JP3661198B2 - ヒドロキシフェニルプロピオン酸エステルの製造法 - Google Patents
ヒドロキシフェニルプロピオン酸エステルの製造法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3661198B2 JP3661198B2 JP07344194A JP7344194A JP3661198B2 JP 3661198 B2 JP3661198 B2 JP 3661198B2 JP 07344194 A JP07344194 A JP 07344194A JP 7344194 A JP7344194 A JP 7344194A JP 3661198 B2 JP3661198 B2 JP 3661198B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- formula
- catalyst
- undecane
- carbon atoms
- hydroxy
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、3,9−ビス〔2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5・5〕ウンデカンの製造法に関するものである。本発明の目的化合物は、次式(I)で示され、以下、この化合物をヒドロキシフェニルプロピオン酸エステルと呼ぶことがある。
【0002】
【0003】
【従来の技術】
上記式(I)で示されるヒドロキシフェニルプロピオン酸エステルは、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、ABSなどのスチレン系合成樹脂、ポリアセタール、ポリアミドなどのエンジニアリングプラスチック、さらにはポリウレタンなどの各種合成樹脂の加工時や使用時の熱、光および酸素の作用による軟化、脆化、表面亀裂や変色などの劣化現象を防止するための安定剤として有用な化合物である(特開昭59−25826号公報、特開昭59−231089号公報や特開昭60−197747号公報)。
【0004】
式(I)で示されるヒドロキシフェニルプロピオン酸エステルは、一般に、式(II)で示される3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオン酸エステルと、式 (III) で示される3,9−ビス ( 2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル ) −2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5・5〕ウンデカンとのエステル交換反応によって製造されている。
【0005】
(式中、R1 は炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
【0006】
【0007】
この反応において、リチウムアミドを触媒とする方法(特開昭59−25826号公報)、ナトリウムメトキシドを触媒とする方法(特開昭60−197747号公報)などが知られている。しかしながら、こうしたアルカリ金属系の触媒を用いる方法は、触媒自体が高温において不安定であり、その結果、反応に長時間を要し、反応液の着色や不純物の副生を招き、製品の品質を悪化させるなどの問題点があった。
【0008】
こうした問題点を解決するため、特開昭62−89684号公報には、カルシウム化合物を触媒として用い、170〜250℃の温度でエステル交換反応を行う方法が提案されている。この方法は、上記アルカリ金属系の触媒を用いた場合に比べれば反応に要する時間が短く、製品品質の改良をもたらすものの、依然として反応にやや長時間を要し、また反応液の色相や製品の純度および色相においても、必ずしも満足しうるものでなかった。
【0009】
一方、特開昭60−156644号公報には、3−(3,5−ジアルキル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸低級アルキルエステルとアルコールとのエステル交換反応において、ジアルキルスズオキサイドを触媒として用い、エステル交換後の溶融体を230℃以上の高温かつ0.5〜6ミリバールの減圧下で蒸留し、得られる溶融体を粒状化する方法が開示されている。この方法は、高温かつ高真空下での蒸留により、過剰に用いた原料の低級アルキルエステルを回収するものであるが、反応から原料エステルの回収までに長い時間を要することから、最終生成物の着色や不純物の副生を招き、製品の品質があまり良くならないという問題点を有している。また、回収した原料エステルの純度が低く、このものをリサイクルした場合、不純物を増加させることから、製品の品質を一層悪化させるといった問題もある。したがってこの方法も、式(I)のヒドロキシフェニルプロピオン酸エステルの製造には、必ずしも満足のいくものとはいえなかった。
【0010】
さらに特開平1−316346号公報には、3−(3,5−ジアルキル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸低級アルキルエステルとアルコールとのエステル交換反応において、モノアルキルスズ化合物を触媒として用いる方法が開示されている。この公報には、前記式(I)で示されるヒドロキシフェニルプロピオン酸エステルを製造した例も記載されているが、モノアルキルスズ化合物は触媒活性が十分でないため、この方法では、反応完結までに長時間を要し、また反応性を高めるためには触媒を多量に使用しなければならなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、このような問題を解決し、目的とするヒドロキシフェニルプロピオン酸エステルの工業的に有利な製造法を見出すべく、鋭意研究を重ねた結果、ジアルキルスズ化合物を反応触媒として、式(II)で示されるエステルと式(III)で示されるアルコールとのエステル交換反応を行い、次いでこの反応混合物から式(II)のエステルを回収することなくこれを晶析に付すことにより、優れた品質のヒドロキシフェニルプロピオン酸エステルが高収率でかつ経済的に得られることを見出し、本発明に至った。
