JP3668266B2 - 尿素誘導体 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は新規な尿素誘導体、その製造方法及び該誘導体を含有する医薬組成物に関するものである。特にアシルコエンザイムAコレステロールアシルトランスフェラーゼ(以下、ACATと略す)阻害活性並びに低密度リポ蛋白質(以下、LDLと略す)の酸化的変化に対して保護能力を有する化合物を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、血中のコレステロールレベルの増大と健康状態との関係に強い関心がもたれている。そして血中のコレステロールレベルは血管系のコレステロールの沈着量に関連し、この血管系へのコレステロールの沈着が、動脈硬化などによる虚血性疾患の原因となることが指摘されている。
これまでにも、血中のコレステロール量を低下させる薬剤の開発が行われてきたが、かかる薬剤は血中のコレステロールレベルを適度のものに制御するのには有効であったが、消化管でのコレステロールの吸収及び血管壁でのコレステロールの沈着を抑制するのには効果がなかった。
【0003】
ところで、ACATはアシルコエンザイムAとコレステロールからコレステロールエステルへの合成を触媒する酵素であり、コレステロールの代謝と消化管での吸収に重要な役割を果たすものである。そしてACATは腸管粘膜細胞の部位に存在し、食餌由来のコレステロールをエステル化して取り込む際に作用するものと考えられている。一方、血管壁に沈着しているコレステロールはエステル化されたコレステロールであり、また粥状動脈硬化巣の形成に重要な役割を演じている泡沫化されたマクロファージに蓄積されているコレステロールもエステル化されたコレステロールである。そして、これらの部位でコレステロールのエステル化を触媒している酵素も、やはりACATである。
従って、このACATの作用を阻害することによって食餌由来のコレステロールの生体内への取り込みを抑制し、さらには特定の細胞部位におけるコレステロールエステルの生成を抑制することができる。
【0004】
かかるACAT阻害活性を有する化合物として本発明の化合物に類似の構造を有する尿素誘導体が、例えば特開平2−188568号公報、特開平2−92950号公報に記載されている。しかしながら、これらの公知文献に示された薬剤は、ACAT阻害活性は有するものの、粥状動脈硬化巣の形成に重要なマクロファージの泡沫化を惹起するLDLの酸化的変質に対しては別段の作用を及ぼすものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、粥状動脈硬化巣の形成に重要な役割を演じている泡沫細胞は、酸化的変質をうけたLDLがマクロファージに取り込まれた結果、そのマクロファージが泡沫化したものである。このように酸化的変質をうけたLDLがマクロファージの泡沫化の原因となり、粥状動脈硬化巣の形成に重要な役割を演じていることはDiane W. Morel等によって報告されており(ARTERIOSCLEROSIS、4巻、357-364頁、1984年)、さらには、上記のLDLの酸化的変質を防ぐことにより動脈硬化巣の退縮が起きることが TORU KITA 等の報告(Proc. Natl. Acad. Sci. USA、 84巻、5928-5931頁、1987年)で明らかにされている。従って、上記したACAT阻害作用に加えてLDLの酸化的変質を抑制することは、粥状動脈硬化巣の形成、拡大の防止、及びその退縮に対して極めて重要なことである。
【0006】
上記したところから、ACAT阻害活性を有し、同時にLDL類の酸化的変質を抑制しうる物質は、血中のコレステロールレベルを低下させると同時に血管又は組織中に沈着したLDLコレステロールの酸化的変質を抑制することで、粥状動脈硬化病変の形成、拡大の防止、及びその退縮に有効であるので、かかる性質をそなえた薬剤の開発が求められるところである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために本発明者等は、鋭意研究の結果、ACAT阻害作用により腸管からのコレステロール吸収を抑制し、血中のコレステロールレベルを低下させ、血管壁、動脈硬化巣、マクロファージへのコレステロールエステルの蓄積を抑制するとともに、マクロファージの泡沫化に関与するLDLの酸化的変質に対して保護作用を有することにより、粥状動脈硬化巣の形成、拡大の抑制、及びその退縮に有効な新規尿素誘導体を見出して本発明を完成した。
本発明は、ACAT阻害作用を有すると同時に抗酸化作用を合わせもつ新規な尿素誘導体を提供することにある。
これらの化合物は高コレステロール血症及び動脈硬化症等の予防・治療に有効である。
【0008】
すなわち、本発明は、次の一般式(1)
【化8】
(式中、R1及びR2は同一又は異なり、水素原子、ハロゲン原子、(C1〜C6)アルコキシ基を表わし、
R3及びR4は同一又は異なり、水素原子、(C1〜C8)アルキル基、シクロ(C3〜C8)アルキル基、アリール(C1〜C6)アルキル基(アリール部分は、場合により、ハロゲン原子、(C1〜C6)アルキル基、(C1〜C6)アルコキシ基でモノ、又はジ置換されていてもよい)、ジアリール(C1〜C6)アルキル基、ピリジル(C1〜C6)アルキル基、(C1〜C6)アルキル基で置換されていてもよいジアザビシクロ(C7〜C10)アルキル基、アダマンチル基、アリール(C1〜C6)アルキル基で置換されていてもよいピペリジル基を表わすか、又は、R3及びR4はこれらが結合している窒素原子と一緒になって、(C1〜C6)アルキル基で置換されていてもよい5又は6員環の単環式複素環基を表わし、
R5及びR7は、同一又は異なり、水素原子、(C1〜C6)アルキル基を表わし、
R6は式
【化9】
(式中、R8は水素原子、(C1〜C6)アルキル基、
【化10】
(式中、R3は前記に同じ)を表わす)
で表わされる基、又は、R6とR7は一緒になって−O−CH2−O−を形成してフェニル環と縮合していてもよく、
Xは窒素原子、又はメチン基を表わし、
Aは式
【化11】
(式中、R9は水素原子、(C1〜C6)アルキル基、(C1〜C6)アルキルカルボニル基、ゲラニル基、
【化12】
を表わし、m及びnは、各々独立に0〜2の整数を表わす)
で表わされる連結基を表わすものとする。尚、R1〜R9で示される各置換基のアルキル部分、アルコキシ部分は直鎖状又は分岐状のいずれであってもよいものとする)
で示される化合物及びその薬理学的に許容される塩に関する。
【0009】
また本発明は、上記一般式(1)で示される化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分とするACAT阻害剤にも関する。
本発明の上記した尿素誘導体の一般式(1)中のR1及びR2で示されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素が挙げられ、(C1〜C6)アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、iso−プロポキシ、ブトキシ、iso−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基等が挙げられる。
【0010】
上記した尿素誘導体の一般式(1)中のR3及びR4で示される(C1〜C8)アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、iso−ペンチル、tert−ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、2−メチルペンチル、2−エチルペンチル、4−メチルヘキシル、ヘプチル、オクチル基等が挙げられ、シクロ(C3〜C8)アルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル基等が挙げられ、アリール(C1〜C6)アルキル基としては、ベンジル、フェネチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチル、6−フェニルヘキシル、3−フェニルヘキシル、2−ナフチルメチル、2−ナフチルエチル、2−メチルベンジル、4−エチルベンジル、3−クロロベンジル、4−クロロベンジル、4−フルオロベンジル、2,4−ジフルオロベンジル、4−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、4−クロロフェネチル、3,4−ジメトキシフェネチル基等が挙げられ、ジアリール(C1〜C6)アルキル基としては、ジフェニルメチル、2,2−ジフェニルエチル、3,3−ジフェニルプロピル、4,4−ジフェニルブチル、4,6−ジフェニルヘキシル基等が挙げられ、ピリジル(C1〜C6)アルキル基としては、2−ピリジルメチル、3−ピリジルメチル、2−(2−ピリジル)エチル、2−(3−ピリジル)プロピル、4−(2−ピリジル)ブチル基等が挙げられ、ジアザビシクロ(C7〜C10)アルキル基としては、3,9−ジアザビシクロ〔3.3.1〕ノナ−7−イル、3,9−ジメチル−3,9−ジアザビシクロ〔3.3.1〕ノナ−7−イル、3−エチル−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ〔3.3.1〕ノナ−7−イル、3−メチル−9−プロピル−3,9−ジアザビシクロ〔3.3.1〕ノナ−7−イル基等が挙げられ、アリール(C1〜C6)アルキル基で置換されていてもよいピペリジル基としては、ベンジルピペリジル、フェネチルピペリジル、3−フェニルプロピルピペリジル、4−フェニルブチルピペリジル、5−フェニルペンチルピペリジル、6−フェニルヘキシルピペリジル基等が挙げられ、R3及びR4が結合している窒素原子と一緒になって、(C1〜C6)アルキル基で置換されていてもよい、5又は6員環の単環式複素環基としては、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピペリジル、ピペラジニル、2−メチルピロリジニル、3−メチルピラゾリジニル、2−メチルイミダゾリジニル、3−メチルピロリル、2−エチルピペリジル、4−エチルピペラジニル基等が挙げられる。
【0011】
R5、R7、R8、R 8a 、R 8b 、R9で示される(C1〜C6)アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、iso−ペンチル、tert−ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、2−メチルペンチル基等が挙げられる。
R9で示される(C1〜C6)アルキルカルボニル基としては、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル基等が挙げられる。
【0012】
本発明は一般式(1)の化合物で可能な全異性体、立体異性体、代謝産物、代謝前駆物質を包含する。
本発明の一般式(1)で示される化合物は種々の慣用方法、例えば以下に示す方法で製造することができる。
【0013】
(a) 連結基Aが
【化13】
(式中、R9は水素原子、アルキル基、ゲラニル基を表わす)の場合、一般式(2a)
【化14】
(式中、R1、R2及びXは前記に同じ)で示される化合物を、チオニルクロライド、三塩化燐、五塩化燐、オキサリルクロライド等と反応させて対応する一般式(2b)
【化15】
(式中、R1、R2及びXは前記に同じ)で示される酸クロライドとした後、有機溶媒中、酸結合剤存在下、一般式(3)
【化16】
(式中、R5、R6及びR7は前記に同じで、R9は水素原子、アルキル基、又はゲラニル基を表わす)で示される化合物と反応させる方法、又は、一般式(2a)で示される化合物と一般式(3)で示される化合物とを有機溶媒中、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジエチルアミノプロピル)カルボジイミド等の縮合剤を用いて反応させる方法により、一般式(4)
【化17】
で示される化合物とした後、塩酸、酢酸等の酸性溶液中、亜鉛、鉄、錫、塩化錫(II)等を用いて還元する方法、又はメタノール、エタノール等のアルコール系溶媒中、パラジウム−炭素、酸化白金等の触媒を用いて接触水素添加する方法により、ニトロ基を還元して、一般式(5)
【化18】
で示される化合物を得る。これに、一般式(6)RNCO(RはR3又はR4を表わし、R3及びR4は前記に同じ)で示されるイソシアネートを有機溶媒中、氷冷下から室温で反応させると一般式(1)で示される尿素誘導体が製造される。
上記した反応による本発明の化合物の製造工程を次のスキーム1に示す。
【0014】
【化19】
【0015】
(b) 連結基Aが
【化20】
(式中、R9は水素原子、アルキル基又はゲラニル基を表わす)の場合、一般式(8a)
【化21】
(式中、R5、R6及びR7は前記に同じ)で示される化合物をチオニルクロライド、三塩化燐、五塩化燐、オキサリルクロライド等と反応させて対応する一般式(8b)
【化22】
(式中、R5、R6及びR7は前記に同じ)で示される酸クロライドとした後、有機溶媒中、酸結合剤存在下、一般式(7)
【化23】
