JP3667927B2 - 同時オン防止手段 - Google Patents
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Description
【0001】
【技術分野】
本発明は、「1つ又は連携してオン駆動される複数の可制御スイッチング手段(例:各種トランジスタ、各種サイリスタ等。)」と「自己保持機能を持つ1つ又は連携してオン駆動される複数の可制御スイッチング手段」が有って、前者の少なくとも1つと後者の少なくとも1つが同時にオン状態になると支障を来たす(例えば、これらが電源あるいは共振コンデンサを短絡してしまう)様に接続され、しかも、外部から後者に与えられる駆動信号はどれもオン駆動信号だけに限られる場合、
後者のすべてに自己消弧機能(=自己ターン・オフ機能)を持つものを使い、前者が1つでもオンであることが検出される限り、後者のすべてをオフ状態に維持する同時オン防止手段に関する。
また、前者のすべてが自己保持機能を持ち、しかも、外部から前者に与えられる駆動信号はどれもオン駆動信号だけに限られる場合、さらに同様に前者のすべてに自己消弧機能を持つものを使い、後者が1つでもオンであることが検出される限り、前者のすべてをオフ状態に維持する様に構成すれば、両者の同時オンは完全に阻止される。
【0002】
【背景技術】
「1つ又は連携してオン駆動される複数の可制御スイッチング手段」と「自己保持機能を持つ1つ又は連携してオン駆動される複数の可制御スイッチング手段」が有って、前者の少なくとも1つと後者の少なくとも1つが同時にオン状態になると支障を来たす様に接続される場合、例えば電源または共振コンデンサを短絡する様に接続される場合(当然この電源または共振コンデンサの短絡は有ってはならない。)、後者のすべてがオフの間に「前者が1つでもターン・オン」すると、「後者の少なくとも1つ」に例えばその電源電圧またはそのコンデンサ電圧が順方向に急激に印加される。このため、その「後者の少なくとも1つ」の内部に存在するコンデンサ等(例:サイリスタのPNPN構造内のNP間接合容量など。)に変位電流が流れ、この変位電流が誤トリガー電流となってその「後者の少なくとも1つ」を誤トリガーし、誤ってターン・オンさせてしまう。その結果、その「前者のターン・オンした1つ」とその「後者の少なくとも1つ」が同時にオンとなって例えばその電源またはその共振コンデンサを短絡してしまう。
【0003】
サイリスタの場合アノード・カソード間に急峻な立上りを持つ順方向のオフ電圧を印加すると、その波高値がそのブレーク・オーバー電圧以下の大きさであってもターン・オンしてしまうことが有る。これは、アノード・カソード間の順方向のオフ電圧変化(dv/dt)によって変位電流がそのPNPN構造のNP間接合容量を流れるので、その変位電流が「そのNP間接合容量を挟む両PN接合」に対して順方向電流すなわち誤トリガー電流となってしまう、からである。
この様な誤ターン・オンを防止するために例えば「両PN接合のうちトリガー感度が良い方のカソード側ゲート・カソード間PN接合」に抵抗を並列接続してその誤トリガー電流をバイパスする。
この様にオフ状態のときアノード・カソード間に順方向電圧を加える場合オフ状態からオン状態への切換えを起こさない最大のオフ電圧上昇率(dv/dt》は『臨界オフ電圧上昇率』と呼ばれる。
【0004】
この様な変位電流による誤トリガー作用は何もサイリスタに限った事ではなく、図2〜図18各図に示す各可制御スイッチング手段など「自己保持機能を持つ可制御スイッチング手段」では必ず起きる。と言うのは、急峻な立上りを持つ順方向のオフ電圧がそれぞれの両主端子間に印加されると、変位電流が例えば各コレクタ・ベース間静電容量、各コレクタ・エミッタ間静電容量あるいはドレイン・ソース間静電容量を流れて、誤トリガー電流になってしまう、からである。
【0005】
また、この様な誤動作の他にも点火ノイズ(火花放電に伴うサージ電圧、サージ電流、電磁波ノイズ)等が引き起こす誤動作が有る。後述する図20等に示す点火装置では2つの可制御スイッチング手段の各ターン・オン直後に火花放電などが発生し、その度ごとに点火ノイズが各可制御スイッチング手段に侵入して来る。さらに、サイリスタ等を使ったスイッチング回路での急激な電流変化(例:ターン・オン時のスナバ回路中コンデンサの放電、逆回復電流など。)は装置自体のゲート回路にノイズを与えて誤動作の原因となることもあるし、負荷電流の変化によるゲート回路の電源電圧の変動が誤動作の原因となることもある。
尚、共振コンデンサを短絡する回路構成には、(後述する図25に示す実施例などで説明するが、)そのコンデンサ電圧を電圧ゼロと電源電圧の間に制限するクランプ用の可制御スイッチング手段が他の可制御スイッチング手段と同時オンすると、これらがその共振コンデンサを短絡し、そのコンデンサ電圧方向によっては短絡電流が流れてしまう回路構成が有る。あるいは、これらがその共振コンデンサと直流電源の直列回路を短絡し、そのコンデンサ電圧がゼロのとき短絡電流が流れてしまう回路構成が有る。
【0006】
これらの様な同時オンを防止する方法には、各種トランジスタや「自己消弧機能を持つ各種サイリスタ」等の「自己消弧機能を持つ可制御スイッチング手段」をオン・オフ駆動する場合ならば、制御する側は「オン駆動する時」と「オフ駆動する時」をはっきり分かるので、オフ駆動時いつもその可制御スイッチング手段の駆動信号入力用に対を成す制御端子と主端子(例:バイポーラ・トランジスタのベース端子とエミッタ端子、FETのゲート端子とソース端子、IGBTのゲート端子とエミッタ端子、GTOサイリスタのカソード側ゲート端子とカソード端子もしくはアノード側ゲート端子とアノード端子など。)の間を短絡したり、あるいは、逆バイアスしたりしてそれを強制的にオフ状態に維持する方法が有る。つまり、『そのオン・オフ駆動信号に基づいてその可制御スイッチング手段をオフ駆動するという手法』を採ることができる。
【0007】
しかし、自己消弧機能の有無に関係無く、通常のサイリスタの様にその駆動がオン駆動だけに限られる「自己保持機能を持つ可制御スイッチング手段」の場合、例えば「その可制御スイッチング手段がトリガー信号によってターン・オンし、その後のオン状態の維持がその自己保持状態に依存し、そして、そのターン・オフがその主電流がその保持電流より小さいかどうかに依存する場合」、『そのトリガー信号に基づいてその可制御スイッチング手段をオフ駆動するという手法』を採ることができない。 (問 題 点)
【0008】
例えば無理に『その可制御スイッチング手段をオン駆動しない時いつもそれをオフ駆動する』という手法を採り、そのトリガー終了後にそれをオフ駆動すると、「自己消弧機能を持つ可制御スイッチング手段」なら『直ぐターン・オフしてしまう』し、「自己消弧機能を持たない可制御スイッチング手段」でも『ラッチング電流の増加により安定したオン状態にまだ達していないためにやはりターン・オフしてしまったり、ターン・オフしないまでも完全オン状態への移行速度が遅くなってオン・スイッチング損失が増大したり、あるいは、その保持電流が増加して後述する様な弊害(例:オフ・スイッチング損失の増大、サージ電圧の発生、波形の乱れ等。)が生じたりする。』 (問 題 点)
【0009】
かと言って、前述した同時オンを防止するのに『オフ状態の時いつもそれを強制的にしっかりとオフ状態に維持する』という手法を採ることもできない。
なぜなら、オン・オフ検出手段を追加し、その可制御スイッチング手段がオフである時いつもそれを強制的にしっかりとオフ状態に維持すると、今度は『オン駆動時にそれをトリガーできなくなってしまう』からである。 (問題点)
それなら、オン駆動手段(トリガー手段)の動作をオフ状態維持手段の動作より優先させ、オン駆動時にオフ状態維持の動作を解除させる方法が考えられるが、そのオン駆動手段が点火ノイズ等により誤ってトリガーしてしまうと、その動作解除により『そのオフ状態維持手段はその可制御スイッチング手段をオフ状態に引き戻すという動作を行うことはできない。』 (問題点)
【0010】
前述した同時オンを防止する別の方法には、「自己保持機能を持つ可制御スイッチング手段」の駆動信号入力用に対を成す制御端子と主端子の間に、例えば、サイリスタのカソード側ゲート・カソード間に接続する抵抗の値を小さくしたり、あるいは、その間にコンデンサを接続したり、あるいは、短絡エミッタ構造と呼ばれ、そのカソード側ゲート・カソード間に等価的に形成する抵抗の値を小さくしたり、してその『臨界オフ電圧上昇率』を強力に強化し、前述した変位電流や点火ノイズ等が引き起こす誤トリガー動作に対して全くターン・オンしない様にする方法が有る。
【0011】
しかし、この様な方法では次の問題点が有る。
a)『通常のトリガーがし難くなる。』
b)低抵抗の接続は『そのラッチング電流や保持電流を増加させてしまう。』
c)コンデンサの接続は『そのターン・オフを遅らせてしまう。』
d)『誤動作によってターン・オンし掛かるとオフ状態に引き戻すことができない。』
【0012】
上記a)項の問題点に対してはトリガー電流を大きくすれば良いが、そのトリガー回路が点火ノイズ等により誤動作するなら点火ノイズ等には役に立たない。
上記b)項の問題点ではそのラッチング電流が増加すると、例えば同じトリガー条件だと安定したオン状態にまだ達していないためにターン・オフしてしまったり、ターン・オフしないまでも完全なオン状態への移行速度が遅くなってオン・スイッチング損失が増大したりする。それらを改善するためにトリガー期間を長くすれば、駆動電力損失が増えてしまう。そして、その保持電流が増加すると、例えば可制御スイッチング手段の両主端子(例:サイリスタのアノード端子とカソード端子など。)間を流れていた負荷電流等が減少してゼロにならないうちにその可制御スイッチング手段がターン・オフし、その負荷電流等が途中で遮断されることに結び付くので、電流波形が乱れたり、オフ・スイッチング損失が生じたり、誘導負荷などの場合サージ電圧が発生したり、あるいは、共振型回路の場合に共振コンデンサが充分に充電されなかったり、する原因となる。
一方、バイポーラ・モード・トランジスタの場合、ベース順バイアス電流値が同じままで、そのベース・エミッタ間抵抗を小さくすると、そのコレクタ電流の上限(コレクタ飽和電流値)が小さくなる事は有っても、サイリスタの保持電流の様にそのコレクタ電流の下限が大きくなる事は無いので、上述の様に負荷電流等が途中で遮断される事は無い。ましてやサイリスタのラッチングし損ねの様にオン駆動時にターン・オフする事も無いので、これらの様な問題点は無い。
上記c)項の問題点は、そのコンデンサ接続がその制御端子・主端子間の蓄積電荷を等価的に増大させるために起きる。一方、オン・オフ駆動の場合、そもそも「可制御スイッチング手段の駆動信号入力用に対を成す制御端子と主端子」の間にコンデンサを接続するという手法が使われる事は無く、その制御端子・主端子間に低抵抗を接続したり、あるいは、その制御端子・主端子間を逆バイアスしたりする手法が良く使われるので、この様な問題点は無い。
上記d)項の問題点は結局オフ駆動しないのだからオフ状態に引き戻すことができない。
【0013】
以上述べて来た様に「自己消弧機能を持つ可制御スイッチング手段」をオン・オフ駆動する場合『そのオン・オフ駆動信号に基づいてその可制御スイッチング手段をオフ駆動するという手法』を採ることができるのに対して、自己消弧機能の有無に関係無く、通常のサイリスタの様にその駆動がオン駆動だけに限られる「自己保持機能を持つ可制御スイッチング手段」の場合、例えば「その可制御スイッチング手段がトリガー信号によってターン・オンし、その後のオン状態の維持がその自己保持状態に依存し、さらに、そのターン・オフがその主電流がその保持電流より小さいかどうかに依存する場合」、『そのトリガー信号に基づいてその可制御スイッチング手段をオフ駆動するという手法』を採ることができない。この様な独特の問題点が「その駆動がオン駆動だけに限られる場合」に有る。
