JP3664032B2 - 鋼板トリム不良検出方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エッジ部分をトリミングする装置(以下、サイドトリマと称する)により、鋼板幅出しのためのエッジ部分トリミング作業後の鋼板のエッジ不良を検出する方法および装置に係り、特にトリミングの良否判定を確実にしかも安価にして行なえるようにした鋼板トリム不良検出方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、鋼板の各種処理ラインにおいては、鋼板を所定の板幅に処理(鋼板幅出し)するため、例えば図5の斜視図に示すように、鋼板5の両端部をサイドトリマ81,82によって切り揃えるようにしている。
【0003】
この鋼板5のサイドトリミング作業の際には、サイドトリマ81,82の回転刃の刃欠け、回転刃の摩耗、鋼板5の蛇行およびキャンバ(反り返り)、あるいはエッジの形状が曲がりくねっているような状態(例えば耳波)等により、サイドトリミング作業中にトリム外れ、片切れおよびトリム屑残り等のトリム不良が発生する。
【0004】
サイドトリマ81,82の回転刃の刃欠けによるトリム面不良部は、図6の斜視図に示すように、鋼板5の端部に所定間隔で刃欠け部に起因するせん断残り部83が発生する。
【0005】
また、トリム外れによるトリム面不良は、図7の斜視図に示すように、鋼板5の端部にトリミングされないトリム外れ部分84が残存する。
【0006】
さらに、図8、あるいは図9の斜視図に示すように、サイドトリマ81,82の回転刃と鋼板5の幾つかの悪い条件が重なったような時には、鋼板5の端部にひげ状トリム層85、あるいはバリ状トリム層86が残ってしまうことがある。
【0007】
このように、トリム面不良が発生すると、冷間圧延時に耳割れが発生する等の鋼板品質の問題が生じる。
【0008】
特に、鋼板5の端部にひげ状、あるいはバリ状にトリム層85,86が残ってしまうと、外販用鋼板はクレームとなってしまい、次工程が冷間圧延ラインの場合には、鋼板5の端部に残ったトリム層85,86が鋼板5の内側に入り込み、そのまま圧延されて鋼板5の一部分の肉厚のみが薄くなり、鋼板5の破断に繋がることがある。このため、サイドトリミング作業後の鋼板5のトリム面検出を行なうことが重要となっている。
【0009】
ところで、サイドトリミング作業後の鋼板5のトリム面の検出は、一般的に、オペレータの目視による検出で行なわれている。
【0010】
しかしながら、このような目視による検出方法においては、処理ラインを停止させたり、または超低速にライン速度を低下させる必要があり、結果的に操業能率が低下するという問題がある。
さらに、目視による検出方法においては、不良の程度によっては見逃してしまう恐れがある。
【0011】
そこで、これらの問題に対して、幾つかの方法が提案されてきている。
【0012】
例えば、トリム面不良の原因の一つであるサイドトリマ81,82の回転刃に起因するトリム面不良については、回転刃の刃欠け検出、回転刃の変位検出等の方法により検出する方法が提案されている。
【0013】
また、回転刃の刃欠け検出方法としては、回転刃を軸支するチョックに取付けた振動計の出力を、回転刃の各回転角度毎にN(ただし、Nは自然数)回転の周期にわたって平均することによって、回転刃の1回転の周期に対応する周期数成分を抽出し、この抽出された周波数成分のレベルを所定のしきい値と比較することにより、回転刃の刃欠けの有無を検出する方法(例えば、特開平8−90009号公報)が提案されている。
【0014】
また、回転刃の変位検出による方法では、サイドトリマ81,82の上下回転刃の側面および局面の変位量を変位検出器により検出し、検出した上下回転刃の側面および局面の実測変位量とあらかじめ設定した上下回転刃の側面および局面の変位量のしきい値とをトリム面品質判定部で比較して、トリム面不良発生の有無を判定する方法(例えば、特開平11−197938号公報)が提案されている。
【0015】
さらに、トリム外れ、片切れを検出する方法または装置としては、発生した切断屑を案内する切断層ガイドと、この切断層ガイドの両側に設けられた照射光源、およびこの照射光源からの照射光を受光するイメージセンサと、このイメージセンサからの信号を処理する信号処理装置とを備えなる装置(例えば、特公昭62−53284号公報)が提案されている。
【0016】
