磁石
3A、3B…空隙
4…鉄心
5…コイル組立体
5A…コイルボビン
5B…コイル
6A、6B…復帰ばね
7…検知棒
8…圧力センサ
9…下部案内棒
10A、10B…ヨーク
11…下糸
12…ボビン
13…取付部材
14…釜
15…振動波検出素子(超音波センサ)
16…コンパレータ・ワンショット回路
17…プログラマブルコントローラ(CTL)
18…アクチュエータドライバ
19…リニアアクチュエータ
20…スタートスイッチ
21…釜軸台
22…上糸釜越部
23…剣先部
31…検知棒
32…検知棒駆動装置
33…検知部
34…釜
35…導入量検出部
36…下糸残量算出部
37…ボビン
38…主制御装置
38A…開口部位置検出部
38B…検知棒当接検出部
38C…主軸回転数判定部
46…ロータリソレノイド
48…永久磁石
52…外釜開口部
53…ホール素子
54…外釜
58…開口部
60…ボビンケース
80…ロータリエンコーダ
91…検出レベル表示器
98…超音波センサ
99…ストッパ

Claims (8)

  1. ミシンの下糸が巻かれたボビンが収容されている釜内に、外釜の開口部から検知棒を前進させて下糸残量を検出するミシンの下糸残量検知装置において、
    釜に対して所定の位置に配設され、検知棒を進退動させるリニアアクチュエータと、
    針を上下動させる主軸の回転速度が下糸残量を検知可能な速度状態にあることを判定する第1判定手段と、
    主軸の回転に連動して回転する釜が、外釜の開口部からリニアアクチュエータにより検知棒を前進可能な回転角範囲にあることを判定する第2判定手段と、
    第1判定手段による判定結果と第2判定手段による判定結果とが同時に成立している時に、リニアアクチュエータを駆動させて下糸残量の検知動作を制御する制御手段と、を備えていることを特徴とするミシンの下糸残量検知装置。
  2. ミシンの下糸が巻かれたボビンが収容されている釜内に、外釜の開口部から検知棒を前進させて下糸残量を検出するミシンの下糸残量検知装置において、
    釜に対して所定の位置に配設され、検知棒を進退動させるリニアアクチュエータと、
    針を上下動させる主軸の回転速度が下糸残量を検知可能な速度状態にあることを判定する第1判定手段と、
    主軸の回転に連動して回転する釜が、外釜の開口部からリニアアクチュエータにより検知棒を前進可能な回転角範囲にあることを判定する第2判定手段と、
    第1判定手段による判定結果と第2判定手段による判定結果とが同時に成立している時に、リニアアクチュエータを駆動させて下糸残量の検知動作を制御する制御手段と、
    リニアアクチュエータを前進駆動させ、その可動部に固定されている検知棒を釜内に前進させた際に生じる、規定量の下糸が有るときと無いときの振動波をそれぞれ検出する手段と、を備えていると共に、
    前記制御手段が、リニアアクチュエータを前進駆動した際に上記振動波のいずれかが検出された時に、該リニアアクチュエータを後退駆動させる制御を行うようになされていることを特徴とするミシンの下糸残量検知装置。
  3. ミシンの下糸が巻かれたボビンが収容されている釜内に、外釜の開口部から検知棒を前進させて下糸残量を検出するミシンの下糸残量検知装置において、
    検知棒を進退動させる検知棒駆動手段と、
    回転している外釜の開口部が、検知棒を前進可能な位置にあることを検出する手段と、
    検知棒を釜内に前進させた際に、その先端がボビンに巻かれている下糸外周に当接したことを検出する手段とを備え、
    上記外釜が、釜内に検知棒を前進可能な位置にあるときに、検知棒駆動手段により検知棒を前進させ、その先端が下糸外周に当接したことが検出された時に、該検知棒を後退させる検知動作が実行されるようになされていることを特徴とするミシンの下糸残量検知装置。
  4. ミシンの下糸が巻かれたボビンが収容されている釜内に、外釜の開口部から検知棒を前進させて下糸残量を検出するミシンの下糸残量検知装置において、
    検知棒を進退動させる検知棒駆動手段と、
    回転している外釜の開口部が、検知棒を前進可能な位置にあることを検出する手段と、
    検知棒を釜内に前進させた際に、その先端がボビンに巻かれている下糸外周に当接したか、又は検知棒と共に移動する可動部がストッパ部に当接したことを検出する手段とを備え、
    上記外釜が、釜内に検知棒を前進可能な位置にあるときに、検知棒駆動手段により検知棒を前進させ、その先端が下糸外周に当接したか、又は可動部がストッパ部に当接したことが検出された時に、該検知棒を後退させる検知動作が実行されるようになされていることを特徴とするミシンの下糸残量検知装置。
  5. 請求項3又は4において、
    ミシン主軸の回転速度が、前記検知動作が可能な速度状態にあることを判定する手段を備え、
    ミシン主軸の回転速度が上記速度状態にあると判定されたときに、検知動作が実行されるようになされていることを特徴とするミシンの下糸残量検知装置。
  6. 請求項1、2、3又は4において、
    ボビンをボビンケースに収容する場合、前記検知動作を、ボビンケースの開口部と外釜の開口部とが一致しているときに実行するようになされていることを特徴とするミシンの下糸残量検知装置。
  7. 請求項1、2、3又は4において、
    検知棒を前進駆動するタイミングを、ミシン主軸の回転角に対応するタイミング信号に基づいて決定するようになされていることを特徴とするミシンの下糸残量検知装置。
  8. 請求項1、2、3又は4において、
    検知した下糸残量の程度を表示する検知レベル表示手段を備えていること特徴とするミシンの下糸残量検知装置。
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