JP3664819B2 - アウトリガ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クレーン車等の作業用車両に設けられ、現場作業中に車体を支持するアウトリガ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、クレーン車などの作業用車両には、クレーン作業などの作業時に車体を支持して車体の転倒を防止するアウトリガ装置が設けられている。この種のアウトリガ装置は、作業用車両の車体フレームに設置されたアウトリガボックスと、このアウトリガボックスに伸縮自在に収納された水平支持脚(以下、ビームという。)と、このビームの先端に設けられビームの垂直下方に伸長動作する垂直支持脚(以下、ジャッキという。)と、ジャッキの下端に取り付けられた接地板としてのフロートとを備えている。そして、アウトリガ装置は、そのビームをアウトリガボックスから車体の側方に向かって水平に所定の長さ張り出すとともに、ジャッキを下方に伸長させてジャッキの下端のフロートを地面に接地させることにより、車体を支持するものである。
【0003】
こうしたアウトリガ装置による車体の支持では、車体の側方に張り出されたビームが、その端部のジャッキを支点として車体を支持することになる。この場合、ビームにはその端部(ジャッキ)に車体の重量に伴う地面からの反力が作用し、また、ビームを支持するアウトリガボックスとビームとの重なり領域の端部付近には極圧が作用する。これにより、ビームは車体の重量に伴うこれらの力により曲げモーメントを受けるとともに、アウトリガボックスにもこれに伴う反力が作用し、この反力が車体フレーム側にも伝達されることとなる。
【0004】
このように、アウトリガ装置は、その支持力に対する反力を、ビームを介してアウトリガボックスが受け、これを車体フレームに伝達する構造になっているため、クレーンの大型化に伴って、アウトリガボックスおよび車体フレームは、大きな負荷に耐え得るよう、その構造の強化を図ることが必要になってくる。
【0005】
車体フレームおよびアウトリガボックスの構造の強化を図ることは、必然的に、その大型化と重量の増大を伴う。しかしながら、クレーン車は一般道路を自走して作業現場間を移動する必要から、道路交通法に定められた重量や高さ制限内に納まらなくてはならず、したがって、車体フレームおよびアウトリガボックスの構造の強化がこれによって制約を受けることになる。
【0006】
以上のような背景から、アウトリガ装置を設ける場合、従来は、例えば図7に示すような形態で車体フレームにアウトリガボックスが取り付けられている。すなわち、図示のように、ビームを突没自在に収容するアウトリガボックス101,101は、車体フレーム100の下面に溶接により取り付けられており、アウトリガボックス101,101の両端部の上側には、車体フレーム100の側壁部に溶着され且つ車体の横幅一杯に突出する筒状アーム(ステー)102が設けられている。この筒状アーム102は、左右両側に配置された側板102a,102aと、これら側板102a,102aに溶着され且つ側板102a,102a同士を連結する上板102bとから構成され、側板102a,102aの下部をアウトリガボックス101の上面101aに溶着することによって筒状に形成されているものである。
【0007】
このようにして設けられた筒状アーム102は、アウトリガ装置によって車体を支持した際に作用する地面からの反力を車体フレーム100に伝達する役割をなす。すなわち、支点であるビーム端部のジャッキに作用する反力によってビームに曲げモーメントが発生すると、これに伴う力がアウトリガボックス101を介して筒状アーム102に伝達され、この筒状アーム102を介して車体フレーム100に伝達されるようになっている。
【0008】
しかし、この図7に示される構成では、以下に述べるような幾つかの問題が生じる。
すなわち、車体フレーム100の下面にアウトリガボックス101を取り付けたことに伴い、補強部材として筒状アーム102が必要となってくるため、その分だけアウトリガボックス101を含む車体フレーム100全体の重量が重くなってしまう。また、車体フレーム100の下面とアウトリガボックス101の上面とに集中荷重が加わるため、アウトリガボックス101自体の機械的強度も要求され、アウトリガボックス101の重量の増大、ひいては、アウトリガボックス101を含む車体フレーム100全体の重量の増大を招くこととなる。