【0012】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5・5〕ウンデカンと、該原料ウンデカンに対して 、2.1〜6モル倍量の式(II)で示される3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオン酸エステルを、上記原料ウンデカンに対して0.006〜0.02モル倍量のジアルキルスズ化合物から選ばれる触媒の存在下、溶媒の不存在下にエステル交換反応に付し、得られる反応混合物から式(II)で示される原料エステルを回収することなく晶析に付すことを特徴とする3,9−ビス〔2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5・5〕ウンデカンの製造方法を提供するものである。
【0013】
(式中、R 1 は炭素数1から3のアルキル基を表す。)
【0014】
また、本発明は、3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5・5〕ウンデカンと該原料ウンデカンに対して2.1〜6モル倍量の上記式( II )で示される3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオン酸エステルを、上記原料ウンデカンに対して0.006〜0.02モル倍量のジアルキルスズ化合物から選ばれる触媒の存在下、溶媒の不存在下にエステル交換反応に付し、得られたエステル交換反応混合物を晶析し、晶析により得た母液から晶析に用いた溶媒を留去し、得られた残渣を減圧下で蒸留することを特徴とする式( II )で示される3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオン酸エステルの回収方法を提供するものである。
【0015】
本発明で用いる原料エステルを示す式(II)において、R1はメチル、エチル、n−プロピルまたはイソプロピルである。かかる原料エステルの具体例としては、3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオン酸のメチルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステルおよびイソプロピルエステルが挙げられる。なかでもメチルエステルが好ましく用いられる。
【0016】
式(II)のエステルは、式(III)のアルコールに対し、通常はモル比で2.1〜6倍量程度用いる。特に化学量論量よりやや過剰に、例えばモル比で2.1〜2.5倍量程度用いるのが好ましい。エステル交換反応自体は平衡反応であることから、式(II)のエステルを過剰に用いるほど、反応時間を短縮し、また反応率を向上させることができるが、あまり過剰になると、晶析収率に悪影響を与え、回収蒸留の負担を増やすことになるので、その使用量は、通常上記範囲に設定される。
【0017】
本発明においては、エステル交換反応触媒としてジアルキルスズ化合物を用いる。かかるジアルキルスズ化合物としては、例えば、式(IV)
(R2)2Sn=O (IV)
(式中、R2は炭素数1〜12のアルキル基を表す。)
で示されるジアルキルスズオキサイド、式(V)
(R2)2Sn(OR3)2 (V)
(式中、R2は前記の意味を有し、R3は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
で示されるジアルキルスズジアルコキシド、式(VI)
(式中、R2は前記の意味を有し、R4は炭素数1〜12のアルキル基を表すか、または二個のR4が結合して単結合、炭素数1〜12のアルキレン基もしくは炭素数2〜12のアルケニレン基を形成する。)
で示されるジアルキルスズジカルボキシレートなどが挙げられる。
【0018】
式(IV)、(V)および(VI)において、R2で表されるアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、オクチル、デシルなどが例示できる。式(V)において、R3で表されるアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチルなどが例示できる。式(VI)において、R4がアルキル基の場合、かかるアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、オクチル、デシルなどが例示でき、また二個のR4が結合する場合に、−R4−R4−で表される結合は、シュウ酸に由来する単結合、飽和脂肪族ジカルボン酸に由来するメチレン、エチレン、トリメチレンのようなアルキレン基、不飽和脂肪族ジカルボン酸に由来するエテニレン、プロペニレン、ブテニレンのようなアルケニレン基であることができる。
【0019】
式(IV)で示されるジアルキルスズオキサイドの好ましい具体例としては、ジブチルスズオキサイドおよびジオクチルスズオキサイドが挙げられ、なかでもジブチルスズオキサイドが好ましい。式(V)で示されるジアルキルスズジアルコキシドのなかでは、ジブチルスズジメトキシドが好ましく用いられる。式(VI)で示されるジアルキルスズジカルボキシレートの具体例としては、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズマレート、ジブチルスズジオクタノエート、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレートなどが挙げられ、なかでもジブチルスズジアセテートが好ましく用いられる。
【0020】
これらのジアルキルスズ化合物は、触媒として、それぞれ単独で用いることもできるし、また2種以上を併用することもできる。触媒の使用量は、式(III)のアルコールに対し、通常0.006〜0.02モル倍量程度の範囲である。この範囲をはずれると、エステル交換反応の進行が遅くなるか、副反応を生ずるなどして、収率の低下をきたすことが多い。
【0021】
エステル交換反応における圧力は任意であり、大気圧下でも減圧下でも、反応を進行させることができる。反応温度は、通常、140〜250℃程度の範囲から選定される。
【0022】
溶媒を用いずに行うエステル交換反応は、140〜250℃、好ましくは170〜210℃の温度で、最初は大気圧下に10〜60分程度保持し、その後反応が終了するまで1〜100mmHgの減圧下に保持する。