【0014】
そこで、本発明は『トリガーし難くならず、ラッチング電流や保持電流が増加することが無く、ターン・オフが遅くならず、誤動作によってターン・オンし掛かるとオフに引き戻すことができる』同時オン防止手段を提供することを目的としている。 ( 発 明 の 目 的 )
【0015】
【発明の開示】
即ち、本発明は、「1つ又は連携してオン駆動される複数の可制御スイッチング手段」と「自己保持機能を持つ1つ又は連携してオン駆動される複数の可制御スイッチング手段」が有って、前者の少なくとも1つと後者の少なくとも1つが同時にオン状態になると支障を来たす様に接続され、しかも、外部から後者に与えられる駆動信号はどれもオン駆動信号だけに限られる場合、
後者のすべてに自己消弧機能を持つものを使い、
「前者のすべてのオン・オフを検出して前者のオン・オフ検出信号を出力する前者のオン・オフ検出手段」と、
「前者のオン・オフ検出信号に基づいて動作し、前者が1つでもオンであることを前者のオン・オフ検出手段が検出する限り後者のすべてをオフ状態に維持する後者のオフ維持手段」を設けた同時オン防止手段である。
【0016】
このことによって、前者が1つでもオンである限り、後者のオフ維持手段が後者のすべてを強制的にオフ状態に維持してターン・オンを阻止するので、前者が1つでもオンのとき、両者の同時オンを防止することができる。
(同時オン防止効果)
【0017】
しかも、前者のすべてがオフの間は後者のオフ維持手段は後者がトリガーされてターン・オンするのを阻止しないので、後者の可制御スイッチング手段はどれもトリガーし難くならない。 ( 第 1 効 果 )
また、そのターン・オン阻止の解除によって後者の可制御スイッチング手段はどれもラッチング電流も保持電流も増加しない。 ( 第 2 効 果 )
さらに、駆動信号入力用に対を成す制御端子と主端子の間にコンデンサを接続する従来方法と違って後者の可制御スイッチング手段はどれもターン・オフは遅くならない。 ( 第 3 効 果 )
それから、後者の可制御スイッチング手段のどれかが誤動作によってターン・オンし掛かると、後者のオフ維持手段がそれをオフ状態に引き戻すことができる。 ( 第 4 効 果 )
【0018】
本発明が請求項2記載の同時オン防止手段に対応する場合、後者が1つでもオンである限り、前者のオフ維持手段が前者のすべてを強制的にオフ状態に維持してターン・オンを阻止するので、後者が1つでもオンのとき、両者の同時オンを防止することができる。その結果、その同時オン防止作用は完壁となる。
(完璧な同時オン防止効果)
【0019】
しかも、後者のすべてがオフの間は前者のオフ維持手段は前者がトリガーされてターン・オンするのを阻止しないので、前者の可制御スイッチング手段はどれもトリガーし難くならない。 ( 第 1 効 果 )
また、そのターン・オン阻止の解除によって前者の可制御スイッチング手段はどれもラッチング電流も保持電流も増加しない。 ( 第 2 効 果 )
さらに、駆動信号入力用に対を成す制御端子と主端子の間にコンデンサを接続する従来方法と違って前者の可制御スイッチング手段はどれもターン・オフは遅くならない。 ( 第 3 効 果 )
それから、前者の可制御スイッチング手段のどれかが誤動作によってターン・オンし掛かると、前者のオフ維持手段がそれをオフ状態に引き戻すことができる。 ( 第 4 効 果 )
【0020】
本発明が請求項3記載の同時オン防止手段に対応する場合、前者は「連携してオン駆動される複数の可制御スイッチング手段」から成り、前者のオン・オフ検出手段は同項記載中の「そのうちの1つの可制御スイッチング手段」のオン・オフを直接検出するのではなく同項記載中の「その残りの可制御スイッチング手段」を介して検出する。
【0021】
本発明が請求項4記載の同時オン防止手段に対応する場合、後者は「連携してオン駆動される複数の可制御スイッチング手段」から成り、後者のオン・オフ検出手段は同項記載中の「そのうちの1つの可制御スイッチング手段」のオン・オフを直接検出するのではなく同項記載中の「その残りの可制御スイッチング手段」を介して検出する。
【0022】
【発明を実施するための最良の形態】
本発明をより詳細に説明するために以下添付図面に従ってこれを説明する。図1の実施例は請求項1又は2記載の同時オン防止手段に対応し、前述した前者、後者それぞれの可制御スイッチング手段の数は1つずつで、それぞれのオン駆動だけを行う各トリガー手段は省略されている。
図1の実施例では以下の通りそれぞれが前述した各構成要素に相当するが、前述した前者のオン・オフ検出手段と後者のオフ維持手段は1つの手段に、請求項2記載中の「後者のオン・オフ検出手段」と「前者のオフ維持手段」も1つの手段にそれぞれまとまっている。
a)可制御スイッチング手段107が前述した前者に。
(図11の可制御スイッチング手段と同じ。)
b)可制御スイッチング手段108が前述した後者に。
(図11の可制御スイッチング手段と同じ。)
c)「直流電源41、可制御スイッチング手段107、ダイオード48、49、142及びトランジスタ54等が形成するオン・オフ検出手段とオフ維持手段」が「前述した前者のオン・オフ検出手段と後者のオフ維持手段」をまとめた手段に。
d)「直流電源41,トランジスタ53、ダイオード42、148、149及び可制御スイッチング手段108等が形成するオン・オフ検出手段とオフ維持手段」が「前述した後者のオン・オフ検出手段と前者のオフ維持手段」をまとめた手段に。
【0023】
自己保持型の可制御スイッチング手段107、108は直流電源41を短絡する様に接続されている。つまり、これらが同時にオン状態になると支障を来たす様に接続されている。それぞれのトリガー信号は入力端子t3、入力端子t4、t5から入力される。可制御スイッチング手段107がオンである限りトランジスタ54が可制御スイッチング手段108中のトランジスタ20のベース・エミッタ間を短絡して可制御スイッチング手段108のターン・オンを阻止したり、それを強制的にオフに保ったりする。一方、可制御スイッチング手段108がオンである限りトランジスタ53が可制御スイッチング手段107中のトランジスタ21のベース・エミッタ間を短絡して可制御スイッチング手段107のターン・オンを阻止したり、それを強制的にオフに保ったりする。
尚、ダイオード48、148それぞれを流れるオン・オフ検出用電流が可制御スイッチング手段107、108それぞれのターン・オフを妨げない様に、各オン・オフ検出用電流の大きさはそれぞれの保持電流より小さく設定される。
【0024】
図19の実施例も請求項1又は2記載の同時オン防止手段などに対応し、前述した前者、後者それぞれの可制御スイッチング手段の数は1つずつで、それぞれのオン駆動だけを行う各トリガー手段は省略されている。図19の実施例では以下の通りそれぞれが前述した各構成要素に相当する。
a)可制御スイッチング手段200が前述した前者に。
(図5の可制御スイッチング手段と同じ。)
b)可制御スイッチング手段201が前述した後者に。
(図5の可制御スイッチング手段と同じ。)
c)「直流電源41、可制御スイッチング手段200、ダイオード48、49、142、トランジスタ51、52及び抵抗50等が形成するオン・オフ検出手段とオフ維持手段」が「前述した前者のオン・オフ検出手段と後者のオフ維持手段」をまとめた手段に。
d)「直流電源41、トランジスタ43、44、ダイオード42、148、149、抵抗46及び可制御スイッチング手段201等が形成するオン・オフ検出手段」が請求項2記載中の後者のオン・オフ検出手段に。
e)「トランジスタ45等が形成するオフ維持手段」が請求項2記載中の前者のオフ維持手段に。
【0025】
もちろん、ダイオード48、148それぞれを流れるオン・オフ検出用電流が可制御スイッチング手段200、201それぞれのターン・オフを妨げない様に各オン・オフ検出用電流の大きさはそれぞれの保持電流より小さく設定される。また、それぞれのトリガー信号は入力端子t1,入力端子t2から入力される。
【0026】
図20の実施例は、請求項1記載の同時オン防止手段に対応し、「トランジスタ61〜65等で構成される図16の可制御スイッチング手段」とサイリスタ60を用いた直列インバータ方式の点火装置の回路である。図20の実施例では前述した前者、後者それぞれの可制御スイッチング手段の数は1つずつで、トランジスタ66等がサイリスタ60のオン・オフを検出し、サイリスタ60がオンである限りトランジスタ66等が「トランジスタ61〜65等が形成する可制御スイッチング手段」をオフ状態に維持する。図中55は3端子レギュレータ、56はマイナス電圧を出力するDC−DCコンバータ、67は点火コイル(昇圧用変圧器)、68は点火用放電ギャップである。
【0027】
「トランジスタ61〜65等が形成する可制御スイッチング手段」ではトランジスタ61がトランジスタ62の主電流を拡大し、トランジスタ64等がトランジスタ62のベース・エミッタ間電圧を検出するのをトランジスタ61のベース・エミッタ間電圧が助け、「トランジスタ62のベースとトランジスタ61のエミッタの間の電圧」の大きさからその主電流がその保持電流より大きいかどうかトランジスタ64等が検出する。この可制御スイッチング手段が自己保持状態に有るとき、トランジスタ64がトランジスタ65を介してトランジスタ63をオンに保つ。
【0028】
この主回路の元は「DC−DCコンバータ56と電源コンデンサ57が形成する直流電源」、上述した可制御スイッチング手段、サイリスタ60、転流コンデンサ(共振コンデンサ)71及び1次コイル67aが構成する直列インバータである。それから、この直列インバータ式点火装置の制御方式は従来と異なる。この点火装置では上述した可制御スイッチング手段とサイリスタ60が交互にターン・オンするタイミングが自動的に最適となる様に、両者は互いに相手がターン・オフすると、相手のターン・オフによって自分がトリガーされる様になっている。つまり、互いに相手のターン・オフが自分のターン・オンの引き金(トリガー)になるのである。そこで、以後、この様な制御方式のことをターン・オフ・トリガー方式と呼ぶことにする。 (参考:日本特開昭62−5019号)
【0029】
そのために、トランジスタ58等が上述した可制御スイッチング手段のオン・オフを検出し、トランジスタ66等がサイリスタ60のオン、オフを検出する。これらのオン・オフ検出手段の構成は図1、図19の各実施例のそれと基本的に同じである。もちろん、ダイオード48、148それぞれを流れるオン・オフ検出用電流がその可制御スイッチング手段とサイリスタ60それぞれのターン・オフを妨げない様に各オン・オフ検出用電流の大きさは各保持電流より小さく設定される。
【0030】
先ず、サイリスタ60のトリガー動作について説明する。パルス・トランス74の使い方は通常と異なり、その磁束の飽和を積極的に利用する使い方である。トランジスタ59がターン・オンすると、パルス・トランス74の2次側に誘起される電圧がサイリスタ60のゲートに与えられるが、パルス・トランス74の磁束が直ぐに飽和するので、この電圧も直ぐに減衰し、サイリスタ60のトリガー動作は微少な時間で終わる。この微少な時間が1次コイル67aの電流などによって決まるサイリスタ60のオン期間に影響を与えない程度の長さで、しかも、サイリスタ60のトリガー・パワーが充分である様に、本発明者は抵抗75の値とパルス・トランス74の特性などを設定している。当然の事ながら、パルス・トランス74の励磁インダクタンスは通常のそれより小さい。トランジスタ59がターン・オフすると、パルス・トランス74の磁気エネルギーは抵抗73とツェナー・ダイオード72で消費され、サイリスタ60の次のトリガーが準備される。
