JP3668191B2 - 90ストロンチウムから多線量の90yを分離及び精製する方法 - Google Patents

90ストロンチウムから多線量の90yを分離及び精製する方法 Download PDF

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Description

【0001】
[発明の分野]
本発明は、ストロンチウムの損失及び生成する廃棄物量を最少限にしながら、ストロンチウム−90並びにその他の微量元素及び不純物から、多線量のイットリウム−90を分離及び精製する新しい方法に関する。
【0002】
[発明の背景]
慢性関節リューマチ、その他の炎症性関節及び癌のイットリウム−90(90 39Y)による治療の可能性は良く知られているが、放射性Srの損失を最小限にし且つ多量の廃棄物の流れを生ぜずに、十分な純度の90Yを分離する経済的な方法が今もなお必要とされている。90Yは、ストロンチウム−90の崩壊により生じ、以下の図表に従って安定な90Zrへと崩壊する:
【化1】
Figure 0003668191
90Yは半減期(64.0時間)が比較的短く、腫瘍治療のための放射性標識抗体又は肝悪性疾患の治療等の様々な治療の用途に適する最大ベータエネルギー(2.28MeV)を有する。
【0003】
90Yは免疫放射線治療に適することが知られているが、大量の廃棄物の流れを生ぜずに放射性Srの損失を最小限にしつつ十分な純度の90Yを分離する経済的な方法がないために、科学者及び医師が90Yを治療に使用する際には、多くの難問に遭遇する。90Yの分離と精製における以下の広範で尽きることの無い難問のために、医療に90Yを応用することは制限されてきた。90Yの半減期と崩壊の図式は様々な放射線治療への用途に適するが、90Yは十分な多線量で製造が可能でなければならない。更に、90Yが安全に臨床使用される前に、90Yが本質的に、90Sr及びその他の微量元素を含まない状態にしなくてはならない。90Srは骨髄産生を抑制するので、90Yは少なくとも107倍まで90Srが存在しない状態にしなければならない。Ca、Cu、Fe、Zn及びZr、及びその他の不純物等のような微量元素は結合部位で90Yと競合することにより放射標識の工程を妨害する可能性があるため、いかなる微量元素も90Yは含有してはならない。多量の廃棄物の流れを生ぜずに高価な放射性Srの損失を最少限にしながら、これら全ての難問を経済的な方法で克服する必要がある。
【0004】
従来、90Yは溶剤抽出、イオン交換、沈殿、及び様々な形態のクロマトグラフィーにより90Srから分離されているが、これらは全て、大量の廃棄物の流れを生ぜずに且つ放射性Srの損失を最少限にした経済的な方法で、十分な量及び純度の90Yを分離することに失敗している。多くの方法では、90Srを保持するために陽イオン交換樹脂(例えば、Dowex50)を使用し、乳酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩又はEDTA等の水溶液で90Yを溶出する。これらの方法の幾つかは、90Y生成方法の基礎として提案されている。
【0005】
米国特許第5,100,585号及び米国特許第5,344,623号では、別の核分裂生成物を含有する酸性供給溶液からストロンチウム及びテクネチウムを回収する方法が記載されている。
【0006】
90Srから90Yを分離するもう一つの方法は、ドデカン中のビス2−エチルヘキシルリン酸を使用して90Sr/90Yの希釈酸溶液から90Yを抽出することを含む。この方法は、発生源の寿命が限られ、また放射線分解による副生成物が90Sr原料溶液中に蓄積するという欠点がある。この方法には、微量不純物を減らすための初期抽出溶剤の反復的なすすぎ、及び溶解している有機リン酸塩除去のための原料溶液の反復的な洗浄を行なわなければならなという欠点もある。
【0007】
KanapillyとNewton(1971)は、90Yをリン酸塩として沈殿させることにより90Srから多線量の90Yを分離する方法を記載している。しかし、この方法ではキャリアとして非放射性イットリウムを添加する必要があるので、明らかにキャリアを伴い、従って部位の特異的な結合に不適当な90Yが産生される。これとその他の先行技術では、非放射性イットリウムのみの添加を教示している。これとその他の先行技術では、非放射性ストロンチウムの添加は教示していない。実際、先行技術は非放射性ストロンチウムの添加を示唆もしていない。