一方、サイドトリミング作業後の鋼板のトリム面検出を目的としたものではないが、鋼板のエッジ部の欠陥検出装置としては、走行する帯状体のエッジ部を介して対向して投光手段および受光手段を配置し、受光手段に設けた帯状体の走行方向とほぼ直交する方向に配列しした複数の受光素子を走査して得られる出力に基づいて、その出力が走査開始時の第1の状態から最初に第2の状態になるまでの走査開始位置からの第1の長さデータ、走査開始時の第1の状態から最初の第2の状態を経て再び第1の状態になるまでの走査開始位置からの第2の長さデータ、および第1の状態にある全長さを表す第3の長さデータを演算手段で演算し、これらの長さデータに基づいて、帯状体のエッジ部の欠陥を検出する装置(例えば、特開平9−304296号公報)が提案されている。
【0017】
また、別の方法として、冷延鋼板を圧延するプロセスラインにエッジプロフィール計を設置して、鋼板のエッジ部の板厚分布を測定し、この計測された信号の中から冷延鋼板の長手方向におけるエッジ板厚の急激な落込みを検出して、エッジ割れ欠陥として判定する方法(例えば、特開平9−89809号公報)が提案されている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特開平8−90009号公報、および特開平11−197938号公報に開示されている方法においては、サイドトリマ81,82の回転刃に起因するトリム面不良は検出できるが、鋼板5の蛇行およびキャンバ(反り返り)等に起因するトリム面不良は検出することができない。
【0019】
また、前記特公昭62−53284号公報に開示されている装置においては、単純なトリム外れ、片切れを検出することはできるが、回転刃と鋼板の幾つかの悪い条件が重なった時に発生する鋼板端部のひげ状、あるいはバリ状のトリム屑残りは検出することができない。
【0020】
さらに、前記特開平9−304296号公報に開示されている装置においては、走行する帯状体のエッジ部を介して対向して投光手段および受光手段を配置したものであることから、ひげ状のトリム屑残りは検出できるが、バリ状のトリム屑残りは検出することができない。
【0021】
さらにまた、前記特開平9−89809号公報に開示されている方法においては、バリ状のトリム屑残りも検出することは可能であるが、X線等の放射線によるエッジプロフィール計を設置していることから、大掛りで高価な装置となってしまうという問題がある。
【0022】
本発明の目的は、エッジ部分トリミング作業後の鋼板のエッジ不良を検出する場合に、回転刃と鋼板の幾つかの悪い条件が重なった時に発生する鋼板端部のひげ状あるいはバリ状のトリム屑残りを、鋼板エッジの形状の曲がりくねっているような状態でも確実にしかも安価にして検出することが可能な鋼板トリム不良検出方法および装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に対する発明では、鋼板幅出しのためのエッジ部分トリミング作業後の鋼板のエッジ不良を検出する方法において、トリミング作業後の鋼板のエッジ部分における幅方向の各位置の明暗度を1次元カメラからなる第1の撮像手段により撮影して鋼板エッジの明暗度の1次元波形を得、第1の撮像手段からの1次元波形のエッジ部分の近傍位置に、予め定められたしきい値を下回る凹部が存在するか否か調べ、凹部が存在すればエッジ部分に大まかなトリム不良が有るとする第1次トリム不良判定を行ない、第1次トリム不良判定によりトリム不良が有ると判定された時に、トリミング作業後の鋼板の不良判定されたエッジ部分をカメラからなる第2の撮像手段により再度撮影して鋼板エッジの画像情報を得、第2の撮像手段からの画像情報を画像処理して、第1次トリム不良判定で判定した大まかなトリム不良が、トリム屑残りであるのか鋼板形状の変形であるのかの細かな第2次トリム不良判定を行なうようにしている。
【0024】
また、請求項2に対応する発明では、鋼板幅出しのためのエッジ部分トリミング作業後の鋼板のエッジ不良を検出する装置において、トリミング作業後の鋼板のエッジ部分における幅方向の各位置の明暗度を撮影して鋼板エッジの明暗度の1次元波形を得る1次元カメラからなる第1の撮像手段と、第1の撮像手段からの1次元波形の前記エッジ部分の近傍位置に、予め定められたしきい値を下回る凹部が存在するか否か調べ、凹部が存在すればエッジ部分に大まかなトリム不良が有ると判定する第1次トリム不良判定手段と、第1次トリム不良判定手段によりトリム不良が有ると判定された時に、トリミング作業後の鋼板の不良判定されたエッジ部分を再度撮影して鋼板エッジの画像情報を得るカメラからなる第2の撮像手段と、第2の撮像手段からの画像情報を画像処理して、第1次トリム不良判定手段で判定した大まかなトリム不良が、トリム屑残りであるのか鋼板形状の変形であるのかの細かなトリム不良判定を行う第2次トリム不良判定手段とを備えている。
