JP3664359B2 - ワイヤソー用溝ローラおよびその組み付け構造 - Google Patents

ワイヤソー用溝ローラおよびその組み付け構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はワイヤソー用溝ローラおよびその組み付け構造、詳しくはワイヤソー用溝ローラから落ち込んだワイヤが、ワイヤソー用溝ローラとスピンドルとの間に入り込み、その部分を損傷させることを防止するワイヤソー用溝ローラおよびその組み付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
ワイヤソーは、繰出しボビン(またはリールともいう)から導出されたインゴット切断用のワイヤが、複数本の溝ローラに対してコイル状に巻き架けられた後、巻取ボビンに巻き取られる装置構成となっている。したがって、例えば単結晶シリコンなどのインゴットの切断時には、ラッピングオイルに遊離砥粒(以下、単に砥粒という場合がある)を含むスラリー状の砥液をインゴットに一定量連続供給しながら、往復走行するワイヤ列に1本のインゴットを相対的に押し付けて、砥粒の研削作用により、1本のインゴットを多数枚のウェーハに切断することとなる。具体的には、ワイヤ列の往復走行時に、砥液中の遊離砥粒を各ワイヤによりインゴットの切断溝の底部に押し付けながら削り取って切断する。溝ローラは、円筒形状の台金の外周面に所定厚さのウレタンゴムをライニングし、このウレタンゴムの外周面にローラ溝を刻設したものである。
各々のワイヤソー用溝ローラは、対向配置された一対の回転自在なスピンドル間に組み付けられている。具体的な組み付け構造の一例を挙げると、ワイヤソー用溝ローラの両端面に突設されたテーパ状の凸嵌合部と、各スピンドルのローラ側の端面に形成された凹嵌合部とを合致し、両側方からスピンドルを押圧する構造などが挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ワイヤソー用溝ローラのローラ溝に巻き架けられたワイヤは、断線または脱線した場合、ワイヤソー用溝ローラとスピンドルとの組み付け部に不都合を起こし易い。
すなわち、断線等したワイヤが、ワイヤソー用溝ローラの外端から落ち込む。その後、このワイヤがローラ端面から突出した凸嵌合部のテーパ面を傾きのあるガイドとして使いスピンドル側へ滑って行く。そして、両凹,凸嵌合部の嵌合隙間に潜り込むことで、これらの凹,凸嵌合部の各嵌合面を傷つけるおそれがあった。損傷時は、このダメージを取るため、テーパ部の修正が必要となる。
【0004】
そこで、発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、ワイヤソー用溝ローラのローラ端部の外周面、または、ワイヤソー用溝ローラとスピンドルとの組み付け部の一部を構成する徐々に先細化したテーパ状の凸嵌合部に、ワイヤ受け用環状溝を刻設するかまたはワイヤ受け用凸部を突設すれば、このワイヤソー用溝ローラのローラ端から落ち込んだワイヤが、この組み付け部の凹,凸嵌合部の嵌合隙間に潜り込んで、この部分を損傷させることを防止することができることを突き止め、この発明を完成させた。
【0005】
【発明の目的】
この発明は、ワイヤソー用溝ローラとスピンドルとの組み付け部である凹,凸嵌合部の嵌合隙間にワイヤが潜り込んで生じる、凹,凸嵌合部の嵌合面の損傷を防止することができるワイヤソー用溝ローラおよびその組み付け構造を提供することを、その目的としている。
この発明は、上記目的を達成すると同時に、ワイヤ受け用環状溝のスラリー詰まりを防止することができるワイヤソー用溝ローラおよびその組み付け構造を提供することを、その目的としている。
