JP3664879B2 - Electric discharge machining method and electric discharge machining apparatus - Google Patents
Electric discharge machining method and electric discharge machining apparatus Download PDFInfo
- Publication number
- JP3664879B2 JP3664879B2 JP17654198A JP17654198A JP3664879B2 JP 3664879 B2 JP3664879 B2 JP 3664879B2 JP 17654198 A JP17654198 A JP 17654198A JP 17654198 A JP17654198 A JP 17654198A JP 3664879 B2 JP3664879 B2 JP 3664879B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- machining
- electric discharge
- discharge machining
- voltage
- workpiece
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電加工間隙に印加する加工用電圧の極性を交互に切り換えて被加工物を放電加工するようにした放電加工方法及び放電加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、特開平3−49824号公報に開示されているように、交流高周波電圧による加工では、1発の放電毎に放電加工間隙に印加される加工用電圧の極性が交代することにより放電点が分散し良質の加工面が得られることが知られている。両極性パルスを用いて放電加工を行う場合も同様である。このように、被加工物と加工用電極との間に形成される放電加工間隙に印加する加工用電圧の極性を交互に切り換えて被加工物を放電加工する場合、加工用電圧の極性切換周波数が高いほど放電加工面の面粗さが細かくなっていく傾向にある事は周知であるが、特に7MHz以上の高周波領域においては、放電加工間隙のキャパシタンス成分と回路上の分布インダクタンス成分との間で直列共振状態(以下、ギャップ共振状態という)となり、このギャップ共振状態でのみ放電が発生し、その結果0.2μmRmax程度の面粗度の放電加工面が得られることが確認されている。
【0003】
しかし、加工中に加工面積や加工状態が変化した場合には放電加工間隙のインピーダンスが変化し、ギャップ共振状態を維持できなくなってしまう場合が生じる。そこで、従来では、極間のインピーダンスの変化に応じて、交流電源周波数及び極間と交流電源との間に設けられている整合器を自動調整させることによりギャップ共振状態を持続して放電加工を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、ギャップ共振状態下で安定して放電加工を行わせるには、極間インピーダンスの変化に応じて交流電源周波数を変化させる必要がある。そこで問題となってくるのは、共振周波数F0は下式(1)
F0=1/2・π・(LmCg)1/2 ・・・(1)
Lm:配線の分布インダクタンス
Cg:放電加工間隙のキャパシタンス
で与えられるので、間隙の対向する面積の変化(板厚やワイヤ径の変化)によって共振周波数F0が大きく変わってしまうことである。
【0005】
例えば、極端な例として、板厚が1mmから50mmまで変化する被加工物を加工した場合には、対向する間隙の面積が最大で50倍(キャパシタンスは比例して50倍)増えるので、Cgも同じく50倍増えることとなり、共振周波数F0は約1/7倍変化することになる。
【0006】
ところで、高周波交流電源の周波数と加工面粗さとの間には密接な関係があるので、これだけ周波数が変わってしまうと加工面粗さも一定とならなくなってしまう。これは板厚によって最良面粗さが決定されて、板厚が厚いほど加工面粗さが悪化してしまうことを意味している。さらに、機種毎にXY軸ストロークが違うので極間への送電線の長さに違いが生じ、その影響で分布インダクタンスLmも機種毎に変わってしまう。そのため、機種によっても面粗さに違いが生じてしまう可能性がある。
【0007】
このように、高周波交流電圧を用い、ギャップ共振を生じさせて面粗さの小さい放電加工を行う従来の方法によると、安定して良質な加工面を得るためには被加工物の板厚の限定や機種の限定などを必要とし、加工適用範囲を狭めてしまうという問題点があった。
【0008】
この問題に対処するため、例えば、極性が周期的に反転する両極性出力電圧を被加工物と加工用電極との間に形成される放電加工間隙に抵抗器を介して印加し、逆極性加工と正極性加工とを周期的に切り換えつつ被加工物を放電加工する際に、逆極性加工時には抵抗器が小さな抵抗値の抵抗器とされ、正極性加工時には抵抗器が大きな抵抗値の抵抗器となるように切り換えるようにした放電加工方法を採用することが考えられる。
【0009】
このように抵抗器の切り換えを行うと、放電加工間隙に供給される電流の値は、逆極性加工時には大きく、正極性加工時には小さくなり、逆極性加工時には正極性加工時よりも大きな放電エネルギで放電加工が行われる。しかしながら、逆極性加工においては、放電エネルギの被加工物側への配分が小さいので、大きな加工電流が放電加工間隙に与えられても面粗度の小さな放電加工が安定して行われる。また、正極性加工時には加工電流のレベルが小さくなり、放電加工面の面粗度が大きくなるのを抑えつつ、且つ逆極性加工の終了時における放電の切れを確実にすることができる。そして、この放電加工方法は共振現象を利用しないので、被加工物の板厚や機種の限定の必要なしに良質な放電加工面を得ることができる。
【0010】
しかし、電源装置の出力端から放電加工間隙側を見た場合、回路上、特に出力線上には浮遊キャパシタンスが存在するため、制限抵抗器の値を正極性加工と逆極性加工とで異なる値にする構成によると、抵抗器とこの浮遊キャパシタンスとにより構成される回路の充放電時定数が正極性加工と逆極性加工とで異なってしまう。
【0011】
この結果、無負荷時に放電加工間隙に印加される電圧波形が逆極性側へ偏ってしまうことで真鍮が被加工物へ薄膜としてコーティングされる現象が起きてしまう。この真鍮の薄膜コーティング状態は被加工物の仕上げ品質を低下させることになり、例えば、医療機器などの部品加工などでは、加工面へ銅が微量でも入ると使用できない不良品となる場合が生じる。
【0012】