【0025】
従って、請求項1および請求項2に対応する発明の鋼板トリム不良検出方法および装置においては、鋼板幅出しのためのエッジ部分トリミング作業後の鋼板のエッジ不良を検出する際に、1次元カメラでトリミング作業後の鋼板のエッジ部分を撮影して鋼板エッジの幅方向の明暗度の一次元波形を得て、この一次元波形に基づいて最初の大まかなトリム不良判定を行ない、このトリム不良判定によりトリム不良と判定された時に、別のカメラでトリミング作業後の鋼板の不良判定されたエッジ部分を再度撮影して得られる鋼板エッジの画像情報を画像処理して、この判定されたトリム不良が、トリム屑残りであるのか、鋼板形状の変形であるのかの最終的な細かなトリム不良判定を行なっている。
したがって、回転刃と鋼板の幾つかの悪い条件が重なった時に発生する鋼板端部のひげ状あるいはバリ状のトリム屑残りを、鋼板エッジの形状の曲がりくねっているような状態でも確実にしかも安価にして検出することができる。
一方、請求項3に対応する発明では、上記請求項2に対応する発明の鋼板トリム不良検出装置において、第2の撮像手段により得られた画像情報を表示する表示手段を付加している。
【0026】
従って、請求項3に対応する発明の鋼板トリム不良検出装置においては、再度撮影して得られた画像情報を表示することにより、鋼板のトリム不良の状態を即座に把握することができる。
【0027】
また、請求項4に対応する発明では、上記請求項2または請求項3に対応する発明の鋼板トリム不良検出装置において、第2次トリム不良判定手段によりトリム不良と判定された場合に、その旨を警報出力する警報手段を付加している。
【0028】
従って、請求項4に対応する発明の鋼板トリム不良検出装置においては、再度撮影して得られた画像情報からトリム不良と判定された場合に、その旨を警報出力することにより、鋼板のトリム不良の発生に迅速に対処することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0030】
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態による鋼板トリム不良検出装置の全体構成例を示す概要図であり、図5乃至図9と同一要素には同一符号を付して示している。
【0031】
図1において、不良検出対象となる鋼板5の上方に、固定の撮像手段である鋼板エッジ位置検出用CCDカメラ1を設置している。
【0032】
また、鋼板5の幅方向の両エッジ付近に、第1の撮像手段である1次元CCDカメラ6と第2の撮像手段である2次判定画像撮影用CCDカメラ2と照明3とを搭載したセンサ架台17を、ポジショニングアクチュエータ4に設置している。
【0033】
一方、1次元CCDカメラコントローラ7と、ポジショニングアクチュエータコントローラ8と、プログラマブルコントローラ9と、鋼板エッジ位置検出用CCDカメラコントローラ10と、リレー11と、2次判定画像撮影用CCDカメラコントローラ12と、表示手段である液晶モニタ13およびモニタ14と、画像処理用パソコン15と、警報装置16とを備えている。
【0034】
鋼板エッジ位置検出用CCDカメラ1は、トリミング作業後の鋼板5のエッジ部分を撮影して鋼板エッジの画像情報を得る。
【0035】
1次元CCDカメラ6は、トリミング作業後の鋼板5のエッジ部分を撮影して鋼板エッジの画像情報を得る。
【0036】
2次判定画像撮影用CCDカメラ2は、トリミング作業後の鋼板5のエッジ部分を撮影して鋼板エッジの画像情報を得る。
【0037】
照明3は、トリミング作業後の鋼板5のエッジ部分に照明光を照射する。
【0038】
センサ架台17は、1次元CCDカメラ6と、2次判定画像撮影用CCDカメラ2と、照明3とを一体に搭載する。
【0039】
ポジショニングアクチュエータ4は、鋼板5のエッジ位置上方までセンサ架台17を移動させる。
【0040】
鋼板エッジ位置検出用CCDカメラコントローラ10は、鋼板エッジ位置検出用CCDカメラ1により得られた画像情報から鋼板5の幅方向の概略エッジ位置を割り出し、エッジ位置情報をプログラマブルコントローラ9に与える。