この発明は、ワイヤ受け用環状溝を通してワイヤが凹,凸嵌合部の嵌合隙間へ潜り込むことを防止することができるワイヤソー用溝ローラの組み付け構造を提供することを、その目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、ローラ外周面にコイル状にワイヤが巻き架けられ、しかも徐々に先細化したテーパ状の凸嵌合部とこれに嵌合する凹嵌合部とを有するローラ組み付け構造部を介して、一対のスピンドル間に組み付けられるワイヤソー用溝ローラにおいて、上記コイルが巻き架けられるローラ外周面の端部に、ワイヤ受け用環状溝を刻設し、上記ローラ外周面の端から落ち込んだワイヤが、上記ワイヤソー用溝ローラおよびスピンドルの凹嵌合部,凸嵌合部の嵌合隙間に潜り込むことを防止するワイヤソー用溝ローラである。
【0007】
この発明が適用されるワイヤソーはどのような種類のものでもよい。例えば、インゴットを動かしてワイヤ列に押圧、接触させて切断するものでもよく、反対にワイヤ列を動かしてインゴットに押圧、接触させて切断するものでもよい。また、ワイヤ列の上部にインゴット下面が当接するものでもよく、また、ワイヤ列の下部にインゴット上面が押し当てられるものでもよい。
切断に使用される砥液としては、例えば平均粒径10〜50μmのSiCなどの砥粒を含む周知のものを使用することができる。
ワイヤソーにより切断されるインゴットとしては、例えばシリコン単結晶、化合物半導体単結晶、磁性材料、石英、セラミックスなどが挙げられる。
また、ワイヤソー用溝ローラとスピンドルとには、両者の組み付け構造部を構成する、徐々に先細化したテーパ状の凸嵌合部か、これに嵌合する凹嵌合部かの何れかが形成されている。
【0008】
ワイヤ受け用環状溝の場合、その溝幅は、通常、直径が0.16〜0.20mmであるウェーハ切断用のワイヤが入り込むことができれば、限定されない。また、この溝の深さは、このワイヤが、容易に飛び出すことなく溝内に止まる深さであれば限定されない。以上、これらの事項は、請求項2にも該当する。
通常、ワイヤソー用溝ローラの両端部の外周面には、その両端部にワイヤ溝の刻設されていない平滑な部分が存在する。この請求項1の発明は、この平滑部分に、ローラ端からのワイヤの落ち込みを防止する、ワイヤ受け用環状溝を設けるようにしている。ワイヤ受け用環状溝の形成本数(個数)は限定されない。また、ここでいうワイヤソー用溝ローラの外周面の端部とは、一方の端部でも、両方の端部でもよい。
【0009】
請求項2の発明は、ローラ外周面にコイル状にワイヤが巻き架けられたワイヤソー用溝ローラを、徐々に先細化したテーパ状の凸嵌合部およびこれに嵌合する凹嵌合部を介して、一対のスピンドル間に組み付けるワイヤソー用溝ローラの組み付け構造において、上記徐々に先細化した凸嵌合部の外周面のうち、嵌合時に露呈する部分に、ワイヤ受け用環状溝を刻設および/またはワイヤ受け用凸部を突設して、上記ワイヤソー用溝ローラのローラ外周面の端から落ち込んだワイヤが、上記凹,凸嵌合部の嵌合隙間に潜り込むことを防ぐワイヤソー用溝ローラの組み付け構造である。
【0010】
凸嵌合部のテーパ面(外周面)に刻設されるワイヤ受け用環状溝は、このテーパ面の全周にわたって設けられていれば、その刻設本数は1本でも複数本でもよい。これに対して、ワイヤ受け用凸部は、その凸嵌合部のテーパ面に、部分突起が1個または複数個形成されていても、またワイヤ受け用環状溝の場合と同様に、凸嵌合部のテーパ面の全周にわたって設けられた1本または複数本の環状の突起であってもよい。なお、これらのワイヤ受け用環状溝とワイヤ受け用凸部とは並設してもよい。
