JP3665965B2 - 太陽光発電システム周辺部用塗装鋼材の選定方法、太陽光発電システム周辺部用塗装鋼材、及び太陽光発電システム - Google Patents

太陽光発電システム周辺部用塗装鋼材の選定方法、太陽光発電システム周辺部用塗装鋼材、及び太陽光発電システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽光発電システム周辺部用塗装鋼材の選定方法、太陽光発電システム周辺部用塗装鋼材、及び太陽光発電システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から各種の発電システムが提案されているが、特に近年では、太陽光発電システムはその発電に際して大気を汚染しないので、クリーンエネルギー源(例えばCO2 の低減)として注目を浴びており、各地で住戸の屋根に取り付けられている。太陽光発電システムを屋根に取り付けるには各種の構造があるが、例えば屋根と一体型にした屋根一体型太陽光発電システムと称される取り付け構造がある。この屋根一体型太陽光発電システムにおいては、このシステムが屋根の一部を構成することとなる。このため、この太陽光発電システムには屋根部材と同等の耐久性が要求されることになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この屋根一体型太陽光発電システムは、その周辺部材(太陽光電池モジュールを除いた部分)には塗装鋼材が用いられており、その塗装鋼材に対しても屋根部材と同等の耐久性が要求されることになるが、海岸に近い場所に設置されると、塩害によってその寿命が大きく左右されるという、課題があった。
【0004】
従来、塗装鋼材の寿命を予測する技術はなく、最も近い技術として実環境に近い環境に試験片を暴露し、試験片の腐食量から類推する方法、或いは腐食促進試験により試験片の腐食量を評価し、その結果を対応する既存の長期暴露試験材の腐食量との相対比較により寿命推定を行う方法が行われていた。また、昨今、ガルパニック対(ACMセンサ等)等を用いて部材が使用される腐食環境強度を調査することが試みられている。
【0005】
しかしながら、上記のように、実環境に近い環境に試験片を暴露し、試験片の腐食量から寿命を推定する方法では、何十年という長期に亘る試験を必要とする。また、過去の暴露データがあっても、完全に同一場所で使用するわけではないために、定量的に腐食量を予測することができず、定性的な良否の示唆にとどまっていた。また、腐食促進試験と既存の長期暴露材との相対比較による寿命推定を行う方法では、使用環境を適切に再現できない、また環境が再現されているかどうかが確認ができない、という課題がある。一方、環境を明らかにする手法として、交流インピーダンス法やACMセンサを実構造物に設置して、部材が実際に使用される部位での局所的な腐食環境強度を測定する方法が考案されているが、腐食環境強度と塗装鋼材の腐食量との関係が明らかになっていない、という課題がある。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、寿命を高精度に予測して適切な塗装鋼材の選定を可能にした、太陽光発電システム周辺部用塗装鋼材の選定方法、その選定方法によって選定された塗装鋼材からなる部材を用いた太陽光発電システム周辺部用塗装鋼材、及びその塗装鋼材を組み込んだ太陽光発電システムを提供すことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明に係る太陽光発電システム周辺部用塗装鋼材の選定方法は、太陽光発電システム周辺部材の所定位置に設けられた基準位置、又は前記周辺部材の外に設けられた基準位置における付着塩分量を計測する第1の工程と、太陽光発電システム周辺部材又はそれに相当する部材の1又は複数の部位における付着塩分量を計測する第2の工程と、第1の工程で計測された基準位置の付着塩分量と飛来海塩量との関係と、前記部位の付着塩分量とに基づいて、前記部位における飛来海塩量を求める第3の工程と、予め設定されている飛来海塩量と腐食量との関係と、第3の工程で求められた前記部位の飛来海塩量とに基づき、前記部位における腐食量と暴露時間との関係を示すデータを求める第4の工程と、第4の工程で求められた腐食量と暴露時間との関係を示すデータに基づいて腐食の進行を予測する第5の工程とによって、太陽光発電システムの各周辺部材として使用した場合に各周辺部材について設定した腐食限界値に達するまでの各種塗装鋼部材の寿命を予測し、所定の耐用年数を満たす塗装鋼材を選択する。
【0008】
(2)本発明に係る太陽光発電システム周辺部用塗装鋼材は、上記(1)に記載の太陽光発電システム周辺部用塗装鋼材の選定方法によって選定した塗装鋼材から構成される。
【0009】
(3)本発明に係る太陽光発電システムは、上記(2)の塗装鋼材を組み込んだものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施形態1.
図1は本発明の実施形態1に係る太陽光発電システム周辺部用塗装鋼材の選定方法、その塗装鋼材の設計方法及びその製造方法の処理過程を示したフローチャートである。
【0011】
(ST1)最初の段階では製品条件が提示される。この製品条件としては、腐食環境(地域、部位)や要求性能(外観腐食、構造寿命)などがある。本実施形態1においては、塗装鋼材の膨れ幅が外観寿命の決定因子であることを見い出し、塗装鋼材の膨れ幅を寿命の計測基準にしている。
【0012】
(ST2)次の段階では、製品条件を満たす材料を選択する処理に移行する。具体的には、特定の腐食環境(地域、部位)において使用される鋼材の寿命を予測して耐用年数を決定する処理を行う。この寿命予測の処理は次の(S21)乃至(S26)の各工程の処理によって行われる。
【0013】
(S21)塗装鋼材の寿命予測を行うためのデータの整理を行う工程。この工程においては、暴露年数(経過時間)と腐食量との関係を求めてグラフ化するとともに、飛来海塩量、温度、湿度、日照量、イオウ酸化物量、降水量、結露時間、付着塩分量等の環境因子から、適宜選択し、各環境因子のデータを環境データとして合わせて整理する。なお、本実施形態1においては主として塩害対策を考慮しているので、環境データとしては、飛来海塩量及び付着塩分量に着目するものとする。また、腐食データには、膨れ幅、外観変化、白錆発生面積等があるが、本実施形態1においては膨れ幅の例について説明する。なお、塗装鋼材の膨れ幅とは、鋼材が腐食するのにともなって切断端部から塗膜が膨れ上がったときに、その膨れ上がった塗膜部分の端部からの幅を示すものとする(詳細は後述の図5参照)。
【0014】
図2(A)乃至(C)は、或る地域a乃至cにおける塗装鋼材の暴露時間(経過時間)と腐食量との関係を示した特性図であり、この特性図には飛来海塩量のデータがそれぞれ添付されている。そして、図2のデータを含めて多数の地域のデータがデータベースに格納されているものとする。また、その地域は例えば、沿岸部、山間部、都市部等に分類されているものとする。
【0015】
なお、後述の処理(S22)に対応するデータが不足している場合には、経年膨れ幅の予測を行う。例えば後述の処理において暴露年数(経過年数)が5年目のデータを利用する場合に、3年目と6年目のデータしかない場合には、これらのデータを参考に、欠落している5年目のデータを補完してもよい。
【0016】
(S22)環境因子を決定する。本実施形態1においては主として塩害対策を考慮しているので、環境因子は飛来海塩量であるものとする。この工程においては、上述のデータベースから飛来海塩量の環境データを収集して、腐食速度を支配している環境因子が飛来海塩量であることを確認する。また、環境因子を腐食量に対してプロットして後述の(1)式の演算処理をすることによりその係数a,bを求める。
【0017】
図2(A)乃至(C)に示されるようなデータベースのデータの内、製品条件から利用するデータを絞り込む。例えば、製品の設置場所が沿岸部であれば、利用するデータをデータベースのデータの内、沿岸部の地域のデータに絞り込む。そして、環境因子(独立変数)X、腐食量(従属変数)Yについてそれぞれの対数を取って、線形モデルに変換して回帰分析を行う。
【0018】
logY=a+blogX …(1)
【0019】
また、上記の(1)式の定数a,bについては、少なくとも3年分(例えば2年、5年、7年)について求めておくものとする(後述するようにその年数分が多い方が望ましい)。図3(A)乃至(C)は、暴露年数2年、5年、7年に対応して上記の(1)式の定数a,bが求まったときに、上記の(1)式より得られる環境因子と腐食量との関係をそれぞれ概念的に示した特性図である。
【0020】
(S23)対象となる実構造物(この場合には太陽光発電システム周辺部材)の複数の被対象部位にガルバニック対を設置し、環境因子(付着塩分量)を測定する工程。この工程では、更に実構造物内でミクロに環境が異なることから、各部位の腐食速度の環境因子依存性を外部環境に対して数値化する。日本の気候は四季があり、1年間で大きく変化するので、望ましくは、1年間継続的の測定するのが良いが、1ヶ月の測定でも日本各地域の気候データから、推定することは十分可能である。
【0021】
なお、測定に際しては、例えば顧客から要請があった実構造物又はそれを模擬した構造物の複数の部位でガルバニック対を用いて計測する。部位によっては(例えば、躯体内とか狭い場所)、飛来海塩量を計測できない場所があるので、屋外で飛来海塩量の採取とガルバニック対による計測とを併行して行い、各部位はガルバニック対の計測のみを行う。ガルバニック対の出力は、相対湿度、付着塩分量の関係から環境因子(付着塩分量)を定量できるので、ガルバニック対の出力から環境データの度合い(飛来海塩量)を次式(2),(3)に示すように見積もることができる。実際には、屋外(平場外面)を1とした場合の付着塩分量比率(付着塩分量に関する部位係数:なお、部位係数は飛来海塩量に関して算出し得る。)で表現し、部位Aは付着塩分量比率10とか、部位Bは付着塩分量比率0.1といった具合に表現する。
【0022】
部位係数=部位の付着塩分量/屋外の付着塩分量 …(2)
部位Aの飛来海塩量=屋外の飛来海塩量×部位Aの部位係数 …(3)
【0023】
例えば、1ヶ月間の試験で屋外(平場外面)の飛来海塩量のデータと、塗装鋼材の付着塩分量のデータとを取る。一方、軒先とか平場内面(後述の図12参照)等の各部位の付着塩分量をガルバニック対で計測する。付着塩分量は予め用意したガルバニック対の出力と付着塩分量の関係を示す検量線により求められる。屋外(平場外面)で測定した飛来海塩量と付着塩分量の関係から、ガルバニック対の出力から間接的ではあるが、軒先、平場内面等の各部位の飛来海塩量がそれぞれ求まる。
【0024】
なお、上記の例においては、屋外(平場外面)で飛来海塩量を計測して付着塩分量とを対応付けしたが、飛来海塩量は地域間の差や離岸距離の影響があるので、対象地域毎に計測が必要である。この場合、例えば、各地域毎に計測されて保有されている飛来海塩量のデータを利用して付着塩分量との対応付けを行うようにしてもよい。
【0025】
(S24)環境因子に対する各部位の膨れ幅を予測する工程。この工程においては、数値化された各部位の環境因子に基づいて膨れ幅を推定する。
【0026】
具体的には、環境因子の計測値(例えば軒先、平場外面、平場内面の飛来海塩量)をそれぞれ図3(A)乃至(C)の特性に当てはめて、腐食量と経過年数のデータを得る。図3(A)乃至(C)の例においては例えば飛来海塩量a(mdd)であった場合にはそれに対応した腐食量Ya2、Ya5、Ya7を求める。そして、暴露年数(独立変数)T、腐食量(従属変数)Yについてそれぞれの対数を取って、線形モデルに変換して回帰分析を行い、定数α、βを求める。
【0027】
logY=α+βlogT …(4)
【0028】
図4(A)乃至(C)は、上記の(4)式により求められた、屋外(平場面外)、部位A及びBにおける暴露年数(経過年数)と腐食量(膨れ幅)との関係を概念的に示した特性図である。
【0029】
(S25)環境因子に対する各部位の寿命予測をする工程。この工程においては、図4に示される膨れ幅を寿命を決定する膨れ幅のしきい値に照らし合わせ寿命を算出する。
【0030】
(S26)耐用年数を決定する工程。この工程においては、上記の寿命予測に安全係数(用途に応じて)を掛けてその耐用年数を決定する。
【0031】
(ST3)以上の処理(S21)乃至(S26)により製品条件を満たした塗装鋼材の仕様が得られるが、次に、その塗装鋼材を製造・販売するまでの過程について説明する。
(S31)塗装鋼材の材料を選定する。ここでは、上記の処理にて耐用年数(例えば30年)が満たされた鋼材の中から材料を選定する。
【0032】
例えば上記の処理(S26)において、寿命予測対象となった全ての塗装鋼材が耐用年数を満たさないような場合には、予測対象となった塗装鋼材よりも明らかに耐食性が高いと分かっている塗装鋼材を選定してもよい。同系統の塗装鋼材であればある程度の対応関係がつけられるので、例えば最も寿命が長いと予測された塗装鋼材と同系統かつ高耐食性の塗装鋼材を選定すればよい。
【0033】
更に、例えば寿命予測対象となった全ての鋼材が耐用年数を満たさないような場合には、その予測結果に基づいて新たな鋼材を設計してもよい。或る鋼材にマイナーな設計修正を行うのであれば、耐食性の向上程度は予測がつけられることを利用する。寿命予測対象となった鋼材の塗装膜厚を変更するとか、化成処理の種類を変えるとか、焼付け工程の温度制御を変更するとか、めっき付着量を変更する等が考えられる。
【0034】
(S32)材料の製造及びその材料を太陽光発電システム用周辺部材として適用できるように加工して、太陽電池モジュールとともに屋根に施工する。
【0035】
本実施形態1においては、上述のように、塗装鋼材の腐食の進行を定量的に精度良く得ることができるようにしたので、実構造物(太陽光発電システム)の腐食量及び寿命に対して定量的な見解を出せるようになっている。従来の暴露試験では、このような処理ができなかったために、実構造物の腐食量及び寿命に対し定性的な良否の示唆しかできなかった。
【0036】
図5は上記にて取り上げられている腐食データとしての塗装鋼材の膨れ幅の説明図である。塗装鋼材は、同図(A)に示されるように、鉄31の上にめっき層32、化成処理層33及び塗装膜34が順次形成されている。塗装膜34はめっき層32などより耐食性が高いので、同図(B)に示されるように、塗装膜34が経年変化する前に、めっき層32が経年変化し、その切断端部は酸化して白錆35となり、その部位は膨張して塗装膜34の切断端部が膨れ上がる。その膨れ上がった塗装膜34の端部からの幅Wを膨れ幅といい、腐食の程度を示すパラメータとなる。
【0037】
【実施例】
実施例1.
図6は上述の実施形態1の処理(S21)により得られた、或る地域の塗装鋼材の特性図である(上述の図2に対応した特性図である)。ここでは、暴露年数が1年乃至7年のデータが描かれている。このようなデータが上記の処理(S22)に多数利用されることになる。
【0038】
図7乃至図9は暴露後2年後、5年後及び7年後の飛来海塩量と塗装鋼材の膨れ幅との関係をそれぞれ示した特性図であり、これは上述の図3(A)乃至(C)に対応している。なお、飛来海塩量の単位mddは、mg/dm2・day(10cm×10cm四方の面積に1日当たり捕獲される海塩量)である。
【0039】
図10は上記の処理(S24)により得られた塗装鋼材の軒先(図12参照)における膨れ幅の予測値を経過年で表した特性図である。塗装鋼材の膨れ幅が5mmに達したときを寿命とする場合には、図10より塗装鋼材Aは3年程度、塗装鋼材Bは6年程度、塗装鋼材Cは30年以上の外観寿命があるという予測が可能となっている。
【0040】
実施例2.
図11は本実施例2に係る太陽光発電システムの斜視図である。この太陽光発電システムにおいては、屋根の野地板10の上に屋根下地材11が配置されており、その屋根下地材11の上に複数の縦レール12及び支持材13がそれぞれ取り付けられる。軒先側には軒先パンチングメタル14が取り付けられる。縦レール12の間には太陽電池モジュール15が配置されており、太陽電池モジュール15の縦方向の端部にはモジュールカバー16が取り付けられており、その上部には平場通気部材17が取り付けられており、軒先側には軒先カバー18が取り付けられている。軒先パンチングメタル14を介して吸気された空気は、屋根下地材11と太陽電池モジュール15との間を通って平場通気部材17の孔から排気されることになる。
【0041】
なお、軒先パンチングメタル14には孔(以下、軒先開口部という)14xが形成されており、隣接した軒先開口部14xの中心間の距離から軒先開口部14xの直径を引いた距離を軒先開口距離と称するものとする。図12(A)は、軒先パンチングメタル14の軒先開口部14xを示すのもであり、図中のd1が軒先開口距離である。また、平場通気部材17にはほぼ長方形に並んで穿設された孔(以下、平場通気部材開口部という)17yが形成されており、隣接した平場通気部材開口部17yの最近接の長辺と長辺との距離を通気部材開口距離と称するものとする。図12(B)は、平場通気部材17の平場通気部材開口部17yを示すのもであり、図中のd2が通気部材開口距離である。
【0042】
図13は図11の太陽光発電システムを模式化した説明図である。本実施例においては、軒先とは軒先パンチングメタル14の内壁部分14aを示し、平板外面とは平場通気部材17の外面17aを示し、平場内面とは平場通気部材17の外面17bを示すものとする。
【0043】
図14乃至図16は、塗装鋼材A乃至Cについて、軒先、平場外面及び平場内面についての膨れ幅の予測値を経過年で表した特性図である。図示の例においては、軒先、平場外面及び平場内面についての付着塩分量の比率は、1:0.1:0.01である。
【0044】
実施例3.
図17はACMセンサの出力により得られた付着塩分量から算出した軒先、平場外面及び平場内面についての部位係数をした図である。この例においては、平場外面を基準として、他の部位の部位係数を示しており、軒先では10倍強、平場内面では0.1倍となっている。
【0045】
図18乃至図20は、上記の部位係数を用いて、塗装Znめっき鋼板、塗装Zn-5%Alめっき鋼板及び塗装55%Al-Znめっき鋼板についての各部位の10年後、20年後及び30年後の膨れ幅の予測結果を示した図である。これらの特性から、各部位に適した材料を選択することができる。
【0046】
例えば、本実施例の太陽光発電システムを例にとって説明する。
商品として膨れ幅が許容できる範囲(腐食限界値)の設定は、部材形状により異なるが、太陽光発電システムでは、軒先部材の腐食限界値は軒先開口距離(d1)により3mm、平場通気部材の腐食限界値はその通気部材開口距離(d2)により10mmと設定した。
図18乃至図20の各種塗装鋼板の各年の膨れ幅の予測結果と腐食限界値を対比させることにより、軒各部材に各種塗装鋼板を使用した場合の寿命が予測でき、商品として膨れ幅が許容できるか否かの判断が可能となる。
軒先部材の場合、10年以上の寿命に対して、どの塗装鋼板も膨れ幅が3mm以上であり、許容範囲外であることがわかった。一方、平場外面の場合、塗装55%Al−Znめっき鋼板は30年を超える長期にわたって、許容範囲内であることがわかった。このようにして、各部位に適した材料を選択することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、太陽光発電システム周辺部材又はその相当部材の1又は複数の部位における付着塩分量を計測し、基準位置の付着塩分量と飛来海塩量との関係と、前記部位の付着塩分量とに基づいて、前記部位における飛来海塩量を求め、更に、予め設定されている飛来海塩量と腐食量との関係と、前記部位の飛来海塩量とに基づき、前記部位における腐食量と暴露時間との関係を示すデータを求め、その腐食量と暴露時間との関係を示すデータに基づいて腐食の進行を予測するようにしたので、短期間の試験で、且つ精度の高い長期の膨れ幅予測が可能になり、塩害に対応した塗装鋼材の選択が可能になっており、塩害に強い太陽光発電システムが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1に係る太陽光発電システム周辺部用塗装鋼材の選定方法、その塗装鋼材の設計方法及びその製造方法の過程を示したフローチャートである。
【図2】或る地域a乃至cにおける塗装鋼材の暴露年数と腐食量との関係を示した特性図である。
【図3】暴露年数が2年、5年及び7年の環境因子と腐食量との関係を示した特性図である。
【図4】屋外、部位A及び部位Bにおける、暴露年数と腐食量との関係を概念的に示した特性図である。
【図5】塗装鋼材の膨れ幅の説明図である。
【図6】図1の処理(S21)により得られた特性図である。
【図7】2年経過後の飛来海塩量と塗装鋼材の膨れ幅との関係を示した特性図である。
【図8】5年経過後の飛来海塩量と塗装鋼材の膨れ幅との関係を示した特性図である。
【図9】7年経過後の飛来海塩量と塗装鋼材の膨れ幅との関係を示した特性図である。
【図10】塗装鋼材A乃至Cの屋外における膨れ幅の予測値を示した特性図である。
【図11】本発明の実施例の太陽光発電システムの斜視図である。
【図12】軒先パンチングメタルの軒先開口部及び平場通気部材の平場通気部材開口部の説明図である。
【図13】図11の太陽光発電システムを模式化した説明図である。
【図14】塗装鋼材Aの軒先、平場外面及び平場内面についての膨れ幅の予測値を示した特性図である。
【図15】塗装鋼材Bの軒先、平場外面及び平場内面についての膨れ幅の予測値を示した特性図である。
【図16】塗装鋼材Cの軒先、平場外面及び平場内面についての膨れ幅の予測値を示した特性図である。
【図17】図13の各部位の部位係数を示した図である。
【図18】3種類の塗装鋼材の平場外面、軒先及び平場内面についての10年後の膨れ幅の予測値を示した特性図である。
【図19】3種類の塗装鋼材の平場外面、軒先及び平場内面についての20年後の膨れ幅の予測値を示した特性図である。
【図20】3種類の塗装鋼材の平場外面、軒先及び平場内面についての30年後の膨れ幅の予測値を示した特性図である。

Claims (3)

  1. 太陽光発電システム周辺部材の所定位置に設けられた基準位置又は前記周辺部材の外に設けられた基準位置における付着塩分量を計測する第1の工程と、
    前記太陽光発電システム周辺部材又はそれに相当する部材の1又は複数の部位における付着塩分量を計測する第2の工程と、
    前記第1の工程で計測された基準位置の付着塩分量と飛来海塩量との関係と、前記部位の付着塩分量とに基づいて、前記部位における飛来海塩量を求める第3の工程と、
    予め設定されている飛来海塩量と腐食量との関係と、前記第3の工程で求められた前記部位の飛来海塩量とに基づき、前記部位における腐食量と暴露時間との関係を示すデータを求める第4の工程と、
    前記第4の工程で求められた腐食量と暴露時間との関係を示すデータに基づいて腐食の進行を予測する第5の工程と
    によって、太陽光発電システムの各周辺部材として使用した場合に各周辺部材について設定した腐食限界値に達するまでの各種塗装鋼部材の寿命を予測し、所定の耐用年数を満たす塗装鋼材を選択することを特徴とする太陽光発電システム周辺部用塗装鋼材の選定方法。
  2. 請求項1記載の太陽光発電システム周辺部用塗装鋼材の選定方法によって選定した塗装鋼材から構成されることを特徴とする太陽光発電システム周辺部用塗装鋼材。
  3. 請求項2記載の塗装鋼材を組み込んだことを特徴とする太陽光発電システム。
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