JP3666621B2 - 微生物由来成分の測定装置及び測定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、微生物由来成分の測定装置及び測定方法に係り、詳記すれば、グラム陰性菌、グラム陽性菌及び真菌等の広範囲の微生物汚染を、高い信頼性と容易な測定操作で測定可能な微生物由来成分の測定装置及び測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
医薬品の製造・品質管理、医療用具の製造・品質管理、食品の製造・品質管理、透析液の品質管理、微生物感染症の診断、半導体製造工程での洗浄水の不純物汚染管理等の微生物汚染が問題となる分野では、従来から微生物汚染量を測定し、その混入を防ぐことが行われている。ここで、微生物汚染量というのは、より具体的には、試料中の生菌数、或は例えばエンドトキシン、ペプチドグリカン、(1→3)β−D−グルカン(以下、β−グルカンという)等の微生物由来成分量のことである。尚、微生物汚染量の測定を、微生物由来成分量に基づいて行えば、生菌数の量を見積ることができるだけではなく、死菌を含めた総合的な微生物汚染量を知ることができる。
【0003】
最近では実験動物の飼育や菌体培養が不要で操作が簡便である等の理由から、このような微生物由来成分量の測定法としては、下記の方法が主流となりつつある。
▲1▼カブトガニ血球成分を試薬として用いる所謂リムルステスト(比濁時間分析法)によるグラム陰性菌由来のエンドトキシンの測定
▲2▼リムルステスト(合成基質法)によるグラム陰性菌由来のエンドトキシンの測定
▲3▼エンドトキシンを不活化又は除去した試料を使用するリムルステスト(比濁時間分析法)による真菌由来のβ−グルカンの測定
▲4▼カブトガニ血球成分から取り出されたβ−グルカンと反応する成分と、合成基質を含む試薬(合成基質法)による真菌由来のβ−グルカンの測定
▲5▼カイコ体液成分を含む試薬であるSLP試薬(活性化時間分析法)によるグラム陽性菌若しくはグラム陰性菌由来のペプチドグリカンまたは真菌由来のβ−グルカンの測定
【0004】
尚、上記比濁時間分析法、活性化時間分析法及び合成基質法は、それぞれ以下の方法のことである。
比濁時間分析法または活性化時間分析法:試料と反応試薬との混合物(被検試料液)に光を照射し、試料と反応試薬とを混合後所定時間経過後から、被検試料液についての光学的変化〔初期透過光量Ioと所定時間(t)経過後の透過光量(It)との比。R=It/Io、透過光量比Rの対数値、透過率の変化、吸光度の変化等〕が所定の量だけ生ずるのに要する時間(透過光量が一定の割合変化するまでの時間)を測定し、当該時間を利用して目的の測定を行う方法。
合成基質法:被検試料液中で活性化される酵素の作用により色素を遊離する性質を有する合成基質を使用し、遊離された色素量から目的の測定を行う方法。
【0005】
上記リムルステストに於ける比濁時間分析法と合成基質法による測定は、試料となる対象物質の反応への影響に応じて使い分けられている。
従来のリムルステスト等では、検出困難であったグラム陽性菌由来のペプチドグリカンが、上記▲5▼のSLP試薬が開発されたことによって、検出可能となったので、実験動物や培養操作が不要な上記微生物汚染の測定法は、一段とその重要性を増している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の比濁時間分析装置は、操作が容易であり、これを用いて上記▲1▼、▲3▼、▲5▼の測定を行えば、複数の試料について、再現性、定量性に優れた測定を高い信頼性のもとで実施できる利点はあったが、上記▲2▼や▲4▼等の合成基質法に基づく測定には使用できなかった。
【0007】
また、従来のマイクロプレ−トリ−ダ−は、上記▲2▼、▲4▼、▲5▼等を実施することは可能であったが、例えば反応開始時点と測定開始時点とを連動できず、被検試料液毎の反応経過時間を厳密に測定できないことと、試料容器並びに反応容器である96穴マイクロプレ−トの微生物汚染を完全に除去することが困難であるほか、マイクロプレ−トの周辺部と中央部に於ける被検試料液の温度を均一に制御することが困難であること等の理由から、得られた測定値は信頼性に欠けるという問題点を有していた。
【0008】