(式中、R1、R2及びXは前記に同じで、YはNR9又はOHを表わし、R9は水素原子、アルキル基、又はゲラニル基を表わす)で示される化合物とを反応させる方法、又は、一般式(8a)で示される化合物と一般式(7)で示される化合物とを有機溶媒中、ジシクロヘキシルカルボジイミド等の縮合剤を用いて反応させる方法により、一般式(9a)又は(9b)
【化24】
で示される化合物とするか、又は、一般式(8a)で示される化合物をチオニルクロライド、三塩化燐、五塩化燐、オキサリルクロライド等と反応させて対応する一般式(8b)で示される酸クロライドとした後、有機溶媒中、酸結合剤存在下、一般式(10)
【化25】
(式中、R1、R2、X及びYは前記に同じ)で示される化合物と反応させる方法、又は、一般式(8a)で示される化合物と一般式(10)で示される化合物とを有機溶媒中、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジエチルアミノプロピル)カルボジイミド等の縮合剤を用いて反応させる方法により、一般式(11a)又は(11b)
【化26】
で示される化合物とした後、塩酸、酢酸等の酸性溶液中、亜鉛、鉄、錫、塩化錫(II)等を用いて還元する方法、又はメタノール、エタノール等のアルコール系溶媒中、パラジウム−炭素、酸化白金等の触媒を用いて接触水素添加する方法により、ニトロ基を還元して、一般式(9a)又は(9b)で示される化合物を得る。これに、一般式(6)RNCOで示されるイソシアネートを有機溶媒中、氷冷下から室温で反応させて一般式(1)で示される尿素誘導体が製造される。
【0016】
また、一般式(9a)又は(9b)で示される化合物にクロロギ酸フェニルとを有機溶媒中、酸結合剤存在下、氷冷下から室温で反応させて一般式(12a)又は(12b)
【化27】
で示される化合物とした後、これに一般式(13)
【化28】
(式中、R3及びR4は前記に同じ)で示される化合物を有機溶媒中、50〜150℃加熱下に反応させても一般式(1)で示される尿素誘導体が製造される。
上記した反応による本発明の化合物の製造工程を次のスキーム2に示す。
【0017】
【化29】
【0018】
さらに、一般式(14)
【化30】
(式中、R1、R2又はXは前記に同じで、ZはNH2、OH、NO2を表わす)で示される化合物と一般式(6)で示されるイソシアネートとを有機溶媒中、氷冷下から室温で反応させて一般式(15a)
【化31】
で示される化合物とするか、又は、一般式(14)で表わされる化合物とクロロギ酸フェニルとを有機溶媒中、酸結合剤存在下、氷冷下から室温で反応させて一般式(16)
【化32】
で示される化合物とした後、一般式(13)で示される化合物と反応させると一般式(15b)
【化33】
で示される化合物は得られる。この一般式(15a)又は(15b)で示される化合物でZがニトロ基である場合には塩酸、酢酸等の酸性溶液中、亜鉛、鉄、錫、塩化錫(II)等を用いて還元する方法、又は、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒中、パラジウム−炭素、酸化白金等の触媒を用いて接触水素添加する方法によりニトロ基をアミノ基に還元する。その後、一般式(8a)で示される化合物を、チオニルクロライド、三塩化燐、五塩化燐、オキサリルクロライド等と反応させて対応する一般式(8b)で示される酸クロライドとした後に有機溶媒中、酸結合剤存在下、一般式(15a)又は(15b)で示される化合物とを反応させる方法、又は一般式(8a)で示される化合物と一般式(15a)又は(15b)で示される化合物とを有機溶媒中、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジエチルアミノプロピル)カルボジイミド等の縮合剤を用いて反応させる方法により一般式(1)で示される尿素誘導体は製造される。
上記した反応による本発明の化合物の製造工程を次のスキーム3に示す。
【0019】
【化34】
【0020】
(c) 連結基Aが
【化35】
〔式中、R9は水素原子、アルキル基、アルキルカルボニル基、ゲラニル基または−CONHR3(R3は前記に同じ)を表わす〕の場合、一般式(17)
【化36】
(式中、R1、R2、m及びXは前記に同じで、Qはハロゲン原子、パラトルエンスルホニル基、メタンスルホニル基を表わす)で示される化合物と一般式(18)
【化37】
(式中、R5、R6、R7、R9、nは前記に同じ)で示される化合物と有機溶媒中、酸結合剤存在下、室温から加熱還流下で反応させて一般式(19)
【化38】
で示される化合物とし、塩酸、酢酸等の酸性溶液中、亜鉛、鉄、錫、塩化錫(II)等を用いて還元する方法、又はメタノール、エタノールなどのアルコール系溶媒中、パラジウム−炭素、酸化白金等の触媒を用いて接触水素添加する方法によりニトロ基をアミノ基に還元して一般式(20)
【化39】
で示される化合物とした後、一般式(6)RNCOで示されるイソシアネートと有機溶媒中、氷冷下から室温で反応させて一般式(1)で示される尿素誘導体が製造される。
更に、一般式(1)で示される化合物でR9が水素原子である場合には、一般式(6)で示されるイソシアネートと有機溶媒中、氷冷下から室温で反応させて一般式(1)でR9がCONHR3(R3は前記に同じ)である尿素誘導体が製造される。
一般式(1)で示される化合物でR9が水素原子である場合には、酸クロライドまたは酸無水物と有機溶媒中、氷冷下から室温で反応させて一般式(1)でR9がアルキルカルボニル基である尿素誘導体が製造される。
上記した反応による本発明の化合物の製造工程を次のスキーム4に示す。
【0021】
【化40】
【0022】
また、一般式(5)又は一般式(9a)で示される化合物をジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒中、氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム−三フッ化ホウ素により還元して一般式(21a)又は一般式(21b)
【化41】
で表わされる化合物とした後、一般式(6)RNCOで示されるイソシアネートと有機溶媒中、氷冷下から室温で反応させて一般式(1)で表わされる尿素誘導体が製造される。
更に、一般式(1)で示される化合物でR9が水素原子である場合には、一般式(6)で示されるイソシアネートと有機溶媒中、氷冷下から室温で反応させて一般式(1)でR9がCONHR3(R3は前記に同じ)である尿素誘導体が製造される。
一般式(1)で示される化合物でR9が水素原子である場合には、酸クロライドまたは酸無水物と有機溶媒中、氷冷下から室温で反応させて一般式(1)でR9がアルキルカルボニル基である尿素誘導体が製造される。
上記した反応による本発明の化合物の製造工程を次のスキーム5に示す。
【0023】
【化42】
【0024】
(d) 連結基Aが
−O−(CH2)3−
の場合、一般式(10)
【化43】
(式中、R1、R2及びXは前記に同じで、YはOHを表わす)で示される化合物と一般式(22)
【化44】
(式中、R5、R6、R7及びQは前記に同じ)で示される化合物とを有機溶媒中、酸結合剤存在下、室温から加熱還流下で反応させて、一般式(23)
【化45】
で示される化合物とし、塩酸、酢酸等の酸性溶液中、亜鉛、鉄、錫、塩化錫(II)等を用いて還元する方法、又はメタノール、エタノールなどのアルコール系溶媒中、パラジウム−炭素、酸化白金等の触媒を用いて接触水素添加する方法によりニトロ基をアミノ基に還元して一般式(24)
【化46】
で示される化合物とした後、一般式(6)で示されるイソシアネートと有機溶媒中、氷冷下から室温で反応させて一般式(1)で示される尿素誘導体が製造される。
【0025】
また、一般式(24)で示される化合物とクロロギ酸フェニルとを有機溶媒中、酸結合剤存在下氷冷下から室温で反応させて、一般式(25)
【化47】
で示される化合物とした後、これに(13)で示される化合物を有機溶媒中、50〜150℃加熱下に反応させても一般式(1)で示される尿素誘導体が製造される。
【0026】
上記した反応による本発明の化合物を次のスキーム6に示す。
【化48】
【0027】
上記の各反応工程で用いられる有機溶媒としては、ヘキサン、石油エーテル、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド等を用いることができる。
また、酸結合剤としては水素化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機の塩基性物質、及びジイソプロピルアミンのような第2アミン、トリエチルアミン、メチルモルホリン、ピリジンのような第3アミンなどの有機の塩基性物質等が挙げられる。
【0028】
本発明の一般式(1)で示される化合物の酸付加塩とは、薬理学的に許容される塩類であり、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩などの無機酸塩類、及びシュウ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩などの有機酸塩が挙げられる。
【0029】
本発明の化合物は、通常薬学的製剤の形態で経口的又は非経口的に投与されうる。薬学的製剤の形態としては、錠剤、カプセル剤、トローチ剤、シロップ剤、顆粒剤、散剤、注射剤、懸濁剤等がある。また他の薬剤とともに二重層錠、多層錠とすることができる。さらに錠剤は、必要に応じて通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣錠、腸溶被錠、フィルムコート錠とすることもできる。
【0030】
固体製剤とする場合は、固体の添加剤、例えば乳糖、白糖、結晶セルロース、トウモロコシデンプン、リン酸カルシウム、ソルビトール、グリシン、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、タルク等が用いられる。
半固体製剤とする場合は、植物性又は合成ロウ又は脂肪等が用いられる。
液体製剤とする場合は、液体添加剤、例えば塩化ナトリウム水溶液、ソルビトール、グリセリン、オリーブ油、アーモンド油、プロピレングリコール、エチルアルコール等が用いられる。
【0031】
これらの製剤の有効成分の量は製剤の0.0001〜100重量%であり、適当には経口投与のための製剤の場合には0.001〜50重量%であり、そして注射用製剤の場合には0.0001〜10重量%である。
本発明の化合物の投与方法及び投与量には特に制限はなく、各種製剤形態、疾患の程度、患者の年齢、性別などにより適宜選択されるが、有効成分の1日当りの投与量は0.01mg〜1000mgである。この範囲内で毒性は認められない。
【0032】
以下に、本発明の化合物の具体的な合成法を実施例として示す。
実施例1
N−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(3−ヘプチルウレイド)ベンズアミド
【化49】
(1) 2−ニトロ安息香酸(10g)とチオニルクロライド(11ml)の混合物を2時間加熱還流後、濃縮乾固し、この混合物をジクロロメタン(80ml)に溶かしトリエチルアミン(10ml)を加え、N,N−ジメチル−1,4−フェニレンジアミン(9.0g)のジクロロメタン(10ml)溶液を氷冷下、滴下し、徐々に室温に戻しながら2時間撹拌した。溶媒を留去後、いったん酢酸エチル(800ml)に溶かし、水洗、飽和食塩水洗、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を留去、残留物を酢酸エチルから結晶化して、N−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−ニトロベンズアミド(11g,64%)を得た。
(2) N−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−ニトロベンズアミド(3.0g)のエタノール(30ml)懸濁液に10%パラジウムカーボンを触媒量加え、1〜2.5気圧で室温で4時間接触還元した。触媒を濾過後、溶媒を留去しクロロホルム−酢酸エチルから結晶化して、N−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−アミノベンズアミド(2.2g,79%)を得た。
(3) N−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−アミノベンズアミド(1.5g)のジクロロメタン(20ml)溶液に、氷冷下ヘプチルイソシアネート(2.4g)を加え、徐々に室温に戻しながら一晩撹拌した。溶媒を留去し、クロロホルム−酢酸エチルから結晶化して、N−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(3−ヘプチルウレイド)ベンズアミド(1.6g,69%)を得た。
m.p.178-180℃
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 10.05(1H,s),8.34(1H,d,J=8Hz),8.20(1H,s),7.29-7.50(4H,m),6.93(1H,t,J=7Hz),6.76(2H,d,J=9Hz),4.58(1H,t,J=5Hz),3.21-3.26(2H,m),2.96(6H,s),1.28-1.53(10H,m),0.88(3H,t,J=6Hz)
