JP3668326B2 - 周波数抽出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、タッチ信号プローブの出力信号処理等に用いて好適な正弦波状信号の周波数変化を検出するための周波数抽出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、被測定物の形状や寸法の測定を行う測定機として、ハイトゲージ、三次元測定機、輪郭測定機等が知られている。これらのうち接触式の測定機では、被測定物との接触を検出するタッチ信号プローブが用いられる。タッチ信号プローブの接触検出機構には種々のものが提案されているが、そのひとつに、長いスタイラスを用いて高速応答性を発揮できるものとして、圧電素子を用いてスタイラスに振動を与える方式がある。
【0003】
図5は、その様なタッチ信号プローブの構成を示している(例えば、特開平6−221806号公報参照)。スタイラス71は、先端に球状の接触子73が、後端にバランサ74がそれぞれ設けられて、スタイラスホルダ72により軸方向の略中央部が保持されている。スタイラス71の略中央部にはスタイラス71に振動を与える圧電素子75が取り付けられ、この圧電素子75の加振電極75aに駆動回路78から駆動信号が与えられ、検出電極75bに得られる機械−電気変換出力信号が検出回路76により検出され、その検出出力を処理してスタイラス71の接触を検出する信号処理回路77が設けられる。検出回路76の出力は駆動回路78に正帰還され、この帰還制御により圧電素子85は所定の共振周波数で共振状態で励振されるようになっている。
【0004】
従って、圧電素子75の検出電極75aに得られる検出信号は、正弦波状信号であって、接触子73が被測定物に接触することによりその検出信号の振幅や周波数が変化する。その信号変化の一例を図6に示す。信号処理回路77では例えば検出回路76に得られる出力信号の周波数変化を検出することにより接触を検出する。図6のような正弦波状信号の周波数変化を振幅変化に関係なく検出する信号処理回路77としては、よく知られた周波数変調波の復調回路、即ちFM復調回路が用いられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、通常のFM復調回路は、振幅変化に無関係に周波数変化を検出するためには、自動利得調整(AGC)回路を必要とし、タッチプローブの接触に伴う急峻な周波数変化を高速に検出することが難しいという問題があった。即ち図6に示すような正弦波状信号での振幅変化を伴う周波数変化を検出する場合、AGC回路での時間遅れが原因となって、その周波数変化を正確に抽出することができず、高速応答性が得られなくなる。
【0006】
この発明は、上記事情を考慮してなされたもので、特にタッチ信号プローブの信号処理回路として有用な高速応答性に優れた周波数抽出装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る周波数抽出装置は、入力正弦波状信号の位相を補正して、前記入力正弦波状信号の基本周波数において互いに90°位相が異り、基本周波数からのズレにより互いに逆方向に位相ズレを生じる第1及び第2の正弦波状信号を生成する位相補正手段と、この位相補正手段から得られる前記第1及び第2の正弦波状信号をそれぞれ2乗して第1及び第2の2乗正弦波信号を生成する第1及び第2の2乗正弦波信号生成手段と、これらの2乗正弦波信号生成手段から得られる前記第1及び第2の2乗正弦波信号を加算する加算手段と、この加算手段の出力信号から交流成分を除去して第1の中間直流出力を得る第1の平滑フィルタ手段と、前記位相補正手段から得られる前記第1及び第2の正弦波状信号を乗算する乗算手段と、この乗算手段の出力信号から交流成分を除去して第2の中間直流出力を得る第2の平滑フィルタ手段と、この第2の平滑フィルタ手段からの第2の中間直流出力を前記第1の平滑フィルタ手段からの第1の中間直流出力により除して、前記入力正弦波状信号の周波数変化に対応する最終直流出力を得る除算手段とを備えたことを特徴としている。
【0008】
