JP3662505B2 - 透明スピーカ及びマイク一体型時刻表示装置 - Google Patents

透明スピーカ及びマイク一体型時刻表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明スピーカとマイクを表示面に一体に設けた透明スピーカ及びマイク一体型表示装置に関し、特に腕時計やMD,CD等の携帯用音響機器に好適である。
【0002】
【従来の技術】
近年、音声入力により、時刻修正等の処理を行わせ、また音声や音楽等を出力できる機器が開発されている。例えば、特開昭63−15190号公報に音声入力電子時計が開示されている。
図8は、この音声入力電子時計を示す外観図、図9はこの音声入力電子時計の回路ブロック図である。
この音声入力電子時計51は、図に示すように、ケース52、マイク53、通常時刻表示装置54、入力表示装置55、報知装置59からなる構成である。そして、回路としては、図に示すように、さらに、音声認識回路56と、判定回路57と、計時回路58を備えるものである。
さて、使用者が言葉を発音すると、マイク53が音声信号を音声認識回路56に送る。音声認識回路56が、音声信号を認識して各言葉に対応した認識信号を出力し、判定回路57にて認識信号を判定して、通常時刻表示装置54、入力表示装置55、計時回路58、報知装置59を制御する。
【0003】
例えば、使用者が時刻を修正する場合、「修正」と発音すると、マイク53が音声信号を音声認識回路56に送る。音声認識回路56が、音声信号を認識して「修正」に対応した認識信号を出力し、判定回路57が「修正」と判定すると、計時回路58を修正状態にする。使用者が修正時刻を発音すると、マイク53、音声認識回路56、判定回路57と信号が出力され、入力表示装置55に数字が表示される。この数字が非存時刻であれば、報知装置59で報知する。修正時刻で確定すれば、計時回路58は修正時刻に修正して通常時刻表示装置54において時刻表示を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この音声入力電子時計によれば、音声認識で時刻を修正することはできるが、時計本体にマイクとスピーカを設けるスペースが必要であり、装置の小型化を阻害しているとともに、表示領域が限定されるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記課題を鑑みて、透明マイク及び透明スピーカを用いて、表示領域を限定することなく、装置の小型化ができる透明マイク及び透明スピーカ一体型表示装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の透明スピーカ及びマイク一体型時刻表示装置は、通常の時刻及び前記時刻を修正する時の修正時刻を表示する単一の時刻表示部と、前記時刻表示部の表示面側に装着される透明スピーカと透明マイクを兼用する透明スピーカ/マイクと、通常は透明スピーカとして機能させ、前記時刻を修正する時のみ透明マイクとして機能させる透明スピーカ/マイク切換手段と、前記透明スピーカ/マイクを取り付けて前記時刻表示部の表示面側に装着する透明支持部材とを備えたことを特徴とする。
【0007】
また、前記スピーカ/マイク切換手段は、装置本体側面に設けられていることを特徴とする
【0008】
本発明において、透明スピーカと透明マイクを兼用できるものを情報表示部上に設け、場合に応じてスピーカとマイクを使い分けるので、従来腕時計51本体に設けていた通常のマイクや報知装置を設けるスペースが不要となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1は、透明スピーカ及び透明マイク一体型表示装置を備えた音声入力腕時計の正面図、図2はこの表示装置の時刻表示図、図3は表示装置の側面図、図4は透明固定電極板に設けられる貫通孔を示す図である。
図1に示すように、音声入力腕時計1は、通常の時刻を表示する時刻表示部2と、報知音を出力しスピーカとして機能するとともに、時刻を入力するマイクとして機能する透明スピーカ/マイク3と、透明スピーカ/マイク3が取り付けられる透明枠4と、スピーカ機能とマイク機能とを切り換えるスピーカ/マイク切換スイッチ5とを備える。
なお、本例においては、図3に示すように、時刻表示部2の上に透明スピーカ/マイク兼用の装置が配置される構造であり、切換スイッチ5により機能を切り換える。また、時刻表示部2には液晶ディスプレイが用いられる。
【0010】
次に、本発明によるスピーカ/マイク3の基本構成の一実施形態について説明する。
透明スピーカ3は基本的には静電型スピーカである。静電型スピーカには、プッシュプルタイプとシングルタイプがあるが、両タイプとも本発明を実現することができる。また、以下の説明は、シングルタイプにて説明する。
更に、透明マイク3は基本的には静電型マイクである。静電型マイクには、コンデンサ型とバイモルフ型があるが、両型とも本発明を実現することができる。また、以下の説明は、コンデンサ型にて説明する。
【0011】
図3に示すように、スピーカ/マイク3が透明スピーカとして機能する場合は、音波を発生する透明振動板3a、透明振動板3aを構成し透明振動板3aのベース材となる透明フィルム3a1、透明フィルム3a1に形成され透明スピーカの一方の電極となる透明電極3a2、透明スピーカの固定電極となる透明固定電極板3b、透明固定電極板3bを構成し透明固定電極板bのベース材となるガラス基板3b1、ガラス基板3b1に形成され透明スピーカの他方の電極となる透明電極3b2、透明振動板3a及び固定電極板3bを保持する透明枠4を備える。
【0012】
また、スピーカ/マイク3が透明マイクとして機能する場合は、音波にて振動する透明振動板3a、透明振動板3aを構成し透明振動板3aのベース材となる透明フィルム3a1、透明フィルム3a1に形成され、透明マイクの一方の電極となる透明電極3a2、透明マイクの固定電極となる透明固定電極板3b、透明固定電極板3bを構成し透明固定電極板3bのベース材となるガラス基板3b1、ガラス基板3b1に形成され透明マイクの他方の電極となる透明電極3b2、透明振動板3a及び固定電極板3bを保持する透明枠4を備える。
【0013】
また、固定電極板3bには孔3cが形成され、また、スピーカ/マイク3には振動スペースと空気用スペースの空間10を備える。
まず、例えば透明枠4の側面の一方より、透明枠4の溝4bに沿って透明スピーカ/マイク3を挿入する等して透明枠4に取り付ける。透明枠4を腕時計1本体に取り付けることで、透明スピーカ/マイク3は時刻表示部2の前面部に図示のように配置され取り付けられる。
なお、透明枠4を腕時計1本体に取り付けず、時刻表示部2に直接取り付けてもよい。また、図示はしていないが、透明スピーカ/マイク3の接続リード線には透明電極材を配設し、電気的接続は全て透明化している。
【0014】
透明スピーカ/マイク3は、透明振動板3aと透明固定電極板3bとの配置が逆であっても、本発明は実現できるが、透明固定電極板3bを外部側(使用者側)に配置することで、透明振動板3aを保護することができる。また、透明振動板3aの前後面は、透明振動板3aの振動スペースと空気用スペースとして、空間10が設けられている。
【0015】
透明電極3a2としては、例えば、酸化インジウム(In23)と酸化スズ(SnO2)からなるITO(Indium Tin Oxide)膜や酸化インジウム(In23)膜を導電性フィルム3a1上に、蒸着法やスパッタリング法にて成膜することで形成できる。なお、低抵抗,高透明度(高透過率),電極の微細加工が行い易いという点から、本発明においてはITO膜が望ましい。
透明電極3b2としては、例えば、前述したITO膜をガラス基板上に成膜することで実現できる。
【0016】
透明固定電極板3bには孔3cが多数設けられている。孔c方向は空間10より使用者側方向に向かって設けられ、図3の矢印及び空気流で示すように、透明振動板3aにて発生された音波は、この孔3cを通って、ディスプレイ部3の前面にいる視聴者に伝わる。従って、孔3c方向を空間10より使用者側方向に向かって設けることで、音波が直接視聴者に伝わる。
【0017】
図5は音声入力電子時計の回路図である。
この音声入力電子時計1は、図5に示すように、時刻表示装置2、透明スピーカ/マイク3、スピーカ/マイク切換スイッチ5、スピーカ/マイク制御回路6、音声認識回路7、判定回路8と、計時回路9を備えるものである。
【0018】
さて、腕時計の場合、通常は報知音を発生する状態がほとんどであり、スピーカ/マイク切換スイッチ5は、オフ状態でスピーカとして動作させている。ここで、スピーカ/マイク制御回路6は、スピーカ/マイク切換スイッチ5より出力されるオン/オフ信号に基づき、透明スピーカ/マイク3をスピーカ機能として動作させるか、マイク機能として動作させるかを制御するものであり、このときはスピーカとして動作させている。
【0019】
時刻修正時に使用者がスピーカ/マイク切換スイッチ5をオン状態にし、マイク機能として動作させる。スピーカ/マイク制御回路6は、スピーカ/マイク3をマイクとして動作させる。
使用者が言葉を発音すると、マイク3が音声信号を音声認識回路7に送る。音声認識回路7が、音声信号を認識して各言葉に対応した認識信号を出力し、判定回路8にて認識信号を判定して、時刻表示装置2、計時回路9を制御する。
【0020】
例えば、使用者が時刻を修正する場合、「修正」と発音すると、マイク3が音声信号を音声認識回路7に送る。音声認識回路7が、音声信号を認識して「修正」に対応した認識信号を出力し、判定回路8が「修正」と判定すると、計時回路9を修正状態にする。使用者が修正時刻を発音すると、マイク3、音声認識回路7、判定回路8と信号が出力され、時刻表示装置2に数字が表示される。修正時刻で確定すれば、計時回路9は修正時刻に修正して時刻表示装置2において時刻表示を行う。
【0021】
図6は、スピーカ/マイク制御回路の詳細を示す回路図である。図6の上側がスピーカ用、下がマイク用の回路を示している。
スピーカ側端子KSは、判定回路8と接続され判定回路8よりの音声信号が入力される。更に端子KSには、スイッチSW1の一方が接続され、スイッチSW1の他方は、マッチングトランスMTの入力端子が接続されている。
【0022】
バイアス抵抗Rの一端には、スイッチSW2が接続され、スイッチSW2には、端子KMが接続されている。端子KMは、マイクの出力電圧端子であり、音声認識回路7に接続されている。従って、マイク音声は端子KMより、音声認識回路7へ出力される。
【0023】
端子KCにはスピーカ/マイク切換スイッチ5からの信号が入力される。また、端子KCは、スイッチ制御回路SCと接続されている。スイッチ制御回路SCは、スピーカ/マイク切換スイッチ5から入力される信号に基き、スイッチSW1及びスイッチSW2のオン/オフを切り換える制御信号を出力する。
【0024】
例えば、ユーザの操作がなく、スピーカ/マイク切換スイッチ5から入力される信号がオフの場合、スイッチ制御回路SCは、スイッチSW1をオンする信号及びスイッチSW2をオフする信号を出力する。従い、スイッチSW1がオンすることで、判定回路7よりの音声信号がマッチングトランスMTに入力され、スピーカとしての動作が行われる。
【0025】
時刻修正時は、ユーザの操作によりスピーカ/マイク切換スイッチ5から入力される信号がオンとなる。オンの信号が入力されると、スイッチ制御回路SCは、スイッチSW1をオフする信号及びスイッチSW2をオンする信号を出力する。従って、スイッチSW1がオフすることで、判定回路7よりの音声信号はマッチングトランスMTに入力されず、スピーカとしての動作は行われない。
この状態で、ユーザが修正する時刻を発すると、スイッチSW2はオン状態であり、ユーザの発した音波は、音声信号として、端子KMを通り音声認識回路7へ出力され、マイクとしての機能動作が行われる。
【0026】
図7は、本発明の透明振動板及び透明固定電極板を備え、切り換え制御することで、透明スピーカあるいは透明マイクとして使用する他の実施例、すなわちMDポータブルレコーダである。
図7において、本発明のMDポータブルレコーダは、本体31、録音や再生等を操作する各種キー32、32a、録音再生のモード表示や時刻表示等を表示するディスプレイ部33、ディスプレイ部33前面に配置され本体31に取り付けられる透明枠34、透明枠34に取り付けられ透明スピーカあるいは透明マイクとして機能する透明スピーカ/マイク35を備える。また、本体31は、ヘッドホンやリモコンが接続される端子(図示せず)を備え、再生音は通常ヘッドホンで視聴する。更に、本体1は音声認識回路(図示せず)を備えている。
【0027】
次に、本発明のMDポータブルレコーダの透明スピーカあるいは透明マイクとして使用する操作例について説明する。
操作キー32aは、透明スピーカ/マイク35を透明スピーカとして使用するか、透明マイクとして使用するかを切り換え制御する操作キーであり、通常はオフとしておくことで、透明スピーカとして機能させておく。そうすることで、前述した腕時計の報知音を発生する機能として使用することや、音楽等の再生信号を入力させておけば、再生音が得られ再生スピーカとして使用することもでき、ヘッドホンを使用せずに音楽等を視聴することもできる。
【0028】
一方、時刻表示において、表示時刻がズレて時刻を修正したい場合が生じる。この場合は、まず、操作キー32aをオンする。オンすることで、透明スピーカ/マイク35は透明マイクとして機能する。この状態で、ユーザが修正する時刻を発音すれば、音声認識回路(図示せず)が機能し、時刻修正が実現できる。また、録音回路に接続させることで、録音用マイクとして使用することもできる。なお、動作説明は、前述した腕時計の説明と同様であり省略する。
【0029】
本発明によれば、音声による時刻修正を実現出来る。更に、録音用マイクとして使用することが実現できることや、他人に音を出さないヘッドホンによる視聴、ヘッドホンを装着することなく耳への威圧感のない透明スピーカによる視聴との状況に応じた切換視聴も実現出来る。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明装置によれば、透明スピーカ/マイクを情報表示部上に設け、場合に応じてスピーカとマイクを使い分けるので、従来腕時計本体に設けていた通常のマイクや報知装置を設けるスペースが不要となり、設計の自由度を拡大することができ、表示領域を最大限にとることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】透明スピーカ及び透明マイク一体型表示装置を備えた音声入力腕時計の正面図である。
【図2】この表示装置の時刻表示図である。
【図3】表示装置の側面図である。
【図4】透明固定電極板3bに設けられる孔を示す図である。
【図5】音声入力電子時計の回路図である。
【図6】スピーカ/マイク制御回路4の詳細を示す回路図である。
【図7】透明スピーカ及び透明マイク一体型表示装置を備えたMDポータブルレコーダの正面図である。
【図8】従来の音声入力電子時計の外観図である。
【図9】従来の音声入力電子時計の回路ブロック図である。
【符号の説明】
2 時刻表示部
3 透明スピーカ/マイク
3a 透明振動板
3b 透明固定電極板
4 透明枠
5 切換スイッチ
6 スピーカ/マイク制御回路

Claims (2)

  1. 通常の時刻及び前記時刻を修正する時の修正時刻を表示する単一の時刻表示部と、
    前記時刻表示部の表示面側に装着される透明スピーカと透明マイクを兼用する透明スピーカ/マイクと、
    通常は透明スピーカとして機能させ、前記時刻を修正する時のみ透明マイクとして機能させる透明スピーカ/マイク切換手段と、
    前記透明スピーカ/マイクを取り付けて前記時刻表示部の表示面側に装着する透明支持部材とを備えたことを特徴とする透明スピーカ及びマイク一体型時刻表示装置。
  2. 前記スピーカ/マイク切換手段は、装置本体側面に設けられていることを特徴とする請求項1記載の透明スピーカ及びマイク一体型時刻表示装置。
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