IR(cm-1) 3340,2930,1680,1640,1520,1450,1340,1300,1230,820,750
(4) N−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(3−ヘプチルウレイド)ベンズアミド(0.70g)をエタノール(10ml)溶液に、氷冷下4N−塩酸/酢酸エチル溶液(0.48ml)を加え、濃縮乾固して、N−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(3−ヘプチルウレイド)ベンズアミド 1塩酸塩の非結晶性固体(0.77g,99%)を得た。
【0033】
実施例2
1−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−{2−(3−ヘプチルウレイド)ベンジル}−3−ヘプチルウレア
【化50】
(1) 水素化アルミニウムリチウム(0.61g)のTHF(30ml)懸濁液にN−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−アミノベンズアミド(2.0g)のTHF(20ml)溶液を、氷冷下滴下した後、加熱還流した。これに氷冷下、水を少量滴下し、不溶物を濾過、溶媒を留去、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製、酢酸エチル−ヘキサンから再結晶して、N−(2−アミノベンジル)−N′,N′−ジメチル−1,4−フェニレンジアミン(1.1g,56%)を得た。
(2) N−(2−アミノベンジル)−N′,N′−ジメチル−1,4−フェニレンジアミン(0.6g)のジクロロメタン(10ml)溶液に、氷冷下ヘプチルイソシアネート(0.4g)を加え、徐々に室温に戻しながら一晩撹拌した。溶媒を留去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:酢酸エチル=20:1)で精製して、1−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−{2−(3−ヘプチルウレイド)ベンジル}−3−ヘプチルウレアの非結晶性固体(0.55g,44%)を得た。
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 9.31(s,1H),8.36(d,1H,J=8Hz),7.20-7.25(m,1H),6.50-6.77(m,6H),5.17(t,1H,J=5Hz),4.70(s,2H),4.33(t,1H,J=6Hz),3.10-3.31(m,4H),2.96(s,6H),0.82-1.66(m,26H)
IR(cm-1) 2920,2850,1720,1630,1520,1480,1460,1300,1230
(3) 1−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−{2−(3−ヘプチルウレイド)ベンジル}−3−ヘプチルウレア(0.5g)より実施例1(4)と同様の反応操作によって、1−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−{2−(3−ヘプチルウレイド)ベンジル}−3−ヘプチルウレア 1塩酸塩の非結晶性固体(0.49g,92%)を得た。
【0034】
実施例3
N−(4−ジメチルアミノフェニル)−N−ゲラニル−2−(3−ヘプチルウレイド)ベンズアミド
【化51】
(1) 2−ニトロ安息香酸(2.3g)とチオニルクロライド(2.5ml)の混合物を2時間加熱還流後、濃縮乾固し、この混合物をジクロロメタン(20ml)に溶かしトリエチルアミン(2.3ml)を加え、N,N−ジメチル−N′−ゲラニル−1,4−フェニレンジアミン(4.0g)のジクロロメタン(10ml)溶液を氷冷下、滴下し、徐々に室温に戻しながら2時間撹拌した。反応液を水洗、飽和食塩水洗、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製して、N−(4−ジメチルアミノフェニル)−N−ゲラニル−2−ニトロベンズアミドの油状物(5.6g,95%)を得た。
(2) N−(4−ジメチルアミノフェニル)−N−ゲラニル−2−ニトロベンズアミド(2.5g)をエタノール(35ml)に溶かし、1N−塩酸水(6.5ml)、鉄粉(1.3g)を加え、2時間加熱撹拌した。不溶物を濾過、溶媒を留去、10%水酸化ナトリウム溶液で中和した後、酢酸エチル抽出、水洗、飽和食塩水洗、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を留去、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し、N−(4−ジメチルアミノフェニル)−N−ゲラニル−2−アミノベンズアミドの油状物1.3g(58%)を得た。
(3) N−(4−ジメチルアミノフェニル)−N−.ゲラニル−2−アミノベンズアミド(0.8g)のジクロロメタン(10ml)溶液に、氷冷下ヘプチルイソシアネート(0.56g)を加え、徐々に室温に戻しながら一晩撹拌した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製して、N−(4−ジメチルアミノフェニル)−N−ゲラニル−2−(3−ヘプチルウレイド)ベンズアミドの油状物(0.98g,89%)を得た。
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 8.55(1H,br.s),8.04(1H,d,J=8Hz),7.14(1H,br.s),6.46-6.81(6H,m),5.33(1H,br.s),5.03-5.05(1H,m),4.77(2H,br.s),4.43(1H,br.s),3.21-3.27(2H,m),2.88(6H,s),0.87-2.13(26H,m)
IR(cm-1) 3350,2920,1620,1590,1520,1450,1230
(4) N−(4−ジメチルアミノフェニル)−N−ゲラニル−2−(3−ヘプチルウレイド)ベンズアミド(0.91g)より実施例1(4)と同様の反応操作によってN−(4−ジメチルアミノフェニル)−N−ゲラニル−2−(3−ヘプチルウレイド)ベンズアミド 1塩酸塩の非結晶性固体(0.95g,98%)を得た。
【0035】
実施例4
1−〔2−{N−(4−ジメチルアミノフェニル)−N−ゲラニルアミノメチル}フェニル〕−3−ヘプチルウレア
【化52】
(1) N,N−ジメチル−N′−ゲラニル−N′−(2−ニトロベンジル)−1,4−フェニレンジアミン(1.0g)をエタノール(20ml)に溶かし、1N−塩酸水(2.5ml)、鉄粉(0.6g)を加え、2時間加熱撹拌した。不溶物を濾過、溶媒を留去、10%水酸化ナトリウム溶液で中和した後、酢酸エチル抽出、水洗、飽和食塩水洗、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を留去、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、N−(2−アミノベンジル)−N−ゲラニル−N′,N′−ジメチル−1,4−フェニレンジアミンの油状物 (0.58g,62%)を得た。
(2) N−(2−アミノベンジル)−N−ゲラニル−N′,N′−ジメチル−1,4−フェニレンジアミン(0.54g)のジクロロメタン(10ml)溶液に、氷冷下ヘプチルイソシアネート(0.3g)を加え、徐々に室温に戻しながら一晩撹拌した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製して、1−〔2−{N−(4−ジメチルアミノフェニル)−N−ゲラニルアミノメチル}フェニル〕−3−ヘプチルウレアの油状物(0.62g,85%)を得た。
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 8.82(1H,d,J=12Hz),7.75(1H,t,J=8Hz),6.69-7.26(7H,m),4.99-5.20(2H,m),4.32-4.35(1H,m),4.16(2H,s),3.59(2H,d,J=6Hz),3.12-3.18(2H,m),2.88(6H,s),0.86-2.04(26H,m)
IR(cm-1) 3320,2930,2850,1650,1550,1520,1450,1240
(3) 1−〔2−{N−(4−ジメチルアミノフェニル)−N−ゲラニルアミノメチル}フェニル〕−3−ヘプチルウレア(0.6g)より実施例1(4)と同様の方法で1−〔2−{N−(4−ジメチルアミノフェニル)−N−ゲラニルアミノメチル}フェニル〕−3−ヘプチルウレア 2塩酸塩の非結晶性固体(0.7g,99%)を得た。
【0036】
実施例5
1−〔2−{N−ゲラニル−N−(3,4−メチレンジオキシフェニル)アミノメチル}フェニル〕−3−ヘプチルウレア
【化53】
実施例4と同様の反応操作によって標題の化合物を得た。
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 8.29(1H,d,J=19Hz),7.89(1H,t,J=9Hz),6.43-7.28(6H,m),5.91(2H,d,J=3Hz),4.97-5.18(2H,m),4.32-4.35(1H,m),4.16(2H,s),3.62(2H,d,J=6Hz),3.12-3.18(2H,m),0.86-2.15(26H,m)
IR(cm-1) 3340,2940,2850,1640,1560,1510,1500,1220,1050
【0037】
実施例 6
N−{2−(3−ヘプチルウレイド)フェニル}−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド及び
N−{2−(3−ヘプチルウレイド)フェニル}−3,5−ジ−t−ブチル−4−{(N−ヘプチル)カルバモイルオキシ}ベンズアミド
【化54】
(1) 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸(5.0g)の塩化メチレン(20ml)溶液に、ジシクロヘキシルカルボジイミド(2.17g)を加え室温で一晩撹拌した。これにトリエチルアミン(2.1ml)、4−ジメチルアミノピリジン(0.37g)及びo−フェニレンジアミン(1.08g)を加え、室温で一晩撹拌した。不溶物を濾過、濾液を濃縮、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:酢酸エチル=20:1)で精製、ジイソプロピルエーテルから結晶化して、N−(2−アミノフェニル)−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド1.10g(32%)を得た。
(2) n−カプリル酸(0.32g)、ジフェニルホスホリルアジド(0.53ml)及びトリエチルアミン(0.34ml)をトルエン(5ml)中、室温で3時間、さらに80−90℃で2時間撹拌した。これに氷冷下、N−(2−アミノフェニル)−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド(0.51g)を加え、徐々に室温に戻しながら3時間撹拌する。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:酢酸エチル=10:1)で精製して、N−{2−(3−ヘプチルウレイド)フェニル}−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミドの結晶(0.25g,35%)
【0038】
m.p.95-100℃
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 9.93(1H,br.s),7.84(2H,s),7.64(1H,d,J=7Hz),7.09-7.04(2H,m),6.87(1H,t,J=7Hz),6.62(1H,br.d),5.64(1H,s),5.28(1H,br.s),3.09(2H,q-like,J=7Hz),1.48(18H,s),1.44-1.20(10H,m),0.85(3H,t,J=7Hz)
IR(cm-1) 3336,2956,2928,1638,1600,1561,1516,1430,1307,1236,1114,751
及びN−{2−(3−ヘプチルウレイド)フェニル}−3,5−ジ−t−ブチル−4−{(N−ヘプチル)カルバモイルオキシ}ベンズアミドの結晶(0.28g,30%)を得た。
m.p.120-122℃
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 9.87(1H,br.s),7.93(2H,s),7.74(1H,d,J=8Hz),7.08(1H,t,J=8Hz),6.98-6.90(2H,m),6.84(1H,br.s),5.17(1H,br.t),3.29(2H,q-like,J=6Hz),3.09(2H,q-like,J=6Hz),1.43-1.20(38H,m),0.90(3H,t,J=6Hz),0.86(3H,t,J=6Hz)
IR(cm-1) 3374,2954,2930,1712,1680,1644,1544,1520,1422,1246,1199,752