この発明はまた、圧電素子により駆動されるタッチ信号プローブの正弦波状の検出出力信号の周波数変化を位相変化に変換して抽出する周波数抽出装置であって、前記検出出力信号の位相を補正して、前記検出出力信号の基本周波数において互いに90°位相が異り、基本周波数からのズレにより互いに逆方向に位相ズレを生じる第1及び第2の正弦波状信号を生成する位相補正手段と、この位相補正手段から得られる前記第1及び第2の正弦波状信号をそれぞれ2乗して第1及び第2の2乗正弦波信号を生成する第1及び第2の2乗正弦波信号生成手段と、これらの2乗正弦波信号生成手段から得られる前記第1及び第2の2乗正弦波信号を加算する加算手段と、この加算手段の出力信号から交流成分を除去して第1の中間直流出力を得る第1の平滑フィルタ手段と、前記位相補正手段から得られる前記第1及び第2の正弦波状信号を乗算する乗算手段と、この乗算手段の出力信号から交流成分を除去して第2の中間直流出力を得る第2の平滑フィルタ手段と、この第2の平滑フィルタ手段からの第2の中間直流出力を前記第1の平滑フィルタ手段からの第1の中間直流出力により除して、前記正弦波状の検出出力信号の周波数変化に対応する最終直流出力を得る除算手段とを備えたことを特徴としている。
【0009】
この発明において好ましくは、前記位相補正手段は、第1の演算増幅器を用いて構成され入力抵抗に直列に第1のコンデンサが挿入されて、A・sin ωtなる入力信号に対して、A・sin (ωt+α1)なる出力信号を生成する第1の増幅回路と、第2の演算増幅回路を用いて構成され帰還抵抗に並列に第2のコンデンサが接続されて、A・sin ωtなる入力信号に対して、A・cos (ωt+α2)なる出力信号を生成する第2の増幅回路とから構成される。
【0010】
この発明において好ましくは、前記除算手段は、前記第1の平滑フィルタ手段の出力と前記最終直流出力とを乗算する乗算手段と、この乗算手段の出力と前記第2の平滑フィルタ手段の出力の差をとる差動増幅手段とから構成される。
【0011】
この発明においては、入力正弦波状信号の位相を補正して、その基本周波数において互いに90°位相が異り、基本周波数からのズレにより互いに逆方向に位相ズレを生じる第1及び第2の正弦波状信号を生成し、これらの正弦波状信号をそれぞれ2乗して第1及び第2の2乗正弦波信号を生成し、これら第1及び第2の2乗正弦波信号を加算し、その加算出力から交流成分を除去する、という演算処理により、入力正弦波状信号の振幅成分に対応する第1の中間直流出力が得られる。
一方、前記第1及び第2の正弦波状信号を乗算し、その乗算出力から交流成分を除去することにより、入力正弦波信号の基本周波数が変化したときのその周波数変化に対応する第1及び第2の正弦波状信号での振幅及び位相変化の差に対応する第2の中間直流出力が得られる。そして、第1の中間直流出力により第2の中間直流出力を除することにより、入力正弦波状信号の周波数変化に対応する位相変化量のみを示す最終直流出力を得ることができる。
【0012】
従って、入力正弦波状信号が例えば、圧電振動子により駆動されて得られる,振幅及び周波数に検出情報を含むタッチ信号プローブの正弦波状の検出出力信号である場合にも、振幅及び周波数が変化する過渡状態での周波数変化を、振幅変化に影響されることなく検出することが可能である。特に、この発明の周波数抽出装置をタッチ信号プローブの信号処理回路に適用すれば、AGC回路を用いないから、高速の信号処理が可能となる。
【0013】
特にこの発明において、位相補正手段を、第1の演算増幅器を用いて構成され入力抵抗に直列に第1のコンデンサが挿入された第1の増幅回路と、第2の演算増幅回路を用いて構成され帰還抵抗に並列に第2のコンデンサが接続された第2の増幅回路とから構成すれば、入力正弦波状信号の基本周波数において互いに90°位相が異り、周波数が基本周波数からずれるに従って互いに逆方向に微小な位相ズレを生じる第1及び第2の正弦波状信号を得ることができる。即ち、第1及び第2の正弦波状信号は、入力正弦波状信号の周波数変化を位相変化に変換した信号となり、これらの信号を用いた演算によって、振幅変化の影響を受けることなく、周波数変化を抽出することが可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施例を説明する。
図1は、この発明の一実施例に係る正弦波状信号の周波数抽出装置のブロック構成である。入力正弦波状信号Sは、例えば図5に示したタッチ信号プローブの検出出力信号であり、このときこの周波数抽出装置は図5の信号処理回路77に含まれる。
【0015】
この周波数抽出装置は、入力正弦波状信号Sの位相を補正して、互いに90°位相が異なる第1及び第2の正弦波状信号S1及びS2を生成する位相補正回路1と、この位相補正回路1から得られる第1及び第2の正弦波状信号S1及びS2をそれぞれ2乗して第1及び第2の2乗正弦波信号S12及びS22を生成する第1及び第2の2乗正弦波信号生成回路2a及び2bと、これらの2乗正弦波信号生成回路2a及び2bから得られる第1及び第2の2乗正弦波信号S12及びS22を加算した出力S3を得る加算回路3と、この加算回路3の出力S3から交流成分を除去して第1の中間直流出力S4を得る第1の平滑フィルタ4とを有する。
【0016】
位相補正回路1の具体例は後述するが、ここで得られる第1及び第2の正弦波状信号S1及びS2は、入力正弦波状信号Sの基本周波数において互いに90°位相が異り、且つ基本周波数からのズレにより互いに逆方向に微小な位相ズレを生じるものとする。即ちこの位相補正回路1では、入力正弦波状信号の検出すべき周波数変化が位相変化に変換される。
【0017】
またこの周波数抽出装置は、位相補正回路1の出力である第1及び第2の正弦波状信号S1,S2を乗算する乗算回路5と、この乗算回路5の出力S6から交流成分を除去して第2の中間直流出力S7を得る第2の平滑フィルタ6を有し、更にこの第2の平滑フィルタ6からの第2の中間直流出力S7を第1の平滑フィルタ4からの第1の中間直流出力S4により除して、入力正弦波状信号の周波数変化に対応する最終直流出力S5を得る除算回路7を有する。
除算回路7は、最終直流出力S5と第1の平滑フィルタ4からの第1の中間直流出力S4とを乗算する乗算回路7aと、この乗算回路7aの出力S8と第2の平滑フィルタ6からの第2の中間直流出力S7との差をとる高利得の差動増幅回路7bにより構成されている。
【0018】
位相補正回路1の具体例を図2に示す。この位相補正回路1は、第1の演算増幅器OP1を用いて構成された第1の増幅回路11と、第2の演算増幅器OP2を用いて構成された第2の増幅回路12とから構成されている。第1の増幅回路11では入力抵抗R11に直列に第1のコンデンサC1が挿入され、第2の増幅回路12では帰還抵抗R22に並列に第2のコンデンサC2が接続されている。これらの増幅回路11,12により、入力正弦波状信号Sの基本周波数において互いに90°位相が異なり、且つ基本周波数からのズレにより互いに逆方向に微小な位相ズレを生じる第1及び第2の正弦波状信号S1及びS2が得られることになる。
【0019】
二つの2乗正弦波生成回路2a,2bは通常のアナログ乗算回路により構成することができる。乗算回路5及び7aも通常のアナログ乗算回路である。
加算回路3には、図3に示すような演算増幅器OP3を用いた通常の加算回路を用いることができ、また二つの平滑フィルタ4,6には、図4に示すような演算増幅器OP4を用いた通常のLPFを用いることができる。
【0020】
この実施例による周波数抽出の動作を次に説明する。例えば、入力正弦波状信号Sを、角周波数がω、振幅がAの下記数1で表される信号とする。この入力正弦波状信号Sがタッチ信号プローブの検出出力である場合、前述のようにプローブの被測定物との接触により、入力正弦波状信号Sは振幅及び周波数が変化することになる。
【0021】
【数1】
Figure 0003668326
【0022】
位相補正回路1では、この入力正弦波状信号Sに対して、第1の増幅回路11がα1だけ位相遅れをもたらし、第2の増幅回路12がα2−90°だけ位相進みをもたらす。即ち入力正弦波状信号Sから、位相差が90°となる下記数2で表される第1及び第2の正弦波状信号S1及びS2が生成される。
【0023】
【数2】
Figure 0003668326
【0024】
ここで、α1及びα2は、入力正弦波状信号Sが定常時の角周波数ω0(基本周波数)においては、α1=α2=α0であり、角周波数ωが高くなると、α1は位相が進む方向(負方向)に変化し、α2は位相が遅れる方向(正方向)に変化する位相ズレとなる。即ち、基本周波数ω0からずれることによって、α1≠α2となる。
【0025】
これらの第1及び第2の正弦波状信号S1及びS2をそれぞれ、2乗正弦波信号生成回路2a,2bで2乗することにより、下記数3に示す第1及び第2の2乗正弦波状信号S12及びS22が得られる。
【0026】
【数3】
Figure 0003668326
【0027】
これらの2乗正弦波状信号S12及びS22を加算回路3で加算すると、その加算出力S3は、下記数4となる。
【0028】
【数4】
Figure 0003668326
【0029】
この加算出力S3から、第1の平滑フィルタ4により交流成分を除去すると、第1の中間直流出力S4として、S4=A2が得られる。即ち入力正弦波状信号Sの振幅情報が抽出されたことになる。但し、入力正弦波状信号Sが定常時の基本周波数である場合には、前述のようにα1=α2であるから、数4から明らかなように、加算回路3の加算により既に交流成分は除去される。
【0030】
一方、数2に示す二つの正弦波状信号S1,S2を乗算回路5で乗算すると、次の数5の乗算出力S6が得られる。
【0031】
【数5】
Figure 0003668326
【0032】
この乗算出力S6から、第2の平滑フィルタ6により交流成分を除去すると、振幅情報と、周波数情報が変換された位相情報とを含む数6の第2の中間直流出力S7が得られる。
【0033】
【数6】
Figure 0003668326
【0034】
そして、除算回路7により、数6の第2の中間直流出力S7を、第1の平滑フィルタ4により得られる第1の中間直流出力S4=A2で除すると、数7に示す最終直流出力S5が得られる。
【0035】
【数7】
Figure 0003668326
【0036】
除算回路7での処理を具体的に説明すれば、差動増幅回路7bにより、乗算回路7aの乗算出力S8と中間直流出力S7の差分を十分大きな利得Avで増幅することにより、下記数8の信号S5が得られる。
【0037】
【数8】
Figure 0003668326
【0038】
ここで得られた信号S5と中間直流出力S4を乗算回路7aで乗算すると、次の数9の乗算出力S8が得られる。
【0039】
【数9】
Figure 0003668326
【0040】
これらの数8及び数9から、S8を消去すると、次の数10が得られる。
【0041】
【数10】
Figure 0003668326
【0042】
利得Avが十分に大きいと、数10は、次の数11で近似できる。
【0043】
【数11】
Figure 0003668326
【0044】
即ち、第2の中間直流出力S7を、第1の平滑フィルタ4により得られる第1の中間直流出力S4で除したことになり、先の数7に示す最終直流出力が得られることになる。数7に示す最終直流出力は、振幅情報が消去されて、入力正弦波状信号の周波数変化に対応して位相補正回路1での生じる正負の位相ズレに対応したものである。
【0045】
以上のようにしてこの実施例によれば、入力正弦波状信号の検出すべき周波数変化を位相変化に変換して、周波数変化と共に振幅変化がある場合にもその振幅変化の影響を受けることなく、周波数変化を検出することが可能になる。この実施例によれば、AGCを用いることなく振幅変化の影響を除くことができ、優れた高速応答性が得られる。従って、特にタッチ信号プローブの検出出力処理に適用して大きな効果が得られる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明によれば、入力正弦波状信号の位相補正と演算及びフィルタ処理によって、入力正弦波信号に含まれる振幅情報に対応する第1の中間直流出力を出し、更に別の演算とフィルタ処理によって振幅情報と、検出すべき周波数情報に対応する位相情報とを含む第2の中間直流出力を出し、これらの第1,第2の中間直流出力の演算によって位相情報を抽出することができる。この発明によれば、従来のようにAGC回路を用いることなく、振幅変化の影響を除いて、振幅変化を伴う周波数変化を高速に抽出することができる。従って特に、入力正弦波状信号が圧電振動子により駆動されて周波数に検出情報を含むタッチ信号プローブの検出出力信号である場合に、高速応答性に優れた信号処理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例に係る振幅抽出装置のブロック構成を示す。
【図2】 同実施例の位相補正回路の構成例を示す。
【図3】 同実施例の加算回路の構成例を示す。
【図4】 同実施例の平滑フィルタの構成例を示す。
【図5】 タッチ信号プローブとその検出系の構成を示す。
【図6】 タッチ信号プローブの検出信号例を示す。
【符号の説明】
1…位相補正回路、2a,2b…2乗正弦波信号生成回路、3…加算回路、4…第1の平滑フィルタ、5…乗算回路、6…第2の平滑フィルタ、7…除算回路、7a…乗算回路、7b…差動増幅回路、11…第1の増幅回路、12…第2の増幅回路。

Claims (4)

  1. 入力正弦波状信号の位相を補正して、前記入力正弦波状信号の基本周波数において互いに90°位相が異り、基本周波数からのズレにより互いに逆方向に位相ズレを生じる第1及び第2の正弦波状信号を生成する位相補正手段と、
    この位相補正手段から得られる前記第1及び第2の正弦波状信号をそれぞれ2乗して第1及び第2の2乗正弦波信号を生成する第1及び第2の2乗正弦波信号生成手段と、
    これらの2乗正弦波信号生成手段から得られる前記第1及び第2の2乗正弦波信号を加算する加算手段と、
    この加算手段の出力信号から交流成分を除去して第1の中間直流出力を得る第1の平滑フィルタ手段と、
    前記位相補正手段から得られる前記第1及び第2の正弦波状信号を乗算する乗算手段と、
    この乗算手段の出力信号から交流成分を除去して第2の中間直流出力を得る第2の平滑フィルタ手段と、
    この第2の平滑フィルタ手段からの第2の中間直流出力を前記第1の平滑フィルタ手段からの第1の中間直流出力により除して、前記入力正弦波状信号の周波数変化に対応する最終直流出力を得る除算手段と
    を備えたことを特徴とする周波数抽出装置。
  2. 圧電素子により駆動されるタッチ信号プローブの正弦波状の検出出力信号の周波数変化を位相変化に変換して抽出する周波数抽出装置であって、
    前記検出出力信号の位相を補正して、前記検出出力信号の基本周波数において互いに90°位相が異り、基本周波数からのズレにより互いに逆方向に位相ズレを生じる第1及び第2の正弦波状信号を生成する位相補正手段と、
    この位相補正手段から得られる前記第1及び第2の正弦波状信号をそれぞれ2乗して第1及び第2の2乗正弦波信号を生成する第1及び第2の2乗正弦波信号生成手段と、
    これらの2乗正弦波信号生成手段から得られる前記第1及び第2の2乗正弦波信号を加算する加算手段と、
    この加算手段の出力信号から交流成分を除去して第1の中間直流出力を得る第1の平滑フィルタ手段と、
    前記位相補正手段から得られる前記第1及び第2の正弦波状信号を乗算する乗算手段と、
    この乗算手段の出力信号から交流成分を除去して第2の中間直流出力を得る第2の平滑フィルタ手段と、
    この第2の平滑フィルタ手段からの第2の中間直流出力を前記第1の平滑フィルタ手段からの第1の中間直流出力により除して、前記正弦波状の検出出力信号の周波数変化に対応する最終直流出力を得る除算手段と
    を備えたことを特徴とする周波数抽出装置。
  3. 前記位相補正手段は、
    第1の演算増幅器を用いて構成され入力抵抗に直列に第1のコンデンサが挿入されて、A・sin ωtなる入力信号に対して、A・sin (ωt+α1)なる出力信号を生成する第1の増幅回路と、
    第2の演算増幅回路を用いて構成され帰還抵抗に並列に第2のコンデンサが接続されて、A・sin ωtなる入力信号に対して、A・cos (ωt+α2)なる出力信号を生成する第2の増幅回路とから構成されている
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の周波数抽出装置。
  4. 前記除算手段は、
    前記第1の平滑フィルタ手段の出力と前記最終直流出力とを乗算する乗算手段と、
    この乗算手段の出力と前記第2の平滑フィルタ手段の出力の差をとる差動増幅手段とから構成されている
    ことを特徴とする請求項1,2又は3のいずれかに記載の周波数抽出装置。
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