JP3666547B2 - 光学装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学装置に係り、特に電子写真式光プリンタ、デジタル複写機、ファクシミリ等の光書込みユニットやスキャナ等の光読取りユニットに用いられるLED(発光ダイオード)アレイやEL(端面発光素子)アレイ等の微小光源アレイを光源とする光学装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年におけるスモールオフィスやホームオフィス向けの情報機器の発展に伴って、各種紙情報の出力のための装置であるプリンタの需要が増加している。こうしたプリンタは高解像度の画像や文宇をモノクロ又はカラーで出力する必要がある。そして、その需要の増加と共に、より高解像度で高速出力、コンパクト、安価であることが要求されてきている。
これらの要求を満たすプリンタとして、例えば多数のLEDを配列しているLEDアレイを用いた電子写真式光プリンタ(以下、「LEDプリンタ」という)がある。この方式においては、LEDアレイを書込み光源とする固体走査型であるため、半導体レーザを用いたラスタスキニング方式の書込み光学系をもつ光プリンタよりもコンパクトに作り易く、またLEDアレイの各LEDが並列に書き込みを行うため、高速出力化も比較的容易に実現することができる。
【0003】
なお、LEDを光源に用いる場合には、LEDの出力光を感光面に高分解能かつ高効率に伝達する必要がある。また、機器をよりコンパクトにするには、光源と感光面の距離を減少させることが要求され、そのためには共役長が短い結像光学系が必要である。
【0004】
このような結像光学系の例としては、ロッドレンズを複数束ねたロッドレンズアレイが従来から知られており、実際に各種LEDプリンタに搭載されている。図16は、ロッドレンズアレイを用いた光学装置の一例として、特開平7−108709号公報中に開示された構造例を示す断面図である。
この構造においては、LEDアレイ100の各LED102から出射された光がロッドレンズアレイの対応する各ロッドレンズ104の集光作用によって感光面106に投影されることにより、この感光面106に微小な点像が結像されるようになっている。即ち、複数のロッドレンズ104が配置されているロッドレンズアレイが、この光学装置における結像光学系を構成している。
【0005】
また、同じLEDアレイを用いた書込みユニットなる光学装置として、密着型構造のものが提案されている。図17は、密着型構造の光学装置の一例として、特開平8−1998号公報中に開示された構造例を示す斜視図である。
この構造においては、LEDアレイ110の各LED112から出射された光が、LEDアレイ110上の遮光性材料からなる保護層114に貫通しているパイプ状の導光路116を経て外部に取り出され、遮光性材料からなる保護層114に密着させた感光面(図示せず)に照射されるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記図16に示したロッドレンズアレイ方式の場合、ロッドレンズ104は開口角か大きく明るい光学系であるため、LED102からの光を比較的効率よく感光面106に伝達させることができるという利点がある。
しかし、LEDアレイ100におけるLED102の放射角は元々広いため、LED102からロッドレンズ104へ至る間にLED102から出射された放射光の大半がロッドレンズ104へは入射せず、放射光の利用効率が悪いものとなる。従って、感光面106において所定の光量を必要とする場合、LED102の駆動電流を増大させる必要があり、その分、LED102が発熱し易くなるという問題が生ずる。
【0007】
また、上記図17に示した密着型構造の場合、前述のロッドレンズを用いた構成とは異なり、各光源の出力光が1つずつ照射されるので、レンズのピッチに依存した光量むらや、MFTむらが生じないという利点がある。
しかし、LED112の光がバイプ状の導光路116によって限定されることから、外部に取り出される光量が少なくなりがちな暗い光学系構成となる上に、導光路116が集光機能をもたないため、感光面を光学系に密着させないと感光面上の光像がたちまちぼけてしまい、分解能が低下するという問題がある。
【0008】
そこで本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、発光素子アレイと結像光学系とを組み合わせた光学装置であって、発光素子アレイの発光素子から出射される放射光を効率よく結像光学系に入射させ、光の利用効率を高めることができる光学装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本発明の発明者を共同発明者とする特願平09−248088号において、複数の発光素子を備えた発光素子アレイからの出射光を結像光学系を介して受光面に結像させる光学装置であって、前記発光素子アレイ上に集積化形成されて個々の発光素子の放射角を狭化させる反射構造を含む狭化光学系を備えることを特徴とする光学装置を提案している。この先願に係る光学装置によれば、発光素子からの放射光が完全拡散光に近く、その放射角がかなり広い場合であっても、個々の発光素子の放射角を狭化させる反射構造を含む狭化光学系が発光素子アレイ上に集積化形成されていることから、放射角が広いために無駄にしていた光をも狭化光学系によって有効に結像光学系に入射させることが可能になるため、光の利用効率を高めることができる。そして、本発明は、上記特願平09−248088号に開示した先願発明を改良した光学装置及びその製造方法に関する発明と位置付けられる。
【0010】
即ち、請求項1に係る光学装置は、複数の発光素子を備えた発光素子アレイからの出射光を結像光学系を介して受光面に結像させる光学装置であって、発光素子の発光部が発光素子アレイ基板表面に配列された複数の窪みの底面部に、所定の不純物を選択的に添加してそれぞれ形成され、この窪みが底面部から発光素子アレイ基板表面の開口部に向かって拡がる形状をなし、発光素子の発光部から放射状に発した光の一部が結像光学系に直接に入射すると共に、他の一部が窪み側壁の傾斜面によって反射する反射光学系により、反射されて結像光学系に入射するようになっていることを特徴とする。