【0041】
1次元CCDカメラコントローラ7は、1次元CCDカメラ6により得られた画像情報から鋼板5の幅方向の概略エッジ位置を割り出し、エッジ位置情報をプログラマブルコントローラ9に与える。
【0042】
また、1次元CCDカメラコントローラ7は、1次元CCDカメラ6により得られた画像情報を画像処理して第1段階の大まかなトリム不良判定(第1次トリム不良判定)を行ない、不良判定時に不良信号をリレー11に与える。
【0043】
プログラマブルコントローラ9は、鋼板エッジ位置検出用CCDカメラコントローラ10と1次元CCDカメラコントローラ7からのエッジ位置情報に基づいて、ポジショニングアクチュエータコントローラ8に指令を与える。
【0044】
ポジショニングアクチュエータコントローラ8は、プログラマブルコントローラ9からの指令に基づいて、ポジショニングアクチュエータ4を移動させる。
【0045】
リレー11は、1次元CCDカメラコントローラ7からの不良信号の入力を条件に、2次判定画像撮影用CCDカメラコントローラ12に撮影信号を与える。
【0046】
2次判定画像撮影用CCDカメラコントローラ12は、リレー11からの撮影信号により2次判定画像撮影用CCDカメラ2からの画像情報を取り込み、その画像情報を液晶カラーモニタ13、またはモニタ14に出力表示すると共に、画像処理用パソコン15に電送する。
【0047】
液晶モニタ13、およびモニタ14は、2次判定画像撮影用CCDカメラコントローラ12からの画像情報を表示する。
【0048】
画像処理用パソコン15は、2次判定画像撮影用CCDカメラコントローラ12からの画像情報を画像処理して、トリム不良であるのか、または鋼板形状の変形等のその他の異常であるのかの第2段階の細かなトリム不良判定(第2次トリム不良判定)を行ない、トリム不良判定時に警報信号を警報装置16に与える。
【0049】
警報装置16は、画像処理用パソコン15からの警報信号により、例えば音声等で警報を出力する。
【0050】
次に、以上のように構成した本実施の形態の鋼板トリム不良検出装置における鋼板トリム不良検出方法について、図2に示すシステム処理フローを用いて説明する。
【0051】
鋼板幅出しのためのエッジ部分トリミング作業後の鋼板5のエッジ不良検出を自動的に行なうためには、まず鋼板5のエッジ位置を検出する必要がある。
【0052】
すなわち、鋼板5の上方に設置してある鋼板エッジ位置検出用CCDカメラ1により、鋼板5のエッジ付近の画像を撮影し、鋼板エッジ検出用CCDカメラ用コントローラ10により鋼板5幅方向の概略エッジ位置を割り出して、プログラマブルコントローラ9にエッジ位置情報を送る。
【0053】
これにより、プログラマブルコントローラ9は、ポジショニングアクチュエータコントローラ8に指令を出す。
【0054】
ポジショニングアクチュエータコントローラ8は、伝達されたエッジ位置情報によりポジショニングアクチュエータ4を動かし、鋼板5のエッジ位置上方まで、1次元CCDカメラ6と2次判定画像撮影用CCDカメラ2と照明3とを搭載したセンサ架台17を移動させる。
【0055】
次に、1次元CCDカメラ6により撮影された画像情報から、1次元CCDカメラコントローラ7により鋼板5のエッジ位置を割り出し、鋼板5のエッジが画像のほぼ中央にくるように微調整するため、ブログラマブルコントロー9にエッジ位置情報を送る。
【0056】
これにより、プログラマブルコントローラ9は、エッジポジショニングアクチュエータコントローラ8に指令を出す。
【0057】
ポジショニングアクチュエータコントローラ8は、伝達されたエッジ位置情報によりポジショニングアクチュエータ4を動かし、1次元CCDカメラ6および2次判定画像撮影用CCDカメラ2が、鋼板5のエッジ位置を画像のほぼ中央で捕らえられるようにする。
【0058】
次に、図1の紙面表裏方向に高速で流れてくるサイドトリミング作業後の鋼板5のエッジ検出を行なうため、鋼板5のエッジ付近の画像を1次元CCDカメラ6により連続的に撮影し、その画像情報を1次元CCDカメラコントローラ7に送る。
【0059】
1次元CCDカメラコントローラ7は、鋼板5エッジの画像情報から、トリム不良1次判定機能によって第1段階の大まかな第1次トリム不良判定を行なう。
【0060】
ここで、1次元CCDカメラコントローラ7による大まかな第1次トリム不良判定の方法の一例を述べる。
【0061】
1次元CCDカメラコントローラ7に取り込まれた画像は、明暗度を波形出力とすると、鋼板5のエッジが正常な時には、図3に示すような波形となり、また例えばトリム屑残りの時は、図4に示すような波形となる。
【0062】
したがって、明暗度のある適当なところにしきい値を設けておくことにより、波形がしきい値をまたぐ回数をカウントすることによって、鋼板5のエッジが正常な時には2回となり、トリム不良の時には4回以上となるため、おおまかなトリム不良を判定することができる。言い換えれば、図4に示すように、1次元の波形のエッジ部分の近傍位置にしきい値を下回る凹部が存在すれば大まかなトリム不良が有ると判定できる。
【0063】
以上の判定の結果、トリム不良と判定された時には、リレー11に不良信号を送り、リレー11は、2次判定画像撮影用CCDカメラコントローラ12に撮影信号を送る。
【0064】
2次判定画像撮影用CCDカメラコントローラ12は、リレー11からの撮影信号により、2次判定画像撮影用CCDカメラ2からの画像情報を取り込み、液晶カラーモニタ13、またはモニタ14にトリム不良画像を映し出すと共に、画像処理用パソコン15に取込み画像情報を電送する。
【0065】
画像処理用パソコン15は、鋼板5エッジの画像情報から、トリム不良2次判定機能によって細かな第2次トリム不良判定、すなわちトリム屑残りであるのか、鋼板5のエッジ形状不良(曲がり等)であるのかを判定する。
【0066】
すなわち、1次元CCDカメラコントローラ7により大まかな1次不良判定を行ない、トリム不良と判定された時のみ、2次判定画像撮影用CCDカメラ2からの画像情報を取り込んで細かな2次不良判定を行なっているので、連続的な処理が必要ないため、高性能なコンピュータを必要としないし、X線等の放射線によるエッジプロフィール計のように、大掛りで高価な装置も必要としないため、安価な装置とすることができる。
【0067】
以上の判定の結果、トリム屑残りと判定された時には、警報装置16に警報信号を送り、警報装置16は警報を出力する。
【0068】
なお、警報装置16からの警報出力により、処理ライン停止して、鋼板5の点検、およびサイドトリマの点検を行なうことも可能である。
【0069】
上述したように、本実施の形態では、鋼板幅出しのためのエッジ部分トリミング作業後の鋼板5のエッジ不良を検出する際に、トリミング作業後の鋼板5のエッジ部分を撮影して得られる鋼板エッジの画像情報を画像処理して、最初の大まかなトリム不良判定(第1次トリム不良判定)を行ない、このトリム不良判定によりトリム不良と判定された時に、トリミング作業後の鋼板5のエッジ部分を再度撮影して得られる鋼板エッジの画像情報を画像処理して、トリム不良であるのか、鋼板形状の変形等のその他の異常であるのかの最終的な細かなトリム不良判定(第2次トリム不良判定)を行なうようにしているので、回転刃と鋼板5の幾つかの悪い条件が重なった時に発生する鋼板5端部のひげ状あるいはバリ状のトリム屑残りを、鋼板エッジの形状の曲がりくねっているような状態でも確実にしかも安価にして検出することが可能となる。
【0070】
また、第1次トリム不良判定によりトリム不良と判定された時に、トリミング作業後の鋼板5のエッジ部分を再度撮影して得られた画像情報を、液晶モニタ13、またはモニタ14に表示するようにしているので、鋼板5のトリム不良の状態を即座に把握することが可能となる。
【0071】
さらに、第1次トリム不良判定によりトリム不良と判定された時に、トリミング作業後の鋼板5のエッジ部分を再度撮影して得られた画像情報からトリム不良と判定された場合に、その旨を警報装置16により警報出力するようにしているので、鋼板5のトリム不良の発生に迅速に対処することが可能となる。
【0072】
(その他の実施の形態)
前述した実施の形態において、2次判定画像撮影用CCDカメラコントローラ12からの画像情報を表示する液晶モニタ13、およびモニタ14は、必要に応じて備えればよい。
【0073】
また、前述した実施の形態において、トリム不良判定時に警報を出力する警報装置16も、必要に応じて備えればよい。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の鋼板トリム不良検出方法および装置によれば、エッジ部分トリミング作業後の鋼板のエッジ不良を検出する場合に、回転刃と鋼板の幾つかの悪い条件が重なった時に発生する鋼板端部のひげ状あるいはバリ状のトリム屑残りを、鋼板エッジの形状の曲がりくねっているような状態(例えば耳波)でも確実にしかも安価にして検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による鋼板トリム不良検出装置の一実施の形態を示す概要図。
【図2】同一実施の形態の鋼板トリム不良検出装置における鋼板トリム不良検出方法を説明するための処理フローチャート。
【図3】同一実施の形態の鋼板トリム不良検出装置における正常時の1次元CCDカメラ画像を示す波形図。
【図4】同一実施の形態の鋼板トリム不良検出装置におけるトリム不良時の1次元CCDカメラ画像の一例を示す波形図。
【図5】サイドトリマによる鋼板のサイドトリミングの概要を説明するための斜視図。
【図6】サイドトリマの回転刃の刃欠けにより発生したトリム不良部の鋼板の一例を示す斜視図。
【図7】トリム外れにより発生したトリム不良部の鋼板の一例を示す斜視図。
【図8】ひげ状トリム屑残りが発生した鋼板の一例を示す斜視図。
【図9】バリ状トリム屑残りが発生した鋼板の一例を示す斜視図。
【符号の説明】
1…鋼板エッジ位置検出用CCDカメラ
2…2次判定画像撮影用CCDカメラ
3…照明
4…ポジショニングアクチュエータ
5…鋼板
6…1次元CCDカメラ
7…1次元CCDカメラコントローラ
8…ポジショニングアクチュエータコントローラ
9…プログラマブルコントローラ
10…鋼板エッジ位置検出用CCDカメラコントローラ
11…リレー
12…2次判定画像撮影用CCDカメラコントローラ
13…液晶モニタ
14…モニタ
15…画像処理用パソコン
16…警報装置
81,82…回転刃
83…せん断残り部
84…トリム外れ部分
85…ひげ状トリム屑残り
86…バリ状トリム屑残り。
Claims (4)
- 鋼板幅出しのためのエッジ部分トリミング作業後の鋼板のエッジ不良を検出する方法において、
前記トリミング作業後の鋼板のエッジ部分における幅方向の各位置の明暗度を1次元カメラからなる第1の撮像手段により撮影して鋼板エッジの明暗度の1次元波形を得、
前記第1の撮像手段からの1次元波形の前記エッジ部分の近傍位置に、予め定められたしきい値を下回る凹部が存在するか否か調べ、凹部が存在すれば前記エッジ部分に大まかなトリム不良が有るとする第1次トリム不良判定を行ない、
前記第1次トリム不良判定によりトリム不良が有ると判定された時に、前記トリミング作業後の鋼板の前記不良判定されたエッジ部分をカメラからなる第2の撮像手段により再度撮影して鋼板エッジの画像情報を得、
前記第2の撮像手段からの画像情報を画像処理して、前記第1次トリム不良判定で判定した大まかなトリム不良が、トリム屑残りであるのか鋼板形状の変形であるのかの細かな第2次トリム不良判定を行なう
ことを特徴とする鋼板トリム不良検出方法。 - 鋼板幅出しのためのエッジ部分トリミング作業後の鋼板のエッジ不良を検出する装置において、
前記トリミング作業後の鋼板のエッジ部分における幅方向の各位置の明暗度を撮影して鋼板エッジの明暗度の1次元波形を得る1次元カメラからなる第1の撮像手段と、
前記第1の撮像手段からの1次元波形の前記エッジ部分の近傍位置に、予め定められたしきい値を下回る凹部が存在するか否か調べ、凹部が存在すれば前記エッジ部分に大まかなトリム不良が有ると判定する第1次トリム不良判定手段と、
前記第1次トリム不良判定手段によりトリム不良が有ると判定された時に、前記トリミング作業後の鋼板の前記不良判定されたエッジ部分を再度撮影して鋼板エッジの画像情報を得るカメラからなる第2の撮像手段と、
前記第2の撮像手段からの画像情報を画像処理して、前記第1次トリム不良判定手段で判定した大まかなトリム不良が、トリム屑残りであるのか鋼板形状の変形であるのかの細かなトリム不良判定を行う第2次トリム不良判定手段と
を備えたことを特徴とする鋼板トリム不良検出装置。 - 前記請求項2に記載の鋼板トリム不良検出装置において、
前記第2の撮像手段により得られた画像情報を表示する表示手段を付加したことを特徴とする鋼板トリム不良検出装置。 - 前記請求項2または請求項3に記載の鋼板トリム不良検出装置において、
前記第2次トリム不良判定手段によりトリム不良と判定された場合に、その旨を警報出力する警報手段を付加したことを特徴とする鋼板トリム不良検出装置。
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