【0039】
実施例 7
N−〔2−{3−(2,2−ジフェニルエチル)ウレイド}フェニル〕−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド
【化55】
実施例6のn−カプリル酸の代わりに3,3−ジフェニルプロピオン酸を用いて同様の反応操作によって標題の化合物を得た。
m.p.198-200℃
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 9.74(1H,s),7.83(2H,s),6.96(1H,s),6.54-7.49(14H,m),5.64(1H,s),5.18-5.20(1H,m),4.15(1H,t,J=8Hz),3.79(2H,dd,J=8,6Hz),1.48(18H,s)
IR(cm-1) 3620,3314,2958,1639,1545,1431,1309,1233,755,701
【0040】
実施例 8
N−{2−(3,3−ジベンジルウレイド)フェニル}−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド
【化56】
(1) N−(2−アミノフェニル)−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド(0.85g)とジイシプロピルアミン(0.39ml)をジクロロメタン(20ml)に懸濁し、氷冷下クロロ蟻酸フェニル(16.8g)のジクロロメタン (30ml)溶液を滴下した。室温で一晩撹拌した後、この反応液を水洗、飽和食塩水洗、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:酢酸エチル=10:1)で精製し、ヘキサン−酢酸エチルから結晶化して、フェニル N−{2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイルアミノ)フェニル}カルバマート(12.6g,49%)を得た。
(2) フェニル N−{2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイルアミノ)フェニル}カルバマート(1.6g)とジベンジルアミン(0.7g)をベンゼン(10ml)に溶かし、70−80℃で2時間撹拌した。この反応液を2N水酸化ナトリウム水溶液洗、飽和塩化アンモニウム水溶液洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去後、残留物をシリカゲルカラムにより精製して、 エ−テルから結晶化して、N−{2−(3,3−ジベンジルウレイド)フェニル}−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド(0.47g,23%)を得た。
m.p.187-189℃
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 9.53(1H,s),7.79(2H,s),7.56(1H,dd,J=8,1Hz),7.25-7.14(11H,m),7.10-6.90(3H,m),5.59(1H,s),4.57(4H,s),1.45(18H,s)
IR(cm-1) 3620,3220,1638,1602,1524,1500,1454,1436,1381,1238,748,700
【0041】
実施例 9
1−〔N−{2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド)フェニル}カルバモイル〕−4−メチルピペラジン
【化57】
実施例8のジベンジルアミンの代わりにN−メチルピペラジンを用いて同様の反応操作によって標題の化合物を得た。
m.p.169-171℃
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 9.51(1H,s),7.99(1H,s),7.80(2H,s),7.28-7.24(1H,m),7.13(1H,d,J=8Hz),6.87-6.73(2H,m),5.64(1H,s),3.53(4H,t,J=5Hz),2.39(4H,t,J=5Hz),1.52(18H,s)
IR(cm-1) 3630,3540,3310,2960,2800,1645,1600,1530,1435,,1305,1260,1240,1110,1005,755
【0042】
実施例 10
N−{2−(3−シクロペンチル)ウレイド}フェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド
【化58】
実施例8のジベンジルアミンの代わりにシクロペンチルアミンを用いて同様の反応操作によって標題の化合物を得た。
m.p.195-197℃
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 9.65(1H,s),7.83(2H,s),7.67(1H,d,J=7Hz),7.12-7.06(1H,m),6.96-6.90(2H,m),6.86-6.80(1H,m),5.63(1H,s),4.96(1H,d,J=7Hz),4.08-3.94(1H,m),1.96-1.81(2H,m),1.72-1.02(6H,m),1.49(s,18H)
IR(cm-1) 3640,3630,3330,2960,1640,1580,1530,1440,1320,1228,896,750
【0043】
実施例 11
N−{2−(3−アダマンチル)ウレイド}フェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド
【化59】
実施例8のジベンジルアミンの代わりに1−アダマンチルアミンを用いて同様の反応操作によって標題の化合物を得た。
m.p.204-205℃
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 9.79(1H,s),7.87(2H,s),7.63(1H,dd,J=8Hz,2Hz),7.07(1H,ddd,J=8Hz,8Hz,2Hz),6.90(1H,ddd,J=8Hz,8Hz,2Hz),6.80-6.73(2H,m),5.63(1H,s),4.80(1H,s),2.00(3H,br.s),1.87(6H,d,J=2Hz),1.61(1H,d,J=3Hz),1.50(18H,s)
IR(cm-1) 3630,3360,3310,2915,1685,1640,1600,1555,1520,1485,1435,1300,1240,755
【0044】
実施例12
N−〔2−{3−ベンジル−3−(2−ピリジルメチル)ウレイド}フェニル〕−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド
【化60】
実施例8のジベンジルアミンの代わりに2−(N−ベンジルアミノメチル)ピリジンを用いて同様の反応操作によって標題の化合物を得た。
m.p.162-163℃
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 9.85(1H,br.s),8.51(1H,d,J=4Hz),7.93-7.86(3H,m),7.56(1H,ddd,J=8Hz,8Hz,2Hz),7.25-7.07(10H,m),6.90(1H,d,J=7Hz),5.56(1H,s),4.67(2H,s),4.42(2H,br.s),1.44(18H,s)
IR(cm-1) 3640,3500,3270,2960,1645,1600,1540,1480,1430,1314,1236,764
【0045】
実施例13
N−{2−(3−ヘプチル−3−メチル)ウレイド}フェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド
【化61】
実施例8のジベンジルアミンの代わりにN−メチルヘプチルアミンを用いて同様の反応操作によって標題の化合物を得た。
m.p.156-157℃
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 9.43(1H,br.s),7.84(2H,s),7.55-7.50(1H,m),7.29-7.24(1H,m),7.17-7.11(1H,m),7.06-7.00(2H,m),5.62(1H,s),3.32(2H,d,J=8Hz),2.99(3H,s),1.58-1.50(2H,m),1.50(18H,m),1.31-1.16(8H,m),0.86(3H,t,J=7Hz)
IR(cm-1) 3625,3605,3260,2960,2930,1635,1600,1520,1490,1435,1310,1235,750
【0046】
実施例 14
1−〔2−{N−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミノメチル}フェニル〕−3−ヘプチルウレア
【化62】
(1) 水素化ほう素ナトリウム(2.72g)のテトラヒドロフラン(80ml)懸濁液に、氷冷下BF3.Et2O(8.86ml)を滴下し30分撹拌した。これに氷冷下、N−(2−アミノフェニル)−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド(3.06g)を少しずつ加え徐々に室温に戻しながら一晩撹拌した。これに6N塩酸を加え30分間加熱還流した後、溶媒を留去し水にあけて炭酸水素ナトリウムで中和、酢酸エチル抽出、水洗、飽和食塩水洗、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製して、(2−アミノフェニル)−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルアミンの結晶(2.00g,68%)を得た。
(2) n−カプリル酸(0.15g)、ジフェニルホスホリルアジド(0.28ml)及びトリエチルアミン(0.21ml)をトルエン(5ml)中、室温で3時間、さらに80−90℃で2時間撹拌する。これに氷冷下、(2−アミノフェニル)−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルアミン(0.34g)のトルエン(5ml)溶液を加え徐々に室温に戻しながら一晩撹拌する。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:酢酸エチル=20:1)で精製して、1−〔2−{N−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミノメチル}フェニル〕−3−ヘプチルウレアの結晶(0.31g,64%)を得た。
m.p.135-138℃
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 9.21(1H,t,J=7Hz),7.12(2H,s),7.11(1H,d,J=7Hz),6.78(1H,d,J=7Hz),6.71(1H,t,J=7Hz),5.53(1H,br.s),5.20(1H,s),4.60(1H,br.t),4.45(1H,br.s),4.17(2H,br.s),3.16(2H,q-like,J=7Hz),1.50-1.40(20H,m),1.35-1.20(8H,m),0.86(3H,t,J=7Hz)
IR(cm-1) 3634,3324,2954,2928,1639,1568,1504,1432,1236,746
【0047】
実施例 15
1−〔2−{N−アセチル−N−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミノメチル}フェニル〕−3−ヘプチルウレア
【化63】
1−〔2−{N−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミノメチル}フェニル〕−3−ヘプチルウレア(0.23g)、4-ジメチルアミノピリジン(0.02g)及びトリエチルアミン(0.14ml)をトルエン(5ml)に溶かし、氷冷下無水酢酸(0.05ml)を加え徐々に室温に戻しながら一晩撹拌した。溶媒を留去し、酢酸エチルを加えて1N塩酸洗、炭酸水素ナトリウム水溶液洗、水洗、飽和食塩水洗、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を留去、ヘキサンから結晶化して、1−〔2−{N−アセチル−N−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミノメチル}フェニル〕−3−ヘプチルウレア(0.24g,96%)を得た。
m.p.125-128℃
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 8.40(1H,d,J=8Hz),7.36(1H,br.s),7.29(1H,t,J=8Hz),6.95(2H,s),6.85(1H,t,J=8Hz),6.69(1H,d,J=8Hz),5.86(1H,br.s),5.19(1H,s),5.03(1H,br.d,J=14Hz),4.46(1H,br.d,J=14Hz),3.16(2H,m),1.84(3H,s),1.35(18H,s),1.40-1.20(10H,m),0.86(3H,t,J=7Hz)