【0009】
また、前述した道路交通法の規制や車体の安定性等から車体フレーム100の地面からの高さが決まってくる関係上、アウトリガボックス101が車体フレーム100の下面から下方に大きく突出すると、アウトリガボックス101の下面と地面との間の隙間(ロードクリアランス)を大きくとれなくなる。したがって、例えば舗装されていない悪路を走行した場合に、アウトリガボックス101の下面が地面と干渉するなどして損傷を受け易くなる。
【0010】
そこで、このような問題を解消するため、図8に示すように、車体フレーム100の端部または中間部にアウトリガボックス101を組み入れるようにすることが提案されている(実開昭58ー135356号公報、実開昭59ー87337号公報等)。
【0011】
この図8の構成のように、車体フレーム100内にアウトリガボックス101を一体的に設ければ、アウトリガボックス101に作用する負荷を分散させることができ、アウトリガボックス101を大型化することなくその強度を向上させることができる。また、結果的に、筒状アーム102を設ける必要がないため、アウトリガボックス101を含む車体フレーム100全体の軽量化が図られ、さらに、ロードクリアランスも十分に確保することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図8の構成では、アウトリガボックス101を含む車体フレーム100全体の軽量化が図れつつ、アウトリガボックス101の強度もある程度向上されるが、それでもなお、クレーンの大型化に伴って、また、大きな荷重を吊り上げるクレーン作業時に備えて、大きな負荷が作用する部位、特に、極圧が作用するアウトリガボックス101とビームとの重なり領域の端部付近などでは十分な補強を行なう必要がある。
【0013】
こうした補強対策においては、その補強部材をどの領域に設けるかが問題となる。この点に関し、前述した図7の構成では、車体フレーム100の両側の領域、すなわち、アウトリガボックス101,101の両端部の上側の領域に補強部材(筒状部材102)を設けるスペースが確保されるが、図8のように、車体フレーム100の端部または中間部にアウトリガボックス101を組み入れる形態では、補強部材を設けるためのスペースをどこに確保するかが問題となる。この場合、車体フレーム100上に補強部材を設けるためのスペースを確保することは、図8の構造からは問題があり、また、クレーン装置に関わる様々な機構が車体フレーム100上に配設されている現状からかなりの困難を伴う。なお、実開昭58ー135356号公報や実開昭59ー87337号公報等には、こうした点が何等考慮されていない。
【0014】
また、一方で、車体フレーム100の端部または中間部にアウトリガボックス101を組み入れる形態では、アウトリガボックス101の高さを車体フレーム100の高さとほぼ同じにすることが可能であり、こうした場合、アウトリガボックス101内に収納されるビームの高さは、強度上の点で、アウトリガボックス101の高さほぼ一杯にする必要がない場合もある。
【0015】
本発明は上記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、アウトリガボックスの重量の増大を伴うことなくその構造の強化を有効且つ確実に図ることができ、ロードクリアランスを十分に確保できるアウトリガ装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、ビームをスライド可能に収容する収容室を有するアウトリガボックスを備え、アウトリガボックスの収容室内で前記ビームをスライドさせて前記ビームを車体の側方に張り出すことによって前記ビームの先端に設けられた支持部を支点として車体を支持するアウトリガ装置において、
前記アウトリガボックスは、前記車体フレームの側面より側方へ張り出した部分を含み、前記アウトリガボックスの上面と下面が車体フレームの上面と下面との間に位置する高さの範囲内に配置されて前記車体フレームに組み込まれ、前記アウトリガボックス内には、前記収容室に収納した前記ビームを案内するガイド部材を設け、このガイド部材と前記アウトリガボックスの板部材の間に、複数の補強部材を配置する空間を形成し、前記補強部材を、前記空間を横切って周囲の部材に結合し、さらに、前記アウトリガボックスの張出し端部の入り口に位置したガイド部材が他のガイド部材よりも肉厚な補強部を形成し、かつ、この補強したガイド部には、前記ビームの支持部を入り込ませて収納する切り欠きを形成したことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は自走式クレーンの一例を示している。このクレーン車1はクレーン操縦室と走行用の運転室とを兼用するキャブ2を備えるホイールクレーン(ラフテレーンクレーン)であり、走行車体としてのキャリア1aと、キャリア1a上に搭載されたクレーン装置1bとからなる。
