JP5066160B2 - 鋼材の板厚減少量予測方法 - Google Patents

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Description

本発明は、大気環境における鋼材の板厚減少量を予測する鋼材の板厚減少量予測方法に関するものである。
橋梁等の大気環境で用いられる鋼構造物の設計においては、腐食による経年劣化を考慮して、最適な構造用鋼が選定される。鋼材としては、腐食環境としてマイルドな山間部等で使用する場合には、JISのSM規格に代表される通常の溶接構造用鋼が選定され、海洋に近く腐食性の厳しい環境で使用する場合には、合金元素添加により耐食性を向上させた耐食鋼材(耐候性鋼)が選定される。これらは、裸仕様に加えて、場合によっては、さび安定化処理や重防食塗装等の表面処理を施して用いられている。そして、鋼材の選定においては、初期コストのみでなく、構造物建設後の維持・管理費をも含めたライフサイクルコストを極小化するとの観点から、当該環境での腐食による鋼材の板厚減少量を高精度で予測する必要性が高まっている。
腐食による鋼材の板厚減少量の予測方法としては、構造物の建設地で曝露試験を行い、その時得られた腐食減肉量の経時変化を、Y=AX(ただし、Y:鋼材の板厚減少量、X:経過年数、A,B:環境に依存する係数)なる関係式でフィッティングして、A値およびB値を求め、任意の長期間に及ぶ板厚減少量を予測するという手法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
また、大気腐食環境における鋼材の腐食減肉量(板厚減少量)に及ぼす成分組成の影響を精緻に検討し、鋼材の成分組成から決定される耐候性合金指標およびJISSMA材の腐食データを用いて任意の鋼材の腐食減肉量を予測する方法も提案されている(例えば、非特許文献2参照)。この方法によれば、SMA材の腐食減肉量(腐食量)が既知の場所では、任意の鋼材の腐食減肉量を予測することができるが、SMA材の腐食減肉量が未明である場所では、腐食減肉量の予測はできない。
このような問題に対して、A値を飛来塩分量、平均気温、平均湿度等の環境因子を用いた関数として記述するとともに、B値をA値の関数として記述し、任意の場所における予測式Y=AXを求めることが提案されており、腐食による板厚減少量の予測がこれらの環境因子の測定により可能となっている(特許文献1、2参照)。
特開2005―134320号公報 特開2006―208346号公報
建設省土木研究所、(社)鋼材倶楽部、(社)日本橋梁建設協会:耐候性鋼材の橋梁への適用に関する共同研究報告書(XV)、平成4年3月 三木ら:土木学会論文集No.738/I−64、p271−281、2003年7月
しかしながら、従来の鋼材の板厚減少量予測方法では、以下に示す問題がある。
これらの文献では、B値がA値と相関すると仮定し、A値とB値の分布図から、B値を求めるためのA値を変数とする近似関数を求めている。ここで、JIS耐候性鋼(SMA材)の暴露データより求めたA値とB値の分布図が特許文献2にも公開されているが、分布図から明らかなように、同じA値についてB値は分布幅をもち、近似式によるB値の導出や分布を考慮した導出では、B値の誤差は大きく、長期腐食量を推測する場合に腐食量誤差が大きくなってしまう。そのため、これらの方法は、ライフサイクルコストの観点から、最適な構造用鋼材の選定方法に用いる板厚減少量予測式としては不十分である。ここで、JIS耐候性鋼のA値とB値の関係を示すグラフを図2に示す。図2は、A値が同一であっても、B値は同一にならないことを示すためのものである。なお、プロットに用いているデータは、全国41橋暴露試験のデータで、様々な環境の橋データをプロットしている。従来技術では、B値をA値の関数として求めているが、図2に示すように、実際のA値とB値からプロットすると、同じA値、あるいは、ほぼ同じA値であっても、B値にはばらつきがでることがわかる。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、大気環境で使用される鋼材の板厚減少量を精度よく予測できる鋼材の板厚減少量予測方法を提供することにある。