【0031】
次に、「トランジスタ61〜65等が形成する可制御スイッチング手段」のトリガー動作について述べる。サイリスタ60と共にトランジスタ66がオンであると、トランジスタ66のコレクタから抵抗76、ダイオード78等を通ってアースへ電流が流れる。従って、トランジスタ63のベース電位は約プラス0.6ボルトに保たれ、トランジスタ63は僅かにベース逆バイアスされ、そのターン・オンは阻止される。同時に、コンデンサ77も充電され、前記可制御スイッチング手段のトリガー動作が準備される。サイリスタ60と共にトランジスタ66がターン・オフすると、コンデンサ77が抵抗79とトランジスタ63のエミッタ・ベース間などを介して放電するので、その可制御スイッチング手段はトリガーされてターン・オンする。
【0032】
この点火装置の全体の動作は次の様になる。入力端子t6に入力されている点火信号が立ち上がるとき、「トランジスタ61〜65等が形成する可制御スイッチング手段」とトランジスタ58はオフだから、トランジスタ59がターン・オンし、パルス・トランス74がサイリスタ60をトリガーする。一番最初にサイリスタ60がターン・オンするとき、転流コンデンサ71の電圧はゼロだから、電源コンデンサ57の電圧がそのまま1次コイル67aに印加される。その結果、2次コイル67bには高電圧が誘起され、点火用放電ギャップ68でスパーク(火花放電)等が発生する。その後、その1次側電流がゼロになって、サイリスタ60がターン・オフすると、同時にトランジスタ66もターン・オフするので、コンデンサ77が上述した可制御スイッチング手段をトリガーし、ターン・オンさせる。
【0033】
「トランジスタ61〜65等が形成する可制御スイッチング手段」がターン・オンすると、転流コンデンサ71の電圧が先程と反対向きに1次コイル67aに印加される。その結果、2次コイル67bに先程と反対向きの高電圧が誘起され、点火用放電ギャップ68でスパーク等が発生する。上述した可制御スイッチング手段と共にトランジスタ58がターン・オンするとき入力端子t6に入力されている点火信号がハイ・レベルであれば、トランジスタ58がトランジスタ59をターン・オフさせるので、上述した可制御スイッチング手段のオン期間中にパルス・トランス74の磁気エネルギーは放出され、サイリスタ60の次のトリガーが準備される。その後、その可制御スイッチング手段と共にトランジスタ58がターン・オフするとき、前記点火信号がハイ・レベルであれば、トランジスタ59がターン・オンし、パルス・トランス74がサイリスタ60をトリガーし、ターン・オンさせる。
【0034】
サイリスタ60がターン・オンすると、転流コンデンサ71の電圧と電源コンデンサ57の電圧の和が1次コイル67aに印加される。その結果、2次コイル67bには高電圧が誘起され、点火用放電ギャップ68でスパークが発生する。その後、その1次側電流がゼロになって、サイリスタ60がターン・オフすると、同時にトランジスタ66もターン・オフするので、コンデンサ77が上述した可制御スイッチング手段をトリガーし、ターン・オンさせる。
以後同様に同じ事が繰り返され、この点火装置は発振する。この繰り返しは前記点火信号がハイ・レベルにある限り続く。しかし、「トランジスタ61〜65等が形成する可制御スイッチング手段」と共にトランジスタ58がターン・オフするとき、前記点火信号がロー・レベルであれば、トランジスタ59はオフのままで、この点火装置の発振、点火動作は停止し、スパーク等の発生は止まる。
【0035】
尚、この直列インバータ方式の点火装置は転流コンデンサ71の充電時と放電時にスパークを発生する。一方、よく知られているCDI(コンデンサ放電点火)方式の点火装置はそのコンデンサの放電時にのみスパークを発生する。そこで、以後この様な点火方式のことをコンデンサ充放電点火方式、あるいは、簡単にCCDI(Condenser Charge and Discharge Ignition)方式とか、ダブルCDI方式と呼ぶことにする。
【0036】
それから、「トランジスタ61〜65等が形成する可制御スイッチング手段」のターン・オフによってサイリスタ60がトリガーされてターン・オンするが、サイリスタ60のターン・オンによってターン・オフしたばかりの上記可制御スイッチング手段の両主端子間に電源電圧が印加されても、上記可制御スイッチング手段は絶対にターン・オンすること無い。その結果、電源短絡は絶対に無くスムーズにサイリスタ60と上記可制御スイッチング手段のオン、オフが切り換わり、安心できる。
【0037】
図21の実施例は請求項1又は2記載の同時オン防止手段に対応する。図21の実施例もCCDI方式の点火装置の回路で、その制御方式は前述のターン・オフ・トリガー方式である。この回路は図20のサイリスタ60の代わりに図15に示す「トランジスタ81〜85等が構成する自己保持機能と自己消弧機能を持つ可制御スイッチング手段」を使った回路である。その可制御スイッチング手段ではトランジスタ81等が「トランジスタ84のベースとトランジスタ85のエミッタの間の電圧」を検出することによってその主電流が保持電流より大きいかどうか検出する。そして、その主電流が保持電流より大きいときトランジスタ81がトランジスタ82を介してトランジスタ83をオン制御し、そうでなければオフ制御する。
【0038】
「トランジスタ61〜65等が構成する可制御スイッチング手段」がオンである限り、トランジスタ58はトランジスタ59だけでなく「トランジスタ81〜85等が構成する可制御スイッチング手段」もオフに保つ。従って、両可制御スイッチング手段がDC−DCコンバータ56と電源コンデンサ57を短絡することは完全に阻止される。トランジスタ59がターン・オンすると、コンデンサ80の充電電流がトランジスタ82のエミッタ・ベース間に流れるので、「トランジスタ81〜85等が構成する可制御スイッチング手段」がトリガーされる。反対に、トランジスタ59がターン・オフすると、コンデンサ80が放電し、この可制御スイッチング手段の次のトリガー動作が準備される。この点火装置全体の動作は図20の点火装置のそれと同じである。
【0039】
尚、「トランジスタ61〜65等から成る可制御スイッチング回路」を図10あるいは図11のそれと置き換えることができる。
【0040】
図22図の実施例は、請求項1又は2記載の同時オン防止手段に対応し、直流電源41の短絡を防ぐ機能を持ち、図10の可制御スイッチング手段と同じ可制御スイッチング手段112、113、118、119の4つを使用したブリッジ接続型直列インバータである。この主回路の元は、直流電源41、これら4つの可制御スイッチング手段、整流器47a、47b、147a、147bの4つ、転流リアクトル86、転流コンデンサ87、負荷抵抗88で構成される。
可制御スイッチング手段118、112は互いに相手がオンである限り自分のターン・オンが阻止され、可制御スイッチング手段119、113も互いに相手がオンである限り自分のターン・オンが阻止される。その制御方式は前述のターン・オフ・トリガー方式である。
【0041】
図22図の実施例の動作は次の通りである。このインバータ起動時に入力端子t8に入力されている起動・停止信号が立ち下がり、トランジスタ100がターン・オンすると、コンデンサ101の充電電流がトランジスタ102のベース・エミッタ間に流れるので、トランジスタ102が可制御スイッチング手段119をトリガーする。可制御スイッチング手段119がオンのとき、トランジスタ98が可制御スイッチング手段113をオフに保つ一方、トランジスタ93が可制御スイッチング手段112をオンに保つ。このため、この時、トランジスタ95が可制御スイッチング手段118をオフに保ち、また、トランジスタ92がコンデンサ91を充電する。
つまり、可制御スイッチング手段119がオンである限り、トランジスタ93が可制御スイッチング手段112をオンに保つので、トランジスタ92は可制御スイッチング手段112のオン・オフ検出から可制御スイッチング手段119、112両方がオフであるかどうかを検出することができるのである。
【0042】
可制御スイッチング手段119、112両方がターン・オフすると、コンデンサ91の放電電流がトランジスタ90のベース・エミッタ間に流れるので、トランジスタ90、89が可制御スイッチング手段118をトリガーする。可制御スイッチング手段118がオンのとき、トランジスタ94が可制御スイッチング手段112をオフに保つ一方、トランジスタ97が可制御スイッチング手段113をオンに保つ。このため、この時トランジスタ96が可制御スイッチング手段119をオフに保ち、そして、トランジスタ99がトランジスタ100をオフに保って、コンデンサ101を放電させる。
つまり、可制御スイッチング手段118がオンである限り、トランジスタ97が可制御スイッチング手段113をオンに保つので、トランジスタ99は可制御スイッチング手段113のオン・オフ検出から可制御スイッチング手段118、113両方のオン・オフを検出することができるのである。
【0043】
可制御スイッチング手段118、113と共にトランジスタ99がターン・オフするとき、前記起動・停止信号がロー・レベルならば、トランジスタ100がターン・オンし、以後同様に同じ事が繰り返され、この直列インバータは発振する。この繰り返しは前記起動・停止信号がロー・レベルにある限り続く。しかし、そのターン・オフのとき、前記起動・停止信号がハイ・レベルならば、トランジスタ100はオフのままで、このインバータの動作は停止する。
【0044】
図23、図24両図に示す実施例は、請求項1又は2記載の同時オン防止手段に対応し、直流電源41の短絡を防ぐ機能を持ち、図11の可制御スイッチング手段と同じ可制御スイッチング手段107〜110の4つを用いたブリッジ接続型直列インバータの回路である。符号u1〜u8に関して同じ符号を付した導線同士はそれぞれ接続状態に有る。直流電源41の短絡を防ぐ回路構成は図1の実施例を2つ利用しており、可制御スイッチング手段107、108は互いに相手がオンである限り自分のターン・オンが阻止され、可制御スイッチング手段109、110も互いに相手がオンである限り自分のターン・オンが阻止される。
【0045】
また、このインバータの制御方式は前述のターン・オフ・トリガー方式で、そのためにトランジスタ92、104等が可制御スイッチング手段108、109両方がオフであるかどうかを検出し、トランジスタ99、105等が可制御スイッチング手段107、110両方がオフであるかどうかを検出する。
そして、入力端子t9に入力されている起動・停止信号が立ち下がったとき、あるいは、この信号がロー・レベルにある間に可制御スイッチング手段107、110がどちらもオンでなくなったとき、トランジスタ102、106等が可制御スイッチング手段108、109をトリガーする。反対に、可制御スイッチング手段108、109がどちらもオンでなくなったき、トランジスタ89、90、132等が可制御スイッチング手段107、110をトリガーする。
【0046】
図25の実施例は請求項1、2又は3記載の同時オン防止手段に対応し、前述した前者の可制御スイッチング手段の数は2つで、前述した後者の可制御スイッチング手段の数は1つである。可制御スイッチング手段111、113両方が同時オンすると、整流器70、可制御スイッチング手段113、111及び整流器49の直列回路が転流コンデンサ71を短絡してしまう回路構成になっている。また、可制御スイッチング手段112がオンである限りトランジスタ114等が可制御スイッチング手段113をトリガーし続けるので、トランジスタ66等は可制御スイッチング手段113のオン・オフ検出から可制御スイッチング手段112、113両方がオフであるかどうかを検出することができる。
【0047】