【0008】
米国特許第5,368,736号には、90Sr原料溶液から90Yを分離する方法が記載されている。90Sr溶液は90Yの発生が起きるまで十分な期間貯蔵する。この方法は、方法の初期段階での一連のSr選択性カラムの使用を指示している。大きな欠点は、90Srが非常に高価であり、90Yを新たに成長させるには90Srを再循環しなければならないので、各々のストロンチウム選択性抽出クロマトグラフィーのカラムから90Srを回収しなければならないことである。
【0009】
残念なことに、上記種々の方法は全て、以下のような欠点が1つ又は複数ある。これらの方法における第一の欠点は、微量元素の濃度が高すぎることで、このために微量元素が90Yと結合部位で競合し、その結果90Yの標識が減少することである。従って、抗体の標識前に微量元素及びその他の不純物を除去するか、又は標識後に純化するかのどちらかが必要である。第二の欠点は、イオン交換樹脂の能力が、放射線損傷により徐々に失われることである。結果としてイオン交換は臨床の用途に必要な多線量の90Yよりも少線量の90Yの精製及び分離にのみ適していると考えられる。第三の欠点は、90Srの破過を最少限にしながら許容しうる純度及び量の90Yを分離するには、一連の長いイオン交換カラムと非現実的な大容量の溶出剤の使用がしばしば必要となる。多量の廃棄物の生成及び大量の溶出剤の使用を伴わずに90Srの損失を最小限にしながら、一連の90Sr選択性抽出クロマトグラフィーカラムを用いずに、十分な質及び量の90Yを分離する経済的な方法が今も必要とされている。
【0010】
[発明の概略]
本発明は、放射性の親核種90Srの損失及び廃棄物の流れを最少限にしながら、一連の90Sr選択性抽出クロマトグラフィーカラムを用いずに、医療の用途での使用に適した化学的及び放射化学的に十分な純度の多線量の90Yを、分離及び精製する新しい方法に関する。
【0011】
本発明の目的は、選択性に優れ且つ効果的なSr沈殿法、及びY選択性でSr非選択性の樹脂の使用によって、Srから90Yを分離することである。本発明のもう一つの目的は、90Y中の90Sr活性を107分の1よりも減少される。Srからの90Yの分離方法を提供することである。本発明の更なる目的は、90Yの全回収率が95%よりも高い90Yの分離方法を提供することにある。更に、本発明のもう一つの目的は、90Srの全回収率を99.9%よりも高く且つ各処理での純度が改良された90Yの分離方法を提供することにある。更に、本発明のもう一つの目的は、廃棄物の生成及び放射線による損傷が最小であるような90Yの迅速な分離方法を提供することである。
【0012】
[図面の簡単な説明]
本発明の上記の及びその他の特徴は、以下の説明と共に添付図面を参照することで、より明白になり、またもっとも良く理解されるよう。
【0013】
図1は、以下の工程に従って90Srから90Yを分離するための単一カラムでの手順を示す:H2Oに硝酸ストロンチウムを溶解する;濃硝酸で硝酸ストロンチウム溶液を酸性化する;前記溶液を蒸発させる;ろ過又は遠心分離により、溶液から90Srを分離する;残りの90Yを富化した上澄みを蒸発させる;残りの90Yを富化した上澄みを0.1〜0.2MのHClに溶解する;上澄みを、アルキルアルキルホスホン酸を有するイットリウム選択性抽出クロマトグラフィーカラムに通す;HClで、イットリウム選択性抽出クロマトグラフィーカラムをすすぐ;1〜2MのHClで、イットリウム選択性抽出カラムからイットリウムを取り出す。
【0014】
図2は、イットリウム選択性抽出クロマトグラフィーカラムが、アルキルアルキルホスホン酸の代わりにジアルキルホスフィン酸を有する点を除いて、図1と同様に90Yを分離するための単一カラムでの手順を示す。
【0015】
[好ましい実施例の説明]