また、上記の問題点に加えて、マイクロプレ−トリ−ダ−では、マイクロプレ−トを静止させたままで測定を行うことができないため、上記▲1▼、▲3▼等のリムルステストを使用し生ずるゲル化反応を利用して行う分析法をマイクロプレ−トリ−ダ−を使用して実施した場合、測定精度が悪化するという問題点もあった。更に、従来のマイクロプレ−トリ−ダ−は、光源として、タングステンランプを使用するため、光配分系が必要で且つマイクロプレ−トを移動させる機構が必要となるため、装置が複雑で高価となるという問題点も有していた。
【0009】
この請求項1及び11に記載の発明は、それぞれ微生物由来成分の測定装置及び測定方法であって、比濁時間分析法と合成基質法の両方に適用でき、その結果、グラム陰性菌、グラム陽性菌及び真菌等の広範囲の微生物汚染を高い信頼性と容易な測定操作で測定できる微生物由来成分の測定装置及び測定方法を提供することを目的とする。
また、請求項5に記載の発明は、上記目的に加えて、試料キュベットのキュベット保持手段への設置時点を自動的に検出できる測定装置を提供することを目的とする。
また、請求項6及び7に記載の発明は、上記請求項1記載の目的に加えて、測定回路の安定性を向上させ、測定精度を向上させた測定装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的に沿う本発明の請求項1記載の測定装置は、試料と反応試薬とを混合し、混合後の反応開始による透過光量の変化を測定して微生物由来成分を測定する装置に於いて、
前記試料と反応試薬との混合物(被検試料液)を収容する試料キュベットを保持する手段と、該試料キュベットに光線を照射する青色及び/または紫色の光を発する発光ダイオ−ドと、照射した光線の透過光量を検知する手段と、測定開始から被検試料の透過光量が所定の割合変化する迄の時間を検出する手段と、を具備することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項11記載の測定方法は、試料と反応試薬の混合物(被検試料液)の調製後所定時間経過後からの透過光量が所定の割合変化するまでの時間に基づいて微生物由来成分を測定する方法に於いて、前記被検試料液を試料キュベットに収容して静置状態に保持し、該被検試料キュベットに発光ダイオ−ドから青色及び/または紫色の光線を照射し、照射した光線の透過光量を検知し、前記所定時間経過後から被検試料液の透過光量が所定の割合変化する迄の時間を検出し、該時間に基づいて目的物を測定することを特徴とする。
【0012】
要するに本発明は、青色及び/または紫色の光を発する発光ダイオ−ドを使用して、従来の比濁時間分析装置(トキシノメ−タ−)を改良し、比濁時間分析法と合成基質法の両方に適用できるようにしたことを要旨とするものであるが、従来、比濁時間分析法と合成基質法の両方に適用できる比濁時間分析法用の測定装置及び測定方法は全く知られていない。
本発明者等は、前記目的を達成するため鋭意研究の結果、従来の発光ダイオ−ドを使用する比濁時間分析法では、発色合成基質試薬として従来使用されてきた波長405nmにおけるp−ニトロアニリン(pNA)の発色が検知できなかったが、青色及び/または紫色の光を発する発光ダイオ−ドを使用することによって、従来のマイクロプレ−トリ−ダ−による測定と同等以上の定量測定が実施できることを見いだし、本発明に到達したものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に於いては、光源として、青色及び/または紫色の光を発する発光ダイオ−ドを使用することを特徴とするものであるが、従来この発光ダイオ−ドを微生物由来成分の測定に使用することは全く行われていないし、このような発想も全く知られていない。
青色及び/または紫色の光を発する発光ダイオ−ドとしては、発光の最大ピ−クの半分の高さと発光スペクトルとの交点の少なくとも一方が415〜485nmの範囲内、特に415〜485nmの範囲内に発光ピ−クを有する発光ダイオ−ドが好適に使用される。
【0014】
本発明の測定開始から被検試料の透過光量が一定の割合変化する迄の時間を検出する手段としては、具体的には、例えば、試料キュベットの保持手段への設置時点を検出する手段と、該設置時点の検出に連動してタイマ−を計時開始する手段と、計時開始したタイマ−に連動して任意のタイミングで被検試料の透過光量をサンプリングして記憶する手段とを具備した手段が挙げられる。
【0015】
また、測定精度を考慮すると、本発明の測定装置の試料キュベットを保持する手段は、試料キュベットを静置状態に保持し得るものであるのが望ましく、更に測定効率を考慮すると、複数個の試料キュベットを保持し得るものであるのが望ましい。
照射した光線の透過光量を検知する手段や前記試料キュベットの保持手段への設置時点を検出する手段は、試料キュベット毎に設置し、タイマ−も複数個設置し且つ計時開始する手段を、試料キュベット設置時点の検出に連動して、これら複数のタイマ−のうち作動中でないタイマ−の1つを計時開始させる機構とするのが良い。更に、計時開始したタイマ−に連動して任意のタイミングで被検試料の透過光量をサンプリングして記憶する手段や、測定開始から透過光量が一定の割合変化する迄の時間を検出する手段も複数個備えても良い。
【0016】
次に、本発明の装置の望ましい実施例を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る測定装置のブロック図であり、試料と反応試薬との混合物(被検試料液)を収容する複数の被検試料キュベット1と、複数の青色及び/又は紫色の光を発する発光ダイオ−ド光源2と、該光源2から各々対応する複数の試料キュベット1に光線を照射し複数の透過光量を別々に検知する光電検出器3と、試料キュベット1を静置状態で恒温状態に保持するインキュベ−タ4と、光電検出器3で検知された複数の透過光量を順次切替えて次々に送信するマルチプレクサ5と、送信された信号を増幅する増幅回路6と、増幅回路6で増幅された信号をデジタル値に変換するA/D変換器7と、試料キュベット1が試料保持手段に設置された時点の検出に連動して動作中でないものの1つがコンピュ−タ8により計時開始され、反応時間の計時を行う複数のタイマ−10と、計時開始したタイマ−に連動し、透過光測定状態となった光学系に対応して計時(即ち測定)状態を表示する素子9と、前記デジタル化された透過光量を計時開始したタイマ−に連動して任意のタイミングでサンプリングしメモリ11に記憶すると共に透過光量の変化のデ−タ処理と装置全体の動作を制御するコンピュ−タ8とから構成された例を示す。
【0017】
試料キュベット1としては、ガラス製の試験管を使用するのが良く、ガラス製の試験管を使用することにより、乾熱処理によって微生物汚染を完全に除去できる。
青色及び/または紫色の光を発する発光ダイオ−ド光源2としては、例えば日亜化学工業(株)から市販の発光ダイオ−ドNLPB500,510,520,或はNLPB300,310,320、豊田合成(株)から市販のE1L51、E1L53、E1L55等の発光素子を使用することができる。
【0018】
上記実施例で使用した発光ダイオ−ド光源2は、上記NLPB520であり、青色及び紫色の光を発し、450nmに発光ピ−クを有し、発光ピ−クの半分の高さと発光スペクトルとの交点が415nmと485nmのダイオ−ドである。上記実施例に於いては、光源2を複数設けているが、これは必ずしもこのようでなくとも良く、単一光源から光フアイバ−で各被検試料キュベット1に照射光を導いても良い。
光電検出器3としては、透過光量に対応する電気信号が発生するフオトダイオ−ド、光電セル等の受光素子を使用することができる。光電検出器も光源と同様に、単一の光電検出器に光フアイバ−で各被検試料キュベット1の透過光を導いても良い。
【0019】
試料キュベット1を静置状態で恒温状態に保持するインキュベ−タ4としては、キュベット1を保持する手段をアルミブロックで構成し、それに公知の温度制御回路及び素子を結合することによって形成すると良い。このように形成することによって、振動のない均一な温度分布を持つインキュベ−タ4とすることができる。
本インキュベ−タ4で光源2と光電検出器3とを併せて恒温状態に保持すれば、測定回路の安定性は更に向上する。
本装置では、測定中、試料キュベット1を静置状態に保つことができる。これは、リムルステストを利用した比濁時間分析法を精度良く行うための必須の条件である。
【0020】
試料キュベット1のキュベット保持手段への設置時点の検出は、キュベット保持手段に各キュベットを検出するマイクロスイッチや、光センサを設置することで実現できるが、光源2と光電検出器3とを使用して、試料キュベット設置に伴う急激な透過光量の変化を検出することにより行うのが良い。このようにすることによって、余分な検出部品を使用せずに、設置時点を自動的に検出することもでき、独立した試料キュベット毎の反応経過時間が厳密に管理でき、しかも操作は、試料キュベットを保持ホルダ−に挿入するだけでよいので、極めて容易となる。