IR(cm-1) 3360,2954,2928,1692,1627,1548,1456,1286,1231,1101,749
【0048】
実施例 16
N−{2−(3−ヘプチルウレイド)フェニル}−N−メチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド
【化64】
(1) n−カプリル酸(1.44g)、ジフェニルホスホリルアジド(2.80ml)及びトリエチルアミン(2.09ml)をトルエン(10ml)中、室温で3時間、さらに80−90℃で2時間撹拌する。これを氷冷し、N−メチル−1,2−フェニレンジアミン(1.22g)を加え徐々に室温に戻しながらら一晩撹拌する。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製して、2−(3−ヘプチル)ウレイドフェニル 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートの結晶(1.58g,63%)を得た。この結晶(0.50g)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸(0.50g)及びジシクロヘキシルカルボジイミド(0.42g)をジクロロメタン(5ml)中、室温で一晩撹拌した。不溶物を濾過して除き溶媒を留去後、残留物をヘキサンから結晶化して、N−{2−(3−ヘプチルウレイド)フェニル}−N−メチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド (2.31g,93%)を得た。
m.p. 193-196℃
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 8.38(1H,d,J=7Hz),8.14(1H,br.s),7.11(1H,t,J=7Hz),6.96(2H,br.s),6.89(1H,br.s),6.64(1H,t,J=7Hz),6.54(1H,t,J=7Hz),5.22(1H,s),3.35(2H,m),3.17(3H,br.s),1.50-1.25(10H,m),1.14(18H,s),0.89(3H,t,J=9Hz)
IR(cm-1) 3358,2951,2926,1697,1617,1544,1455,1416,1373,1300,1235,1102
【0049】
実施例17
N−{2−(3−シクロペンチル)ウレイド−5−メトキシフェニル}−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド
【化65】
(1) 4−メトキシ−2−ニトロアニリン(15.0g)、ジイソプロピルアミン(16.2ml)をジクロロメタン(300ml)に溶かし、氷冷下クロロ蟻酸フェニル(16.8g)のジクロロメタン(30ml)溶液を滴下した。室温で一夜撹拌した後、この反応液を水洗、飽和食塩水洗、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を留去、ヘキサンから結晶化して、フェニル 4−メトキシ−2−ニトロフェニルカルバマ−トの結晶(12.6g,49.1%)を得た。
(2) フェニル 4−メトキシ−2−ニトロフェニルカルバマート(1.1g)とシクロペンチルアミン(0.37g)をキシレン(10ml)に溶かした後2時間加熱還流した。放冷後、析出した結晶を濾過、キシレンで洗浄、乾燥して、1−(4−メトキシ−2−ニトロフェニル)−3−シクロペンチルウレアの結晶(0.97g,87%)を得た。
(3) 1−(4−メトキシ−2−ニトロフェニル)−3−シクロペンチルウレア(0.96g)のエタノール(15ml)懸濁液に10%パラジウムカーボンを触媒量加え、1〜2.5気圧で室温で2時間接触還元した。触媒を濾過後、溶媒を留去しベンゼン、ヘキサンから結晶化して、1−(2−アミノ−4−メトキシフェニル)−3−シクロペンチルウレア(0.79g,93%)を得た。
(4) 1−(2−アミノ−4−メトキシフェニル)−3−シクロペンチルウレア(0.66g)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 1塩酸塩(0.59g)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸(0.78g)をジクロロメタン(70ml)に溶かし、室温で一夜撹拌した。この反応液を、水洗、飽和食塩水洗、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を留去、 酢酸エチルから結晶化して、N−{2−(3−シクロペンチル)ウレイド−5−メトキシフェニル}−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド(0.92g,71%)を得た。
m.p.204-205℃
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 9.27(1H,br.s),7.79(2H,s),7.63(1H,br.s),6.91(1H,d,J=9Hz),6.58(1H,dd,J=9Hz,3Hz),6.33(1H,br.s),5.63(1H,s),4.66(1H,d,J=7Hz),3.95-4.07(1H,m),3.77(3H,s),1.85-1.92(2H,m),1.51-1.58(4H,m),1.48(18H,s),1.21-1.30(2H,m)
IR(cm-1) 3630,3300,2950,1650,1540,1320,1240,1220,1070,1040
【0050】
実施例18
N−{2−(3−ヘプチルウレイド)−5−メトキシフェニル}−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド
【化66】
実施例17のシクロペンチルアミンの代わりにヘプチルアミンを用いて同様の反応操作によって標題の化合物を得た。
m.p.150-151℃
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 9.35(1H,br.s),7.79(2H,s),7.67(1H,br.s),6.86(1H,d,J=9Hz),6.57(1H,dd,J=9Hz,3Hz),6.36(1H,br.s),5.64(1H,s),4.82(1H,s),3.79(3H,s),3.11-3.16(2H,m),1.48(18H,s),1.20-1.26(10H,m),0.84(3H,t,J=7Hz)
IR(cm-1) 3400,2880,2870,1640,1560,1520,1430,1300,1240
【0051】
実施例19
N−{2−(3−アダマンチルウレイド)−5−メトキシフェニル}−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド
【化67】
実施例17のシクロペンチルアミンの代わりに1−アダマンチルアミンを用いて同様の反応操作によって標題の化合物を得た。
m.p.198-199℃
1H-NMR(δ ppm,DMSO) 10.38(1H,br.s),7.78(1H,br.s),7.73(2H,s),7.55(1H,br.s),7.24(1H,d,J=2Hz),7.15(1H,d,J=9Hz),6.69(1H,dd,J=9Hz,2Hz),6.26(1H,br.s),3.72(3H,s),1.99-2.05(3H,m),1.90-1.99(6H,m),1.53-1.68(6H,m),1.43(18H,s)
IR(cm-1) 3400,2880,2860,1680,1640,1520,1430,1300,1280,1240
【0052】
実施例20
N−{2−(3,3−ジベンジルウレイド)−5−メトキシフェニル}−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド
【化68】
実施例17のシクロペンチルアミンの代わりにジベンジルアミンを用いて同様の反応操作によって標題の化合物を得た。
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 9.82(1H,s),7.86(2H,s),7.15-7.36(11H,m),6.99(1H,s),6.68(1H,d,J=9Hz),6.54(1H,dd,J=9Hz,3Hz),5.59(1H,s),4.56(4H,s),3.62(3H,s),1.44(18H,s)
IR(cm-1) 3600,3250,2950,1640,1600,1520,1500,1450,1430,1300,1240,700
【0053】
実施例21
N−{2−(3−ヘプチル−3−メチルウレイド)−5−メトキシフェニル}−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド
【化69】
実施例17のシクロペンチルアミンの代わりにN−メチルヘプチルアミンを用いて同様の反応操作によって標題の化合物を得た。
m.p.152-153℃
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 9.70(1H,br.s),7.86(2H,s),7.29(1H,d,J=3Hz),7.06(1H,d,J=9Hz),6.84(1H,s),6.59(1H,dd,J=9Hz,3Hz),5.61(1H,s),3.65(3H,s),3.31(2H,t,J=8Hz),2.98(3H,s),1.50(18H,s),1.20-1.30(10H,m),0.86(3H,t,J=7Hz)
IR(cm-1) 3470,3270,2880,2870,1610,1520,1420,1240
【0054】
実施例22
1−〔N−{2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド)フェニル}カルバモイル〕−4−メチルピペラジン
【化70】
実施例17のシクロペンチルアミンの代わりにN-メチルピペラジンを用いて同様の反応操作によって標題の化合物を得た。
m.p.160-161℃
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 9.56(1H,s),7.84(2H,s),7.51(1H,s),7.02-7.05(2H,m),6.54(1H,dd,J=9Hz,3Hz),5.63(1H,s),3.53(4H,t,J=5Hz),3.45(3H,s),2.41(4H,t,J=5Hz),2.31(3H,s),1.51(18H,s)
IR(cm-1) 3450,3250,2950,1640,1600,1500,1440,1300,1260,1240,1090,1000
次いで、実施例1(4)と同様の反応操作によって、1−〔N−{2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド)フェニル}カルバモイル〕−4−メチルピペラジン 1塩酸塩の結晶を得た。
m.p.184-185℃
【0055】
実施例23
N−〔2−{3−(2−ピリジルメチル)ウレイド}−5−メトキシフェニル〕−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド
【化71】
実施例17のシクロペンチルアミンの代わりに2−(アミノメチル)ピリジンを用いて同様の反応操作によって標題の化合物を得た。
m.p.181-182℃
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 9.65(1H,s),8.34(1H,d,J=4Hz),7.79(2H,s),7.63(1H,s),7.46(1H,t,J=7Hz),7.26(1H,s),7.13(1H,d,J=8Hz),7.05-7.12(1H,m),6.88(1H,d,J=9Hz),6.56(,H,dd,J=9Hz,2Hz),6.11(1H,br.s),5.60(1H,s),4.49(2H,d,J=5Hz),3.75(3H,s),1.41(18H,s)
IR(cm-1) 3400,2950,1640,1600,1520,1430,1320,1240,1200,1110
【0056】
実施例24
N−〔2−{3−ベンジル−3−(2−ピリジルメチル)ウレイド}−5−メトキシフェニル〕−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド
【化72】
実施例17のシクロペンチルアミンの代わりに2−(N−ベンジルアミノメチル)ピリジンを用いて同様の反応操作によって標題の化合物を得た。
m.p.165-166℃
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 10.00(1H,br.s),8.49(1H,d,J=4Hz),7.90(2H,s),7.64(1H,d,J=2Hz),7.54-7.58(1H,m),7.12-7.22(7H,m),7.03(1H,d,J=9Hz),6.89(1H,d,J=8Hz),6.69(1H,dd,J=9Hz,3Hz),5.57(1H,s),4.66(2H,s),4.42(2H,s),3.82(3H,s),1.44(18H,s)
IR(cm-1) 3450,2950,1650,1600,1530,1480,1420,1260,1240
