JP3665529B2 - 管継手 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、管の接続を容易に行える管継手に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図29に従来の管継手の一例を示す。この管継手は、らせん波付き管(図示せず)と直管10を接続するためのものである。12は継手本体、14はゴムと鋼で構成されたSRパッキング、16は周方向の一部に切欠きを設けて縮径可能とした鋼製のカットリング、18は端末筒体である。
【0003】
継手本体12は、らせん波付き管がねじ込まれる波形筒部20と、外周面に雄ねじを有する雄ねじ筒部22とを一体に形成したものである。雄ねじ筒部22の端面は先端へ行くほど内径が大きくなるテーパー面24となっており、このテーパー面24にSRパッキング14の端部のテーパー面が当接するようになっている。また端末筒体18は、一端側が前記雄ねじ筒部22とねじ結合する雌ねじ筒部26となっており、他端側の内周面が端部へ行くほど内径が小さくなるテーパー面28となっているものである。
【0004】
この管継手の波形筒部20には、らせん波付き管がねじ込み接続される。その後、反対側から直管10を挿入して、端末筒体18をねじ締めすると、テーパー面28と24によってカットリング16とSRパッキング14がともに縮径され、直管10を締め付ける。カットリング16の締め付けにより直管10は引き抜けなくなり、SRパッキング14により水密性が保たれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の管継手は、直管を挿入した後、端末筒体をねじ締めする必要があり、このねじ締めはベルトレンチ等の工具を用いて行う必要があるため、施工性がわるいという難点がある。
【0006】
このため管を挿入するだけで管を接続できる管継手も提案されているが(実開昭62−194281号公報)、この種の管継手は、管の端部に予め、パッキング拡径用のテーパー面と、抜け止めリング保持用の溝を形成しておく必要があり、管の端部の加工が面倒である。
【0007】
したがって本発明の目的は、管の端部に加工を施すことなく、管を挿入するだけで簡単に管を接続できる管継手を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明の管継手は、筒状の継手本体と、この継手本体の端部の内側に一部を継手本体外に突出させてスライド可能に嵌合され、かつ軸線方向のどこかに管の端面が付き当たる部分を有するスリーブと、このスリーブの前記継手本体外に突出する部分の外周に拡径された状態で保持された、弾性を有するOリングと、一端側が前記継手本体の端部外周に取り付けられ、中間部に前記Oリングの収納部を有し、他端側に前記Oリングの抜け止め部を有する端末筒体とを備えていて、端末筒体の開口から管を挿入すると、スリーブが管に押されて継手本体内に押し込まれ、これによってスリーブから外れたOリングが縮径して管の外周に密接するようになっていることを特徴とするものである(請求項1)。
【0009】
上記のようにスリーブでOリングを拡径した状態で保持する構成にすれば、何の加工も施されていない管の端部を単に押し込むだけで、管を継手本体に接続することが可能である。
【0010】
本発明の管継手に使用するスリーブは、管を挿入可能な内径を有し、管の端面が突き当たる内向きの凸部を有する構成であることが好ましい。
また本発明の管継手に使用するスリーブは、外径が管の外径と同じかそれより大きく、内径が管の外径より小さく設定され、管の端面がスリーブの端面に突き当たるようになっているものであってもよい。
【0011】
本発明の管継手は、Oリングが、水密性を保つために、スリーブから外れた状態で管の外周面と端末筒体の内周面の両方に密接する弾性復元力とサイズを有し、かつ継手本体と端末筒体との間に水密性を保つための補助Oリングを介在させた構成とすることが好ましい。
【0012】
また本発明の管継手は、通常の場合、継手本体と端末筒体は別部材であるが、必要に応じ、端末筒体の一端側を継手本体の端部と一体に形成して、継手本体と端末筒体を一体化した構成とすることもできる(請求項2)。