本発明の目的は、したがって、共振を利用することなく、放電加工用電圧の極性を正負に切り換えて安定して良質な面粗さの放電加工面を得ることができ、且つ真鍮の薄膜コーティング現象等を生じることがない放電加工方法及び放電加工装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明によれば、被加工物と加工用電極とによって形成される放電加工間隙に加工用電圧の極性を正負交互に切り換えつつ印加して前記被加工物を仕上げ放電加工する場合、加工用電極を正極とし被加工物を負極とする逆極性加工時における加工電流のレベルよりも加工用電極を負極とし被加工物を正極とする正極性加工時における加工電流のレベルを小さくすると共に、前記放電加工間隙と並列に回路上の浮遊キャパシタンスとLC並列共振をさせ無負荷状態における前記正負の加工用電圧を均等にするためのインダクタンス素子を挿入するようにしたことを特徴とする放電加工方法が提案される。
【0014】
放電加工面粗度を小さくできる逆極性加工を大きなレベルの加工電流で行い、これにより放電加工間隙に確実に放電を生じさせることができ、安定加工を確保しつつ面粗度の小さな放電加工面を得ることができる。一方、面粗度が大きくなりやすい正極性加工時には加工電流のレベルが小さく抑えられ、これにより放電加工面の面粗度を大きくすることなく、被加工物を加工することができ、且つ逆極性加工の終了時における放電の切れを確実にすることができる。ここで、放電加工間隙と電源装置との間に接続される出力ケーブル上に浮遊する回路上のキャパシタンス成分は、放電加工間隙に並列接続されるインダクタンス素子とLC並列共振回路を構成することにより両極性出力電圧の周波数においては浮遊キャパシタンスの影響を排除することができる。この結果、浮遊キャパシタンスへの充放電が無くなり、放電加工間隙の無負荷電圧は抵抗器の抵抗値に無関係に、正極性、逆極性のいずれであっても加工用電源装置から出力される両極性出力電圧と同じレベルとなる。
【0015】
請求項2の発明によれば、極性が周期的に反転する両極性出力電圧を被加工物と加工用電極との間に形成される放電加工間隙に抵抗器を介して加工用電圧として印加し、加工用電極を正極とし被加工物を負極とする逆極性加工と加工用電極を負極とし被加工物を正極とする正極性加工とを周期的に切り換えつつ前記被加工物を仕上げ放電加工する方法において、前記逆極性加工時には前記抵抗器が小さな抵抗値の抵抗器とされ、前記正極性加工時には前記抵抗器が大きな抵抗値の抵抗器となるように切り換えると共に、前記放電加工間隙と並列に回路上の浮遊キャパシタンスとLC並列共振をさせ無負荷状態における前記両極性の加工用電圧を均等にするためのインダクタンス素子を挿入するようにしたことを特徴とする放電加工方法が提案される。
【0016】
このように抵抗器の切り換えを行うと、放電加工間隙に供給される電流の値は、逆極性加工時には大きく、正極性加工時には小さくなり、逆極性加工時には正極性加工時よりも大きな放電エネルギで放電加工が行われる。しかしながら、逆極性加工においては、放電エネルギの被加工物側への配分が小さいので、大きな加工電流が放電加工間隙に与えられても面粗度の小さな放電加工が安定して行われる。また、正極性加工時には加工電流のレベルが小さくなり、放電加工面の面粗度が大きくなるのを抑えつつ、且つ逆極性加工の終了時における放電の切れを確実にすることができる。ここで、放電加工間隙と電源装置との間に接続される出力ケーブル上に浮遊する回路上のキャパシタンス成分は、放電加工間隙に並列接続されるインダクタンス素子とLC並列共振回路を構成することにより両極性出力電圧の周波数においては浮遊キャパシタンスの影響を排除することができる。この結果、浮遊キャパシタンスへの充放電が無くなり、放電加工間隙の無負荷電圧は抵抗器の抵抗値に無関係に、正極性、逆極性のいずれであっても加工用電源装置から出力される両極性出力電圧と同じレベルとなる。
【0017】
請求項3の発明によれば、極性が周期的に反転する両極性パルス電圧を放電加工間隙に供給して被加工物を仕上げ放電加工するための放電加工装置において、直流電圧を出力する直流電源と、各辺に半導体スイッチング素子が設けられて成り前記直流電圧が入力されているブリッジ回路と、該ブリッジ回路の出力から前記両極性パルス電圧を得るため該ブリッジ回路の対向する辺の半導体スイッチング素子同志を同期させてオン、オフ制御するための制御回路と、前記両極性パルスを前記放電加工間隙に印加するための回路上の浮遊キャパシタンスの影響をなくし無負荷状態における前記両極性パルス電圧を均等にするため前記放電加工間隙に並列に接続されたインダクタンス素子とを備え、前記ブリッジ回路から正極性パルスを取り出すために閉じられる前記半導体スイッチング素子と直列に第1の制限抵抗要素を設けると共に前記ブリッジ回路から負極性パルスを取り出すために閉じられる前記半導体スイッチング素子と直列に第2の制限抵抗要素を設け、前記第1の制限抵抗要素の値を前記第2の制限抵抗要素の値よりも高く設定したことを特徴とする放電加工装置が提案される。
【0018】
このようにしてブリッジ回路の出力から得られる両極性パルス電圧を放電加工間隙に印加した場合、正極性によるパルス電圧の印加時の加工電流は逆極性によるパルス電圧の印加時の加工電流よりもレベルが低くなり、且つ、無負荷時の浮遊キャパシタンス成分への充放電がなくなり、放電加工間隙の無負荷電圧は抵抗器の抵抗値に無関係に、正極性、逆極性のいずれであっても加工用電源装置から出力される両極性出力電圧と同じレベルとなり請求項1又は2の発明による方法での放電加工が行える。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例につき詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明による放電加工装置の実施の形態の一例を示す回路図である。図1に示すワイヤカット放電加工装置1は、加工機本体2の被加工物3とワイヤ電極4との間に形成される放電加工間隙Gに加工用電圧Vを印加するための装置として構成されており、荒加工用の第1電源部5と仕上加工用の第2電源部6とから成る放電加工用電源装置を備えている。
【0021】
第1電源部5は公知の回路構成のものであり、したがって、その構成の詳細を示すのを省略する。第1電源部5からの荒加工用電圧V1は低インダクタンスの出力線7及び一対のリレー接点L1、L2を介して放電加工間隙Gに加工用電圧Vとして印加される。
【0022】
一方、第2電源部6は、被加工物3の仕上げ加工のために被加工物3を小さな面粗度で放電加工するため、両極性出力電圧を出力することができる構成となっている。本実施の形態では、第2電源部6からは両極性パルス電圧V2が両極性出力電圧として出力され、両極性パルス電圧V2は一対のリレー接点L3、L4及び低キャパシタンスの出力線8を介して放電加工間隙Gに加工用電圧Vとして印加される。
【0023】