【0018】
キャリア1aは車体フレーム4からなり、車体フレーム4には2つの駆動軸10,10が組み込まれている。駆動軸10,10は、その両端部が車体フレーム4の側方に突出しており、その突出した端部に車輪15を有している。
【0019】
また、車体フレーム4上には旋回台6が載置され、旋回台6上にはキャブ2を有する旋回体8が回転自在に搭載されている。旋回体8には伸縮ブーム5が起伏可能に取着されている。
【0020】
車体フレーム4の後部にはエンジン25が搭載されており、エンジン25の駆動力を駆動軸10,10に伝達するプロペラシャフト等の伝達軸17、変速機18、差動装置などが車体フレーム4に内装されている。また、駆動軸10と車体フレーム4とを連結して駆動軸10と車体フレーム4との間のトルクの伝達を行なうトルクロッド28も車体フレーム4に内装されている。
【0021】
図2に示すように、車体フレーム4は、上板4aと、底板4bと、上板4aと底板4bとを連結して互いに対向する2つの側板4c,4cとからなる略箱状のもので、これらの板4a〜4cによって車体フレーム4はその断面形状が閉じられた状態となっている。また、側板4c,4cには貫通穴29が設けられており、この貫通穴29を通じて駆動軸10が車体フレーム4内を貫通するようになっている。
【0022】
また、車体フレーム4には、2つのアウトリガ装置12(具体的にはアウトリガ装置12を構成するアウトリガボックス30)が一体に組み込まれている。この場合、アウトリガボックス30,30は、1つの車体フレーム4の端部または中間部に組み込まれて、その上面と下面とが車体フレーム4の上面および下面と面一になっている。しかしながら、これに限らず、車体フレーム4を前側フレームと後側フレームとで構成し、前側フレームと後側フレームとの間に一方のアウトリガボックス30を配置してこれらを一体に結合し、後側フレームの後端に他方のアウトリガボックス30を結合しても良い。あるいは、前側フレームと後側フレームのそれぞれの端部に各アウトリガボックス30,30を対向して設けても良い。
【0023】
また、車体フレーム4の両側では、アウトリガボックス30の上部(または後述する上板30c)と車体フレーム4の上部(または上板4a)とが連結部60によって連結されている。あるいは、アウトリガボックス30の下部(または後述する底板30d)と車体フレーム4の下部(または底板4b)とが連結部60によって連結されていても良い。
【0024】
図3に示すように、アウトリガ装置12は、車体フレーム4に組み込まれたアウトリガボックス30と、このアウトリガボックス30にスライド自在に収納されたビーム31と、このビーム31の先端に設けられビーム31の垂直下方に伸長動作するジャッキ32と、ジャッキ32の下端に取り付けられた接地板としてのフロート33とを備えている。
【0025】
アウトリガボックス30は、その少なくとも一方が車体フレーム4に溶着され且つ互いに略平行な一対の側壁板30a,30aと、これらの2枚の側壁板30a,30aと並行し且つ側壁板30a,30a間の空間を2つの収容室A,Bに区画する1枚の隔壁板30bと、各側壁板30aと隔壁板30bとを連結する上板33c,33cと、各収容室A,Bの下側を閉塞する底板30d,30dとによって構成され、隣接する前記板同士を互いに溶着することによって箱状に形成されているものである。
【0026】
図4は、隔壁板30bと上板33cとを取り除いた収容室A内の構造を示している。なお、収容室B内の構造は、収容室A内の構造と隔壁板30bに対して点対称な関係となっており、その基本的な構造が収容室Aのものと略同一であるため、以下、収容室A内の構造についてのみ説明することとする。
【0027】
図示のように、収容室A内には、上板33cおよび底板33dと略平行で且つ互いに上下に所定距離離間された一対のガイド板40,41によって、ビーム収容空間(ビームスライド空間)Cが形成されている。すなわち、各ガイド板40,41は、図5にも示すように、側壁板30aと隔壁板30bとの間に溶接によって架設されており、ガイド板40,41間に挟まれた空間がビーム収容空間Cとして形成されている。そして、収容室A内のビーム収容空間Cには車体の側方に張り出すビーム31が収容されており(図3および図5参照)、このビーム31の収容空間C内でのスライド動作が一対のガイド板40,41によって案内されるようになっている。なお、ガイド板40には複数の大きな開口50…が形成されている。
【0028】
ビーム31を車体の側方(図中矢印で示す方向)に張り出してアウトリガ装置12によって車体を支持した状態で極圧が作用するアウトリガボックス30の端部(収容室Aの入口部分)では、各ガイド板40,41が厚肉に形成された補強部40a,41aとなっている。
【0029】
また、ビーム31を直接に支持する各ガイド板40,41には複数の補強板51a〜51gが設けられている。これらの補強板51a〜51gは、ガイド板40と上板30cとによってこれらの間に形成される第1の補強部材配置空間D内と、ガイド板41と底板30dとによってこれらの間に形成される第2の補強部材配置空間E内とに配設されている。そして、これらの補強板51a〜51gは、その周囲の板、すなわち、ガイド板40,41と、側壁板30aと、隔壁板30bと、上板30cまたは底板30dとに溶着され、これによってガイド板40,41をアウトリガボックス30を形成する各板30a〜30dに結合して、結果的にガイド板40,41を補強している。
【0030】
このような補強板51a〜51gのうち、ガイド板41の補強部41aを補強する第2の補強部材配置空間E内の補強板51aは、極圧が作用するこの部位を強固に補強するために、特に肉厚に形成されている。また、第1の補強部材配置空間D内に位置する一対の補強板51f,51g間には、操舵輪の操舵に関与するステアリングシリンダのロッドを支持して案内するガイド体54が配設されている。このガイド体54は、収容室A内の補強板51f,51g間および補強板51f,51gと対応して位置する収容室B内の補強板51d,51e間で、一対の側壁板30a,30aおよび隔壁板30bを貫通する筒状部材として形成されている(図3参照)。
【0031】
また、図3ないし図6に示すように、ガイド板40の補強部40aには、ビーム31の先端に固着されたジャッキ(油圧シリンダ)32のヘッド部分32a(ビーム31の上方に突き出た部分)が遊嵌できる切り欠き44が形成されている。また、切り欠き44によって強度的に弱くなる補強部40aの端部には補強板49が溶着されている。この補強板49は、上板30cと側壁板30aと隔壁板30bとに溶着されて補強部40aを補強するとともに、ジャッキ32のヘッド部分32aとビーム31とが貫通できる開口65を有している。この開口65は、図6に拡大して示すように、ヘッド部分32aが貫通可能な小幅な第1の口部65aと、この第1の口部65aから連続して形成されビーム31が貫通可能な大幅な第2の口部65bとを有する段付き開口として形成されている。
【0032】
なお、図5および図6は、ジャッキ32のヘッド部分32aが開口65を貫通して切り欠き44に遊嵌した状態を示している。
また、ガイド板40の先端部の下側には、隔壁板30bまたは側壁板30aに溶着された一対のビーム支持体47,47が設けられている。これらのビーム支持体47,47は、所定の長さを有するレール部材として、ビーム31の上板31bの両側縁部sを下側から支持してその倒れ込みを防止している。すなわち、ビーム31は、一対の側板31a,31aと、これらの側板31a,31a同士を連結する上板31bとを有しており、側板31a,31aの上縁部から側方に突出する上板31bの両側縁部sをビーム支持体47,47によって下側から支持してやることで、収容空間C内を車体の側方に張り出す方向にスライドするビーム31がその重心移動によって下方に傾倒してしまうことが防止されるようになっている。なお、この場合、ビーム支持体47,47は、ビーム31のスライド動作をガイドするガイド部材としても作用する。
【0033】
以上説明したように、本実施形態のアウトリガ装置12は、そのアウトリガボックス30が車体フレーム4内に一体的に設けられているため、アウトリガボックス30を大型化することなくその強度を向上させることができるとともに、必然的に車体フレーム4の剛性も高めることができ、また、アウトリガボックス30に作用する負荷を車体フレーム4全体で受けて分散させることができる。したがって、結果的に、従来のような筒状アーム102(図7の(b)参照)を設ける必要がなくなり、アウトリガボックス30を含む車体フレーム4全体の軽量化が図られ、さらに、車体フレーム4の下方にアウトリガボックス30を突出させないで済むためロードクリアランスも十分に確保することができる。
【0034】
また、アウトリガボックス30を車体フレーム4に一体に組み込むことにより、車体フレーム4の軸線とビーム31の軸線とが近づき、クレーン作業中にビーム31を張り出して車体を支持した際の支持力の伝達が良好となり、クレーン作業時においてアウトリガボックス30を含む車体フレーム4全体に作用する捩じりを最小限に抑えることができる。
【0035】
また、本実施形態のアウトリガ装置12は、クレーン作業時に大きな負荷が作用する部位、特に、極圧が作用するアウトリガボックス30とビーム31との重なり領域の端部付近を強固に補強するために、アウトリガボックス30の内部空間に補強部材を設けるスペースを確保している。
【0036】
すなわち、本実施形態のアウトリガ装置12のように、車体フレーム4内にアウトリガボックス30を組み入れてアウトリガボックス30の高さを車体フレーム30の高さと略同一にする場合(無論、この場合のみに限らないが)には、アウトリガボックス30内に収納されるビーム31の高さをアウトリガボックス30の高さに対応して高くしなくてもビーム31に十分な強度を持たせることができる場合がある。したがって、本実施形態では、この点に着目し、前述したように、ビーム31の高さを例えば従来通りの高さに維持するとともに、アウトリガボックス30の高さを車体フレーム4の高さに揃えてアウトリガボックス30の高さが従来の高さよりも高くなった分に相当するアウトリガボックス30内の残余空間を補強部材を設けるスペースとして活用している。
【0037】
具体的には、前述したように、アウトリガボックス30の高さよりもその高さが低いビーム31をガタつくことなくアウトリガボックス30内でスライドさせるために、ガイド板40,41によってビーム31をガイドするとともに、これらのガイド板40,41によってアウトリガボックス30の各収容室A,B内を3つの空間、すなわち、2つの補強部材配置空間D,Eとビーム収容空間(ビームスライド空間)Cとに区画したものである。つまり、本実施形態において、ガイド板40,41は、補強スペースを確保し且つビーム31をガイドするための部材として機能する。また、ガイド板40,41は、アウトリガボックス30をいわば多層の箱構造とし、それ自身もアウトリガボックス30を補強する補強部材として機能する。これにより、強固で軽量な補強が実現される。
【0038】
以上のように、ガイド板40,41は、単にビーム31をガイドするためのものではなく、補強スペースを確保し且つ補強部材として機能するために、アウトリガボックス30に配設されているものである。
【0039】
また、本実施形態のアウトリガ装置12は、ガイド板40,41によって確保された2つの補強部材配置空間D,E内に複数の補強板51a〜51gを配設してアウトリガボックス30の補強を行なっているが、特に、従来の筒状アーム102(図7の(b)参照)と同様またはそれ以上の補強作用を確保するため、第1に、アウトリガ装置12による支持状態で極圧が作用するアウトリガボックス30の端部で、各ガイド板40,41を厚肉に形成した補強部40a,41aとし、第2に、ガイド板41の補強部41aを補強する第2の補強部材配置空間E内の補強板51aを特に肉厚に形成し、第3に、補強部40aに切り欠き44を形成したことによる強度上の弱さを補強板49によって補強している。
【0040】
特に、補強板49は、以下に述べるような作用をなす。すなわち、アウトリガ装置12による支持状態において地面から反力が作用すると、これに伴う伝達力が、切り欠き44によって強度的に弱くなっているアウトリガボックス30の側壁30a(隔壁30b)の端部に作用して、これらの端部を外側に拡開させようとする。しかしながら、この時、補強板49が、側壁30a(隔壁30b)の端部を含む切り欠き44周囲全体の構造を箱構造として強化し、側壁30a(隔壁30b)すなわち切り欠き44が外側に拡開しようとする力に対抗する。無論、このような構造の実現は、アウトリガボックス30内の残余空間を補強部材を設けるスペース(第1の補強部材配置空間D)として確保したために可能となったものである。