図25の実施例は前述のCCDI方式の点火装置の回路で、しかも、その制御方式は前述のターン・オフ・トリガー方式である。さらに、1次コイル67aに対してフライホイール・ダイオードと同様の役割を果たす手段がこの回路に有り、その手段は転流コンデンサ(共振コンデンサ)71の電圧を電圧ゼロと直流電源141の電圧の間に制限するクランプ手段でもある。
可制御スイッチング手段112がオンのとき、整流器70と可制御スイッチング手段113が1次コイル67aに対してフライホイールーダイオードの様に作用する。そのために、可制御スイッチング手段112がオンである限り、トランジスタ114等が可制御スイッチング手段113をトリガーし続ける。一方、可制御スイッチング手段111がオンのとき、可制御スイッチング手段111と整流器49、69が1次コイル67aに対してフライホイール・ダイオードの様に作用する。あるいは、整流器69が転流コンデンサ71の電圧反転を阻止し、可制御スイッチング手段113がオンのとき、整流器147、70及び可制御スイッチング手段113の直列回路が転流コンデンサ71の電圧を直流電源141の電圧にクランプする。
【0048】
それから、直流電源141又は転流コンデンサ71の短絡を阻止するために、可制御スイッチング手段112又は113がオンのとき、トランジスタ66が可制御スイッチング手段111をオフに保つ。そして、可制御スイッチング手段111がオンのとき、トランジスタ94が可制御スイッチング手段112をオフに保ち、トランジスタ58が可制御スイッチング手段113をオフに保つ。
尚、可制御スイッチング手段113は可制御スイッチング手段112に連携してオン駆動されるので、トランジスタ66等は、可制御スイッチング手段113のオン・オフ検出から可制御スイッチング手段112、113両方がオフであるかどうかを検出することができる。全体のトリガー動作は図21の回路のそれと同様である。
【0049】
図26の実施例は請求項1、2、3又は4記載の同時オン防止手段に対応し、前述した前者、後者の可制御スイッチング手段の数は2つずつである。可制御スイッチング手段111、113両方が同時オンすると、整流器70、可制御スイッチング手段113、111及び整流器49の直列回路が転流コンデンサ71を短絡し、可制御スイッチング手段112、115両方が同時オンすると、可制御スイッチング手段115、整流器69、149及び可制御スイッチング手段112の直列回路が直流電源141を転流コンデンサ71に直結してしまう回路構成になっている。転流コンデンサ71の充電電圧方向によってはその直結は一種の電源短絡になってしまう。
【0050】
図26の実施例も前述のCCDI方式の点火装置の回路で、しかも、その制御方式も前述のターン・オフ・トリガー方式で、さらに、1次コイル67aに対してフライホイール・ダイオードと同様の役割を果たす手段も持つ。図26の実施例は図25の実施例と一部構成が異なり、可制御スイッチング手段111がオンのとき、可制御スイッチング手段115(一点鎖線で囲まれた部分)と整流器69が1次コイル67aに対してフライホイール・ダイオードの様に作用する。そのために、可制御スイッチング手段111がオンである限り、トランジスタ116等が可制御スイッチング手段115をトリガーし続ける。
また、トランジスタ58、94は、可制御スイッチング手段115のオン・オフ検出から、可制御スイッチング手段111、115両方がオフであるかどうかを検出することができる。さらに、可制御スイッチング手段112又は113がオンのとき、トランジスタ66、117が可制御スイッチング手段111、115をオフに保つ。後は図25の実施例と同じである。
【0051】
図27の実施例は「2組の点火コイル67、167と点火用放電ギャップ68、168」及び「電子配電機能」を持つ、前述のCCDI方式の点火装置の回路である。この主回路は図25の実施例の主回路を利用している。切換えスイッチ122によって点火用放電ギャップ68、168どちらかでスパークが発生する。この主回路は次の通りである。可制御スイッチング手段112が1次コイル67aを介して転流コンデンサ71を充電し、可制御スイッチング手段130が1次コイル167aを介して転流コンデンサ121を充電する。そして、可制御スイッチング手段111が1次コイル67aを介して転流コンデンサ71を放電させ、1次コイル167aを介して転流コンデンサ121を放電させる。
さらに、可制御スイッチング手段112又は130がオンのとき、1次コイル67a、167aそれぞれに対して可制御スイッチング手段113と整流器70、131それぞれがフライホイール・ダイオードの様に作用する。そのために、可制御スイッチング手段112又は130がオンである限り、トランジスタ114等が可制御スイッチング手段113をトリガーし続ける。
【0052】
図28の実施例は「2組の点火コイル67、167、点火用放電ギャップ68、168」及び電子配電機能を持つ前述したCCDI方式の点火装置の回路である。この主回路は図20の実施例の主回路を利用している。切換えスイッチ122によって、点火用放電ギャップ68、168どちらかでスパークが発生する。可制御スイッチング手段118が1次コイル67aを介して転流コンデンサ71を充電し、可制御スイッチング手段119が1次コイル167aを介して転流コンデンサ121を充電する。
そして、可制御スイッチング手段120が1次コイル67aを介して転流コンデンサ71を放電し、1次コイル167aを介して転流コンデンサ121を放電する。可制御スイッチング手段120がオンのとき、トランジスタ99がトランジスタ128、95、96を通じて可制御スイッチング手段118、119をオフに保つ。同時に、トランジスタ99がトランジスタ100をオフに保って、コンデンサ101を放電させる。
一方、可制御スイッチング手段118又は119がオンのとき、トランジスタ123が、トランジスタ124を通じて可制御スイッチング手段120をオフに保ち、同時にコンデンサ125を充電する。可制御スイッチング手段118、119がどちらもオンでなくなったとき、コンデンサ125の放電電流に従ってトランジスタ126、127が可制御スイッチング手段120をトリガーする。全体動作は他の実施例と同様である。
【0053】
最後に、各実施例では「自己保持機能と自己消弧機能を持つ可制御スイッチング手段」それぞれのオン・オフを検出する際に、それがオンの間その両主端子間にオン・オフ検出用電流が流れているが、そのターン・オフを妨げない様にそのオン・オフ検出用電流の大きさはその保持電流の大きさより小さくしなければならない。
【0054】
【本発明の追加効果】
従来技術(特開昭58−81332号)から考えられる同時オン防止回路の1例を図29に示す。図中326は「アノード側にゲート端子を持つマイナス・ゲート型のGTOサイリスタ」、329は普通のGTOサイリスタ、327、330はそれぞれゲート逆バイアス用の直流電源、328、331はそれぞれオン・オフ駆動回路である。GTOサイリスタ326、329はどちらもオフ駆動の時ゲート逆バイアスされる。
しかしながら、『GTOサイリスタ329の陽極電流(又は326の陰極電流)が流れている最中にゲート・ターン・オフとゲート・ターン・オンでGTOサイリスタ329、326のオン・オフを切り換える場合、図29の回路には同時オン防止機能は無い。』 (問 題 点)
その理由は、「オン・オフ駆動されるGTOサイリスタ」固有のターン・オフ特性のために図29の回路で使用されるオン・オフ検出回路ではそのオン・オフをきちんと検出することができない、からである。図30に「その陽極電流が流れている最中にゲート・ターン・オフさせられるGTOサイリスタ」のゲート・ターン・オフ特性の1例を示す。図中ターン・オフ時の時間符号は以下の通りである。
t(gq)……ゲート・ターン・オフ時間
t(s)……蓄積時間
t(f)……立下り時間
t(tl)……テイル(tail)時間
ゲート・ターン・オフ時間t(gq)は通常「(負)ゲート電流がその波高値の10パーセントに達した時点から陽極電流が最初の極小値に減少するまでの時間」と定義されている。GTOサイリスタがオフ状態を維持できる様になるためにはゲート・ターン・オフ時間t(gq)の後さらに少なくとも陽極電流が保持電流以下になるまで負のゲート電圧を維持する必要がある。この時間はテイル時間t(tl)と呼ばれる。つまり、その陽極電圧が上昇してから少し時間を経てそのGTOサイリスタはオフ状態を維持できる様になるので、その陽極電圧の影響 を受ける前記オン・オフ検出回路を使ってそのオン・オフを検出することはできない。例えば図29の回路でGTOサイリスタ329をゲート・ターン・オフさせると、図30の陽極電圧曲線の様にGTOサイリスタ329がオフになる前にGTOサイリスタ329の陽極電圧は上昇するため、トランジスタ321等はGTOサイリスタ329はオフになったと誤って検出してしまうが、実際にはGTOサイリスタ329はオフ状態を維持できる様にはなっていない。この事はGTOサイリスタ326側の場合でもその陰極電流や陰極電圧の降下において同様である。
そういう訳で、『図29の回路で陽極電流(又は陰極電流)が流れている最中にオン・オフを切り換える場合、同時オン防止機能は無い。』 (問 題 点)
一方、本発明の場合、可制御スイッチング手段の駆動はオン駆動だけに限られているので、その主電流がその保持電流以下になってそれはターン・オフする。その結果、その両端子間電圧の上昇(もしくは降下)とそのターン・オフが一致するので、その様なオン・オフ検出手段を使ってもそのオン・オフをきちんと検出することができ、オン・オフ切換え時を含め、完璧な同時オン防止機能が本発明に有る。 ( 発明の効果 )
例えば図20の回路のサイリスタ60のオン・オフ検出がその良い例である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例の回路を示す回路図である。
【図2〜図18】各図は、「自己保持機能と自己消弧機能を持つ可制御スイッチング手段」の例を1つずつ示す回路図である。
【図19〜図22】各図は、本発明の実施例の回路を1つずつ示す回路図である。
【図23〜図24】両図を左右に並べて本発明の1実施例の回路を示す回路図である。
【図25〜図28】各図は、本発明の実施例の回路を1つずつ示す回路図である。
【図29】従来技術から考えられる同時オン防止回路の1例を示す回路図である。
【図30】GTOサイリスタのゲート・ターン・オフ特性を示す波形図である。
【符号の説明】
55 3端子レギュレータ
56 DC−DCコンバータ
67、167 点火コイル
u1〜u8 接続状態を示す符号
107〜113、115 可制御スイッチング手段
118〜120、130 可制御スイッチング手段
328、331 オン・オフ駆動回路
【技術分野】
本発明は、「1つ又は連携してオン駆動される複数の可制御スイッチング手段(例:各種トランジスタ、各種サイリスタ等。)」と「自己保持機能を持つ1つ又は連携してオン駆動される複数の可制御スイッチング手段」が有って、前者の少なくとも1つと後者の少なくとも1つが同時にオン状態になると支障を来たす(例えば、これらが電源あるいは共振コンデンサを短絡してしまう)様に接続され、しかも、外部から後者に与えられる駆動信号はどれもオン駆動信号だけに限られる場合、
後者のすべてに自己消弧機能(=自己ターン・オフ機能)を持つものを使い、前者が1つでもオンであることが検出される限り、後者のすべてをオフ状態に維持する同時オン防止手段に関する。
また、前者のすべてが自己保持機能を持ち、しかも、外部から前者に与えられる駆動信号はどれもオン駆動信号だけに限られる場合、さらに同様に前者のすべてに自己消弧機能を持つものを使い、後者が1つでもオンであることが検出される限り、前者のすべてをオフ状態に維持する様に構成すれば、両者の同時オンは完全に阻止される。
【0002】
【背景技術】