【0011】
このように請求項1に係る光学装置においては、発光素子アレイを構成する複数の発光素子の発光部が複数の窪みの底面部にそれぞれ形成され、この窪みが底面部から発光素子アレイ基板表面の開口部に向かって拡がる形状をなしていることにより、窪み側壁の傾斜面が発光素子からの出射光を反射するミラー機能を発揮するため、発光素子からの出射光の放射角を狭化する反射光学系が発光素子アレイ上に集積化形成されていることになる。
【0012】
従って、発光素子の発光部の光源としての大きさが光学系の大きさと同程度で、点光源とはみなせいない場合であっても、発光素子からの出射光が完全拡散光に近く、その放射角が半値全幅で120度程度とかなり広い場合であっても、発光素子の発光部から放射状に発した光の一部は結像光学系に直接に入射すると共に、それから外れた他の一部も窪み側壁の傾斜面によって反射されて結像光学系に入射するため、これまで無駄になっていた光も結像光学系に入射することが可能になり、全体としての光利用効率が向上する。
【0013】
また、窪み側壁の傾斜面がミラー機能を発揮して、発光素子からの出射光の放射角を狭化する反射光学系となっており、発光素子の発光部を構成する材料と異なる材料からなる構造体を特に設ける必要がないことから、発光素子の発光部と窪み側壁の傾斜面からなる反射光学系との熱膨張率が同一になり、発光素子への通電により発光部周辺の温度が上昇した場合においても、発光素子の発光部と窪み側壁の傾斜面からなる反射光学系との熱膨張率差による応力の発生を回避することが可能となるため、応力による素子の歪みの発生及びそれに起因する素子の寿命低下が防止される。
【0014】
なお、発光素子の発光部の光源としての大きさが光学系の大きさと同程度で、点光源とはみなせいない場合であっても、発光素子からの出射光が完全拡散光に近くて、その放射角が半値全幅で120度程度とかなり広い場合であっても、本発明が有効に適用されるため、これら複数の発光素子を備えた発光素子アレイとしては、LEDアレイやELアレイ等を使用することができる。
【0015】
また、発光素子の発光部が形成されている底面部から発光素子アレイ基板表面の開口部に向かって拡がる窪みの具体的な形状としては、例えばカクテルグラスのように円錐台を逆さにした形状や、ワイングラスのように球面の一部をリング状に切り取った形状などが挙げられる。但し、発光素子の発光部の大きさや出射光の放射角の程度により、窪み側壁の傾斜面の傾斜角やその曲率を種々に変化させることが考えられ、加工の難易度等を考慮しつつ、全体としての光利用効率が最も高くなる形状を選択することが望ましい。
【0016】
また、請求項2に係る光学装置は、上記請求項1に係る光学装置において、窪み側壁の傾斜面上に金属製反射膜が形成されている構成とすることにより、この窪み側壁の傾斜面の金属製反射膜が発光素子からの出射光を反射するミラー機能を発揮し、発光素子からの出射光の放射角を狭化する反射光学系になるため、発光素子の発光部の光源としての大きさが点光源とみなせない場合であっても、発光素子からの出射光の放射角がかなり広い場合であっても、発光素子から反射光学系への入射光の入射角依存性が軽減される。従って、入射角の依存性が大きくなる誘電体膜が窪み側壁の傾斜面に形成されている場合と比較すると、はるかに広い範囲の入射角度の入射光が有効に反射されるため、全体として光利用効率が向上する。
【0018】
また、請求項3に係る光学装置の製造方法は、複数の発光素子を備えた発光素子アレイからの出射光を結像光学系を介して受光面に結像させる光学装置の製造方法であって、発光素子アレイ基板表面に、底面部から前記発光素子アレイ基板表面の開口部に向かって拡がる形状をなす複数の窪みを配列して形成する第1の工程と、この窪みの底面部に、所定の不純物を選択的に添加して発光素子の発光部を形成する第2の工程とを有することを特徴とする。
【0019】
このように請求項3に係る光学装置の製造方法においては、底面部から発光素子アレイ基板表面の開口部に向かって拡がる形状をなす複数の窪みを形成した後、この窪みの底面部に発光素子の発光部を形成していることにより、発光素子の発光部及びこの発光部からの出射光の放射角を狭化する反射光学系をなす窪み側壁の傾斜面の形成を容易にかつ正確に行うことが可能になるため、全体としての光利用効率を向上させた光学装置が容易に作製される。
【0020】
また、請求項4に係る光学装置の製造方法は、上記請求項3に係る光学装置の製造方法においては、前記第2の工程が、不純物拡散法を用いて、窪みの底面部に所定の不純物を選択的に拡散して発光素子の発光部を形成する工程である構成とすることにより、発光素子の発光部とこの発光部からの出射光の放射角を狭化する反射光学系をなす窪み側壁の傾斜面との位置合わせが容易にかつ正確に行われる。
【0021】
また、請求項5に係る光学装置の製造方法は、上記請求項3に係る光学装置の製造方法においては、前記第2の工程が、不純物イオンインプランテーション法を用いて、窪みの底面部に所定の不純物を選択的にイオン注入して発光素子の発光部を形成する工程である構成とすることにより、発光素子の発光部及びこの発光部からの出射光の放射角を狭化する反射光学系をなす窪み側壁の傾斜面との位置合わせが容易にかつ正確に行われる。
【0022】
また、請求項6に係る光学装置の製造方法は、上記請求項3に係る光学装置の製造方法において、前記第2の工程の後に、窪み側壁の傾斜面上に金属製反射膜を形成する工程を有する構成とすることにより、この窪み側壁の傾斜面に形成する金属製反射膜が発光素子からの出射光を反射するミラー機能を発揮し、発光素子からの出射光の放射角を狭化する反射光学系になるため、発光素子から反射光学系への入射光の入射角依存性が軽減されて、広い範囲の入射角度の入射光が有効に反射されるようになり、全体としての光利用効率を向上させた光学装置が容易に作製される。
【0023】