図1は、放射性90Srの損失を最小限にしながら、1つのクラマトグラフィーカラムだけで、十分に精製され且つ多線量の90Yを分離するための簡便で新しい方法を図示する。初めに、硝酸の共晶(16M)から硝酸塩としてストロンチウムを沈殿させることにより、およそ99.7%の90Srから90Yを分離する。ストロンチウムを選択的に沈殿させる一方で、ほぼ全てのイットリウムが鉄イオン及びジルコニウムイオンと共に溶液中に残る。イットリウム上澄みへの高価な90Sr損失を減らし、且つ多線量の放射性90Yの取り扱いを容易にするために、90Srに安定なストロンチウムを添加する。初期90Sr/90Y原料溶液中に存在するストロンチウム量の少なくとも80〜90%は、安定なSr、すなわち86,87,88Sr同位体にするべきである。ストロンチウム量の80〜90%を、放射性90Srではなく安定なストロンチウム同位体にすることで、混合物の比活性が減少する。もし90Yを放射線治療に適用したいなら、90Sr量を最小限にすることは重要である。90Srが多量に存在すると、90Yの分離及び精製により多くの手順と材料が必要となる。例えば、米国特許第5,368,736号に開示された方法では、3つのSr選択性クロマトグラフィーカラムが使用されている。それに反して、この新しい方法は放射性90Sr量を最少限にし、いかなる90Sr選択性クロマトグラフィーも必要としない。この新しい方法では90Sr汚染を減少する一方で、資金、場所、時間及び廃棄物の節約となる。
【0016】
図1に示すように、硝酸塩としてストロンチウムを沈殿させるには、最初にストロンチウム硝酸塩をH2Oに溶解する。硝酸塩としてのSr1グラムに対して、およそ10mlのH2Oを使用する。初期90Sr重量が20重量%ならば、十分量の放射能である28キュリー(200mg)が得られる。H2Oに硝酸ストロンチウムを溶解した後、5mLの濃硝酸を添加し2(図1)、体積が5mLに減少するまで蒸発させる(図1の工程3)。混合物の遠心分離又はろ過工程(図1の4)により、硝酸ストロンチウムとしてSrのおよそ99.7%を沈殿させる。1g(=1000mg)のSrから出発すると、1gのSrの99.7%又はそれよりも多くが沈殿する(1gの99.7%=997mg)。従って、997mgのSrが沈殿し、出発時の原料Srは上澄みに3mg残留する。上澄みに残留する3mgのSrうち、初期混合物がそれぞれ10〜20%の90Srを含有していれば、0.3〜0.6mgだけが放射性90Srである(3mgの10%=0.3mg及び3mgの20%=0.6mg)。
【0017】
上澄みの濃硝酸を乾燥するまで蒸発させ(図1の5)、残留物を0.05〜0.4MのHCl、好ましくは0.1MのHCl2〜4mLに溶解した(6)。酸はHClでなくてもよい。酸は、硝酸(HNO3)、過塩素酸(HClO4)、及び硫酸(H2SO4)からなる強酸でも良い。得られた上澄みを供給し(図1の7)、不活性高分子支持体に吸着したアルキルアルキルホスホン酸抽出溶剤を有する1つのみの抽出クロマトグラフィーカラム(通常、床体積1mLのみ)に通す(図1の10)。アルキルアルキルホスホン酸抽出溶剤を有する抽出クロマトグラフィーカラムは、90Yに対する選択性が極めて高い。アルキルアルキルホスホン酸カラムは、選択的にイットリウムを保持する一方、全てのアルカリ及びアルカリ土類金属(高価な90Srを含む)及び2価の遷移元素及び遷移元素以降の金属イオンは通過させ、再利用のために90Sr原料溶液に戻される(図1の7及び8)。イットリウム選択性抽出溶剤は、市販の2−エチルへキシル2−エチルヘキシルホスホン酸から得ても良い。しかし、前記物質から調整した抽出クロマトグラフィーカラムは、選択された錯化剤と酸を用いて徹底的に精製する必要がある。アルキルアルキルホスホン酸の炭素鎖(Cn)の長さは様々なものでよい。アルキルアルキルホスホン酸は好ましくは、C5、C6、C7、C8、C9、C10及びC11からなる任意のアルキルから選択される。このアルキルアルキルホスホン酸の説明は、例示を目的としている。アルキルアルキルホスホン酸の説明は網羅的ではなく、また開示された化学構造に本発明を限定するものではない。例えば、炭素数が11より多い又は5より少ないアルキルを持つアルキルアルキルホスホン酸を使用しても良い。
【0018】