【0013】
また本発明の管継手における、端末筒体(18)のOリング抜け出め部(18)は、内周面が端部へ行くほど内径が小さくなるテーパー面(28)となっていることが好ましい(請求項3)。
このようにすると、挿入した管に引き抜き力が加わったときに、Oリングが管の外周面と端末筒体のテーパー面との間に挟まれて、強い引き抜き抵抗を発揮する。
【0014】
また本発明の管継手は、スリーブの外周に拡径状態で保持されたOリングが端末筒体の内周面にも密接しており、かつ端末筒体がスリーブとの間に、前記Oリングが管挿入方向に移動するのを可能にするスペースを有している構成とすることが好ましい(請求項4)。
このようにすると、管の挿入によりスリーブが継手本体内に押し込まれるときに、Oリングが前記スペース内で転がって又は滑って移動するので、管挿入時の抵抗が小さくなり、管の挿入が容易になる。
またこのようにOリングの移動を可能にしておくと、管に引抜き方向の力が加わったときにOリングが端末筒体のOリング抜け止め部に当たるまで管の移動が許容されるので、管引抜き方向に加わった力を緩和することができる。特にこの管継手を地中に埋設した管の接続に用いたときは、地震や地盤沈下時に生じる管の変位に対応できる利点がある。
【0015】
またOリングが移動する構成の場合には、端末筒体の内周面の、Oリングの移動範囲の中間に隆起部を形成しておくことが好ましい(請求項5)。
このような隆起部を設けておくと、この管継手を組み立てるために端末筒体内の隆起部より一端側の位置にOリングをセットした後、端末筒体の一端側からスリーブを挿入したとき、隆起部でスリーブに押されたOリングの回転が促される結果、Oリングの内側にスリーブを円滑にセットできる利点がある。
さらに上記のような隆起部を形成しておくと、管を挿入する前にOリングの転がり移動によりスリーブが移動してしまうのを防止できると共に、管を挿入していく過程で、Oリングが隆起部を通過するときに押し込み力が大きくなり、その後押し込み力が小さくなるため、管の押し込みが適正に行われているか否かを作業者が感知できる利点がある。
【0016】
また本発明の管継手は、挿入される管によりスリーブが継手本体内に入ったとき継手本体の内面と係合し、スリーブが継手本体から抜け出すのを阻止するストッパー部が形成されている構成とすることが好ましい(請求項6)。
ストッパー部の形態としては、弾性反発力で継手本体の内面に強く接触して継手本体の内面と摩擦力で係合する弾性拡径部や、継手本体の内面の溝部に引っ掛かる突起などをスリーブに設けたものが好ましい。
スリーブ外周に上記のようなストッパー部を形成しておくと、管を接続した後に、管が引き抜ける方向に若干移動しても、スリーブが管と共に移動することがなくなるので、スリーブがOリングの内側に再び入り込んでOリングと管の密接状態を解除し、管抜けの原因となるのを防止できる。
【0017】
また本発明の管継手は、管接続後に管継手を解体する必要のある場合(例えば管の一時的な接続に使用する場合)は、継手本体と端末筒体を一体に形成して、これを中心軸線を含む面で分割可能にな構造にしておくことが好ましい(請求項7)。
【0018】
また本発明の管継手は、筒状の継手本体と、この継手本体の端部の内側に、一部を継手本体外に突出させて、スライド可能に嵌合されたスリーブと、このスリーブの前記継手本体外に突出する部分の外周に拡径された状態で保持されたゴム製の主Oリングおよび補助Oリングと、この主Oリングおよび補助Oリングの間に介在させた環状板と、一端側が前記継手本体の端部外周に取り付けられ、他端側の内周面が端部へ行くほど内径が小さくなるテーパー面となっており、中間部が前記環状板を、前記補助Oリングを継手本体の端面に押し付けて圧縮する位置に保持するようになっている端末筒体とを備えていて、管を挿入すると、管に押されてスリーブが継手本体内に押し込まれ、スリーブから外れた主Oリングおよび補助Oリングが管の外周に密接するようになっており、挿入した管を引き抜こうとすると、主Oリングが管の外周面と端末筒体のテーパー面との間に挟まれて引き抜けないようになっており、さらに補助Oリングが継手本体の端面と管の外周面と環状板とに密接することで水密性が保たれるようになっている構成とすることもできる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
〔実施形態1〕
図1および図2は本発明の一実施形態を示す。図において、12は高密度ポリエチレン等で成形された筒状の継手本体、18はABS樹脂等で成形された端末筒体、30はABS樹脂等で成形されたスリーブ、32はゴム弾性を有するOリング、34はゴム弾性を有する補助Oリングである。
【0020】
継手本体12は、らせん波付き管をねじ込み接続する波形筒部20と、円筒部36とを一体に形成したものである。円筒部36の先端部外周には溝が形成され、その溝には補助Oリング34が装着されている。また円筒部36の中間部外周には、図1および図2(b)に示すように、ほぼ90°の周長を有する円弧状凸部38が、周方向に等しい間隔をおいて2か所に形成されている。
【0021】
スリーブ30は、前記円筒部36の内側にスライド嵌合できる外径と、接続すべき管を挿入可能な内径を有している。スリーブ30は、一端側の部分を円筒部36に嵌合させ、その他の部分を円筒部36の外に突出させてある。またスリーブ30の円筒部36に嵌合している方の端部(中間部でもよい)には、管の端面が突き当たる内向きの突縁40が形成されている。
このスリーブ30の前記円筒部36の外に突出する部分の外周には、Oリング32がフリーな状態のときより拡径された状態で保持されている。またOリング32は端末筒体18の内周面にも密接していて、断面偏平に押しつぶされた状態になっている。
【0022】
端末筒体18は、継手本体12の円筒部36の外周に嵌合する部分とOリング32およびスリーブ30を収納する部分を有する円筒部42と、テーパー筒部44(Oリング32の抜け止め部)とを一体に形成したものである。テーパー筒部44の内周面は開口端へ行くほど内径が小さくなるテーパー面28となっている。端末筒体18の円筒部42の端部側の内面には、図2(a)に示すように、前記継手本体12の円弧状凸部38が軸線方向に抜き差し可能な周長を有する凹部46と、係止部48とが形成されている。また係止部48の奥には、図1および図2(b)に示すように、前記継手本体12の円弧状凸部38が入る周方向の溝50が形成されている。
【0023】
この管継手を組み立てるには、まずOリング32が装着されたスリーブ30の一部を継手本体12に収める。次いでこのスリーブ30の一部を収納した継手本体12の円筒部36と端末筒体18の円筒部42を、円弧状凸部38が凹部46を通過するようにして嵌合させた後、いずれか一方を90°回転させると、円弧状凸部38が溝50に入って係止部48に引っ掛かり、両者は引き抜けなくなる。つまり端末筒体18が継手本体12に取り付けられた状態となる。この状態でOリング32および補助Oリング34は、端末筒体18の内面に密接する。なお継手本体12への端末筒体18の取り付け構造は、上記のような構造に限られるものではなく、例えばねじによる取り付け構造であってもよい。
【0024】
図3は上記構成の管継手に管10を接続した状態を示す。すなわち、図1の管継手に管10を挿入すると、管10の先端がまずスリーブ30に入り、突縁40に突き当たる。さらに管10を挿入すると、スリーブ30が管10に押されて継手本体12の円筒部36内に押し込まれる。一方、Oリング32は、円筒部36の端面(Oリング後退阻止部Zとして機能する)に当たって移動できないため、スリーブ30の全長が円筒部36内に押し込まれると、スリーブ30から外れ、図3のようにその断面積が拡大するように弾性復元して管10の外周に密接するようになる。Oリング32のサイズは、この状態で管10の外周面と端末筒体18の内周面の両方に密接するように設定されている。したがって管10と端末筒体18の間から浸入する水はOリング32により阻止され、端末筒体18と継手本体12の間から浸入する水は補助Oリング34により阻止されて、水密性が確保されることになる。
【0025】
なお継手本体12の内面にはスリーブ30の端部が突き当たる段部52が形成されており、スリーブ30の先端が段部52に突き当たると、それ以上管10を挿入できなくなるようになっている。
【0026】
また図3の状態から管10を引き抜こうとすると、Oリング32が管10と共に若干移動するが、最終的には管10の外周面と端末筒体18のテーパー面28との間に挟まれて(食い込んで)それ以上移動できなくなるので、管10はそれ以上引き抜けなくなる。
【0027】
以上のように、この管継手は、Oリング32を拡径状態で保持するスリーブ30を設けたので、管10を挿入するだけで簡単に管10を接続することができる。また、スリーブ30によってOリング32を拡径しておくので、管の外径変化に対する許容範囲が広いという利点もある。なおこの実施形態の管継手は、波形筒部20にらせん波付き管をねじ込み接続するようになっているが、この部分の構造は用途に応じて適宜変更することができる。
【0028】
〔実施形態2〕
図4ないし図8は本発明の他の実施形態を示す。図4(a)〜(c)はこの実施形態の管継手で管10を接続する手順を示し、図5はこの管継手を構成する継手本体12を、図6および図7は同じく端末筒体18を、図8はスリーブ30を示している。図4ないし図8において、図1ないし図3と実質的に同じ部分には同じ符号を付してある。
【0029】
この実施形態の管継手が、実施形態1のものと異なる点は、端末筒体18がスリーブ30との間にOリング32の転がり移動又は滑り移動を可能にするスペースSを有していることである。Oリング32は、管を挿入する前は図4(a)の位置、すなわち端末筒体18の円筒部42のテーパー面28側に寄った位置(継手本体12の端面Zから離れた位置)にある。この位置にあってOリング32はスリーブ30により拡径され、かつ円筒部42の内面に密接した状態となっている。
【0030】
このような管継手に管10を挿入すると、Oリング32は図4(a)に示すようにスリーブ30の移動により矢印方向に転がり移動するため、実施形態1のものより小さい力で管10を挿入することができ、接続作業が容易になる。管10が最後まで挿入されると同図(b)のようになり、実施形態1の場合と同じ接続状態が得られる。また管10に引き抜き力が加わると、同図(c)のように管10の移動によりOリング32が逆方向に転がり移動して(a)と同じ位置にもどるが、それ以上管10を引き抜こうとすると、Oリング32が管10の外周面と端末筒体18のテーパー面28との間に挟まれるので引き抜けなくなる。
【0031】
このように管10に引抜き力が加わったとき、Oリング32がテーパー面28に当たるまで管10の移動を許容すると、管10に加わった引抜き力を緩和することができ、管継手の損傷を防止できる。特に地中に埋められた管の接続にこの管継手を用いたときは、地震や地盤沈下に伴う管の変位を吸収できる利点がある。
【0032】
またこの実施形態では、端末筒体18の内周面の、Oリング32が転がり移動する範囲Wの中間に隆起部54が形成されている。この例では、隆起部54を断面円弧形に形成してある。このような隆起部54を形成しておくと、Oリング32が転がりが規制されるため、▲1▼管を挿入する前にOリング32の転がり移動によりスリーブ30が移動してしまうのを防止できる、▲2▼管10を挿入していく過程で、Oリング32が隆起部54を通過するときに押し込み力が大きくなり、その後押し込み力が小さくなるため、管10の押し込みが適正に行われているか否かを作業者が感知できる等の利点がある。
【0033】
加えて、この実施形態では、隆起部54を設けたので、この管継手を組み立てる際に、Oリング32の内側にスリーブ30をスムーズに入れることができる利点がある。すなわち、図9(a)に示すように端末筒体18内の隆起部54より一端側の位置にOリング32をセットした後、端末筒体18の一端側からスリーブ30を挿入する場合、Oリング32がスリーブ30に押されて隆起部54側に移動することがあるが、Oリング32は隆起部54に当たると回転して、隆起部54を乗り越えると共に、スリーブ30をOリング32内に導く。この結果、図9(b)に示すように、スリーブ30の外にOリング32が装着された適正な組立状態が得られる。
上記以外の構成は実施形態1と実質的に同じであるので、説明を省略する。
【0034】
〔実施形態3〕
図10および図11は本発明のさらに他の実施形態を示す。この管継手は、実施形態1における継手本体12の円筒部36の端末筒体18側の端部と、端末筒体18の円筒部42の継手本体12側の端部とを一体に形成して、継手本体12と端末筒体18とを一体化したものである。それ以外の構成は図1ないし図3の実施形態1と同じであるので、同一部分には同一符号を付してある。このような構成の管継手は、部品点数が少なくて済むという利点はあるが、一度接続した管10を取り外すことが出来ないという難点がある。
【0035】
〔実施形態4〕
図12ないし図15は本発明のさらに他の実施形態を示す。図12ないし図15において、図1ないし図3と同じ部分には同じ符号を付してある。
【0036】
この実施形態の管継手が、実施形態1のものと異なる点は、図12に示すように、スリーブ30の外周に、引き抜け防止用の主Oリング32と、水密性保持用の補助Oリング34が拡径された状態で保持され、この主Oリング32と補助Oリング34の間に環状板56を介在させ、この環状板56によって補助Oリング34を継手本体12の端面に押し付けていることである。つまり補助Oリング34はスリーブ30によって拡径された上に、環状板56によって圧縮された状態となっている。環状板56は端末筒体18の内面中間部に形成された段部によって補助Oリング34を圧縮する位置に保持されている。また、この実施形態では、環状板56が、Oリング後退阻止部Zとなっている。
【0037】
図13は図12の管継手に管10を挿入し、管10の先端がスリーブ30の突縁40に突き当たった状態を示している。このあと管10を最後まで押し込むと図14のようになる。すなわち、スリーブ30が継手本体12の端末筒体36内に押し込まれ、スリーブ30から外れた主Oリング32および補助Oリング34が管10を締め付けるようになる。この状態で補助Oリング34は継手本体12の端面と管10の外周面に密接するため、水密性が保たれる。また挿入した管10を引き抜こうとすると、図15に示すように主Oリング32が管10の外周面と端末筒体18のテーパー面28との間に挟まれて引き抜けないようになる。
上記以外の構成は実施形態1と実質的に同じであるので、説明を省略する。
【0038】
〔実施形態5〕
図16は本発明のさらに他の実施形態を示す。前記実施形態1〜4では継手本体12の一端側にらせん波付き管を、他端側に直管を接続する管継手を示したが、この実施形態の管継手は、継手本体12の両端側を対称構造にして、直管10同士を接続するようにしたものである。それ以外の構成は図4ないし図8に示した実施形態2の管継手と同じであるので、同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0039】
〔実施形態6〕
図17は本発明のさらに他の実施形態を示す。前記実施形態1〜6ではスリーブ30として、内側に管の端部が突き当たる突縁40を設けたものを示したが、この実施形態の管継手は、外径が管10の外径と同じかそれより大きく、内径が管10の外径より小さい直管状のスリーブ30を使用したものである。この管継手の場合は、管10を挿入すると、管10の端面がスリーブ30の端面に突き当たってスリーブ30を押し込んでいくことになる。それ以外の構成は図1ないし図3に示した実施形態1の管継手と同じであるので、同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0040】
〔実施形態7〕
図18は本発明の管継手に使用するスリーブの他の例を示すものである。このスリーブ30が図8に示されたものと異なる点は、突縁40と反対側の端部に外端側ほど内外径が大きくなるテーパー状拡径部60(ストッパー部)が形成されていることである。この拡径部60には外端から軸線方向に多数のスリット61が形成されており、これによって拡径部60は多数の小片に分割されている。このスリーブ30はバネ弾性を有する合成樹脂により形成されており、拡径部60の外端の外径は継手本体12の円筒部36の内径より大きく設定され、これにより拡径部60の外端が円筒部36の内面に強く接触するようになっている。またこの拡径部60の幅(軸線方向寸法)は約5mm、傾きはスリーブ30の中心軸線に対して約5°程度に設定することが好ましい。
【0041】
このスリーブ30を用いた管継手では、図19に示す管挿入前の状態では、スリーブ30が奥に移動しようとすると、拡径部60がOリング32に当たり、それ以上奥に入るのを防止できるので、管継手が不用意に使用できなくなる不都合を防止できる。
管10を挿入すると、管10に押されてスリーブ30が奥に移動する。このとき、スリーブ30の拡径部60の多数の小片に分割された先端部が内側に弾性変形してOリング32の内側を通過する。
【0042】
また管接続後は、図20に示すように、スリーブ30の拡径部60が継手本体12の内面に強く接触するので、管10に引き抜き力が加わって管10が移動しても、スリーブ30が管10と共に引き出されるのを防止できる。すなわち、スリーブ30がOリング32の中に入り、管10へのOリング32の密接状態が損なわれ、管抜けの原因となるのを防止できる。よって、この管継手は、管10をより確実に接続できるものとなる。
【0043】
〔実施形態8〕
図21及び図22は本発明のさらに他の実施形態を示す。図21は管挿入前の状態、図22は管挿入後の状態である。図21及び図22において、図1及び図3と実質的に同じ部分には同じ符号を付してある。
【0044】
この実施形態の管継手が実施形態1のものと異なる点は、スリーブ30の外周の軸線方向中間部に、周方向に間隔をあけて(例えば90°間隔、 120°間隔または 180°間隔で)複数の突起64(ストッパー部)を形成したことと、継手本体12の内面に、前記突起64が入り込む周方向の溝66を形成したことである。突起64は、管挿入前は図21のように継手本体12の円筒部36の外にあり、図22のように管10を最後まで挿入すると、円筒部36内を通って継手本体12内の溝66に入り込み、その縁に引っ掛かってスリーブ30が継手本体12から引き抜けるのを阻止する。
【0045】
したがって、このような構造でも実施形態7と同様、スリーブ30の移動による管抜けを防止できる。なおこの実施形態の場合、突起64が円筒部36内を通過するときは、円筒部36と管10の間の隙間でスリーブ30が弾性変形する。
【0046】
〔実施形態9〕
図23及び図24は本発明のさらに他の実施形態を示す。図23は管挿入前の状態、図24は管挿入後の状態である。
この実施形態の管継手が、実施形態1(図1ないし図3)のものと異なる点は、端末筒体18のOリング32の抜け出しを防止する部分が、テーパー筒部ではなく、内向き環状突縁68で構成されていることである。このような形態にすると、管継手の長さを実施形態1のものより短くできるが、図24のように管10を接続した後に、管10に引き抜き力が加わった場合、Oリング32が内向き環状突縁68に突き当たるだけなので、管10の引き抜き抵抗は実施形態1のものより小さくなる。そこで、この実施形態ではOリング32の前に金属薄板製のCリング69などを配置しておき、これが挿入された管に食い込むように構成しておくことにより、前記引き抜き抵抗を補った。それ以外の構成は、図1及び図3と実質的に同じであるので、実質的に同じ部分には同じ符号を付してある。
【0047】
〔実施形態10〕
図25ないし図27は本発明のさらに他の実施形態を示す。図25(a)、(b)はこの実施形態で使用するスリーブ30と、その外周に拡径された状態で保持されたOリング32を示す。スリーブ30は実施形態8(図21)と同様に、外周に複数の突起64(ストッパー部)を形成したものである。
【0048】
図26(a)、(b)はこの実施形態で使用する二つ割り型の継手本体12の片方の半分を示す。もう一方の半分も図示しないが同じ形である。この実施形態は、継手本体12の両端に端末筒体18を一体に形成したものである。継手本体12及び端末筒体18は半円筒形の連続体で、両側縁に相手方半分と結合するための板部70が一体に形成され、そこにボルト穴72が形成されている。継手本体12の内面にはスリーブ30がスライド可能に嵌合する半円形の凹部74が形成され、この凹部74の軸線方向中央部には周方向に突条76が形成されている。この突条76は管の挿入により押し込まれたスリーブ30が突き当たる部分である。また端末筒体18の内面にはOリング32を収納する半円形の凹部78が形成されている。この凹部78の外端側は外端へいくほど内径が小さくなるテーパー面28となっている。
【0049】
図27は(a)〜(c)は図25及び図26の部品を用いた管継手の組立方を示している。まず(a)に示すように二つ割り型の継手本体12の片方の半分にOリング32付きスリーブ30を組み込む。すると(b)のようになる。次にこの上に継手本体12のもう一方の半分を(c)のように被せ、板部70をボルトナット80で締め付ければ、管継手82が完成する。この管継手82も両端から管10を挿入するだけで管10の接続を行うことができる。
【0050】
この管継手82は、両端に端末筒体18を有する継手本体12が中心軸線を含む平面で分割可能であるため、管接続後に解体することが容易である。したがって管を一時的に接続して所要の作業を行った後、接続状態を解除する必要のある用途に適している。
【0051】
そのような用途の一例を図28を参照して説明する。電線管の地下布設ルートの途中にハンドホール(又はマンホール)がある場合、ハンドホール内では上流側の電線管と下流側の電線管が不連続になっている。このような不連続の電線管に連続して長尺ケーブルを通線する場合には、上流側の電線管と下流側の電線管を中継管でつないだ状態でケーブル通線を行い、その後、中継管を切り裂いて除去する作業が行われる(ケーブルを切断できないため)。このときに電線管と中継管を接続する管継手は、電線管と中継管を容易に接続でき、しかもケーブル通線後に電線管と中継管の接続状態を容易に解除できるものであることが望まれる。
【0052】
図28(a)は、図27(c)のように組み立てた管継手で電線管10aと中継管10bを接続し、その状態でケーブル84を通線した後、電線管10aと中継管10bの接続を解除するため、継手本体12の片方の半分を取り外した状態を示している。継手本体12は二つ割り可能であるため、上記のように容易に取り外すことができる。1組の継手本体12を取り外した後、スリーブ30及びOリング32を切除すると、図28(b)のように電線管10aと中継管10bの接続を解除できる。このあと中継管10bを切除すれば、目的とするケーブル布設状態(ハンドホール内でケーブルが露出した布設状態)を得ることができる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る管継手は、スリーブによってOリングを拡径しているため、管の端部に加工を施すことなく、管を挿入するだけで簡単に管を接続することができる。またOリングの管径方向の寸法変化を大きくとれるため、外径の異なる多種の管に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る管継手の一実施形態を示す半分切開側面図。
【図2】 (a)は図1のA−A線における断面図、(b)は図1のB−B線における断面図。
【図3】 図1の管継手で管を接続した状態を示す半分切開側面図。
【図4】 本発明に係る管継手の他の実施形態を示す、(a)は管を挿入し始めたときの断面図、(b)は管を接続したときの断面図、(c)は管に引き抜き力がかかったときの断面図。
【図5】 図4の管継手の継手本体を示す、(a)は側面図、(b)は正面図。
【図6】 図4の管継手の端末筒体を示す、(a)は背面図、(b)は(a)のA−A線における断面図。
【図7】 (a)〜(d)はそれぞれ図6(b)のB−B線〜E−E線における断面図、(e)は図6(b)の要部の拡大断面図。
【図8】 図4の管継手のスリーブを示す、(a)は側面図、(b)は正面図。
【図9】 (a)、(b)は図4の管継手を組み立てる過程を示す断面図。
【図10】 本発明に係る管継手のさらに他の実施形態を示す半分切開側面図。
【図11】 図10の管継手で管を接続した状態を示す半分切開側面図。
【図12】 本発明に係る管継手のさらに他の実施形態を示す半分切開側面図。
【図13】 図12の管継手に管を挿入し始めたときの半分切開側面図。
【図14】 図12の管継手で管を接続したときの半分切開側面図。
【図15】 図14の状態から管に引き抜き力がかかったときの半分切開側面図。
【図16】 本発明に係る管継手のさらに他の実施形態を示す断面図。
【図17】 本発明に係る管継手のさらに他の実施形態を示す半分切開側面図。
【図18】 本発明に係る管継手のさらに他の実施形態で使用するスリーブの、(a)は断面図、(b)は正面図。
【図19】 図18のスリーブを使用した本発明の管継手の実施形態を示す半分切開側面図。
【図20】 図19の管継手で管を接続した状態を示す半分切開側面図。
【図21】 本発明に係る管継手のさらに他の実施形態を示す断面図。
【図22】 図21の管継手で管を接続した状態を示す断面図。
【図23】 本発明に係る管継手のさらに他の実施形態を示す断面図。
【図24】 図23の管継手で管を接続した状態を示す断面図。
【図25】 本発明に係る管継手のさらに他の実施形態で使用するOリング付きスリーブの、(a)は半分切開側面図、(b)は正面図。
【図26】 同じく二つ割り型継手本体の片方の半分を示す、(a)は平面図、(b)は正面図。
【図27】 (a)〜(c)は図25及び図26の部品を使用した管継手の組立過程を示す平面図。
【図28】 (a)、(b)は図27で組み立てた管継手を使用して管を接続した後、接続を解除する過程を示す平面図。
【図29】 従来の管継手を示す半分切開側面図。
【符号の説明】
12:継手本体
18:端末筒体
28:テーパー面
30:スリーブ
32:Oリング
34:補助Oリング
36:円筒部
40:突縁(管の突き当たり部)
42:円筒部
44:テーパー筒部(Oリング抜け止め部)
54:隆起部
60:拡径部(ストッパー部)
64:突起(ストッパー部)
68:内向き環状突縁(Oリング抜け止め部)
Claims (7)
- 筒状の継手本体(12)と、
この継手本体(12)の端部の内側に一部を継手本体(12)外に突出させてスライド可能に嵌合され、かつ軸線方向のどこかに管(10)の端面が付き当たる部分(40)を有するスリーブ(30)と、
このスリーブ(30)の前記継手本体(12)外に突出する部分の外周に拡径された状態で保持された、弾性を有するOリング(32)と、
一端側が前記継手本体(12)の端部外周に取り付けられ、中間部に前記Oリング(32)の収納部を有し、他端側に前記Oリング(32)の抜け止め部(28、68)を有する端末筒体(18)とを備え、
端末筒体(18)の開口から管(10)を挿入すると、スリーブ(30)が管(10)に押されて継手本体(12)内に押し込まれ、これによってスリーブ(30)から外れたOリング(32)が縮径して管(10)の外周に密接するようになっていることを特徴とする管継手。 - 端末筒体(18)の一端側が継手本体(12)の端部と一体に形成されていることを特徴とする請求項1記載の管継手。
- 端末筒体(18)のOリング抜け出め部(28)は、内周面が端部へ行くほど内径が小さくなるテーパー面(28)となっていることを特徴とする請求項1又は2記載の管継手。
- スリーブ(30)の外周に拡径状態で保持されたOリング(32)は端末筒体(18)の内周面にも密接しており、端末筒体(18)はスリーブ(30)との間に前記Oリング(32)が管挿入方向に移動するのを可能にするスペース(S)を有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の管継手。
- 端末筒体(18)の内周面の、Oリング(32)の移動範囲(W)の中間には隆起部(54)が形成されていることを特徴とする請求項4記載の管継手。
- 挿入される管によりスリーブが継手本体(18)内に入ったとき継手本体(18)の内面と係合し、スリーブ(30)が継手本体(18)から引き抜けるのを阻止するストッパー部(60、64)が形成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の管継手。
- 継手本体(12)と、その端部に一体に形成された端末筒体(18)が、中心軸線を含む面で分割可能になっていることを特徴とする請求項2記載の管継手。
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