JP3668403B2 - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、充分な電気的絶縁性と電磁波遮蔽機能とを備えた半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いて得られる半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体素子をトランスファー成形により樹脂モールドしてなる樹脂封止型の半導体装置は、信頼性、量産性および低価格等の点において優れていることからセラミック封止型半導体装置とともに広く用いられている。
【0003】
一般に、電気機器では電磁環境両立性(EMC:Electromagnetic Compatibility )の問題が顕在化しており、不要電磁波の放出と耐性の両面からの対策がなされている。特に、近年、情報通信機器は小型高機能化が進み、高性能化のために半導体素子の動作周波数が一段と上昇する傾向にある。特にデジタル信号の高速化では消費電力の低減のために信号の振幅値が低下しており、微弱な高周波ノイズでも誤動作する危険性が高まっている。しかし、従来の対策の一つである半導体パッケージを金属キャップで覆ったりすることは、余分な実装空間を必要とする等の理由により電子部品の密度実装が充分上がらず他の解決方法が検討されている。現在では、このような背景によって高密度実装に適した電磁波遮蔽技術が求められており、エポキシ樹脂組成物自体が電磁波遮蔽機能を有すれば電子部品の高密度実装化が図られることとなり、上記のような点を中心にさらなる検討がなされている。しかしながら、従来のシリカ粉末を主体とする無機質充填剤を混合分散したエポキシ樹脂組成物からなる硬化体では電磁波遮蔽機能を全く有していなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そして、上記のような観点から、例えば、半導体素子の封止樹脂自体に電磁波遮蔽機能を持たせる技術として、特開平5−129476号公報に記載のように、電磁波遮蔽のための電波吸収材を配合した封止材料により半導体パッケージの外側を封止した封止層と従来の絶縁性封止樹脂でその内側部分を樹脂封止した2層構造の樹脂封止型半導体装置が提案されている。しかしながら、このような2層構造の樹脂封止型半導体装置を得るには、成形金型を2個使用しなければならない等の点から生産性や経済性に問題がある。また、上記同公報には、リードフレームのピン間やプリント基板の配線間のリーク防止策として、封止材料の融点以上の樹脂やゴム等で表面コーティングした電波吸収体粒子を配合した封止材料を用いて樹脂封止する、すなわち、一層構造で電磁波遮蔽機能を持たせることも併せて提案している。しかしながら、上記樹脂やゴム等の有機材料によるコーティングはその硬度が低いために封止材料の溶融混練工程における高い機械的シェアー(剪断力)のもとでは、上記有機材料が剥がれてしまい充分な電気的絶縁性を維持することはできないという問題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであって、電気的絶縁性に優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた、電磁波遮蔽機能を有する半導体装置の提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、下記の(A)〜(D)成分を含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物を第1の要旨とする。
(A)エポキシ樹脂。
(B)フェノール樹脂。
(C)硬化促進剤。
(D)下記の(d1)および(d2)の少なくとも一方。
(d1)表面がシリカ微粉末またはアルミナ微粉末で処理された導電性粒子。
(d2)表面がシリカ微粉末またはアルミナ微粉末で処理された磁性粒子。
【0007】
また、本発明は、上記半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなる半導体装置を第2の要旨とする。
【0008】
すなわち、本発明者は、電磁波遮蔽機能に優れた樹脂封止型の半導体装置を得るために、その樹脂封止に用いられるエポキシ樹脂組成物を中心に一連の研究を重ねた。その結果、導電性粒子や磁性粒子の表面をシリカ微粉末またはアルミナ微粉末で処理してなる構造の粒子を用いると、例えば、先に述べたような2層構造の樹脂封止型半導体装置のような特殊なパッケージ構造をとることなく電磁波遮蔽機能と電気的絶縁性の双方に優れた封止材料となるエポキシ樹脂組成物が得られることを見出し本発明に到達した。
【0009】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態について詳しく説明する。
【0010】
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A成分)と、フェノール樹脂(B成分)と、硬化促進剤(C成分)と、特殊な複合無機粒子(D成分)とを用いて得られるものであり、通常、粉末状あるいはこれを打錠したタブレット状になっている。または、このエポキシ樹脂組成物を溶融混練した後、略円柱状の顆粒体に成形した顆粒状になっている。
【0011】
上記エポキシ樹脂(A成分)としては、常温(25℃)で固形を示すものであれば特に限定するものではなく従来公知のもの、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等があげられる。
【0012】
上記A成分とともに用いられるフェノール樹脂(B成分)は、上記エポキシ樹脂(A成分)の硬化剤としての作用を奏するものであり、常温(25℃)で固形を示すものであれば特に限定するものではなく従来公知のもの、例えば、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールA型ノボラック、ナフトールノボラックおよびフェノールアラルキル樹脂等があげられる。
【0013】
上記エポキシ樹脂(A成分)とフェノール樹脂(B成分)との配合割合は、エポキシ樹脂中のエポキシ基1当量に対してフェノール樹脂中の水酸基当量を0.5〜1.6の範囲に設定することが好ましい。より好ましくは0.8〜1.2の範囲に設定することである。
【0014】
上記A成分およびB成分とともに用いられる硬化促進剤(C成分)としては、特に限定するものではなく従来公知のもの、例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエチレンジアミン等の3級アミン類、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等のリン系硬化促進剤等があげられる。
【0015】
上記硬化促進剤(C成分)の含有量は、通常、上記フェノール樹脂(B成分)100重量部(以下「部」と略す)に対して0.5〜10部の範囲に設定される。
【0016】
上記A〜C成分とともに用いられる特殊な複合無機粒子(D成分)は、表面が特定の絶縁性無機材料で処理された導電性粒子(d1)および表面が特定の絶縁性無機材料で処理された磁性粒子(d2)の少なくとも一方からなるものである。
【0017】
上記絶縁性無機材料による処理対象となる導電性粒子,磁性粒子としては、銅、鉄、ニッケル、金、銀、アルミニウム、亜鉛、ステンレス、ヘマタイト(Fe2 O3 )、マグネタイト(Fe3 O4 )、さらに一般式:n(MO)・Fe2 O3 〔式中、Mは2価の金属原子であり、nは正数である。また、MOの繰り返し時においてMは同種であってもよく異種であってもよい。〕で表される各種フェライト、ケイ素鋼粉、パーマロイ、Co基アモルファス合金等どのような各種金属粉やその合金粉、磁性粉が用いられる。上記一般式中のMで表される2価の金属原子としては、例えば、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Ba、Mg等があげられる。これら粒子は単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0018】
上記導電性粒子,磁性粒子としては、最大粒子径が200μm以下で、平均粒子径が0.5〜50μmの範囲のものを用いることが好ましく、特に好ましくは平均粒子径が2〜30μmの範囲である。上記最大粒子径および平均粒子径は、例えば、レーザー回析散乱式粒度分布測定装置を用いて測定することができる。
【0019】
上記導電性粒子,磁性粒子の表面の処理に用いられる特定の絶縁性無機材料としては、電気絶縁性を有する、シリカ微粉末やアルミナ微粉末があげられる。特にシリカ微粉末が好ましく用いられ、なかでも球状シリカ微粉末、摩砕処理シリカ微粉末、破砕状シリカ微粉末等が好ましい。そして、粒子径が微細であるという観点から、一次粒子の平均粒子径が1〜1000nmのシリカ微粉末が好適に用いられ、特に一次粒子の平均粒子径が10〜500nmのシリカ微粉末が好適である。
【0020】
上記表面が特定の絶縁性無機材料で処理された導電性粒子(d1),表面が特定の絶縁性無機材料で処理された磁性粒子(d2)である特殊な複合無機粒子(D成分)は、例えば、つぎのようにして製造される。すなわち、まず導電性粒子および磁性粒子の少なくとも一方とシリカ微粉末またはアルミナ微粉末を高速回転するローター、ステーターおよび循環回路を有する表面処理装置に投入し、圧縮,摩擦,剪断等の機械的衝撃力を利用した機械的作用を繰り返して受ける処理法による複合化粒子表面処理法等の従来公知の複合化方法を用いて上記特殊な複合無機粒子(D成分)が製造される。このような処理により、上記導電性粒子,磁性粒子の表面にシリカ微粉末またはアルミナ微粉末がまぶされて、いわばシリカ微粉末またはアルミナ微粉末によって被覆された状態となる。
【0021】
上記特殊な複合無機粒子(D成分)の含有量は、エポキシ樹脂組成物全体中の10〜90重量%の範囲に設定することが好ましい。より好ましくは20〜85重量%であり、特に好ましくは40〜80重量%である。すなわち、特殊な複合無機粒子(D成分)の含有量が10重量%を下回り少な過ぎると、エポキシ樹脂組成物硬化体(封止樹脂)自身の電磁波遮蔽効果が不充分で所望の効果を得ることが困難となり、90重量%を超え多過ぎると、低圧トランスファー成形時の溶融粘度が高くなり過ぎて流動性等が低下する傾向がみられるからである。
【0022】
また、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物には、通常、上記A〜D成分とともに無機質充填剤を用いてもよい。この無機質充填剤としては、特に限定するものではなく従来公知の各種無機質充填剤があげられ、例えば、溶融シリカ粉末や結晶性シリカ粉末等のシリカ粉末、炭酸カルシウム粉末、チタン白、アルミナ粉末、窒化ケイ素粉末等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、得られるエポキシ樹脂組成物硬化体の線膨張係数を低減できるという点から、上記シリカ粉末を用いることが好ましく、さらには上記シリカ粉末のなかでも球状シリカ粉末、摩砕処理シリカ粉末、破砕状シリカ粉末が好ましく用いられ、特に球状溶融シリカ粉末を用いることが好ましい。そして、上記無機質充填剤としては、最大粒子径が100μm以下のものを用いることが好ましく、通常、下限値は0.1μm程度である。さらに、上記最大粒子径とともに、平均粒子径が1〜20μmの範囲のものを用いることが好ましい。なお、上記最大粒子径および平均粒子径は、先の特殊な複合無機粒子(D成分)の場合と同様、例えば、レーザー回析散乱式粒度分布測定装置を用いて測定することができる。
【0023】
上記無機質充填剤の含有量は、エポキシ樹脂組成物全体中の50重量%以下に設定することが好ましい。より好ましくは30重量%以下である。すなわち、無機質充填剤の含有量が50重量%を超えて多くなると、エポキシ樹脂組成物の溶融粘度が高くなることから、充填性が悪化する傾向がみられるからである。
【0024】
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物には、上記A〜D成分および無機質充填剤以外に必要に応じて他の添加剤を適宜配合してもよい。
【0025】
上記添加剤としては、低応力化剤、顔料、離型剤、カップリング剤および難燃剤等があげられる。
【0026】
上記低応力化剤としては、側鎖エチレングリコールタイプジメチルシロキサン等のシリコーン化合物、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等があげられる。
【0027】
上記顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン等があげれらる。また、上記離型剤としては、ポリエチレンワックス、カルナバワックス、脂肪酸塩等があげられる。
【0028】
上記カップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤等があげられる。
【0029】
また、上記難燃剤としては、ブロム化エポキシ樹脂等があげられ、これに三酸化アンチモン等の難燃助剤が用いられる。
【0030】
さらに、上記難燃剤以外に、下記の一般式(1)で表される多面体形状の複合化金属水酸化物を用いることができる。この複合化金属水酸化物は、結晶形状が多面体形状を有するものであり、従来の六角板形状を有するもの、あるいは、鱗片状等のように、いわゆる厚みの薄い平板形状の結晶形状を有するものではなく、縦、横とともに厚み方向(c軸方向)への結晶成長が大きい、例えば、板状結晶のものが厚み方向(c軸方向)に結晶成長してより立体的かつ球状に近似させた粒状の結晶形状、例えば、略12面体、略8面体、略4面体等の形状を有する複合化金属水酸化物をいう。
【0031】
【化1】
【0032】
上記一般式(1)で表される複合化金属水酸化物に関して、式(1)中の金属元素を示すMとしては、Al,Mg,Ca,Ni,Co,Sn,Zn,Cu,Fe,Ti,B等があげられる。
【0033】
また、上記一般式(1)で表される複合化金属水酸化物中のもう一つの金属元素を示すQとしては、例えば、Fe,Co,Ni,Pd,Cu,Zn等があげられ、単独でもしくは2種以上併せて選択される。
【0034】
このような結晶形状が多面体形状を有する複合化金属水酸化物は、例えば、複合化金属水酸化物の製造工程における各種条件等を制御することにより、縦,横とともに厚み方向(c軸方向)への結晶成長が大きい、所望の多面体形状、例えば、略12面体、略8面体、略4面体等の形状を有する複合化金属水酸化物を得ることができ、通常、これらの混合物からなる。
【0035】
上記多面体形状を有する複合化金属水酸化物の具体的な代表例としては、酸化マグネシウム・酸化ニッケルの水和物、酸化マグネシウム・酸化亜鉛の水和物、酸化マグネシウム・酸化銅の水和物等があげられる。
【0036】
また、上記多面体形状を有する複合化金属水酸化物のアスペクト比は、通常1〜8、好ましくは1〜7、特に好ましくは1〜4である。ここでいうアスペクト比とは、複合化金属水酸化物の長径と短径との比で表したものである。すなわち、アスペクト比が8を超えると、この複合化金属水酸化物を含有するエポキシ樹脂組成物が溶融したときの粘度低下に対する効果が乏しくなる。
【0037】
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、例えば、つぎのようにして製造することができる。すなわち、エポキシ樹脂(A成分)、フェノール樹脂(B成分)、硬化促進剤(C成分)および特殊な複合無機粒子(D成分)、さらに必要に応じて無機質充填剤、低応力化剤、顔料、離型剤、カップリング剤および難燃剤等の他の添加剤を所定量配合し、熱ロールやエクストルーダー、ニーダー等を用い充分に溶融分散により混合した後、冷却して粉砕し、場合によりタブレット状に圧縮成形するという一連の工程により目的とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物を製造することができる。
【0038】
このようにして得られる半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いての半導体素子の封止方法としては、特に限定するものではなく、通常の低圧トランスファー成形等の公知の成形方法があげられる。
【0039】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0040】
【実施例1】
平均粒子径3μmのMn−Zn系ソフトフェライト(式:Mn0.55Zn0.40Fe2.05O4 ・Fe2 O3 )と一次粒子径が約12nmの球状シリカ微粉末を準備した。そして、上記Mn−Zn系ソフトフェライト100部に対して上記球状シリカ微粉末が10部となるよう用い、高速回転するローター、ステーターおよび循環回路を有する表面処理装置へ投入し、回転速度4800rpmで3分間運転した後、この装置から排出して本発明で用いる、Mn−Zn系ソフトフェライト表面を上記球状シリカ微粉末で絶縁被覆してなる複合無機粒子を作製した。
【0041】
つぎに、上記複合無機粒子419部と、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量195、軟化点75℃)100部と、フェノールノボラック樹脂硬化剤(水酸基当量106、軟化点82℃)60部と、トリフェニルホスフィン1部と、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量280)20部と、三酸化アンチモン15部と、カーボンブラック2部と、シランカップリング剤(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)1部と、ポリエチレンワックス2部を同時に配合し、95〜100℃に加熱した熱ロールで3分間溶融混練して、冷却した後10メッシュパスの粉末状エポキシ樹脂組成物を得た。
【0042】
【実施例2】
Mn−Zn系ソフトフェライトに代えて平均粒子径20μmの鱗片状ニッケル粉末を用いた。それ以外は実施例1と同様にして目的とする10メッシュパスの粉末状エポキシ樹脂組成物を得た。
【0043】
【実施例3】
複合無機粒子の配合量を62部に代え、同時に平均粒径35μmの溶融シリカ粉末を357部用いた。それ以外は実施例1と同様にして目的とする10メッシュパスの粉末状エポキシ樹脂組成物を得た。
【0044】
【実施例4】