【0021】
試料キュベット設置の検出毎に順次計時を開始する複数タイマ−10は、公知の順序回路とカウンタ−で構成できるが、1つの基本タイマ−とコンピュ−タ8とメモリ11によるプログラム動作で置き換えることもできる。
現在どの光学系が測定状態になっているかを表示する素子9には、LEDが使用でき、その表示状態から次にどの光学系が測定状態に入るかを知ることができる。
【0022】
コンピュ−タ8は、キュベット設置時点を検出し、タイマ−10のうちのどれを起動するかを判断し制御すると共に、計時動作中のタイマ−10のカウントを観測しながら任意のタイミングで被検試料の透過光量をサンプリングし、メモリ11にデ−タとして記憶する。また、所定時間後、タイマ−の停止をも制御する。
このように試料キュベット1の設置時点の検出に連動して厳密な反応時間の管理がなされているため、測定開始から被検試料の透過光量が一定の割合だけ変化するまでの時間をコンピュ−タ8とメモリ11によるプログラム操作で容易に検出することができる。尚、「透過光量が一定の割合だけ変化」したことを確認する方法としては、例えば、透過光量比Rの変化、透過光量比Rの対数値の変化、透過率の変化、吸光度の変化等に基づいて確認する方法等が挙げられる。更に、メモリ11に記憶されたデ−タを使用して、反応のエンドポイント法による測定或はレ−ト法による動的な反応測定を厳密に行うこともできる。
【0023】
上記構成を有する本発明の測定装置の機能を十分発揮せしめるため、上記実施例に於いては、データの表示装置12(LED、CRTデイスプレイ、液晶デイスプレイ等)、デ−タの表示制御スイッチ13、デ−タの印字プリンタ−14、外部コンピュ−タとの通信装置15を設けている。表示装置12にCRTデイスプレイや液晶デイスプレイを用いる場合には、測定状態表示素子9をこれらデイスプレイで置き替えることもできる。また、フロッピ−デイスクドライブ等の補助記憶装置17を設置することもできる。
【0024】
図2は、具体的に構成された本発明の測定装置の斜視図を示すもので、12は、測定した試料のデ−タを表示する表示装置、13は複数の表示デ−タを切り替える制御スイッチ、16は被検試料キュベットを保持する温度制御装置付きの試料キュベットホルダ−、9は現在どの光学系が測定状態となっているかを表示する素子である。ここでは1例として8本の被検試料キュベットの同時保持を行う例を示した。試料と反応試薬を混合した試料キュベットのホルダ−16への設置が検出されると、これに連動し、動作中でないタイマ−の1つが起動される。このタイマ−の起動に連動して対応する表示素子9が点灯し、測定終了まで点灯しつづけるので、その表示素子が消灯する迄放置すれば、測定とデータ処理が自動的に終了するようになっているので、測定操作は極めて容易である。尚、図2中、14はデ−タ印字プリンタ−を、17は補助記憶装置を示す。
【0025】
本発明の方法により微生物由来成分の濃度を測定するには、反応試薬と被検液とを混合した後、反応試薬による生成物の量がある一定値となるまでの時間を、透過光量が一定の割合変化するまでの時間として検出し、これを使用して常法(例えば、この時間と微生物由来成分量との関係を表す検量線を利用する方法等)により定量する。
また、本発明に於ける、透過光量が一定の割合変化するまでの時間とは、具体的には、例えば透過光量比R、Rの対数値、透過率、吸光度等の光学的測定値の変化量が、所定値に到達するまでの時間である。該所定値としては、目的の測定を実施し得る値であれば良く特に限定されないが、例えば光学的測定値として透過光量比Rを利用するものであれば、該所定値は、通常−3〜−25%、好ましくは−5〜−20%の範囲から適宜設定される。また、透過率、吸光度、Rの対数値等を光学的測定値として利用して本発明の測定を行う場合も、該所定値はRの場合に準じて適宜設定すれば良い。
【0026】
反応試薬としては、微生物由来成分と特異的に反応する公知の反応試薬を使用すれば良い。
例えば、グラム陰性菌の測定には、エンドトキシンと反応する公知の反応試薬、ペプチドグリカンと反応する公知の反応試薬等が使用され、グラム陽性菌には、ペプチドグリカンと反応する公知の反応試薬が使用され、真菌にはβ−グルカンと反応する公知の反応試薬が使用される。これら反応試薬に含まれる主成分は、カブトガニ血球やカイコ等の昆虫の体液中に含まれている。
【0027】
カブトガニ血球成分には、エンドトキシンと反応する成分とβ−グルカンと反応する成分が含まれているので、目的に応じてこれをそのまま使用したり、エンドトキシンのみ若しくはβ−グルカンのみと反応する成分だけを利用する。
カイコ体液成分(SLP)には、β−グルカンと反応する成分とペプチドグリカンと反応する成分が含まれているので、同様に目的に応じてこのまま若しくは適宜成分を分離して使用する。
比濁時間分析法に於いては、上記反応試薬を使用するが、合成基質法に於いては、上記反応試薬に更に発色合成基質を添加した試薬を使用する。
これら反応試薬は、公知の方法に基づいて自製したものでも、市販品を適宜使用して調製したものであっても良い。
【0028】
次に、上記本発明の装置を使用して微生物由来成分濃度を測定する例を示す。
実施例 1:比濁時間分析法
エンドトキシン測定用ガラス試験管に、エンドトキシン水溶液(0〜100EU/ミリリットル)100マイクロリットルとLAL(カブトガニ血球成分)溶液(リムルスES−II、和光純薬工業(株)製)100マイクロリットルを加えて撹拌混合し、本発明の装置を使用して透過光量の変化を測定した。
図3に、〔It(時間tに於ける試料液からの透過光量)/Io(反応の進行により減少を開始する以前の試料液からの透過光量)〕×100(%)が95.0%となるまでに要する時間(ゲル化時間)とエンドトキシン濃度との検量関係を示す。図3より明らかなように、非常に広い範囲で良好な検量関係が得られた。
【0029】
エンドトキシン測定用ガラス試験管に、エンドトキシン水溶液(0.05EU/ミリリットル)100マイクロリットルとLAL(カブトガニ血球成分)溶液(リムルスES−Jテストワコ−、和光純薬工業(株)製)100マイクロリットルを加えて撹拌混合し、本発明の装置を使用して再現性を測定した。
表1に、エンドトキシン濃度0.05EU/ミリリットルの場合での〔It/Io〕×100(%)が95.0%となるまでに要する時間(ゲル化時間)の再現性を示す。尚、比較のため、光源として従来の赤色LEDを使用した場合も同様に測定し、結果を表1に併記した。
【0030】
【表1】
【0031】
表1より明らかなように、本発明の装置で得られる再現性は、従来の装置と同程度であり、また、本発明の装置では従来の装置よりもゲル化時間が短くなり、検出に要する時間を短縮することができる利点が得られる。
【0032】
実施例 2:合成基質法
エンドトキシン測定用ガラス試験管に、エンドトキシン水溶液(0〜100EU/ミリリットル)100マイクロリットルと合成基質法試液(トキシカラ−TMシステムLS−200、生化学工業(株)製)100マイクロリットルを加えて撹拌混合し、本発明の装置を使用して透過光量の変化を測定した。
図4に、〔It/Io〕×100(%)が95.0%となるまでに要する時間(活性化時間)とエンドトキシン濃度との検量関係を示す。図4より明らかなように、非常に広い範囲で良好な検量関係が得られた。
【0033】
実施例 3:β−グルカン測定(合成基質法)
エンドトキシン測定用ガラス試験管に、カ−ドラン(β−グルカン)水溶液(0〜1000pg/ミリリットル)100マイクロリットルとビ−ジ−スタ−Aキット発色試液(マルハ(株)製)100マイクロリットルを加えて撹拌混合し、本発明の装置を使用して透過光量の変化を測定した。
図5に、〔It/Io〕×100(%)が90.0%となるまでに要する時間(活性化時間)とカ−ドラン濃度との検量関係を示す。図5より明らかなように、非常に広い範囲で良好な検量関係が得られた。
【0034】
実施例 4:SLP試薬測定
エンドトキシン測定用ガラス試験管に、カ−ドラン水溶液(0〜1000pg/ミリリットル)100マイクロリットルとSLP試液(和光純薬工業(株)製)100マイクロリットルを加えて撹拌混合し、本発明の装置を使用して透過光量の変化を測定した。
図6に、〔It/Io〕×100(%)が95.0%となるまでに要する時間(活性化時間)とカ−ドラン濃度との検量関係を示す。図6より明らかなように、非常に広い範囲で良好な検量関係が得られた。
【0035】
【発明の効果】
従来、微生物汚染の有無を判別するために、微生物由来成分を測定するには、マイクロプレ−トリ−ダ−を使用し、不十分な反応時間管理と不均一な反応温度制御のもとに、器材汚染の危険性など信頼性の低い状態で実施せざるを得なかった測定が、本発明の請求項1及び11に記載の発明によれば、比濁時間分析装置を改良し、従来の比濁時間分析装置では測定し得なかった合成基質法の測定もできるので、グラム陰性細菌、真菌、グラム陽性細菌等の微生物汚染の有無を判別するための測定を容易な操作で、信頼性高くしかも効率的に実施できるというこの種従来の微生物由来成分測定装置及び方法には全く見られない画期的な効果を奏する。
