JP3663110B2 - 光ピックアップ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザー波長の異なる2種類のレーザー素子から発生されるレーザービームを選択的に単一の対物レンズに入射して異なる2種類の記録媒体の信号読み取りを行う光ピックアップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ピックアップ装置としては、CD(Compact Disc)の記録密度に適した波長のレーザービームを発光するレーザーダイオードとDVD(Digital Versatile Disc)の記録密度に適した波長のレーザービームを発光するレーザーダイオードとの波長の異なる2種類のレーザー光源を用意し、信号読み取りを行うディスクの記録密度に応じて使用する光源の切り換えを行うことにより単一の光ピックアップによって記録密度が異なるCD及びDVDに対応させたものがある。
【0003】
ところで、CDとDVDとでは、信号記録面までの透明基板の厚みが略1:2と大きく異なる。その為、CD及びDVD対応の光ピックアップ装置においては、各ディスクにそれぞれ適合される光学特性となるようにNA(numerical aperture)の異なる対物レンズを必要とする。
【0004】
CD再生とDVD再生とでそれぞれ対応するNAの対物レンズを使用するには、単一の対物レンズにより達成する場合、使用するレーザー光源のレーザー波長に応じて対物レンズに入射するレーザー光束を制限する開口絞りの径を切り替えることにより達成され、この開口絞りの径を切り替えるのに、波長選択フィルタを用いたり、相違する開口径の開口絞りを機械的に、あるいは液晶シャッターにより切り替えることにより達成される。
【0005】
また、単一の対物レンズを使用してCD再生とDVD再生とでそれぞれ対応するNAの対物レンズが実質的に使用されるようにする方法としては、2焦点を有する対物レンズを用いることでも実現される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述のCD再生とDVD再生に対応した光ピックアップ装置においては、CD再生に用いられるCD受光部とDVD再生に用いられるDVD受光部とが同一半導体基板上に独立して形成される光検出器を用いて構成する場合が多々ある。
【0007】
前記光検出器からはCD及びDVDでそれぞれメイン信号と、フォーカス制御及びトラッキング制御に使用する各種信号とを出力する必要があるので、前記光検出器の出力端子数が多くなり、取り扱いが煩雑であると共に、光ピックアップ装置とその光ピックアップ装置のサーボ回路とを接続する配線数を多くしなければならず、その接続のためのケーブルが太くなり動きの点で不利であり、また、サーボ回路のパターン配線の点でも不利であった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第1レーザー素子から出射されて第1記録媒体で変調されるレーザービームを受光する第1受光部と第2レーザー素子から出射されて第2記録媒体で変調されるレーザービームを受光する第2受光部とが同一半導体基板上に形成される光検出器を備え、前記第1受光部及び第2受光部の所定の受光出力を同一の出力端子から選択的に導出するようにし、前記第1受光部と第2受光部とで所定の受光出力において光検出器の同一の出力端子を共用する。
【0009】
【実施例】
図1は本発明の一実施例を示す光ピックアップ装置の光学配置図である。
【0010】
図1に示す光ピックアップ装置は、CD及びDVDの信号読み取りが行える構成となっている。
【0011】
1は同一半導体基板上にCDに適した波長、例えば780nmのレーザービームを発光する第1レーザー素子2が設置されると共に、DVDに適した波長、例えば650nmのレーザービームを発光する第2レーザー素子3が設置されて前記第1レーザー素子2及び第2レーザー素子3が同一パッケージ内に収められた2波長レーザーユニットである。
【0012】
2波長レーザーユニット1の第1レーザー素子2及び第2レーザー素子3からそれぞれ発光されるレーザービームは、第1レーザー素子2のレーザー波長に対して有効な回折作用を有する回折格子4を介して斜めに配置された平行平板型のハーフミラー5の表面により光軸が折曲され、その後、コリメータレンズ6により平行光に成された後、対物レンズ7に入射され、該対物レンズ7により収束されてディスクDの信号記録面に照射される。
【0013】
対物レンズ7は、レーザー波長により入射されるレーザー光束を制限する開口絞りの径が切り替えられるようになっていたり、あるいは2焦点レンズにより構成されることによりCD再生とDVD再生とでそれぞれ対応するNAのレンズとして作用するように成されている。
【0014】
ディスクDの信号記録面により変調されて反射されたレーザービームは対物レンズ7に戻り、コリメータレンズ6を介してハーフミラー5に戻り、該ハーフミラー5を透過してフォーカス制御に用いられる非点収差が付与された後、光検出器8により受光される。
【0015】
光検出器8には、図2に示す如く、CD再生に用いられるCD受光部とDVD再生に用いられるDVD受光部とが同一半導体基板上に並べて形成されており、前記CD受光部は第1レーザー素子2から出射されるレーザービームを受光し、前記DVD受光部は第2レーザー素子3から出射されるレーザービームを受光し、CD受光部とDVD受光部とが配置される間隔Lは第1レーザー素子2及び第2レーザー素子3が並べられる間隔、すなわち第1レーザー素子2及び第2レーザー素子3の各発光点の間隔と同一に設定されている。
【0016】
CD受光部は、4分割されて田の字状に配置されるA,B,C,Dの各受光素子からなる0次光のメインビームを受光するメイン受光領域9と、回折格子4により形成される±1次光の各サブビームを受光するE,Fの各受光素子10及び11からなるサブ受光領域とにより構成されている。
【0017】
一方、DVD受光部は、4分割されて田の字状に配置されるa,b,c,dの各受光素子からなる0次光のメインビームを受光するメイン受光領域12により構成されている。
【0018】
このように光検出器8が構成された本実施例に示す光ピックアップ装置は、CD再生において、フォーカス制御に非点収差法が、トラッキング制御に3ビーム法が採用されており、光検出器8に設けられる出力端子13,14,15,16からRF信号の再生及びフォーカス制御に用いられる各種信号に対応する受光出力が導出されるようになっていると共に、出力端子17,18からトラッキング制御に用いられる各種信号に対応する受光出力が導出されるようになっている。
【0019】
一方、本実施例に示す光ピックアップ装置は、DVD再生において、フォーカス制御に非点収差法が、トラッキング制御にDPD法が採用されており、光検出器8に設けられる出力端子13,14,15,16からRF信号の再生、フォーカス制御及びトラッキング制御に用いられる各種信号に対応する受光出力が導出されるようになっている。
【0020】
ところで、光検出器8の出力端子13,14,15,16から導出される各受光出力は光検出器8内部にCD受光部及びDVD受光部が形成される半導体基板上に形成される各選択スイッチ19,20,21,22により選択されるようになっており、CD受光部及びDVD受光部とで信号種類が共通する受光出力がそれぞれ選択的に導出されるようになっている。
【0021】
前記各選択スイッチ19,20,21,22は切替制御端子23に印加される信号レベルによってCD受光部の受光出力、あるいはDVD受光部の受光出力を選択する。
【0022】
したがって、切替制御端子23に印加する信号レベルを切り替えることによって光検出器8の出力端子13,14,15,16からはCD受光部及びDVD受光部の各受光出力を切り替えて導出させることが出来、CD再生とDVD再生とで前記出力端子13,14,15,16が共用される。
【0023】
この場合、CD再生とDVD再生とで同一のフォーカス制御方式を採用し、信号種類が共通するCD受光部及びDVD受光部の各受光出力A及びaが同一の出力端子13から,各受光出力B及びbが同一の出力端子14から,各受光出力C及びcが同一の出力端子15から,各受光出力D及びdが同一の出力端子16からそれぞれ選択的に導出されるように設計されているので、CD再生とDVD再生とで前記出力端子13,14,15,16を共用するようにしながら光検出器8を使用する際の取り扱いが容易となる。
【0024】
また、CD受光部及びDVD受光部を配置する間隔を第1レーザー素子2及び第2レーザー素子3が並べられる間隔と同一に設定しているので、一方の受光部、例えばDVD受光部の位置を調整することによりCD受光部の位置も同時に調整される。
【0025】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明は、第1受光部と第2受光部とで所定の受光出力において光検出器の同一の出力端子を共用することが出来、光検出器の出力端子数を減らして第1記録媒体及び第2記録媒体の再生に必要な各種信号を得ることが出来る。
【0026】
この場合、信号種類が共通する第1受光部及び第2受光部における各受光出力が光検出器の同一の出力端子から導出されるようにしているので、光検出器を使用する際の取り扱いを容易とすることが出来る。
【0027】
また、第1受光部及び第2受光部を配置する間隔を第1レーザー素子及び第2レーザー素子が並べられる間隔と同一に設定しているので、第1受光部及び第2受光部を同時に位置調整することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す光ピックアップ装置の光学系を示す光学配置図である。
【図2】光検出器8におけるCD受光部とDVD受光部との配置及び各受光出力の導出経路を示す説明図である。
【符号の説明】
1 2波長レーザーユニット
2 第1レーザー素子
3 第2レーザー素子
7 対物レンズ
8 光検出器
13,14,15,16 出力端子
19,20,21,22 選択スイッチ
23 切替制御端子

Claims (3)

  1. レーザー波長の異なる第1レーザー素子及び第2レーザー素子から出射される各レーザービームを選択的に単一の対物レンズに入射して異種の第1記録媒体及び第2記録媒体の信号読み取りを行う光ピックアップ装置であって、第1レーザー素子から出射されて第1記録媒体で変調されるレーザービームを受光する第1受光部と第2レーザー素子から出射されて第2記録媒体で変調されるレーザービームを受光する第2受光部とが同一半導体基板上に形成される光検出器を備え、前記第1受光部と第2受光部とで所定の受光出力において光検出器の同一の出力端子を共用するべく前記第1受光部及び第2受光部の所定の受光出力を同一の出力端子から選択的に導出するようにしたことを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 第1記録媒体と第2記録媒体とで同一のフォーカス制御方式を採用し、前記第1受光部及び第2受光部におけるフォーカス制御に関係する各受光領域から前記第1受光部及び第2受光部とで信号種類が共通する受光出力がそれぞれ導出されるようにし、その信号種類が共通する第1受光部及び第2受光部における各受光出力が光検出器の同一の出力端子から導出されるようにしたことを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。
  3. 第1レーザー素子及び第2レーザー素子を同一パッケージ内に収めた2波長レーザーユニットを使用した光ピックアップ装置であって、前記第1受光部及び第2受光部を配置する間隔を第1レーザー素子及び第2レーザー素子が並べられる間隔と同一に設定したことを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。
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