次いで、実施例1(4)と同様の反応操作によって、N−〔2−{3−ベンジル−3−(2−ピリジルメチル)ウレイド}−5−メトキシフェニル〕−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド 1塩酸塩の結晶を得た。
m.p.142-144℃
【0057】
実施例25
N−〔2−{3−(3,9−ジメチル−3,9−ジアザビシクロ〔3.3.1〕ノナ−7−イル)ウレイド}−5−メトキシフェニル〕−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド
【化73】
実施例17のシクロペンチルアミンの代わりに7−アミノ−3,9−ジメチル−3,9−ジアザビシクロ〔3.3.1〕ノナンを用いて同様の反応操作によって標題の化合物を得た。
m.p.210-211℃
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 8.84(1H,br.s),8.10(1H,d,J=2Hz),7.75(2H,s),7.26(1H,s),7.11(1H,d,J=8Hz),6.69(1H,dd,J=8Hz,3Hz),5.65(1H,s),5.64(1H,s),4.25(1H,t,J=7Hz),3.84(3H,s),2.68(2H,br.s),2.40(3H,s),2.26-2.35(6H,m),1.61-1.67(3H,m),1.48(18H,s),1.25(2H,d,J=14Hz)
IR(cm-1) 3420,3250,2950,1650,1530,1500,1430,1260,1240
次いで、実施例1(4)と同様の反応操作によって、N−〔2−{3−(3,9−ジメチル−3,9−ジアザビシクロ〔3.3.1〕ノナ−7−イル)ウレイド}−5−メトキシフェニル〕−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド 2塩酸塩の結晶を得た。
m.p.265-270℃
【0058】
実施例26
N−{2−(3−ベンジル−3−シクロヘプチルウレイド)−5−メトキシフェニル}−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド
【化74】
実施例17のシクロペンチルアミンの代わりにN−ベンジルシクロヘプチルアミンを用いて同様の反応操作によって標題の化合物を得た。
m.p.125-130℃
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 9.94(1H,s),7.89(2H,s),7.48(1H,s),7.33-7.18(5H,m),6.53-6.41(2H,m),6.34-6.22(1H,m),5.60(1H,s),4.48(2H,s),4.48-4.36(1H,m),3.69(3H,s),1.95-1.85(2H,m),1.72-1.50(10H,s),1.50(18H,s)
IR(cm-1) 3420,3400,3280,2928,1640,1602,1516,1238,697
【0059】
実施例27
N−〔2−{3−シクロヘプチル−3−(2−ピリジルメチル)ウレイド}−5−メトキシフェニル〕−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド
【化75】
実施例17のシクロペンチルアミンの代わりに2−(N−シクロヘプチルアミノメチル)ピリジンを用いて同様の反応操作によって標題の化合物を得た。
m.p.165-166℃
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 10.12(1H,br.s),9.63(1H,br),8.48(1H,d,J=5Hz),7.90(2H,s),7.73-7.65(2H,m),7.31(1H,d,J=8Hz),7.27-7.20(1H,m),7.01(1H,d,J=9Hz),6.65(1H,dd,J=10Hz,3Hz),5.57(1H,s),4.45(2H,s),4.40-4.31(1H,m),3.82(3H,s),1.84-1.74(2H,m),1.73-1.50(10H,m),1.49(18H,s)
IR(cm-1) 3470,3240,2928,1662,1635,1599,1522,1469,1426,1400,1304,1239
【0060】
実施例28
N−〔2−{3−(2,4−ジフルオロベンジル)−3−(2−ピリジルメチル)ウレイド}−5−メトキシフェニル〕−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド
【化76】
実施例17のシクロペンチルアミンの代わりに2−{N−(2,4−ジフルオロベンジル)アミノメチル}ピリジンを用いて同様の反応操作によって標題の化合物を得た。
m.p.176-178℃
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 9.84(1H,br.s),9.63(1H,br),8.46(1H,d,J=4Hz),7.86(2H,s),7.66-7.58(2H,m),7.28-7.16(2H,m),7.12-7.06(2H,m),6.78-6.66(2H,m),6.53-6.46(1H,m),5.58(1H,s),4.66(2H,s),4.43(2H,s),3.82(3H,s),1.44(18H,s)
IR(cm-1) 3520,3300,2958,1645,1611,1545,1537,1507,1484,1428,1238,850
【0061】
実施例29
N−〔2−{3−ベンジル−3−(3−ピリジルメチル)ウレイド}−5−メトキシフェニル〕−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド
【化77】
実施例17のシクロペンチルアミンの代わりに3−(N−ベンジルアミノメチル)ピリジンを用いて同様の反応操作によって標題の化合物を得た。
m.p.120-128℃
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 9.64(1H,s),8.48-8.42(2H,m),7.81(2H,s),7.55-7.46(2H,m),7.26-7.07(7H,m),6.89(1H,d,J=9Hz),6.56(1H,dd,J=9.3Hz),5.64(1H,s),4.58(2H,s),4.50(2H,s),3.55(3H,s),1.45(18H,s)
IR(cm-1) 3430,3230,2960,1640,1620,1524,1215,1110,713,700
【0062】
実施例30
N−{5−フルオロ−2−(3−ヘプチルウレイド)フェニル}−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド
【化78】
(1) 4−フルオロ−2−ニトロアニリン(1.56g)、ヘプチルイソシアネ−ト(1.41g)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.37g)をトルエン(5ml)中、80−90℃で5時間撹拌した。この溶液を酢酸エチルで薄め1N塩酸洗、炭酸水素ナトリウム溶液洗、水洗、飽和食塩水洗、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を留去した。得られた結晶をヘキサンで洗い1−(4−フルオロ−2−ニトロフェニル)−3−ヘプチルウレア(1.95g,66%)を得た。
(2) 1−(4−フルオロ−2−ニトロフェニル)−3−ヘプチルウレア(1.49g)のエタノール(10ml)懸濁液に10%パラジウムカーボンを触媒量加え、1〜2.5気圧で室温で5時間接触還元した。触媒を濾過、溶媒を留去し、ヘキサンから結晶化して、1−(2−アミノ−4−フルオロフェニル)−3−ヘプチルウレア(1.26g,95%)を得た。
(3) 1−(2−アミノ−4−フルオロフェニル)−3−シクロペンチルウレア(1.07g)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸(1.00g)及びジシクロヘキシルカルボジイミド(0.99g)をジクロロメタン(35ml)中、室温で3時間撹拌した。不溶物を濾過して除き溶媒を留去後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:酢酸エチル=10:1)で精製して、N−{5−フルオロ−2−(3−ヘプチルウレイド)フェニル}−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミドの結晶(1.35g,68%)を得た。
m.p.192-194℃
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 10.02(1H,br.s),7.82(2H,s),7.75(1H,m),6.98(1H,br.s),6.65(1H,m),6.57(1H,m),5.66(1H,s),5.21(1H,br.s),3.12(2H,d,J=6Hz),1.50-1.40(2H,m),1.47(18H,s),1.30-1.20(8H,m),0.85(3H,t,J=6Hz)
IR(cm-1) 3628,3346,2954,2928,1640,1532,1430,1237
【0063】
実施例31
N−{2−(3−アダマンチルウレイド)−5−フルオロフェニル}−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド
【化79】
実施例30のヘプチルイソシアネートの代わりに1−アダマンチルイソシアネートを用いて同様の反応操作によって標題の化合物を得た。
m.p.182-185℃
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 9.62(1H,br.s),7.82(2H,s),7.66(1H,dd,J=10Hz,3Hz),6.91(1H,dd,J=9Hz,6Hz),6.88(1H,m),6.38(1H,br.s),5.66(1H,s),4.53(1H,br.s),2.02(3H,br.s),1.89(6H,br.s),1.64(6H,br.s),1.50(18H,s)
IR(cm-1) 3604,3404,3262,2908,1649,1615,1543,1433,1238,756
【0064】
実施例32
N−{5−フルオロ−2−(3−ヘプチル−3−メチルウレイド)フェニル}−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド
【化80】
(1) 4−フルオロ-2-ニトロアニリン(1.56g)、ジイソプロピルアミン(1.68ml)をジクロロメタン(20ml)に溶かし、氷冷下、クロロ蟻酸フェニル(1.51g)を滴下した。室温で一夜撹拌した後、この反応液を水洗、飽和食塩水洗、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を留去、ジイソプロピルエーテルから結晶化して、フェニル 4−フルオロ−2−ニトロフェニルカルバマ−トの結晶(0.79g,29%)を得た。
(2) フェニル 4−フルオロ−2-ニトロフェニルカルバマート(0.70g)とN−メチルヘプチルアミン(0.33g)をキシレン(5ml)に溶かし、2時間加熱還流した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製して、1−(4−フルオロ−2−ニトロフェニル)−3−ヘプチル−3−メチルウレアの油状物を得た。
(3) これをエタノール(15ml)に懸濁し、10%パラジウムカーボンを触媒量加え、1〜2.5気圧で室温で2時間接触還元した。触媒を濾過、溶媒を留去して、1−(2−アミノ−4−フルオロフェニル)−3−ヘプチル−3−メチルウレアの油状物(0.82g,99%)を得た。
(4) 1−(2−アミノ−4−フルオロフェニル)−3−ヘプチル−3−メチルウレア(0.82g)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 1塩酸塩(0.67g)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸(0.88g)をジクロロメタン(10ml)に溶かし、室温で一夜撹拌した。この反応液を、水洗、飽和食塩水洗、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精製して、N−{5−フルオロ−2−(3−ヘプチル−3−メチルウレイド)フェニル}−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド(0.84g,56%)を得た。
m.p.164-167℃
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 9.80(1H,br.s),7.82(2H,s),7.30-7.20(2H,m),7.12(1H,dd,J=9Hz,6Hz),6.55(1H,m),5.64(1H,s),3.32(2H,d,J=7Hz),3.00(3H,s),1.60-1.40(20H,m),1.35-1.20(8H,m),0.86(3H,t,J=7Hz)