「1つ又は連携してオン駆動される複数の可制御スイッチング手段」と「自己保持機能を持つ1つ又は連携してオン駆動される複数の可制御スイッチング手段」が有って、前者の少なくとも1つと後者の少なくとも1つが同時にオン状態になると支障を来たす様に接続される場合、例えば電源または共振コンデンサを短絡する様に接続される場合(当然この電源または共振コンデンサの短絡は有ってはならない。)、後者のすべてがオフの間に「前者が1つでもターン・オン」すると、「後者の少なくとも1つ」に例えばその電源電圧またはそのコンデンサ電圧が順方向に急激に印加される。このため、その「後者の少なくとも1つ」の内部に存在するコンデンサ等(例:サイリスタのPNPN構造内のNP間接合容量など。)に変位電流が流れ、この変位電流が誤トリガー電流となってその「後者の少なくとも1つ」を誤トリガーし、誤ってターン・オンさせてしまう。その結果、その「前者のターン・オンした1つ」とその「後者の少なくとも1つ」が同時にオンとなって例えばその電源またはその共振コンデンサを短絡してしまう。
【0003】
サイリスタの場合アノード・カソード間に急峻な立上りを持つ順方向のオフ電圧を印加すると、その波高値がそのブレーク・オーバー電圧以下の大きさであってもターン・オンしてしまうことが有る。これは、アノード・カソード間の順方向のオフ電圧変化(dv/dt)によって変位電流がそのPNPN構造のNP間接合容量を流れるので、その変位電流が「そのNP間接合容量を挟む両PN接合」に対して順方向電流すなわち誤トリガー電流となってしまう、からである。
この様な誤ターン・オンを防止するために例えば「両PN接合のうちトリガー感度が良い方のカソード側ゲート・カソード間PN接合」に抵抗を並列接続してその誤トリガー電流をバイパスする。
この様にオフ状態のときアノード・カソード間に順方向電圧を加える場合オフ状態からオン状態への切換えを起こさない最大のオフ電圧上昇率(dv/dt》は『臨界オフ電圧上昇率』と呼ばれる。
【0004】
この様な変位電流による誤トリガー作用は何もサイリスタに限った事ではなく、図2〜図18各図に示す各可制御スイッチング手段など「自己保持機能を持つ可制御スイッチング手段」では必ず起きる。と言うのは、急峻な立上りを持つ順方向のオフ電圧がそれぞれの両主端子間に印加されると、変位電流が例えば各コレクタ・ベース間静電容量、各コレクタ・エミッタ間静電容量あるいはドレイン・ソース間静電容量を流れて、誤トリガー電流になってしまう、からである。
【0005】
また、この様な誤動作の他にも点火ノイズ(火花放電に伴うサージ電圧、サージ電流、電磁波ノイズ)等が引き起こす誤動作が有る。後述する図20等に示す点火装置では2つの可制御スイッチング手段の各ターン・オン直後に火花放電などが発生し、その度ごとに点火ノイズが各可制御スイッチング手段に侵入して来る。さらに、サイリスタ等を使ったスイッチング回路での急激な電流変化(例:ターン・オン時のスナバ回路中コンデンサの放電、逆回復電流など。)は装置自体のゲート回路にノイズを与えて誤動作の原因となることもあるし、負荷電流の変化によるゲート回路の電源電圧の変動が誤動作の原因となることもある。
尚、共振コンデンサを短絡する回路構成には、(後述する図25に示す実施例などで説明するが、)そのコンデンサ電圧を電圧ゼロと電源電圧の間に制限するクランプ用の可制御スイッチング手段が他の可制御スイッチング手段と同時オンすると、これらがその共振コンデンサを短絡し、そのコンデンサ電圧方向によっては短絡電流が流れてしまう回路構成が有る。あるいは、これらがその共振コンデンサと直流電源の直列回路を短絡し、そのコンデンサ電圧がゼロのとき短絡電流が流れてしまう回路構成が有る。
【0006】
これらの様な同時オンを防止する方法には、各種トランジスタや「自己消弧機能を持つ各種サイリスタ」等の「自己消弧機能を持つ可制御スイッチング手段」をオン・オフ駆動する場合ならば、制御する側は「オン駆動する時」と「オフ駆動する時」をはっきり分かるので、オフ駆動時いつもその可制御スイッチング手段の駆動信号入力用に対を成す制御端子と主端子(例:バイポーラ・トランジスタのベース端子とエミッタ端子、FETのゲート端子とソース端子、IGBTのゲート端子とエミッタ端子、GTOサイリスタのカソード側ゲート端子とカソード端子もしくはアノード側ゲート端子とアノード端子など。)の間を短絡したり、あるいは、逆バイアスしたりしてそれを強制的にオフ状態に維持する方法が有る。つまり、『そのオン・オフ駆動信号に基づいてその可制御スイッチング手段をオフ駆動するという手法』を採ることができる。
【0007】
しかし、自己消弧機能の有無に関係無く、通常のサイリスタの様にその駆動がオン駆動だけに限られる「自己保持機能を持つ可制御スイッチング手段」の場合、例えば「その可制御スイッチング手段がトリガー信号によってターン・オンし、その後のオン状態の維持がその自己保持状態に依存し、そして、そのターン・オフがその主電流がその保持電流より小さいかどうかに依存する場合」、『そのトリガー信号に基づいてその可制御スイッチング手段をオフ駆動するという手法』を採ることができない。 (問 題 点)
【0008】
例えば無理に『その可制御スイッチング手段をオン駆動しない時いつもそれをオフ駆動する』という手法を採り、そのトリガー終了後にそれをオフ駆動すると、「自己消弧機能を持つ可制御スイッチング手段」なら『直ぐターン・オフしてしまう』し、「自己消弧機能を持たない可制御スイッチング手段」でも『ラッチング電流の増加により安定したオン状態にまだ達していないためにやはりターン・オフしてしまったり、ターン・オフしないまでも完全オン状態への移行速度が遅くなってオン・スイッチング損失が増大したり、あるいは、その保持電流が増加して後述する様な弊害(例:オフ・スイッチング損失の増大、サージ電圧の発生、波形の乱れ等。)が生じたりする。』 (問 題 点)
【0009】
かと言って、前述した同時オンを防止するのに『オフ状態の時いつもそれを強制的にしっかりとオフ状態に維持する』という手法を採ることもできない。
なぜなら、オン・オフ検出手段を追加し、その可制御スイッチング手段がオフである時いつもそれを強制的にしっかりとオフ状態に維持すると、今度は『オン駆動時にそれをトリガーできなくなってしまう』からである。 (問題点)
それなら、オン駆動手段(トリガー手段)の動作をオフ状態維持手段の動作より優先させ、オン駆動時にオフ状態維持の動作を解除させる方法が考えられるが、そのオン駆動手段が点火ノイズ等により誤ってトリガーしてしまうと、その動作解除により『そのオフ状態維持手段はその可制御スイッチング手段をオフ状態に引き戻すという動作を行うことはできない。』 (問題点)
【0010】
前述した同時オンを防止する別の方法には、「自己保持機能を持つ可制御スイッチング手段」の駆動信号入力用に対を成す制御端子と主端子の間に、例えば、サイリスタのカソード側ゲート・カソード間に接続する抵抗の値を小さくしたり、あるいは、その間にコンデンサを接続したり、あるいは、短絡エミッタ構造と呼ばれ、そのカソード側ゲート・カソード間に等価的に形成する抵抗の値を小さくしたり、してその『臨界オフ電圧上昇率』を強力に強化し、前述した変位電流や点火ノイズ等が引き起こす誤トリガー動作に対して全くターン・オンしない様にする方法が有る。
【0011】
しかし、この様な方法では次の問題点が有る。
a)『通常のトリガーがし難くなる。』
b)低抵抗の接続は『そのラッチング電流や保持電流を増加させてしまう。』
c)コンデンサの接続は『そのターン・オフを遅らせてしまう。』
d)『誤動作によってターン・オンし掛かるとオフ状態に引き戻すことができない。』
【0012】
上記a)項の問題点に対してはトリガー電流を大きくすれば良いが、そのトリガー回路が点火ノイズ等により誤動作するなら点火ノイズ等には役に立たない。
上記b)項の問題点ではそのラッチング電流が増加すると、例えば同じトリガー条件だと安定したオン状態にまだ達していないためにターン・オフしてしまったり、ターン・オフしないまでも完全なオン状態への移行速度が遅くなってオン・スイッチング損失が増大したりする。それらを改善するためにトリガー期間を長くすれば、駆動電力損失が増えてしまう。そして、その保持電流が増加すると、例えば可制御スイッチング手段の両主端子(例:サイリスタのアノード端子とカソード端子など。)間を流れていた負荷電流等が減少してゼロにならないうちにその可制御スイッチング手段がターン・オフし、その負荷電流等が途中で遮断されることに結び付くので、電流波形が乱れたり、オフ・スイッチング損失が生じたり、誘導負荷などの場合サージ電圧が発生したり、あるいは、共振型回路の場合に共振コンデンサが充分に充電されなかったり、する原因となる。
一方、バイポーラ・モード・トランジスタの場合、ベース順バイアス電流値が同じままで、そのベース・エミッタ間抵抗を小さくすると、そのコレクタ電流の上限(コレクタ飽和電流値)が小さくなる事は有っても、サイリスタの保持電流の様にそのコレクタ電流の下限が大きくなる事は無いので、上述の様に負荷電流等が途中で遮断される事は無い。ましてやサイリスタのラッチングし損ねの様にオン駆動時にターン・オフする事も無いので、これらの様な問題点は無い。
上記c)項の問題点は、そのコンデンサ接続がその制御端子・主端子間の蓄積電荷を等価的に増大させるために起きる。一方、オン・オフ駆動の場合、そもそも「可制御スイッチング手段の駆動信号入力用に対を成す制御端子と主端子」の間にコンデンサを接続するという手法が使われる事は無く、その制御端子・主端子間に低抵抗を接続したり、あるいは、その制御端子・主端子間を逆バイアスしたりする手法が良く使われるので、この様な問題点は無い。
上記d)項の問題点は結局オフ駆動しないのだからオフ状態に引き戻すことができない。
【0013】
以上述べて来た様に「自己消弧機能を持つ可制御スイッチング手段」をオン・オフ駆動する場合『そのオン・オフ駆動信号に基づいてその可制御スイッチング手段をオフ駆動するという手法』を採ることができるのに対して、自己消弧機能の有無に関係無く、通常のサイリスタの様にその駆動がオン駆動だけに限られる「自己保持機能を持つ可制御スイッチング手段」の場合、例えば「その可制御スイッチング手段がトリガー信号によってターン・オンし、その後のオン状態の維持がその自己保持状態に依存し、さらに、そのターン・オフがその主電流がその保持電流より小さいかどうかに依存する場合」、『そのトリガー信号に基づいてその可制御スイッチング手段をオフ駆動するという手法』を採ることができない。この様な独特の問題点が「その駆動がオン駆動だけに限られる場合」に有る。
【0014】
そこで、本発明は『トリガーし難くならず、ラッチング電流や保持電流が増加することが無く、ターン・オフが遅くならず、誤動作によってターン・オンし掛かるとオフに引き戻すことができる』同時オン防止手段を提供することを目的としている。 ( 発 明 の 目 的 )
【0015】
【発明の開示】
即ち、本発明は、「1つ又は連携してオン駆動される複数の可制御スイッチング手段」と「自己保持機能を持つ1つ又は連携してオン駆動される複数の可制御スイッチング手段」が有って、前者の少なくとも1つと後者の少なくとも1つが同時にオン状態になると支障を来たす様に接続され、しかも、外部から後者に与えられる駆動信号はどれもオン駆動信号だけに限られる場合、
後者のすべてに自己消弧機能を持つものを使い、
「前者のすべてのオン・オフを検出して前者のオン・オフ検出信号を出力する前者のオン・オフ検出手段」と、
「前者のオン・オフ検出信号に基づいて動作し、前者が1つでもオンであることを前者のオン・オフ検出手段が検出する限り後者のすべてをオフ状態に維持する後者のオフ維持手段」を設けた同時オン防止手段である。
【0016】
このことによって、前者が1つでもオンである限り、後者のオフ維持手段が後者のすべてを強制的にオフ状態に維持してターン・オンを阻止するので、前者が1つでもオンのとき、両者の同時オンを防止することができる。
(同時オン防止効果)
【0017】
しかも、前者のすべてがオフの間は後者のオフ維持手段は後者がトリガーされてターン・オンするのを阻止しないので、後者の可制御スイッチング手段はどれもトリガーし難くならない。 ( 第 1 効 果 )
また、そのターン・オン阻止の解除によって後者の可制御スイッチング手段はどれもラッチング電流も保持電流も増加しない。 ( 第 2 効 果 )
さらに、駆動信号入力用に対を成す制御端子と主端子の間にコンデンサを接続する従来方法と違って後者の可制御スイッチング手段はどれもターン・オフは遅くならない。 ( 第 3 効 果 )
それから、後者の可制御スイッチング手段のどれかが誤動作によってターン・オンし掛かると、後者のオフ維持手段がそれをオフ状態に引き戻すことができる。 ( 第 4 効 果 )
【0018】
本発明が請求項2記載の同時オン防止手段に対応する場合、後者が1つでもオンである限り、前者のオフ維持手段が前者のすべてを強制的にオフ状態に維持してターン・オンを阻止するので、後者が1つでもオンのとき、両者の同時オンを防止することができる。その結果、その同時オン防止作用は完壁となる。
(完璧な同時オン防止効果)
【0019】
しかも、後者のすべてがオフの間は前者のオフ維持手段は前者がトリガーされてターン・オンするのを阻止しないので、前者の可制御スイッチング手段はどれもトリガーし難くならない。 ( 第 1 効 果 )
また、そのターン・オン阻止の解除によって前者の可制御スイッチング手段はどれもラッチング電流も保持電流も増加しない。 ( 第 2 効 果 )
さらに、駆動信号入力用に対を成す制御端子と主端子の間にコンデンサを接続する従来方法と違って前者の可制御スイッチング手段はどれもターン・オフは遅くならない。 ( 第 3 効 果 )
それから、前者の可制御スイッチング手段のどれかが誤動作によってターン・オンし掛かると、前者のオフ維持手段がそれをオフ状態に引き戻すことができる。 ( 第 4 効 果 )
【0020】
本発明が請求項3記載の同時オン防止手段に対応する場合、前者は「連携してオン駆動される複数の可制御スイッチング手段」から成り、前者のオン・オフ検出手段は同項記載中の「そのうちの1つの可制御スイッチング手段」のオン・オフを直接検出するのではなく同項記載中の「その残りの可制御スイッチング手段」を介して検出する。
【0021】
本発明が請求項4記載の同時オン防止手段に対応する場合、後者は「連携してオン駆動される複数の可制御スイッチング手段」から成り、後者のオン・オフ検出手段は同項記載中の「そのうちの1つの可制御スイッチング手段」のオン・オフを直接検出するのではなく同項記載中の「その残りの可制御スイッチング手段」を介して検出する。
【0022】
【発明を実施するための最良の形態】
本発明をより詳細に説明するために以下添付図面に従ってこれを説明する。図1の実施例は請求項1又は2記載の同時オン防止手段に対応し、前述した前者、後者それぞれの可制御スイッチング手段の数は1つずつで、それぞれのオン駆動だけを行う各トリガー手段は省略されている。
図1の実施例では以下の通りそれぞれが前述した各構成要素に相当するが、前述した前者のオン・オフ検出手段と後者のオフ維持手段は1つの手段に、請求項2記載中の「後者のオン・オフ検出手段」と「前者のオフ維持手段」も1つの手段にそれぞれまとまっている。
a)可制御スイッチング手段107が前述した前者に。
(図11の可制御スイッチング手段と同じ。)
b)可制御スイッチング手段108が前述した後者に。
(図11の可制御スイッチング手段と同じ。)
c)「直流電源41、可制御スイッチング手段107、ダイオード48、49、142及びトランジスタ54等が形成するオン・オフ検出手段とオフ維持手段」が「前述した前者のオン・オフ検出手段と後者のオフ維持手段」をまとめた手段に。
d)「直流電源41,トランジスタ53、ダイオード42、148、149及び可制御スイッチング手段108等が形成するオン・オフ検出手段とオフ維持手段」が「前述した後者のオン・オフ検出手段と前者のオフ維持手段」をまとめた手段に。
【0023】
自己保持型の可制御スイッチング手段107、108は直流電源41を短絡する様に接続されている。つまり、これらが同時にオン状態になると支障を来たす様に接続されている。それぞれのトリガー信号は入力端子t3、入力端子t4、t5から入力される。可制御スイッチング手段107がオンである限りトランジスタ54が可制御スイッチング手段108中のトランジスタ20のベース・エミッタ間を短絡して可制御スイッチング手段108のターン・オンを阻止したり、それを強制的にオフに保ったりする。一方、可制御スイッチング手段108がオンである限りトランジスタ53が可制御スイッチング手段107中のトランジスタ21のベース・エミッタ間を短絡して可制御スイッチング手段107のターン・オンを阻止したり、それを強制的にオフに保ったりする。
尚、ダイオード48、148それぞれを流れるオン・オフ検出用電流が可制御スイッチング手段107、108それぞれのターン・オフを妨げない様に、各オン・オフ検出用電流の大きさはそれぞれの保持電流より小さく設定される。
【0024】
図19の実施例も請求項1又は2記載の同時オン防止手段などに対応し、前述した前者、後者それぞれの可制御スイッチング手段の数は1つずつで、それぞれのオン駆動だけを行う各トリガー手段は省略されている。図19の実施例では以下の通りそれぞれが前述した各構成要素に相当する。
a)可制御スイッチング手段200が前述した前者に。
(図5の可制御スイッチング手段と同じ。)
b)可制御スイッチング手段201が前述した後者に。
(図5の可制御スイッチング手段と同じ。)
c)「直流電源41、可制御スイッチング手段200、ダイオード48、49、142、トランジスタ51、52及び抵抗50等が形成するオン・オフ検出手段とオフ維持手段」が「前述した前者のオン・オフ検出手段と後者のオフ維持手段」をまとめた手段に。
d)「直流電源41、トランジスタ43、44、ダイオード42、148、149、抵抗46及び可制御スイッチング手段201等が形成するオン・オフ検出手段」が請求項2記載中の後者のオン・オフ検出手段に。
e)「トランジスタ45等が形成するオフ維持手段」が請求項2記載中の前者のオフ維持手段に。
【0025】
もちろん、ダイオード48、148それぞれを流れるオン・オフ検出用電流が可制御スイッチング手段200、201それぞれのターン・オフを妨げない様に各オン・オフ検出用電流の大きさはそれぞれの保持電流より小さく設定される。また、それぞれのトリガー信号は入力端子t1,入力端子t2から入力される。
【0026】
図20の実施例は、請求項1記載の同時オン防止手段に対応し、「トランジスタ61〜65等で構成される図16の可制御スイッチング手段」とサイリスタ60を用いた直列インバータ方式の点火装置の回路である。図20の実施例では前述した前者、後者それぞれの可制御スイッチング手段の数は1つずつで、トランジスタ66等がサイリスタ60のオン・オフを検出し、サイリスタ60がオンである限りトランジスタ66等が「トランジスタ61〜65等が形成する可制御スイッチング手段」をオフ状態に維持する。図中55は3端子レギュレータ、56はマイナス電圧を出力するDC−DCコンバータ、67は点火コイル(昇圧用変圧器)、68は点火用放電ギャップである。
【0027】
「トランジスタ61〜65等が形成する可制御スイッチング手段」ではトランジスタ61がトランジスタ62の主電流を拡大し、トランジスタ64等がトランジスタ62のベース・エミッタ間電圧を検出するのをトランジスタ61のベース・エミッタ間電圧が助け、「トランジスタ62のベースとトランジスタ61のエミッタの間の電圧」の大きさからその主電流がその保持電流より大きいかどうかトランジスタ64等が検出する。この可制御スイッチング手段が自己保持状態に有るとき、トランジスタ64がトランジスタ65を介してトランジスタ63をオンに保つ。
【0028】
この主回路の元は「DC−DCコンバータ56と電源コンデンサ57が形成する直流電源」、上述した可制御スイッチング手段、サイリスタ60、転流コンデンサ(共振コンデンサ)71及び1次コイル67aが構成する直列インバータである。それから、この直列インバータ式点火装置の制御方式は従来と異なる。この点火装置では上述した可制御スイッチング手段とサイリスタ60が交互にターン・オンするタイミングが自動的に最適となる様に、両者は互いに相手がターン・オフすると、相手のターン・オフによって自分がトリガーされる様になっている。つまり、互いに相手のターン・オフが自分のターン・オンの引き金(トリガー)になるのである。そこで、以後、この様な制御方式のことをターン・オフ・トリガー方式と呼ぶことにする。 (参考:日本特開昭62−5019号)
【0029】
そのために、トランジスタ58等が上述した可制御スイッチング手段のオン・オフを検出し、トランジスタ66等がサイリスタ60のオン、オフを検出する。これらのオン・オフ検出手段の構成は図1、図19の各実施例のそれと基本的に同じである。もちろん、ダイオード48、148それぞれを流れるオン・オフ検出用電流がその可制御スイッチング手段とサイリスタ60それぞれのターン・オフを妨げない様に各オン・オフ検出用電流の大きさは各保持電流より小さく設定される。
【0030】
先ず、サイリスタ60のトリガー動作について説明する。パルス・トランス74の使い方は通常と異なり、その磁束の飽和を積極的に利用する使い方である。トランジスタ59がターン・オンすると、パルス・トランス74の2次側に誘起される電圧がサイリスタ60のゲートに与えられるが、パルス・トランス74の磁束が直ぐに飽和するので、この電圧も直ぐに減衰し、サイリスタ60のトリガー動作は微少な時間で終わる。この微少な時間が1次コイル67aの電流などによって決まるサイリスタ60のオン期間に影響を与えない程度の長さで、しかも、サイリスタ60のトリガー・パワーが充分である様に、本発明者は抵抗75の値とパルス・トランス74の特性などを設定している。当然の事ながら、パルス・トランス74の励磁インダクタンスは通常のそれより小さい。トランジスタ59がターン・オフすると、パルス・トランス74の磁気エネルギーは抵抗73とツェナー・ダイオード72で消費され、サイリスタ60の次のトリガーが準備される。
【0031】
次に、「トランジスタ61〜65等が形成する可制御スイッチング手段」のトリガー動作について述べる。サイリスタ60と共にトランジスタ66がオンであると、トランジスタ66のコレクタから抵抗76、ダイオード78等を通ってアースへ電流が流れる。従って、トランジスタ63のベース電位は約プラス0.6ボルトに保たれ、トランジスタ63は僅かにベース逆バイアスされ、そのターン・オンは阻止される。同時に、コンデンサ77も充電され、前記可制御スイッチング手段のトリガー動作が準備される。サイリスタ60と共にトランジスタ66がターン・オフすると、コンデンサ77が抵抗79とトランジスタ63のエミッタ・ベース間などを介して放電するので、その可制御スイッチング手段はトリガーされてターン・オンする。
【0032】
この点火装置の全体の動作は次の様になる。入力端子t6に入力されている点火信号が立ち上がるとき、「トランジスタ61〜65等が形成する可制御スイッチング手段」とトランジスタ58はオフだから、トランジスタ59がターン・オンし、パルス・トランス74がサイリスタ60をトリガーする。一番最初にサイリスタ60がターン・オンするとき、転流コンデンサ71の電圧はゼロだから、電源コンデンサ57の電圧がそのまま1次コイル67aに印加される。その結果、2次コイル67bには高電圧が誘起され、点火用放電ギャップ68でスパーク(火花放電)等が発生する。その後、その1次側電流がゼロになって、サイリスタ60がターン・オフすると、同時にトランジスタ66もターン・オフするので、コンデンサ77が上述した可制御スイッチング手段をトリガーし、ターン・オンさせる。
【0033】
「トランジスタ61〜65等が形成する可制御スイッチング手段」がターン・オンすると、転流コンデンサ71の電圧が先程と反対向きに1次コイル67aに印加される。その結果、2次コイル67bに先程と反対向きの高電圧が誘起され、点火用放電ギャップ68でスパーク等が発生する。上述した可制御スイッチング手段と共にトランジスタ58がターン・オンするとき入力端子t6に入力されている点火信号がハイ・レベルであれば、トランジスタ58がトランジスタ59をターン・オフさせるので、上述した可制御スイッチング手段のオン期間中にパルス・トランス74の磁気エネルギーは放出され、サイリスタ60の次のトリガーが準備される。その後、その可制御スイッチング手段と共にトランジスタ58がターン・オフするとき、前記点火信号がハイ・レベルであれば、トランジスタ59がターン・オンし、パルス・トランス74がサイリスタ60をトリガーし、ターン・オンさせる。
【0034】
サイリスタ60がターン・オンすると、転流コンデンサ71の電圧と電源コンデンサ57の電圧の和が1次コイル67aに印加される。その結果、2次コイル67bには高電圧が誘起され、点火用放電ギャップ68でスパークが発生する。その後、その1次側電流がゼロになって、サイリスタ60がターン・オフすると、同時にトランジスタ66もターン・オフするので、コンデンサ77が上述した可制御スイッチング手段をトリガーし、ターン・オンさせる。
以後同様に同じ事が繰り返され、この点火装置は発振する。この繰り返しは前記点火信号がハイ・レベルにある限り続く。しかし、「トランジスタ61〜65等が形成する可制御スイッチング手段」と共にトランジスタ58がターン・オフするとき、前記点火信号がロー・レベルであれば、トランジスタ59はオフのままで、この点火装置の発振、点火動作は停止し、スパーク等の発生は止まる。
【0035】
尚、この直列インバータ方式の点火装置は転流コンデンサ71の充電時と放電時にスパークを発生する。一方、よく知られているCDI(コンデンサ放電点火)方式の点火装置はそのコンデンサの放電時にのみスパークを発生する。そこで、以後この様な点火方式のことをコンデンサ充放電点火方式、あるいは、簡単にCCDI(Condenser Charge and Discharge Ignition)方式とか、ダブルCDI方式と呼ぶことにする。
【0036】
それから、「トランジスタ61〜65等が形成する可制御スイッチング手段」のターン・オフによってサイリスタ60がトリガーされてターン・オンするが、サイリスタ60のターン・オンによってターン・オフしたばかりの上記可制御スイッチング手段の両主端子間に電源電圧が印加されても、上記可制御スイッチング手段は絶対にターン・オンすること無い。その結果、電源短絡は絶対に無くスムーズにサイリスタ60と上記可制御スイッチング手段のオン、オフが切り換わり、安心できる。
【0037】
図21の実施例は請求項1又は2記載の同時オン防止手段に対応する。図21の実施例もCCDI方式の点火装置の回路で、その制御方式は前述のターン・オフ・トリガー方式である。この回路は図20のサイリスタ60の代わりに図15に示す「トランジスタ81〜85等が構成する自己保持機能と自己消弧機能を持つ可制御スイッチング手段」を使った回路である。その可制御スイッチング手段ではトランジスタ81等が「トランジスタ84のベースとトランジスタ85のエミッタの間の電圧」を検出することによってその主電流が保持電流より大きいかどうか検出する。そして、その主電流が保持電流より大きいときトランジスタ81がトランジスタ82を介してトランジスタ83をオン制御し、そうでなければオフ制御する。
【0038】
「トランジスタ61〜65等が構成する可制御スイッチング手段」がオンである限り、トランジスタ58はトランジスタ59だけでなく「トランジスタ81〜85等が構成する可制御スイッチング手段」もオフに保つ。従って、両可制御スイッチング手段がDC−DCコンバータ56と電源コンデンサ57を短絡することは完全に阻止される。トランジスタ59がターン・オンすると、コンデンサ80の充電電流がトランジスタ82のエミッタ・ベース間に流れるので、「トランジスタ81〜85等が構成する可制御スイッチング手段」がトリガーされる。反対に、トランジスタ59がターン・オフすると、コンデンサ80が放電し、この可制御スイッチング手段の次のトリガー動作が準備される。この点火装置全体の動作は図20の点火装置のそれと同じである。
【0039】
尚、「トランジスタ61〜65等から成る可制御スイッチング回路」を図10あるいは図11のそれと置き換えることができる。
【0040】
図22図の実施例は、請求項1又は2記載の同時オン防止手段に対応し、直流電源41の短絡を防ぐ機能を持ち、図10の可制御スイッチング手段と同じ可制御スイッチング手段112、113、118、119の4つを使用したブリッジ接続型直列インバータである。この主回路の元は、直流電源41、これら4つの可制御スイッチング手段、整流器47a、47b、147a、147bの4つ、転流リアクトル86、転流コンデンサ87、負荷抵抗88で構成される。
可制御スイッチング手段118、112は互いに相手がオンである限り自分のターン・オンが阻止され、可制御スイッチング手段119、113も互いに相手がオンである限り自分のターン・オンが阻止される。その制御方式は前述のターン・オフ・トリガー方式である。
【0041】
図22図の実施例の動作は次の通りである。このインバータ起動時に入力端子t8に入力されている起動・停止信号が立ち下がり、トランジスタ100がターン・オンすると、コンデンサ101の充電電流がトランジスタ102のベース・エミッタ間に流れるので、トランジスタ102が可制御スイッチング手段119をトリガーする。可制御スイッチング手段119がオンのとき、トランジスタ98が可制御スイッチング手段113をオフに保つ一方、トランジスタ93が可制御スイッチング手段112をオンに保つ。このため、この時、トランジスタ95が可制御スイッチング手段118をオフに保ち、また、トランジスタ92がコンデンサ91を充電する。
つまり、可制御スイッチング手段119がオンである限り、トランジスタ93が可制御スイッチング手段112をオンに保つので、トランジスタ92は可制御スイッチング手段112のオン・オフ検出から可制御スイッチング手段119、112両方がオフであるかどうかを検出することができるのである。
【0042】
可制御スイッチング手段119、112両方がターン・オフすると、コンデンサ91の放電電流がトランジスタ90のベース・エミッタ間に流れるので、トランジスタ90、89が可制御スイッチング手段118をトリガーする。可制御スイッチング手段118がオンのとき、トランジスタ94が可制御スイッチング手段112をオフに保つ一方、トランジスタ97が可制御スイッチング手段113をオンに保つ。このため、この時トランジスタ96が可制御スイッチング手段119をオフに保ち、そして、トランジスタ99がトランジスタ100をオフに保って、コンデンサ101を放電させる。
つまり、可制御スイッチング手段118がオンである限り、トランジスタ97が可制御スイッチング手段113をオンに保つので、トランジスタ99は可制御スイッチング手段113のオン・オフ検出から可制御スイッチング手段118、113両方のオン・オフを検出することができるのである。
【0043】
可制御スイッチング手段118、113と共にトランジスタ99がターン・オフするとき、前記起動・停止信号がロー・レベルならば、トランジスタ100がターン・オンし、以後同様に同じ事が繰り返され、この直列インバータは発振する。この繰り返しは前記起動・停止信号がロー・レベルにある限り続く。しかし、そのターン・オフのとき、前記起動・停止信号がハイ・レベルならば、トランジスタ100はオフのままで、このインバータの動作は停止する。
【0044】
図23、図24両図に示す実施例は、請求項1又は2記載の同時オン防止手段に対応し、直流電源41の短絡を防ぐ機能を持ち、図11の可制御スイッチング手段と同じ可制御スイッチング手段107〜110の4つを用いたブリッジ接続型直列インバータの回路である。符号u1〜u8に関して同じ符号を付した導線同士はそれぞれ接続状態に有る。直流電源41の短絡を防ぐ回路構成は図1の実施例を2つ利用しており、可制御スイッチング手段107、108は互いに相手がオンである限り自分のターン・オンが阻止され、可制御スイッチング手段109、110も互いに相手がオンである限り自分のターン・オンが阻止される。
【0045】
また、このインバータの制御方式は前述のターン・オフ・トリガー方式で、そのためにトランジスタ92、104等が可制御スイッチング手段108、109両方がオフであるかどうかを検出し、トランジスタ99、105等が可制御スイッチング手段107、110両方がオフであるかどうかを検出する。
そして、入力端子t9に入力されている起動・停止信号が立ち下がったとき、あるいは、この信号がロー・レベルにある間に可制御スイッチング手段107、110がどちらもオンでなくなったとき、トランジスタ102、106等が可制御スイッチング手段108、109をトリガーする。反対に、可制御スイッチング手段108、109がどちらもオンでなくなったき、トランジスタ89、90、132等が可制御スイッチング手段107、110をトリガーする。
【0046】
図25の実施例は請求項1、2又は3記載の同時オン防止手段に対応し、前述した前者の可制御スイッチング手段の数は2つで、前述した後者の可制御スイッチング手段の数は1つである。可制御スイッチング手段111、113両方が同時オンすると、整流器70、可制御スイッチング手段113、111及び整流器49の直列回路が転流コンデンサ71を短絡してしまう回路構成になっている。また、可制御スイッチング手段112がオンである限りトランジスタ114等が可制御スイッチング手段113をトリガーし続けるので、トランジスタ66等は可制御スイッチング手段113のオン・オフ検出から可制御スイッチング手段112、113両方がオフであるかどうかを検出することができる。
【0047】
図25の実施例は前述のCCDI方式の点火装置の回路で、しかも、その制御方式は前述のターン・オフ・トリガー方式である。さらに、1次コイル67aに対してフライホイール・ダイオードと同様の役割を果たす手段がこの回路に有り、その手段は転流コンデンサ(共振コンデンサ)71の電圧を電圧ゼロと直流電源141の電圧の間に制限するクランプ手段でもある。
可制御スイッチング手段112がオンのとき、整流器70と可制御スイッチング手段113が1次コイル67aに対してフライホイールーダイオードの様に作用する。そのために、可制御スイッチング手段112がオンである限り、トランジスタ114等が可制御スイッチング手段113をトリガーし続ける。一方、可制御スイッチング手段111がオンのとき、可制御スイッチング手段111と整流器49、69が1次コイル67aに対してフライホイール・ダイオードの様に作用する。あるいは、整流器69が転流コンデンサ71の電圧反転を阻止し、可制御スイッチング手段113がオンのとき、整流器147、70及び可制御スイッチング手段113の直列回路が転流コンデンサ71の電圧を直流電源141の電圧にクランプする。
【0048】
それから、直流電源141又は転流コンデンサ71の短絡を阻止するために、可制御スイッチング手段112又は113がオンのとき、トランジスタ66が可制御スイッチング手段111をオフに保つ。そして、可制御スイッチング手段111がオンのとき、トランジスタ94が可制御スイッチング手段112をオフに保ち、トランジスタ58が可制御スイッチング手段113をオフに保つ。
尚、可制御スイッチング手段113は可制御スイッチング手段112に連携してオン駆動されるので、トランジスタ66等は、可制御スイッチング手段113のオン・オフ検出から可制御スイッチング手段112、113両方がオフであるかどうかを検出することができる。全体のトリガー動作は図21の回路のそれと同様である。
【0049】
図26の実施例は請求項1、2、3又は4記載の同時オン防止手段に対応し、前述した前者、後者の可制御スイッチング手段の数は2つずつである。可制御スイッチング手段111、113両方が同時オンすると、整流器70、可制御スイッチング手段113、111及び整流器49の直列回路が転流コンデンサ71を短絡し、可制御スイッチング手段112、115両方が同時オンすると、可制御スイッチング手段115、整流器69、149及び可制御スイッチング手段112の直列回路が直流電源141を転流コンデンサ71に直結してしまう回路構成になっている。転流コンデンサ71の充電電圧方向によってはその直結は一種の電源短絡になってしまう。
【0050】
図26の実施例も前述のCCDI方式の点火装置の回路で、しかも、その制御方式も前述のターン・オフ・トリガー方式で、さらに、1次コイル67aに対してフライホイール・ダイオードと同様の役割を果たす手段も持つ。図26の実施例は図25の実施例と一部構成が異なり、可制御スイッチング手段111がオンのとき、可制御スイッチング手段115(一点鎖線で囲まれた部分)と整流器69が1次コイル67aに対してフライホイール・ダイオードの様に作用する。そのために、可制御スイッチング手段111がオンである限り、トランジスタ116等が可制御スイッチング手段115をトリガーし続ける。
また、トランジスタ58、94は、可制御スイッチング手段115のオン・オフ検出から、可制御スイッチング手段111、115両方がオフであるかどうかを検出することができる。さらに、可制御スイッチング手段112又は113がオンのとき、トランジスタ66、117が可制御スイッチング手段111、115をオフに保つ。後は図25の実施例と同じである。
【0051】
図27の実施例は「2組の点火コイル67、167と点火用放電ギャップ68、168」及び「電子配電機能」を持つ、前述のCCDI方式の点火装置の回路である。この主回路は図25の実施例の主回路を利用している。切換えスイッチ122によって点火用放電ギャップ68、168どちらかでスパークが発生する。この主回路は次の通りである。可制御スイッチング手段112が1次コイル67aを介して転流コンデンサ71を充電し、可制御スイッチング手段130が1次コイル167aを介して転流コンデンサ121を充電する。そして、可制御スイッチング手段111が1次コイル67aを介して転流コンデンサ71を放電させ、1次コイル167aを介して転流コンデンサ121を放電させる。
さらに、可制御スイッチング手段112又は130がオンのとき、1次コイル67a、167aそれぞれに対して可制御スイッチング手段113と整流器70、131それぞれがフライホイール・ダイオードの様に作用する。そのために、可制御スイッチング手段112又は130がオンである限り、トランジスタ114等が可制御スイッチング手段113をトリガーし続ける。
【0052】
図28の実施例は「2組の点火コイル67、167、点火用放電ギャップ68、168」及び電子配電機能を持つ前述したCCDI方式の点火装置の回路である。この主回路は図20の実施例の主回路を利用している。切換えスイッチ122によって、点火用放電ギャップ68、168どちらかでスパークが発生する。可制御スイッチング手段118が1次コイル67aを介して転流コンデンサ71を充電し、可制御スイッチング手段119が1次コイル167aを介して転流コンデンサ121を充電する。
そして、可制御スイッチング手段120が1次コイル67aを介して転流コンデンサ71を放電し、1次コイル167aを介して転流コンデンサ121を放電する。可制御スイッチング手段120がオンのとき、トランジスタ99がトランジスタ128、95、96を通じて可制御スイッチング手段118、119をオフに保つ。同時に、トランジスタ99がトランジスタ100をオフに保って、コンデンサ101を放電させる。
一方、可制御スイッチング手段118又は119がオンのとき、トランジスタ123が、トランジスタ124を通じて可制御スイッチング手段120をオフに保ち、同時にコンデンサ125を充電する。可制御スイッチング手段118、119がどちらもオンでなくなったとき、コンデンサ125の放電電流に従ってトランジスタ126、127が可制御スイッチング手段120をトリガーする。全体動作は他の実施例と同様である。
【0053】
最後に、各実施例では「自己保持機能と自己消弧機能を持つ可制御スイッチング手段」それぞれのオン・オフを検出する際に、それがオンの間その両主端子間にオン・オフ検出用電流が流れているが、そのターン・オフを妨げない様にそのオン・オフ検出用電流の大きさはその保持電流の大きさより小さくしなければならない。
【0054】
【本発明の追加効果】
従来技術(特開昭58−81332号)から考えられる同時オン防止回路の1例を図29に示す。図中326は「アノード側にゲート端子を持つマイナス・ゲート型のGTOサイリスタ」、329は普通のGTOサイリスタ、327、330はそれぞれゲート逆バイアス用の直流電源、328、331はそれぞれオン・オフ駆動回路である。GTOサイリスタ326、329はどちらもオフ駆動の時ゲート逆バイアスされる。
しかしながら、『GTOサイリスタ329の陽極電流(又は326の陰極電流)が流れている最中にゲート・ターン・オフとゲート・ターン・オンでGTOサイリスタ329、326のオン・オフを切り換える場合、図29の回路には同時オン防止機能は無い。』 (問 題 点)
その理由は、「オン・オフ駆動されるGTOサイリスタ」固有のターン・オフ特性のために図29の回路で使用されるオン・オフ検出回路ではそのオン・オフをきちんと検出することができない、からである。図30に「その陽極電流が流れている最中にゲート・ターン・オフさせられるGTOサイリスタ」のゲート・ターン・オフ特性の1例を示す。図中ターン・オフ時の時間符号は以下の通りである。
t(gq)……ゲート・ターン・オフ時間
t(s)……蓄積時間
t(f)……立下り時間
t(tl)……テイル(tail)時間
ゲート・ターン・オフ時間t(gq)は通常「(負)ゲート電流がその波高値の10パーセントに達した時点から陽極電流が最初の極小値に減少するまでの時間」と定義されている。GTOサイリスタがオフ状態を維持できる様になるためにはゲート・ターン・オフ時間t(gq)の後さらに少なくとも陽極電流が保持電流以下になるまで負のゲート電圧を維持する必要がある。この時間はテイル時間t(tl)と呼ばれる。つまり、その陽極電圧が上昇してから少し時間を経てそのGTOサイリスタはオフ状態を維持できる様になるので、その陽極電圧の影響 を受ける前記オン・オフ検出回路を使ってそのオン・オフを検出することはできない。例えば図29の回路でGTOサイリスタ329をゲート・ターン・オフさせると、図30の陽極電圧曲線の様にGTOサイリスタ329がオフになる前にGTOサイリスタ329の陽極電圧は上昇するため、トランジスタ321等はGTOサイリスタ329はオフになったと誤って検出してしまうが、実際にはGTOサイリスタ329はオフ状態を維持できる様にはなっていない。この事はGTOサイリスタ326側の場合でもその陰極電流や陰極電圧の降下において同様である。
そういう訳で、『図29の回路で陽極電流(又は陰極電流)が流れている最中にオン・オフを切り換える場合、同時オン防止機能は無い。』 (問 題 点)
一方、本発明の場合、可制御スイッチング手段の駆動はオン駆動だけに限られているので、その主電流がその保持電流以下になってそれはターン・オフする。その結果、その両端子間電圧の上昇(もしくは降下)とそのターン・オフが一致するので、その様なオン・オフ検出手段を使ってもそのオン・オフをきちんと検出することができ、オン・オフ切換え時を含め、完璧な同時オン防止機能が本発明に有る。 ( 発明の効果 )
例えば図20の回路のサイリスタ60のオン・オフ検出がその良い例である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例の回路を示す回路図である。
【図2〜図18】各図は、「自己保持機能と自己消弧機能を持つ可制御スイッチング手段」の例を1つずつ示す回路図である。
【図19〜図22】各図は、本発明の実施例の回路を1つずつ示す回路図である。
【図23〜図24】両図を左右に並べて本発明の1実施例の回路を示す回路図である。
【図25〜図28】各図は、本発明の実施例の回路を1つずつ示す回路図である。
【図29】従来技術から考えられる同時オン防止回路の1例を示す回路図である。
【図30】GTOサイリスタのゲート・ターン・オフ特性を示す波形図である。
【符号の説明】
55 3端子レギュレータ
56 DC−DCコンバータ
67、167 点火コイル
u1〜u8 接続状態を示す符号
107〜113、115 可制御スイッチング手段
118〜120、130 可制御スイッチング手段
328、331 オン・オフ駆動回路
Claims (1)
- 【請求項1】「1つ又は連携してオン駆動される複数の可制御スイッチング手段」と「自己保持機能を持つ1つ又は連携してオン駆動される複数の可制御スイッチング手段」が有って、前者の少なくとも1つと後者の少なくとも1つが同時にオン状態になると支障を来たす様に接続され、しかも、外部から後者に与えられる駆動信号はどれもオン駆動信号だけに限られる場合、
後者のすべてに自己消弧機能を持つものを使い、
「前者のすべてのオン・オフを検出して前者のオン・オフ検出信号を出力する前者のオン・オフ検出手段」と、
「前者のオン・オフ検出信号に基づいて動作し、前者が1つでもオンであることを前者のオン・オフ検出手段が検出する限り後者のすべてをオフ状態に維持する後者のオフ維持手段」を設けたことを特徴とする同時オン防止手段。
【請求項2】前者のすべてが自己保持機能を持ち、しかも、外部から前者に与えられる駆動信号はどれもオン駆動信号だけに限られる場合、
前者のすべてに自己消弧機能を持つものを使い、
「後者のすべてのオン・オフを検出して後者のオン・オフ検出信号を出力する後者のオン・オフ検出手段」と、
「後者のオン・オフ検出信号に基づいて動作し、後者が1つでもオンであることを後者のオン・オフ検出手段が検出する限り前者のすべてをオフ状態に維持する前者のオフ維持手段」を設けたことを特徴とする請求項1記載の同時オン防止手段。
【請求項3】前者が「連携してオン駆動される複数の可制御スイッチング手段」であって、
そのうちの1つの可制御スイッチング手段のオン・オフを検出し、これがオンである限りその残りの可制御スイッチング手段すべてをトリガーし続ける前者の連携トリガー手段が有る場合、
前者のオン・オフ検出手段が前記その残りの可制御スイッチング手段すべてのオン・オフ検出から前記そのうちの1つの可制御スイッチング手段のオン・オフ検出も行うことを特徴とする請求項1又は2記載の同時オン防止手段。
【請求項4】後者が「連携してオン駆動される複数の可制御スイッチング手段」であって、
そのうちの1つの可制御スイッチング手段のオン・オフを検出し、これがオンである限りその残りの可制御スイッチング手段すべてをトリガーし続ける後者の連携トリガー手段が有る場合、
後者のオン・オフ検出手段が後者の前記その残りの可制御スイッチング手段すべてのオン・オフ検出から後者の前記そのうちの1つの可制御スイッチング手段のオン・オフ検出も行うことを特徴とする請求項1、2又は3記載の同時オン防止手段。
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