第1電源部5及び第2電源部6を用いた被加工物3の加工は次のようにして行われる。すなわち、図示しない切換リレーを作動させることにより、先ずリレー接点L1、L2を閉じ、リレー接点L3、L4を開いた状態で、第1電源部5からの荒加工用電圧V1を放電加工間隙Gに加工用電圧Vとして印加し、被加工物3を荒加工する。しかる後、リレー接点L1、L2を開き、リレー接点L3、L4を閉じた状態で、第2電源部からの両極性パルス電圧V2を放電加工間隙Gに加工用電圧Vとして印加し、被加工物3を仕上げ加工する。なお、放電加工間隙Gには、リレー接点L5とコイル30との直列回路が並列に接続されており、リレー接点L5はリレー接点L3、L4と同時にオン、オフし、第2電源部6による放電加工動作時にのみコイル30が放電加工間隙Gと並列に接続される構成となっているが、これについては後で説明する。
【0024】
次に、第2電源部6の構成について説明する。9は直流電圧Eを出力する直流電源、10はスイッチングトランジスタ11〜14及び抵抗器15〜18が各辺に設けられて図示の如く接続されて成るブリッジ回路である。ブリッジ回路10では、スイッチングトランジスタ11、12の接続点10Aとスイッチングトランジスタ13、14の接続点10Bとが入力部となっており、抵抗器15、17の接続点10Cと抵抗器16、18の接続点10Dとが出力部となっている。入力部には直流電源9からの直流電圧Eが印加され、出力部から両極性パルス電圧V2が後述の如くして得られる構成である。
【0025】
符号20で示されるのは、ブリッジ回路10の各辺に設けられているスイッチングトランジスタ11〜14をオン、オフ制御するための制御回路であり、パルス発生器21とインバータ22とから成っている。パルス発生器21からのパルス信号はそのまま制御パルス信号PAとして出力され、インバータ22からは、制御パルス信号PAをレベル反転させた反転制御パルス信号PBが出力される構成である(図2の(A)、(B)参照)。
【0026】
制御パルス信号PAは、ブリッジ回路10のスイッチングトランジスタ11、14の各ゲートにオン、オフ制御のためのゲート制御信号として印加され、反転制御パルス信号PBはブリッジ回路10のスイッチングトランジスタ12、13の各ゲートにオン、オフ制御のためのゲート制御信号として印加されている。したがって、スイッチングトランジスタ11はスイッチングトランジスタ14と同時にオン、オフ動作し、一方、スイッチングトランジスタ12はスイッチングトランジスタ13と同時にオン、オフ動作する。図2の(A)、(B)から判るように、スイッチングトランジスタ11、14のオン動作とスイッチングトランジスタ12、13のオン動作とが交互に行われ、この結果、ブリッジ回路10の出力部からは、制御パルス信号PAと同一の周期で極性が反転する両極性パルス電圧V2が出力される。
【0027】
ブリッジ回路10の出力部において得られる両極性パルス電圧V2の極性が正極性の場合、すなわち、被加工物3がワイヤ電極4よりも高電位となるような出力状態の場合に放電加工間隙Gに流れる加工電流の値をIH、ブリッジ回路10の出力部において得られる両極性パルス電圧V2の極性が負極性の場合、すなわち、被加工物3がワイヤ電極4よりも低電位となるような出力状態の場合に放電加工間隙Gに流れる加工電流の値をILとした場合、IL>IHとなるようにするため、抵抗器15、18の合計抵抗値は、抵抗器16、17の合計抵抗値よりも大きく設定されている。本実施の形態では、抵抗器15は抵抗器18と同一の値とされ、抵抗器16は抵抗器17と同一の値とされている。
【0028】
次に、第2電源部6の動作について、図2を参照しながら説明する。制御回路20からの制御パルス信号PA及び反転制御パルス信号PB(図2(A)、(B)参照)によりブリッジ回路10のスイッチングトランジスタ11〜14が以下に説明されるようにオン、オフ制御され、ブリッジ回路10からは両極性パルス電圧V2が出力される。図2の(C)には、このときの加工用電圧Vの波形の一例が示されている。
【0029】
すなわち、期間T1、T3、T5、T7、・・・では、スイッチングトランジスタ11、14がオフでスイッチングトランジスタ12、13がオンとなり、直流電源9からの直流電圧Eは低抵抗値の抵抗器16、17を介して出力される。したがって、ワイヤ電極4が正で被加工物3が負となるようにして加工用電圧Vが比較的高く加工電流が大きいレベルの放電エネルギが放電加工間隙Gに供給され、被加工物3が逆極性で放電加工される。逆極性での放電加工は、被加工物への放電エネルギ配分が少ないため、安定した放電を行わせつつ面粗さの小さい放電加工面を得ることができる。図2に示した例では、期間T3、T5においてのみ放電加工間隙Gに放電が生じている。
【0030】
次に、期間T2、T4、T6、T8、・・・では、スイッチングトランジスタ11、14がオンでスイッチングトランジスタ12、13がオフとなり、直流電源9からの直流電圧Eは高抵抗値の抵抗器15、18を介して出力される。したがって、ワイヤ電極4が負で被加工物3が正となるようにして加工用電圧Vが比較的低く加工電流が小さいレベルで放電エネルギが放電加工間隙Gに供給され、被加工物3が正極性で放電加工される。正極性での放電加工は被加工物への放電エネルギ配分が多いが、放電エネルギのレベルが低くなるので、被加工物3の放電加工面の面粗さは小さくなり、所要の仕上げ加工が可能となる。なお、期間T1、T3、T5、T7、・・・から期間T2、T4、T6、T8、・・・への各移行時には、放電加工間隙Gに印加される加工用電圧Vの極性が反転するため、特に加工用電圧Vによる逆極性加工のための放電を一旦速やかに途切れさせることができ、これにより全体として仕上げ加工が安定且つ良好に遂行される。
【0031】
このようにして、逆極性加工と正極性加工とが制御パルス信号PAによって定まる所定の周期で交互に安定に行われ、被加工物3を小さな面粗度で仕上げることができる。図2の(D)は放電加工間隙Gに流れる放電加工電流Iの波形図である。図2の(D)から、被加工物3は逆極性加工によって大きい加工電流で安定に加工されて小さい面粗度放電加工面が得られ、正極性加工によって被加工物3が低い加工電流で加工され面粗さを小さくするのに役立っているのが判る。
【0032】
ところで、第2電源部6の出力端から放電加工間隙G側を見た場合、主として出力線8のキャパシタンス成分による浮遊キャパシタンスが存在する。したがって、第2電源部6からの両極性パルス電圧V2を放電加工間隙Gに加工用電圧Vとして印加する場合、放電加工間隙Gにおいて放電が生じていない無負荷状態の場合を考えると、両極性パルス電圧V2の出力極性が所定の周期で交互に変化したとき、両極性パルス電圧V2が正極性の場合と逆極性の場合とで、この浮遊キャパシタンスに値の異なる抵抗器が交互に直列接続されることとなる。この結果、無負荷状態における加工用電圧Vの値が正極性の場合と負極性の場合とで異なるという現象が生じることとなる。この現象が生じると被加工物3の表面に真鍮がコーティングされる所謂ブラスコーティング現象が生じ、被加工物3の加工表面の品質を損なうことになる。