さらに、例えば請求項1と請求項2とを合体させて、ローラ外周面の端部に、ワイヤ受け用環状溝またはワイヤ受け用凸部を設ける。しかも、凸嵌合部にワイヤ受け用環状溝またはワイヤ受け用凸部を設ける。このようなものでもよい。ワイヤの緩みが小さければ、ローラ端部側のワイヤ受け用環状溝またはワイヤ受け用凸部によってワイヤを捕獲する。一方、ワイヤの緩みが大きければ、凸嵌合部のワイヤ受け用環状溝またはワイヤ受け用凸部によってワイヤを捕獲する。
【0011】
請求項3の発明は、上記凸嵌合部のテーパ状のローラ外周面に、上記ワイヤ受け用環状溝が複数本刻設されている請求項2に記載のワイヤソー用溝ローラの組み付け構造である。
凸嵌合部の外周面に刻設されたワイヤ受け用環状溝の間隔は、任意でよい。
【0012】
【作用】
この発明によれば、ワイヤソー用溝ローラに巻き架けられたワイヤが断線または脱線した場合、ワイヤがワイヤソー用溝ローラの外端から落ち込み、ワイヤソー用溝ローラとスピンドルとの組み付け構造部の一部を構成する、溝ローラまたはスピンドルの端面から突出した徐々に先細りした凸嵌合部のテーパ面に沿って、それらの嵌合隙間へ滑って行こうとする。ところが、請求項1の場合には、ローラ外周面の端部に、ワイヤ受け用環状溝が設けられている。また、請求項2,請求項3の場合には、凸嵌合部の外周面にワイヤ受け用環状溝および/またはワイヤ受け用凸部が設けられている。
【0013】
したがって、断線等したワイヤは、請求項1の場合、ローラ端部の窪んだワイヤ受け用環状溝に嵌まって捕らえられる。また、請求項2,請求項3の場合には、このワイヤが、上記組み付け構造部の凸嵌合部の先端側へ移動中に、ワイヤ受け用環状溝またはワイヤ受け用凸部に捕らえられる。これにより、ワイヤが、凹,凸嵌合部の、実際に嵌合している部分の嵌合隙間へ潜り込むことが阻止され、その結果、凹,凸嵌合部の各嵌合面を傷つけるおそれを解消することができる。
【0014】
特に、請求項3の発明によれば、凸嵌合部のテーパ状の外周面に、ワイヤ受け用環状溝が複数本刻設されているので、組み付け構造部を構成する凹,凸嵌合部の嵌合時に、凸嵌合部に刻設された複数本のワイヤ受け用環状溝のうち、先端側にあるワイヤ受け用環状溝の一部が、仮に両凹,凸嵌合部の嵌合範囲に跨がっていても、ワイヤは、これ以外の、外部に露出しているワイヤ受け用環状溝に落ち込んで引っ掛かる。この結果、ワイヤが、ワイヤ受け用環状溝を通して凹,凸嵌合部の嵌合隙間へ潜り込むことが阻止される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施例を図面を参照して説明する。
図1はこの発明の第1実施例に係るワイヤソー用溝ローラ(以下、単に溝ローラ)が適用されたワイヤソーの要部模式図である。図2は同溝ローラの組み付け部周辺の拡大断面図である。
【0016】
図1において、10は第1実施例の溝ローラが適用されたワイヤソーであり、このワイヤソー10は、CZ法により引き上げられた単結晶シリコン製のインゴットIを多数枚のウェーハにワイヤ切断する装置である。ワイヤソー10は、多数本のワイヤを横一列に束ねた形状のワイヤ列11を有している。ワイヤ列11は、正面視して逆三角形状に配置された3本の溝ローラ12間で、駆動モータにより往復走行される。上側に配置された2本の溝ローラ12の中間がインゴットIの切断位置となっている。この切断位置の両側の上方には、砥液をワイヤ列11上に連続供給する図外の砥液供給部が例えば一対配設されている。なお、各溝ローラ12はSUS(ステンレス)製である。
【0017】
ワイヤ11aは、繰出しリール13のボビン20から導出され、これらの溝ローラ12に架け渡された後、巻取リール15のボビン21に巻き取られている。繰出しリール13および巻取リール15の回転軸は、駆動モータ16,17の出力軸にそれぞれ連結されている。
