JP3666510B2 - 樹脂成形品およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、従来より知られている繊維強化プラスチックに比べ長い重量平均繊維長(以下、単に「平均繊維長」と略す)の繊維強化材を含む樹脂成形品の製造方法に関する。さらに詳しくは、比較的長い繊維長を有する繊維強化材を含む原料樹脂をスクリュを有する加熱筒内で溶融樹脂圧が実質的にゼロである特定の条件下で溶融させることによる、比較的長い平均繊維長の繊維強化材を含む成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種合成樹脂成形品の機械的物性などを改良する目的でガラス繊維などの繊維強化材を使用する技術は以前より広く知られている。この場合に成形品に含まれる繊維強化材の平均繊維長としては、特殊な成形法によるものを除き、通常0.1〜0.3mm程度のものであった。近年、ガラス繊維やカーボン繊維などの長繊維に押出機で溶融したポリアミド樹脂やポリエステル樹脂などの熱可塑性プラスチックを含浸させ、必要とする長さに切断してペレット化し、これを繊維強化材の折損を抑えながら溶融させて成形し、高剛性、高引張強度、高耐衝撃性などに優れた成形品を得る技術が知られるようになった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記のような長繊維強化材を含量する樹脂原料ペレットを例えば通常の射出成形法で成形しても、繊維強化材の折損が著しく、長繊維を使用する利点が十分生かせられなかった。射出成形法において繊維強化材の折損を抑制する対策としては、成形機のスクリュ径を大きくする、スクリュを深溝にする、スクリュのL/D(長さと直径の比)を小さくする、ノズル径を大きくする、圧縮比を小さくするなどが挙げられるが、これらを工夫しても繊維強化材の折損抑制には限界があった。その結果、例えば長さ10mm程度のガラス繊維を有する原料樹脂を成形しても、成形品では平均繊維長2〜3mm程度になり、同じく50mmと長くしても、成形品では5〜7mm程度が限度であり、平均繊維長10mmや20mm程度の長いガラス繊維を有する成形品は得られなかった。
【0004】
長繊維強化材の繊維長を比較的長く保つことのできる成形法としては、いわゆるスタンパブル成形法がある。これは長繊維強化材のシートに溶融樹脂を含浸させてマット状物とし、これを加熱軟化させ、金型で目的形状に成形するものである。この方法では繊維強化材の折損は少なく、長繊維の特性が生かせるので優れた機械物性を有する成形品が得られるものの、複雑な形状には成形しにくいこと、繊維強化材の流れにくい成形品の端部では機械物性が低下すること、さらには生産効率が低いことなどの問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記のような長繊維強化樹脂成形品に関する技術の現状に鑑み、射出成形機などスクリュを有する加熱筒内で長繊維強化材を有する樹脂原料を溶融させて成形するに際し、繊維強化材の折損を著しく抑え、優れた機械物性を有する成形品を製造する方法について鋭意検討した。その結果、試みにスクリュ前方に取り付けられるノズルなどの溶融樹脂の排出障害物を全て取り除いて得られる溶融樹脂を用いて各種成形法により成形し、成形品中の繊維強化材の繊維長を調べたところ、繊維強化材の折損が著しく抑えられ、前記スタンパブルシート法に匹敵する物性を有する成形品が得られること、これにより繊維強化材の主な折損が溶融樹脂の成形時ではなく加熱筒内の溶融樹脂の蓄積時(可塑化混練時)の樹脂圧が高いときに起こり易いこと、従って溶融樹脂圧を実質的にゼロとすることにより繊維強化材の折損を著しく抑制できることを見出した。この事実に基づき、更に研究を重ねた結果、溶融樹脂蓄積時の樹脂圧はスクリュやプランジャーの後退動作を制御することにより実質的にゼロとすることが出来ることから、これを利用することにより本発明を完成させることが出来た。
【0006】
なお特公平1−55979号公報には、加熱筒内でのスクリュの樹脂送り動作によって該スクリュ前方に蓄えられる溶融樹脂圧を検出するとともに、前記スクリュの回転駆動手段に加わる負荷を検出し、これら両検出信号を演算装置で演算し、この演算装置からの演算信号でスクリュ後退駆動手段を駆動することにより前記スクリュを、前記溶融樹脂圧とスクリュの後退抵抗力とに左右されない後退速度で、直接後退させることを特徴とする射出成形機の可塑化制御方法が記載されている。しかし、この文献記載の発明は、可塑化される樹脂温度や溶融、混練状態を安定化させることを目的とするものであり、本発明の目的とする繊維強化材の折損抑制について、さらにはその結果得られる機械的強度などに優れる本発明の樹脂成形品の製造方法については、何等示唆されていない。
【0007】
従って本発明は、スクリュを有する加熱筒内でガラス繊維強化材を含有する原料樹脂を溶融してスクリュ前方の溶融樹脂溜めに蓄積させ、次いで前記スクリュまたは別に設けられるプランジャーにより前記蓄積溶融樹脂を加熱筒より排出させて成形品を製造する方法において、スクリュを有する加熱筒内に供給されるガラス繊維強化材を含有する原料樹脂がペレット状であり、ペレット内の繊維強化材がペレットと実質的に同一長さでかつペレットの長さ方向に配列したガラス繊維を10〜80重量%(組成物中)含有するペレットを原料に使用して、スクリュのL/Dが12〜18であり、スクリュの溝深さがフィード部で8〜20m、メータリング部で5〜15mであり、溶融樹脂溜めに蓄積される樹脂圧を測定するセンサーを備えた成形機を使用して、前記蓄積中の溶融樹脂圧を実質的に0kg/cm2とするように前記スクリュまたはプランジャーの後退動作を制御しながら原料樹脂の可塑化を行い、前記スクリュまたはプランジャーにより蓄積溶融樹脂を加熱筒より排出させて成形し、樹脂成形品中の平均繊維長が10mm以上であり、樹脂成形品中の繊維長保持率(ペレット中の繊維長に対する成形品中の平均繊維長の比)が20%以上にすることを特徴とする樹脂成形品の製造方法に関する。以下、本発明を詳しく説明する。
【0008】
本発明に用いられる樹脂としては、主として熱可塑性樹脂であるが、熱硬化させる前の可塑化可能段階にある熱硬化性樹脂を用いることも可能である。熱可塑性樹脂としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン12などのポリアミド類、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、ポリスチレンやABSなどのスチレン系樹脂、ポリウレタン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリメタクリル酸メチル、フッ素系樹脂などを例示することが出来る。また熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などを例示することが出来る。
【0009】
本発明で用いる繊維強化材としては、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維、スチール繊維、アラミド繊維などを例示することが出来るが、折損し易いガラス繊維を用いる場合が特に好ましい。また後記のように、これらの繊維強化材は通常のプラスチック類の強化に用いられるものよりも長繊維の状態で本発明の使用に供するのが好ましい。
【0010】
本発明で用いる繊維強化材を含有する原料樹脂としては特に限定されないが、本発明の方法は原料樹脂に含有される繊維強化材が長い場合に特に有効であり、通常、前述の長繊維状の強化材に前記樹脂を溶融状態で含浸させ、適当な長さに切断したペレットが用いられる。このペレットには、繊維強化材が通常平行に配列している。このようなペレットの製造法は、熱硬化性樹脂を用いた強化プラスチックの連続成形法の一つである引き抜き成形と原理的には同じであり、すでに公知である。この場合、本発明で得られる成形品中の繊維強化材の平均繊維長は、前記切断長さ以上にはなり得ない。従って、前記ペレットの切断長さはスクリュへの供給などに支障の無い範囲内で、長い方が好ましい。通常5mm以上、好ましくは20mm以上、特に好ましくは50mm以上とする。また上限は特に制限はないが、好ましくは100mm以下である。
【0011】
前記原料樹脂中に含まれる繊維強化材の含有量としては、用いる樹脂や得られる成形品の物性、用途などによって適宜選択することが出来るが、樹脂と繊維強化材の合計に対して通常10〜80重量%の範囲であることが好ましく、20〜60重量%の範囲にあることが特に好ましい。なお、原料樹脂には繊維強化材のほかに、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて他の充填剤、各種安定剤、顔料などが配合されていても良い。
【0012】
次に前記原料樹脂を用いて本発明による成形品の製造方法について、射出成形機を例にして図面を用いて説明する。図1はインラインスクリュ方式と呼ばれる射出成形機である。図1において、先端にノズル4、側面にヒーター3の付いた加熱筒1内にスクリュ2が設けられている。前記スクリュ2はモーター9により回転かつ往復自在に設けられている。加熱筒1の後部には一対の油圧シリンダー10が設けられており、ポート14〜17から油圧配管18により油圧制御系および油圧ポンプモーター22に接続されている。油圧で往復するピストン13のロッド8には前記スクリュ2がスラストベアリング11を介して軸支されている。加熱筒1に設けられたホッパー6より原料樹脂ペレット7が供給され、加熱されて溶融状態となってスクリュ2によりノズル4の方向に送られ、スクリュ2の前方の溶融樹脂溜め5に蓄積される。従来の射出成形法においては溶融樹脂が蓄積される間は、スクリュによる剪断作用により樹脂の混練程度を高め、脱気促進、密度向上などの理由から、蓄積する溶融樹脂圧により次第に後退するスクリュ2によりピストン13が後退し、それに伴いポート15および17から排出される油にリリーフ弁19、流量制御弁20で制限を加えて背圧を掛けていた。この背圧に抗して溶融樹脂が蓄積されると共に樹脂圧が高まり、蓄積量が所定量に達すると、スクリュ2をノズル4の方向に移動させ、溶融樹脂を溶融樹脂溜め5からノズルを経由して加熱筒外に設けられる図示しない成形金型内に射出されるようになっている。その際にはピストン13をノズル4の方向に移動させるため、ポート15および17より送油し、シリンダー10内の油はポート14および16からチェック弁24を経由し、切替弁28により開放させる。
【0013】
本発明においては、前記従来の射出成形機において、繊維強化材の折損を可能な限り抑えるため、前記の溶融した原料樹脂がスクリュ前方の溶融樹脂溜め5に蓄積されている間、溶融樹脂圧を実質的にゼロとするように前記スクリュの後退動作を制御する。このため通常、蓄積される溶融樹脂の樹脂圧は樹脂圧センサ31により検出され、その信号が演算制御装置30より制御信号として制御回路29を経由し、流量制御弁26、リリーフ弁27に発せられるようにしている。ポート15および17から油圧を開放し、さらにリリーフ弁19により背圧をゼロとしても、スクリュの後退には摩擦抵抗などがあるので、それだけでは溶融樹脂圧をゼロとすることが出来ない。従って樹脂圧をゼロとするには、通常背圧をマイナス、すなわち強制的にスクリュを後退させなければならない。そのため通常、前記のように溶融樹脂圧を測定し、その測定値に基づいた演算制御装置30からの制御信号により、切替弁28、リリーフ弁27、流量制御弁26を制御し、チェック弁25を経由してポート14および16へ送油し、スクリュを制御しながら後退させることが必要となる。このようにスクリュ2の後退動作を制御することにより溶融樹脂の蓄積中の樹脂圧を実質的にゼロとすることが出来る。なお、本発明で「実質的にゼロ」とは、必ずしも樹脂圧がゼロである場合を指すだけでなく、前記のような制御操作により得られる樹脂圧ゼロの近傍の圧力範囲をも含む。樹脂圧を実質的にゼロとすることにより、原料樹脂中の繊維強化材の折損を最小限に抑えて溶融樹脂を溶融樹脂溜め5に蓄積することが出来る。
【0014】
なお、前記溶融樹脂蓄積の際には溶融樹脂のホッパー6方向への逆流を防ぐため、スクリュ2の前部に逆流防止リング33が設けられる。これにより溶融樹脂が加熱筒内を何度も往復することが避けられ、繊維強化材の折損が一層抑えられる。また使用されるスクリュのL/Dは12〜18の範囲にあることが好ましく、スクリュの溝深さはフィード部が8〜20mm、メータリング部が5〜15mmの範囲にあることが好ましい。さらに圧縮比は1.2〜1.8であることが好ましい。
【0015】
樹脂圧の測定位置は特に限定されないが、溶融樹脂溜め5に面し、樹脂圧を正しく反映する個所が選ばれる。ノズル4に通じる細管32の個所が選ばれることもある。また前記のような樹脂圧センサなどを用いた制御を行うことが好ましいものの、使用原料樹脂や溶融条件が決まれば、樹脂圧を測定しないでも経験的に得られた所定の背圧制御パターンを採用することにより樹脂圧を実質ゼロに制御することが可能となる。このような場合は樹脂圧センサ31を使用することが必ずしも必須ではない。同様に樹脂圧がゼロになるように背圧の制御が正しくなされているかどうかは、成形品中の繊維強化材の平均繊維長を調べることにより行うことも可能である。
【0016】
前記により蓄積された溶融樹脂は、前記のように射出成形ではノズルと接続された成形金型に射出され、成形品を得ることが出来る。前記のように繊維強化材の折損は溶融樹脂の蓄積中の可塑化時において、溶融樹脂にかかる剪断力に影響を与える溶融樹脂圧力が大きな要因である。本発明においては、溶融蓄積後の排出過程、およびその後の成形過程については特に制限されない。このような成形過程としては、前に例示した射出成形法のほか射出溶融圧縮法、溶融圧縮法、さらにはブロー成形法を例示することが出来る。
【0017】
図2は予備可塑化方式の射出成形機に本発明を適用した場合を示したものである。図2において、図1と同様にホッパー56から供給される原料樹脂57はヒーター53を有する加熱筒51内で加熱され、モーター58により駆動するスクリュ52により加熱筒65内の溶融樹脂溜め55に蓄積されるが、溶融樹脂の排出はスクリュ52によらず、シリンダー59内のピストン60と一体のプランジャー81によって行われる。また溶融樹脂の蓄積中の樹脂圧により後退するのは、図1ではスクリュ2自体であるのに対し、図2ではピストン60およびプランジャー81である点が異なるのみである。図2の下方に示す制御系の説明は装置番号が異なるものの図1におけるものと同じである。つまり図2においては、溶融樹脂溜め55の樹脂圧を実質的にゼロとするためのプランジャー81にかかる背圧を図1と同様に制御する。なお溶融樹脂の排出は、シャットオフバルブ82またはそれと同等の機能を有する機構によりスクリュ52側への流路を閉じて行われる。また、樹脂圧センサは79のほか、80の位置に取り付けても良い。
【0018】
前記図1および図2においてはスクリュ2またはプランジャー81の後退動作を制御する方法として油圧を用いる場合を中心に説明したが、油圧の代わりに電動力を用いることも可能である。
【0019】
本発明により、得られる樹脂成形品中の繊維強化材の平均繊維長を5mm以上とすることが可能であり、原料樹脂中の繊維強化材の繊維長によっては10mm以上、さらには20mm以上とすることも可能である。また本発明を採用することにより原料樹脂中の繊維強化材の(平均)繊維長に対する成形品中の繊維強化材の平均繊維長の比(繊維長保持率)を通常20%以上、特には30%以上とすることが出来る。これにより従来スタンパブルシート法によって得られていた程度の優れた機械的物性を有する成形品、とくに複雑形状を有する成形品が容易に得られるようになった。
【0020】
【実施例】
以下に本発明を具体的な実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0021】
(実施例1、比較例1)
図1に示す射出成形装置(スクリュ直径50mm、L/D15、圧縮比1.5、溝深さ10mm)を用いて、ガラス繊維40重量%含有ポリプロピレン樹脂ペレット(ペレット長およびガラス繊維の繊維長48mm)の溶融試験を行い、溶融処理後の平均繊維長を通常のインラインスクリュ方式の射出成形機による溶融混練の場合と比較した。この結果を表1に示す。
【0022】
(繊維強化材の繊維長分布および平均繊維長の測定法)
成形品(溶融させた樹脂)を600℃で灰化処理後、約100mgをサンプリングして、光学フロファイルプロジェクター上に投影し、十字線にかかった繊維について長さを実測した。繊維長分布および重量平均繊維長はこれに基づいて算出した。
【0023】
【表1】
Figure 0003666510
【0024】
この結果から明らかなように、本発明の樹脂成形品の製造方法により、蓄積中の溶融樹脂圧を実質的にゼロにして含繊維樹脂ペレットを溶融させることにより、原料ペレット中のガラス繊維の繊維長により近い平均繊維長に保持させることができる。
【0025】
(実施例2、比較例2)
実施例1および比較例1で可塑化(溶融)した樹脂材料を100×200×3mmの平板状試験金型内にセットし、圧縮加圧して成形したものを幅12.5mm、長さ100mmに切り出し、アイゾット衝撃物性を調べた。また80mm角、厚さ3mmの平板試験片を使用し、インストロン社製試験機で面衝撃物性を測定した。結果を表2に示す。
【0026】
【表2】
Figure 0003666510
【0027】
この結果から明らかなように、本発明の製造方法により溶融させ、成形して得られた樹脂成形品は、従来の射出成形機を用いて溶融させた場合に比べ優れた機械的強度を有するものであり、スタンパブル成形法により得られる成形品に匹敵するものである。
【0028】
【発明の効果】
本発明の樹脂成形品の製造方法により、原料樹脂ペレットに含まれる繊維強化材の溶融混練(可塑化)時における折損を著しく抑えることができ、得られる成形品の機械物性を著しく向上させることが出来ることとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で使用できるインラインスクリュ方式の射出成形機の一例である。
【図2】 本発明で使用できる予備可塑化方式の射出成形機の一例である。
【符号の説明】
1,51,65 加熱筒
2,52 スクリュ
3,53 ヒーター
4,54 ノズル
5,55 溶融樹脂溜め
6,56 ホッパー
7,57 原料樹脂
8 ロッド
9,58 モーター
10,59 シリンダー
11 スラストベアリング
13,60 ピストン
14〜17,61,64 ポート
18,66 油圧配管
19,21,27,67,69,75 リリーフ弁
20,26,68,74 流量制御弁
22,70 油圧ポンプモーター
23,71 タンク
24,25,72,73 チェック弁
28,76 切替弁
29,77 制御回路
30,78 演算制御装置
31,32,79,80 樹脂圧センサ
33 逆流防止リング

Claims (2)

  1. スクリュを有する加熱筒内でガラス繊維強化材を含有する原料樹脂を溶融してスクリュ前方の溶融樹脂溜めに蓄積させ、次いで前記スクリュまたは別に設けられるプランジャーにより前記蓄積溶融樹脂を加熱筒より排出させて成形品を製造する方法において、
    スクリュを有する加熱筒内に供給されるガラス繊維強化材を含有する原料樹脂がペレット状であり、ペレット内の繊維強化材がペレットと実質的に同一長さでかつペレットの長さ方向に配列したガラス繊維を10〜80重量%(組成物中)含有するペレットを原料に使用して、
    スクリュのL/Dが12〜18であり、スクリュの溝深さがフィード部で8〜20m、メータリング部で5〜15mであり、溶融樹脂溜めに蓄積される樹脂圧を測定するセンサーを備えた成形機を使用して、
    前記蓄積中の溶融樹脂圧を実質的に0kg/cm2とするように前記スクリュまたはプランジャーの後退動作を制御しながら原料樹脂の可塑化を行い、
    前記スクリュまたはプランジャーにより蓄積溶融樹脂を加熱筒より排出させて成形し、樹脂成形品中の平均繊維長が10mm以上であり、樹脂成形品中の繊維長保持率(ペレット中の繊維長に対する成形品中の平均繊維長の比)が20%以上にすることを特徴とする樹脂成形品の製造方法。
  2. 蓄積溶融樹脂を加熱筒より排出させ、射出成形、射出溶融圧縮成形及び溶融圧縮成形から選ばれる成形法により成形することを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形品の製造方法。
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