【0036】
また、請求項5に記載の発明は、上記請求項1記載の効果に加えて、余分な検出部品を使用せずに、試料キュベットの設置時点を自動的に検出でき、独立した試料キュベット毎の反応時間が厳密に管理でき、しかも操作は容易となる利点が得られる。
また、請求項6及び7に記載の発明は、上記請求項1記載の効果に加えて、測定回路の安定性が向上し、測定精度が著しく向上する。
【0037】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の測定装置のブロック図である。
【図2】本発明の測定装置の斜視図である。
【図3】比濁時間分析法によるゲル化時間とエンドトキシン濃度との検量関係図である。
【図4】合成基質法による活性化時間とエンドトキシン濃度との検量関係図である。
【図5】β−グルカン測定の活性化時間とカ−ドラン(β−グルカン)濃度との検量関係図である。
【図6】SLP試薬を使用した活性化時間とカ−ドラン濃度との検量関係図である。
【符号の説明】
1 試料キュベット
2 青色及び/又は紫色の光を発する発光ダイオ−ド
3 光電検出器
4 インキュベ−タ
5 マルチプレクサ
7 A/D変換器
8 コンピュ−タ
9 測定状態表示素子
10 タイマ−
11 メモリ
16 試料キュベットホルダ−
Claims (12)
- 試料と反応試薬とを混合し、混合後の反応開始による透過光量の変化を測定して微生物由来成分を測定する装置に於いて、
前記試料と反応試薬との混合物(被検試料液)を収容する試料キュベットを保持する手段と、該試料キュベットに光線を照射する青色及び/または紫色の光を発する発光ダイオ−ドと、照射した光線の透過光量を検知する手段と、測定開始から被検試料の透過光量が所定の割合変化する迄の時間を検出する手段と、を具備することを特徴とする微生物由来成分の測定装置。 - 前記測定開始から被検試料の透過光量が所定の割合変化する迄の時間を検出する手段が、前記試料キュベットの前記保持手段への設置時点を検出する手段と、該設置時点の検出に連動してタイマ−を計時開始する手段と、該計時開始したタイマ−に連動して任意のタイミングで被検試料の透過光量をサンプリングして記憶する手段とを具備する請求項1に記載の測定装置。
- 前記試料キュベットを保持する手段が、複数個の試料キュベットを静置状態に保持し得るものである請求項1に記載の測定装置。
- 前記青色及び/または紫色の光を発する発光ダイオ−ドが、発光ピ−クの半分の高さと発光スペクトルとの交点の少なくとも一方は、波長415nm〜485nmの範囲内である請求項1に記載の測定装置。
- 前記設置時点の検出手段が、前記発光ダイオ−ドと前記透過光量検知手段とを使用し、前記試料キュベット設置に伴う透過光量の急激な変化を検出する請求項2に記載の測定装置。
- 前記試料キュベットを恒温に保持する手段を具備する請求項1に記載の測定装置。
- 前記発光ダイオ−ド及び/または前記透過光量検知手段の温度を恒温に保持する手段を具備する請求項1または6に記載の測定装置。
- 前記反応試薬が、カブトガニ血球成分を含んでなるものである請求項1に記載の測定装置。
- 前記反応試薬が、カイコ体液成分を含んでなるものである請求項1に記載の測定装置。
- 前記反応試薬が、カブトガニ血球成分又はカイコ体液成分と、発色合成基質である請求項1に記載の測定装置。
- 試料と反応試薬の混合物(被検試料液)の調製後所定時間経過後からの透過光量が所定の割合変化するまでの時間に基づいて微生物由来成分を測定する方法に於いて、前記被検試料液を試料キュベットに収容して静置状態に保持し、該被検試料キュベットに発光ダイオ−ドから青色及び/または紫色の光線を照射し、照射した光線の透過光量を検知し、前記所定時間経過後から被検試料液の透過光量が所定の割合変化する迄の時間を検出し、該時間に基づいて目的物を測定することを特徴とする微生物由来成分の測定方法。
- 前記透過光量の変化が、前記被検試料液に於いて起こるゲル化反応、メラニン生成反応または色素遊離反応に対応して生じる請求項11に記載の測定方法。
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