【0033】
この不具合を除去するため、第2電源部6による仕上加工のためにリレー接点L3、L4が閉じられた場合、リレー接点L5も同時に閉じられ、コイル30を放電加工間隙Gに並列に接続し、コイル30と上記浮遊キャパシタンスとによる並列共振回路を構成し、この並列共振回路の共振周波数が制御パルス信号PAの周波数と略一致するように構成されている。このためコイル30のインダクタンス値は、浮遊キャパシタンスの値と制御パルス信号PAの周波数とに基づいて定められている。
【0034】
このように、第2電源部6の使用時には、コイル30を放電加工間隙Gと並列に接続し、これにより第2電源部6の出力から放電加工間隙Gを見た場合のインピーダンスを略純抵抗とすることにより、両極性パルス電圧V2の極性切り換え時に直流電源9と放電加工間隙Gとの間に挿入される抵抗器の値が変化しても、無負荷時には両極性パルス電圧V2の電圧が略そのまま放電加工間隙Gに加工用電圧Vとして印加されるので、放電加工間隙3にブラスコーティングを生じさせることがない。
【0035】
図3は、図1の放電ワイヤカット放電加工装置1の仕上げ加工時の電気的等価回路を示す図である。図3で、40は、直流電源9とブリッジ回路10とから成る両極性パルス電圧V2の発生のための電源部を示すものであり、Rは電源部40の内部抵抗値である。C1は浮遊キャパシタンスの容量値、L1は放電加工間隙Gへの配線による分布インダクタンスのインダクタンス値、L2はコイル30のインダクタンス値である。
【0036】
制御パルス信号PAの周波数、すなわち、両極性パルス電圧V2の周波数を5MHzとすると、C1の値が約500PFの場合、L2の値は約2μHとすればよいことが判る。コイル30をこのような値にすれば、電源部40から放電加工間隙Gを見た場合のインピーダンスはほとんど放電加工間隙Gの抵抗値のみとなる。したがって、無負荷状態にあっては、V2≒Vとなる。
【0037】
図4の(A)にはコイル30を用いて第2電源部6から両極性パルス電圧V2を放電加工間隙Gに印加したときの加工用電圧Vの無負荷電圧波形の一例が示されている。一方、図4の(B)には、コイル30を用いることなしに第2電源部6から両極性パルス電圧V2を放電加工間隙Gに印加したときの加工用電圧Vの無負荷電圧波形の一例が示されている。図4の(A)と(B)との電圧波形を比較すると、コイル30を挿入することにより電圧の偏りが著しく改善されているのが判る。
【0038】
図5には、図1に示した放電加工用電源装置1を用いて加工した被加工物3の放電加工面の面粗さ状態の一例が示されている。この加工の条件は、
直流電源電圧 45V
周波数 5MHz
極間電圧(電極正極) 40V(無負荷時)
(電極負極) 40V(無負荷時)
抵抗16、17(電極正極) 5Ω+5Ω=10Ω
抵抗15、18(電極負極) 25Ω+25Ω=50Ω
である。
図5から判るように、被加工物3の板厚が変化してもその放電加工面の面粗さ状態は殆ど変化しない。また、ブラスコーティングが発生していないことも確認された。
【0039】
図1に示した構成によれば、周波数が5MHz以下という比較的低い高周波領域のトランジスタブリッジの回路構成による両極性パルス電源において、正極側制限抵抗値を逆極側制限抵抗値よりも高いものを使用することによって、正極側の電圧印加時の放電電流を逆極側のそれよりも低くすることにより加工面粗度を向上させることができる(この場合には図4で示す無負荷電圧波形となる)。さらに、回路上の浮遊キャパシタンスとLC並列共振を発生させるために極間と並列に所定のインダクタンスを挿入することによって、浮遊キャパシタンスと並列のインダクタンスからなるインピーダンスを無限大にさせる。これにより、浮遊キャパシタンスの影響が無くなり正極と逆極とで制限抵抗値が異なることから生じる無負荷電圧の逆極性側への偏りを解消することが可能となった。この回路構成では無負荷電圧波形は両極性均等な電圧が極間へ印加されるが、放電が発生した場合の放電電流は正極側と逆極側で制限抵抗値が違うので逆極側放電電流を抑えて面粗さを向上させることができる。
【0040】
このように、周波数が5MHzと比較的低い高周波領域で良質な加工面が得られ、さらにギャップ共振状態とならなくても安定して加工が可能なため被加工物の板厚の変化やワイヤ径、さらに放電加工機の機械的な構造上の分布インダクタンスの影響をあまり受けずに安定して良質な加工面が得られ、しかも無負荷電圧波形に偏りが無いので被加工物へ真鍮が付着する現象も発生しない。
【0041】
なお、上記実施の形態では、本発明をワイヤカット放電加工機に適用した場合について説明したが、本発明は実施の形態の構成に限定されるものではなく、型彫放電加工機等についても広く適用することができ、同様の効果を得ることができる。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、上述の如く、被加工物と加工用電極とによって形成される放電加工間隙に加工用電圧を極性を正負交互に切り換えつつ印加して前記被加工物を放電加工する場合、正極側の電圧印加時の放電電流を逆極側のそれよりも低くすることにより加工面粗度を向上させることができる。通常、両極性均等な交流電源又は両極性パルス電源で加工した場合には、被加工物に対してエネルギー配分の大きな正極側放電によって面粗さが決定されていると考えられるが、正極側放電時の放電電流を抑えることによって加工面粗さを向上することが可能となる。
この場合、両極性パルス等の両極性出力電圧の周波数が比較的低い高周波領域であっても良質な放電加工面が得られ、さらにギャップ共振状態とならなくても安定して加工が可能なため被加工物の板厚の変化やワイヤ径、さらに放電加工機の機械的な構造上の分布インダクタンスの影響をあまり受けずに、安定して良質な加工面が得られる。
【0043】
そして、放電加工間隙と並列に接続されるインダクタンスにより無負荷時における加工間隙電圧の逆極性側への偏りを解消できるので、両極性出力電圧を用い、逆極性加工時の加工エネルギーを正極性加工時の加工エネルギーよりも大きくする構成を採用しても、加工面へ真鍮が付着する現象を生じさせることがなく、高品質の放電加工面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるワイヤカット放電加工装置の実施の形態の一例を示す回路図。
【図2】図1の放電加工用電源装置の動作を説明するための各部の信号波形図。
【図3】放電加工間隙に並列に接続されるコイルの作用を説明するための放電加工装置の電気的等価回路図。
【図4】(A)は放電加工間隙にコイルを並列接続したときの無負荷電圧波形を示す波形図、(B)は放電加工間隙にコイルを並列接続しないときの無負荷電圧波形を示す波形図。
【図5】図1の放電加工装置を用いて実際に放電加工した場合の放電加工面の面粗さの一例を示すためのグラフ。
【符号の説明】
1 ワイヤカット放電加工装置
2 加工機本体
3 被加工物
4 ワイヤ電極
6、60 第2電源部
9、62 直流電源
10 ブリッジ回路
10A〜10D 接続点
11〜14 スイッチングトランジスタ
15〜18 抵抗器
20 制御回路
30 コイル
61 交流電源
E 直流電圧
G 放電加工間隙
I 放電加工電流
PA 制御パルス信号
PB 反転制御パルス信号
V 加工用電圧
V2 両極性パルス電圧[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an electric discharge machining method and an electric discharge machining apparatus in which a workpiece is subjected to electric discharge machining by alternately switching the polarity of a machining voltage applied to an electric discharge machining gap.
[0002]
[Prior art]
For example, as disclosed in Japanese Patent Laid-Open No. 3-49824, in machining with an AC high frequency voltage, the discharge point is changed by changing the polarity of the machining voltage applied to the discharge machining gap for each discharge. It is known that a good quality processed surface can be obtained by dispersion. The same applies when electric discharge machining is performed using bipolar pulses. As described above, when the workpiece is subjected to electric discharge machining by alternately switching the polarity of the machining voltage applied to the electric discharge machining gap formed between the workpiece and the machining electrode, the polarity switching frequency of the machining voltage is set. It is well known that the surface roughness of the EDM surface tends to become finer as the value of E is higher, but particularly in the high frequency region of 7 MHz or higher, the capacitance between the EDM gap and the distributed inductance component on the circuit. It has been confirmed that a series resonance state (hereinafter referred to as a gap resonance state) occurs, and electric discharge occurs only in this gap resonance state, and as a result, an electric discharge machined surface having a surface roughness of about 0.2 μmRmax is obtained.
[0003]
However, when the machining area or machining state changes during machining, the impedance of the electrical discharge machining gap may change, and the gap resonance state may not be maintained. Therefore, conventionally, according to the change in impedance between the poles, the AC power source frequency and the matching device provided between the poles and the AC power source are automatically adjusted to maintain the gap resonance state and perform electric discharge machining. Is going.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
Thus, in order to perform electric discharge machining stably under the gap resonance state, it is necessary to change the AC power supply frequency in accordance with the change in the interelectrode impedance. Therefore, the problem is that the resonance frequency F0 is expressed by the following equation (1).
F0 = 1/2 · π · (LmCg) 1/2 ... (1)
Lm: Wiring distribution inductance
Cg: Capacitance of EDM gap
Therefore, the resonance frequency F0 is greatly changed by the change of the opposing area of the gap (change of the plate thickness or wire diameter).
[0005]
For example, as an extreme example, when a workpiece whose thickness changes from 1 mm to 50 mm is processed, the area of the opposing gap increases by a maximum of 50 times (capacitance is proportionally 50 times). Similarly, it increases by 50 times, and the resonance frequency F0 changes about 1/7 times.
[0006]
By the way, since there is a close relationship between the frequency of the high-frequency AC power supply and the machined surface roughness, if the frequency changes by this amount, the machined surface roughness will not be constant. This means that the best surface roughness is determined by the plate thickness, and that the processed surface roughness deteriorates as the plate thickness increases. Furthermore, since the XY-axis stroke is different for each model, the length of the transmission line between the poles is different, and the distribution inductance Lm is also changed for each model due to the influence. Therefore, there is a possibility that a difference in surface roughness occurs depending on the model.
[0007]
As described above, according to the conventional method of performing electrical discharge machining with low surface roughness by generating gap resonance using a high-frequency AC voltage, in order to obtain a stable and high-quality processed surface, the thickness of the workpiece is There is a problem that the range of processing is narrowed because it requires limitation and limitation of models.
[0008]
In order to deal with this problem, for example, a bipolar output voltage whose polarity is periodically reversed is applied to the electric discharge machining gap formed between the workpiece and the machining electrode via a resistor, and the reverse polarity machining is performed. When the workpiece is EDM while periodically switching between the positive polarity machining and the positive polarity machining, the resistor is a resistor having a small resistance value during reverse polarity machining, and the resistor is a resistor having a large resistance value during positive polarity machining. It is conceivable to adopt an electric discharge machining method that is switched so that
[0009]
When the resistors are switched in this way, the value of the current supplied to the EDM gap is large during reverse polarity machining, small during positive polarity machining, and greater discharge energy than during positive polarity machining during reverse polarity machining. Electric discharge machining is performed. However, in reverse polarity machining, since the distribution of discharge energy to the workpiece side is small, electric discharge machining with small surface roughness is stably performed even when a large machining current is applied to the electric discharge machining gap. In addition, the machining current level is reduced at the time of positive polarity machining, and it is possible to prevent the discharge from being cut off at the end of the reverse polarity machining while suppressing the increase in surface roughness of the electric discharge machining surface. And since this electric discharge machining method does not use the resonance phenomenon, a high-quality electric discharge machining surface can be obtained without the need to limit the plate thickness or model of the workpiece.
[0010]
However, when looking at the discharge machining gap side from the output end of the power supply device, there is a stray capacitance on the circuit, especially on the output line, so the value of the limiting resistor is different between positive polarity machining and reverse polarity machining. According to the configuration, the charge / discharge time constant of the circuit constituted by the resistor and the floating capacitance is different between positive polarity processing and reverse polarity processing.
[0011]
As a result, the voltage waveform applied to the electric discharge machining gap at no load is biased to the opposite polarity side, thereby causing a phenomenon that brass is coated as a thin film on the workpiece. This brass thin film coating state degrades the finish quality of the workpiece. For example, in parts processing of medical equipment, if a small amount of copper enters the processed surface, it may become a defective product that cannot be used.
[0012]
Accordingly, the object of the present invention is to obtain a stable electric discharge surface having a good surface roughness by switching the polarity of the electric discharge machining voltage between positive and negative without using resonance, and a thin film coating phenomenon of brass. An electrical discharge machining method and an electrical discharge machining apparatus are provided.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problem, according to the invention of
[0014]
Reverse polarity machining that can reduce the EDM surface roughness can be performed with a large level of machining current, so that an electric discharge can be reliably generated in the EDM gap, and the EDM surface has a low surface roughness while ensuring stable machining. Can be obtained. On the other hand, during positive polarity machining where surface roughness tends to be large, the level of machining current is kept low, which makes it possible to machine the workpiece without increasing the surface roughness of the electric discharge machined surface, and reverse polarity It is possible to reliably cut off the discharge at the end of processing. Here, the capacitance component on the circuit floating on the output cable connected between the electric discharge machining gap and the power supply device is obtained by forming an inductance element and an LC parallel resonant circuit connected in parallel to the electric discharge machining gap. The effect of stray capacitance can be eliminated at the frequency of the output voltage. As a result, there is no charge / discharge to the floating capacitance, and the no-load voltage in the discharge machining gap is positive or negative polarity output from the machining power supply regardless of the resistance value of the resistor. It becomes the same level as the output voltage.
[0015]
According to the second aspect of the present invention, the bipolar output voltage whose polarity is periodically reversed is applied to the electric discharge machining gap formed between the workpiece and the machining electrode via the resistor. As processing voltage Applied, The processing electrode is the positive electrode and the workpiece is the negative electrode With reverse polarity machining The processing electrode is the negative electrode and the workpiece is the positive electrode While periodically switching between positive polarity machining, Finish In the electric discharge machining method, the resistor is a resistor having a small resistance value during the reverse polarity machining, and the resistor is switched to a resistor having a large resistance value during the positive polarity machining, and the electric discharge machining gap In parallel with the stray capacitance on the circuit and LC parallel resonance Equalize the bipolar machining voltage in the no-load state To insert an inductance element for EDM characterized by A method is proposed.
[0016]
When the resistors are switched in this way, the value of the current supplied to the EDM gap is large during reverse polarity machining, small during positive polarity machining, and greater discharge energy than during positive polarity machining during reverse polarity machining. Electric discharge machining is performed. However, in reverse polarity machining, since the distribution of discharge energy to the workpiece side is small, electric discharge machining with small surface roughness is stably performed even when a large machining current is applied to the electric discharge machining gap. In addition, the machining current level is reduced at the time of positive polarity machining, and it is possible to prevent the discharge from being cut off at the end of the reverse polarity machining while suppressing the increase in surface roughness of the electric discharge machining surface. Here, the capacitance component on the circuit floating on the output cable connected between the electric discharge machining gap and the power supply device is obtained by forming an inductance element and an LC parallel resonant circuit connected in parallel to the electric discharge machining gap. The effect of stray capacitance can be eliminated at the frequency of the output voltage. As a result, there is no charge / discharge to the floating capacitance, and the no-load voltage in the discharge machining gap is positive or negative polarity output from the machining power supply regardless of the resistance value of the resistor. It becomes the same level as the output voltage.
[0017]
According to the invention of
[0018]
When the bipolar pulse voltage obtained from the output of the bridge circuit is applied to the electrical discharge machining gap in this way, the machining current when applying the positive polarity pulse voltage is higher than the machining current when applying the reverse polarity pulse voltage. And no charge and discharge to the floating capacitance component when no load is applied, and the no-load voltage of the discharge machining gap is used for machining regardless of the resistance value of the resistor, whether it is positive or reverse polarity. It becomes the same level as the bipolar output voltage output from the power supply device, and electric discharge machining can be performed by the method according to the first or second aspect of the invention.
[0019]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, an example of an embodiment of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0020]
FIG. 1 is a circuit diagram showing an example of an embodiment of an electric discharge machining apparatus according to the present invention. A wire cut electric
[0021]
The first
[0022]
On the other hand, the second power supply unit 6 is configured to be able to output a bipolar output voltage because the
[0023]
Processing of the
[0024]
Next, the configuration of the second power supply unit 6 will be described. Reference numeral 9 denotes a DC power source that outputs a DC voltage
[0025]
[0026]
The control pulse signal PA is applied to the gates of the switching
[0027]
When the polarity of the bipolar pulse voltage V2 obtained at the output portion of the
[0028]
Next, the operation of the second power supply unit 6 will be described with reference to FIG. The switching transistors 11 to 14 of the
[0029]
That is, in the periods T1, T3, T5, T7,..., The switching
[0030]
Next, in the periods T2, T4, T6, T8,..., The switching
[0031]
In this way, reverse polarity machining and positive polarity machining are alternately and stably performed at a predetermined cycle determined by the control pulse signal PA, and the
[0032]
By the way, when the electric discharge machining gap G side is viewed from the output end of the second power supply unit 6, there is a stray capacitance mainly due to the capacitance component of the
[0033]
In order to eliminate this problem, when the relay contacts L3 and L4 are closed for finishing by the second power supply unit 6, the relay contact L5 is also closed at the same time, and the
[0034]
Thus, when the second power supply unit 6 is used, the
[0035]
FIG. 3 is a diagram showing an electrical equivalent circuit during the finishing process of the electric discharge wire cut electric
[0036]
Assuming that the frequency of the control pulse signal PA, that is, the frequency of the bipolar pulse voltage V2 is 5 MHz, when the value of C1 is about 500 PF, the value of L2 may be about 2 μH. If the
[0037]
4A shows an example of a no-load voltage waveform of the machining voltage V when the bipolar power supply voltage 6 is applied from the second power source 6 to the electric discharge machining gap G using the
[0038]
FIG. 5 shows an example of the surface roughness state of the electric discharge machining surface of the
DC power supply voltage 45V
Frequency 5MHz
Electrode voltage (electrode positive electrode) 40V (no load)
(Electrode negative electrode) 40V (no load)
It is.
As can be seen from FIG. 5, even if the plate thickness of the
[0039]
According to the configuration shown in FIG. 1, in the bipolar pulsed power supply having a relatively low high frequency region transistor bridge circuit configuration with a frequency of 5 MHz or less, the positive side limiting resistance value is higher than the reverse side limiting resistance value. By using it, it is possible to improve the roughness of the machined surface by making the discharge current at the time of voltage application on the positive electrode side lower than that on the reverse electrode side (in this case, the no-load voltage waveform shown in FIG. Become). Furthermore, in order to generate LC parallel resonance with the stray capacitance on the circuit, a predetermined inductance is inserted in parallel between the poles, thereby making the impedance composed of the stray capacitance and the parallel inductance infinite. As a result, the influence of the stray capacitance is eliminated, and the bias toward the reverse polarity side of the no-load voltage caused by the difference in limiting resistance value between the positive electrode and the reverse electrode can be eliminated. In this circuit configuration, a no-load voltage waveform is applied across the electrodes with equal polarity. However, when discharge occurs, the discharge current is different between the positive side and the reverse side. The surface roughness can be improved by suppressing the above.
[0040]
In this way, a high-quality processed surface can be obtained in a relatively low frequency range of 5 MHz, and further stable processing can be performed without becoming a gap resonance state. In addition, it is possible to obtain a stable and high-quality machined surface without much influence from the distributed inductance on the mechanical structure of the electric discharge machine, and because there is no bias in the no-load voltage waveform, brass adheres to the workpiece. The phenomenon does not occur.
[0041]
In the above-described embodiment, the case where the present invention is applied to a wire-cut electric discharge machine has been described. However, the present invention is not limited to the configuration of the embodiment, and can be widely applied to a die-cut electric discharge machine or the like. The same effect can be obtained.
[0042]
【The invention's effect】
According to the present invention, as described above, when the machining voltage is applied to the electric discharge machining gap formed by the workpiece and the machining electrode while alternately switching the polarity between positive and negative, the workpiece is subjected to electric discharge machining. By making the discharge current at the time of voltage application on the positive electrode side lower than that on the reverse electrode side, the roughness of the machined surface can be improved. Normally, when machining with an AC power supply or bipolar pulse power supply that is equal in both polarities, it is considered that the surface roughness is determined by the positive electrode side discharge with a large energy distribution to the workpiece. By suppressing the discharge current at the time, it becomes possible to improve the surface roughness.
In this case, a high-quality electric discharge machined surface can be obtained even in a high frequency region where the frequency of the bipolar output voltage such as bipolar pulse is relatively low, and further stable machining is possible even if the gap resonance state is not achieved. A stable and high-quality machined surface can be obtained without being greatly affected by changes in the thickness of the workpiece, the wire diameter, and the distributed inductance on the mechanical structure of the electric discharge machine.
[0043]
In addition, the inductance connected in parallel with the electric discharge machining gap can eliminate the bias of the machining gap voltage to the opposite polarity when there is no load. Even when a configuration that is larger than the machining energy at the time is adopted, a high-quality electric discharge machining surface can be obtained without causing a phenomenon that brass adheres to the machining surface.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a circuit diagram showing an example of an embodiment of a wire cut electric discharge machining apparatus according to the present invention.
2 is a signal waveform diagram of each portion for explaining the operation of the electric discharge machining power supply device of FIG. 1; FIG.
FIG. 3 is an electrical equivalent circuit diagram of an electric discharge machining apparatus for explaining the action of a coil connected in parallel to the electric discharge machining gap.
4A is a waveform diagram showing a no-load voltage waveform when a coil is connected in parallel to the electric discharge machining gap, and FIG. 4B is a waveform showing a no-load voltage waveform when no coil is connected in parallel to the electric discharge machining gap. Figure.
FIG. 5 is a graph for illustrating an example of surface roughness of an electric discharge machining surface when electric discharge machining is actually performed using the electric discharge machining apparatus of FIG. 1;
[Explanation of symbols]
1 Wire-cut EDM
2 Processing machine body
3 Workpiece
4 Wire electrode
6, 60 Second power supply unit
9, 62 DC power supply
10 Bridge circuit
10A-10D connection point
11-14 switching transistors
15-18 resistors
20 Control circuit
30 coils
61 AC power supply
E DC voltage
G EDM gap
I Electric discharge machining current
PA control pulse signal
PB inversion control pulse signal
V Machining voltage
V2 Bipolar pulse voltage
Claims (3)
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17654198A JP3664879B2 (en) | 1998-06-10 | 1998-06-10 | Electric discharge machining method and electric discharge machining apparatus |
US09/325,738 US6222149B1 (en) | 1998-06-10 | 1999-06-04 | Power supply device for electric discharge machining apparatus |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17654198A JP3664879B2 (en) | 1998-06-10 | 1998-06-10 | Electric discharge machining method and electric discharge machining apparatus |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11347842A JPH11347842A (en) | 1999-12-21 |
JP3664879B2 true JP3664879B2 (en) | 2005-06-29 |
Family
ID=16015404
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17654198A Expired - Fee Related JP3664879B2 (en) | 1998-06-10 | 1998-06-10 | Electric discharge machining method and electric discharge machining apparatus |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3664879B2 (en) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009096025A1 (en) | 2008-01-31 | 2009-08-06 | Mitsubishi Electric Corporation | Electric discharge device and electric discharge method |
US8735763B2 (en) * | 2008-09-02 | 2014-05-27 | Mitsubishi Electric Corporation | Power supply device for electrical discharge machine |
JP4580022B2 (en) * | 2009-02-27 | 2010-11-10 | ファナック株式会社 | Wire electric discharge machine |
JP5588634B2 (en) * | 2009-07-09 | 2014-09-10 | 西部電機株式会社 | Wire electric discharge machining apparatus and method |
JP5253441B2 (en) * | 2010-03-09 | 2013-07-31 | 三菱電機株式会社 | Power supply for electric discharge machining |
JP5474148B2 (en) * | 2012-09-07 | 2014-04-16 | 三菱電機株式会社 | Power supply for electric discharge machining |
CN108672851B (en) * | 2018-06-08 | 2019-11-08 | 中国工程物理研究院机械制造工艺研究所 | A kind of very high frequency(VHF) self-vibration declines can electric machining clock |
CN112570830B (en) * | 2020-11-29 | 2022-07-22 | 南京理工大学 | Pulse power supply energy transmission loop in reciprocating wire-moving electrospark wire-electrode cutting machining |
-
1998
- 1998-06-10 JP JP17654198A patent/JP3664879B2/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11347842A (en) | 1999-12-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2914104B2 (en) | Electric discharge machining method and apparatus, and variable electrostatic capacity and variable inductance applicable to this electric discharge machine | |
JP5202639B2 (en) | Electric discharge machine power supply | |
JP3664879B2 (en) | Electric discharge machining method and electric discharge machining apparatus | |
CN101817109A (en) | Wedm | |
JP3361057B2 (en) | Electric discharge machining method and power supply device for electric discharge machining | |
RU2635057C2 (en) | Plant for electroerosion machining | |
US6222149B1 (en) | Power supply device for electric discharge machining apparatus | |
JPS61260923A (en) | Power source for electric discharge machining | |
JP4437612B2 (en) | EDM machine | |
WO2001094067A1 (en) | Power supply for electrodischarge machining | |
JPS61260916A (en) | Power source for electric discharge machining | |
JP3360619B2 (en) | Electric discharge machine | |
JPH059209B2 (en) | ||
JP2653900B2 (en) | Electric discharge machine | |
JP4425056B2 (en) | EDM power supply | |
EP0185101A1 (en) | Power source for discharge machining | |
JPH081438A (en) | Electric discharge machining method and device therefor | |
JPH03228521A (en) | Electric discharge machining method | |
JPH11333632A (en) | Electrical discharging device | |
JPH089125B2 (en) | Power supply for electrical discharge machining | |
JPH048165B2 (en) | ||
JPS6361128B2 (en) | ||
KR101121531B1 (en) | Electric circuit for electrical discharge machining | |
JPH04331020A (en) | Electric discharge machine | |
JPH07276142A (en) | Power supply of electrical discharge machine |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040701 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040713 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040910 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050322 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050330 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090408 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100408 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100408 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110408 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120408 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120408 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130408 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130408 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140408 Year of fee payment: 9 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |