JP3669262B2 - 両面ディスク反転機構及び両面ディスク反転機構を備えたディスク・オートチェンジャ装置 - Google Patents
両面ディスク反転機構及び両面ディスク反転機構を備えたディスク・オートチェンジャ装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、両面ディスクを載置した搬送用の第1トレイ及びこの第1トレイと同一形状に形成されて第1トレイ上の両面ディスクと対向した反転用の第2トレイを下段及び上段にそれぞれ装着した反転用枠体を反転させることで、両面ディスクを両トレイと一体に反転させる両面ディスク反転機構及び両面ディスク反転機構を備えたディスク・オートチェンジャ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、搬送用トレイ上に載置した光ディスクを筐体内に取り付けたマガジン内に多数収納し、このマガジン内から所望の光ディスクを搬送用トレイごとディスク・キャリアユニットに引き出した後に、上下動自在なディスク・キャリアユニットを介して所望の光ディスクを筐体内の下方に設けたディスク・ドライブユニットまで搬送して、このディスク・ドライブユニット内で光ディスクに映像情報や音声情報などを記録及び/又は再生できるディスク・オートチェンジャ装置を本出願人は特開平10−275399号公報にて提案している。
【0003】
ところで、最近、DVD(Digital Versatile Disc)などの光ディスクでは、両面記録再生可能に形成されているので、上記した特開平10−275399号公報に開示したディスク・オートチェンジャ装置では光ディスクの片面しか記録及び/又は再生できないために改善が要求されている。
【0004】
ここで、両面型の光ディスク(以下、両面ディスクと記す)を扱う一般的なディスク・ドライブ装置では、両面ディスクを挟んだ上下に光ピックアップを設けて両面ディスクのA面及びB面を記録/再生する構造とか、あるいは、一つの光ピックアップが両面ディスクのA面からB面又はB面からA面に回り込んで両面ディスクを記録/再生する構造とかがあるものの、これらの構造では両面ディスクを載置するための搬送用トレイを使用しない場合が多い。
【0005】
一方、両面ディスクの上下に反転用のトレイとディスク搬送用のトレイとを配置して、両面ディスクを両トレイと一体に反転するためのディスクの面切り替え機構が特開2000−40284号公報に開示されている。
【0006】
図23(a)〜(d)は従来のディスクの面切り替え機構において、ディスクの面切り替えの基本原理を説明するための図、
図24は従来のディスクの面切り替え機構を説明するための斜視図、
図25は従来のディスクの面切り替え機構において、両面ディスクの反転が完了した状態を示した斜視図である。
【0007】
図23〜図25に示した従来のディスクの面切り替え機構は、上記した特開2000−40284号公報に開示されているものであり、ここでは簡略に説明する。
【0008】
まず、図23(a)〜(d)に示した従来のディスクの面切り替え機構において、ディスクの面切り替えの基本原理を説明すると、図23(a)のように両面ディスク201を載置したディスク搬送用のトレイ202A上に、図23(b)のように反転用として用意したトレイ202Bを、その載置面がトレイ202A上の両面ディスク201に対向するように重ねる。そして重ね合わせた状態で両トレイ202A,202Bを図23(c)のように180°反転させる(実際には後述のキャリッジごと反転させる)と、図23(d)のように両面ディスク201は重力によりディスク搬送用のトレイ202Aから反転用のトレイ202Bに移動するので、両面ディスク201の面が切り替えられる。
【0009】
次に、従来のディスクの面切り替え機構210について、図24及び図25を用いて説明する。
【0010】
図24に示した如く、従来のディスクの面切り替え機構210では、メインフレーム211がメインガイドシャフト212に案内され、且つ、このメインフレーム211に螺合したキャリッジ上下送り用リードスクリュー213をモータ214,ベルト215を介して回転駆動することでメインフレーム211が矢印方向に上下動自在に設けられている。
【0011】
また、メインフレーム211にはコ字状に突出片211a,211bが間隔を離して互い対向して形成されており、これらの突出片211a,211bの各端部にはシャフト挿入用の孔が設けられ、且つ、これらの孔にはキャリッジ216を反転させるための回転軸となるシャフト217の各端部が回動自在に挿入されている。
【0012】
また、シャフト217の両端は、キャリッジ216の上面板216a上に間隔を離して取り付けた第1,第2継手218,219に軸着されされており、且つ、第2継手219側のシャフト217の先端にはプーリー220固着されている。また、キャリッジ216の上面板216a上でプーリー220の近傍にはキャリッジ反転用モータ221が取り付けられている。更に、キャリッジ反転用モータ221のモータ軸とプーリー220は駆動力伝達ベルト222で連結されており、モータ221の回転力が駆動力伝達ベルト222を介してプーリー220に伝えられることにより、プーリー220、シャフト217、第1,第2継手218,219と一体にキャリッジ216がシャフト217を中心として180°回転することで、キャリッジ216が反転するものである。
【0013】
ここで、上記したキャリッジ216は、内部を図示しない仕切り片によって仕切られた上下2段のトレイ収納用のスロットが形成されており、上段スロット内に反転用として予め用意したトレイ202Bが裏返しで(ディスクの載置面が下方を向くように)収納され、且つ、下段スロット内に例えば両面ディスク201のA面を上にして載置したディスク搬送用のトレイ202Aが収納されている。
【0014】
また、キャリッジ216のディスク出入口216b側にディスクドライブ装置230が設けられており、キャリッジ216のディスク出入口216bからトレイ202A又はトレイ202Bに載置した両面ディスク201がディスクドライブ装置230のディスク出入口230aから内部に装着されるようになっている。
【0015】
そして、図25に示した如く、キャリッジ216を反転させると、キャリッジ216がメインフレーム211の上側に位置し、キャリッジ216内のスロットの上下が逆転し、上側で空の状態であった反転用のトレイ202Bが下側にくるとともに、ディスク搬送用のトレイ202Aに載せられていた両面ディスク201が反転してA面からB面に切り替わり、重力によって落下して反転用のトレイ202B上に移動する。
【0016】
この後、キャリッジ上下送り用モータ214を駆動させてメインフレーム211を下方に移動させ、キャリッジ216内の下段のスロット位置がディスクドライブ装置230のディスク出入口230aに対向する位置で停止させて、この位置で両面ディスク201のB面を上にして載置した反転用のトレイ202Bごとディスクドライブ装置230に挿入している。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来のディスクの面切り替え機構210では、キャリッジ216内の上下のスロットに反転用として予め用意したトレイ202Bと、両面ディスク201を載置したディスク搬送用のトレイ202Aとを装着することで両面ディスク201を両トレイ202A,202Bと一体に反転させることができるものの、以下の( 1 )項〜( 4 )項に記載したような問題点があるものと考えられる。
【0018】
即ち、( 1 ).キャリッジ216の上面板216aにキャリッジ反転用モータ221が取り付けられているため、キャリッジ216を繰り返し反転させた時に、キャリッジ反転用モータ221に結線したワイヤが反転動作の繰り返しにより断線してしまう。
【0019】
また、( 2 ).キャリッジ216上に重量のあるキャリッジ反転用モータ221を取り付けることで、キャリッジ216の反転時の負荷が大きくなる。
【0020】
また、( 3 ) .キャリッジ216のディスク出入口216bは、反転前と反転後ではディスクドライブ装置230のディスク出入口230aに対して高さ位置が異なってしまうため、高さ合わせ用の駆動機構を反転用の駆動機構と別に設ける必要がある。
【0021】
また、( 4 ).キャリッジ216の反転後にメインフレーム211を上下動させるために、メインガイドシャフト212,キャリッジ上下送り用リードスクリュー213,モータ214,ベルト215を用いているものの、メインガイドシャフト212とキャリッジ上下送り用リードスクリュー213との平行度が取れていないとメインフレーム211をスムースに上下動させることができないため、両者211,213の組立精度が要求され、生産性が悪い。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、第1の発明は、両面ディスクを載置した搬送用の第1トレイ及びこの第1トレイと同一形状に形成されて該第1トレイ上の該両面ディスクと対向した反転用の第2トレイを下段及び上段にそれぞれ装着した反転用枠体を反転させることで、前記両面ディスクを両トレイと一体に反転させる両面ディスク反転機構において、
第1,第2リンク部材をX字状にクロスさせてベース上に間隔を離して互いに対向して一対設けると共に、該第1,第2リンク部材の下方部位を前記ベース側に支持させ、且つ、該第1,第2リンク部材の上方部位を水平支持板に連結して、前記ベース上の下降位置と上昇位置との間を上下動可能に構成した一対のパンタグラフ部と、
前記一対のパンタグラフ部間で前記一対の水平支持板に一対の支持軸を介して前記反転用枠体を反転可能に支持した両面ディスク反転組立体と、
前記ベース側に設けられて前記一対のパンタグラフ部を上下動させると共に、該一対のパンタグラフ部と一体に前記両面ディスク反転組立体が上昇位置に至った時に該両面ディスク反転組立体を反転させる駆動部とを具備したことを特徴とする両面ディスク反転機構である。
【0024】
また、第2の発明は、上記した第1の発明の両面ディスク反転機構において、前記第1リンク部材は、下方部位を前記ベースの一方側の回動支点を介して回動可能に支持させ、且つ、上方部位を前記水平支持板の他方側に略水平方向に摺動可能に支持させると共に、中間部位から前記回動支点を中心とした弓形状内歯部とこの下方に下方欠歯部とを形成し、
前記第2リンク部材は、下方部位を前記ベースの他方側に略水平方向に摺動可能に支持させ、且つ、上方部位を前記水平支持板の一方側に回動可能に支持させ、
前記両面ディスク反転組立体は、前記一対の水平支持板に支持した前記一対の支持軸のうち少なくとも一方の支持軸側に一方向クラッチと協働するギアを設け、
前記駆動部は、前記第1リンク部材の弓形状内歯部よりも円弧長さを長くした弓形状内歯部とこの外側に弓形状外歯部とを形成したスライドギアを、前記第1リンク部材と前記スライドギアとの間に掛けわたした引張バネにより両弓形状内歯部を位相を合わせて該第1リンク部材の弓形状内歯部及び下方欠歯部上にスライド可能に設けて、初期時に前記両弓形状内歯部にモータの回転を減速した減速用ギア列の最終段ギアを噛合させてなり、
前記一対のパンタグラフ部を下降位置から上昇位置まで上動させる時には、前記両弓形状内歯部に噛合した前記最終段ギアを前記第1リンク部材の下方欠歯部に至るまで回転して該第1リンク部材を停止させ、前記一対のパンタグラフ部が上昇位置に至った後に前記スライドギアの弓形状内歯部のみが前記最終段ギアに噛合して該スライドギアを停止中の前記第1リンク部材上を上動させることで、該スライドギアの弓形状外歯部を前記両面ディスク反転組立体側で前記一方向クラッチと協働する前記ギア側に噛合させて該両面ディスク反転組立体を反転させることを特徴とする両面ディスク反転機構である。
【0025】
また、第3の発明は、両面ディスクを載置した搬送用の第1トレイ及びこの第1トレイと同一形状に形成されて該第1トレイ上の該両面ディスクと対向した反転用の第2トレイを下段及び上段にそれぞれ装着した反転用枠体を反転させることで、前記両面ディスクを両トレイと一体に反転させる両面ディスク反転機構を備えたディスク・オートチェンジャ装置であって、
前記両面ディスクを載置した前記第1トレイを多数組略水平に積層して収納したマガジンと、
前記両面ディスクを記録及び/又は再生するディスク・ドライブユニットと、