IR(cm-1) 3424,3274,2956,2924,2854,1633,1609,1526,1432,1315,1241,1112
【0065】
実施例33
N−{4,5−ジクロロ−2−(3−ヘプチルウレイド)フェニル}−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド
【化81】
(1) 4,5−ジクロロ−2−ニトロアニリン(2.07g)、ヘプチルイソシアネ−ト(1.41g)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.37g)をトルエン(5ml)中、80−90℃で5時間撹拌した。この溶液を酢酸エチルで薄め1N塩酸洗、炭酸水素ナトリウム溶液洗、水洗、飽和食塩水洗、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製して、1−(4,5−ジクロロ)フェニル−3−ヘプチルウレアの結晶(2.00g,58%)を得た。
(2) 1−(4,5−ジクロロ)フェニル−3−ヘプチルウレア(1.74g)のエタノール(10ml)懸濁液に10%パラジウムカーボンを触媒量加え、1〜2.5気圧で室温で5時間接触還元した。触媒を濾過、溶媒を留去し、メタノールから結晶化して、1−(2−アミノ−4,5−ジクロロフェニル)−3−ヘプチルウレア(0.54g,34%)を得た。
(3) 1−(2−アミノ−4,5−ジクロロフェニル)−3−シクロペンチルウレア(0.48g)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸(0.38g)及びジシクロヘキシルカルボジイミド(0.37g)をジクロロメタン(35ml)中、室温で3時間撹拌した。不溶物を濾過して除き溶媒を留去後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:酢酸エチル=20:1)で精製して、N−{4,5−ジクロロ−2−(3−ヘプチルウレイド)フェニル}−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミドの結晶(1.35g,68%)を得た。
m.p.209-212℃
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 10.16(1H,br.s),7.86(2H,s),7.65(1H,s),7.52(1H,br.s),6.85(1H,br.s),5.69(1H,s),4.99(1H,br.s),3.15(2H,q,J=6Hz),1.60-1.40(20H,m),1.40-1.20(8H,m),0.87(3H,t,J=6Hz)
IR(cm-1) 3610,3425,3294,2954,1662,1638,1526,1235
【0066】
実施例34
N−{2−(3−アダマンチルウレイド)−4,5−ジクロロフェニル}−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド
【化82】
実施例33のヘプチルイソシアネートの代わりに1−アダマンチルイソシアネートを用いて同様の反応操作によって標題の化合物を得た。
m.p.203-207℃
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 9.96(1H,br.s),8.19(1H,s),7.88(1H,br.s),7.79(2H,s),7.57(1H,s),7.53(1H,s),6.69(1H,br.s),2.01(3H,br.s),1.92(6H,br.s),1.62(6H,br.s),1.43(18H,s)
IR(cm-1) 3618,3320,2916,2850,1640,1631,1575,1313,1244,1233
【0067】
実施例35
N−{4,5−ジクロロ−2−(3−ヘプチル−3−メチルウレイド)フェニル}−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド
【化83】
実施例32の4−フルオロ−2−ニトロアニリンの代わりに4,5−ジクロロ−2−ニトロアニリンを用いて同様の反応操作によって標題の化合物を得た。
m.p.187-190℃
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 9.97(1H,br.s),8.07(1H,br.s),7.88(2H,s),7.39(1H,s),7.27(1H,s),5.65(1H,s),3.34(2H,m),3.03(3H,s),1.60-1.50(20H,m),1.40-1.20(8H,m),0.87(3H,t,J=6Hz)
IR(cm-1) 3500,2954,2928,1634,1590,1526,1493,1427,1320,1234,1116
【0068】
実施例36
N−{2−(3−ヘプチルウレイド)−4−メトキシフェニル}−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド
【化84】
(1) 4−メトキシ−2−ニトロアニリン(1.68g)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸(2.50g)及びジシクロヘキシルカルボジイミド(2.06g)をジクロロメタン(12ml)中、室温で6日間撹拌した。不溶物を濾過して除き溶媒を留去後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精製し、ヘキサン−酢酸エチルから結晶化して、N−(4−メトキシ−2−ニトロフェニル)−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド(1.56g,39%)を得た。
(2) N−(4−メトキシ−2−ニトロフェニル)−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド(1.50g)のエタノール(10ml)溶液に10%パラジウムカーボンを触媒量加え、1〜2.5気圧で室温で5時間接触還元した。触媒を濾過、溶媒を留去し、ヘキサン−酢酸エチルから結晶化して、N−(2−アミノ−4−メトキシフェニル)−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド(0.79g,57%)を得た。
(3) n−カプリル酸(0.32g)、ジフェニルホスホリルアジド(0.53ml)及びトリエチルアミン(0.34ml)をトルエン(5ml)中、室温で3時間、さらに80−90℃で2時間撹拌した。これに氷冷下、N−(2−アミノ−4−メトキシフェニル)−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド(0.44g)を加え徐々に室温に戻しながらら一晩撹拌する。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製して、N−{2−(3−ヘプチルウレイド)−4−メトキシフェニル}−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミドの非結晶性固体(0.57g,93%)を得た。
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 10.02(1H,s),7.88(2H,s),7.39(1H,d,J=9Hz),7.31(1H,s),6.61(1H,dd,J=9Hz,3Hz),6.01(1H,s),5.64(1H,s),5.17(1H,br.s),3.36(3H,s),3.03(2H,td,J=6Hz,8Hz),1.48(18H,s),1.40-1.20(10H,m),0.87(3H,t,J=7Hz)
IR(cm-1) 3630,3300,1632,1516,1432,1237
【0069】
実施例37
2−(3−ヘプチルウレイド)フェニル 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート
【化85】
n−カプリル酸(1.44g)、ジフェニルホスホリルアジド(2.80ml)及びトリエチルアミン(2.09ml)をトルエン(10ml)中、室温で3時間、さらに80−90℃で2時間撹拌する。これを氷冷し、o−アミノフェノール(1.09g)を加え徐々に室温に戻しながらら一晩撹拌する。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製して、1−(2−ヒドロキシフェニル)−3−ヘプチルウレアの結晶(1.58g,63%)を得た。この結晶(0.50g)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸(0.50g)及びジシクロヘキシルカルボジイミド(0.42g)をジクロロメタン(5ml)中、室温で一晩撹拌した。不溶物を濾過して除き溶媒を留去後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:酢酸エチル=10:1)で精製して、2−(3−ヘプチル)ウレイドフェニル 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートの結晶(0.58g,60%)を得た。
m.p. 160-162℃
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 8.04(2H,m),7.77(1H,d,J=8Hz),7.26(1H,m),7.17(2H,m),6.12(1H,br.s),5.84(1H,s),4.64(1H,br.t),3.16(2H,q-like,J=7Hz),1.60-1.40(20H,m),1.40-1.20(8H,m),0.86(3H,t,J=7Hz)
IR(cm-1) 3312,2958,2928,1736,1720,1645,1600,1552,1305,1223,1178,1101
【0070】
実施例38
2−(3−ヘプチルウレイド)フェニル 3,5−ジ−t−ブチル−4−{(N−ヘプチル)カルバモイルオキシ}ベンゾエート
【化86】
o−ニトロフェノール(1.39g)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸(2.50g)及び無水トリフルオ酢酸(8.5ml)の混合物を、室温で一晩撹拌した。これを氷水にあけ、炭酸水素ナトリウムで中和、酢酸エチル抽出、水洗、飽和食塩水洗、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を留去し、ジイソプロピルエーテルから結晶化して、2−ニトロフェニル 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート(2.60g,70%)を得た。
この結晶(1.11g)のエタノール(10ml)溶液に5%パラジウムカーボンを触媒量加え、1〜2.5気圧で室温で5時間接触還元した。触媒を濾過後、溶媒を留去し、2−アミノフェニル 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートの結晶(0.86g,84%)を得た。
n−カプリル酸(0.32g)、ジフェニルホスホリルアジド(0.53ml)及びトリエチルアミン(0.34ml)をトルエン(5ml)中、室温で3時間、さらに80−90℃で2時間撹拌する。これを氷冷し、2−アミノフェニル 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート(0.51g)を加え徐々に室温に戻しながらら一晩撹拌する。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムにより精製して、2−(3−ヘプチルウレイド)フェニル 3,5−ジ−t−ブチル−4−{N−(ヘプチル)カルバモイルオキシ}ベンゾエートの非結晶性固体(0.18g,19%)を得た。
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 7.80-7.78(3H,m),7.24(1H,d,J=7Hz),7.19-7.10(3H,m),5.26(1H,br.t),5.18(1H,br.t),3.31-3.21(4H,m),1.50-1.20(38H,m),0.90-0.80(6H,m)
IR(cm-1) 3314,2960,2930,1721,1525,1198,1117,749
【0071】
実施例39
N−{2−(3−ヘプチルウレイド)−3−ピリジル}−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド
【化87】
(1) 2−アミノ−3−ニトロピリジン(1.39g)、ヘプチルイソシアネ−ト(1.41g)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.37g)をトルエン(5ml)中、100−110℃で5時間撹拌した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製して、1−(3−ニトロ−2−ピリジル)−3−ヘプチルウレアの結晶(1.03g,37%)を得た。