また、請求項7に係る光学装置の製造方法は、上記請求項5に係る光学装置の製造方法において、前記第1の工程の後、前記第2の工程の前に、窪み側壁の傾斜面上に金属製反射膜を形成する工程を有し、前記第2の工程が、窪み側壁の傾斜面を覆う前記金属製反射膜をマスクとする不純物イオンインプランテーション法を用いて、窪みの底面部に所定の不純物を選択的にイオン注入して発光素子の発光部を形成する工程である構成とすることにより、発光素子の発光部がこの発光部からの出射光の放射角を狭化する反射光学系をなす窪み側壁の傾斜面の金属製反射膜に対してセルフアラインに形成されるため、両者の位置合わせが容易にかつ極めて正確に行われる。また、不純物イオンインプランテーション用の保護マスクの形成工程と金属反射膜形成工程とが同一の工程で行われるため、工程が簡略化される。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る光学装置を示す概略構成図であり、図2は図1の光学装置を構成するLEDアレイを示す断面図であり、図3は図2のLEDアレイの平面図であり、図4〜図7はそれぞれ図2に示すLEDアレイの製造方法を説明するための工程断面図である。
【0026】
図1に示されるように、本実施形態に係る光学装置は、例えばLEDプリンタに使用される光書込用の光学装置を想定したものであり、LEDアレイ10から出射された光は直接光L1及び反射光L2となって結像光学系12に入射し、更にこの結像光学系12によって受光面となる感光面14に結像する構成を基本としている。
【0027】
次に、本実施形態に係る光学装置を構成するLEDアレイ10の構造について説明する。
図2及び図3に示されるように、化合物半導体基板、例えばGaAs基板20上に、n型GaAsエピタキシャル層22が形成されている。そして、このn型GaAsエピタキシャル層22表面には、例えばカクテルグラスのように円錐台を逆さにした形状の窪み24が配列して形成されている。これらの窪み24は、その底面部が半径5μmの円形をなし、n型GaAsエピタキシャル層22表面の開口部が半径10μmの円形をなし、その深さが20μmである。即ち、これらの窪み24は、その底面部からn型GaAsエピタキシャル層22表面の開口部に向かって拡がった形状をなし、その側壁は傾斜面26をなしている。
【0028】
また、これらの窪み24の半径5μmの円形をなす底面部には、例えば不純物としてZnが添加されたp型GaAs層が形成され、このp型GaAs層がLEDの発光部28を構成している。また、この発光部28上には、発光部28に電流を供給するための電極(図示せず)が形成されている。
【0029】
このようにLEDアレイ10においては、n型GaAsエピタキシャル層22表面に窪み24が配列して形成されており、これらの窪み24の底面部にはLEDの発光部28が形成されており、この発光部28を囲む窪み24はカクテルグラスのように底面部からn型GaAsエピタキシャル層22表面の開口部に向かって拡がった形状をなし、その側壁は傾斜面26をなしている。
【0030】
次に、LEDアレイ10の動作について説明する。
図2に示されるように、光源としてのLEDの発光部28は半径5μmの円形をなし、点光源とはみなせいない面光源であり、発光部28からの出射光が完全拡散光に近く、その放射角が半値全幅で120度程度とかなり広い。また、LEDの発光部28を囲む窪み24は、その底面部の発光部28からn型GaAsエピタキシャル層22表面の開口部、即ち出射側に向かってカクテルグラスのような逆円錐台形状に広がっている。
【0031】
このため、発光部28から放射状に出射された光のうち、所定の放射角内の光は直接光L1として結像光学系12に直接に入射すると共に、その放射角から外れた他の光は窪み24側壁の傾斜面26に入射して反射し、この反射光L2が結像光学系12に入射する。即ち、窪み24側壁の傾斜面26が発光部28からの出射光を反射するミラー機能を発揮して、その出射光の放射角を狭化する反射光学系となる。
【0032】
次に、LEDアレイ10の製造方法について、図4〜図7の工程断面図を用いて説明する。
先ず、エピタキシー工程を用いて、GaAs基板20上にn型GaAsエピタキシャル層22を形成する。その後、フォトリソグラフィ工程を用いて、このn型GaAsエピタキシャル層22上に所定パターンのマスク30を形成する。
続いて、このマスク30を用いて、n型GaAsエピタキシャル層22を選択的にエッチングする。このとき、このn型GaAsエピタキシャル層22の選択的エッチングとして、n型GaAsエピタキシャル層22表面が深さ方向に掘られると共に、マスク30のエッジが後退してその開口部が広がるような条件に設定する。
【0033】
このようにして、底面部が半径5μmの円形をなし、n型GaAsエピタキシャル層22表面の開口部が半径10μmの円形をなし、その深さが20μmであるカクテルグラスのような逆円錐台形状の窪み24をn型GaAsエピタキシャル層22表面に配列して形成する。従って、これらの窪み24は、その底面部からn型GaAsエピタキシャル層22表面の開口部に向かって拡がった形状をなし、その側壁は傾斜面26をなす(図4参照)。
【0034】
次いで、基体全面に、SiO2 絶縁膜32を積層する。その後、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程を用いて、SiO2 絶縁膜32を選択的にエッチング除去し、窪み24の底面部が露出するように開口部34を形成する(図5参照)。
【0035】
次いで、このSiO2 絶縁膜32を拡散保護マスクとする不純物拡散工程を用いて、露出している窪み24の底面部をなすn型GaAsエピタキシャル層22表面に、不純物としてのZnを選択的に拡散してp型GaAs層を形成する。
【0036】
このようにして、n型GaAsエピタキシャル層22とp型GaAs層とのpn接合部を有するLEDを形成すると共に、窪み24の底面部のp型GaAs層からなるLEDの発光部28を形成する(図6参照)。
【0037】
次いで、SiO2 絶縁膜32を除去して、窪み24側壁の傾斜面26を露出させる。その後、窪み24の底面部の発光部28上に、発光部28に電流を供給するための電極(図示せず)を形成する。このようにして、上記図2に示されるLEDアレイ10を作製する(図7参照)。
【0038】