【0023】
このようにしてエステル交換反応は、実質上、前記式(II)中のR1に由来するアルコールが生成しなくなるまで行われる。通常、すべての反応原料および触媒が存在し、かつ反応温度に達した時点から、2〜20時間程度反応が行われるが、条件を適切に選択することにより、2〜10時間程度、さらには2〜7時間程度で反応を完結させるのが好ましい。
【0024】
こうして得られた反応混合物は、残存する式(II)の原料エステルを回収することなく晶析工程に付される。晶析は、反応混合物を適当な晶析溶媒に溶解して行う。
晶析に用いる溶媒は、式(I)のヒドロキシフェニルプロピオン酸エステルを溶解するものであればよく、例えば、特開昭62−149679号公報や特開昭62−149680号公報に記載される晶析溶媒を用いることができる。具体的には、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、シメンのような芳香族炭化水素類、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、シクロオクタンのような環状脂肪族炭化水素類、さらには、メタノール、エタノールのようなアルコール類、アセトンのような脂肪族ケトン類、アセトニトリルのような脂肪族ニトリル類などを包含する水溶性溶媒が挙げられる。水溶性溶媒を用いる場合は、水を共存させるのが好ましい。
【0025】
こうした晶析溶媒にエステル交換反応で得られた反応生成物が溶解している状態から徐々に冷却し、必要により適当な段階で種晶を加えることにより、目的とするヒドロキシフェニルプロピオン酸エステルの結晶を析出させることができる。とりわけ、トルエンやキシレンのような芳香族炭化水素溶媒に反応生成物が溶解している状態で、ヒドロキシフェニルプロピオン酸エステルの溶解度が比較的小さな溶媒、例えばn−ヘキサンやn−ヘプタンのような脂肪族炭化水素溶媒を適当量加えて、晶析を行う方法が好ましい。この場合、メタノールのような水溶性溶媒を少量加えることにより、さらに目的物の品質を向上させ得る。
【0026】
このようにして得られた目的物は、さらに再結晶などにより精製することもできる。また、目的物を分離した後の母液、すなわち晶析濾液および洗液からは、通常の蒸留操作により容易に溶媒を回収することができ、さらにはその蒸留残渣を例えば減圧蒸留することにより、反応混合物中に残存していた式(II)で示される原料エステルを、容易にかつ高い純度で回収することができる。こうして回収した原料エステルは、反応にリサイクル使用することができる。一方、晶析操作を行う前に、式(II)で示される原料エステルを蒸留回収する場合、目的物である式(I)のヒドロキシフェニルプロピオン酸エステルが、蒸留残渣として高い温度にさらされるため、最終製品が着色したり、熱分解などにより不純物が多くなったりして、最終製品の品質低下を招く。後者の場合はさらに、回収される原料エステルがあまり高い純度にならないので、リサイクル使用にとっても不満足なものとなる。
【0027】
【実施例】
次に具体的な実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。例中にある部は重量部であり、また純度を表す%は重量%である。
【0028】
実施例1
温度計、撹拌装置および蒸留用冷却管を備えた反応容器中に、3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオン酸メチル1152部および、3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5・5〕ウンデカン609部を仕込み、窒素雰囲気下、130℃で加熱撹拌して溶解し、これにジブチルスズオキサイド4部を加えた。次いで195℃まで加熱昇温後、同温度で30分間保温した。その後、徐々に10mmHgまで減圧し、生成するメタノールを留去しつつ195〜200℃の温度範囲で、減圧開始から3時間保温して、淡黄色ガラス状物質1620部を得た。
【0029】
反応終了後、攪拌を続けながら徐々に冷却し、約150℃になった時点からキシレン約1000部を加えてガラス状物質を溶解させ、次いで約80℃になった時点からn−ヘキサン約1300部を加え、さらに50℃になった時点で少量の種晶を加え、同温度で12時間保持した。引き続き20℃まで冷却し、析出した結晶を濾別し、n−ヘキサンで洗浄し、乾燥して、融点114〜118℃の白色結晶を1401部得た。反応から晶析までの成績および目的物の品質(純度および透過率)を表1に示した。
【0030】
実施例2〜4
実施例1におけるジブチルスズオキサイドの代わりに、実施例2でジオクチルスズオキサイド5.8部、実施例3でジブチルスズジメトキシド4.8部、そして実施例4でジブチルスズジアセテート5.6部を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示した。
【0031】
比較例1〜4
実施例1におけるジブチルスズオキサイドの代わりに、比較例1でリチウムアミド0.4部、比較例2でナトリウムメトキシド0.9部、比較例3で酸化カルシウム0.9部、そして比較例4でモノブチルスズオキサイド3.3部を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示した。
【0032】
比較例5および6
実施例1におけるジブチルスズオキサイドの代わりに、比較例5でリチウムアミド4.6部、そして比較例6でナトリウムメトキシド3.3部を用い、反応温度を150℃、同温度で30分保持後の減圧度を5mmHg、減圧開始からの保持時間を6時間とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示した。
【0033】
実施例5
実施例1で得られた晶析濾液および洗液を合わせ、n−ヘキサン、次いでキシレンを留去した後、蒸留残渣を、約20〜5mmHgの減圧下に180〜230℃で蒸留して、原料エステルを回収した。回収された原料エステルの純度は98.5%であり、反応マス中に残存していた原料エステルを基準として、回収率は94%であった。
【0034】
比較例7
実施例1における晶析前に、約5〜1mmHgの減圧下、195〜230℃で2.5時間蒸留を行い、原料エステルを回収した以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示した。原料エステル回収後の蒸留残渣は、赤褐色に着色していた。また、回収された原料エステルの純度は88.8%であり、反応マス中に残存していた原料エステル量を基準として、回収率は80%であった。
【0035】
【表1】
*1 - 3:仕込みアルコール基準
*4 :製品1.0gをクロロホルム10mlに溶解し、UV測定装置を用い、425nmで測定
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、目的物である式(I)のヒドロキシフェニルプロピオン酸エステルを高い収率および高い品質で、しかも効率よく経済的に製造することができる。したがって本発明の方法は、工業的規模で式(I)のヒドロキシフェニルプロピオン酸エステルを製造するのに有用である。また、晶析後の母液から、残存する原料エステルを高い純度で、かつ高い回収率で回収できる点でも優れている。
Claims (8)
- 3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5・5〕ウンデカンと、該原料ウンデカンに対して2.1〜6モル倍量の式( II )で示される3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオン酸エステルとを、上記原料ウンデカンに対して0.006〜0.02モル倍量のジアルキルスズ化合物から選ばれる触媒の存在下、溶媒の不存在下にエステル交換反応に付し、得られる反応混合物から式(II)で示される原料エステルを回収せずに、晶析に付すことを特徴とする3,9−ビス〔2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5・5〕ウンデカンの製造方法。
(式中、R 1 は炭素数1から3のアルキル基を表す。) - 3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5・5〕ウンデカンと該原料ウンデカンに対して2.1〜6モル倍量の請求項1記載の式( II )で示される3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオン酸エステルとを、上記原料ウンデカンに対して0.006〜0.02モル倍量のジアルキルスズ化合物から選ばれる触媒の存在下、溶媒の不存在下にエステル交換反応に付し、得られたエステル交換反応混合物を晶析して、晶析後の母液から晶析に用いた溶媒を留去後、得られた残渣を減圧下で蒸留することを特徴とする式( II )で示される3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオン酸エステルの回収方法。
- 触媒が、式( IV )
(R 2 ) 2 S n =O ( IV )
(式中、R 2 は炭素数1〜12のアルキル基を表す。)
で示されるジアルキルスズオキサイドである請求項1又は2記載の方法。 - 触媒が、ジブチルスズオキサイドまたはジオクチルスズオキサイドである請求項3記載の方法。
- 触媒が、式(V)
(R 2 ) 2 S n (OR 3 ) 2 (V)
(式中、R 2 は炭素数1〜12のアルキル基を表し、R 3 は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
で示されるジアルキルスズジアルコキシドである請求項1〜4のいずれかに記載の方法。 - 触媒が、ジブチルスズジメトキシドである請求項5記載の方法。
- 触媒が、ジブチルスズジアセテートである請求項7記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07344194A JP3661198B2 (ja) | 1994-04-12 | 1994-04-12 | ヒドロキシフェニルプロピオン酸エステルの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07344194A JP3661198B2 (ja) | 1994-04-12 | 1994-04-12 | ヒドロキシフェニルプロピオン酸エステルの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07278154A JPH07278154A (ja) | 1995-10-24 |
JP3661198B2 true JP3661198B2 (ja) | 2005-06-15 |
Family
ID=13518336
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07344194A Expired - Fee Related JP3661198B2 (ja) | 1994-04-12 | 1994-04-12 | ヒドロキシフェニルプロピオン酸エステルの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3661198B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023286616A1 (ja) | 2021-07-15 | 2023-01-19 | 住友化学株式会社 | フェノール化合物、有機材料用安定剤、樹脂組成物、及び有機材料の安定化方法 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4626048B2 (ja) * | 2000-11-24 | 2011-02-02 | 住友化学株式会社 | ヒドロキシフェニルプロピオン酸エステルの製造方法 |
-
1994
- 1994-04-12 JP JP07344194A patent/JP3661198B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023286616A1 (ja) | 2021-07-15 | 2023-01-19 | 住友化学株式会社 | フェノール化合物、有機材料用安定剤、樹脂組成物、及び有機材料の安定化方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07278154A (ja) | 1995-10-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
NO300207B1 (no) | Fremgangsmåte til fremstilling av hydroksyamider | |
JPH01316346A (ja) | エステルの製造法 | |
JPS6014030B2 (ja) | 抗抑うつ症剤の製造方法 | |
JPH0611737B2 (ja) | ステアリル−β(3,5−ジブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト及びビス〔β(3,5−ジブチル−4−ヒドロキシベンジル)−メチル−カルボキシルエチル〕スルフィドの製造方法 | |
JPS6233223B2 (ja) | ||
JPH0474347B2 (ja) | ||
JP3661198B2 (ja) | ヒドロキシフェニルプロピオン酸エステルの製造法 | |
KR910009350B1 (ko) | N-포르밀 아스파르트산 무수물의 제조방법 | |
US4294775A (en) | Resolution of acylated D,L-alkyl substituted alkanoic acids | |
JPS62164672A (ja) | 1,2−ジメチルイミダゾ−ルの製造法 | |
US4754045A (en) | Method for producing hydroxyphenylpropionic acid ester | |
US4745211A (en) | Process for the preparation of purified bis(2-hydroxyethyl) ester of 2,6-naphthalenedicarboxylic acid | |
US4356321A (en) | Production of N,N,N',N'-tetraacetylethylenediamine | |
US2744136A (en) | Amides of sulfonylserinophenones | |
EP0889040B1 (en) | Process for producing 2,4-oxazolidinedione | |
US5281746A (en) | Process for preparing peroxyacid precursors having amide moieties in the fatty chain | |
JP4397990B2 (ja) | 3−アルキルフラバノノール誘導体の精製法 | |
JP4626048B2 (ja) | ヒドロキシフェニルプロピオン酸エステルの製造方法 | |
US4165328A (en) | Process for separating 11-cyanoundecanoic acid, cyclohexanone and ε- | |
US4954652A (en) | Production of acetaminophen | |
JP4873207B2 (ja) | 光学活性カルボン酸クロリドの精製方法 | |
US4496747A (en) | Process for the preparation of dehydroacetic acid | |
US3218338A (en) | Method of making organic carbonating agents | |
US4522764A (en) | Process for the production of α, β-unsaturated carboxylic acid alkyl esters sulfonated in the α-position and compounds obtainable by this process | |
US5994587A (en) | Process for purifying neomenthyldiphenylphosphine using methanol |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040831 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20041022 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050301 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050314 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080401 Year of fee payment: 3 |
|
RD05 | Notification of revocation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D05 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090401 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090401 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100401 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110401 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120401 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130401 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130401 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140401 Year of fee payment: 9 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |