JP3667730B2 - 建築仕上材の取付金物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築仕上材の取付金物に関する。すなわち、外壁材や躯体材等の建設材に、建築仕上材である笠木を付設するために使用される、取付金物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は、この種従来例の建築仕上材の取付金物の説明に供し、(1)図は正断面図、(2)図は要部の平面図である。
従来、笠木Aつまり建築仕上材Bは、外壁材Cや躯体材Dよりなる建設材Eに対し、固着式の剛体製の取付金物1を使用して、固定的に付設,据付,被着されていた。
例えば図5に示したように、建築仕上材Bたる笠木Aは、取付金物1の内外両端部に形成された折曲ホルダー部2に対し、上側から外嵌,係止,取付けされていた。そして、この取付金物1が、二重壁構造の内外の建設材EたるALCつまり外壁材Cと、RC(鉄筋コンクリート)よりなる躯体材Dに対し、タッピングネジ3その他を用いて、止着されていた。
例えばこのように、この種従来例の取付金物1は、剛体製よりなると共に、建築仕上材Bである笠木Aを、外壁材Cや躯体材Dよりなる建設材Eに対し、不動に強固に固定的・固着的に、付設,据付,被着する方式よりなっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
《問題点》
ところで、このような従来例にあっては、次の問題が指摘されていた。すなわち施工後において、建物に地震,強風,その他の外力が作用した場合には、床等の躯体側が層間変位する。→そして、このような外力に基づき、外壁材Cが変位する。
→そして、その変位量が大きい場合には、固定された取付金物1や固定された笠木Aが、変形,損傷,破損,破壊されてしまうことが多々あった。→もって、漏水事故等の危険があると共に、その補修に多大の手間とコストがかかる、等々の問題が指摘されていた。
例えば、上述した外力に基づき、→建設材Eたる外壁材Cにロッキング現象が発生して(ロッキング現象については、図6の(4)図,(5)図,(6)図に基づき、後で詳説する)、→外壁材Cが、個々に揺動変位(垂直面で縦横回動変位)し、→もって、個々の外壁材C相互間に相対的な変位差が発生し、又、より不動的なRCよりなる躯体材Dと外壁材C間にも、相対的な変位差が発生し、→結局、取付金物1や笠木Aが、変形,損傷,破損,破壊してしまうことが多々あり、問題となっていた。
【0004】
《本発明について》
本発明は、このような実情に鑑み、上記従来例の課題を解決すべく、発明者の鋭意研究努力の結果なされたものである。
そして、本発明の建築仕上材の取付金物は、建築仕上材である笠木が取付けられる剛体製の金物本体と、外壁材や躯体材よりなる建設材との間に介装される板バネ製の弾性材と、を有してなり、弾性材が、建設材の変位を伸縮により吸収可能となっている。
そして本発明は、第1に、外力が作用した場合において、取付金物や建築仕上材である笠木の変形,損傷,破損,破壊等が防止されると共に、第2に、しかもこれが、簡単容易に実現される、建築仕上材の取付金物を提案すること、を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
《請求項について》
このような課題を解決する本発明の技術的手段は、次のとおりである。すなわち、この建築仕上材の取付金物は、建設材に建築仕上材を付設するために使用され、金物本体と弾性材とを有してなる。
そして該金物本体は、剛体よりなり該建築仕上材が取付けられる。該弾性材は、該金物本体と該建設材との間に介装,取付けられると共に、外力にて該建設材が変位した場合に、伸縮してこれを吸収可能となっている。
【0006】
そして該取付金物は、二重壁構造の外側の該建設材たる外壁材上と内側の該建設材たる躯体材上とにわたり跨いで、該建築仕上材たる笠木を付設するために複数個使用されるものである。
そして該金物本体は、該外壁材上から該躯体材上にかけて内外方向に位置し、該笠木が上側から外嵌,取付けられる。そして、内外方向に長板状をなすと共に、両端部に該笠木を外嵌,係止させる折曲ホルダー部を備えている。
該弾性材は、折曲された板バネ製よりなり、該金物本体に止着されると共に該外壁材上に止着されて、該金物本体と該外壁材間に介装,取付けられるものと、該金物本体に止着されると共に該躯体材上に止着されて、該金物本体と躯体材間に介装,取付けられるものとが、対をなして用いられている。
かつ該弾性材は、中央部が、該金物本体下にクロスして配されると共に止着されており、両端部に、それぞれ折曲が形成され、両端にて、該外壁材上や該躯体材上に止着されること、を特徴とする。
【0007】
《作用について》
本発明の建築仕上材の取付金物は、このようになっているので、次のようになる。
(1)この取付金物は、建設材に建築仕上材を付設するために使用され、金物本体と弾性材を有してなる。
(2)すなわち、この取付金物は、一側の建設材と他側の建設材にわたり、建築仕上材を付設するために用され、金物本体は、建築仕上材が外嵌され、弾性材は、一側の建設材間に介装されるものと、他側の建設材間に介装されるものとが、対をなす。
(3)具体的には、一側の建設材である外壁材上と他側の建設材である躯体材上にわたり、建築仕上材である笠木を付設するために使用される。そして金物本体は、外壁材上から躯体材上にかけて位置し、両端部に笠木が外嵌される。弾性材は、板バネ製よりなり、外壁材上に止着されるものと躯体材上に止着されるものとが、対をなして用いられる。
(4)さてそこで、この取付金物は、施工後に建物に地震,強風,その他の外力が作用した場合は、次のようになる。
この場合は、外力に基づき建物は、床等が層間変位して建設材が各種変位し、→もって、建設材間に相対的な変位差が発生する。→例えば外壁材は、ロッキング現象が発生して揺動変位し、→相互間や、不動的な躯体材との間に変位差が発生する。
(5)そして、このように建設材が変位した場合には、→変位に対応した取付金物の弾性材が、追従して伸縮し、もって、外力そして変位を吸収する。→このように、外力そして変位は途中で吸収され、→金物本体や建築仕上材である笠木には、及ばない。
(6)そこで、建築仕上材である笠木は平常状態を維持し、その変形,損傷,破損,破壊等は防止される。例えば、外壁材や躯体材等の建設材間に、上述した相対的な変位差が発生しても、→途中の取付金物の段階で、変位差は吸収,解消され、→建築仕上材である笠木に、引張力,圧縮力,せん断力,曲げ力,ねじり力等が、及ぶことはない。
(7)しかも、この取付金物は、金物本体に板バネ等を組み合わせた、簡単な構成よりなり、建築仕上材である笠木と、建設材である外壁材や躯体との間に取付けられ、施工も簡単である。
【0008】
【発明の実施の形態】
《図面について》
以下本発明を、図面に示す発明の実施の形態に基づいて、詳細に説明する。図1,図2,図3,図4の(1)図等は、本発明に係る建築仕上材の取付金物の実施の形態の説明に供する。
そして図1は、いずれも平常状態を示し、(1)図は正断面図、(2)図は左側断面図、(3)図は要部の平面図である。図2の(1)図,(2)図は、外壁材が降下変位した状態を示し、(1)図は正断面図、(2)図は左側断面図である。図2の(3)図,(4)図は、外壁材が上昇変位した状態を示し、(3)図は正断面図、(4)図は左側断面図である。
図3の(1)図,(2)図は、平常状態を示し、(1)図は、板バネの斜視図、(2)図は、板バネの側面図である。図3の(3)図,(4)図は、外壁材が横変位した状態を示し、(3)図は、要部の平面図、(4)図は、板バネの側面図である。図4の(1)図は、概略平面図である。
又、図4の(2)図は、本発明には属さない参考例の概略平面図である。図4の(3)図は、本発明には属さない他の参考例の概略平面図、(4)図は、同他の参考例の概略正断面図である。
なお図6は、笠木や外壁材の説明に供し、(1)図は、要部の正断面図、(2)図は、外壁材の斜視図、(3)図は、笠木や外壁材の側面説明図である。図6の(4)図は、ロッキング現象の原理説明図であり、(5)図は、ロッキング現象の1例の側面説明図であり、(6)図は、ロッキング現象の他例の側面説明図である。
【0009】
《適用対象について》
本発明の取付金物4は、建設材Eに建築仕上材Bを付設するために、使用される。
そして、この取付金物4の適用対象たる建築仕上材Bは、図1〜図4の(1)図,図6の(1)図,(3)図等に示した、屋上等の防水カバー用キャップたる笠木Aよりなる。
すなわち、図1〜図4の(1)図,図6の(1)図,(3)図等に示したように、笠木Aは、建設材Eたる各ALCつまり外壁材Cと、RC(鉄筋コンクリート)よりなる躯体材Dを跨ぎ、両者の頂部間を覆うように、横に付設される。
【0010】
そして、このような建築仕上材Bである笠木Aが付設される建設材Eは、ALCつまり外壁材Cと、RC(鉄筋コンクリート)その他の壁体、その他各種の躯体材Dと、からなる。
外壁材Cは、鉄板等の金属製,発泡コンクリート製,鉄筋コンクリート製,タイル製,レンガ製,木製等々よりなり、横600mm,縦3,000mm,肉厚100mm程度のものが代表的である(図6の(2)図を参照)。
ところで周知のごとく、外壁材Cは、RC等の躯体材Dに対し、上下中央2箇所の止めピンG(図6を参照)にて吊り止めされており、下部中央の止めピンGが支点となって、垂直面で左右に揺動可能となっており、もって外力が加わった際における躯体材Dとの固着破壊が、防止されている。そして、このような外壁材Cが多数枚、建物の外表面に面一に配されている。RCよりなる躯体材Dは、例えば肉厚150mm程度よりなる。
本発明の取付金物4は、建築仕上材Bである笠木Aを、建設材Eである外壁材Cと躯体材Dに付設する際に、使用される。
本発明の適用対象は、このようになっている。
【0011】
《本発明の概要について》
次に、本発明の概要について述べる。各図に示したように、この取付金物4は、建築仕上材Bである笠木Aを、建設材Eである外壁材Cと躯体材Dに付設するために使用され、金物本体5と弾性材6とを有してなる。
金物本体5は、剛体よりなり、建築仕上材Bである笠木Aが取付けられる。弾性材6は、金物本体5と建設材Eである外壁材Cと躯体材Dとの間に、介装,取付けられると共に、外力にて建設材Eが変位した場合に、伸縮してこの変位を吸収可能となっている。
【0012】
これらについて、更に詳述する。まず金物本体5は、剛性を備えたアルミニウム材,アルミニウム合金材,ステンレス,その他の金属材よりなり、直線長板状をなすと共に、多くの場合上下に折曲加工されている。そして、一体物タイプよりなる場合と、建築仕上材Bの受けプレートたる折曲ホルダー部7が、端部に固定されたアッセンブリータイプよりなる場合とがある。いずれにしても、金物本体5の折曲ホルダー部7には、建築仕上材Bである笠木Aが、外嵌,係止等により取付けられる。
弾性材6としては、板バネが使用され、折曲されて用いられる。そして弾性材6は、金物本体5に対し、ボルトナット8,その他のネジ材,その他の止着材を用いて、取付けられる。これと共に弾性材6は、建設材Eである外壁材Cや躯体材Dに対し、タッピングネジ3その他の止着材を用いて、取付けられる。
このように、この取付金物4にあっては、建築仕上材Bが金物本体5に取付けられると共に、この金物本体5が、介装された弾性材6を介し建設材Eに取付けられる。
取付金物4は、概略このようになっている。
【0013】
《具体例について》
次に、図1,図2,図3,図4の(1)図等に示した、具体例について述べる。
この例の取付金物4は、一側の建設材Eと他側の建設材Eとにわたって、建築仕上材Bである笠木Aを、付設するために複数個使用される。すなわち、二重壁構造の外側の建設材EたるALCつまり外壁材C上と、内側の建設材EたるRC(鉄筋コンクリート)よりなる躯体材D上とにわたり、跨いで建築仕上材Bたる笠木Aを、付設するために複数個使用される(図6の(1)図,(3)図も参照)。
すなわち、外側に面一に配された複数枚の外壁材C上と、内側の躯体材D上にわたり、取付金物4が複数個、相互間に所定間隔を置きつつ取付けられており、これらの取付金物4上に、長尺物たる笠木Aが通しで取付けられており、もって、笠木Aが外壁材C頂部と躯体材D頂部を、覆っている。
【0014】
このような具体例について、更に詳述する。まず、図1の(1)図,(3)図,図4の(1)図等に示したように、この取付金物4の金物本体5は、内外方向に長板状をなし、(外壁材Cの肉厚寸法と躯体材Dの肉厚寸法とにほぼ見合った長さ寸法を備え)、外壁材C上からRCよりなる躯体材D上にかけて位置し、建築仕上材Bである笠木Aが外嵌,取付けられる。
そして金物本体5は、内外の両端部に、それぞれ折曲ホルダー部7が取付け固定され、もって全体的には、折曲構造をなしており、この折曲ホルダー部7を利用して、笠木Aが上側から外嵌,取付けられている。
すなわち、長尺物たる笠木Aは、断面が下向きの略コ字状をなしており、この内外の折曲垂下縁が、金物本体5の内外端部の折曲ホルダー部7の側面に、外嵌,係止により取付けられている。なお、折曲ホルダー部7の上面は、笠木Aの下面を当接保持している。
【0015】
又、この取付金物4の弾性材6は、金物本体5と一側の建設材Eとの間に介装,取付けられるものと、金物本体5と他側の建設材Eとの間に介装,取付けられるものとが、対をなして用いられている。
すなわち弾性材6は、図1の各図,図3の(1)図,(2)図,図4の(1)図等に示したように、折曲された板バネ製よりなり、金物本体5に止着されると共に外壁材C上に止着されるものと、金物本体5に止着されると共に躯体材D上に止着されるものとが、対をなして用いられている。
そして、両弾性材6はそれぞれ、中央部が、金物本体5下にクロスして配されると共に、ボルトナット8その他のネジ材等を用いて、止着されている。又、両端部に、それぞれ折曲9が形成されると共に、両端にて、外壁材C上や躯体材D上に、タッピングネジ3その他のネジ材等を用いて、止着されている。
具体例の取付金物4は、このようになっている。
【0016】
《参考例について》
次に、図4の(2)図に示した、本発明には属さない参考例について述べておく。この参考例の取付金物4は、面一に配された複数枚の建設材Eたる外壁材C上に、建築仕上材Bたる笠木Aを付設するために、複数個使用されている。
そして、この取付金物4の金物本体5は、内外方向に長板状をなすと共に折曲されており、笠木Aが上側から外嵌,取付けられる。弾性材6は、折曲された板バネ製よりなり、金物本体5と適宜外壁材Cとの間に介装,取付けられている。
すなわち、この参考例の取付金物4は、面一に配された外壁材Cについて、1つ置きずつ、その頂面に取付けられている。その金物本体5は、前述した本発明の具体例のものより短目の長さ寸法(外壁材Cの肉厚寸法程度)よりなり、笠木Aも、より幅狭の寸法設定よりなる。
そしてこの笠木Aは、本発明の具体例のものとは異なり、面一に配された各外壁材C上のみを覆うべく機能し、取付金物4は、このような笠木Aを各外壁材C上に付設すべく用いられる。
参考例の取付金物4は、このようになっている。
【0017】
《他の参考例について》
次に、図4の(3)図,(4)図に示した、本発明には属さない他の参考例について述べておく。この参考例の取付金物4は、面一に配された複数枚の建設材Eたる外壁材C上に、建築仕上材Bたる手摺Fや防護柵を付設するために、複数個使用されている。
そして、この取付金物4の金物本体5は、縦の支柱状をなし、上端に手摺Fや防護柵が止着される。弾性材6は、折曲された板バネ製よりなり、中央上に、金物本体5の下端が止着されると共に、両端下に、適宜外壁材Cが止着される。
この参考例において手摺Fは、各外壁材Cの肉厚中央上に、上下間隔を有しつつ通しで横設,付設されている。そして、この手摺Fを外壁材C上に保持する取付金物4は、外壁材Cについて、1つ置きずつ頂面中央に取付けられている。
この取付金物4の金物本体5は、縦柱状をなす。又、取付金物4の板バネ製の弾性材6は、長手方向を手摺Fの長手方向と平行に向けつつ、両端が外壁材Cの頂面上に止着されている。弾性材6の両端部には、折曲9が形成されると共に、弾性材6の中央に、支柱状をなす金物本体5の下端が止着されている。そして、この支柱状の金物本体5の上端上に、手摺Fが止着されている。このような弾性材6と金物本体5を備えた各取付金物4により、手摺Fが各外壁材C上に保持されている。
この参考例の取付金物4は、このようになっている。
【0018】
《作用等について》
本発明に係る建築仕上材Bの取付金物4は、以上説明したように構成されている。そこで、以下のようになる。
(1)この取付金物4は、金物本体5と弾性材6を有してなり、建設材Eに建築仕上材Bを付設するために使用される。金物本体5は、剛体よりなり、建築仕上材Bが取付けられ、弾性材6は、金物本体5と建設材Eとの間に、介装,取付けられる。
【0019】
(2)すなわち、この取付金物4は、一側の建設材Eと他側の建設材Eとにわたり、建築仕上材Bを、付設するために複数個使用される。金物本体5は、建築仕上材Bが外嵌,取付けられる。弾性材6は、金物本体5と一側の建設材Eとの間に介装,取付けられるものと、金物本体5と他側の建設材Eとの間に介装,取付けられるものとが、対をなして用いられる。
(3)具体的には、この取付金物4は、一側つまり外側の建設材EであるALCたる外壁材C上と、他側つまり内側の建設材EであるRCよりなる躯体材D上とにわたり跨いで、建築仕上材Bである笠木Aを、付設するために複数個使用される(図1の各図,図4の(1)図を参照)。
そして金物本体5は、内外方向に長板状をなし、外壁材C上から躯体材D上にかけて位置すると共に、両端部に折曲ホルダー部7を備えてなり、笠木Aが上側から外嵌,係止,取付けられる。
又、弾性材6は、折曲された板バネ製よりなり、金物本体5に止着されると共に外壁材C上に止着されたものと、金物本体5に止着されると共に躯体材D上に止着されたものとが、対をなして用いられる。そしてそれぞれ、中央部が、金物本体5下にクロスして配されると共に止着されており、両端部に、折曲9が形成され、両端にて、外壁材C上や躯体材D上に止着される。
【0020】
(4)この取付金物4は、このようになっているので、建築仕上材Bを建設材Eに付設させた施工後において、建物に地震,強風,その他の外力が作用した場合は、次のようになる。
この場合は、このような外力に基づき、→建物は、躯体側の床等が層間変位し、→これに追従して、外壁材Cや躯体材D等の建設材Eが各種変位し、→例えば、一側と他側の建設材E間に、相対的な変位差が発生する。
図示例では、外壁材Cにロッキング現象が発生し、→外壁材Cは、下部中央の止めピンGを支点として、1枚毎の個々にかなり揺動変位(垂直面で縦横回動変位)し、→相互間に(方向的や時間的な)変位差が発生し、又、より不動的で変位量が小さいRC等の躯体材Dとの間に、相対的な変位差(例えば高低差)が発生する(図6の(4)図の原理説明図、および図6の(5)図,(6)図の態様図を参照)。
【0021】
(5)さて、この建築仕上材Bの取付金物4は、このように外力にて外壁材C等の建設材Eが変位した場合において、→変位に対応した(変位量が大きい建設材Eの)取付金物4の弾性材6が伸縮し、→もって、これを吸収可能となっている。
すなわち、その取付金物4の弾性材6の板バネは、例えば引張力等が作用した場合は伸びると共に圧縮力等が作用した場合は縮む等、対応する建設材Eの変位に追従して伸縮し、→もって、このような外力そして変位を吸収する。
→このように、建設材Eに及んだ外力そして変位は、→途中に止着,介装された弾性材6が伸縮することにより、容易かつ確実に吸収され、→弾性材6に止着,取付けされている剛体製の金物本体5には、伝達されず、→又、金物本体5に外嵌,係止,取付けられている建築仕上材Bである笠木Aにも、及ばない。
(6)そこで、この取付金物4にて付設された建築仕上材Bは、平常状態をそのまま維持し、その変形,損傷,破損,破壊等は防止される。
すなわち、外壁材Cや躯体材D等の建設材E間に、上述したように相対的な変位差が発生しても、→対応する取付金物4の弾性材6が適宜伸縮することにより、→途中の取付金物4の段階で、このような変位差は吸収,解消され、→もって、建築仕上材Bである笠木Aに、引張力,圧縮力,せん断力,曲げ力,ねじり力等が及ぶことはなく、ひずみ,応力集中,モーメント等が発生する虞は回避される。
【0022】
図2は、このような取付金物4の作用を示す。そして、その(1)図,(2)図には、外壁材Cが、ロッキング現象により降下変位した状態が示され、弾性材6が、図1の(1)図,(2)図に示した平常状態より、上下に伸びている。これに対し(3)図,(4)図には、外壁材Cが、ロッキング現象により上昇変位した状態が示されており、弾性材6が、図1の(1)図,(2)図に示した平常状態より、上下に縮んでいる。
又、図3の(3)図,(4)図には、外壁材Cが、ロッキング現象により横変位(縦変位に対する横変位、図3の(3)図の紙面上では上方向への横変位)した状態が示されており、弾性材6は、折曲9の一方が伸びると共に他方が縮んでいる。なおこの場合、金物本体5に穿設された長穴10(ボルトナット8止着用)も、このような横変位対策として機能している。
【0023】
ところで、外壁材Cのロッキング現象は、垂直面での揺動変位であるが、これを分析すれば、図2のような縦方向の変位と、図3の(3)図のような横方向の変位とに、分けて理解される。つまり外壁材Cにおいて、このような縦横の変位は同時に発生する。
さて、ロッキング現象により、外壁材Cがこのように降下変位,上昇変位,横変位等しても、これらの変位は、取付金物4の弾性材6の伸縮により吸収,遮断されており、もって、変位量が小さいか不動状態のままの躯体材Dとの変位差は、これにて解消される。
従って、図2の(1)図,(2)図,図3の(3)図に示したように、金物本体5および建築仕上材Bたる笠木Aは、図1の(1)図,(3)図に示した平常状態と同じ状態,位置関係,略水平姿勢を、そのまま維持している。
【0024】
(7)そして、この建築仕上材Bの取付金物4は、従来より用いられている剛体製の金物本体5に、板バネ製の弾性材6を組み合わせて採用した、簡単な構成よりなる。
そして、建築仕上材Bである笠木Aと、外壁材Cや躯体材Dよりなる建設材Eとの間に、外嵌,係止,止着等により介装,取付けられ、施工も簡単である。
【0025】
【発明の効果】
《本発明の特徴》
本発明は、以上説明したように、取付金物を、建築仕上材である笠木が取付けられる剛体製の金物本体と、外壁材や躯体材よりなる建設材との間に介装される板バネ製の弾性材とで構成し、この弾性材が、建設材の変位を伸縮により吸収可能となっている。
そこで本発明は、次の効果を発揮する。
【0026】
《第1の効果》
第1に、外力が作用した場合において、取付金物や建築仕上材である笠木の変形,損傷,破損,破壊等が、防止される。
すなわち、施工後に地震,強風,その他の外力が作用し、もって躯体側が層間変位して、外壁材にロッキング現象が発生する等、建設材である外壁材や躯体材が変位した場合、本発明の建築仕上材の取付金物は、その弾性材が伸縮することにより、このような変位を吸収可能となっている。
本発明では、弾性材がこのような外力そして変位を吸収するので、金物本体や建築仕上材である笠木は、平常状態をそのまま維持する。もって、固定式・固着式の取付金物を使用していた前述したこの種従来例のように、取付金物や建築仕上材である笠木が、変形,損傷,破損,破壊等することは、未然に防止される。勿論、漏水事故等の危険や、補修の手間やコスト負担も回避される。
【0027】
《第2の効果》
第2に、しかもこれは、簡単容易に実現される。すなわち、本発明の建築仕上材の取付金物は、従来より用いられている金物本体に、板バネ製の弾性材を組み合わせた簡単な構成より、その製作,施工も簡単であり、実用性に富んでいる。もって、上述した第1の点が、簡単容易に実現される。
このように、この種従来例に存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る建築仕上材の取付金物について、発明の実施の形態の説明に供し、いずれも平常状態を示し、(1)図は、正断面図、(2)図は、左側断面図、(3)図は、要部の平面図である。
【図2】 同発明の実施の形態の説明に供し、(1)図,(2)図は、外壁材が降下変位した状態を示し、(1)図は、正断面図、(2)図は、左側断面図である。(3)図,(4)図は、外壁材が上昇変位した状態を示し、(3)図は、正断面図、(4)図は、左側断面図である。
【図3】 同発明の実施の形態の説明に供し、(1)図,(2)図は、平常状態を示し、(1)図は、板バネの斜視図、(2)図は、板バネの側面図である。(3)図,(4)図は、外壁材が横変位した状態を示し、(3)図は、要部の平面図、(4)図は、板バネの側面図である。
【図4】 (1)図は、同発明の実施の形態の説明に供し、概略平面図である。(2)図は、本発明には属さない参考例の概略平面図、(3)図は、本発明には属さない他の参考例の概略平面図、(4)図は、同他の参考例の概略正断面図である。
【図5】 この種従来例の建築仕上材の取付金物の説明に供し、(1)図は、正断面図、(2)図は、要部の平面図である。
【図6】 笠木や外壁材の説明に供し、(1)図は、要部の正断面図、(2)図は、外壁材の斜視図、(3)図は、笠木や外壁材の側面説明図、(4)図は、ロッキング現象の原理説明図、(5)図は、ロッキング現象の1例の側面説明図、(6)図は、ロッキング現象の他例の側面説明図である。
【符号の説明】
1 取付金物(従来例のもの)
2 折曲ホルダー部(従来例のもの)
3 タッピングネジ
4 取付金物(本発明のもの)
5 金物本体
6 弾性材
7 折曲ホルダー部(本発明のもの)
8 ボルトナット
9 折曲
10 長穴
A 笠木
B 建築仕上材
C 外壁材
D 躯体材
E 建設材
F 手摺
G 止めピン
Claims (1)
- 建設材Eに建築仕上材Bを付設するために使用される取付金物4であって、金物本体5と弾性材6とを有してなり、
該金物本体5は、剛体よりなり該建築仕上材Bが取付けられ、該弾性材6は、該金物本体5と該建設材Eとの間に介装,取付けられると共に、外力にて該建設材Eが変位した場合に、伸縮してこれを吸収可能となっており、
該取付金物4は、二重壁構造の外側の該建設材Eたる外壁材C上と内側の該建設材Eたる躯体材D上とにわたり跨いで、該建築仕上材Bたる笠木Aを付設するために複数個使用されるものであり、
該金物本体5は、該外壁材C上から該躯体材D上にかけて内外方向に位置し、該笠木Aが上側から外嵌,取付けられ、内外方向に長板状をなすと共に、両端部に該笠木Aを外嵌,係止させる折曲ホルダー部7を備えており、
該弾性材6は、折曲された板バネ製よりなり、該金物本体5に止着されると共に該外壁材C上に止着されて、該金物本体5と該外壁材C間に介装,取付けられるものと、該金物本体5に止着されると共に該躯体材D上に止着されて、該金物本体5と該躯体材D間に介装,取付けられるものとが、対をなして用いられており、
かつ該弾性材6は、中央部が、該金物本体5下にクロスして配されると共に止着されており、両端部に、それぞれ折曲9が形成され、両端にて、該外壁材C上や該躯体材D上に止着されること、を特徴とする建築仕上材の取付金物。
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