(2) 1−(3−ニトロ−2−ピリジル)−3−ヘプチルウレア(1.00g)のエタノール(10ml)懸濁液に10%パラジウムカーボンを触媒量加え、1〜2.5気圧で室温で5時間接触還元した。触媒を濾過、溶媒を留去し、ヘキサンから結晶化して、1−(3−アミノ−2−ピリジル)−3−ヘプチルウレア(0.89g,99%)を得た。
(3) 1−(3−アミノ−2−ピリジル)−3−ヘプチルウレア(0.80g)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸(0.80g)及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 1塩酸塩(0.67g)をジクロロメタン(35ml)中、室温で3時間撹拌した。不溶物を濾過して除き溶媒を留去後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=30:1)で精製して、N−{2−(3−ヘプチルウレイド)−3−ピリジル}−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミドの非結晶性固体(1.34g,87%)を得た。
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 9.58(1H,br.s),9.48(1H,br.s),9.06(1H,br.s),8.34(1H,dd,J=8Hz,1Hz),7.96(1H,dd,J=5Hz,1Hz),7.87(2H,s),6.97(1H,dd,J=8Hz,5Hz),5.59(1H,s),2.86(2H,q,J=6Hz),1.44(18H,s),1.40-1.10(10H,m),0.85(3H,t,J=6Hz)
IR(cm-1) 3622,3250,2956,2926,1679,1564,1424,1311,1236,1114
【0072】
実施例40
N−{2−(3−アダマンチルウレイド)−3−ピリジル}−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド
【化88】
実施例39のヘプチルイソシアネートの代わりに1−アダマンチルイソシアネートを用いて同様の反応操作によって標題の化合物を得た。
m.p.198-202℃
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 9.55(1H,br.s),9.24(1H,br.s),8.38(1H,br.s),8.25(1H,dd,J=6Hz,2Hz),7.97(1H,dd,J=5Hz,2Hz),7.89(2H,s),6.96(1H,dd,J=6Hz,5Hz),5.58(1H,s),1.90-1.70(9H,m),1.60-1.40(24H,m)
IR(cm-1) 3732,3266,2908,1681,1562,1455,1319,1237
【0073】
実施例41
N−{3−(3−ヘプチルウレイド)−4−ピリジル}−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド
【化89】
(1) 3,4−ジアミノピリジン(1.09g)、ヘプチルイソシアネ−ト(1.41g)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.37g)をトルエン(10ml)中、50−60℃で5時間撹拌した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=4:1)で精製して、1−(4−アミノ−3−ピリジル)−3−ヘプチルウレアの結晶(1.09g,37%)を得た。
(2) 1−(4−アミノ−3−ピリジル)−3−ヘプチルウレア(0.50g)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸(0.60g)及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 1塩酸塩(0.46g)をジクロロメタン(10ml)中、室温で一晩撹拌した。反応液を水洗、飽和食塩水洗、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1)で精製して、N−{3−(3−ヘプチルウレイド)−4−ピリジル}−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミドの結晶(0.15g,16%)を得た。
m.p.177-180℃
1H-NMR(δ ppm,CDCl3) 10.58(1H,br.s),8.25(1H,d,J=5Hz),8.01(2H,m),7.89(2H,s),7.56(1H,br.s),5.69(1H,s),5.52(1H,br.s),3.23(2H,q-like,J=4Hz),1.81(2H,m),1.49(18H,s),1.39-1.21(8H,m),1.39-1.21(3H,t,J=7Hz)
IR(cm-1) 3360,2954,2928,1646,1590,1510,1434,1317,1237,1113
【0074】
実施例42
N−〔2−{3−(1−ベンジル−4−ピペリジル)ウレイド}−5−メトキシフェニル〕−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド
【化90】
実施例17のシクロペンチルアミンの代わりに4−アミノ−1−ベンジルピペラジンを用いて同様の反応操作によって標題の化合物を得た。
m.p.176-179℃
1H-NMR(δ ppm, CDCl3) 9.96(1H,br.s),7.82(2H,s),7.43(1H,br.s),7.33-7.06(6H,m),6.64(1H,d,J=8Hz),6.45(1H,dd,J=9,3Hz),5.62(1H,s),5.17(1H,br.d,J=7Hz),3.67(3H,s),3.62-3.50(1H,m),3.43(2H,s),2.78-2.68(2H,m),2.04-1.94(2H,m),1.78-1.68(2H,m),1.44(18H,s),1.34-1.20(2H,m)
IR(cm-1) 3400,2950,1640,1525,1510,1430,1235,740,700
【0075】
実施例43
1−(1−ベンジル−4−ピペリジル)−3−〔2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ}フェニル〕ウレア
【化91】
(1) 4−(3−ブロモプロピル)−2,6−ジ−t−ブチルフェノール(1.20g)、2−ニトロフェノール(0.51g)、炭酸カリウム(1.01g)及び触媒量のヨウ化ナトリウムをジメチルホルムアミド(10ml)中、60〜70℃で1.5時間撹拌した。反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出、水洗、飽和食塩水洗、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製して、4−{3−(2−ニトロフェノキシ)プロピル}−2,6−ジ−t−ブチルフェノール(1.05g,74%)を得た。
(2) 4−{3−(2−ニトロフェノキシ)プロピル}−2,6−ジ−t−ブチルフェノール(1.03g)のエタノール(30ml)懸濁液に10%パラジウムカーボンを触媒量加え、3〜4気圧、40℃で10時間接触還元した。触媒を濾過後、溶媒を留去し4−{3−(2−アミノフェノキシ)プロピル}−2,6−ジ−t−ブチルフェノールを得た。これをジクロロメタン(20ml)に溶かし、ジイソプロピルアミン(0.75ml)を加えた。これに氷冷下、クロロギ酸フェニル(0.84g)を滴下した。室温で一夜撹拌した後、この反応液を水洗、飽和食塩水洗、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=15:1)で精製して、1−(1−ベンジル−4−ピペリジル)−3−〔2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ}フェニル〕ウレア(1.23g,97%)を得た。
m.p.148-149℃
1H-NMR(δ ppm, CDCl3) 7.95(1H,dd,J=7,2Hz),7.35-7.20(5H,m),6.97(2H,s),6.96-6.90(2H,m),6.81(1H,dd,J=7,2Hz),6.70(1H,s),5.07(1H,s),4.56(1H,d,J=8Hz),4.03(2H,t,J=7Hz),3.62-3.70(1H,m),3.48(2H,s),2.81(2H,br.d,J=12Hz),2.70(2H,t,J=8Hz),2.15-2.09(4H,m),1.97(2H,br.d,J=11Hz),1.42(18H,s),1.50-1.35(2H,m)
IR(cm-1) 3636,3310,1641,1549,1451,1235,742
【0076】
薬理試験
上記の実施例によって製造した化合物について、ACAT阻害作用及び抗酸化作用について試験した。
1. ACAT阻害作用
方法
酵素標本ACATは、E.E. Largis等の方法(Journal of Lipid Research、30巻、681-690頁、1989年)に従い、雄性ウサギの肝臓ミクロゾーム画分から調整した。
Kazuichi NATORI等の方法(Japan, J. Pharmacol. 42巻、517-523頁、1986年)に従い、〔1−14C〕オレオイル−CoAと内因性コレステロールからのラベル化コレステロールエステルの生成量を測定することによって算出した。
【0077】
結果
次の表1に被験化合物を10-7M添加したときのラベル化コレステロールエステルの生成阻害量(%)をACAT阻害作用の指標として示す。なお、化合物は実施例の番号で示す。
表1より被験化合物が優れたACAT阻害作用を有していることが立証される。
【0078】
2. 抗酸化作用
方法
ヒトLDLを硫酸銅(5×10-6M)の存在下に、化合物(10-5M)とともに、又は化合物の非存在下に、5時間インキュベートする。インキュベーションの後に、Simon J.T. Mao等の方法(J. Med. Chem. 34巻、298-302頁、1991年)に従い、過酸化脂質の生成物の一種であるマロンジアルデヒド(MDA)の生成によって、LDL類の過酸化を評価する。化合物の活性は、対照に対してMDA生成の抑制を百分率で示した。
【0079】
結果
次の表1から被験化合物は過酸化脂質(MDA)の生成を有意に低下させることが示される。
【0080】
【表1】
【0081】
最後に、本発明の化合物を有効成分とする製剤例を下記に示す。
製剤例1
下記の処方に従い、常法により錠剤を製造した。
〔処方〕 錠剤(1錠)
実施例(8)の化合物 50mg
ヒドロキシプロピルセルロース 2mg
小麦デンプン 10mg
乳糖 100mg
ステアリン酸マグネシウム 3mg
タルク 3mg
【0082】
製剤例2
下記の処方に従い、常法によりカプセル剤を製造した。
〔処方〕 カプセル剤(1錠)
実施例(14)の化合物 200mg
澱粉 8mg
微結晶セルロース 23mg
タルク 8mg
ステアリン酸マグネシウム 5mg
【0083】
製剤例3
下記の処方に従い、常法により顆粒剤を製造した。
〔処方〕 顆粒剤(1分包)
実施例(36)の化合物 1mg
乳糖 99mg
トウモロコシデンプン 50mg
結晶セルロース 50mg
ヒドロキシプロピルセルロース 10mg
エタノール 9mg
Claims (4)
- 一般式(1)
R3及びR4は同一又は異なり、水素原子、(C1〜C7)アルキル基、シクロ(C5〜C7)アルキル基、ベンジル基(フェニル部分は、場合により、ハロゲン原子でモノ、又はジ置換されていてもよい)、ジフェニル(C1〜C4)アルキル基、ピリジル(C1〜C4)アルキル基、(C1〜C4)アルキル基で置換されていてもよいジアザビシクロノニル基、アダマンチル基、ベンジルピペリジル基を表わすか、又は、R3及びR4はこれらが結合している窒素原子と一緒になって、(C1〜C4)アルキル基で置換されていてもよいピペラジニル基を表わし、
R5及びR7は、同一又は異なり、水素原子、(C1〜C6)アルキル基を表わし、
R6は、式−OR8
(式中、R8は水素原子、(C1〜C6)アルキル基、または
または、式
で表わされる基、又は、R6とR7は一緒になって−O−CH2−O−を形成してフェニル環と縮合していてもよく、
Xは窒素原子、又はメチン基を表わし、
Aは式
で表わされる連結基を表わすものとする。尚、R1〜R9で示される各置換基のアルキル 部分、アルコキシ部分は直鎖状又は分岐状のいずれであってもよいものとする〕
で示される化合物及びその薬理学的に許容される塩。 - 請求項1に記載の化合物又はその薬理学的に許容される塩からなるACAT阻害薬。
- 請求項1に記載の化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分とし、必要により製剤上許容される担体又は賦形剤を配合してなる医薬組成物。
- 高コレステロール血症又は動脈硬化の予防あるいは治療に用いられる請求項3に記載の医薬組成物。
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