前記マガジンと前記ディスク・ドライブユニットとの間を上下動自在に設けられたキャリアベースと、前記キャリアベース上で前記第1,第2トレイの長手方向に移動自在に設けたトレイ引き出し機構部と、第1,第2リンク部材をX字状にクロスさせて前記キャリアベース上に間隔を離して互いに対向して一対設けると共に、該第1,第2リンク部材の下方部位を前記キャリアベース側に支持させ、且つ、該第1,第2リンク部材の上方部位を水平支持板に連結して、前記ベース上の下降位置と上昇位置との間を上下動可能に構成した一対のパンタグラフ部と、前記一対のパンタグラフ部間で前記一対の水平支持板に一対の支持軸を介して前記反転用枠体を反転可能に支持した両面ディスク反転組立体と、前記キャリアベース側に設けられて前記一対のパンタグラフ部を上下動させると共に、該一対のパンタグラフ部と一体に前記両面ディスク反転組立体が上昇位置に至った時に該両面ディスク反転組立体を反転させる駆動部とを有する両面ディスク反転・キャリアユニットとから構成したことを特徴とする両面ディスク反転機構を備えたディスク・オートチェンジャ装置である。
【0026】
また、第4の発明は、上記した第3の発明の両面ディスク反転機構を備えたディスク・オートチェンジャ装置において、
前記第1リンク部材は、下方部位を前記キャリアベースの一方側の回動支点を介して回動可能に支持させ、且つ、上方部位を前記水平支持板の他方側に略水平方向に摺動可能に支持させると共に、中間部位から前記回動支点を中心とした弓形状内歯部とこの下方に下方欠歯部とを形成し、
前記第2リンク部材は、下方部位を前記キャリアベースの他方側に略水平方向に摺動可能に支持させ、且つ、上方部位を前記水平支持板の一方側に回動可能に支持させ、
前記両面ディスク反転組立体は、前記一対の水平支持板に支持した前記一対の支持軸のうち少なくとも一方の支持軸側に一方向クラッチと協働するギアを設け、
前記駆動部は、前記第1リンク部材の弓形状内歯部よりも円弧長さを長くした弓形状内歯部とこの外側に弓形状外歯部とを形成したスライドギアを、前記第1リンク部材と前記スライドギアとの間に掛けわたした引張バネにより両弓形状内歯部を位相を合わせて該第1リンク部材の弓形状内歯部及び下方欠歯部上にスライド可能に設けて、初期時に前記両弓形状内歯部にモータの回転を減速した減速用ギア列の最終段ギアを噛合させてなり、
前記一対のパンタグラフ部を下降位置から上昇位置まで上動させる時には、前記両弓形状内歯部に噛合した前記最終段ギアを前記第1リンク部材の下方欠歯部に至るまで回転して該第1リンク部材を停止させ、前記一対のパンタグラフ部が上昇位置に至った後に前記スライドギアの弓形状内歯部のみが前記最終段ギアに噛合して該スライドギアを停止中の前記第1リンク部材上を上動させることで、該スライドギアの弓形状外歯部を前記両面ディスク反転組立体側で前記一方向クラッチと協働する前記ギア側に噛合させて該両面ディスク反転組立体を反転させることを特徴とする両面ディスク反転機構を備えたディスク・オートチェンジャ装置である。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係る両面ディスク反転機構及び両面ディスク反転機構を備えたディスク・オートチェンジャ装置の一実施例を図1乃至図22を参照して、<ディスク・オートチェンジャ装置の全体構成>,<マガジン及びトレイ>,<両面ディスク反転・キャリアユニット>,<ディスク・ドライブユニット>の順に詳細に説明する。
【0033】
<ディスク・オートチェンジャ装置の全体構成>
図1は本発明に係る両面ディスク反転機構を適用したディスク・オートチェンジャ装置の全体構成を示した斜視図である。
【0034】
図1に示した如く、本発明に係る両面ディスク反転機構を適用したディスク・オートチェンジャ装置1では、筐体2内の左右に間隔を離して互いに対向して上下方向に複数取り付けられ、両面ディスク3を載置した搬送用の第1トレイ(以下、搬送用トレイと記す)4Aを多数組略水平に積層して収納するマガジン10(10A,10B)と、左側のマガジン10Aと右側のマガジン10Bとの間を上下方向(矢印Z1,Z2方向)に移動し、且つ、マガジン10(10A,10B)内から所望の両面ディスク3を載置した搬送用トレイ4Aを矢印X1方向又は矢印X2方向に引き出すと共に、後述の両面ディスク反転組立体120(図15)内で搬送用トレイ4A上の両面ディスク3の上方に同一形状の反転用の第2トレイ(以下、反転用トレイと記す)4Bを予め装着して、必要に応じて両面ディスク反転組立体120を反転させることで両面ディスク3を両トレイ4A,4Bと一体に反転させ、搬送用トレイ4A上の両面ディスク3又は反転用トレイ4B上の両面ディスク3を下方のディスク・ドライブユニット180まで搬送し、このディスク・ドライブユニット180内で両面ディスク3への記録及び/又は再生が終了したら、両面ディスク3が反転していた場合には再度反転して両面ディスク3を反転前の搬送用トレイ4A上に載置してマガジン10内の元の収納位置に戻す両面ディスク反転・キャリアユニット20と、右側のマガジン10Bの下方に配設されて両面ディスク3のA面(上面)又はB面(下面)を記録及び/又は再生するディスク・ドライブユニット180とから概略構成されている。
【0035】
<マガジン及びトレイ>
図2は図1に示したマガジンを説明するための斜視図であり、(a)はマガジンの外観を示し、(b)はマガジン内から所望の両面ディスクを載置した搬送用トレイを引き出す状態を示した図、
図3(a),(b)は図1に示した搬送用トレイと、反転用トレイとを説明するための平面図,▲1▼−▲2▼断面図である。
【0036】
図2(a),(b)に示した如く、マガジン10(10A,10B)は筐体2内の左右に取り付けるために左右対称形状に形成されており、このマガジン10の前面10a側が開口されており、且つ、マガジン10の左右の側面10b,10cの内側には、上方から下方に向かって複数のトレイ案内溝10b1,10c1が互いに対向して各段平行に形成されており、両面ディスク3を載置した搬送用トレイ4Aを複数組略平行に積層して収納できるようになっている。この際、複数のトレイ案内溝10b1,10c1の段数は、搬送用トレイ4Aの収納枚数に応じて例えば30段とか50段とかに適宜設定されている。
【0037】
また、マガジン10の左右の側面10b,10cと連接して左右に屈曲した屈曲前面10b2,10c2には、複数のトレイ案内溝10b1,10c1に対応して搬送用トレイ4Aの積層番号を検出するスリット10b3,10c3が複数形成されている。
【0038】
また、マガジン10Aを筐体2内の左側に取り付けた場合には、マガジン10Aの左側面10bの外側にトレイロック機構部11Aとハンドル12とが設けられている。上記トレイロック機構部11Aは、両面ディスク3を載置した搬送用トレイ4Aを例えば10枚ごと一括してロックできるように構成されている。従って、マガジン10Aに搬送用トレイ4Aが例えば50枚収納されるとすると、トレイロック機構部11Aは5組必要となるものである。一方、上記ハンドル12はマガジン10Aを持ちは運んだり、筐体2内に取り付ける時の補助になるものである。
【0039】
尚、マガジン10Bを筐体2内の右側に取り付けた場合には、マガジン10Bの右側面10cの外側に上記トレイロック機構部11Aに対して左右対称なトレイロック機構部11B(図示せず)とハンドル12とを設ければ良いものである。
【0040】
次に、図3(a),(b)に示した如く、両面ディスク3を載置するための搬送用トレイ4Aは、上記した左右のマガジン10A,10Bに引き出し自在に収納するために左右対称形状に形成されている。また、反転用トレイ4Bも搬送用トレイ4Aと形状は全く同一のものであり、搬送用トレイ4Aはマガジン10A,10B内に収納するためのものであり、一方、反転用トレイ4Bは両面ディスク3を反転するために後述する両面ディスク反転組立体120(図15)内に予め装着されているものである。
【0041】
ここでは、搬送用トレイ4Aについて説明し、これと同形状の反転用トレイ4Bの説明を省くが、上記した搬送用トレイ4Aは、樹脂材等を用いて全体の厚みが約2.5mm程度で薄く一体的に成形加工されており、且つ、上面4a側には直径が12cmの両面ディスク3を位置決めして載置するために一段低く円形凹状に形成した円形凹状4a1が形成され、且つ、この円形凹段部4a1内で図示の上下にはキャリアベース41(図9)内に設けたホトセンサにより両面ディスク3の有無を検出するためのディスク有無検出孔4a11,4a11が貫通して穿設され、且つ、円形凹段部4a1内の中央には後述するディスク・ドライブユニット180(図22)内のターンテーブル183及び光ピックアップ184が臨む逃げ孔4a12が大きく穿設されている。また、搬送用トレイ4Aの上面4a上で図示の上下には、複数の位置決め用丸孔4a2及び複数の位置決め用楕円孔4a3が穿設されている。
【0042】
また、搬送用トレイ4Aの長手方向の側面には、マガジン10(図2)のトレイ案内溝10b1,10c1及び両面ディスク反転組立体120(図15)内に設けたトレイ案内溝(122a,123a),(122b,123b)に引き出し自在に嵌合するガイド部4b,4cが長手方向に沿って薄板状に形成されている。また、ガイド部4b,4cの中央部には、前記した左右のマガジン10A,10Bのトレイロック機構部11A,11Bと係合するためのロック用凹部4b1,4c1が凹状に形成されている。
【0043】
また、搬送用トレイ4Aの短手方向の側面には、左側のマガジン10Aから引き出すためのクランプ部4d,4dと、右側のマガジン10Bから引き出すためのクランプ部4e,4eがそれぞれ互いに対向して“コ字”状に形成されている。
【0044】
そして、図2(b)に示した如く、マガジン10に収納された両面ディスク3を載置した搬送用トレイ4Aは、後述するように両面ディスク反転・キャリアユニット20に設けたトレイ引き出し機構部60(図9)によりキャリアベース41上に引き出されたり、あるいはマガジン10内の元の収納位置に戻すことができるようになっている。
【0045】
また、両面ディスク3を載置した搬送用トレイ4Aをマガジン10内に収納する際には、両面ディスク3のA面(上面)3a側が搬送用トレイ4Aの円形凹段部4a1内で上方に位置するように予め設定しているため、後述するように両面ディスク3をA面3aからB面3bに反転した時でも、マガジン10内に戻す前に両面ディスク3をB面3bからA面3aに再度反転してからマガジン10内に戻すことで、マガジン10内での両面ディスク3の搬送用トレイ4A上への載置状態を検出する動作を省けることができる。
【0046】
<両面ディスク反転・キャリアユニット>
図4は両面ディスク反転・キャリアユニットの全体構成を示し、且つ、キャリアベース上に設けた両面ディスク反転機構部の両面ディスク反転組立体が下降位置に至っている初期状態を示した斜視図、
図5は両面ディスク反転・キャリアユニットの全体構成を示し、且つ、キャリアベース上に設けた両面ディスク反転機構部の両面ディスク反転組立体が上昇位置に至っている状態を示した斜視図、
図6は両面ディスク反転・キャリアユニットの平面図、
図7は両面ディスク反転・キャリアユニットの前面図であり、且つ、キャリアベース上に設けた両面ディスク反転機構部の両面ディスク反転組立体が下降位置に至っている初期状態を示した図、
図8は両面ディスク反転・キャリアユニットの前面図であり、且つ、キャリアベース上に設けた両面ディスク反転機構部の両面ディスク反転組立体が上昇位置に至っている状態を示した図、
図9は両面ディスク反転・キャリアユニットにおいて、キャリアベース上に設けた両面ディスク反転機構部を取り除いた状態を示した斜視図、
図10は図9に示したトレイロック解除機構部及び両面ディスク反転組立体のキャリアベースへのロック機構を説明するために拡大して示した斜視図、
図11(a)〜(c)はトレイロック解除機構部の動作と、下降位置に至った両面ディスク反転組立体をキャリアベースに対してロックする動作とを説明するための図である。
【0047】
図4〜図8に示した如く、両面ディスク反転・キャリアユニット20は、本発明の要部となるものであり、筐体2(図1)内の図示しないガイドレールに案内されて上下動可能に設けられ、且つ、基台となるキャリアベース21と、キャリアベース21の前面21a側で矢印X1,X2方向に移動自在に設けられて左右のマガジン10(10A,10B)に設けたトレイロック機構部11A,(11B)のロックを解除するトレイロック解除機構部40と、キャリアベース21の背面21d側で搬送用トレイ4A及び反転用トレイ4Bの長手方向(矢印X1,X2方向)に移動自在なトレイ引き出し機構部60と、両面ディスク反転組立体120内でマガジン10内から引出した両面ディスク3を載置した搬送用トレイ4Aを下段位置に装着すると共に、搬送用トレイ4A上の両面ディスク3の上方に反転用トレイ4Bを予め装着し、必要に応じて両面ディスク反転組立体120を駆動部100と一対のパンタグラフ部90,90とによりキャリアベース21上の下降位置から上昇位置に移動させて、この上昇位置で両面ディスク反転組立体120を反転させる両面ディスク反転機構部80とで概略構成されている。