【0041】
なお、本実施形態においては、一対のガイド板40,41によってビーム31が案内されて補強部材のためのスペースが確保されているが、これに限らず、例えば、1つのガイド板とアウトリガボックス30の底板30d(もしくは上板30c)とによってビーム31を案内するとともに、前記ガイド板の上側(または下側)に補強部材のためのスペースを確保するようにしても良い。
【0042】
また、本実施形態のアウトリガ装置12は、そのガイド板40に複数の開口50を有しているため、ガイド板40の軽量化ひいてはアウトリガボックス30の軽量化を図ることができるとともに、アウトリガ装置12の組み立てやメンテナンスがこの開口50によって容易となる。
【0043】
また、本実施形態のアウトリガ装置12は、ガイド板40の端部に、ジャッキ32のヘッド部分32aが遊嵌できる切り欠き44が形成されているため、車幅内にビーム31とジャッキ32とを収めることができるのみならず、アウトリガボックス30の長さを車幅一杯に設定できることから、収容室A内に収納できるビーム31の長さを長くとることができ、したがって、ビーム31の張り出し幅を長することができる。
【0044】
また、本実施形態のアウトリガ装置12は、アウトリガボックス30の上部(または下部)と車体フレーム4の上部(または下部)とを連結部60によって連結しているため、アウトリガボックス30に作用する剪断力を車体フレーム4側に伝達して受けることができる。すなわち、従来のように車体フレーム4の下側にアウトリガボックス30が取り付けられた構造では、アウトリガボックス30に作用する剪断方向の力を車体フレーム4の下面で受けることができるが、車体フレーム4にアウトリガボックス30を組み込んだ本実施形態の構造では、アウトリガボックス30に作用する剪断方向の力を受ける部分がなくなる。そこで、連続部60を設け、この連続部60によって剪断力を車体フレーム4側に伝達して受けるようにしている。
【0045】
また、本実施形態のクレーン車1は、車体フレーム4内に駆動軸10を貫通させるようにしている。したがって、以下に示すような作用効果を奏する。
まず、車体フレーム4内に車軸10を貫通させたことに伴い、車体フレーム4の上面位置を下げることができる。すなわち、車体フレーム4の地上高さを従来よりも低くすることができる。そのため、ブーム等を備える旋回体8を必然的に低くすることができ、車体の重心位置を十分に低くすることができる。したがって、転倒角を大きくすることができ、クレーン作業中の安定度が大きくなる。
【0046】
また、重心位置を十分に低くすることができることから、高さ方向に余裕ができる。したがって、車体フレーム4それ自体の高さ(車体フレーム4の上面の地上高さではない)を従来よりも高くすることができ、車体フレーム4の断面積を大きくすることができる。
【0047】
すなわち、本実施形態のように、車体フレーム4内に車軸10を取り込んでしまう構造では、車体フレーム4を従来の車輪の位置まで下げることができ、それに伴って、従来において許容されていた車体フレーム4の上面高さ位置まで高さ方向に余裕ができる。その結果、その余裕高さの分だけ車体フレーム4それ自体の高さを高くすることができることとなる。車体フレーム4それ自体の高さを高くできると言うことは、すなわち、車体フレーム4の断面係数を高さ方向でかせぐことができるということである。したがって、車体フレーム4の断面係数を大きくすることができ、車体フレーム4の曲げ強度を大きくすることができる。これは、フレーム4を幅方向に長くするよりも高さ方向に高くして断面係数を高さ方向でかせぐ方が、フレーム4の長手軸に対する断面係数を大きくすることができ、フレーム4の曲げモーメントに対する強度を大きくすることができるからである。
【0048】
また、従来は、道路交通法による高さ制限や重心の問題などによって、車体フレーム4をあまり高い位置に配置することがきなかったため、フレーム4を幅方向に広げることによってしかフレーム4の強度を確保することができなかったが、本実施形態のように車体フレーム4内に車軸10を取り込んだ構造とすることにより、幅方向のみならず高さ方向にも車体フレーム4を広げることができるため、車体フレーム4の断面積を従来よりも大きくすることができる。
【0049】
また、フレーム4を下方に下げることに伴って、フレーム4内に伝達軸17や変速機18といった各種の構成要素を配置するようにしたため、これらの構成要素が路面の障害物によって破損することを防止できる。
【0050】
また、本実施形態のように車軸10を取り込むことによってフレーム4を下方に下げることができると、従来、フレーム4の下側に配置されていたアウトリガボックス30がフレーム4に取り込まれた状態となる。すなわち、特に、本実施形態のようなクレーン車1(車体フレーム4内を車軸10が貫通する形態)では、車体フレーム4にアウトリガ装置12を組み込ませるというよりも、むしろ、車体フレーム4を下げることによってアウトリガ装置12が車体フレーム4に吸収されたと言うことができる。したがって、車体フレーム4にアウトリガ装置12が組み込まれてしまうことから、前述したようなアウトリガ装置12の特徴的な構成を具備する必要性があったと言うこともできる。
【0051】
なお、本実施形態では、車体フレーム4内に貫通される車軸が駆動軸10であったが、無論、駆動軸である必要はない。また、車軸の全てが車体フレーム4内を貫通している必要はない。
【0052】
また、本実施形態において、車体フレーム4はそのほぼ全長にわたって断面が閉じられた形状に形成されているが、底板4bや側板4cなどにメンテナンス用の開口が一部設けられていても良い。
【0053】
さらに、本実施形態では、貫通穴29を通じて駆動軸10が車体フレーム4内を貫通するようになっているが、側板4cにその下縁部から上板4aに向けて延びる切り欠きを設け、この切り欠きを通じて駆動軸10が車体フレーム4内を貫通する構成としても良い。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のアウトリガ装置は、アウトリガボックスの重量の増大を伴うことなくその構造の強化を有効且つ確実に図ることができ、ロードクリアランスを十分に確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るアウトリガ装置が設けられた自走式クレーンの一例を示す全体図である。
【図2】(a)は図1の自走式クレーンの車体フレームの平面図、(b)は(a)の車体フレームの側面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るアウトリガ装置の斜視図である。
【図4】図3のアウトリガ装置の内部構造を示す斜視図である。
【図5】ジャッキのトップ部分がガイド板の切り欠きに遊嵌した状態を示すアウトリガ装置の部分斜視図である。
【図6】ジャッキのトップ部分がガイド板の切り欠きに遊嵌した状態を示すアウトリガ装置の正面図である。
【図7】(a)は従来の車体フレームとアウトリガ装置との取り付け構造の一例を示す側面図、(b)は(a)のI方向背面図である。
【図8】従来の車体フレームとアウトリガ装置との取り付け構造の他の例を示す側面図である。
【符号の説明】
4…車体フレーム
12…アウトリガ装置
30…アウトリガボックス
31…ビーム
40,41…ガイド板
49,51a〜51g…補強板(補強部材)
A,B…収容室
C…ビーム収容空間
D,E…補強部材配置空間(配設スペース)

Claims (1)

  1. ビームをスライド可能に収容する収容室を有するアウトリガボックスを備え、アウトリガボックスの収容室内で前記ビームをスライドさせて前記ビームを車体の側方に張り出すことによって前記ビームの先端に設けられた支持部を支点として車体を支持するアウトリガ装置において、
    前記アウトリガボックスは、前記車体フレームの側面より側方へ張り出した部分を含み、前記アウトリガボックスの上面と下面が車体フレームの上面と下面との間に位置する高さの範囲内に配置されて前記車体フレームに組み込まれ、
    前記アウトリガボックス内には、前記収容室に収納した前記ビームを案内するガイド部材を設け、このガイド部材と前記アウトリガボックスの板部材の間には、複数の補強部材を配置する空間を形成し、前記補強部材を、前記空間を横切って周囲の部材に結合し、
    さらに、前記アウトリガボックスの張出し端部の入り口に位置したガイド部材が他のガイド部材よりも肉厚な補強部を形成し、かつ、この補強したガイド部には、前記ビームの支持部を入り込ませて収納する切り欠きを形成したことを特徴とするアウトリガ装置。
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