複合無機粒子の配合量を1809部に代えた。それ以外は実施例1と同様にして目的とする10メッシュパスの粉末状エポキシ樹脂組成物を得た。
【0045】
【実施例5】
一次粒子径が約12nmの球状シリカ微粉末に代えて一次粒子径が約500nmの球状シリカ微粉末を用いた。それ以外は実施例1と同様にして目的とする10メッシュパスの粉末状エポキシ樹脂組成物を得た。
【0046】
【実施例6】
一次粒子径が約12nmの球状シリカ微粉末に代えて一次粒子径が約5nmの球状シリカ微粉末を用いた。それ以外は実施例2と同様にして目的とする10メッシュパスの粉末状エポキシ樹脂組成物を得た。
【0047】
【比較例1】
Mn−Zn系ソフトフェライトに代えて平均粒子径35μmの球状溶融シリカ粉末を用いた。それ以外は実施例1と同様にして目的とする10メッシュパスの粉末状エポキシ樹脂組成物を得た。
【0048】
【比較例2】
平均粒子径20μmの鱗片状ニッケル粉末をそのまま表面処理することなく用いた。それ以外は実施例1と同様にして目的とする10メッシュパスの粉末状エポキシ樹脂組成物を得た。
【0049】
【比較例3】
Mn−Zn系ソフトフェライトをそのまま表面処理することなく用いた。それ以外は実施例1と同様にして目的とする10メッシュパスの粉末状エポキシ樹脂組成物を得た。
【0050】
〔電磁波遮蔽特性〕
上記のようにして得られた各粉末状エポキシ樹脂組成物を用いて、直径38mmのタブレット状に打錠成形し、その後成形圧力6.86MPa、金型温度175℃、成形時間2分間の条件で成形した後、後硬化を175℃で5時間実施することにより、厚さ2mmの80mm×80mmの板状成形物を作製した。得られた板状成形物を送信用アンテナと受信用アンテナとの間の試料ホルダーに固定して、測定周波数1000MHzまでの範囲で、スペクトルアナライザーで電磁波遮蔽性を測定した(一般にTR−17031法と呼ばれている)。そして、500MHzでのシールド性(電磁波遮蔽特性)を電界成分と磁界成分とでそれぞれ評価した。その結果を下記の表1〜3に示す。
【0051】
〔体積抵抗率〕
各粉末状エポキシ樹脂組成物を用いて上記電磁波遮蔽特性の測定と同様にして、厚さ3mm×直径50mmの円盤状硬化体を作製した。そして、銀ペーストを用いて主電極の直径30mm、ガード電極の直径32mm、対抗電極の直径45mmの銀電極を作製した後、直流500Vを印加して体積抵抗率を測定した(JIS K 6911に準じる)。その結果を下記の表1〜3に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
上記表1〜表3の結果から、複合無機粒子を含有した実施例品は電磁波遮蔽特性の値は比較例品のものと比べた場合その改善効果は明らかである。さらに、実施例品の体積抵抗率も高く充分な電気的絶縁性を有していることがわかる。これに対して比較例1品は体積抵抗率は高かったが、電磁波遮蔽特性に劣っており、また比較例2および3品は高い電磁波遮蔽特性を示したが、体積抵抗率が低く電気的絶縁性に著しく劣っていることがわかる。
【0056】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、表面がシリカ微粉末またはアルミナ微粉末で処理された導電性粒子(d1)および表面がシリカ微粉末またはアルミナ微粉末で処理された磁性粒子(d2)の少なくとも一方(D成分)を含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物である。このため、例えば、先に述べたような2層構造の樹脂封止型半導体装置のような特殊なパッケージ構造をとることなく電磁波遮蔽特性と電気的絶縁性の双方に優れた封止材料となる。したがって、このようなエポキシ樹脂組成物によって樹脂封止された半導体装置は、電磁環境両立性(EMC:Electromagnetic Compatibility )に優れたものである。
Claims (2)
- 下記の(A)〜(D)成分を含有することを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
(A)エポキシ樹脂。
(B)フェノール樹脂。
(C)硬化促進剤。
(D)下記の(d1)および(d2)の少なくとも一方。
(d1)表面がシリカ微粉末またはアルミナ微粉末で処理された導電性粒子。
(d2)表面がシリカ微粉末またはアルミナ微粉末で処理された磁性粒子。 - 請求項1記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなる半導体装置。
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