【0048】
まず、図9に示した如く、両面ディスク反転機構部を取り除いた状態でキャリアベース21及びこのキャリアベース21に設けた構成部材を説明する。
【0049】
上記した両面ディスク反転・キャリアユニット20の基台となるキャリアベース21は、アルミ材などを用いてほぼ箱状の剛体に形成されている。このキャリアベース21は、前面21aが筐体2(図1)の前面側に位置し、且つ、左右の側面21b,21cが左右のマガジン10(10A,10B)と対向し、更に、背面21dが筐体2の奥側に位置している。
【0050】
また、キャリアベース21の背面21dには、両面ディスク反転・キャリアユニット20全体を上下動自在に支持する上下動支持板22がアルミ材などを用いて一体的に取り付けられている。上記した上下動支持板22は、キャリアベース21の背面21dに着脱自在に取り付けられているものであり、他図への図示は複雑となるためにこの図9のみに図示する。
【0051】
ここでは、両面ディスク反転・キャリアユニット20を上下動させるキャリアユニット上下動機構部の詳細な図示を省略するものの、上記した上下動支持板22は筐体2内の奥方に垂設したガイドレールにより上下方向に移動自在に案内され、且つ、モータからの駆動力をギア,タイミグプーリ,タイミングベルなどの伝達部材を介して伝達されることで、両面ディスク反転・キャリアユニット20全体が上下動可能に構成されている。
【0052】
また、キャリアベース21の背面21dの左右には、ホトセンサ23A,(23B…図示せず)がブラケット24A,(24B…図示せず)を介して取り付けられており、これらのホトセンサ23A,(23B)でマガジン10の左右に設けたスリット10b3,10c3(図2)を検出することで搬送用トレイ4Aの段数位置が検出可能になっている。
【0053】
また、キャリアベース21の背面21d側に設けた左右のホトセンサ23A,(23B)の前方には、トレイストッパ25A,25Bが左右のマガジン10A,10Bに向かって左右対称に略L字状に形成されて、このトレイストッパ25A,25Bは左右のマガジン10A,10Bから所望の両面ディスク3を載置した搬送用トレイ4A以外の搬送用トレイを両面ディスク反転・キヤリユニット20側に引き出さないように係止している。
【0054】
また、キャリアベース21の上面21e上で前面側の左右両端近傍及び背面側の左右両端近傍には4か所のボス内に位置決め孔21e1がそれぞれ穿設されており、後述する両面ディスク反転組立体120が下降位置に至った時に、これらの位置決め孔21e1に図15に示した両面ディスク反転組立体120の前面側トレイ支持板122の上下面に形成した位置決め突起122c1,122d1、背面側トレイ支持板123の上下面に形成した位置決め突起123c1,123d1のうちで下側に位置した位置決め突起の組み(122c1,123c1)又は(122d1,123d1)がそれぞれ嵌合することで、両面ディスク反転組立体120がキャリアベース21の上面21e上に位置決めされるようになっている。
【0055】
また、キャリアベース21の上面21e上で前面側の幅方向中央部近傍にはトレイ種類検出孔21e2,21e3が穿設されており、両面ディスク反転組立体120が下降位置に至った時に、前面側トレイ支持板122の上下に形成した2つのトレイ種類検出片122e1,122e2(図15)のうちで下側に位置したトレイ種類検出片122e1,122e2がトレイ種類検出孔21e2,21e3内に進入して、キャリアベース21の裏面に取り付けた2つのホトセンサ(図示せず)によりトレイ種類検出片122e1,122e2による2ビット情報により搬送用トレイ4A側か、それとも反転用トレイ4B側かを検出できるようになっている。
【0056】
また、キャリアベース21の上面21e上で前面側の幅方向中央部より左方にはカム片21e4が上方に向かって突出形成されており、このカム片21e4は前面側トレイ支持板122の上下に略対称に取り付けた一対のディスクチャッキング機構部150,150(図15)に作用するものであるが、これについては後述する。
【0057】
また、キャリアベース21の上面21e上で前面側の幅方向中央部にはロック孔21e5が穿設されており、両面ディスク反転組立体120が下降位置に至った時に、前面側トレイ支持板122の上下に形成した両面ディスク反転組立体用ロック片122e3,122e3のうちで下側に位置した両面ディスク反転組立体用ロック片122e3がロック孔21e5内に進入して、キャリアベース21の裏面に取り付けた後述のロック部材54(図10)に両面ディスク反転組立体用ロック片122e3が係合することで、両面ディスク反転組立体120が下降位置でキャリアベース21に対して確実にロックされるようになっている。
【0058】
また、キャリアベース21の上面21e上で背面側の幅方向中央部より右方にはトレイ有無検出レバー26が回動自在に支持されており、トレイ有無検出レバー26の一端側はネジリバネ(図示せず)の付勢力によってキャリアベース21の上面21e上に突出し、且つ、回動軸27を介した他端側はキャリアベース21の上面21eに穿設したトレイ有無検出孔21e6内に進入してキャリアベース21の裏面に取り付けたホトセンサ(図示せず)に対向している。そして、両面ディスク反転組立体120が下降位置に至った時に、両面ディスク反転組立体120内の下段側に搬送用トレイ4A又は反転用トレイ4Bがあるか否かをトレイ有無検出レバー26の一端側を押圧することで検出している。ここでは、とくに、ディスク・オートチェンジャ装置1を始動させるにあたって、後述するように初期状態では両面ディスク反転組立体120内の上段位置に反転用トレイ4Bが予め装着されていることが必要条件となっているため、ディスク・オートチェンジャ装置1の始動時には両面ディスク反転組立体120を必ず一度上昇させて上昇位置で反転させてから両面ディスク反転組立体120を下降させ、下降位置で両面ディスク反転組立体120内の下段位置に反転用トレイ4Bがあることをトレイ有無検出レバー26により確認し、確認後、再度、両面ディスク反転組立体120を反転して反転用トレイ4Bを両面ディスク反転組立体120内の上段位置に予め位置させるようにチエックをしている。
【0059】
また、キャリアベース21の前面21a側にはトレイロック解除機構部40が設けられている。
【0060】
上記したトレイロック解除機構部40では、キャリアベース21の上面21e上で前面側の左右両端近傍に設けたガイドブロック部21e7,21e8に沿ってトレイロック解除部材41が左右方向に摺動自在に設けられており、このトレイロック解除部材41で筐体2の左右に取り付けたマガジン10A,10Bのトレイロック機構部11A(図2),11B(図示せず)のロックを解除できるようになっている。この際、トレイロック解除機構部40には、下記するように両面ディスク反転組立体120のキャリアベース21へのロック機構が含まれており、トレイロック解除動作と両面ディスク反転組立体のキャリアベースへのロック動作とが連動するように構成されている。
【0061】
ここで、図10に拡大して示したトレイロック解除機構部40及び両面ディスク反転組立体120のキャリアベース21へのロック機構において、トレイロック解除部材41を左右に移動させる駆動源はキャリアベース21の裏面側に設けられており、即ち、ブラケット42にモータ43が取り付けられ、このモータ43のモータ軸に固着したウオーム44が軸支持部材45でモータ軸の先端を軸着されて回転自在に設けられている。また、ウオーム44はシャフト46に軸着されたウオームホィール47に噛合し、且つ、ウオームホィール47の下方でこれと略同径に一体に形成したギア48がシャフト49に軸着されたカムホイールギア50に噛合している。
【0062】
また、カムホイールギア50の上面には、略270°に亘って凸円弧状カム部50aがカムホイールギア部50bより小径に上方に向かって突出形成されていると共に、凸円弧状カム部50aが形成されていない部位の外周側にピン51が植設されている。
【0063】
更に、カムホイールギア50の近傍にゼネバ体52がシャフト53を中心に左右に僅かな角度に亘って揺動可能に設けられている。
【0064】
上記したゼネバ体52は樹脂材を用いて一体成形されており、このゼネバ体52の一端側にカムホイールギア50の凸円弧状カム部50aに摺接する凹円弧状カム部52aが略90°に亘って形成され、且つ、カムホイールギア50に植設したピン51がいずれか一方に間欠的に進入して係合する凹状のゼネバ部52b,52cが凹円弧状カム部52aの左右端に連接して形成されていると共に、シャフト53を介した他端側にアーム部52dが凹円弧状カム部52aの中心とシャフト53の中心を通る線上に長尺に形成されている。
【0065】
また、ゼネバ体52の上面には両面ディスク反転組立体120をロックするためのロック部材54が板金材などを用いてネジなどにより一体的に固着されており、このロック部材54の一端側にはネジ固定用の円弧部54aが形成され、且つ、シャフト53を介した他端側の左右にコ字状のロック片54b,54cがゼネバ体52に形成したアーム部52dの上方で中心線を同じくして左右対称に間隔を離して互いにコ字状部位を向かい合わせて形成されている。
【0066】
そして、両面ディスク反転組立体120の下降時に、上記したロック部材54の他端側の左右に形成したコ字状のロック片54b,54cのいずれか一方に、前面側トレイ支持板122(図15)の上下に形成した両面ディスク反転組立体用ロック片122e3,122e3のうちで下側に位置した両面ディスク反転組立体用ロック片122e3がキャリアベース21の上面21eに穿設したロック孔21e5(図9)を通り抜けて確実にロックされるようになっている。
【0067】
また、ゼネバ体52の他端側に形成したアーム部52dの先端にU字孔52d1が形成されており、且つ、左右に移動自在な第1連結部材55に植設したピン56がアーム部52dのU字孔52d1内に嵌合している。更に、第1連結部材55に第2連結部材57を一体的に取り付け、且つ、この第2連結部材57の上端を折り曲げ形成した屈曲部57aが前記したトレイロック解除部材41に形成した凹部41aに係合している。
【0068】
ここで、上記構成によるトレイロック解除機構部40の動作及び両面ディスク反転組立体120のキャリアベース21へのロック機構の動作について図11(a)〜(c)を用いて説明する。尚、図11中において、両面ディスク反転組立体120は両面ディスク反転組立体用ロック片122e3のみを図示する。
【0069】
まず、図11(a)に示した如く、トレイロック解除機構部40及び両面ディスク反転組立体120のキャリアベース21へのロック機構が共に初期状態で且つ動作を開始する時には、両面ディスク反転組立体120がキャリアベース21の上面21e上で下降位置に位置決めされている状態である。この状態からモータ43を始動して、ウオーム44,ウオームホィール47,ギア48を介してカムホイールギア50をシャフト49を中心に例えば反時計方向に回転させると、カムホイールギア50の上面に形成した凸円弧状カム部50aにゼネバ体52の一端側に形成した凹円弧状カム部52aが摺接している時には、ゼネバ体52がシャフト53を中心に揺動しないため、このゼネバ体52のシャフト53を介した他端側に形成したアーム部52dは中立位置を保ったままとなる。この時、ゼネバ体52の上面に一体的に固着したロック部材54も中立位置を保っているので、ロック部材54に形成したコ字状のロック片54b,54c間に、前面側トレイ支持板122(図15)の下側に位置した両面ディスク反転組立体用ロック片122e3が進入するものの、この両面ディスク反転組立体用ロック片122e3はロックされないままの初期状態と同じ状態を保つ。また、この時、ゼネバ体52のアーム部52dは中立位置を保ったままとなるので、このアーム部52dと第1,第2連結部材55,57を介して連結したトレイロック解除部材41も左右に移動することなく中立状態を保った初期状態のままとなる。
【0070】
この後、図11(b)に示した如く、ガムホイールギア50をシャフト49を中心に更に反時計方向に回転させると、カムホイールギア50の上面に固着したピン51がゼネバ体52の一端側に形成した凹状のゼネバ部52b,52cのうちで左方のゼネバ部52bに進入するので、ゼネバ体52はシャフト53を中心に時計方向に揺動する。このゼネバ体52の時計方向への揺動に伴って、ゼネバ体52の上面に固着したロック部材54も一体に時計方向に揺動するので、ロック部材54に形成したコ字状のロック片54b,54cのうちで右方のロック片54cに前面側トレイ支持板122(図15)の下側に位置した両面ディスク反転組立体用ロック片122e3が係合することで、両面ディスク反転組立体120がキャリアベース21に対して確実にロックされる。また、この時、ゼネバ体52のアーム部52dも時計方向に揺動するので、アーム部52dと第1,第2連結部材55,57を介して連結したトレイロック解除部材41はキャリアベース21の前面側の左右両端近傍に設けたガイドブロック部21e7,21e8に沿って中立位置から左方に移動して、左側のマガジン10A側のトレイロック機構部11A(図2)のロックを解除する。
【0071】
なお、上記した図11(a),(b)の動作ではカムホイールギア50をシャフト49を中心に反時計方向に回転させた場合を説明したが、図11(c)に示した如く、カムホイールギア50をシャフト49を中心に時計方向に回転させた時には、カムホイールギア50の上面に固着したピン51がゼネバ体52の一端側に形成した右方のゼネバ部52cに進入するので、ロック部材54に形成した左方のロック片54bに両面ディスク反転組立体用ロック片122e3が係合して両面ディスク反転組立体120がキャリアベース21に対して確実にロックされると共に、アーム部52dと第1,第2連結部材55,57を介して連結したトレイロック解除部材41はガイドブロック部21e7,21e8に沿って中立位置から右方に移動して、右側のマガジン10B側のトレイロック機構部11B(図示せず)のロックを解除する。
【0072】
上記のように、トレイロック解除部材41で左右のマガジン10A,10B側のトレイロック機構部11A,11Bのロックを解除する時には、両面ディスク反転組立体120がゼネバ体52の上面に一体的に固着したロック部材54によってキャリアベース21に対して確実にロックされているので、この後、左右のマガジン10A,10B側から所望の両面ディスク3を載置した搬送用トレイ4Aを両面ディスク反転組立体120内に確実に装着でき、また、この所望の両面ディスク3を載置した搬送用トレイ4A又は反転用トレイ4Bをディスク・ドライブユニット180内に確実に装着できる。
【0073】
図9に戻り、次に、キャリアベース21の背面21d側にはトレイ引き出し機構部60が設けられている。
【0074】
上記トレイ引き出し機構部60はキャリアベース21の左右の側面21b,21c側に設けたトレイストッパ25A,25B間に設けられており、トレイキャッチ61が図示を省略するもののモータの駆動力で回転する長尺なリードスクリューなどにより搬送用トレイ4A及び反転用トレイ4Bの長手方向(図示左右方向)に移動自在に設けられている。このトレイキャッチ61は、図3を用いて説明した搬送用トレイ4A及び反転用トレイ4Bの左側面に形成したクランプ部4d,4d又は右側面に形成したクランプ部4e,4eのいずれか一方の側面のクランプ部と係合し、搬送用トレイ4Aをキャリアベース21側に引き出したり又は左右のマガジン10A,10Bに戻したり、キャリアベース21内の搬送用トレイ4A又は反転用トレイ4Bをディスク・ドライブユニット180内に挿入したり、ディスク・ドライブユニット180から搬送用トレイ4A又は反転用トレイ4Bをキャリアベース21側に戻すものである。
【0075】
次に、キャリアベース21上に設けた両面ディスク反転機構部80について、図12乃至図15を用いて説明する。
【0076】
図12はキャリアベースを取り除いた状態での両面ディスク反転機構部において、両面ディスク反転組立体が下降位置に至っている初期状態を示した斜視図、図13はキャリアベースを取り除いた状態での両面ディスク反転機構部において、両面ディスク反転組立体が上昇位置に至っている状態を示した斜視図、
図14(a),(b)は図12及び図13に示した第1リンク部材,スライドギアをそれぞれ拡大して示した図、
図15は図12及び図13に示した両面ディスク反転組立体を説明するための斜視図である。
【0077】
図12及び図13に示した如く、キャリアベース21に設けた両面ディスク反転機構部80は、X字状にクロスした一対のパンタグラフ部90A,90Bをキャリアベース21の前面21a側と背面21d側とに互いに対向して上下動自在(伸縮自在)に取り付け、且つ、一対のパンタグラフ部90A,90Bの上方部位に両面ディスク反転組立体120を反転可能に支持させて、駆動部100の駆動力によって一対のパンタグラフ部90A,90Bがキャリアベース21上で下降位置から上昇位置に至った時に、両面ディスク反転組立体120内に反転用トレイ4Bと両面ディスク3を載置した搬送用トレイ4Aとを上下段に装着したまま、両面ディスク反転組立体120を反転させるものである。
【0078】
この際、一対のパンタグラフ部90A,90Bの下降位置は、キャリアベース21の上面21e(図9)に接近した位置を取り、一方、一対のパンタグラフ部90A,90Bの上昇位置は、キャリアベース21の上面21eに対して両面ディスク反転組立体120が後述する反転用枠体121の中央部位を支点として回転できる半径よりも少し余裕を持たせた高さに設定されている。
【0079】
まず、キャリアベース21の前面21a側と背面21d側とに互いに対向して上下動自在(伸縮自在)に取り付けた一対のパンタグラフ部90A,90Bについて図13を用いて説明すると、キャリアベース21の前面21aと背面21dの右方には、支点ピン91a,91aを水平方向に植設し、且つ、後述する減速用ギア列(109A〜112A),(109B〜112B)をそれぞれ内側に支持した第1ブラケット91A,91Bが間隔を離して互いに対向して一対固定されている。また、キャリアベース21の前面21a側と背面21d側の左上面には、水平方向に長孔92a,(92a)を形成した第2ブラケット92A,(92B)が間隔を離して互いに対向して一対固定されている。
【0080】
また、キャリアベース21の前面21a側には、X字状にクロスさせた第1リンク部材93Aと第2リンク部材94Aとが設けられ、キャリアベース21の背面21a側にはX字状にクロスさせた第1リンク部材93Bと第2リンク部材94Bとが設けられており、両者は金属材を用い且つ間隔を離して互いに対向して対称形状に設けられている。
【0081】
上記した第1リンク部材93A,(93B)は、図14(a)にも拡大して示した如く、平板部93a,(93a)の略中央部位から下方に向かって弓形状内歯部93b,(93b)と下方欠歯部93c,(93c)とを内側に形成し、且つ、弓形状内歯部93b,(93b)及び下方欠歯部93c,(93c)に対して反対側の外側下方部位にバネ掛止ピン93d,(93d)が突出して固着されている。この際、第1リンク部材93A,(93B)に形成した弓形状内歯部93b,(93b)及びこの下方に形成した下方欠歯部93c,(93c)は、右側の第1ブラケット91A,91Bに固着した支点ピン91a,91aを中心に回転できるような円弧に形成されている。
【0082】
そして、第1リンク部材93A,(93B)の平板部93a,(93a)の略中央部位と、第2リンク部材94A,(94B)の略中央部位とをピン95,(95)で連結することにより、前面側の第1リンク部材93Aと第2リンク部材94AとがX字状にクロスして連結され、同様に背面側の第1リンク部材93Bと第2リンク部材94BとがX字状にクロスして連結されている。
【0083】
また、第1リンク部材93A,93Bの弓形状内歯部93b,93b及び下方欠歯部93c,93c上には、スライドギア96A,96Bがスライド自在に設けられている。
【0084】
図14(b)にも拡大して示したように、上記したスライドギア96A,(96B)は樹脂材を用いて略弓形状に形成されており、外周側に弓形状外歯部96a,(96a)が円弧長さを短くして形成され、且つ、内周側に弓形状内歯部96b,(96b)が第1リンク部材93A,(93B)の弓形状内歯部93b,(93b)よりも下方側を延長して円弧長さを長くして形成されており、更に、外周側と内周部との間に上方から下方に向かって弓形状ガイド孔96c,(96c)と弓形状ガイド孔96d,(96d)とがそれぞれ形成されている。このスライドギア96A,(96B)に形成した弓形状外歯部96a,(96a)及び弓形状内歯部96b,(96b)も、第1リンク部材93A,(93B)の弓形状内歯部93b,(93b)と同様に、右側の第1ブラケット91A,91Bに固着した支点ピン91a,91aを中心に回転できるような円弧に形成されている。
【0085】
そして、第1リンク部材93A,(93B)の弓形状内歯部93b,(93b)側にスライドギア96A,(96B)の弓形状内歯部96b,(96b)側が重ね合わせて位置するように、第1リンク部材93A,(93B)の弓形状内歯部93b,(93b)上に取り付けたピン95,(95)及びピン97,(97)をスライドギア96A,(96B)の弓形状ガイド孔96c,(96c)及び弓形状ガイド孔96d,(96d)内に嵌合させている。また、スライドギア96A,(96B)の弓形状外歯部96a,(96a)の近傍に固着させたバネ掛止ピン96e,(96e)と、第1リンク部材93A,(93B)の弓形状内歯部93b,(93b)の下方部位に固着させたバネ掛止ピン93d,(93d)との間に引張バネ98A,(98B)が掛けられており、この引張バネ98A,(98B)はスライドギア96A,(96B)を第1リンク部材93A,(93B)の弓形状内歯部93b,(93b)の下方に移動するように付勢している。この際、引張バネ98A,(98B)の付勢力でピン95,(95)及びピン97,(97)が弓形状ガイド孔96c,(96c)の上端及び弓形状ガイド孔96d,(96d)の上端に当接した状態で、第1リンク部材93A,93Bの弓形状内歯部93b,93bと、スライドギア96A,96Bの弓形状内歯部96b,96bとが位相が合うように取り付けられている。また、前面側のスライドギア96Aは第1リンク部材93Aの外側に取り付けられ、一方、背面側のスライドギア96Bは第1リンク部材93Bの内側に取り付けられている。
【0086】
更に、上記構成により、スライドギア96A,96Bは、第1リンク部材93A,93Bの弓形状内歯部93b,93bと一体に移動する態様と、弓形状内歯部93b,93b上をスライドする態様とを取り、この2態様は親亀(第1リンク部材)の背中に子亀(スライドギア)を乗せた時の2態様に相当するものである。
【0087】
そして、第1リンク部材93A,93Bの平板部93a,93aの下端に穿設した孔に、右側の第1ブラケット91A,91Bに植設した支点ピン91a,91aが嵌合し、第1リンク部材93A,93Bが支点ピン91a,91aを中心に回動できるようになっている。
【0088】
また、第2リンク部材94A,94Bの下端に植設したピン94a,(94a)が、左側の第2ブラケット92A,(92B)に形成した長孔92a,(92a)内を左右方向に摺動自在に嵌合している。
【0089】
また、前面側の第1,第2リンク部材93A,94Aと、背面側の第1,第2リンク部材93B,94Bとの上方部位には、略水平に支持される前面側の水平支持板99Aと背面側の水平支持板99Bとが互いに対向して略対称形状に形成さて一対用意されている。また、水平支持板99A,99Bの左端側に水平に形成した長孔99a,99a内に、第1リンク部材93A,93Bの平板部93a,93aの上端に植設したピン93e,(93e)が左右方向に摺動自在に嵌合している。
【0090】
また、水平支持板99A,99Bの右端側に穿設した支点ピン99b,(99b)が第2リンク部材94A,94Bの上端に穿設した孔に嵌合し、第2リンク部材94A,94Bが支点ピン99b,(99b)を中心に回動できるようになっている。
【0091】
そして、一対のパンタグラフ部90A,90Bの一部を構成する水平支持板99A,99B間に後述する両面ディスク反転組立体120が反転可能に支持されている。
【0092】
次に、両面ディスク反転駆動機構部80の駆動部100について説明すると、キャリアベース21の裏面側に固着したブラケット101には、両面ディスク反転用モータ102が取り付けられており、この両面ディスク反転用モータ102の軸にセンサギア103が固着されている。センサギア103は、小径ギア部と大径センサ用円板部とで一体形成されている。そして、センサギア103の大径センサ用円板部の円周に沿って設けた複数のスリットをブラケット101に取り付けたホトセンサ104で検出することで、両面ディスク反転用モータ102の回転パルスを生成している。また、センサギア103の小径ギア部は、ブラケット101に取り付けた2段ギア105の大径ギア部に噛合している。
【0093】
また、キャリアベース21の裏面側でキャリアベース21の前面21aと背面21dとの間に長尺なシャフト106が回転自在に横架されており、このシャフト106の中間部位に固着したギア107がブラケット101に取り付けた2段ギア105の小径ギア部に噛合している。
【0094】
また、上記シャフト106の両端部位に一対のギア108A,108Bが固着されている。
【0095】
一方、前述したように、キャリアベース21の前面21a側と背面21d側には第1ブラケット91A,91Bが間隔を離して互いに対向して取り付けられており、これらの第1ブラケット91A,91Bの内側にそれぞれ複数のギア(109A〜112A),(109B〜112B)により構成した減速用ギア列が互いに対向して取り付けられている。
【0096】
そして、シャフト106の両端部位に固着した一対のギア108A,108Bが減速用ギア列のうちで初段の2段ギア109A,109Bに位相を合わせて常時噛合している。また、初期状態では減速用ギア列(109A〜112A),(109B〜112B)のうちで最終段の2段ギア112A,112Bの小径ギア部112a,112aが、第1リンク部材93A,93Bの弓形状内歯部93b,93bの上方部位及びこの弓形状内歯部93b,93b上に位相を合わせて重なったスライドギア96A,96Bの弓形状内歯部96b,96bの上方部位に噛合している。
【0097】
尚、上記駆動部100では、一対のパンタグラフ部90A,90Bが上昇位置に至った状態で両面ディスク反転組立体120を反転させる際に、両面ディスク反転用モータ102の駆動力を背面側トレイ支持板123側に設けた2段ギア130及びこの2段ギア130に噛合した反転用ギア127に最終的に伝達するように構成されており、前面側トレイ支持板122側は両面ディスク反転組立体120を反転させるように支持しているだけである。
【0098】
次に、図15に示した如く、上記した両面ディスク反転組立体120は、基台となる矩形状の反転用枠体121がアルミ材などを用いて内部を大きく肉抜きして剛性を持って形成されている。また、矩形状の反転用枠体121の前面121a、左右の側面121b,121c、背面121dがキャリアベース21の前面21a、左右の側面21b,21c、背面21dにそれぞれ対応している。
【0099】
また、反転用枠体121の前面121a側と背面121d側とに、前面側トレイ支持板122と背面側トレイ支持板123とがそれぞれ一体的に取り付けられている。
【0100】
上記した前面側トレイ支持板122には、コ字状のトレイ案内溝122a,122bが下と上とに僅かな間隔を離して搬送用トレイ4A及び反転用トレイ4Bの長手方向に沿って形成されている。この際、トレイ案内溝122a,122bのトレイ挿脱口は左右に形成されている。
【0101】
一方、上記した背面側トレイ支持板123にも、コ字状のトレイ案内溝123a,123bが下と上とに僅かな間隔を離して搬送用トレイ4A及び反転用トレイ4Bの長手方向に沿って形成されている。この際、トレイ案内溝123a,123bのトレイ挿脱口も左右に形成されている。
【0102】
そして、前面側トレイ支持板122のトレイ案内溝122aと背面側トレイ支持板123のトレイ案内溝123aとが間隔を離して互いに対向しており、これらのトレイ案内溝122a,123aにマガジン10から両面ディスク3を載置した状態で引き出される搬送用トレイ4Aが挿脱可能に装着されるようになっており、初期状態ではトレイ案内溝122a,123aに搬送用トレイ4Aが未装着の状態であり、且つ、未装着時にはトレイ案内溝122a,123aは必ず下段位置で待機している。
【0103】
また、前面側トレイ支持板122のトレイ案内溝122bと背面側トレイ支持板123のトレイ案内溝123bとが間隔を離して互いに対向しており、これらのトレイ案内溝122b,123bに反転用トレイ4Bを両面ディスク3の載置面が下に向くように予め装着し、両面ディスク3を反転した時に反転用トレイ4B上の両面ディスク3がディスク・ドライブユニット180側に引き出し可能に装着されるようになっており、この反転用トレイ4Bは初期状態で必ず上段位置に装着されている。この際、反転用トレイ4Bはディスク・ドライブユニット180側に引き出される時以外はトレイ案内溝122b,123bに通常装着されたままの状態となっているものであるが、反転用トレイ4Bの耐用性を考慮して両面ディスク反転組立体120の反転回数又は反転用トレイ4Bのディスク・ドライブユニット180側への引き出し回数が予め設定した所定の回数以上になった場合には、マガジン10内に収納した搬送用トレイ4A又は予備に収納した反転用トレイ4Bと交換可能になっている。
【0104】
また、前面側トレイ支持板122の上下面122c,122dの左右両端に位置決め突起122c1,122d1が突出形成され、同様に、背面側トレイ支持板123の上下面123c,123dの左右両端に位置決め突起123c1,123d1が突出形成されており、前述したように両面ディスク反転組立体120が下降位置に至った時に下側に位置した位置決め突起の組み(122c1,123c1)又は(122d1,123d1)が、キャリアベース21の上面21eに形成した位置決め孔21e1(図9)に嵌合するものである。
【0105】
また、前面側トレイ支持板122の中央部位及び背面側トレイ支持板123の中央部位には支持軸124,125がそれぞれ固着されており、これらの支持軸124,125は前面側の水平支持板99A及び背面側の水平支持板99Bに軸着されて、前面側トレイ支持板122及び背面側トレイ支持板123を取り付けた反転用枠体121が支持軸124,125を中心にして反転可能に支持されている。
【0106】
また、背面側の水平支持板99Bと背面側トレイ支持板123との間には、中心部に嵌め込んだ一方向クラッチ126と協働する反転用ギア127が支持軸125を中心に回転自在に設けられている。この実施例では、一方向クラッチ126を反転用ギア127に嵌め込んでいるももの、一方向クラッチ126は下記する2段ギア130に嵌め込むことも可能である。上記した反転用ギア127の中心部に嵌め込んだ一方向クラッチ126の機能は、後述するように、一対のパンタグラフ部90A,90Bを上昇させて上昇位置で両面ディスク反転組立体120を反転させる時に支持軸125と一体に反転用ギア127が回転できる方向に設定されて、反転用モータ102(図13)による反転時の駆動力が伝達できるようになっており、且つ、両面ディスク反転組立体120を下降させる時には支持軸125に対して反転用ギア127が空回りするようになっている。従って、一方向クラッチ126によって、支持軸125を介して反転用ギア127と背面側トレイ支持板123を取り付けた反転用枠体121とが一体となって回転できる態様と、反転用ギア127のみが支持軸125上を回転できる態様とを取り得るようになっている。
【0107】
更に、背面側の水平支持板99Bに支持した支持軸125の下方に、シャフト128を固着したブラケット129が取り付けられており、このシャフト128に大径ギア部130aと小径ギア部130bとを一体形成した2段ギア130が軸着されており、この2段ギア130の大径ギア部130aは反転用ギア127の下方部位に噛合していると共に、2段ギア130の小径ギア部130bは前記した駆動部100(図13)の一部を構成する背面側のスライドギア96Bの弓形状外歯部96aに接離自在に噛合するようになっている。
【0108】
また、背面側トレイ支持板123の外側面には、位置決め片123e,123fが支持軸125を中心に左右に高さを違えて突出形成されており、これら位置決め片123e,123fに背面側の水平支持板99Bに形成した長孔99a内に摺動自在に嵌合しているピン93eの先端部位が接離するようになっている。そして、ピン93eの先端が位置決め片123eの裏面に当接している状態では反転用枠体121が略水平状態を保ち、この後、反転用枠体121が支持軸124,125を中心に反転してピン93eの先端が位置決め片123fの上面に当接している状態では反転用枠体121が水平状態に対して僅かな角度傾いている状態を保つようになっている。
【0109】
また、背面側トレイ支持板123に支持軸125を介して軸支した反転ギア127の外側面に位置決め凹部(図示せず)が2か所それぞれ所定の位置に形成されている。これに対応して背面側の水平支持板99Bには、円筒体131内に挿入した圧縮バネ132により付勢されたピン133が反転ギア127の外側面に向かって出没自在に設けられており、ピン133が反転ギア127の外側面に形成した上記位置決め凹部(図示せず)に係合する動作は、上記した背面側トレイ支持板123の位置決め片123d,123fとピン93eとの位置決め動作と連動している。
【0110】
次に、前面側トレイ支持板122の上下に略対称に取り付けた一対のディスクチャッキング機構部150,150は、矩形状の反転用枠体121の内部を大きく肉抜きした逃げ孔121e内の略中央部位まで延出されている。この一対のディスクチャッキング機構部150,150は、下記するように前面側トレイ支持板122の上下に互いに対向して開閉自在に取り付けた一対のレバー手段(151,157),(151,157)の先端に一対のディスクチャッキング部材161,161を互いに対向して配置させ、且つ、一対のディスクチャッキング部材161,161を搬送用トレイ4A又は反転用トレイ4B上の両面ディスク3の中心孔3cに対向させている。
【0111】
そして、一対のディスクチャッキング機構部150,150は、前面側トレイ支持板122と背面側トレイ支持板123との間に反転可能に支持された両面ディスク反転組立体120内の上下段に反転用トレイ4Bと両面ディスク3を載置した搬送用トレイ4Aとが装着されて、後述するように一対のパンタグラフ部90A,90Bによる上昇位置で両面ディスク反転組立体120が反転した時に、両面ディスク3の中心孔を利用して両面ディスク3のA面側及びB面側を一対のディスクチャッキング部材161,161で保持するものである。
【0112】
ここで、一対のディスクチャッキング機構部150,150は、一対のディスクチャッキング部材161,161の中心部の凹凸形状を除けば全て対称に構成されているので、上側のディスクチャッキング機構部150を中心に説明し、必要に応じて下側のディスクチャッキング機構部150についても説明する。
【0113】
上記した上側のディスクチャッキング機構部150について説明すると、前面側トレイ支持板122の上面122cの中間部位に上面122cより一段低く凹状の凹部122eが長尺に形成されており、この凹部122eの上方に第1レバー151が回動自在に設けられている。この際、第1レバー151は、前面側トレイ支持板122の凹部122e上の左右に間隔を離して取り付けた第1レバー支持ブロック152,152にシャフト153,(153)を介して上下方向に回動自在に支持されている。
【0114】
上記した第1レバー151は板金材を折り曲げて一体的に形成されており、平坦部151aから一段低く折り曲げた翼部151bが反転用枠体121の中心部側に向かって延出されている。また、第1レバー151の平坦部151aに形成した逃げ孔151a1内には、前面側トレイ支持板122の凹部122e上に一体的に突出形成した2つのトレイ種類検出片122e1,122e2と1つの両面ディスク反転組立体用ロック片122e3が臨んでいる。
【0115】
この際、2つのトレイ種類検出片122e1,122e2はここに形成した検出孔の有無状態が前面側トレイ支持板122の上側と下側とでは異なることで、前述したように両面ディスク反転組立体120がキャリアベース21上の下降位置に至った時に下側に位置した2つのトレイ種類検出片122e1,122e2がキャリアベース21の上面21eに穿設したトレイ種類検出孔21e2,21e3(図9)に臨んでいる。
【0116】
一方、前面側トレイ支持板122の凹部122eに形成した1つの両面ディスク反転組立体用ロック片122e3は、前面側トレイ支持板122の幅方向中央に突出形成されている。この両面ディスク反転組立体用ロック片122e3は、前述したように両面ディスク反転組立体120の下降時に下側に位置した両面ディスク反転組立体用ロック片122e3が、キャリアベース21の上面21eに穿設したロック孔21e5(図9)に臨んでいる。
【0117】
また、第1レバー151の翼部151bの裏面側の左右には、搬送用トレイ4A及び反転用トレイ4Bの左右に形成した位置決め用丸孔4a2,4a2(図3)に嵌合する位置決めピン151b1,151b1が植設されている。
【0118】
また、第1レバー151の翼部151b上の中央部位には、下記する第2レバー157の回動姿勢を規制するストッパ154が左右に間隔を離して取り付けたストッパ支持ブロック155,(155)にシャフト156を介して上下方向に回動自在に設けられている。
【0119】
また、第1レバー151の翼部151b上の中央先端部位には、ディスクチャッキング部材161を固着した第2レバー157が上下方向に回動自在に支持されている。この第2レバー157は、第1レバー151の翼部151b上の中央先端部位の左右に間隔を離して取り付けた第2レバー支持ブロック158,158にシャフト159を介してネジリバネ160により上下のディスクチャッキング部材161,161が互いに接近する方向に付勢されながら回動自在に支持されている。
【0120】
また、第2レバー157の先端部位に固着したディスクチャッキング部材161は、図20(b)に示した如く、両面ディスク3の中心孔3cに嵌合する先端をテーパ状に形成した円筒部161aと、両面ディスク3のA面3a又はB面3bの内周部位に当接するために円周に沿って3か所均等に設けたディスク載置部161bとで樹脂材により一体形成されている。この際、上下の第2レバー157,157に固着したディスクチャッキング部材161,161は、一方の円筒部161aの中央部位に凸部161a1が突出形成され、他方の円筒部161aの中央部位に凹孔部161a2が穿設されており、上下のディスクチャッキング部材161,161で両面ディスク3をチャッキングした時に一方の円筒部161aの凸部161a1と他方の円筒部161aの凹孔部161a2とが嵌合することで、両面ディスク3のディスクチャッキング部材161,161からの抜け防止を図っている。
【0121】
また、前面側トレイ支持板122の外側面122fの中央部位には、支持軸124を中心に第1リンクレバー162が回動自在に設けられている。上記した第1リンクレバー162は、図20(a)に示した如く、長尺な第1アーム部162a,162bが支持軸124を中心に上下左右対称に一対形成され、且つ、一対の第1アーム部162a,162b間に短尺な第2アーム部162c,162dが支持軸124を中心に上下左右対称に一対形成されている。
【0122】
また、前面側トレイ支持板122の外側面122f上で支持軸124を挟んだ左右には、支持軸124に対して上下左右対称にく字状に形成した第2リンクレバー164A,164Bが外側面122fに固着したシャフト165,165を中心に回動自在に一対設けられている。
【0123】
また、前面側トレイ支持板122の上下に回動自在に設けた前記した第1レバー151,151の平坦部151aの後端部位は前面側の水平支持板99A側に突出しており、この第1レバー151,151の平坦部151aの後端部位にL字片163A,163Bが支持軸124に対して上下左右対称に一対取り付けられている。
【0124】
そして、上下の第1レバー151,151の後端部位に取り付けたL字片163A,163Bに、第1リンクレバー162の第1アーム部162a,162bが係合している。この際、前面側トレイ支持板122と第1リンクレバー162との間で支持軸124に嵌入させたネジリバネ167の一端と他端とを前面側トレイ支持板122と第1リンクレバー162にそれぞれ掛止させ、このネジリバネ167によって上下の第1レバー151,151のうちで回動支点となるシャフト153,153を介した翼部151b,151bを互いに閉じる方向に付勢している。
【0125】
また、第1リンクレバー162の第2アーム部162c,162dの先端部位は、第2リンクレバー164A,164Bの一端部164a,164aに係合し、且つ、シャフト165,165を介した他端部164b,164bにローラ166A,166Bが回転自在に固着されており、これらのローラ166A,166Bはキャリアベース21の上面21eに突出形成したカム片21e4に接離自在になっている。
【0126】
次に、上記した両面ディスク反転組立体120をキャリアベース21上で上下動させ、且つ、上昇位置で両面ディスク反転組立体120を反転させる動作について、先に説明した図13と図16乃至図19とを用いて説明する。
【0127】
図16は一対のパンタグラフ部が縮んで両面ディスク反転組立体がキャリアベース上で下降位置に至っている初期状態を示した図、
図17は一対のパンタグラフ部が伸びて両面ディスク反転組立体がキャリアベース上で上昇位置に至っている状態を示した図、
図18は両面ディスク反転組立体が上昇位置で反転を開始した状態を示した図、図19は両面ディスク反転組立体が上昇位置で反転を完了した状態を示した図である。
【0128】
まず、図16に示した如く、駆動部100が初期状態に至っている時には、キャリアベース21の前面21a側と背面21d側では、第1リンク部材93A,93Bの下端を右側の第1ブラケット91A,91Bに固着した支点ピン91a,91aを支点として、第1リンク部材93A,93Bの上端に植設したピン93e,93eが水平支持板99A,99Bに形成した長孔99a,99a内の左端に移動し、且つ、第2リンク部材94A,94Bの上端を水平支持板99A,99Bに固着した支点ピン99b,99bを支点として、第2リンク部材94A,94Bの下端に植設したピン94a,94aが左側の第2ブラケット92A,92Bに形成した長孔92a,92a内の左端に移動しているので、第1リンク部材93A,93Bと第2リンク部材94A,94Bとをピン95,95を介してX字状にクロスさせた一対のパンタグラフ部90A,90Bは縮んでいる状態となり、前面側の水平支持板99Aと背面側の水平支持板99Bとの間に反転可能に支持させた両面ディスク反転組立体120はキャリアベース21の上面21e上で略水平状態を保って位置決めされて下降位置に至っている。また、下降位置では、両面ディスク反転組立体120内で反転用トレイ4Bが上段位置に装着され、且つ、所望の両面ディスク3のA面3aを上にして載置した搬送用トレイ4Aが下段位置に装着されている。
【0129】
また、スライドギア96A,96Bの弓形状内歯部96b,96bが第1リンク部材93A,93Bの弓形状内歯部93b,93b及び下方欠歯部93c,93c上を引張バネ98A,98Bによって下方に付勢されている状態で、駆動部100の反転用モータ102からの駆動力を伝達する減速用ギア列(109A〜112A),(109B〜112B)のうちで最終段の2段ギア112A,112Bの小径ギア部112a,112aが、第1リンク部材93A,93Bの弓形状内歯部93b,93bの上方部位及びスライドギア96A,96Bの弓形状内歯部96b,96bの上方部位に位相を合わせて噛合している。この際、背面側のスライドギア96Bの弓形状外歯部96aは背面側の水平支持板99Bに設けた2段ギア130の小径ギア部130bから離間している。
【0130】
次に、図13及び図17に示した如く、上記した初期状態から反転用モータ102を始動させて、減速用ギア列(109A〜112A),(109B〜112B)のうちで最終段の2段ギア112A,112Bの小径ギア部112a,112aを図示の時計方向に回転させると、この小径ギア部112a,112aに噛合した第1リンク部材93A,93Bの弓形状内歯部93b,93b及びスライドギア96A,96Bの弓形状内歯部96b,96bが一体となって右側の第1ブラケット91A,91Bに固着した支点ピン91a,91aを中心にして時計方向に回転して上方に移動する。これに伴って、第1リンク部材93A,93Bの上端に植設したピン93e,93eが水平支持板99A,99Bに形成した長孔99a,99a内を右端側に移動し、且つ、第2リンク部材94A,94Bの下端に植設したピン94a,94aが左側の第2ブラケット92A,92Bに形成した長孔92a,92a内を右端側に移動するので、一対のパンタグラフ部90A,90Bは伸びた状態となり、前面側の水平支持板99Aと背面側の水平支持板99Bとの間に反転可能に支持させた両面ディスク反転組立体120はキャリアベース21の上面21e上で上昇位置に至る。
【0131】
ここで、一対のパンタグラフ部90A,90Bは伸びた状態となって、両面ディスク反転組立体120が上昇位置に至った時には、2段ギア112A,112Bの小径ギア部112a,112aが第1リンク部材93A,93Bの弓形状内歯部93b,93bの下方に形成した下方欠歯部93c,93cに至るので、第1リンク部材93A,93Bは回転を停止し、一対のパンタグラフ部90A,90Bも上昇位置で停止する。一方、スライドギア96A,96Bの弓形状内歯部96b,96bは、第1リンク部材93A,93Bの弓形状内歯部93b,93bよりも下方側を延長して円弧長さが長く形成されているため、2段ギア112A,112Bの小径ギア部112a,112aが噛合したままとなる。ここでも、背面側のスライドギア96Bの弓形状外歯部96aは背面側の水平支持板99Bに設けた2段ギア130の小径ギア部130bから離間している。また、この上昇位置では、背面側トレイ支持板123の外側面に形成した位置決め片123eの下面に、背面側の水平支持板99Bに形成した長孔99a内を右端側に移動したピン93eの先端部位が入り込んで当接するために両面ディスク反転組立体120は略水平状態の姿勢を取る。
【0132】
次に、図13及び図18に示した如く、2段ギア112A,112Bの小径ギア部112a,112aを更に図示の時計方向に回転させると、この小径ギア部112a,112aに噛合したスライドギア96A,96Bの弓形状内歯部96b,96bのみが弓形状ガイド孔96c,96dにそれぞれ嵌合したピン95,97に案内されながら停止している第1リンク部材93A,93Bの弓形状内歯部93b及び下方欠歯部93c上を更に時計方向に回転して引張バネ98A,98Bの付勢力に抗して上方に移動する。これにより、背面側のスライドギア96Bに形成した弓形状外歯部96aが背面側の水平支持板99Bに設けた2段ギア130の小径ギア部130bに噛合するので、2段ギア130が図示の反時計方向に回転し、更に、2段ギア130の大径ギア部130aの上方部位に噛合した反転用ギア127が支持軸125を中心に図示の時計方向に回転するので、前面側の水平支持板99Aと背面側の水平支持板99Bとの間に反転可能に支持させた両面ディスク反転組立体120も図示の時計方向に回転して反転を開始する。この際、反転用ギア127の中心部には前述したように一方向クラッチ126が嵌め込まれているので、両面ディスク反転組立体120を反転させた時に支持軸125と一体に一方向クラッチ126と協働する反転用ギア127が回転でき、反転用モータ102による反転時の駆動力が反転用ギア127に伝達される。
【0133】
また、この際、前面側の水平支持板99Aには2段ギア及び反転用ギアが設けられていないので、前面側のスライドギア96Aは第1リンク部材93A上を上動するだけである。
【0134】
次に、図13及び図19に示した如く、2段ギア112A,112Bの小径ギア部112a,112aを図18に示した状態から更に図示の時計方向に回転させると、この小径ギア部112a,112aに噛合したスライドギア96A,96Bの弓形状内歯部96b,96bのみが停止中の第1リンク部材93A,93B上をより更に時計方向に回転して引張バネ98A,98Bの付勢力に抗して上方に移動するので、引張バネ98A,98Bは伸びた状態となり付勢力を蓄えると共に、2段ギア130及び反転用ギア127を介して両面ディスク反転組立体120が支持軸125を中心に更に図示の時計方向に回転して、両面ディスク反転組立体120が反転する。ここで、背面側トレイ支持板123の外側面に形成した位置決め片123fの上面に、背面側の水平支持板99Bに形成した長孔99a内を右端側に移動しているピン93eの先端部位が上方から当接するので、両面ディスク反転組立体120は水平状態に対して図示のように僅かな角度傾いている状態を保つ。この状態で、両面ディスク反転組立体120の反転が完了して、反転用モータ102による反転時の駆動を停止させる。この際、両面ディスク反転組立体120が反転完了位置で僅かに傾いている理由はピン93eの高さ位置でピン93eを位置決め片123fに当接させているからである。
【0135】
この反転完了状態では、両面ディスク反転組立体120内で反転用トレイ4Bが下段位置に変更され、且つ、この反転用トレイ4B上に所望の両面ディスク3がB面3bを上にして載置される。一方、搬送用トレイ4Aは上段位置に変更されている。
【0136】
次に、図19の反転完了状態から両面ディスク反転組立体120を下降位置に下ろすには、反転用モータ102を反転時の駆動方向に対して逆転させるものの、スライドギア96A,96Bは反転用モータ102の逆転時の駆動力によらずに反転完了時に蓄えられた引張バネ98A,98Bの付勢力を利用して上昇位置まで戻している。即ち、スライドギア96A,96Bは引張バネ98A,98Bの付勢力で停止中の第1リンク部材93A,93B上を下動しながら、スライドギア96A,96Bの弓形状内歯部96b,96bが第1リンク部材93A,93Bの弓形状内歯部93b,93bと一体となる位置まで戻り、一対のパンタグラフ部90A,90Bを上昇させた上昇位置まで戻る。