本発明者らは、大気環境における鋼材の板厚の経年変化を予測する方法を検討した結果、板厚減少量予測式(腐食量予測式):Y=AX(ただし、Y:鋼材の板厚減少量(板厚変化量)、X:経過年数、A,B:環境に依存する係数)を用いて鋼材の板厚減少量を予測する場合に、A,Bを、それぞれ、環境因子をパラメータとする独立した関数として表現するのが好ましいことを見出した。
そして、腐食量予測式:Y=AXにおいて、A,Bについて環境因子との関係を詳細に見てみると、特にBについては、環境因子をパラメータとする一次関数で表現しようとすると精度が低く、精緻に予測することが難しいことが判明した。すなわち、Bは腐食速度の変化の指標であるが、環境の腐食性とともに生成するさびの性状によっても変化するため、環境因子の単純な一次式での相関性は低くなっている。そこで、環境因子との相関性が一次式でも高い腐食速度を用いてA,Bを表現する方法について検討を行った結果、本発明を成すに至った。
すなわち、本発明の請求項1に係る鋼材の板厚減少量予測方法は、大気環境における鋼材の板厚減少量を予測する鋼材の板厚減少量予測方法であって、板厚減少量予測式として、Y=AX(ただし、Y:鋼材の板厚減少量、X:経過年数)を用い、前記AおよびBが、それぞれ、環境因子をパラメータとする関数で表され、かつ、前記Aは、(CR+CR)÷2であり、前記Bは、2CR÷(CR+CR)であって、前記CRは、環境因子をパラメータとする、鋼材製造直後の初期腐食速度を表す関数であり、前記CRは、環境因子をパラメータとする、鋼材製造から1年後の腐食速度を表す関数であることを特徴とする。
このような板厚減少量予測方法によれば、板厚減少量予測式として前記の式を使用し、前記AおよびBを、それぞれ、環境因子をパラメータとする関数(すなわち、環境に依存する係数)で表し、かつ、所定の数式で規定することで、板厚減少量の予測誤差が低減されて、大気環境で使用される鋼材の板厚減少量の予測の精度が向上する。
本発明の請求項2に係る鋼材の板厚減少量予測方法は、前記CRおよびCRが、それぞれ、環境因子をパラメータとする一次関数であることを特徴とする。
このような板厚減少量予測方法によれば、前記CRおよびCRを、それぞれ、環境因子をパラメータとする一次関数とすることで、当該予測がより簡便となる。
本発明の請求項3に係る鋼材の板厚減少量予測方法は、大気環境における鋼材の板厚減少量を予測する鋼材の板厚減少量予測方法であって、板厚減少量予測式として、Y=AX(ただし、Y:鋼材の板厚減少量、X:経過年数)を用い、前記AおよびBが、それぞれ、環境因子をパラメータとする関数で表され、かつ、前記Aは、(nCR)÷{{2CR÷(CR+CR)}×n^{2CR÷(CR+CR)}}であり、前記Bは、2CR÷(CR+CR)であって(ただし、n:正の実数、^:累乗)、前記CRは、環境因子をパラメータとする、鋼材製造直後の初期腐食速度を表す関数であり、前記CRは、環境因子をパラメータとする、鋼材製造からn年後の腐食速度を表す関数であることを特徴とする。
このような板厚減少量予測方法によれば、板厚減少量予測式として前記の式を使用し、前記AおよびBを、それぞれ、環境因子をパラメータとする関数(すなわち、環境に依存する係数)で表し、かつ、所定の数式で規定することで、板厚減少量の予測誤差が低減されて、大気環境で使用される鋼材の板厚減少量の予測の精度が向上する。
本発明の請求項4に係る鋼材の板厚減少量予測方法は、前記CRおよびCRが、それぞれ、環境因子をパラメータとする一次関数であることを特徴とする。
このような板厚減少量予測方法によれば、前記CRおよびCRを、それぞれ、環境因子をパラメータとする一次関数とすることで、当該予測がより簡便となる。
請求項1、3に係る鋼材の板厚減少量予測方法によれば、大気環境で使用される鋼材の経年変化による板厚減少量を、精度よく予測することができる。また、請求項2、4に係る鋼材の板厚減少量予測方法によれば、当該予測をより簡便に行うことができる。
さらに、本発明に係る鋼材の板厚減少量予測方法を用いることで、種々の鋼材から、種々の大気環境での最適な鋼材(鋼種)を、初期コストのみでなく、構造物建設後の維持・管理費をも含めたライフサイクルコストを考慮して選定することが可能となる。
腐食速度の経時変化を模式的に示すグラフである。 JIS耐候性鋼のA値とB値の関係を示すグラフである。
次に、本発明に係る鋼材の板厚減少量予測方法ついて詳細に説明する。
鋼材の板厚減少量(板厚変化量)予測方法は、大気環境における鋼材の板厚減少量(腐食量)を予測するものであり、板厚減少量予測式(腐食量予測式)として、Y=AX(ただし、Y:鋼材の板厚減少量、X:経過年数)を用いる。この関係式は非特許文献1に開示されている通り、大気環境における腐食による鋼材の板厚減少量(腐食量)と経過年数との関係を示す基本式として広く認知されている。そして、本発明においては、前記AおよびBを、それぞれ、環境因子をパラメータとする関数で表し、かつ、前記AおよびBを、所定の数式で規定したものである。
この前記AおよびBの数式としては、Aの数式とBの数式の組み合わせを1組として、以下に示す2組の数式が挙げられる。
[第1の数式]
前記AおよびBにおける第1の数式として、前記Aを、(CR+CR)÷2とし、前記Bを、2CR÷(CR+CR)とする。
すなわち、
A=(CR+CR)/2・・・・・・(1)
B=2CR/(CR+CR)・・・・・・(2)
である。
ここで、前記CRは、環境因子をパラメータとする、鋼材製造直後の初期腐食速度を表す関数であり、前記CRは、環境因子をパラメータとする、鋼材製造から1年後の腐食速度を表す関数である。
[第2の数式]
前記AおよびBにおける第2の数式として、前記Aを、(nCR)÷{{2CR÷(CR+CR)}×n^{2CR÷(CR+CR)}}とし、前記Bを、2CR÷(CR+CR)とする。なお、「n」は正の実数、「^」は累乗である。
すなわち、
A=(nCR)/{{2CR/(CR+CR)}n^{2CR/(CR+CR)}}・・・・・・(3)
B=2CR/(CR+CR)・・・・・・(4)
である。
ここで、前記CRは、環境因子をパラメータとする、鋼材製造直後の初期腐食速度を表す関数であり、前記CRは、環境因子をパラメータとする、鋼材製造からn年後の腐食速度を表す関数である。
次に、前記AおよびBの数式の規定について説明する。
耐候性鋼の腐食挙動を見ると、さびの保護性により徐々に腐食速度が低減していることがわかっている。そこで、図1に示すような腐食速度の変化を考えた。図1におけるCRを、さびの無い状態の初期腐食速度とし、CRを1年目の腐食速度、CRをn年目(nは正の実数)の腐食速度とした。
CRから、さびの形成に伴い、さびによる環境の遮断性により腐食速度が徐々に減少していき、CRに到達すると、以下のようになる。
1年目までの積分値は1年目腐食量に相当し、腐食量予測式:Y=AXより、年数Xを1年とするとY=Aとなり、積分値はAに相当することとなる。そして、Aは近似的に台形の面積で記述でき、
A=(CR+CR)/2・・・・・・(1)
とすることができる。
次に、腐食量予測式:Y=AXより、Xについて微分すると、
Xの時の腐食速度CR(X)=ABX(B−1)・・・・・・(5)
となり、X=1のとき、
1年目の腐食速度CR=AB・・・・・・(6)
となる。
(1)式を(6)式に代入すると、
CR=B(CR+CR)/2
B=2CR/(CR+CR)・・・・・・(2)
となり、A、BをCRとCRで近似的に記述することができる。
このように、鋼材製造直後および1年後の腐食速度を表す関数を用いれば、Y=AXを比較的簡単な式によって表すことができる。しかしながら、本発明はこれに限定されず、鋼材製造直後およびn年後の腐食速度を表す関数によっても表現することができる。以下、その方法について記載する。なお、nは整数に限定されない。
(5)式よりn年目の腐食速度CRは、
CR=ABn(B−1)・・・・・・(7)
である。
n年目までの腐食量をNとすると(図1において、Nは、Aを含むものである)、
n(CR+CR)/2=N・・・・・・(8)
となる。また、Y=AXより、n年目腐食量Nは、
N=An・・・・・・(9)
であるので、(8)式と(9)式より、
nCR=2An−ABn
CR=A(2−B)nB−1・・・・・・(10)
となる。
(7)式の両辺をn倍すると、
nCR=ABn
A=nCR/Bn・・・・・・(7)’
となる。
(10)式の両辺をn倍し、(7)’式を代入すると、
nCR=(nCR/Bn)(2−B)n
Bについて解くと
B=2CR/(CR+CR)・・・・・・(4)
となる。
(4)式を(7)’式に代入すると、
A=(nCR)/{{2CR/(CR+CR)}n^{2CR/(CR+CR)}}・・・・・・(3)
となる。
したがって、それぞれ、環境因子をパラメータとして記述される関数である腐食速度CR、CR(CRを含む、以下同じ)を用いることで、A値、B値を精緻に予測し、腐食量予測式:Y=AXを用いることにより、長期間の腐食量予測が可能である。
なお、CR、CRは、環境因子をパラメータとする関数であればどのようなものであってもよいが、簡便性の観点では一次関数であることが好ましい。
ここで、腐食速度CR、CRの求め方としては、例えば、以下の2つの方法が挙げられる。
(1)暴露試験により得られたA値、B値を元に、腐食速度CR、CRに換算し、腐食速度暴露地点の腐食環境データや隣接地点の気象庁データ等を用いて、各因子の係数を回帰分析等の統計データ処理により係数を求める方法
具体的には、まず、CR、CRのモデル関数として、環境因子をパラメータとする一次関数:「CR=aC+bT+cH+dS+eW+f」、「CR=gC+hT+iH+jS+kW+l」を作成する。
ただし、a〜lは係数、C,T,H,S,Wは環境因子であり、Cは飛来塩分量(mdd)、Tは年平均気温(℃)、Hは年平均湿度(%RH)、Sは硫黄酸化物(mdd)、Wは年平均風速(m/sec)である。
ここで、CR、CRは、式(3)・(4)に示されているように、A値、B値と相関する。したがって、文献等に記載されている複数地点でのA値、B値および環境因子の値を用いて、モデル式CR、CRをフィッティング(回帰分析)する。これにより、係数a〜lが決定される。
(2)暴露した鋼材の腐食速度CR、CRを特許文献(特開2002−071616号公報)に記載のような電気化学インピーダンス法等により測定を行い、それらの値と暴露地点の腐食環境データや隣接地点の気象庁データ等を用いて、各因子の係数を回帰分析等の統計データ処理により係数を求める方法
具体的には、まず、(1)と同様に、一次関数:「CR=aC+bT+cH+dS+eW+f」、「CR= gC+hT+iH+jS+kW+l」を作成する。
次に、実際に複数地点で暴露した鋼材の製造直後およびn年後のインピーダンス(抵抗値)を測定する。測定された抵抗値は、腐食速度の逆数に比例するので、比例定数が予め求められている場合には、測定された抵抗値から腐食速度の値が分かる。したがって、腐食速度の値および環境因子の値を用いて、モデル式CR、CRをフィッティングすることにより、係数a〜lが決定される。
また、板厚減少量予測方法の対象となる鋼材としては、JISのSM規格に代表される通常の溶接構造用鋼、JIS耐候性鋼等の耐候性鋼(耐食鋼材)、Ni系耐候性鋼、これらに、さび安定化処理や重防食塗装等の表面処理を施したもの等が挙げられる。
次に、用いる環境因子について、具体的に説明する。
CR、CRを記述する関数のパラメータとなる環境因子としては、年平均温度(℃)、年平均湿度(%RH)、年平均風速(m/sec.)、飛来塩分量(mg/dm/day=mdd)、硫黄酸化物量(mdd)等を用いればよい。
年平均温度(℃)、年平均湿度(%RH)、年平均風速(m/sec.)の求め方としては、実際の予測する環境において、実測してもよく、気象庁の最寄りの気象観測地点のデータを用いてもよい。
飛来塩分量(年飛来塩分量)は、例えばJIS Z2381(屋外曝露試験方法通則)の参考3に規定されている方法で求めることができる。この方法では、まず、純水で、よく塩分を浸出させた後、よく乾燥させたガーゼを二つ折りして、内寸が100mm×100mmの木枠にはめ込む。これを、直接雨が当たらない通風の良いところに1ヶ月垂直に曝露し、曝露後、取り外してCl量を化学分析することにより行う。
硫黄酸化物量(年硫黄酸化物量)は、例えばJIS Z2381(屋外曝露試験方法通則)の参考2に規定されている方法で求めることができる。この方法では、二酸化鉛ペーストを塗布したガーゼを貼り付けたプラスチック製等の円筒を、専用のシェルター内に1ヶ月垂直に曝露し、曝露後、取り外し分析し、S量を分析することにより行う。
なお、これら環境因子のデータは、前記した方法で得たものでもよいが、文献等に記載されたデータを用いてもよい。
これらの関数A,Bを用いて、Y=AX(Y:鋼材の板厚減少量(mm)、X:経過年数)に適用することで、JIS耐候性鋼の腐食量の予測を行うことができる。
また、他の耐候性鋼の鋼種についても、同様に各地に暴露したデータより式を構築することができる。
さらに、他のNi系耐候性鋼については、ある環境におけるJIS耐候性鋼のA値およびB値を精緻に求めることができれば、非特許文献2に記載の鋼材の成分組成から決定される耐候性合金指標を用いて、各鋼材に対応した補正したA値、B値を用いることで、腐食量を求めることができる。
そして、前記説明した本発明に係る鋼材の板厚減少量予測方法を用いて予測された鋼材板厚減少量に基づいて、前記大気環境での鋼材の使用可否を判断して、鋼材を選定することができる。
前記したように、鋼材としては、腐食環境としてマイルドな山間部等で使用する場合では、JISのSM規格に代表される通常の溶接構造用鋼が選定され、海洋に近く腐食性の厳しい環境で使用する場合では、合金元素添加により耐食性を向上させた耐食鋼材(耐候性鋼)が選定される。また、裸仕様に加えて、場合によっては、さび安定化処理や重防食塗装等の表面処理を施して用いられる。
鋼材の選定方法においては、前記鋼材の板厚減少量予測方法を用いて予測された鋼材の板厚減少量に基づいて、初期コストのみでなく、構造物建設後の維持・管理費をも含めたライフサイクルコストの観点から、大気環境、例えば、環境がマイルドな低腐食環境、環境がやや厳しい中腐食環境、環境が厳しい高腐食環境でのこれらの鋼材の使用可否を判断する。この判断に基づき、種々の鋼材から、種々の大気環境での最適な鋼材(鋼種)を選定する。
例えば、マイルドな環境(飛来塩分量が0.05mdd未満)では、SMA(JIS耐候性鋼)を無塗装で使用することができる。また、厳しい環境での無塗装使用の可否判断は、例えば、「ある設置環境において、環境パラメータからSMAのA値、B値を予測(実測)し、合金成分から求められる耐候性鋼金指標(非特許文献2に記載)の換算パラメータを用いて、適用鋼種のA値、B値を求めて、それらから計算される100年後の板厚減少量が構造から許容される腐食量より小さい鋼種を使用できる。」という判断基準がある。なお、構造から許容される腐食量は、橋梁等の設計によって様々であり、例としては、50年で板厚減少量が0.3mm未満、100年で0.5mm未満等がある。
ここで、従来においては、SMAのA値、B値の予測精度が低いため、誤差が大きい場合があることから、腐食による問題が起こらないように安全係数を考え、基準を厳しく、例えば、100年で0.5mm未満のものに対して、0.5mmよりも大きく下回る鋼種でなければ、提案しないとしている。しかし、板厚減少量の予測精度が向上して、適用鋼種の腐食量が精緻に予測できるようになれば、その判断基準がより0.5mmに近づき、これまで、過剰スペック(高合金による高耐食鋼種)を提案していた場所に、適正な合金添加量の鋼種を提案することが可能となる。
すなわち、橋梁等に使用する鋼種としては、耐食性が高いものほどよいが、耐食性が高いほど、コストが高くなる等、別の欠点も生じることとなる。しかし、腐食量を精緻に予測して、設計基準を確実にクリアでき、かつ他の欠点が少なくなるような鋼種を選定することができるようになる。
そして本発明では、さびの生成を考慮して、環境因子との相関性が一次式でも高い腐食速度「CR、CR(あるいはCR)」を用いて、A,Bを表現している。そのため、腐食速度を考慮しない、環境因子をパラメータとする単純な一次関数で表現しようとすると、精度が低く、精緻に予測することが難しいB値についても精度が高くなる。これにより、板厚減少量の予測精度が向上する。その結果、従来に比べ、種々の大気環境において、さらに最適な鋼材(鋼種)を選定することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することができる。
例えば、板厚減少量予測方法の対象となる鋼材として、前記記載のものに限らず、ステンレス鋼材、炭素鋼材、低合金鋼材、鉄鋼材等に適用してもよい。さらに、アルミニウム合金材やチタン合金材等の鋼材以外の金属材料に適用してもよい。
次に、本発明に係る鋼材の板厚減少量予測方法について、実施例を挙げて具体的に説明する。
まず、10箇所の暴露地点(A〜J)について、実際に鋼材を暴露し、1,3,5,7,9年後の板厚減少量(腐食量)を測定した。この腐食量と年数の関係に、Y=AXをフィッティングすることによって、A値、B値を決定した。このA値、B値を、前記の式:Y=AX(Y:鋼材の板厚減少量(mm)、X:経過年数)に代入して、100年間の板厚減少量(腐食量)の予測値を地点ごとに求めた。なお、環境因子については、飛来塩分量・硫黄酸化物は、「建設省土木研究所、(社)鋼材倶楽部、(社)日本橋梁建設協会:耐候性鋼材の橋梁への適用に関する共同研究報告書(XVIII)、平成5年3月」(文献L)に記載されている実測データを用い、その他の環境因子については隣接地点の気象庁の公開データにおける平年値を用いた。
各地点の環境因子と前記の結果とを表1に示す。
Figure 0005066160
次に、本発明例である実施例として、環境因子をパラメータとする一次関数としてCRおよびCRを表現したモデル式を作成した。
具体的には、前記文献Lに開示された28地点におけるA値、B値を用いて、前記(1)の方法によりフィッティングすることにより、関数CR、CRを求めた。得られた関数CR、CRは以下のとおりである。なお、下記式において、Cは飛来塩分量(mdd)、Tは年平均気温(℃)、Hは年平均湿度(%RH)、Sは硫黄酸化物(mdd)、Wは年平均風速(m/sec)である(以下、同じ)。なお、環境因子については表1の場合と同様に、飛来塩分量・硫黄酸化物は、前記文献Lに記載されている実測データを用い、その他の環境因子については隣接地点の気象庁の公開データにおける平年値を用いた。
CR=3.907×10−1×C+3.671×10−4×T+2.959×10−4×H−8.693×10−3×S−7.608×10−4×W−1.645×10−2
CR=9.399×10−2×C−9.608×10−6×T+1.802×10−4×H+7.024×10−4×S+9.140×10−4×W−8.827×10−3
そして、前記のA〜Jのそれぞれの地点における環境因子のデータを代入することによって腐食速度を求め、求めた腐食速度から、A、Bを前記した式(1)、(2)より求め、Y=AX(Y:鋼材の板厚減少量(mm)、X:経過年数)に代入して、前記のA〜Jの各地点における100年間の板厚減少量を予測した。最後に、表1に示した100年間の板厚減少量からの誤差を次の式によって算出した。
予測誤差(%)=((表2の値)−(表1の値))÷(表1の値)×100
結果を表2に示す。
Figure 0005066160
続いて、比較例として、環境因子をパラメータとする一次関数としてAおよびBを表現したモデル式を作成した。
具体的には、前記と同様に、飛来塩分量・硫黄酸化物は、前記文献Lに記載されている実測データを用い、その他の環境因子については隣接地点の気象庁の公開データにおける平年値を用いて、前記と同様の28地点におけるA値、B値にフィッティングすることにより、関数A,Bを求めた。得られた関数AおよびBは以下とおりである。
A=2.423×10−1×C+1.788×10−4×T+2.380×10−4×H−3.995×10−3×S+7.661×10−5×W−1.264×10−2
B=−2.533×C−1.077×10−3×T+7.958×10−4×H−1.663×10−2×S−6.079×10−3×W+7.696×10−1
そして、得られた関数AおよびBをY=AX(Y:鋼材の板厚減少量(mm)、X:経過年数)に代入して予測式を作成し、前記のA〜Jの各地点における100年間の板厚減少量を、それぞれの地点における環境因子のデータを代入することによって算出した。最後に、表1に示した100年間の板厚減少量からの誤差を次の式によって算出した。
予測誤差(%)=((表3の値)−(表1の値))÷表1の値×100
結果を表3に示す。
Figure 0005066160
表2、3に示すように、実施例では比較例に比べ、全ての地点において100年間の板厚減少量の予測誤差が改善されていることがわかる。このことから、本発明に係る鋼材の板厚減少量予測方法によれば、大気環境で使用される鋼材の経年変化による板厚減少量を、精度よく予測することができるといえる。
また、種々の鋼材から、種々の大気環境での最適な鋼材(鋼種)を選定することができるといえる。そのため、鋼構造物用の鋼材選定方法として有用である。
以上、本発明に係る鋼材の板厚減少量予測方法について実施の形態および実施例を示して詳細に説明したが、本発明の趣旨は前記した内容に限定されることなく、その権利範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈しなければならない。なお、本発明の内容は、前記した記載に基づいて広く改変・変更等することができることはいうまでもない。

Claims (4)

  1. 大気環境における鋼材の板厚減少量を予測する鋼材の板厚減少量予測方法であって、
    板厚減少量予測式として、Y=AX(ただし、Y:鋼材の板厚減少量、X:経過年数)を用い、
    前記AおよびBが、それぞれ、環境因子をパラメータとする関数で表され、かつ、
    前記Aは、(CR+CR)÷2であり、前記Bは、2CR÷(CR+CR)であって、
    前記CRは、環境因子をパラメータとする、鋼材製造直後の初期腐食速度を表す関数であり、前記CRは、環境因子をパラメータとする、鋼材製造から1年後の腐食速度を表す関数であることを特徴とする鋼材の板厚減少量予測方法。
  2. 前記CRおよびCRが、それぞれ、環境因子をパラメータとする一次関数であることを特徴とする請求項1に記載の鋼材の板厚減少量予測方法。
  3. 大気環境における鋼材の板厚減少量を予測する鋼材の板厚減少量予測方法であって、
    板厚減少量予測式として、Y=AX(ただし、Y:鋼材の板厚減少量、X:経過年数)を用い、
    前記AおよびBが、それぞれ、環境因子をパラメータとする関数で表され、かつ、
    前記Aは、(nCR)÷{{2CR÷(CR+CR)}×n^{2CR÷(CR+CR)}}であり、前記Bは、2CR÷(CR+CR)であって(ただし、n:正の実数、^:累乗)、
    前記CRは、環境因子をパラメータとする、鋼材製造直後の初期腐食速度を表す関数であり、前記CRは、環境因子をパラメータとする、鋼材製造からn年後の腐食速度を表す関数であることを特徴とする鋼材の板厚減少量予測方法。
  4. 前記CRおよびCRが、それぞれ、環境因子をパラメータとする一次関数であることを特徴とする請求項3に記載の鋼材の板厚減少量予測方法。
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