各駆動モータ16,17を駆動、回転すると、一対の軸受18に軸支された各ボビン20,21が、その軸線を中心として図1における時計回り方向または反時計回り方向に回転して、ワイヤ11aが往復走行する。なお、図1において、19はインゴットIを固定するカーボンベッド、19aはインゴットIの昇降台である。
【0018】
次に、図2を参照しながら、第1実施例に係る溝ローラ12を詳細に説明する。ここでは、3本の溝ローラのうちの2本、従動側の溝ローラを例にとる。なお、駆動側の溝ローラも基本構造は同じである。
図2に示すように、第1実施例に係る各溝ローラ12は、それぞれ所定間隔をあけて配置された一対の軸受30,31間に軸支されている。
各軸受30,31は、連結プレート(アーム)32aを介して、外部部材に固定された円筒ケーシング32を有している。この円筒ケーシング32には、インナスリーブ33が内嵌されている。インナスリーブ33の内部には、6個のベアリング34を介して、スピンドル35,36が周方向へ回転自在に装着されている。また、インナスリーブ33の外面で連結プレート(またはアーム)32aとの間には水冷ジャケットが配設され、これらの加熱を防止している。
【0019】
溝ローラ12は、SUS製で厚肉な円筒状の台金12Aを有している。台金12Aの外周面には、ピッチの短い平行溝である多数本のワイヤ溝12aが、厚さ5〜20mmのウレタンゴム12cのライニングを施して、形成されている。また、台金12Aの中央部から両端部付近にかけては、比較的薄肉なローラ補強筒材39が内嵌されている。なお、このローラ補強筒材39は必ずしも必要ではない。
さらに、台金12Aの両端部には、同じくSUS製のスリーブ端板40が内嵌されている。各スリーブ端板40の外端面の中心部には徐々に先細化したテーパ状の凸嵌合部40aが一体形成されている。この凸嵌合部40aの外周面には、幅5mm、深さ5mmのワイヤ受け用環状溝40bが1本だけ刻設されている。両凸嵌合部40aは、スピンドル35,36の溝ローラ12側の端面中央部に陥没形成された凹嵌合部35a,36aに嵌合されている。これにより、左右のスピンドル35,36と中央の溝ローラ12とは一体的に回転する。なお、スリーブ端板40側に凹嵌合部を陥没形成し、かつスピンドル35,36側に凸嵌合部を突設してもよい。
【0020】
なお、図2において、41はベアリング34の外部脱落を防止する内蓋リングである。42は内蓋リング41に掛合する外蓋リングである。43はスピンドル35に螺着されて、内蓋リング42を固定する止めリングである。44,45は溝ローラ12側へのベアリング34の外部突出を防止する蓋リングである。46は軸受31側の円筒ケーシング32に外嵌されて、スピンドル36の頭部を被う厚肉なキャップである。
【0021】
次に、この溝ローラ12が配備されたワイヤソー10によるインゴットIの切断方法を説明する。
図1に示すように、ワイヤソー10は、砥液を砥液供給部から供給しながら、駆動モータ16により繰出しリール13のボビン20を回転させて、ワイヤ11aを導出する一方、駆動モータ17により巻取リール15のボビン21を回転させてワイヤ11aを巻き取る。そして、適宜、各ボビン20,21の回転方向を変えることで、ワイヤ11aを往復走行させる。このとき、図外の回転モータによって駆動側の溝ローラ12を回転させ、ワイヤ列11を往復動させる。これに伴い、他の2本の従動側の溝ローラ12を軸受30,31間で回転させる。
このワイヤ列11の往復走行時に、上方からインゴットIをワイヤ列11へ押し付ける。これにより、インゴットIが何枚ものウェーハに切断される。すなわち、ワイヤ列11の往復走行時に、砥液中の遊離砥粒がワイヤ列11のワイヤ11aにより切断溝の底部に擦りつけられることにより、その底部が徐々に削り取られ、最終的に多数枚の薄いウェーハが切断される。
【0022】
ところで、この第1実施例において、ワイヤソー10の溝ローラ12に巻き架けられたワイヤ11aが、断線したり、脱線したりする場合がある。このとき、図2の部分拡大図に示すように、ワイヤ11aが溝ローラ12の外端から凸嵌合部40a側に落ち込むことがある。この際、ワイヤ11aが、徐々に先細化した凸嵌合部40aのテーパ面を先端側へ向かって滑って行く。この途中、凸嵌合部40aの外周面に形成されたワイヤ受け用環状溝40bに、ワイヤ11aが嵌まり込む。
【0023】
この結果、ワイヤ11aが、実際に嵌合している凹嵌合部35a,36aと、凸嵌合部40aの先端部との嵌合隙間に潜り込むことを防止することができる。これにより、凹,凸嵌合部35a,36a,40aの各嵌合面を傷つけるおそれが解消される。
しかも、このようにワイヤ受け用環状溝40bが、幅5mm、深さ5mmという、比較的幅の広く浅い溝であるので、このワイヤ受け用環状溝40bに微細な砥粒を含むスラリーが詰まることを防止することができる。
【0024】
次に、図3に基づいて、この発明の第2実施例に係るワイヤソー用溝ローラを説明する。
図3は第2実施例に係る溝ローラの組み付け部周辺の部分拡大断面図である。
図3に示すように、第2実施例の溝ローラ50は、スリーブ端板40Aの凸嵌合部40cのテーパ面に、ワイヤ受け用環状溝40dを2本刻設した例である。凹,凸嵌合部35a,40cの嵌合時において、仮にこの凸嵌合部40cに刻設された2本のワイヤ受け用環状溝40dのうち、先端側の溝40dの一部が、両凹,凸嵌合部35a,36a,40cの嵌合範囲に跨がっても、全体が露出している元側のワイヤ受け用環状溝40d内にワイヤ11aが引っ掛かる。この結果、上記嵌合範囲に跨がるように配置されてしまった先側のワイヤ受け用環状溝40dを通して、ワイヤ11aが凹,凸嵌合部35a,40cの嵌合隙間へ潜り込むのが防止することができる。
その他の構成、作用および効果は、第1実施例と同様であるので、説明を省略する。
【0025】
次に、図4に基づいて、この発明の第3実施例に係るワイヤソー用溝ローラを説明する。
図4は第3実施例に係る溝ローラの組み付け部周辺の部分拡大断面図である。
図4に示すように、第3実施例に係る溝ローラ60は、スリーブ端板40Bの凸嵌合部40eのテーパ面に、ワイヤ受け用凸部40fを一体的に周設した例である。脱線または断線したワイヤ11aは、このワイヤ受け用凸部40fによりせき止められる。この結果、ワイヤ11aが凹,凸嵌合部35a,40eの嵌合隙間へ潜り込むことが阻止される。なお、このワイヤ受け用凸部40fの高さを5mm程度と低くすれば、第1実施例および第2実施例のワイヤ受け用環状溝40b,40dの場合と同様に、このワイヤ受け用凸部40fにより微細な砥粒を含むスラリーがせき止められて詰まることを防止することができる。
その他の構成、作用および効果は、第1実施例と同様であるので、説明を省略する。
【0026】
【0027】
次に、図5に基づいて、この発明の第4実施例に係るワイヤソー用溝ローラを説明する。
図5は第4実施例に係る溝ローラの組み付け部周辺の部分拡大断面図である。
図5に示すように、第4実施例に係る溝ローラ80は、台金12Aのローラ外周面の平滑な両端部に、ワイヤ受け用環状溝12eを設けた例である。脱線または断線したワイヤ11aは、溝ローラ80の端から落ち込む前に、ワイヤ受け用環状溝12eに捕獲される。
その他の構成、作用および効果は、第4実施例と同様であるので、説明を省略する。
【0028】
【発明の効果】
この発明によれば、ワイヤソー用溝ローラのローラ外周面の端部(請求項1)、またはワイヤソー用溝ローラまたはスピンドルの何れかの側にある凸嵌合部のテーパ面(請求項2,請求項3)に、ワイヤ受け用環状溝かワイヤ受け用凸部かを突設したので、ワイヤソー用溝ローラのワイヤが断線または脱線しても、このワイヤは、ローラ外周面の端部、または、凸嵌合部のテーパ面に沿って先端側へ移動している途中で、窪んだワイヤ受け用環状溝や、突出したワイヤ受け用凸部に捕らえられる。この結果、ワイヤが、凹,凸嵌合部の嵌合隙間に潜り込み、両凹,凸嵌合部のそれぞれの嵌合面が損傷されるおそれを解消することができる。
【0029】
特に、請求項3の発明によれば、凸嵌合部のテーパ状の外周面に、ワイヤ受け用環状溝を複数本刻設するようにしたので、仮に凹,凸嵌合部の嵌合時に、先端側にあるワイヤ受け用環状溝の一部が、両凹,凸嵌合部の嵌合範囲に跨がっていても、断線などしたワイヤは、その他の、外部に露出したワイヤ受け用環状溝に引っ掛かる。この結果、ワイヤ受け用環状溝を通してワイヤが凹,凸嵌合部の嵌合隙間へ潜り込むことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1実施例に係るワイヤソー用溝ローラが適用されたワイヤソーの要部模式図である。
【図2】 この発明の第1実施例に係るワイヤソー用溝ローラの組み付け部周辺の拡大断面図である。
【図3】 この発明の第2実施例に係るワイヤソー用溝ローラの組み付け部周辺の拡大断面図である。
【図4】 この発明の第3実施例に係るワイヤソー用溝ローラの組み付け部周辺の拡大断面図である。
【図5】 この発明の第4実施例に係るワイヤソー用溝ローラの組み付け部周辺の拡大断面図である。
【符号の説明】
10 ワイヤソー、
11a ワイヤ、
12,50,60,70,80 ワイヤソー用溝ローラ、
12e,40b,40d ワイヤ受け用環状溝、
12d,40f ワイヤ受け用凸部、
40a,40c,40e,40g 凸嵌合部、
35,36 スピンドル、
35a,36a 凹嵌合部、
I インゴット。

Claims (3)

  1. ローラ外周面にコイル状にワイヤが巻き架けられ、しかも徐々に先細化したテーパ状の凸嵌合部とこれに嵌合する凹嵌合部とを有するローラ組み付け構造部を介して、一対のスピンドル間に組み付けられるワイヤソー用溝ローラにおいて、
    上記コイルが巻き架けられるローラ外周面の端部に、ワイヤ受け用環状溝を刻設し、上記ローラ外周面の端から落ち込んだワイヤが、上記ワイヤソー用溝ローラおよびスピンドルの凹嵌合部,凸嵌合部の嵌合隙間に潜り込むことを防止するワイヤソー用溝ローラ。
  2. ローラ外周面にコイル状にワイヤが巻き架けられたワイヤソー用溝ローラを、徐々に先細化したテーパ状の凸嵌合部およびこれに嵌合する凹嵌合部を介して、一対のスピンドル間に組み付けるワイヤソー用溝ローラの組み付け構造において、
    上記徐々に先細化した凸嵌合部の外周面のうち、嵌合時に露呈する部分に、ワイヤ受け用環状溝を刻設および/またはワイヤ受け用凸部を突設して、上記ワイヤソー用溝ローラのローラ外周面の端から落ち込んだワイヤが、上記凹,凸嵌合部の嵌合隙間に潜り込むことを防ぐワイヤソー用溝ローラの組み付け構造。
  3. 上記凸嵌合部のテーパ状のローラ外周面には、上記ワイヤ受け用環状溝が複数本刻設されている請求項2に記載のワイヤソー用溝ローラの組み付け構造。
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