【0137】
ここで、スライドギア96A,96Bがバネ力で下動した時に、背面側のスライドギア96Bの弓形状外歯部96aに噛合した2段ギア130及びこの2段ギア130に噛合した反転用ギア127が共に反転時の回転方向に対して逆転するものの、反転用ギア127に嵌め込んだ一方向クラッチ126の作用により反転用ギア127のみが支持軸125に対して空回りして逆転するだけなので、両面ディスク反転組立体120は逆転することなく反転状態を保ったままとなる。
【0138】
そして、スライドギア96A,96Bの弓形状内歯部96b,96bと第1リンク部材93A,93Bの弓形状内歯部93b,93bとが一体となった位置まで戻ったら、反転用モータ102を反転時の回転方向に対して逆転させているので、一対のパンタグフ部90A,90Bが図16に示した初期状態に戻る。従って、両面ディスク反転組立体120が上昇位置で反転を完了してキャリアベース21の上面21e上の下降位置に戻った時には、反転前の初期位置と同じ高さとなる。
【0139】
この後、反転用トレイ4Bに載置した所望の両面ディスク3を両面ディスク反転・キャリアユニット20によりディスク・ドライブユニット180まで搬送し、ディスク・ドライブユニット180内で所望の両面ディスク3のB面3bへの記録及び/又は再生が終了して、反転用トレイ4Bと一体に所望の両面ディスク3を両面ディスク反転・キャリアユニット20に戻した場合に、両面ディスク反転・キャリアユニット20内で所望の両面ディスク3を再度反転し、所望の両面ディスク3のA面3aが上なった状態で搬送用トレイ4A上に載置してから、マガジン10内の元の位置に回収するようにすることで、マガジン10内では両面ディスク3のA面,B面の管理を省略できる。
【0140】
上記したディスク・反転機構部80によれば、キヤリアベース21の前面21a側と背面21d側に第1リンク部材93A,93Bと第2リンク部材94A,94AとをX字状にクロスさせた一対のパンタグラフ部90A,90Bを上下動可能に設け、且つ、一対のパンタグラフ部90A,90Bの一部を構成する一対の水平支持板99A,99Bに両面ディスク反転組立体120を反転可能に支持させた際、一対のパンタグラフ部90A,90Bの上下動をスムースに行うことができ、また、両面ディスク反転組立体120への反転時の駆動源(モータ)を両面ディスク反転組立体120に取り付けていないので、両面ディスク反転組立体120側には駆動源(モータ)への配線の引き回しがなくなりワイヤレスとなり、しかも両面ディスク反転組立体120を軽量に構成できるので両面ディスク反転組立体120の反転時の負荷が小さくなると共に、装置1の品質及び信頼性の向上を図ることができる。
【0141】
次に、両面ディスク反転組立体120の前面側トレイ支持板122の上下に略対称に取り付けた一対のディスクチャッキング機構部150,150の動作について、先に説明した図15と図20及び図21とを用いて説明する。
【0142】
図20(a),(b)は一対のディスクチャッキング機構部が初期状態に至っている態様を示した正面図,側面図、
図21(a),(b)は一対のディスクチャッキング機構部がディスクチャッキング状態に至っている態様を示した正面図,側面図である。
【0143】
一対のパンタグラフ部90A,90Bの上方部位に反転可能に支持された両面ディスク反転組立体120がキャリアベース21上で下降位置に位置決めされている時には、図15及び図20(a),(b)に示した如く、両面ディスク反転組立体120の前面側トレイ支持板122の上下に略対称に取り付けた一対のディスクチャッキング機構部150,150が上下に拡開して初期状態となっている。
【0144】
即ち、前面側トレイ支持板122の外側面122fに設けた第1リンクレバー162の第1アーム部162a,162bは、上下の第1レバー151,151の平坦部151aの後端部位に取り付けたL字片163A,163Bに係合し、且つ、上下の第1レバー151,151の翼部151b,151側が支持軸124に嵌入したネジリバネ167によって互いに閉じる方向に付勢されており、且つ、第1リンクレバー162の第2アーム部162c,162dの先端部位が、第2リンクレバー164A,164Bの一端部164a,164aに係合している状態で、左側の第2リンクレバー164Aのうちでシャフト165を介した他端部に固着したローラ166Aがキャリアベース21の上面21eに突出形成したカム片21e4の下部幅広部に当接しているので、左側の第2リンクレバー164Aがシャフト165を中心に図示反時計方向に回動する。これに伴って、左側の第2リンクレバー164Aと係合した第1リンクレバー162がネジリバネ167の付勢力に抗して支持軸124を中心に図示時計方向に回動するので、第1リンクレバー162と係合した上下の第1レバー151,151の翼部151b,151b側が互いに開いた状態となる。更に、上下の第1レバー151,151の翼部151b,151bの先端部位にシャフト159,159を介して回動自在に支持された第2レバー157,157はネジリバネ160,160により互いに閉じ方向に付勢されているものの、第1レバー151,151の翼部151b,151bに取り付けたストッパ154,154によって第2レバー157,157はネジリバネ160,160に抗して開く。従って、第2レバー157,157の先端に互いに対向して固着させた上下のディスクチャッキング部材161,161が互いに離れるので、上下のディスクチャッキング部材161,161はここでの図示を省略した搬送用トレイ4A又は反転用トレイ4B上の両面ディスク3の中心孔3cから退避した状態となる。
【0145】
次に、一対のパンタグラフ部90A,90Bの上方部位に反転可能に支持された両面ディスク反転組立体120がキャリアベース21上で下降位置から上昇位置に上動するにつれて、図21(a),(b)に示した如く、左側の第2リンクレバー164Aの他端部に固着したローラ166Aがキャリアベース21の上面21eに突出形成したカム片21e4の下部幅広部からテーパ状の上部幅狭部に向かって摺動するので、第2リンクレバー164Aがシャフト165を中心に図示時計方向に回動する。これに伴って、左側の第2リンクレバー164Aと係合した第1リンクレバー162がネジリバネ167の付勢力により支持軸124を中心に図示反時計方向に回動するので、第1リンクレバー162と係合した上下の第1レバー151,151の翼部151b,151bが互いに閉じた状態となる。更に、上下の第1レバー151,151の翼部151b,151bの先端部位にシャフト159,159を介して回動自在に支持された第2レバー157,157はネジリバネ160,160の付勢力により互いに閉じ、且つ、第2レバー157,157の先端に固着させた上下のディスクチャッキング部材161,161の先端テーパ状の円筒部161a,161aが両面ディスク3の中心孔3c内に上下から進入して円筒部161a,161aの中央部位に形成した凸部161a1と凹孔部161a2とが嵌合する。そして、両面ディスク3は、上下のディスクチャッキング部材161,161から抜けることなく保持(チャッキング)され、且つ、両面ディスク3は重力により下側のディスクチャッキング部材161のディスク載置部161b上に載置される。この際更に、上下の第1レバー151,151の翼部151b,151bの裏面に植設した位置決めピン151b1,151b1が搬送用トレイ4A又は反転用トレイ4Bに形成した位置決め用丸孔4a2,4a2(図3)に上下から嵌合するので、反転時に搬送用トレイ4A又は反転用トレイ4Bが反転用枠体121に形成したトレイ案内溝(122a,123a),(122b,123b)から抜けるのを防止できる。
【0146】
この後、両面ディスク反転組立体120が更に上動して、左側の第2リンクレバー164Aの他端部に固着したローラ166Aがキャリアベース21の上面21eに突出形成したカム片21e4から離間するものの、両面ディスク反転組立体120が上昇位置に至っても、両面ディスク3は上下のディスクチャッキング部材161,161によって保持されたままとなるので、上昇位置で両面ディスク反転組立体120を反転しても両面ディスク3は上下のディスクチャッキング部材161,161から抜けることなく確実に反転でき、しかも、両面ディスク反転組立体120の反転時に両面ディスク3の中心孔3c内に上下のディスクチャッキング部材161,161の少なくとも一方が進入し、両面ディスク3の径方向への移動が規制されるので、反転時に加わる重力によって両面ディスク3が両トレイ4A,4B間に形成される空間内で踊ったりしないため、両面ディスク3の信号面を傷つけることがなく、反転時の信頼性を向上できる。
【0147】
上記により、ディスクチャッキング機構部150,150は、両面ディスク反転組立体120の上動に連動して反転用枠体121の上下のそれぞれ設けた一対のレバー手段(151,157)を閉じる一方、両面ディスク反転組立体120の下降に連動して一対のレバー手段(151,157)を開じている。
【0148】
<ディスク・ドライブユニット>
図22はディスク・ドライブユニットの構成を示した概略図である。
【0149】
図22に示したディスク・ドライブユニット180は、図1に示した筐体2内の右最下部に配設されているものであるが、両面ディスク3を載置した搬送用トレイ4A及び反転用トレイ4Bは共に左右対称に形成され、且つ、両面ディスク反転・キャリアユニット20も左右対称に形成されているので、ディスク・ドライブユニット180を筐体2内の左側及び/又は右側に配設しても良いものである。
【0150】
上記したディスク・ドライブユニット180では、箱体181内に設けたターンテーブルモータ182と、このターンテーブルモータ182のモータ軸に固着され、両面ディスク3を搭載して回転自在なターンテーブル183と、両面ディスク3の径方向に移動自在に設けられて両面ディスク3のA面又はB面を記録及び/又は再生する光ピックアップ184とが備えられた周知の構造のものであり、ここでは詳述を省略する。
【0151】
また、両面ディスク反転・キャリアユニット20により搬送された所望の両面ディスク3を載置した搬送用トレイ4A又は反転用トレイ4Bが箱体181のディスク出入口181aから挿入され、この所望の両面ディスク3と一体に搬送用トレイ4A又は反転用トレイ4Bが図示しない昇降手段によりターンテーブル183側に移動され、更に、搬送用トレイ4A又は反転用トレイ4Bに載置された両面ディスク3はターンテーブル183上に載置されると共に、搬送用トレイ4A又は反転用トレイ4Bは両面ディスク3より退避して下方に下がる。この後、ターンテーブル183と一体に両面ディスク3を回転させて光ピックアップ184で両面ディスク3のA面又はB面を記録及び/又は再生するもである。尚、使用する両面ディスク3の種類により再生のみ行う場合と、記録再生する場合とがある。
【0152】
以上詳述した本発明に係る両面ディスク反転機構及び両面ディスク反転機構を備えたディスク・オートチェンジャ装置1では、両面ディスク反転・キャリアユニット20をマガジン10と、ディスク・ドライブユニット180との間で上下動可能に構成したが、これに限ることなく、両面ディスク反転機構部180を備えたベースをディスク・ドライブユニット180の前面側に固定する構造形態であっても良い。この場合を従来例と比較すると、図24及び図25で説明したように従来例ではメイフレーム211をキャリッジ216の反転後に上下動させる駆動源214と、キャリッジ216を反転させる駆動源221と別々に必要であったが、本発明の両面ディスク反転機構部では一つの駆動源で両面ディスク反転組立体120を上下動させることができ且つ両面ディスク反転組立体120を反転させることができる。更に、本発明では従来例と異なって、両面ディスク反転組立体120はベース上で反転前の下降位置と反転後の下降位置で同じ高さ位置を保つことができるので、ディスク・ドライブ装置のディスク出入口に常に対応させることができる。
【0153】
【発明の効果】
以上詳述した本発明に係る両面ディスク反転機構及び両面ディスク反転機構を備えたディスク・オートチェンジャ装置によると、とくに、キヤリアベース上の前面側と背面側とに第1リンク部材と第2リンク部材とをX字状にクロスさせた一対のパンタグラフ部をキヤリアベース上の下降位置と上昇位置との間で上下動可能に設け、且つ、一対のパンタグラフ部の一部を構成する一対の水平支持板に両面ディスク反転組立体を反転可能に支持させて、キヤリアベース側に設けた駆動部で一対のパンタグラフ部を上下動させると共に、一対のパンタグラフ部と一体に両面ディスク反転組立体が上昇位置に至った時に上記駆動部で両面ディスク反転組立体を反転させているので、両面ディスク反転組立体側にはモータなどの駆動源がないためワイヤレスとなり、両面ディスク反転組立体を反転させてもワイヤ断線の危険性が一切なく、しかも、両面ディスク反転組立体を軽量に構成できるので両面ディスク反転組立体の反転時の負荷が小さくなる。また、駆動部は、一対のパンタグラフ部を上下動させる機能と、両面ディスク反転組立体を反転させる機能とを一つのモータで兼用しているので、装置の部品コストを軽減できる。また、第1リンク部材と第2リンク部材とをX字状にクロスさせた一対のパンタグラフ部は、組み立て精度を必要とせずにスムースに上下動できる。更に、両面ディスク反転組立体はキヤリアベース上で反転前の下降位置と反転後の下降位置で同じ高さ位置を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る両面ディスク反転機構を適用したディスク・オートチェンジャ装置の全体構成を示した斜視図である。
【図2】図1に示したマガジンを説明するための斜視図であり、(a)はマガジンの外観を示し、(b)はマガジン内から所望の両面ディスクを載置した搬送用トレイを引き出す状態を示した図である。
【図3】(a),(b)は図1に示した搬送用トレイと、反転用トレイとを説明するための平面図,▲1▼−▲2▼断面図である。
【図4】両面ディスク反転・キャリアユニットの全体構成を示し、且つ、キャリアベース上に設けた両面ディスク反転機構部の両面ディスク反転組立体が下降位置に至っている初期状態を示した斜視図である。
【図5】両面ディスク反転・キャリアユニットの全体構成を示し、且つ、キャリアベース上に設けた両面ディスク反転機構部の両面ディスク反転組立体が上昇位置に至っている状態を示した斜視図である。
【図6】両面ディスク反転・キャリアユニットの平面図である。
【図7】両面ディスク反転・キャリアユニットの前面図であり、且つ、キャリアベース上に設けた両面ディスク反転機構部の両面ディスク反転組立体が下降位置に至っている初期状態を示した図である。
【図8】両面ディスク反転・キャリアユニットの前面図であり、且つ、キャリアベース上に設けた両面ディスク反転機構部の両面ディスク反転組立体が上昇位置に至っている状態を示した図である。
【図9】両面ディスク反転・キャリアユニットにおいて、キャリアベース上に設けた両面ディスク反転機構部を取り除いた状態を示した斜視図である。
【図10】図9に示したトレイロック解除機構部及び両面ディスク反転組立体のキャリアベースへのロック機構を説明するために拡大して示した斜視図である。
【図11】(a)〜(c)はトレイロック解除機構部の動作と、下降位置に至った両面ディスク反転組立体をキャリアベースに対してロックする動作とを説明するための図である。
【図12】キャリアベースを取り除いた状態での両面ディスク反転機構部において、両面ディスク反転組立体が下降位置に至っている初期状態を示した斜視図である。
【図13】キャリアベースを取り除いた状態での両面ディスク反転機構部において、両面ディスク反転組立体が上昇位置に至っている状態を示した斜視図である。
【図14】(a),(b)は図12及び図13に示した第1リンク部材,スライドギアをそれぞれ拡大して示した図である。
【図15】図12及び図13に示した両面ディスク反転組立体を説明するための斜視図である。
【図16】一対のパンタグラフ部が縮んで両面ディスク反転組立体がキャリアベース上で下降位置に至っている初期状態を示した図である。
【図17】一対のパンタグラフ部が伸びて両面ディスク反転組立体がキャリアベース上で上昇位置に至っている状態を示した図である。
【図18】両面ディスク反転組立体が上昇位置で反転を開始した状態を示した図である。
【図19】両面ディスク反転組立体が上昇位置で反転を完了した状態を示した図である。
【図20】(a),(b)は一対のディスクチャッキング機構部が初期状態に至っている態様を示した正面図,側面図である。
【図21】(a),(b)は一対のディスクチャッキング機構部がディスクチャッキング状態に至っている態様を示した正面図,側面図である。
【図22】ディスク・ドライブユニットの構成を示した概略図である。
【図23】(a)〜(d)は従来のディスクの面切り替え機構において、ディスクの面切り替えの基本原理を説明するための図である。
【図24】従来のディスクの面切り替え機構を説明するための斜視図である。
【図25】従来のディスクの面切り替え機構において、両面ディスクの反転が完了した状態を示した斜視図である。
【符号の説明】
1…ディスク・オートチェンジャ装置、
3…両面ディスク、3a…A面、3b…B面、3c…中心孔、
4A…第1トレイ(搬送用トレイ)、4B…第2トレイ(反転用トレイ)、
10(10A,10)…マガジン、
20…両面ディスク反転・キャリアユニット、21…キャリアベース、
40…トレイロック解除機構部、41トレイロック解除部材、
43…モータ、50…カムホイールギア、52…ゼネバ体、
54…ロック部材、54b,54c…ロック片、
60…トレイ引出し機構部、
80…両面ディスク反転機構部、
90A,90B…一対のパンタグラフ部、91a…支点ピン、
93A,93B…第1リンク部材、
93b…弓形状内歯部、93c…下方欠歯部、
94A,94B…第2リンク部材、99b…支点ピン、
96A,96B…スライドギア、
96a…弓形状外歯部、96b…弓形状内歯部、
98A,98B…引張バネ、
99A,99B…水平支持板、
100…駆動部、102…両面ディスク反転用モータ、
112A,112B…減速用ギア列の最終段の2段ギア、
120…両面ディスク反転組立体、
121…反転用枠体、122…前面側トレイ支持板、
122e3…両面ディスク反転組立体用ロック片、
123…背面側トレイ支持板
124…支持軸、125…支持軸、
126…一方向クラッチ、127…反転用ギア、130…2段ギア、
150…ディスクチャッキング機構部、
151…第1レバー、157…第2レバー、
161…ディスクチャッキング部材、
180…ディスク・ドライブユニット。
Claims (4)
- 両面ディスクを載置した搬送用の第1トレイ及びこの第1トレイと同一形状に形成されて該第1トレイ上の該両面ディスクと対向した反転用の第2トレイを下段及び上段にそれぞれ装着した反転用枠体を反転させることで、前記両面ディスクを両トレイと一体に反転させる両面ディスク反転機構において、
第1,第2リンク部材をX字状にクロスさせてベース上に間隔を離して互いに対向して一対設けると共に、該第1,第2リンク部材の下方部位を前記ベース側に支持させ、且つ、該第1,第2リンク部材の上方部位を水平支持板に連結して、前記ベース上の下降位置と上昇位置との間を上下動可能に構成した一対のパンタグラフ部と、
前記一対のパンタグラフ部間で前記一対の水平支持板に一対の支持軸を介して前記反転用枠体を反転可能に支持した両面ディスク反転組立体と、
前記ベース側に設けられて前記一対のパンタグラフ部を上下動させると共に、該一対のパンタグラフ部と一体に前記両面ディスク反転組立体が上昇位置に至った時に該両面ディスク反転組立体を反転させる駆動部とを具備したことを特徴とする両面ディスク反転機構。 - 請求項1記載の両面ディスク反転機構において、
前記第1リンク部材は、下方部位を前記ベースの一方側の回動支点を介して回動可能に支持させ、且つ、上方部位を前記水平支持板の他方側に略水平方向に摺動可能に支持させると共に、中間部位から前記回動支点を中心とした弓形状内歯部とこの下方に下方欠歯部とを形成し、
前記第2リンク部材は、下方部位を前記ベースの他方側に略水平方向に摺動可能に支持させ、且つ、上方部位を前記水平支持板の一方側に回動可能に支持させ、
前記両面ディスク反転組立体は、前記一対の水平支持板に支持した前記一対の支持軸のうち少なくとも一方の支持軸側に一方向クラッチと協働するギアを設け、
前記駆動部は、前記第1リンク部材の弓形状内歯部よりも円弧長さを長くした弓形状内歯部とこの外側に弓形状外歯部とを形成したスライドギアを、前記第1リンク部材と前記スライドギアとの間に掛けわたした引張バネにより両弓形状内歯部を位相を合わせて該第1リンク部材の弓形状内歯部及び下方欠歯部上にスライド可能に設けて、初期時に前記両弓形状内歯部にモータの回転を減速した減速用ギア列の最終段ギアを噛合させてなり、
前記一対のパンタグラフ部を下降位置から上昇位置まで上動させる時には、前記両弓形状内歯部に噛合した前記最終段ギアを前記第1リンク部材の下方欠歯部に至るまで回転して該第1リンク部材を停止させ、前記一対のパンタグラフ部が上昇位置に至った後に前記スライドギアの弓形状内歯部のみが前記最終段ギアに噛合して該スライドギアを停止中の前記第1リンク部材上を上動させることで、該スライドギアの弓形状外歯部を前記両面ディスク反転組立体側で前記一方向クラッチと協働する前記ギア側に噛合させて該両面ディスク反転組立体を反転させることを特徴とする両面ディスク反転機構。 - 両面ディスクを載置した搬送用の第1トレイ及びこの第1トレイと同一形状に形成されて該第1トレイ上の該両面ディスクと対向した反転用の第2トレイを下段及び上段にそれぞれ装着した反転用枠体を反転させることで、前記両面ディスクを両トレイと一体に反転させる両面ディスク反転機構を備えたディスク・オートチェンジャ装置であって、
前記両面ディスクを載置した前記第1トレイを多数組略水平に積層して収納したマガジンと、
前記両面ディスクを記録及び/又は再生するディスク・ドライブユニットと、
前記マガジンと前記ディスク・ドライブユニットとの間を上下動自在に設けられたキャリアベースと、前記キャリアベース上で前記第1,第2トレイの長手方向に移動自在に設けたトレイ引き出し機構部と、第1,第2リンク部材をX字状にクロスさせて前記キャリアベース上に間隔を離して互いに対向して一対設けると共に、該第1,第2リンク部材の下方部位を前記キャリアベース側に支持させ、且つ、該第1,第2リンク部材の上方部位を水平支持板に連結して、前記ベース上の下降位置と上昇位置との間を上下動可能に構成した一対のパンタグラフ部と、前記一対のパンタグラフ部間で前記一対の水平支持板に一対の支持軸を介して前記反転用枠体を反転可能に支持した両面ディスク反転組立体と、前記キャリアベース側に設けられて前記一対のパンタグラフ部を上下動させると共に、該一対のパンタグラフ部と一体に前記両面ディスク反転組立体が上昇位置に至った時に該両面ディスク反転組立体を反転させる駆動部とを有する両面ディスク反転・キャリアユニットとから構成したことを特徴とする両面ディスク反転機構を備えたディスク・オートチェンジャ装置。 - 請求項3記載の両面ディスク反転機構を備えたディスク・オートチェンジャ装置において、
前記第1リンク部材は、下方部位を前記キャリアベースの一方側の回動支点を介して回動可能に支持させ、且つ、上方部位を前記水平支持板の他方側に略水平方向に摺動可能に支持させると共に、中間部位から前記回動支点を中心とした弓形状内歯部とこの下方に下方欠歯部とを形成し、
前記第2リンク部材は、下方部位を前記キャリアベースの他方側に略水平方向に摺動可能に支持させ、且つ、上方部位を前記水平支持板の一方側に回動可能に支持させ、
前記両面ディスク反転組立体は、前記一対の水平支持板に支持した前記一対の支持軸のうち少なくとも一方の支持軸側に一方向クラッチと協働するギアを設け、
前記駆動部は、前記第1リンク部材の弓形状内歯部よりも円弧長さを長くした弓形状内歯部とこの外側に弓形状外歯部とを形成したスライドギアを、前記第1リンク部材と前記スライドギアとの間に掛けわたした引張バネにより両弓形状内歯部を位相を合わせて該第1リンク部材の弓形状内歯部及び下方欠歯部上にスライド可能に設けて、初期時に前記両弓形状内歯部にモータの回転を減速した減速用ギア列の最終段ギアを噛合させてなり、
前記一対のパンタグラフ部を下降位置から上昇位置まで上動させる時には、前記両弓形状内歯部に噛合した前記最終段ギアを前記第1リンク部材の下方欠歯部に至るまで回転して該第1リンク部材を停止させ、前記一対のパンタグラフ部が上昇位置に至った後に前記スライドギアの弓形状内歯部のみが前記最終段ギアに噛合して該スライドギアを停止中の前記第1リンク部材上を上動させることで、該スライドギアの弓形状外歯部を前記両面ディスク反転組立体側で前記一方向クラッチと協働する前記ギア側に噛合させて該両面ディスク反転組立体を反転させることを特徴とする両面ディスク反転機構を備えたディスク・オートチェンジャ装置。
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