以上のように本実施形態に係る光学装置によれば、LEDアレイ10を構成する各LEDの発光部28がn型GaAsエピタキシャル層22表面に配列された窪み24の底面部にそれぞれ形成され、この発光部28を囲む窪み24はその底面部の発光部28からn型GaAsエピタキシャル層22表面の開口部、即ち出射側に向かってカクテルグラスのような逆円錐台形状に広がった形状をなしていることにより、窪み24側壁の傾斜面26がLEDの発光部28からの出射光を反射するミラー機能を発揮し、LEDの発光部28からの出射光の放射角が狭化する反射光学系をLEDアレイ10上に集積化形成されていることになる。
【0039】
従って、LEDの発光部28の光源としての大きさは半径5μmの円形をなす面光源であり、発光部28からの出射光が完全拡散光に近くてその放射角が半値全幅で120度程度とかなり広いものであっても、LEDの発光部28から放射状に出射された光のうち、所定の放射角内の光は直接光L1として結像光学系12に直接に入射すると共に、その放射角から外れた他の光は窪み24側壁の傾斜面26に入射して反射し、この反射光L2が結像光学系12に入射するため、これまで無駄になっていた光も結像光学系12に入射することが可能になり、全体としての光利用効率を向上することができる。
【0040】
また、窪み24側壁のn型GaAsエピタキシャル層22の傾斜面26が発光部28からの出射光を反射するミラー機能を発揮して、その出射光の放射角を狭化する反射光学系となっており、LEDの発光部28を構成する材料と異なる材料からなる構造体を特に設ける必要がなく、p型GaAs層からなるLEDの発光部28と傾斜面26をなすn型GaAsエピタキシャル層22からなる反射光学系との熱膨張率が同一になることから、LEDへの通電により発光部28周辺の温度が上昇した場合においても、LEDの発光部28と窪み24側壁の傾斜面26からなる反射光学系との熱膨張率差による応力の発生を回避することが可能となるため、応力による素子の歪みの発生及びそれに起因する素子の寿命低下を防止することができる。
【0041】
また、本実施形態に係る光学装置の製造方法によれば、窪み24の底面部のn型GaAsエピタキシャル層22表面にZnを選択的に添加してp型GaAs層からなるLEDの発光部28を形成する際に、n型GaAsエピタキシャル層22表面及び窪み24側壁の傾斜面26を覆うSiO2 絶縁膜32を拡散保護マスクとする不純物拡散工程を用いることにより、LEDの発光部28と反射光学系をなす窪み24側壁の傾斜面26との位置合わせを容易にかつ正確に行うことができる。
【0042】
(第2の実施形態)
図8は本発明の第2の実施形態に係る光学装置を構成するLEDアレイを示す断面図であり、図9〜図11はそれぞれ図8に示すLEDアレイの製造方法を説明するための工程断面図である。
なお、本実施形態に係る光学装置も上記第1の実施形態の場合と同様にLEDプリンタに使用される光書込用の光学装置を想定したものであり、その基本構成は上記図1に示されるものと同様であるため、その図示は省略する。また、上記図1〜図7に示される光学装置を構成する同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0043】
本実施形態に係る光学装置を構成するLEDアレイ10の構造について説明する。
図8に示されるように、例えばGaAs基板20上にn型GaAsエピタキシャル層22が形成され、このn型GaAsエピタキシャル層22表面にカクテルグラスのような逆円錐台形状の窪み24が配列して形成されている。これらの窪み24は、その底面部が半径5μmの円形をなし、n型GaAsエピタキシャル層22表面の開口部が半径10μmの円形をなし、その深さが20μmであり、その底面部からn型GaAsエピタキシャル層22表面の開口部に向かって拡がった形状をなしていると共に、その側壁は傾斜面26をなしている。
【0044】
また、これらの窪み24の半径5μmの円形をなす底面部には、不純物としてZnが添加されたp型GaAs層が形成され、このp型GaAs層がLEDの発光部28を構成している。また、この発光部28上には、発光部28に電流を供給するための電極(図示せず)が形成されている。
そして、窪み24側壁の傾斜面26上に、金属製反射膜としてAu/Cr膜36が形成されている点に本実施形態の特徴がある。ここで、Cr膜は、反射率の高いAu膜と下地のn型GaAsエピタキシャル層22との密着性を向上させるために介在させるものである。
【0045】
このようにLEDアレイ10においては、n型GaAsエピタキシャル層22表面に窪み24が配列して形成されており、これらの窪み24の底面部にはLEDの発光部28が形成されており、この発光部28を囲む窪み24はカクテルグラスのように底面部からn型GaAsエピタキシャル層22表面の開口部に向かって拡がった形状をなし、その側壁の傾斜面26上に金属製反射膜としてAu/Cr膜36が形成されている。
【0046】
次に、LEDアレイ10の動作について説明する。
図8に示されるように、光源としてのLEDの発光部28は半径5μmの円形をなす面光源であり、発光部28からの出射光が完全拡散光に近く、その放射角が半値全幅で120度程度とかなり広い。また、LEDの発光部28を囲む窪み24は、その底面部の発光部28からn型GaAsエピタキシャル層22表面の開口部、即ち出射側に向かってカクテルグラスのような逆円錐台形状に広がっていると共に、窪み24側壁の傾斜面26上には金属製反射膜としてAu/Cr膜36が形成されている。
【0047】
このため、発光部28から放射状に出射された光のうち、所定の放射角内の光は直接光L3として結像光学系に直接に入射すると共に、その放射角から外れた他の光は窪み24側壁の傾斜面26上のAu/Cr膜36に入射して反射し、この反射光L4が結像光学系12に入射する。即ち、窪み24側壁の傾斜面26上のAu/Cr膜36が発光部28からの出射光を反射するミラー機能を発揮して、その出射光の放射角を狭化する反射光学系となる。
【0048】
次に、LEDアレイ10の製造方法について図9〜図11の工程断面図を用いて説明する。
先ず、GaAs基板20上にn型GaAsエピタキシャル層22を形成した後、このn型GaAsエピタキシャル層22上に所定パターンのマスク30を形成する。そして、このマスク30を用いて、所定のエッチング条件により、n型GaAsエピタキシャル層22を選択的にエッチングして、底面部が半径5μmの円形をなし、n型GaAsエピタキシャル層22表面の開口部が半径10μmの円形をなし、その深さが20μmであるカクテルグラスのような逆円錐台形状の窪み24をn型GaAsエピタキシャル層22表面に配列して形成する。従って、これらの窪み24は、その底面部からn型GaAsエピタキシャル層22表面の開口部に向かって拡がった形状をなし、その側壁は傾斜面26をなす(図9参照)。
【0049】
次いで、基体全面に、SiO2 絶縁膜32を積層した後、このSiO2 絶縁膜32を選択的にエッチング除去して、窪み24の底面部が露出するように開口部34を形成する。続いて、このSiO2 絶縁膜32を拡散保護マスクとする不純物拡散工程を用いて、露出している窪み24の底面部のn型GaAsエピタキシャル層22表面に不純物としてのZnを選択的に拡散してp型GaAs層を形成する。
このようにして、n型GaAsエピタキシャル層22とp型GaAs層とのpn接合部を有するLEDを形成すると共に、窪み24の底面部のp型GaAs層からなるLEDの発光部28を形成する(図10参照)。
【0050】
次いで、SiO2 絶縁膜32を除去して、窪み24側壁の傾斜面26を露出させた後、基体全面に、Cr膜及びAu膜を順に積層してAu/Cr膜36を形成する。続いて、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程を用いて、このAu/Cr膜36をパターニングし、窪み24側壁の傾斜面26上に金属製反射膜としてAu/Cr膜36を形成する。その後、窪み24の底面部の発光部28上に、発光部28に電流を供給するための電極(図示せず)を形成する。このようにして、上記図8に示されるLEDアレイ10を作製する(図11参照)。
【0051】
以上のように本実施形態に係る光学装置によれば、LEDアレイ10を構成する各LEDの発光部28がn型GaAsエピタキシャル層22表面に配列された窪み24の底面部にそれぞれ形成され、この発光部28を囲む窪み24はその底面部の発光部28からn型GaAsエピタキシャル層22表面の開口部、即ち出射側に向かってカクテルグラスのような逆円錐台形状に広がった形状をなしていることに加え、窪み24側壁の傾斜面26上に金属製反射膜としてAu/Cr膜36が形成されていることにより、窪み24側壁の傾斜面26上のAu/Cr膜36がLEDの発光部28からの出射光を反射するミラー機能を発揮し、LEDの発光部28からの出射光の放射角を狭化する反射光学系がLEDアレイ10上に集積化形成されていることになる。
【0052】
従って、上記第1の実施形態の場合と同様に、LEDの発光部28から放射状に出射された光のうち、所定の放射角内の光は直接光L3として結像光学系12に直接に入射すると共に、その放射角から外れた他の光は窪み24側壁の傾斜面26上のAu/Cr膜36に入射して反射し、この反射光L4が結像光学系12に入射するが、上記第1の実施形態の場合のn型GaAsエピタキシャル層22の傾斜面26における反射率よりAu/Cr膜36における反射率が高いため、上記第1の実施形態の場合よりも全体としての光利用効率を更に向上することができる。本願発明者の実験によれば、LEDの発光部のみを有してその出射光の放射角を狭化する反射光学系を具備しない従来のLEDアレイの場合と比較して、50%増の光利用効率を得ることができた。
【0053】
また、本実施形態に係る光学装置の製造方法によれば、上記第1の実施形態の場合と同様にして、窪み24の底面部のn型GaAsエピタキシャル層22表面にZnを選択的に添加してp型GaAs層からなるLEDの発光部28を形成する際に、n型GaAsエピタキシャル層22表面及び窪み24側壁の傾斜面26を覆うSiO2 絶縁膜32を拡散保護マスクとする不純物拡散工程を用いることにより、LEDの発光部28と反射光学系をなす窪み24側壁の傾斜面26との位置合わせを容易にかつ正確に行うことができる。
【0054】
(第3の実施形態)
図12は本発明の第3の実施形態に係る光学装置を構成するLEDアレイを示す断面図であり、図13〜図15はそれぞれ図12のLEDアレイの製造方法を説明するための工程断面図である。
なお、本実施形態に係る光学装置も上記第1の実施形態の場合と同様にLEDプリンタに使用される光書込用の光学装置を想定したものであり、その基本構成は上記図1に示されるものと同様であるため、その図示は省略する。また、上記図1〜図7に示される光学装置を構成する同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0055】
本実施形態に係る光学装置を構成するLEDアレイ10の構造について説明する。
図12に示されるように、例えばGaAs基板20上にn型GaAsエピタキシャル層22が形成され、このn型GaAsエピタキシャル層22表面にカクテルグラスのような逆円錐台形状の窪み24が配列して形成されている。これらの窪み24は、その底面部が半径5μmの円形をなし、n型GaAsエピタキシャル層22表面の開口部が半径10μmの円形をなし、その深さが20μmであり、その底面部からn型GaAsエピタキシャル層22表面の開口部に向かって拡がった形状をなしていると共に、その側壁は傾斜面26をなしている。
【0056】
また、これらの窪み24の半径5μmの円形をなす底面部には、不純物としてZnが添加されたp型GaAs層が形成され、このp型GaAs層がLEDの発光部28を構成している。
そして、この発光部28、窪み24側壁の傾斜面26、及び窪み24の外側のn型GaAsエピタキシャル層22上に、発光部28に電流を供給するための電極と金属製反射膜とボンディングパッドとを兼ねるAu/Cr膜38が形成されており、発光部28とその電極を兼ねるAu/Cr膜38とはオーミック接触している点に本実施形態の特徴がある。ここで、Au/Cr膜38のCr膜は、反射率の高いAu膜と下地のn型GaAsエピタキシャル層22との密着性を向上させると共に、導電性の高いAu膜と下地のp型GaAs層からなる発光部28との密着性を向上させるために介在させるものである。
【0057】
このようにLEDアレイ10においては、n型GaAsエピタキシャル層22表面に窪み24が配列して形成されており、これらの窪み24の底面部にはLEDの発光部28が形成されており、この発光部28を囲む窪み24はカクテルグラスのように底面部からn型GaAsエピタキシャル層22表面の開口部に向かって拡がった形状をなしており、これらの窪み24の底面部の発光部28、窪み24側壁の傾斜面26、及び窪み24外側のn型GaAsエピタキシャル層22上には電極と金属製反射膜とボンディングパッドとを兼ねるAu/Cr膜38が形成されている。
【0058】
次に、LEDアレイ10の動作について説明する。
図12に示されるように、光源としてのLEDの発光部28は半径5μmの円形をなす面光源であり、発光部28からの出射光が完全拡散光に近く、その放射角が半値全幅で120度程度とかなり広い。また、LEDの発光部28を囲む窪み24は、その底面部の発光部28からn型GaAsエピタキシャル層22表面の開口部、即ち出射側に向かってカクテルグラスのような逆円錐台形状に広がっていると共に、窪み24側壁の傾斜面26及び発光部28上には電極と金属製反射膜とを兼ねるAu/Cr膜38が形成されている。
【0059】
このため、発光部28から放射状に出射された光のうち、所定の放射角内の光は直接光L5として結像光学系に直接に入射すると共に、その放射角から外れた他の光は窪み24側壁の傾斜面26上のAu/Cr膜38に入射して反射し、この反射光L6が結像光学系12に入射する。即ち、窪み24側壁の傾斜面26上のAu/Cr膜38が発光部28からの出射光を反射するミラー機能を発揮して、出射光の放射角を狭化する反射光学系となる。
【0060】
次に、LEDアレイ10の製造方法について、図13〜図15の工程断面図を用いて説明する。
先ず、GaAs基板20上にn型GaAsエピタキシャル層22を形成した後、このn型GaAsエピタキシャル層22上に所定パターンのマスク30を形成する。そして、このマスク30を用いて、所定のエッチング条件により、n型GaAsエピタキシャル層22を選択的にエッチングして、底面部が半径5μmの円形をなし、n型GaAsエピタキシャル層22表面の開口部が半径10μmの円形をなし、その深さが20μmであるカクテルグラスのような逆円錐台形状の窪み24をn型GaAsエピタキシャル層22表面に配列して形成する。従って、これらの窪み24は、その底面部からn型GaAsエピタキシャル層22表面の開口部に向かって拡がった形状をなし、その側壁は傾斜面26をなす(図13参照)。
【0061】
次いで、基体全面に、GaAs層との密着性を向上させるためのCr膜を介してAu膜を積層して、Au/Cr膜38を形成する。そして、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程を用いて、このAu/Cr膜38をパターニングし、窪み24の底面部が露出するように開口部34を形成すると共に、窪み24の底面部、その側壁の傾斜面26、及び窪み24の外側のn型GaAsエピタキシャル層22上に電極と金属製反射膜とボンディングパッドとを兼ねるAu/Cr膜38を形成する(図14参照)。
【0062】
次いで、電極と金属製反射膜とボンディングパッドとを兼ねるAu/Cr膜38を保護マスクとする不純物イオンインプランテーション工程を用いて、露出している窪み24の底面部のn型GaAsエピタキシャル層22表面に不純物イオンとしてのZnイオンを選択的に注入してp型GaAs層を形成し、n型GaAsエピタキシャル層22とp型GaAs層とのpn接合部を有するLEDを形成すると共に、窪み24の底面部のp型GaAs層からなるLEDの発光部28を形成する。このようにして、上記図12に示されるLEDアレイ10を作製する(図15参照)。
【0063】
以上のように本実施形態に係る光学装置によれば、LEDアレイ10を構成する各LEDの発光部28がn型GaAsエピタキシャル層22表面に配列された窪み24の底面部にそれぞれ形成され、この発光部28を囲む窪み24はその底面部の発光部28からn型GaAsエピタキシャル層22表面の開口部、即ち出射側に向かってカクテルグラスのような逆円錐台形状に広がった形状をなし、窪み24側壁の傾斜面26上に金属製反射膜としてAu/Cr膜38が形成されていることにより、窪み24側壁の傾斜面26上のAu/Cr膜38がLEDの発光部28からの出射光を反射するミラー機能を発揮し、LEDの発光部28からの出射光の放射角を狭化する反射光学系がLEDアレイ10上に集積化形成されていることになるため、上記第2の実施形態の場合と同様の効果を奏し、全体としての光利用効率を向上することができる。
【0064】
また、窪み24側壁の傾斜面26上の金属製反射膜としてAu/Cr膜38は一方において窪み24の底面部の発光部28上にまで延長されて発光部28に電流を供給するための電極となり、他方において窪み24の外側のn型GaAsエピタキシャル層22上にまで延長されてボンディングパッドとなっていることにより、この金属製反射膜と電極とボンディングパッドとを兼ねるAu/Cr膜38と別個に電極及びボンディングパッドを設ける必要がないため、LEDアレイ10の構造を簡易化することができる。
【0065】
また、本実施形態に係る光学装置の製造方法によれば、窪み24の底面部のn型GaAsエピタキシャル層22表面にZnを選択的に添加してp型GaAs層からなるLEDの発光部28を形成する際に、電極と金属製反射膜とボンディングパッドとを兼ねるAu/Cr膜38を保護マスクとする不純物イオンインプランテーション工程を用いることにより、発光部28がAu/Cr膜38に対してセルフアラインに形成されるため、両者の位置合わせを容易にかつ極めて正確に行うことができる。また、不純物イオンインプランテーション用の保護マスクの形成工程と金属反射膜形成工程と電極形成工程とを同一の工程で行うことが可能となるため、工程の簡略化を実現することができる。
【0066】
なお、上記第1〜第3の実施形態においては、発光素子アレイとして複数のLEDが配列されたLEDアレイ10を使用する場合について説明したが、このLEDアレイ10の代わりに、複数のELが配列されたELアレイを使用する場合においても本発明を有効に適用することができる。
また、LEDプリンタに使用される光書込用の光学装置を想定しているが、LEDプリンタに限定されるものではなく、例えばデジタル複写機、ファクシミリ等の光書込みの光学装置やスキャナ等の光読取り用の光学装置にも本発明を有効に適用することができる。
【0067】
また、窪み24の形状として、底面部の発光部28からn型GaAsエピタキシャル層22表面の開口部に向かって広がっているカクテルグラスのような逆円錐台形状の場合について説明したが、窪み24の形状はこの形状に限定されるものではなく、例えばワイングラスのように球面の一部をリング状に切り取った形状などであってもよい。その場合、LEDの発光部28の大きさやそこからの出射光の放射角の程度により、窪み24側壁の傾斜面の傾斜角やその曲率は種々に変化させることが考えられ、加工の難易度等を考慮しつつ、全体としての光利用効率が最も高くなる形状を選択すればよい。
【0068】
また、上記第1の実施形態においては、窪み24の底面部にLEDの発光部28を形成する際に、SiO2 絶縁膜32を保護マスクとする不純物拡散工程を用いているが、この代わりにSiO2 絶縁膜等を保護マスクとする不純物イオンインプランテーション工程を用いてもよい。同様に、上記第2の実施形態においても、SiO2 絶縁膜32を保護マスクとする不純物拡散工程の代わりに、Au/Cr膜36を保護マスクとする不純物イオンインプランテーション工程を用いてもよい。逆に、上記第3の実施形態においては、Au/Cr膜38を保護マスクとする不純物イオンインプランテーション工程の代わりに、SiO2 絶縁膜等を保護マスクとする不純物拡散工程を用いて発光部28を形成した後、Au/Cr膜38を形成してもよい。
【0069】
また、上記第2及び第3の実施形態においては、金属製反射膜としてのAu/Cr膜36、38は、共に窪み24側壁は傾斜面26上に直接に形成されているが、この傾斜面26をなすn型GaAsエピタキシャル層22とAu/Cr膜36、38との間に例えばSiO2 絶縁膜等を介在させてもよい。
【0070】
【発明の効果】
以上、詳細に説明した通り、本発明に係る光学装置及びその製造方法によれば、次のような効果を奏することができる。
即ち、請求項1に係る光学装置によれば、発光素子アレイを構成する複数の発光素子の発光部が複数の窪みの底面部にそれぞれ形成され、この窪みが底面部から発光素子アレイ基板表面の開口部に向かって拡がる形状をなしていることにより、窪み側壁の傾斜面が発光素子からの出射光を反射するミラー機能を発揮して、発光素子からの出射光の放射角を狭化する反射光学系が発光素子アレイ上に集積化形成されていることになるため、発光素子の発光部の光源としての大きさが光学系の大きさと同程度で点光源とはみなせいない場合であっても、発光素子からの出射光が完全拡散光に近くてその放射角が広い場合であっても、発光素子の発光部から放射状に出射された光のうち、所定の放射角内の光は結像光学系に直接に入射すると共に、その放射角から外れた他の光も窪み側壁の傾斜面によって反射されて結像光学系に入射することから、これまで無駄になっていた光も結像光学系に入射することが可能になり、全体としての光利用効率を向上させることができる。
【0071】
また、窪み側壁の傾斜面がミラー機能を発揮して、発光素子からの出射光の放射角を狭化する反射光学系となっており、発光素子の発光部を構成する材料と異なる材料からなる構造体を特に設ける必要がないことから、発光素子の発光部と窪み側壁の傾斜面からなる反射光学系との熱膨張率が同一になり、発光素子への通電により発光部周辺の温度が上昇した場合においても、発光素子の発光部と反射光学系との熱膨張率差による応力の発生を回避することが可能となるため、応力による素子の歪みの発生及びそれに起因する素子の寿命低下を防止することができる。
【0072】
また、請求項2に係る光学装置によれば、上記請求項1に係る光学装置において、窪み側壁の傾斜面上に金属製反射膜が形成されていることにより、この窪み側壁の傾斜面の金属製反射膜が発光素子からの出射光を反射するミラー機能を発揮し、発光素子からの出射光の放射角を狭化する反射光学系になるため、発光素子の発光部の光源としての大きさが点光源とみなせいない場合であっても、発光素子からの出射光の放射角がかなり広い場合であっても、発光素子から反射光学系への入射光の入射角依存性が軽減されることから、広い範囲の入射角度の入射光を有効に反射して、全体として光利用効率を向上させることができる。
【0073】
また、請求項3に係る光学装置の製造方法によれば、底面部から前記発光素子アレイ基板表面の開口部に向かって拡がる形状をなす複数の窪みを形成した後、この窪みの底面部に発光素子の発光部を形成していることにより、発光素子の発光部及びこの発光部からの出射光の放射角を狭化する反射光学系をなす窪み側壁の傾斜面の形成を容易にかつ正確に行うことが可能になるため、全体としての光利用効率を向上させた光学装置を容易に作製することができる。
【0074】
また、請求項4に係る光学装置の製造方法によれば、上記請求項3に係る光学装置の製造方法においては、発光素子の発光部を形成する工程が、不純物拡散法を用いて、窪みの底面部に所定の不純物を選択的に拡散して発光素子の発光部を形成する工程であることにより、発光素子の発光部とこの発光部からの出射光の放射角を狭化する反射光学系をなす窪み側壁の傾斜面との位置合わせを容易にかつ正確に行うことができる。
【0075】
また、請求項5に係る光学装置の製造方法によれば、上記請求項3に係る光学装置の製造方法においては、発光素子の発光部を形成する工程が、不純物イオンインプランテーション法を用いて、窪みの底面部に所定の不純物を選択的にイオン注入して発光素子の発光部を形成する工程であることにより、発光素子の発光部とこの発光部からの出射光の放射角を狭化する反射光学系をなす窪み側壁の傾斜面との位置合わせを容易にかつ正確に行うことができる。
【0076】
また、請求項6に係る光学装置の製造方法によれば、上記請求項3に係る光学装置の製造方法において、発光素子の発光部を形成する工程の後に、窪み側壁の傾斜面上に金属製反射膜を形成する工程を有することにより、この窪み側壁の傾斜面に形成する金属製反射膜が発光素子からの出射光を反射するミラー機能を発揮し、発光素子からの出射光の放射角を狭化する反射光学系になるため、発光素子から反射光学系への入射光の入射角依存性が軽減されて、広い範囲の入射角度の入射光が有効に反射されるようになり、全体としての光利用効率を向上させた光学装置を容易に作製することができる。
【0077】
また、請求項7に係る光学装置の製造方法によれば、上記請求項5に係る光学装置の製造方法において、窪みを形成する工程の後、発光素子の発光部を形成する工程の前に、窪み側壁の傾斜面上に金属製反射膜を形成する工程を有し、発光素子の発光部を形成する工程が、窪み側壁の傾斜面を覆う金属製反射膜をマスクとする不純物イオンインプランテーション法を用いて、窪みの底面部に所定の不純物を選択的にイオン注入して発光素子の発光部を形成する工程であることにより、発光素子の発光部がこの発光部からの出射光の放射角を狭化する反射光学系をなす窪み側壁の傾斜面の金属製反射膜に対してセルフアラインに形成されるため、両者の位置合わせを容易にかつ極めて正確に行うことができると共に、不純物イオンインプランテーション用の保護マスクの形成工程と金属反射膜形成工程とを同一の工程で行うことが可能となるため、工程の簡略化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光学装置を示す概略構成図である。
【図2】図1の光学装置を構成するLEDアレイを示す断面図である。
【図3】図2のLEDアレイの平面図である。
【図4】図2に示すLEDアレイの製造方法を説明するための工程断面図(その1)である。
【図5】図2に示すLEDアレイの製造方法を説明するための工程断面図(その2)である。
【図6】図2に示すLEDアレイの製造方法を説明するための工程断面図(その3)である。
【図7】図2に示すLEDアレイの製造方法を説明するための工程断面図(その4)である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る光学装置を構成するLEDアレイを示す断面図である。
【図9】図8に示すLEDアレイの製造方法を説明するための工程断面図(その1)である。
【図10】図8に示すLEDアレイの製造方法を説明するための工程断面図(その2)である。
【図11】図8に示すLEDアレイの製造方法を説明するための工程断面図(その3)である。
【図12】本発明の第3の実施形態に係る光学装置を構成するLEDアレイを示す断面図である。
【図13】図12に示すLEDアレイの製造方法を説明するための工程断面図(その1)である。
【図14】図12に示すLEDアレイの製造方法を説明するための工程断面図(その2)である。
【図15】図12に示すLEDアレイの製造方法を説明するための工程断面図(その3)である。
【図16】従来のロッドレンズアレイを用いた光学装置を示す断面図である。
【図17】従来の密着型構造の光学装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 LEDアレイ
12 結像光学系
14 感光面
20 GaAs基板
22 n型GaAsエピタキシャル層
24 窪み
26 傾斜面
28 発光部
30 マスク
32 SiO2 絶縁膜
34 開口部
36 金属製反射膜としてAu/Cr膜
38 金属製反射膜と電極とボンディングパッドとを兼ねるAu/Cr膜
L1、L3、L5 直接光
L2、L4、L6 反射光
100 LEDアレイ
102 LED
104 ロッドレンズ
106 感光面
110 LEDアレイ
112 LED
114 遮光性材料からなる保護層
116 パイプ状の導光路

Claims (7)

  1. 複数の発光素子を備えた発光素子アレイからの出射光を結像光学系を介して受光面に結像させる光学装置であって、
    前記発光素子の発光部が、発光素子アレイ基板表面に配列された複数の窪みの底面部に、所定の不純物を選択的に添加してそれぞれ形成され、
    前記窪みが、前記底面部から前記発光素子アレイ基板表面の開口部に向かって拡がっている形状をなし、
    前記発光素子の発光部から放射状に発した光の一部が前記結像光学系に直接に入射すると共に、他の一部が前記窪み側壁の傾斜面によって反射する反射光学系により、反射されて前記結像光学系に入射するようになっていることを特徴とする光学装置。
  2. 請求項1記載の光学装置において、
    前記窪み側壁の傾斜面上に、金属製反射膜が形成されていることを特徴とする光学装置。
  3. 複数の発光素子を備えた発光素子アレイからの出射光を結像光学系を介して受光面に結像させる光学装置の製造方法であって、
    発光素子アレイ基板表面に、底面部から前記発光素子アレイ基板表面の開口部に向かって拡がる形状をなす複数の窪みを配列して形成する第1の工程と、
    前記窪みの底面部に、所定の不純物を選択的に添加して前記発光素子の発光部を形成する第2の工程と、
    を有することを特徴とする光学装置の製造方法。
  4. 請求項3記載の光学装置の製造方法において、
    前記第2の工程が、不純物拡散法を用いて、前記窪みの底面部に所定の不純物を選択的に拡散して前記発光素子の発光部を形成する工程であることを特徴とする光学装置の製造方法。
  5. 請求項3記載の光学装置の製造方法において、
    前記第2の工程が、不純物イオンインプランテーション法を用いて、前記窪みの底面部に所定の不純物を選択的にイオン注入して前記発光素子の発光部を形成する工程であることを特徴とする光学装置の製造方法。
  6. 請求項3記載の光学装置の製造方法において、
    前記第2の工程の後に、前記窪み側壁の傾斜面上に金属製反射膜を形成する工程を有することを特徴とする光学装置の製造方法。
  7. 請求項5記載の光学装置の製造方法において、前記第1の工程の後、前記第2の工程の前に、前記窪み側壁の傾斜面上に金属製反射膜を形成する工程を有し、前記第2の工程が、前記窪み側壁の傾斜面を覆う前記金属製反射膜をマスクとする不純物イオンインプランテーション法を用いて、前記窪みの底面部に所定の不純物を選択的にイオン注入して前記発光素子の発光部を形成する工程であることを特徴とする光学装置の製造方法。
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