90Srの存在を少なくとも104分の1まで減少させ且つ全90Sr活性を107分の1まで減少させるために、アルキルアルキルホスホン酸抽出クロマトグラフィーカラムの徹底的なすすぎ(例えば、床体積の20倍の体積)を、0.05〜0.4M、好ましくは0.1MのHClで行う(図1の8)。90Srを除去するための酸は、HClである必要はない。酸は、硝酸(HNO3)、過塩素酸(HClO4)、及び硫酸(H2SO4)からなる強酸でも良い。イットリウムに選択的であるカラムを通過する90Srを再利用する(再循環させる)前に、硝酸塩の最終濃度が3Mとなるように十分量の濃硝酸を添加し、得られた溶液をSr選択性カラムに通すことにより、この極少量のSrを純化することが可能である。(図1の工程7及び8)から回収された90Srを(図1の工程4)から回収された90Srへ加えると、90Srの全回収率は99.9%超となる。カラムをすすいだ後、0.5〜3.0M、好ましくは1MのHClを床体積の4倍の体積で用いて、95%超の全回収率で、イットリウム選択的カラムから90Yを溶出する。第二鉄及びジルコニウム(IV)はカラム上に保持される。酸はHClでなくても良い。イットリウムを溶出する酸は、硝酸(HNO3)、過塩素酸(HClO4)、及び硫酸(H2SO4)からなる強酸でも良い。Amberchrom XAD−7のような高分子支持体床に溶液を通すことにより、精製された90Y中に存在する微量の有機抽出溶剤又は分解生成物を除去する(図1の工程7)。臨床での適用は、90Y生成物が0.05M以下のHCl中に存在することを必要とし、これは90Yカラムの溶出物(ストリップ)の最終的な蒸発を必要にする。
【0019】
上記方法は、アルキルアルキルホスホン酸抽出溶剤を有する抽出クロマトグラフィーカラム(図1の12)を、ジアルキルホスフィン酸抽出溶剤を有するカラム(図2の21)で置換することにより、多少変更してもよい。ジアルキルホスフィン酸の炭素鎖(Cn)の長さは変更しても良い。アルキルホスホン酸と同様に、ジアルキルホスフィン酸は、好ましくはC5、C6、C7、C8、C9、C10及びC11からなる任意のアルキルから選択される。アルキルは直鎖であっても、枝分かれしていてもよい。ジアルキルホスフィン酸のこの説明は、例示が目的である。ジアルキルホスフィン酸の説明は網羅的なものではなく、本発明を開示された化学構造に限定するものではない。例えば、炭素数が11より多い又は5より少ないアルキルを有するジアルキルホスフィン酸を使用しても良い。ホスフィン酸抽出溶剤は、加水分解及び放射線分解に対して比較的安定であるが、効果的にイットリウムを保持するためには、はるかに低い酸性度が要求される。90Y(III)を効果的に保持するためには、水素イオンを0.01Mのみ含有する溶液を使用しなければならない。
【0020】
ジアルキルホスフィン酸カラムへの供給物は、0.05〜0.4HCl、好ましくは0.1MのHCl中の上澄みを蒸発させて得られた残留物を溶解して調整し(図2の13)、この溶液を、酢酸塩サイクルで従来の強塩基陰イオン交換樹脂を有する床体積の小さな(1〜2mL)カラムに通す。酸はHClである必要はない。酸は、硝酸(HNO3)、過塩素酸(HClO4)、及び硫酸(H2SO4)からなる強酸でも良い。供給溶液中の塩素は酢酸塩と置換し、酢酸を生じさせる。酢酸溶液は、ホスフィン酸含有樹脂に供給するのに適切なpH範囲である。
【0021】
ジアルキルホスフィン酸抽出クロマトグラフィーカラムにイットリウム含有溶液を供給した後で、90Srの全回収率99.9%超を得、90Sr活性を104分の1まで減少させるために、微量の90Srを全て除去するが、そのためにカラムを0.005〜0.04HCl、好ましくは0.01MのHClですすぐ(図2の19)。90Srを除去するための酸はHClである必要はない。酸は、硝酸(HNO3)、過塩素酸(HClO4)、及び硫酸(H2SO4)からなる強酸でも良い。0.05〜0.3MのHCl、好ましくは0.1MのHClを用い、90Yの全回収率95%超で、イットリウムをカラムから溶出する(図2の20)。溶出を行う酸はHClである必要はない。酸は、硝酸(HNO3)、過塩素酸(HClO4)、及び硫酸(H2SO4)からなる強酸でも良い。任意の微量の抽出溶剤又は有機分解生成物は、高分子支持体床にこの溶液を通して除去する。最終の0.05MのHCl溶液は、希釈して調製しても良い。
【0022】
次の表1及び2にイットリウム選択性樹脂上での選択された金属イオンの挙動を記載する。90Yに対する以下のデータは、表1及び2の資料を計算するために使用した:90Srの比活性(t1/2=28.6y)(λ=4.61×10-8min-1)。139Ci/g又は139mCi/mg。純粋であれば、1キュリーは90Sr=7.20mg。90Yの比活性(t1/2=64.1hr)(λ=1.80×10-4min-1)。0.544Ci/μg。1キュリーは90Y=1.84μg。抽出剤がアルキルアルキルホスホン酸の場合、表1は図1に相当する。表1のデータは以下の条件で得た:Amberchrom CG−71上のアルキルアルキルホスホン酸、粒子サイズ50〜100μm、供給物0.1MのHClで4.0mL、すすぎ0.1MのHClで2.0mL/画分、溶出物(ストリップ)1.0MのHClで2.0mL/画分。抽出剤がジアルキルホスフィン酸の場合、表2は図2に相当する。表2のデータは、以下の条件で得た:Amberchrom CG−71上のジアルキルホスフィン酸、粒子サイズ50〜100μm、床体積=1.0mL、直径0.7cm、流量=1.0mL/cm2/min、供給物1M酢酸で9.0mL、すすぎ0.01MのHClで2.0mL/画分、及び溶出物0.1MのHClで2.0mL/画分。
【0023】
【表1】
Figure 0003668191
Amberchrom CG−71上のアルキルアルキルホスホン酸、粒子サイズ50〜100μm、供給物0.1MのHClで4.0mL、すすぎ0.1MのHClで2.0mL/画分、溶出物0.1MのHClで2.0mL/画分。
【0024】
【表2】
Figure 0003668191
Amberchrom CG−71上のジアルキルホスフィン酸、粒子サイズ50〜100μm、床体積=1.0mL、直径0.7cm、流量=1.0mL/cm2/min、供給物およそ1Mの酢酸で9.0mL、すすぎ0.01MのHClで2.0mL/画分、溶出物0.1MのHClで2.0mL/画分。
【0025】
上述の本発明の好ましい実施例の上記の記載は、例示と説明の目的で記載した。これは、網羅的であること又は本発明を開示されたそのままの形態に限定することを意図したものではない。上記教示の範囲内で、多くの修正及び変化は可能である。例えば、91Yは言及されていない他の治療用途に使用しても良い。各種の酸及び抽出剤濃度及びカラムの形状の変更が必要かもしれないが、イットリウム−87及びイットリウム−91のような各種イットリウム同位体は、ここで記載されたようなイットリウム選択性樹脂を使って精製しても良い。本発明の原理と実際的な応用を最も良く説明する実施例を選んで記載したので、これにより当技術分野における通常の技術者は本発明を最大限に利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、90Srから90Yを分離するための単一カラムでの手順を示す図である。
【図2】 図2は、イットリウム選択性抽出クロマトグラフィーカラムが、アルキルアルキルホスホン酸の代わりにジアルキルホスフィン酸を有する点を除いて、図1と同様に90Yを分離するための単一カラムでの手順を示す図である。

Claims (20)

  1. (a)H2Oに初期 90Sr原料溶液の硝酸塩を溶解して、硝酸ストロンチウム溶液を作
    (b)90Yを含有する前記硝酸ストロンチウム溶液を濃硝酸で酸性化し;
    (c)前記酸性化した硝酸ストロンチウム溶液を蒸発させ;
    (d)前記蒸発させた硝酸ストロンチウム溶液をろ過又は遠心分離して、前記溶液から90Sr硝酸塩の結晶を分離し、イットリウムを富化した上澄みを作り;
    (e)前記イットリウム富化上澄みを乾燥するまで蒸発させ;
    (f)硝酸を含まない前記乾燥させたイットリウム富化澄みを、強酸に溶解し;
    (g)前記溶解させたイットリウム富化上澄みを、本質的に全ての前記イットリウム同位体を保持する一方で、その他全ての微量金属及び不純物を通すようなイットリウム選択性抽出クロマトグラフィーカラムに通し、そして前記初期 90 Sr原料溶液に再循環させ;
    (h)前記イットリウム選択性抽出クロマトグラフィーカラムを強酸ですすいで残存90Srを除去し、これを前記初期 90Sr原料溶液に再循環させ;そして
    (i)前記イットリウム同位体を、前記イットリウム選択性抽出クロマトグラフィーカラムから強酸で溶出すること;
    を含んでなる、ストロンチウム−90から、87Y、90Y又は91 Yからなるイットリウム同位体を分離及び精製する方法。
  2. 前記初期 90 Sr原料溶液のストロンチウム量の少なくとも80〜90%が安定なSrである、請求項1記載の前記Y同位体を分離及び精製する方法。
  3. 前記強酸がHCl、硫酸、過塩素酸、及び硝酸からなる群から選択される、請求項1記載の前記Y同位体を分離及び精製する方法。
  4. 前記イットリウム選択性抽出クロマトグラフィーカラム用の抽出剤が、アルキルアルキルホスホン酸である、請求項1記載の前記Y同位体を分離及び精製する方法。
  5. 90 を富化した硝酸残留物を、0.05〜0.4MのHClである前記強酸に溶解する、請求項4記載の前記Y同位体を分離及び精製する方法。
  6. 残存する前記90Srを、前記イットリウム選択性抽出クロマトグラフィーカラムから、0.05M〜0.4MのHClである前記強酸で回収し、これを前記初期 90Sr原料溶液に再循環させる、請求項4記載の前記Y同位体を分離及び精製する方法。
  7. 前記イットリウム同位体を、0.5〜3.0MのHClである前記強酸で前記イットリウム選択性抽出クロマトグラフィーカラムから溶出する、請求項4記載の前記Y同位体を分離及び精製する方法。
  8. 前記アルキルアルキルホスホン酸のアルキルがC5、C6、C7、C8、C9、C10及びC11の直鎖アルカンからなるアルキルから選択される、請求項4記載の前記Y同位体を分離及び精製する方法。
  9. 前記アルキルアルキルホスホン酸のアルキルがC5、C6、C7、C8、C9、C10及びC11の枝分かれ鎖アルカンからなるアルキルから選択される、請求項4記載の前記Y同位体を分離及び精製する方法。
  10. 前記アルキルアルキルホスホン酸のアルキルが11より大きいCnを持つアルキルである、請求項4記載の前記Y同位体を分離及び精製する方法。
  11. 前記アルキルアルキルホスホン酸のアルキルが5より小さいCnを持つアルキルである、請求項4記載の前記Y同位体を分離及び精製する方法。
  12. 前記イットリウム選択性抽出クロマトグラフィーカラム用の抽出剤がジアルキルホスフィン酸である、請求項1記載の前記Y同位体を分離及び精製する方法。
  13. 90 を富化した硝酸残留物を、0.05〜0.4MのHClである前記強酸に溶解する、請求項12記載の前記Y同位体を分離及び精製する方法。
  14. 残存する前記90Srを、前記イットリウム選択性抽出クロマトグラフィーカラムから、0.005〜0.04MのHClである前記強酸で回収し、これを前記初期90Sr原料溶液に再循環させる、請求項12記載の前記Y同位体を分離及び精製する方法。
  15. 前記イットリウム同位体を、0.05〜0.3MのHClである前記強酸で、前記イットリウム選択性抽出クロマトグラフィーカラムから溶出させる、請求項12記載の前記Y同位体を分離及び精製する方法。
  16. 90 を富化した硝酸残留物を、0.05〜0.4MのHClである前記強酸に溶解する、請求項12記載の前記Y同位体を分離及び精製する方法。
  17. 前記ジアルキルホスフィン酸のアルキルがC5、C6、C7、C8、C9、C10及びC11の直鎖アルカンからなるアルキルから選択される、請求項12記載の前記Y同位体を分離及び精製する方法。
  18. 前記ジアルキルホスフィン酸のアルキルがC5、C6、C7、C8、C9、C10及びC11の枝分かれ鎖アルカンからなるアルキルから選択される、請求項12記載の前記Y同位体を分離及び精製する方法。
  19. 前記ジアルキルホスフィン酸のアルキルが11より大きいCnを持つアルキルである、請求項12記載の前記Y同位体を分離及び精製する方法。
  20. 前記ジアルキルホスフィン酸のアルキルが5より小さいCnを持つアルキルである、請求項12記載の前記Y同位体を分離及び精製する方法。
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